JP7207402B2 - ポリカーボネートおよび成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネートおよび成形体に関する。特に、光学レンズに適した成形体に関する。
カメラ、フィルム一体型カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラの光学系に使用される光学レンズの材料として、光学ガラスあるいは光学用樹脂が使用されている。光学ガラスは、耐熱性、透明性、寸法安定性、耐薬品性等に優れるが、材料コストが高く、成形加工性が悪く、生産性が低いという問題点を有している。
一方、光学用樹脂からなる光学レンズは、射出成形により大量生産が可能であるという利点を有している。例えば、カメラ用レンズにおいて、ポリカーボネート樹脂等が使用されている。特に製品の軽薄短小化により、高屈折率、低アッベ数である光学レンズ向け樹脂の開発がさかんに行われている(特許文献1、特許文献2)。また、高アッベ数である光学レンズ向け樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー等が一般的に使用されるが、最近では、さらに種々の物性が改善された樹脂も使用される(特許文献3、特許文献4)。
一方、スピログリコール由来の構成単位を有するポリカーボネートも知られている(特許文献5~9)。
一般に光学材料の屈折率が高いと、同一の屈折率を有するレンズエレメントを、より曲率の小さい面で実現できるため、この面で発生する収差量を小さくできる。その結果、レンズの枚数を減らしたり、レンズの偏心感度を低減したり、レンズ厚みを薄くして軽量化することが可能である。
また、一般に、カメラの光学系では、複数枚の凹レンズと凸レンズを組み合わせることで収差補正を行っている。即ち、凸レンズでできた色収差に対し、凸レンズと反対の符号の色収差を有する凹レンズを組み合わせることにより、合成的に色収差を打ち消している。この時、凹レンズには高分散(すなわち、低アッベ数)であることが要求される。
WO2014/073496号公報 WO2018/016516号公報 WO2016/052370号公報 WO2017/175693号公報 特開2006-232897号公報 特開平10-251500号公報 特開平9-268225号公報 特開2011-162604号公報 特開2010-077249号公報
しかしながら、近年、各種カメラ等の光学系に使用される光学素子の種類はより多くなっており、様々なバランスの屈折率とアッベ数を有する光学レンズ向け樹脂の要望がある。さらに適切な屈折率やアッベ数に止まらず、その他の各種樹脂物性も要求される。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、適切な屈折率およびアッベ数を有し、かつ、耐熱性、全光線透過率および色相に総合的に優れたポリカーボネートおよびその成形体を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者は、新規化合物であるジスピログリコール(DSG)と、環状構造を含む炭化水素基を有するジヒドロキシ化合物と共重合したポリカーボネートを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>~<14>により、上記課題は解決された。
<1>下記式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位とを含む、ポリカーボネート;
Figure 0007207402000001
式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子を含む基、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表す。
<2>数平均分子量が6000以上である、<1>に記載のポリカーボネート。
<3>前記式[I]で表される構成単位が、前記ポリカーボネートを構成する全構成単位の5mol%~95mol%を占める、<1>または<2>に記載のポリカーボネート。
<4>前記環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位が、式[II]で表される構成単位を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載のポリカーボネート;
Figure 0007207402000002
式[II]中、aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表し、Xは炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、Rは環状構造を含む炭化水素基を表す。
<5>前記式[II]におけるaおよびbが1~10の整数である、<4>に記載のポリカーボネート。
<6>前記式[II]におけるRが4つ以上のベンゼン環を含む構造である、<4>または<5>に記載のポリカーボネート。
<7>前記式[II]で表される構成単位が、式[II-1]、式[II-2]および式[II-3]で表される構成単位の少なくとも1種である、<4>または<5>に記載のポリカーボネート;
Figure 0007207402000003
式[II-1]中、R1~R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Xは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
Figure 0007207402000004
式[II-2]中、R1~R20は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Yは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
Figure 0007207402000005
式[II-3]中、R1~R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Zは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
eおよびfは、それぞれ独立に、0~10の整数である。
<8>前記式[I]におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のポリカーボネート。
<9>前記式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、または、アリール基を表す、<1>~<8>のいずれか1つに記載のポリカーボネート。
<10>前記式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、または、アリール基である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のポリカーボネート。
<11>前記式[I]におけるR3が、水素原子であり、R1およびR2が、それぞれ独立にエチル基、メチル基またはフェニル基である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のポリカーボネート。
<12>前記式[I]におけるR3が、水素原子であり、R1およびR2がエチル基である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のポリカーボネート。
<13><1>~<12>のいずれか1つに記載のポリカーボネートを含む、成形体。
<14>光学レンズである、<13>に記載の成形体。
本発明により、適切な屈折率およびアッベ数を有し、かつ、耐熱性、全光線透過率、および、色相に総合的に優れたポリカーボネートおよびその成形体を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネートは、下記式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位とを含むことを特徴とする。
Figure 0007207402000006
式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子を含む基、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表す。
このような構成とすることにより、適切な屈折率およびアッベ数を有し、かつ、耐熱性、全光線透過率、および、色相に総合的に優れたポリカーボネートが得られる。
特に、DSGと類似の構造を有するスピログリコールモノマー由来のポリカーボネートと同等のアッベ数を保持しつつ、高屈折率のポリカーボネートが得られる。また、このようなポリカーボネートは、耐熱性に優れ、全光線透過率が高く、色相(b値)が良好なものが得られる。
<式[I]で表される構成単位>
本発明のポリカーボネートは、式[I]で表される構成単位を含む。
Figure 0007207402000007
式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子を含む基、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表す。
式[I]におけるR1およびR2としては、それぞれ独立に、炭化水素基であり、好ましくは、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくは、炭素数1~7の直鎖のアルキル基またはアリール基を表し、炭素数1~7の直鎖のアルキル基がさらに好ましい。
本発明におけるR1およびR2の好ましい実施形態の一例は、エチル基、メチル基またはフェニル基である。
炭素数1~7の直鎖のアルキル基は、炭素数1~5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3~7の分岐したアルキル基は、炭素数3~5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基は、炭素数6~20のアリール基が好ましく、炭素数6~14のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基がさらに好ましく、フェニル基が一層好ましい。
式[I]におけるR1およびR2としては、それぞれ独立に、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルエチル基(tert-ブチル基)、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,2,2-トリメチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、1,5-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3,4-ジメチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、1―エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、2-プロピルブチル基、3-プロピルブチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-3-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-2-メチルブチル基、2-エチル-3-メチルブチル基、および1,2,3-トリメチルブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらの中ではR1およびR2が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、フェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基またはフェニル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが一層好ましく、エチル基であることがより一層好ましい。
式[I]におけるR3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子を含む基(好ましくはハロゲン原子)、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表し、水素原子、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基であることが好ましく、水素原子、炭素数1~6の直鎖のアルキル基または炭素数3~6の分岐したアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子が一層好ましい。
ヘテロ原子を含む基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が例示される。
ヘテロ原子を含む基は、アルコキシ基、アルキルチオエーテル基、アミノ基、ニトロ基が好ましい例として挙げられる。また、アルコキシ基またはアルキルチオエーテル基を構成するアルキル鎖は、炭素数1~6の直鎖のアルキル鎖が好ましく、炭素数1~3の直鎖のアルキル鎖がより好ましい。
炭素数1~6の直鎖のアルキル基は、炭素数1~5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3~6の分岐したアルキル基は、炭素数3~5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基を含む炭素数が6~12である基は、フェニル基、フェニル基で置換されたアルキル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。フェニル基で置換されたアルキル基を構成するアルキル基の炭素数は、1~3が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記式[I]におけるR3としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルエチル基(tert-ブチル基)、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,2,2-トリメチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、メチルチオエーテル基、エチルチオエーテル基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、およびベンジル基が挙げられる。
これらの中ではR3は、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基であるとより好ましい。また、工業的に入手が容易であるという観点から、R3が水素原子である場合が特に好ましい。
式[I]における好ましい実施形態として、式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子である形態が例示される。また、式[I]で表される構成単位の好ましい他の実施形態として、式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基またはメチル基であり、R3が水素原子である構成単位が例示される。
式[I]で表される構成単位は、下記式[I-I]で表される化合物(以下、「DSG」ということがある)に由来する。
Figure 0007207402000008
式[I-I]における、R1、R2およびR3は、式[I]におけるR1、R2およびR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、本発明で好ましく用いられる式[I-I]で表される化合物を示す。本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。なお、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を表す。
Figure 0007207402000009
Figure 0007207402000010
Figure 0007207402000011
Figure 0007207402000012
Figure 0007207402000013
式[I-I]で表されるジオールの分子量は、300~550が好ましく、300~500がより好ましい。
式[I-I]で表されるジオールは、下記式(2)で表される1,4-シクロヘキサンジオン誘導体と、下記式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることによって得られる。式(2)で表される1,4-シクロヘキサンジオン誘導体および式(3)で表されるトリオールは、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
Figure 0007207402000014
式(2)中、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表す。
式(2)におけるR4は、式[I-I]におけるR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 0007207402000015
式(3)中、R5は、炭化水素基を表す。
5としての炭化水素基は、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す。一実施形態としては、R5は、炭素数1~7の直鎖のアルキル基または炭素数3~7の分岐したアルキル基を表す。但し、R5としての炭化水素基は、エーテル結合を含まない。
式(3)におけるR5としては、式[I-I]におけるR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明では、式(2)で表される1,4-シクロヘキサンジオン誘導体が、1,4-シクロヘキサンジオンであり、式(3)で表されるトリオールが、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種(好ましくは、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンの少なくとも1種)である場合が特に好ましい。
本発明のポリカーボネートにおける式[I]で表される構成単位の割合は、ポリカーボネートを構成する全構成単位の5mol%以上を占めることが好ましく、10mol%以上、20mol%以上、30mol%以上、あるいは、40mol%以上であってもよい。また、前記式[I]で表される構成単位の割合の上限値は、ポリカーボネートを構成する全構成単位の95mol%以下であることが好ましく、70mol%以下であることがより好ましく、60mol%以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリカーボネートは、式[I]で表される構成単位を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位>
本発明のポリカーボネートは、環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位を含む。
環状構造を含む炭化水素基とは、環状構造を含み、かつ、骨格が炭化水素から形成されている基をいう。より具体的には、環状構造を含む炭化水素基とは、置換基を有していてもよい環状構造の炭化水素基、および、置換基を有していてもよい環状構造の炭化水素基と置換基を有していてもよい非環状構造の炭化水素基の組み合わせからなる基が例示される。
本発明における環状構造は、芳香環および/または脂環を含む環状構造であり、単環、単環が2つ以上縮合した縮合環、単環および/または縮合環の2つ以上が共有結合によって、あるいは、連結基(炭化水素基)を介して結合した構造が例示される。
環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位は、式[II]で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0007207402000016
式[II]中、aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表し、Xは炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、Rは環状構造を含む炭化水素基を表す。
式[II]におけるaおよびbは、それぞれ独立に、1~10の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1がさらに好ましい。
式[II]におけるXは炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、好ましくは炭素数1~8のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1~4のアルキレン基であり、さらに好ましくはエチレン基である。前記アルキレン基は、直鎖または分岐のアルキレン基であり、直鎖アルキレン基が好ましい。
aおよびbが2以上の場合、それぞれのXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式[II]におけるRは、環状構造を含む炭化水素基を表す。
Rは、直鎖アルキレン基-環状構造-直鎖アルキレン基からなる基、または、環状構造からなることが好ましい。
Rが直鎖アルキレン基-環状構造-直鎖アルキレン基からなる基である場合、直鎖アルキレン基は、炭素数1~3のアルキレン基であり、メチレン基またはエチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
Rが環状構造からなる場合、Rは、脂環であっても芳香環であってもよい。具体的には、下記に示す環状構造Cyまたは環状構造Cyに置換基が結合した構造が例示される。
本発明における環状構造としては、具体的には、以下の環状構造Cyが例示される。
<環状構造Cy>
Figure 0007207402000017

上記式において、Aは、単結合またはアルキル基である。また、上記環状構造に、置換基が結合した態様も、本発明における環状構造の好ましい例として挙げられる。
上述のとおり、本発明における環状構造を有する炭化水素基は、置換基を有していてよい。
置換基としては、炭化水素基(炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基または炭素数7~17のアラルキル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、および、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、好ましくは酸素原子)を含む基が例示される。ヘテロ原子を含む基の例としては、ヘテロ原子と炭化水素基の組み合わせからなる基が例示され、アルコキシ基が好ましい。
環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位は、式[II-1]、式[II-2]および式[II-3]で表される構成単位の少なくとも1種を含むことが好ましい。
Figure 0007207402000018
式[II-1]中、R1~R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Xは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
Figure 0007207402000019
式[II-2]中、R1~R20は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Yは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
Figure 0007207402000020
式[II-3]中、R1~R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
Zは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
eおよびfは、それぞれ独立に、0~10の整数である。
式[II-1]においてR1~R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはエチル基がより好ましく、水素原子またはメチル基がさらに好ましく、水素原子が一層好ましい。
式[II-1]においてXは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、炭素数1~8のアルキレン基が好ましく、炭素数1~4のアルキレン基がより好ましく、エチレン基がさらに好ましい。
式[II-1]においてaおよびbは、それぞれ独立に、1~10の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1がさらに好ましい。
式[II-2]におけるR1~R20、および、式[II-3]におけるR1~R16の好ましい範囲は、式[II-1]におけるR1~R10の好ましい範囲と同じである。
式[II-2]におけるY、および、式[II-3]におけるZの好ましい範囲は、式[II-1]におけるXの好ましい範囲と同じである。
式[II-2]におけるcおよびd、ならびに、式[II-3]におけるeおよびfの好ましい範囲は、式[II-1]におけるaおよびbの好ましい範囲と同じである。
式[II-1]、式[II-2]、および、式[II-3]で表される構成単位は、WO2018/016516号公報の段落0035~0063に記載のジヒドロキシ化合物を用いて形成することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のポリカーボネートにおける環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位は、ポリカーボネートを構成する全構成単位の5mol%以上を占めることが好ましく、30mol%以上であることがより好ましく、40mol%以上であることがさらに好ましい。また、前記環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位の割合の上限値は、ポリカーボネートを構成する全構成単位の95mol%以下であることが好ましく、90mol%以下、80mol%以下、70mol%以下、あるいは、60mol%以下であってもよい。
特に、環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位の好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上が、式[II]で表される構成単位(好ましくは、式[II-1]、式[II-2]および式[II-3]で表される構成単位の少なくとも1種)であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートは、環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<他の構成単位>
本発明のポリカーボネートは、式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位の合計が、90mol%以上であることが好ましく、95mol%以上であることがより好ましく、97mol%以上であることがさらに好ましく、99mol%以上であることが一層好ましい。
一方、本発明のポリカーボネートは、式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
他の構成単位としては、脂肪族ジヒドロキシ化合物由来の構成単位、ヒドロキシ基を3つ以上有する化合物由来の構成単位、ジカルボン酸またはその誘導体由来の構成単位が例示される。
本発明のポリカーボネートが他の構成単位を含む場合、ポリカーボネートを構成する全構成単位の10~49mol%の範囲で含まれることが好ましく、10~30mol%の範囲で含まれることがより好ましい。
他の構成単位は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。2種以上含まれる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
他の構成単位の実施形態の一例は、脂肪族ジヒドロキシ化合物由来の構成単位を有する態様が例示される。脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体的には、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3-デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4-デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5-デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6-デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7-デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等が例示される。
本発明のポリカーボネートが脂肪族ジヒドロキシ化合物由来の構成単位を含む場合、ポリカーボネートを構成する全構成単位の10~49mol%の範囲で含まれることが好ましく、10~30mol%の範囲で含まれることがより好ましい。脂肪族ジヒドロキシ化合物由来の構成単位は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。2種以上含まれる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<ポリカーボネートの物性>
本発明のポリカーボネートは、低分子(ポリカーボネートオリゴマー)であっても、高分子(ポリカーボネート共重合体、ポリカーボネート樹脂)であってもよい。本発明では、高分子であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートは、粘度平均分子量(Mv)が、5,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、11,000以上であることが一層好ましい。前記粘度平均分子量の上限値は、例えば、100,000以下であり、好ましくは50,000以下であり、より好ましくは30,000以下であり、さらに好ましくは20,000以下であり、一層好ましくは15,000以下であり、より一層好ましくは13,000以下であり、さらには12,000以下であってもよい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の強度がより高くなる傾向にあり、上記上限値以下とすることにより、溶融粘度が低くなり、射出成形で成形したときに、金型から成形体の抜き取りがより容易になり、さらには流動性が向上し、より射出成形性に優れる傾向にあり、好ましい。
また、本発明のポリカーボネートは、数平均分子量(Mn)が2,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることがさらに好ましく、6,000以上であることが一層好ましい。前記数平均分子量の上限値は、例えば、100,000以下であり、好ましくは50,000以下であり、より好ましくは30,000以下であり、さらに好ましくは10,000以下であり、一層好ましくは9,000以下であり、より一層好ましくは8,000以下であり、さらには7,500以下であってもよい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の強度がより高くなる傾向にあり、上記上限値以下とすることにより、溶融粘度が低くなり、射出成形で成形したときに、金型から成形体の抜き取りがより容易になり、さらには流動性が向上し、より射出成形性に優れる傾向にあり、好ましい。
上記平均分子量は、後述する実施例に記載の方法で測定される。実施例に記載の機器等が廃番等により入手困難な場合は、同等の性能を有する他の機器等を用いることができる(以下、他の測定方法についても同じ)。
本発明のポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)は、70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることがさらに好ましく、120℃以上であることが一層好ましく、さらには、125℃以上、130℃以上、あるいは、135℃以上であってもよい。また、ガラス転移温度の上限値は、190℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、170℃以下であることがさらに好ましく、165℃以下、150℃以下、あるいは、146℃以下であってもよい。ガラス転移温度を100℃以上とすることにより、レンズやカメラとしての十分な使用温度範囲とすることができる。また、190℃以下とすることにより、より射出成形性が向上し好ましい。
ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明のポリカーボネートは、厚さ0.1mmのフィルムに成形したときの、JIS-K-7142の方法で測定した屈折率が1.485以上であることが好ましく、1.500以上であることがより好ましく、1.530以上であることがさらに好ましく、1.550以上であることが一層好ましく、1.570以上であることがより一層好ましい。また、前記屈折率の上限値は、1.700以下であることが好ましく、1.650以下であってもよい。
屈折率は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明のポリカーボネートは、厚さ0.1mmのフィルムに成形したときの、JIS K 7142の方法で測定したアッベ数が23以上であることが好ましく、24以上であることがより好ましく、25以上であることがさらに好ましい。前記アッベ数の上限値は、52以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましく、33以下であることがさらに好ましく、31以下であることが一層好ましく、30以下であってもよい。
アッベ数は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明のポリカーボネートは、厚さ3mmのプレート片に成形したときの、JIS-K-7361-1の方法で測定した全光線透過率が85%超であることが好ましく、86%以上であることがより好ましく、87%以上であってもよい。前記全光線透過率の上限値は、理想は100%であるが、例えば、99%以下、さらには95%以下、特には90%以下であっても十分に要求性能を満たすものである。
全光線透過率は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明のポリカーボネートは、厚さ3mmのプレート片に成形したときの、JIS K7105に準じたb値が、3.0未満であることが好ましく、2.9以下であることがより好ましく、2.8以下であることがさらに好ましく、2.7以下であることがさらに好ましい。前記b値の下限値については、理想は0であるが、例えば、1.0以上、さらには、2.0以上、2.1以上、2.2以上であっても十分に要求性能を満たすものである。
本発明のポリカーボネートには、製造時に生成するフェノールや、反応せずに残存した炭酸ジエステルが不純物として存在する場合がある。ポリカーボネート中のフェノール含量は、0.1~3000ppm(質量比)であることが好ましく、0.1~2000ppmであることがより好ましく、1~1000ppmであることがさらに好ましく、1~800ppmであることが一層好ましく、1~500ppmであることがより一層好ましく、1~300ppmであることがさらに一層好ましい。
また、ポリカーボネート中の炭酸ジエステル含量は、0.1~1000ppm(質量比)であることが好ましく、0.1~500ppmであることがより好ましく、1~200ppmであることがさらに好ましく、1~100ppmであることが一層好ましい。
ポリカーボネート中に含まれるフェノールおよび炭酸ジエステルの量を調節することにより、目的に応じた物性を有する樹脂を得ることができる。フェノールおよび炭酸ジエステルの含量の調節は、重縮合の条件や装置を変更することにより適宜行うことができる。また、重縮合後の押出工程の条件によっても調節可能である。
本発明のポリカーボネートは、上記粘度平均分子量、数平均分子量、ガラス転移温度、屈折率、アッベ数、全光線透過率、b値、ポリカーボネート中のフェノール含量およびポリカーボネート中の炭酸ジエステル含量からなる群から選択される物性の少なくとも2つを満たすことが好ましく、少なくとも3つを満たすことがより好ましく、全てを満たすことがさらに好ましい。
特に、本発明のポリカーボネートは、上記屈折率とアッベ数と全光線透過率を満たすことが好ましく、上記屈折率とアッベ数と全光線透過率とガラス転移温度を満たすことがより好ましい。また、前記と共に、数平均分子量も満たすことも好ましい。
以下に、本発明のポリカーボネートの好ましい形態を述べる。
<1>式[I]で表される構成単位10~90mol%(好ましくは、40~60mol%)と、環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位(好ましくは、式[II-1]、式[II-2]および式[II-3]で表される構成単位の少なくとも1種)90~10mol%(好ましくは、60~40mol%)を含み、式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位の合計が、ポリカーボネートを構成する全構成単位の90mol%以上である態様。
<2>式[I]におけるR3が、水素原子であり、R1およびR2が、エチル基であり、式[II-1]中、R1~R10は水素原子であり、aおよびbはそれぞれ独立に1~10の整数であり、式[II-2]中、R1~R20は水素原子であり、cおよびdはそれぞれ独立に1~10の整数であり、式[II-3]中、R1~R16は、水素原子であり、eおよびfは、それぞれ独立に1~10の整数である態様。
<3>上記<1>および<2>の両方を満たす態様。
<4>上記<1>~<3>のいずれか1つにおいて、数平均分子量が6000以上である態様。
<5>上記<1>~<4>のいずれか1つにおいて、厚さ0.1mmのフィルムに成形したときの、JIS-K-7142の方法で測定した屈折率が1.570以上であり、アッベ数が30以下である態様。
<ポリカーボネートの製造>
本発明のポリカーボネートは、式[I-I]で表されるジヒドロキシ化合物、環状構造を含む炭化水素基を有するジヒドロキシ化合物および炭酸ジエステルを原料として溶融重縮合法により製造することができる。さらに、上述のとおり、他のジヒドロキシ化合物等を併用してもよい。この反応では重縮合触媒として、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒もしくはその双方からなる混合触媒の存在下、製造することができる。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが反応性と純度の観点から好ましい。炭酸ジエステルは、ジヒドロキシ化合物1molに対して0.97~1.30molの比率で用いられることが好ましく、さらに好ましくは0.98mol超1.30mol以下の比率であり、一層好ましくは1.00~1.30molの比率である。
塩基性化合物触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、および含窒素化合物等が挙げられる。これらの詳細は、WO2017/175693号公報の0047~0049の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。また、上述したアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物と組み合わせて用いてもよい。
エステル交換触媒としては、これらの詳細は、WO2017/175693号公報の0051の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、1×10-9~1×10-3molの比率で用いられることが好ましく、より好ましくは1×10-7~1×10-4molの比率で用いられる。
溶融重縮合法は、前記の原料および触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段工程で実施される。具体的には、WO2017/175693号公報の0054~0056の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のポリカーボネートは、異物含有量が極力少ないことが望まれ、溶融原料の濾過、触媒液の濾過が好適に実施される。フィルターのメッシュは5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。さらに、生成する樹脂のポリマーフィルターによる濾過が好適に実施される。ポリマーフィルターのメッシュは100μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下である。また、樹脂ペレットを採取する工程は当然低ダスト環境でなければならず、クラス1000以下であることが好ましく、より好ましくはクラス100以下である。
<用途>
本発明のポリカーボネートは、単独で用いてもよいし、他の成分を配合したポリカーボネート組成物として用いてもよい。ポリカーボネート組成物に配合する他の成分としては、ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、離型剤、加工安定剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、結晶核剤、強化剤、染料、帯電防止剤あるいは抗菌剤等が例示される。ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、本発明のポリカーボネート以外のポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等が例示される。また、酸化防止剤、離型剤、加工安定剤、紫外線吸収剤の具体例としては、WO2017/175693号公報の0030~0041およびWO2018/016516号公報の段落0078~0089の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の成形体は、本発明のポリカーボネートまたはポリカーボネートを含むポリカーボネート組成物から成形される。
成形体は、本発明のポリカーボネートまたはポリカーボネート組成物を、押出成形、射出成形等の公知の成形方法によって成形することにより得られる。本発明のポリカーボネートは、特に、射出成形に適している。
本発明の成形体は、熱可塑性樹脂、特に、ポリカーボネート樹脂に用いられる用途に広く用いることができる。特に、光学用途に適している。光学用途としては、光学レンズおよび光学フィルムが例示される。光学用途の詳細は、WO2017/175693号公報の0067~0070のおよびWO2018/016516号公報の段落0090~0095の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
以下に示す実施例は、特に述べない限り、25℃の雰囲気下で行った。
<式(a)で表されるジヒドロキシ化合物の合成例>
1,4-シクロヘキサンジオン(東京化成工業社製、試薬)10.0gと、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)25.1gと、トルエン(富士フイルム和光純薬社製、特級試薬)300gと、メタンスルホン酸(東京化成工業社製、試薬)0.26gとを、300mLの丸底フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が90℃~112℃となるように加熱して脱水環化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、水の留出が止まるまで10時間反応させた。水を除去した後の反応系内は生成物がスラリー状になっていた。反応スラリー液を25℃まで冷却したのち、生成物をろ過、苛性ソーダ水にて中和洗浄、水にて洗浄、減圧乾燥をすることで式(a)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、DSG-aということがある)30.3gを得た(GC純度98.4%、単離収率97%)。
下記に反応スキームを示す。
Figure 0007207402000021
DSG-aの構造は1HNMR、13CNMR、DEPT、H-HCOSY、HMQCの各種スペクトルから同定した。
Figure 0007207402000022

13C-NMRのδ25.7と30.4は、DEPT135およびHMQCスペクトルから、シクロヘキサン環の4つのメチレン基が2つずつ非等価に観測されていると帰属した。
さらにLC-MS分析(エレクトロスプレー法[ESIポジティブモード]、高分解能質量分析[ミリマス])を用いて、DSG-aの分子量を測定した。エレクトロスプレー法に従った質量分析では、分子をほとんどフラグメント化させずにイオン化して質量分析するため、分子量の情報を得ることができ、同時に高分解能質量分析することで組成式として検証することができる。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が345.22620(C18336)であったことから、DSG-aの組成式はC18326と求められた。
DSG-aの反応収率および生成物の純度はガスクロマトグラフィー(装置名:Agilent 6850、アジレント社製)もしくは高速液体クロマトグラフィー(装置名:Chromaster、日立ハイテクサイエンス社製)にて、内部標準法で定量した。
DSG-aの構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM-ECA500)。使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
DSG-aの高分解能質量(ミリマス、MS)分析は、LC-MSのダイレクトインジェクション法、もしくはDART(Direct Analysis in Real Time)法にて行った。
HPLC(High-performance liquid chromatography)装置:U3000(Thermo Fisher Scientific社製)
DART装置:DART-Os(エーエムアール社製)
MS装置:LTQ Orbitrap Discovery(Thermo Fisher Scientific社製)
HPLC使用時の測定条件
カラム:なし
移動相:0.1質量%のギ酸水溶液:アセトニトリル(体積比50:50)の混合液
流速:0.2mL/分
試料濃度:100質量ppm
注入量:10μL
MS測定条件(LC-MSダイレクトインジェクション時)
イオン化法:Positive ESI
キャピラリ温度:300℃
キャピラリ電圧:22V
チューブレンズ電圧:100V
DART使用時の測定条件
イオン源温度:400℃
MS測定条件(DART時)
イオン化法:DART
キャピラリ温度:200℃
キャピラリ電圧:35V
チューブレンズ電圧:100V
<ポリカーボネートの測定方法>
1)粘度平均分子量(Mv)の測定:
0.5g/デシリットルのポリカーボネートのジクロロメタン溶液を、ウベローデ毛管粘度計によって20℃の温度で測定し、ハギンス定数0.45で極限粘度[η]dL/gを求め、この[η]を次式で表されるシュネルの式に当てはめることにより算出した。
Mv={[η]/(1.23×10-4)}1/0.83
2)数平均分子量(Mn):
ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は、核磁気共鳴装置を使用して、重クロロホルム溶媒中でプロトンの核磁気共鳴を測定して求めた。Mnは、分子末端の隣のメチレンプロトンシグナルとカーボネート結合の隣のメチレンプロトンシグナルの積分値を使用して求めた。
核磁気共鳴装置は、日本電子株式会社製、型式:JNM-ECA500を使用した。
3)ガラス転移温度(Tg):
示差熱走査熱量計(DSC)により測定した。特定条件は以下の通りである。
装置:株式会社日立ハイテクサイエンスDSC7000X
サンプル量:5mg
雰囲気:窒素ガス雰囲気下
昇温条件:10℃/分
4)屈折率(nD):
ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させ、固形分濃度5.3質量%の樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液から厚み0.1mmのキャストフィルムを作製した。
得られた厚さ0.1mmフィルムについて、アッベ屈折計を用い、JIS-K-7142の方法で測定した。
5)アッベ数(ν):
ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させ、固形分濃度5.3質量%の樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液から厚み0.1mmのキャストフィルムを作製した。
得られた厚さ0.1mmフィルムについて、アッベ屈折計を用い、23℃下での波長486nm、589nmおよび656nmの屈折率をそれぞれ測定し、さらに下記式を用いてアッベ数を算出した。ここでの屈折率は、JIS-K-7142の方法で測定した。
ν=(nD-1)/(nF-nC)
nD:波長589nmでの屈折率
nC:波長656nmでの屈折率
nF:波長486nmでの屈折率
5)全光線透過率:
ポリカーボネートを120℃で4時間真空乾燥した後、射出成型機(FANUC ROBOSHOT α-S30iA)によりシリンダー温度270℃、金型温度Tg-10℃にて射出成形し、直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験プレート片を得た。
得られた厚さ3mmの円盤状試験プレート片について、分光色彩計を用い、JIS-K-7361-1の方法で測定した。
は、日本電色工業(株)製 SE2000型分光色彩計を用いた。
6)b値:
ポリカーボネートを120℃で4時間真空乾燥した後、射出成型機(FANUC ROBOSHOT α-S30iA)によりシリンダー温度270℃、金型温度Tg-10℃にて射出成形し、直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験プレート片を得た。
このプレート片を用いて、JIS K7105に準じてb値を測定した。b値が小さいほど黄色味が弱いことを示し、色相が良好となる。
成形プレートの測定には、日本電色工業(株)製 SE2000型分光色彩計を用いた。
7)ポリカーボネート中のフェノール(PhOH)、ジフェニルカーボネート(DPC)量の測定
後述する実施例1で得られたポリカーボネート0.5gをテトラヒドロフラン(THF)50mLに溶解し、試料溶液とした。フェノール、ジフェニルカーボネートの標品として、市販のフェノール、ジフェニルカーボネートを各々蒸留して得られた純品より、フェノール、ジフェニルカーボネートの検量線を作成し、試料溶液2μLをLC-MSにより以下の測定条件で定量した。なお、この測定条件での検出限界値は0.01ppm(質量比)である。
LC-MS測定条件:
測定装置(LC部分):Agilent Infinity 1260 LC System
カラム:ZORBAX Eclipse XDB-18、およびガードカートリッジ
移動相:
A: 0.01mol/L-酢酸アンモニウム水溶液
B:0.01mol/L-酢酸アンモニウムのメタノール溶液
C:THF
移動相のグラジエントプログラム:
表1に示すように、上記A~Cの混合物を移動相として使用し、移動相の組成を時間(分)欄に示す時間が経過したときに切り替えつつ、30分間カラムに移動相を流した。
Figure 0007207402000023
流速:0.3mL/分
カラム温度:45℃
検出器:UV(225nm)
測定装置(MS部分):Agilent 6120 single quad LCMS System
イオン化ソース: ESI
極性: Positive(DPC)&Negative(PhOH)
フラグメンタ:70V
ドライガス:10L/分、350℃
ネブライザ:50psi
キャピラリ電圧:3000V(Positive)、2500V(Negative)
測定イオン:
Figure 0007207402000024
試料注入量:2μL
<実施例1>
原料として、DSG-a 3.4445g(10.00mmol)、下記式(b)で表されるジヒドロキシ化合物(以下「BPEF」と省略することがある)39.4668g(90.00mmol)、ジフェニルカーボネート21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を撹拌機および留出装置付きの300mLの四口フラスコに入れ、窒素雰囲気760mmHgの下、180℃に加熱した。加熱開始10分後に原料の完全溶解を確認し、さらに同条件で110分間撹拌を行った。その後、減圧度を200mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの速度で200℃まで昇温を行った。この際、副生したフェノールの留出開始を確認した。その後、20分間200℃に保持して反応を行った。さらに、75℃/hrの速度で230℃まで昇温し、昇温終了10分後、その温度で保持しながら、1時間かけて減圧度を1mmHg以下とした。その後、60℃/hrの速度で245℃まで昇温し、さらに30分間撹拌を行った。反応終了後、反応器内に窒素を導入して常圧に戻し、生成したポリカーボネートを取り出した。また、得られた樹脂中のフェノール(PhOH)含有量は100ppm(質量比)、DPC含有量は100ppm(質量比)であった。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(a)で表されるジヒドロキシ化合物(DSG-a)
Figure 0007207402000025
式(b)で表されるジヒドロキシ化合物(BPEF)
Figure 0007207402000026
<実施例2>
原料として、DSG-aを10.3335g(30.00mmol)、BPEFを30.6964g(70.00mmol)に変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
<実施例3>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、BPEFを21.9260g(50.00mmol)に変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
<実施例4>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(c)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「BNE」と省略することがある)18.7220g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(c)で表されるジヒドロキシ化合物(BNE)
Figure 0007207402000027
<実施例5>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(d)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「BPPEF」と省略することがある)29.5360g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(d)で表されるジヒドロキシ化合物(BPPEF)
Figure 0007207402000028
<実施例6>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(e)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「BNEF」と省略することがある)29.9320g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(e)で表されるジヒドロキシ化合物(BNEF)
Figure 0007207402000029
<実施例7>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、BNEを9.3610g(25.00mmol)、BPEFを10.9630g(25.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μl(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
<比較例1>
DSG-aを、下記式(f)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「SPG」と省略することがある)15.2190g(50.00mmol)へ変更する以外、実施例3と同様に反応を行った。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(f)で表される化合物(SPG)
Figure 0007207402000030
<比較例2>
DSG-aを、SPG9.1314g(30.00mmol)へ変更する以外、実施例2と同様に反応を行った。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
<実施例8>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(g)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「D-NDM」と省略することがある)11.1165g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
尚、D-NDMは、WO2016/052370に記載のモノマー合成例1に記載の方法により、合成した。
式(g)で表される化合物(SPG)
Figure 0007207402000031
<実施例9>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(h)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「CHDM」と省略することがある)7.2105g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(h)で表される化合物(CHDM)
Figure 0007207402000032
<実施例10>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(i)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「PCPDM」と省略することがある)13.1195g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(i)で表される化合物(PCPDM)
Figure 0007207402000033
<実施例11>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(j)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「TMCB」と省略することがある)7.2105g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(j)で表される化合物(TMCB)
Figure 0007207402000034
<実施例12>
原料として、DSG-aを17.2225g(50.00mmol)、下記式(k)で表されるジヒドロキシ化合物(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、以下、「TCDDM」と省略することがある)7.2105g(50.00mmol)、DPCを21.9576g(102.50mmol)、および2.5×10-2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液32μL(8.0×10-7mol、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1molに対して、8.0×10-6mol)を用いる以外は、実施例1と同様にして反応した。得られた樹脂の物性を下記表3にまとめた。
式(k)で表される化合物(TCDDM)
Figure 0007207402000035
Figure 0007207402000036
上記表の組成比は、原料ジヒドロキシ化合物の合計を100mol%としたときの、各原料の仕込み割合(mol%)を示している。
上記結果から明らかなとおり、本発明のポリカーボネートは、従来と同等の優れたアッベ数を保持しつつ、高屈折率のものであった。また、本発明のポリカーボネートは、耐熱性(Tg)が高く、全光線透過率が高く、色相(b値)が良好であった。
特に、実施例3と比較例1は、原料モノマーであるジヒドロキシ化合物が、DSG-aとSPGである点のみが異なる。そして、実施例3は、比較例1に比して、屈折率が高く、耐熱性(Tg)も高く、全光線透過率も高く、b値が低くなっていることが分かる。特に、屈折率が高くなると、アッベ数が劣る傾向にあるが、本発明のポリカーボネートは、優れたアッベ数を維持しつつ、屈折率を高くできた点で価値が高い。同様の傾向が、実施例2と比較例2の間でも認められた。
本発明により、光学特性に優れ、耐熱性のある、高アッベ数のポリカーボネートおよびそれを用いた光学レンズおよび光学フィルムを得ることができる。本発明のポリカーボネートは、射出成形が可能であり、生産性が高く安価であるため、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、テレビプロジェクター等、従来、高価な高アッベガラスレンズが用いられていた分野に用いることができ極めて有用である。また、アッベ数が高いことから、色収差の補正に有効であり、画質の向上が見込まれる。特に小さなレンズユニットを搭載するスマートフォン、タブレットに好適である。さらに本発明により、ガラスレンズでは技術的に加工の困難な高アッベ非球面レンズを射出成形により簡便に得ることができ、極めて有用である。また、近年のカメラに対する広角化ニーズに伴う部分色収差の補正に極めて有用である。さらに、本発明のポリカーボネートは、反射防止フィルムなどのフィルムとして有用である。

Claims (14)

  1. 下記式[I]で表される構成単位と環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位とを含む、ポリカーボネート;
    Figure 0007207402000037
    式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子を含む基、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、炭素数3~6の分岐したアルキル基または、アリール基を含む炭素数が6~12である基を表す。
  2. 数平均分子量が6000以上である、請求項1に記載のポリカーボネート。
  3. 前記式[I]で表される構成単位が、前記ポリカーボネートを構成する全構成単位の5mol%~95mol%を占める、請求項1または2に記載のポリカーボネート。
  4. 前記環状構造を含む炭化水素基を有する構成単位が、式[II]で表される構成単位を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリカーボネート;
    Figure 0007207402000038
    式[II]中、aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表し、Xは炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、Rは環状構造を含む炭化水素基を表す。
  5. 前記式[II]におけるaおよびbが1~10の整数である、請求項4に記載のポリカーボネート。
  6. 前記式[II]におけるRが4つ以上のベンゼン環を含む構造である、請求項4または5に記載のポリカーボネート。
  7. 前記式[II]で表される構成単位が、式[II-1]、式[II-2]および式[II-3]で表される構成単位の少なくとも1種である、請求項4または5に記載のポリカーボネート;
    Figure 0007207402000039
    式[II-1]中、R1~R10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
    Xは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
    aおよびbは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
    Figure 0007207402000040
    式[II-2]中、R1~R20は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
    Yは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
    cおよびdは、それぞれ独立に、0~10の整数である;
    Figure 0007207402000041
    式[II-3]中、R1~R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数7~17のアラルキル基を表し、
    Zは、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数5~12のシクロアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基を表し、
    eおよびfは、それぞれ独立に、0~10の整数である。
  8. 前記式[I]におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載のポリカーボネート。
  9. 前記式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、または、アリール基を表す、請求項1~8のいずれか1項に記載のポリカーボネート。
  10. 前記式[I]におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、または、アリール基である、請求項1~8のいずれか1項に記載のポリカーボネート。
  11. 前記式[I]におけるR3が、水素原子であり、R1およびR2が、それぞれ独立にエチル基、メチル基またはフェニル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載のポリカーボネート。
  12. 前記式[I]におけるR3が、水素原子であり、R1およびR2がエチル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載のポリカーボネート。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載のポリカーボネートを含む、成形体。
  14. 光学レンズである、請求項13に記載の成形体。
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