JPH11116668A - 架橋ポリカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリカーボネート及びその製造方法

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JPH11116668A
JPH11116668A JP23649498A JP23649498A JPH11116668A JP H11116668 A JPH11116668 A JP H11116668A JP 23649498 A JP23649498 A JP 23649498A JP 23649498 A JP23649498 A JP 23649498A JP H11116668 A JPH11116668 A JP H11116668A
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JP
Japan
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polyhydric alcohol
diol
crosslinked polycarbonate
group
trihydric
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JP23649498A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ishitoku
石徳  武
Masahide Tanaka
正秀 田中
Naoya Sakamoto
直哉 坂本
Jiro Ishihara
二郎 石原
Hiroki Kuyama
浩樹 九山
Hidekazu Koseki
英一 小関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Shimadzu Corp
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノマー成分として、重縮合の過程において
副反応を起こすことのない3価以上の多価アルコールを
用いて得られる新規な架橋ポリカーボネートを提供す
る。 【解決手段】 ジオール(A)と、任意の2つの水酸基
のいずれもが互いに1,2−二置換又は1,3−二置換
の位置関係にはない3価以上の多価アルコール(B)
と、炭酸ジエステル等のカルボニル成分(C)とを重縮
合させて、架橋ポリカーボネートを得る。3価以上の多
価アルコール(B)は、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール等の水酸基それぞれに1分子以上のエ
チレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加さ
せた多価アルコールである。ポリエステル等の改質剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な架橋ポリカ
ーボネート及びその製造方法に関する。この架橋ポリカ
ーボネートは、ポリエステル、ポリウレタン等の改質剤
として有用であり、生分解性樹脂として重要なポリ乳酸
の改質剤として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】架橋型のポリカーボネートとして、ジオ
ールと、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどの3価以上の多価アルコールと、炭酸ジエステル
とを反応させることにより製造されるポリカーボネート
が知られている。
【0003】特開平3−220233号公報には、ポリ
カーボネートジオールとトリメチロールプロパンあるい
はペンタエリスリトールとのエステル交換反応によって
得られる架橋ポリカーボネートが開示されている。
【0004】また、特開平6−73173号公報には、
カルボニル成分と、分岐ジオールと、ジトリメチロール
プロパンあるいはソルビトールなどの4〜6価以上の多
価アルコールとを反応させることによって得られる架橋
ポリカーボネートが開示されている。
【0005】しかしながら、上記従来の架橋ポリカーボ
ネートのモノマー成分として用いられている3価以上の
多価アルコールは、いずれも1,2−ジオールあるいは
1,3−ジオールの構造単位を有している。D. B. Patt
ison (J. Am. Chem. Soc., 79, 3455 (1957)) の報告に
よると、1,3−ジオールの構造単位を有するトリメチ
ロールプロパン等は、環状カーボネートを経由し、脱炭
酸を起こして環状エーテルへと変換されるなどの副反応
を起こすことが示唆されており、架橋ポリカーボネート
の原料モノマー成分として必ずしも最適なものとは言え
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、モノマー成分とし
て、重縮合の過程において副反応を起こすことのない3
価以上の多価アルコールを用いて得られる新規な架橋ポ
リカーボネートを提供することにある。また、本発明の
目的は、この新規な架橋ポリカーボネートを製造する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、3価以上の多価アルコールとして、トリメチロ
ールプロパンやペンタエリスリトール等の多価アルコー
ルにエポキシ化合物を付加させたものを原料モノマー成
分として用いることにより、環化、脱炭酸などの副反応
を抑制して、架橋ポリカーボネートを合成できることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の架橋ポリカーボネート
は、ジオール(A)と、3価以上の多価アルコールであ
って、任意の2つの水酸基のいずれもが互いに1,2−
二置換又は1,3−二置換の位置関係にはない3価以上
の多価アルコール(B)と、炭酸ジエステル、ホスゲン
及びこれらの等価体からなる群から選ばれるカルボニル
成分(カルボニル基含有化合物)(C)とを重縮合させ
ることにより得られるポリカーボネートである。
【0009】また、本発明の架橋ポリカーボネートの製
造方法は、ジオール(A)と、3価以上の多価アルコー
ルであって、任意の2つの水酸基のいずれもが互いに
1,2−二置換又は1,3−二置換の位置関係にはない
3価以上の多価アルコール(B)と、炭酸ジエステル、
ホスゲン及びこれらの等価体からなる群から選ばれるカ
ルボニル成分(カルボニル基含有化合物)(C)とを重
縮合させる方法である。
【0010】ここで、等価体とは、クロロ炭酸エステ
ル、カーボジイミダゾールなど、多価アルコールと反応
することによってポリカーボネートを与える化合物を示
す。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明において、ジオール(A)としては、従来よりポリ
カーボネートの合成原料として用いられているジオール
を用いることができ、特に限定されるものではないが、
次の一般式(I)で表されるジオールであることが好ま
しい。 HO−R−OH (I) 式中、Rは炭素数4〜20のアルキレン基であり、フェ
ニレン基及び/又はエーテル結合を含んでいても良く、
また環構造を形成していても良い。
【0012】このようなジオール(A)としては、例え
ば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール等が挙げられる。これらを
単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】これらジオール(A)のうち、原料入手、
得られるポリマー物性等の点から、より好ましいものと
しては、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げら
れる。
【0014】3価以上の多価アルコール(B)は、多価
アルコール(B)中に含まれる任意の2つの水酸基のい
ずれもが互いに1,2−二置換又は1,3−二置換の位
置関係にはない3価以上の多価アルコールである。
【0015】例えば、特に限定されないが、n価以上の
多価アルコール(nは、3以上の整数である)が有する
n個の水酸基それぞれに1分子以上のエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシドを付加させた多価アルコ
ール(B)が挙げられる。このような3価以上の多価ア
ルコール(B)として、より具体的には、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリト
ール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリト
ール、グリセリン及びソルビトールからなる群から選ば
れる少なくとも1種の多価アルコールの水酸基それぞれ
に1分子以上のエチレンオキシド及び/又はプロピレン
オキシドを付加させた多価アルコール(B)が挙げられ
る。
【0016】付加されたエチレンオキシド及び/又はプ
ロピレンオキシドの分子数としては、このような多価ア
ルコール中の水酸基それぞれに1分子〜20分子である
ことが、得られるポリマー物性等の点からより好まし
い。また、この付加反応は、常法により容易に行うこと
ができる。これらの多価アルコール(B)を単独で用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】これら多価アルコール(B)のうち、原料
入手、得られるポリマー物性等の点から、より好ましい
ものとしては、 トリメチロールプロパン1モルに対
し3モルのエチレンオキシドが付加したアルコール、
ペンタエリスリトール1モルに対し4モルのエチレン
オキシドが付加したアルコール等が挙げられる。
【0018】このようなアルコールとしては、例え
ば、次の化合物(化1)が挙げられる。また、アルコー
ルとしては、例えば、次の化合物(化2)が挙げられ
る。
【0019】
【化1】
【化2】
【0020】本発明においては、3価以上の多価アルコ
ール(B)は、多価アルコール(B)中に含まれる任意
の2つの水酸基のいずれもが互いに1,2−二置換又は
1,3−二置換の位置関係にはないので、重縮合の過程
において、環化、脱炭酸などの副反応が抑制される。
【0021】本発明において、カルボニル成分(C)
は、炭酸ジエステル、ホスゲン又はこれらの等価体から
なる群から選ばれる。このようなカルボニル成分(C)
としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸
ジイソプロピル、エチルメチルカーボネート、イソプロ
ピルメチルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネ
ート、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネートなどの炭酸ジエステル; クロロギ酸
メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニルなどの
クロロギ酸エステル; ホスゲン等が挙げられる。
【0022】これらカルボニル成分(C)のうち、原料
入手、反応性、ハンドリングの容易さ等の点から、より
好ましいものとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、
炭酸ジフェニル等が挙げられる。
【0023】本発明の架橋ポリカーボネートは、ポリマ
ー中におけるジオール(A)と多価アルコール(B)と
の構成モル比が、(A):(B)=40:60〜99:
1の範囲であることが好ましい。構成モル比がこの範囲
であることが、ポリマーの溶解性および改質剤としての
性能の点から好ましい。より好ましい構成モル比は、
(A):(B)=70:30〜98:2の範囲である。
【0024】本発明の架橋ポリカーボネートの分子量
は、GPCのポリスチレン換算重量平均分子量2,00
0〜100,000の範囲であることが、ポリマーの溶
解性および改質剤としての性能の点から好ましい。より
好ましい重量平均分子量は、3,000〜80,000
の範囲である。
【0025】また、本発明の架橋ポリカーボネートは、
その分子末端が水酸基、カーボネートエステル、又はこ
れらの混合のいずれのものであっても良い。ただし、ポ
リエステル、ポリウレタン等のポリマーの改質剤として
用いる場合は、分子末端は水酸基であることが好まし
い。分子末端については、重合を行う際に、ジオール
(A)及び3価以上の多価アルコール(B)が有する水
酸基の合計とカルボニル成分(C)の仕込みモル比を調
整するか、あるいは重合終了後の後処理によって容易に
コントロールすることができる。
【0026】次に、製造方法について説明する。本発明
の架橋ポリカーボネートは、ジオール(A)と3価以上
の多価アルコール(B)とカルボニル成分(C)とを、
周知の方法により重縮合させることにより合成すること
ができる。すなわち、これら3種のモノマーを、例え
ば、反応温度50〜200℃程度、圧力5〜2000m
mHg程度で反応させることにより、重縮合させて架橋
ポリカーボネートを得ることができる。
【0027】ジオール(A)と3価以上の多価アルコー
ル(B)との仕込みモル比は、(A):(B)=50:
50〜99:1の範囲であることが、ポリマーの溶解性
および改質剤としての性能の点から好ましい。より好ま
しい仕込みモル比は、(A):(B)=60:40〜9
8:2の範囲である。このようなジオール(A)と3価
以上の多価アルコール(B)との仕込みモル比で重縮合
を行うことにより、ポリマー中におけるジオール(A)
と多価アルコール(B)との構成モル比が、(A):
(B)=40:60〜99:1の範囲となる架橋ポリカ
ーボネートを得ることができる。
【0028】カルボニル成分(C)の仕込み量は、ジオ
ール(A)及び3価以上の多価アルコール(B)が有す
る水酸基の合計に対して0.2〜5当量であることが、
得られるポリカーボネートの分子量の点から好ましい。
より好ましいカルボニル成分(C)の仕込み量は、ジオ
ール(A)及び3価以上の多価アルコール(B)が有す
る水酸基の合計に対して0.5〜4当量である。
【0029】得られる架橋ポリカーボネートの分子末端
の調整は、カルボニル成分(C)のジオール(A)及び
多価アルコール(B)が有する水酸基の合計量に対する
仕込み量によって容易に調整することができる。すなわ
ち、カルボニル成分(C)の仕込み量が大きくなると、
末端はカーボネート基となり、カルボニル成分(C)の
仕込み量が小さくなると、末端はヒドロキシル基とな
る。
【0030】また、架橋ポリカーボネートの分子末端
は、重合終了後に、アルコール成分の添加あるいはジア
ルキルカーボネート、クロロ炭酸エステルの添加により
調整することができる。
【0031】このようにして本発明の架橋ポリカーボネ
ートを製造することができる。本発明によれば、架橋ポ
リカーボネートの合成原料として、多価アルコール
(B)中に含まれる任意の2つの水酸基のいずれもが互
いに1,2−二置換又は1,3−二置換の位置関係には
ない3価以上の多価アルコール(B)を用いるので、重
縮合の過程において、環化、脱炭酸などの副反応が抑制
される。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、島津
製作所製HPLCを用いてポリスチレン換算値を求め
た。融点の測定は、島津製作所製走査型示差熱量計DS
C−500を用いて行った。
【0033】[実施例1]攪拌機、温度計及び精留塔等
を装備したガラス反応容器に、トリメチロールプロパン
−EO付加体(トリメチロールプロパン1モルに酸化エ
チレン3モルを付加させた化合物、日本乳化剤社製)6
6.6g(0.25モル)、1,4−ブタンジオール2
02.8g(2.25モル)、炭酸ジメチル225.2
g(2.5モル)及び触媒として28%ナトリウムメト
キシドメタノール溶液0.95g(0.005モル)を
混合し、常圧下95℃で2時間保持し、その後5時間か
けて150℃まで昇温し、さらに150℃で4時間加熱
することにより、反応で生成するメタノールを留去し
た。
【0034】次いで、2mmHgの減圧下で、150〜
155℃に保ち、重合反応に伴って生成する1,4−ブ
タンジオール42g(0.47モル)を留去した。反応
混合物を室温まで冷却後、クロロホルム250mlと活
性白土10gを添加し、55℃で1時間攪拌した。これ
を室温まで冷却後、活性白土をろ過し、ろ液を濃縮、乾
燥することにより架橋ポリカーボネート233gを白色
固体として得た。
【0035】このポリマーの融点は36℃で、GPCの
重量平均分子量は13,900であった。また、プロト
ンNMR分析の結果、図1に示すNMRチャートのよう
に、4.1〜4.3(δ値、溶媒:CDCl3 )に−C
2 OCOO−のプロトンに対応するピークが観測さ
れ、ポリカーボネートであることが確認された。また、
−OCOOCH3 のプロトンに対応するピークは観測さ
れず、ポリマーの分子末端はOH基であることが確認さ
れた。
【0036】[実施例1−2]上記実施例1の合成にお
いて、2mmHgの減圧下で、150〜155℃に保
ち、重合反応に伴って生成する1,4−ブタンジオール
46g(0.51モル)を留去した以外は、同様の操作
で架橋ポリカーボネート 229gを得た。この架橋ポ
リカーボネートのGPCによる重量平均分子量は20,
300であった。
【0037】[実施例2]攪拌機、温度計及び精留塔等
を装備したガラス反応容器に、トリメチロールプロパン
−EO付加体(トリメチロールプロパン1モルに酸化エ
チレン3モルを付加させた化合物、日本乳化剤社製)2
6.6g(0.1モル)、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール129.8g(0.9モル)、炭酸ジメチル9
4.6g(1.05モル)及び触媒として28%ナトリ
ウムメトキシドメタノール溶液0.38g(0.002
モル)を混合し、常圧下105℃で2時間保持し、その
後6時間かけて160℃まで昇温し、さらに160℃で
4時間加熱することにより、反応で生成するメタノール
を留去した。
【0038】次いで、1mmHgの減圧下で、160〜
170℃に保ち、重合反応に伴って生成する1,4−シ
クロヘキサンジメタノール25.5g(0.18モル)
を留去した。反応混合物を室温まで冷却後、クロロホル
ム200mlと活性白土4gを添加し、55℃で1時間
攪拌した。これを室温まで冷却後、活性白土をろ過し、
ろ液を濃縮、乾燥することにより架橋ポリカーボネート
143.2gを白色固体として得た。
【0039】このポリマーの融点は86℃で、GPCの
重量平均分子量は7,900であった。また、プロトン
NMR分析の結果、図2に示すNMRチャートのよう
に、3.9〜4.3(δ値、溶媒:CDCl3 )に−C
2 OCOO−のプロトンに対応するピークが観測さ
れ、ポリカーボネートであることが確認された。また、
−OCOOCH3 のプロトンに対応するピークは観測さ
れず、ポリマーの分子末端はOH基であることが確認さ
れた。
【0040】[実施例3]実施例1において、1,4−
ブタンジオールの代わりにジエチレングリコール23
8.8g(2.25モル)を用いた以外は、実施例1と
同様の操作で架橋ポリカーボネート209.5gを得
た。(重合反応に伴って生成するジエチレングリコール
47.5g(0.45モル)を留去した。) このもののは液体で、GPCの重量平均分子量は11,
750であった。このポリマーのプロトンNMRチャー
トを図3に示す。
【0041】[実施例4]実施例1において、トリメチ
ロールプロパン−EO付加体の代わりにペンタエリスリ
トール−EO付加体(ペンタエリスリトール1モルに酸
化エチレン4モルを付加させた化合物、日本乳化剤社
製)78.1g(0.25モル)を用いた以外は、実施
例1と同様の操作で架橋ポリカーボネート241.5g
を得た。(重合反応に伴って生成する1,4−ブタンジ
オール44.3g(0.49モル)を留去した。) このもののは液体で、GPCの重量平均分子量は22,
800であった。このポリマーのプロトンNMRチャー
トを図4に示す。
【0042】[実施例5]実施例2において、炭酸ジメ
チルの仕込み量を135.1g(1.5モル)とした以
外は、実施例2と同様に仕込んだ。常圧下105℃で2
時間保持し、その後6時間かけて160℃まで昇温し、
さらに160℃で4時間加熱することにより、反応で生
成するメタノールを留去した。
【0043】次いで、50mmHgの減圧下で、160
℃に保ち、重合反応に伴って生成する炭酸ジメチルを留
去した。反応混合物を室温まで冷却後、クロロホルム2
00mlと活性白土4gを添加し、55℃で1時間攪拌
した。これを室温まで冷却後、活性白土をろ過し、ろ液
を濃縮、乾燥することにより架橋ポリカーボネート15
3gを白色固体として得た。
【0044】このポリマーの融点は80℃で、GPCの
重量平均分子量は9,800であった。また、プロトン
NMR分析の結果、図5に示すNMRチャートのよう
に、3.9〜4.3(δ値、溶媒:CDCl3 )に−C
2 OCOO−のプロトンに対応するピークが観測さ
れ、ポリカーボネートであることが確認された。また、
−OCOOCH3 のプロトンに対応するピークが3.7
8に観測され、メチルカーボネート末端であることが分
かった。
【0045】[実施例6] (架橋ポリカーボネートのポリ乳酸の改質剤としての使
用例)島津製作所製ポリ乳酸(商品名 ラクティ:融点
175℃、重量平均分子量200,000)140g
と、実施例1で得られた架橋ポリカーボネート60gと
を190℃に制御された2軸混練機(栗本製作所製)に
仕込み、10分間溶融混練を行い、取り出したストラン
ドを水冷し、カットしてペレットを得た。DSC測定の
結果、融点は171℃であった。
【0046】このペレットをホットプレス(185℃、
150kgf/cm2 、3分間)にかけ、厚さ0.9m
mの透明なシートを得た。このシートから、幅5mm、
長さ3cmの短冊状のサンプルを切り出し、動的粘弾性
測定を行った。その結果、−45℃付近にtanδのピ
ーク(8×10-2)が現れ、常温での使用時に耐衝撃性
が優れることが示された。尚、動的粘弾性の測定は、島
津製作所製DVA−300を用いて、動的粘弾性の温度
依存性に関する試験(JIS K 7198)に準じて
行った。
【0047】
【発明の効果】本発明の架橋ポリカーボネートの製造方
法によれば、上述のように、3価以上の多価アルコール
(B)として、多価アルコール(B)中に含まれる任意
の2つの水酸基のいずれもが互いに1,2−二置換又は
1,3−二置換の位置関係にはないものを用いるので、
重縮合の過程において、環化、脱炭酸などの副反応が抑
制され、架橋ポリカーボネートの製造方法として優れて
いる。本発明の架橋ポリカーボネートによれば、ポリエ
ステル、ポリウレタン等の改質剤として有用であり、生
分解性樹脂として重要なポリ乳酸の改質剤として特に有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた架橋ポリカーボネートの
NMRチャートである。
【図2】 実施例2で得られた架橋ポリカーボネートの
NMRチャートである。
【図3】 実施例3で得られた架橋ポリカーボネートの
NMRチャートである。
【図4】 実施例4で得られた架橋ポリカーボネートの
NMRチャートである。
【図5】 実施例5で得られた架橋ポリカーボネートの
NMRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 直哉 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 三 井化学株式会社内 (72)発明者 石原 二郎 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内 (72)発明者 九山 浩樹 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内 (72)発明者 小関 英一 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオール(A)と、 3価以上の多価アルコールであって、任意の2つの水酸
    基のいずれもが互いに1,2−二置換又は1,3−二置
    換の位置関係にはない3価以上の多価アルコール(B)
    と、 炭酸ジエステル、ホスゲン及びこれらの等価体からなる
    群から選ばれるカルボニル成分(C)とを重縮合させる
    ことにより得られる架橋ポリカーボネート。
  2. 【請求項2】 3価以上の多価アルコール(B)が、n
    価以上の多価アルコール(nは、3以上の整数である)
    が有するn個の水酸基それぞれに1分子以上のエチレン
    オキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させた多
    価アルコール(B)である、請求項1項に記載の架橋ポ
    リカーボネート。
  3. 【請求項3】 3価以上の多価アルコール(B)が、ト
    リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタ
    エリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタ
    エリスリトール、グリセリン及びソルビトールからなる
    群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールの水酸
    基それぞれに1分子以上のエチレンオキシド及び/又は
    プロピレンオキシドを付加させた多価アルコール(B)
    である、請求項2項に記載の架橋ポリカーボネート。
  4. 【請求項4】 ジオール(A)が、一般式(I)で表さ
    れるジオールである、請求項1〜3項のうちのいずれか
    1項に記載の架橋ポリカーボネート: HO−R−OH (I) (式中、Rは炭素数4〜20のアルキレン基であり、フ
    ェニレン基及び/又はエーテル結合を含んでいても良
    く、また環構造を形成していても良い。)。
  5. 【請求項5】 ポリマー中におけるジオール(A)と3
    価以上の多価アルコール(B)との構成モル比が、
    (A):(B)=40:60〜99:1の範囲である、
    請求項1〜4項のうちのいずれか1項に記載の架橋ポリ
    カーボネート。
  6. 【請求項6】 重量平均分子量が、2,000〜10
    0,000である、請求項1〜5項のうちのいずれか1
    項に記載の架橋ポリカーボネート。
  7. 【請求項7】 ジオール(A)と、 3価以上の多価アルコールであって、任意の2つの水酸
    基のいずれもが互いに1,2−二置換又は1,3−二置
    換の位置関係にはない3価以上の多価アルコール(B)
    と、 炭酸ジエステル、ホスゲン及びこれらの等価体からなる
    群から選ばれるカルボニル成分(C)とを重縮合させ
    る、架橋ポリカーボネートの製造方法。
  8. 【請求項8】 ジオール(A)と3価以上の多価アルコ
    ール(B)とを、(A):(B)=50:50〜99:
    1の範囲の仕込みモル比で反応させる、請求項7に記載
    の架橋ポリカーボネートの製造方法。
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