JPH11116660A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JPH11116660A
JPH11116660A JP28328597A JP28328597A JPH11116660A JP H11116660 A JPH11116660 A JP H11116660A JP 28328597 A JP28328597 A JP 28328597A JP 28328597 A JP28328597 A JP 28328597A JP H11116660 A JPH11116660 A JP H11116660A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性、耐パッケージクラック性に優れ
たエポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提
供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)一般式(1)で示される硬化促進剤、及び
(D)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当
量比が0.5〜2であり、無機充填材(D)の配合量が
全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量
部あたり200〜2400重量部であることを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1〜R4は、芳香環もしくは複素環を
有する有機基、又は1価の脂肪族基であり、それらは互
いに同じであっても異なっていてもよい。式中のArは2
価の芳香環もしくは複素環を含む基である。X及びYは
1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる
基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。
同一Arの置換基X、Yはホウ素原子と結合してキレート
環を形成する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性、耐パ
ッケージクラック性に優れるエポキシ樹脂組成物、及び
これを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子製品の軽薄短小化、高密度化及び高
機能化のため、半導体パッケージは種々の形態をとるよ
うになってきている。特に近年は表面実装化のため、半
導体素子を封止するエポキシ樹脂組成物(以下、樹脂組
成物という)に関しても種々の検討がなされている。特
に上記のような表面実装対応のためには、パッケージク
ラックの防止が大きな問題となっている。このパッケー
ジクラック防止のために、樹脂組成物の硬化物を低吸湿
化する必要があり、樹脂組成物の主成分の一つである無
機充填材の配合量は、約90重量%まで増加してきてい
る。この無機充填材の高充填の手法としては、無機充填
材の粒度分布や形状の変更、エポキシ樹脂及びフェノー
ル樹脂の粘度の低減等があるが、これらの手法を併用す
る場合が殆どである。しかし、粘度低減のためにエポキ
シ樹脂の分子量は小さくなっており、このためエポキシ
樹脂の分子は動きやすく、反応の初期段階では硬化反応
が進みやすくなっている。つまり、樹脂と他の配合成分
とを混合する際の加熱又は発熱によっても樹脂成分の硬
化反応が進行するほか、混合したのち樹脂組成物を常温
で保管する間にも樹脂成分の硬化反応が進行し、樹脂組
成物の品質低下を起こしやすくなっている。更に、エポ
キシ樹脂が元々低分子量であるために、反応の最終段階
では充分に架橋密度が上がらず、樹脂組成物の硬化性が
低くなってしまうという問題点も有している。
【0003】そこで近年は、常温等の比較的低温域では
樹脂成分の硬化反応を進行させず、成形時に加熱された
ときのみ高度に硬化を促進するような硬化促進剤、いわ
ゆる潜伏性硬化促進剤の検討が行われている。例えば、
ホスホニウムカチオンとボレートアニオンからなる塩が
挙げられ、種々の検討がされている。特開昭51−24
399号公報にはテトラフェニルホスホニウム・テトラ
フェニルボレートが保存安定性と硬化性に優れると記載
されているが、この硬化促進剤はホスホニウムカチオン
とボレートアニオンのイオン結合が強力なため、融点は
300℃以上であり、成形温度で十分な触媒活性を示す
とは言えず、硬化性が発現しない。そこで、一般に特開
昭55−153358号公報に示されるように、テトラ
フェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートを原料
の一部に予め溶融混合して用いるという手法がとられ
る。しかしこの方法では、テトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレートが溶融混合の際に既にイオン
結合が外れた構造となるため、常温での反応性を抑える
ことができず、保存安定性に劣る。ホスホニウムカチオ
ンとボレートアニオンのイオン結合が、テトラフェニル
ホスホニウム・テトラフェニルボレートと比較し、強過
ぎないために、溶融混合等の作業を必要とせず、保存安
定性と硬化性が両立した好ましい挙動を示す潜伏性硬化
促進剤としては、特開昭61−204954号公報、特
開平8−295721号公報に記載されている。それぞ
れホウ素原子側の置換基をフェニル基から炭化水素基、
有機酸根に変更することにより、ホスホニウムカチオン
とボレートアニオンのイオン結合を適度な強さに調整し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保存安定
性、耐パッケージクラック性に優れるエポキシ樹脂組成
物及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の通りであ
る。 [1](A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、
(C)一般式(1)で示される硬化促進剤、及び(D)
無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂のエポキシ
基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当量比が
0.5〜2であり、無機充填材(D)の配合量が全エポ
キシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部あた
り200〜2400重量部であることを特徴とするエポ
キシ樹脂組成物、
【化6】 (ただし、式中のR1〜R4は、芳香環もしくは複素環を
有する有機基、又は1価の脂肪族基であり、それらは互
いに同じであっても異なっていてもよい。式中のArは2
価の芳香環もしくは複素環を含む基である。X及びYは
1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる
基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。
同一Arの置換基X、Yはホウ素原子と結合してキレート
環を形成する。)
【0006】[2]エポキシ樹脂(A)が、融点50〜
150℃の結晶性エポキシ樹脂である請求項1記載のエ
ポキシ樹脂組成物、 [3]融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂が、一
般式(2)及び一般式(3)から選ばれる1種以上であ
る請求項2記載のエポキシ樹脂組成物、
【化7】 (ここで、R5は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もし
くは環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンの中から選
択される基又は原子であり、それらは互いに同じであっ
ても異なっていてもよい。)
【0007】
【化8】 (ここで、R6は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もし
くは環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンの中から選
択される基又は原子であり、それらは互いに同じであっ
ても異なっていてもよい。)
【0008】[4]融点50〜150℃の結晶性エポキ
シ樹脂が、一般式(4)で示されるスチルベン型エポキ
シ樹脂と一般式(5)で示されるスチルベン型エポキシ
樹脂との混合物である請求項2記載のエポキシ樹脂組成
物、
【化9】 (ここで、R7〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、
炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロ
ゲンの中から選択される基又は原子を示す。炭素−炭素
二重結合に結合している2個のアリール基は互いに異な
る。)
【0009】
【化10】 (ここで、 R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原
子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又は
ハロゲンの中から選択される基又は原子を示す。炭素−
炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに
同じである。) [5]請求項1、2、3、又は4記載のエポキシ樹脂組
成物を用いて封止してなることを特徴とする半導体装置
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、及びポ
リマー全般を言う。例えば、オルソクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変
性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核
含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
これらのエポキシ樹脂の内では、融点が50〜150℃
の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エ
ポキシ樹脂は、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、
スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、比較的低
分子であるために、結晶性を示すものである。結晶性エ
ポキシ樹脂は、常温では結晶化している固体であるが、
融点以上の温度域では急速に融解して低粘度の液状に変
化するものである。結晶性エポキシ樹脂の融点は、示差
走査熱量計を用いて、常温から昇温速度5℃/分で昇温
した結晶融解の吸熱ピークの頂点の温度を示す。これら
の条件を満たす結晶性エポキシ樹脂としては、一般式
(2)及び一般式(3)から選ばれる一種以上、又は一
般式(4)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂と一般
式(5)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂との混合
物が好ましい。一般式(2)で示されるビフェニル型エ
ポキシ樹脂の置換基R5、及び一般式(3)で示される
ビスフェノール型エポキシ樹脂の置換基R6は、水素原
子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェ
ニル基、ハロゲンの中から選択される基又は原子であ
り、それらは互いに同じであっても異なっていてもよ
く、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、塩素原子、臭素原
子等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。一般式
(4)、及び一般式(5)で示されるスチルベン型エポ
キシ樹脂の置換基R7〜R18は、水素原子、炭素数1〜
6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲンの中か
ら選択される基又は原子であり、それらは互いに同じで
あっても異なっていてもよく、例えば、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘ
キシル基(各異性体を含む)、シクロヘキシル基、塩素
原子、臭素原子等が挙げられ、特に、エポキシ樹脂の溶
融粘度の低さから、メチル基、エチル基、プロピル基、
又はブチル基が好ましい。このエポキシ樹脂は、一般式
(4)のスチルベン型エポキシ樹脂と一般式(5)のス
チルベン型エポキシ樹脂との混合物であり、一般式
(4)のスチルベン型エポキシ樹脂、及び一般式(5)
のスチルベン型エポキシ樹脂には、共に置換基の種類等
により種々の構造のものがあり、一般式(4)及び一般
式(5)の各々のスチルベン型エポキシ樹脂は、一種類
の構造のものでも、二種類以上の構造のものの混合物で
もかまわない。一般式(4)のスチルベン型エポキシ樹
脂と一般式(5)のスチルベン型エポキシ樹脂との混合
は、両方の化合物を混合することにより融点が低くなれ
ば良く、混合方法については特に限定しない。例えば、
スチルベン型エポキシ樹脂の原料であるスチルベン型フ
ェノール類をグリシジルエーテル化する前に混合してお
いたり、両方のスチルベン型エポキシ樹脂を溶融混合す
る方法等があるが、いずれの場合においても融点は50
〜150℃となるように調整する。一般式(4)のスチ
ルベン型エポキシ樹脂としては、入手のし易さ、性能、
原料価格の点から、5−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−2,3’,5’−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5,5’−トリメチルスチルベンのグリシジルエ
ーテル化物が特に好ましい。一般式(5)のスチルベン
型エポキシ樹脂としては、性能、原料価格の点から、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジ−ターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−ターシャ
リブチル−5,5’−ジメチルスチルベンのグリシジル
エーテル化物が特に好ましい。
【0011】本発明に用いられるフェノール樹脂は、1
分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
パラキシリレン変性フェノール樹脂、パラキシリレン・
メタキシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェ
ノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂
等が挙げられ、これらは単独又は混合して用いてもよ
い。これらのフェノール樹脂は、分子量、軟化点、水酸
基当量等に制限なく使用することができる。本発明に用
いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹
脂のフェノール性水酸基の当量比は、好ましくは0.5
〜2、特に好ましくは0.7〜1.5である。0.5〜
2の範囲を外れると、硬化性、耐湿性等が低下するので
好ましくない。
【0012】本発明に用いられる一般式(1)で示され
る硬化促進剤の置換基R1〜R4は、芳香環もしくは複素
環を有する有機基、又は1価の脂肪族基であり、それら
は互いに同じであっても異なっていてもよい。このよう
な基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、アリル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基、ベ
ンジル基、エチルフェニル基、フェノキシ基、ナフチル
基等が挙げられ、又、一般式(1)を構成するホスホニ
ウムカチオンとしては、例えば、テトラフェニルホスホ
ニウムカチオン、テトラトリルホスホニウムカチオン、
テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラメトキシホ
スホニウムカチオン、テトラナフチルホスホニウムカチ
オン、テトラベンジルホスホニウムカチオン、エチルト
リフェニルホスホニウムカチオン、ノルマルブチルトリ
フェニルホスホニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリメチルフェニ
ルホスホニウムカチオン、メチルジエチルフェニルホス
ホニウムカチオン、メチルジアリルフェニルホスホニウ
ムカチオン、テトラノルマルブチルホスホニウムカチオ
ン等が挙げられる。式中のArは、2価の芳香環もしくは
複素環を含む基である。X及びYは1価のプロトン供与
性置換基がプロトンを放出してなる基であり、互いに同
じであっても異なっていてもよい。同一Arの置換基X、
Yはホウ素原子と結合してキレート環を形成する。この
ような有機基X-Ar-Yを与えるプロトン供与体として
は、芳香族もしくは複素環式の多官能カルボン酸又は多
価フェノール類が特に好ましく、例えば、カテコール、
サリチル酸、オルトフタル酸、1,2−ジヒドロキシナ
フタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、3,4−ビフ
ェノール、2,2’−ビフェノール、2−ヒドロキシビ
フェニル−3−カルボン酸、4−ヒドロキシビフェニル
−3−カルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、
1,8−ナフタル酸、2,2’−ビナフトール等の2価
芳香族有機酸等が挙げられる。又、レゾルシン、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、2,2’−ビフェノール−
3−カルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸等の3価以上の芳香族多価有機酸類でも問題な
い。上記化合物が一例として挙げられるが、これらに限
定されるものではなく、上記化合物は単独又は2種以上
の併用が可能である。本発明に用いられる一般式(1)
で示される硬化促進剤は、潜伏性を有するものであり、
比較的低温域においては触媒活性を示さないので、樹脂
組成物の硬化反応が進むことがない。即ち、各成分の加
熱混練時に、一部の架橋反応が速やかに進むことがなく
所定の流動性を保持し、又、同じ理由から樹脂組成物の
常温保存性にも優れる。しかも成形時の高温域では従来
の硬化促進剤よりも強い触媒活性を示し、樹脂組成物を
高度に硬化させる。一般式(1)のX-Ar-Yで示される
有機基がホウ素原子と結合してキレート環構造を形成す
ることで、低温における触媒活性を抑制する作用は、従
来の環状キレート構造を形成しないプロトン供与体の場
合より一層効果的となり、樹脂組成物の保存安定性を向
上させる。本発明に用いられる一般式(1)で示される
硬化促進剤の配合量としては、全エポキシ樹脂と全フェ
ノール樹脂の合計量100重量部あたり0.4〜20重
量部が好ましく、通常70〜150℃で混合することが
できる。配合量が0.4重量部未満だと、加熱成形時に
充分な硬化性が得られないおそれがあり、一方、20重
量部を越えると、硬化が速すぎて成形時に流動性の低下
による充填不良等を生じるおそれがあるので好ましくな
い。又、この硬化促進剤の特性を損なわない範囲で、ト
リフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾール等の
他の硬化促進剤と併用しても何ら問題はない。
【0013】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝
集シリカ粉末、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アル
ミニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、
特に溶融球状シリカ粉末が好ましい。形状は限りなく真
球状であることが好ましく、又、粒子の大きさの異なる
ものを混合することにより充填量を多くすることができ
る。この無機充填材の配合量としては、全エポキシ樹脂
と全フェノール樹脂の合計量100重量部あたり200
〜2400重量部が好ましい。200重量部未満だと、
無機充填材による補強効果が充分に発現しないおそれが
あり、2400重量部を越えると、樹脂組成物の流動性
が低下し成形時に充填不良等が生じるおそれがあるので
好ましくない。特に無機充填材の配合量が全エポキシ樹
脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部あたり25
0〜1400重量部であれば、樹脂組成物の硬化物の吸
湿率が低く、パッケージクラックの発生を防止すること
ができ、更に溶融時の樹脂組成物の粘度が低くなるた
め、半導体パッケージ内部の金線変形を引き起こすおそ
れがなく、より好ましい。又、無機充填材は、予め充分
混合しておくことが好ましい。
【0014】本発明の樹脂組成物は、(A)〜(D)成
分の他、必要に応じてγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等
の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン
化合物等の難燃剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム
等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂
肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、
酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。本
発明の樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他
の添加剤等をミキサーを用いて常温混合し、ロール、押
出機等の混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。本
発明の樹脂組成物を用いて、半導体等の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の成形方法で硬化成形すればよい。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。配合単位は重量部とす
る。実施例及び比較例において使用した硬化促進剤の略
号及び構造を、以下に示す。 4PPB−CT
【化11】
【0016】4PPB−SA
【化12】
【0017】4PPB−DHN
【化13】
【0018】4PPB−HNA
【化14】
【0019】4PPB−OBP
【化15】
【0020】4PPB−BNP
【化16】
【0021】4PPB−ICA
【化17】
【0022】4PPB−BZ
【化18】
【0023】 実施例1 式(6)の結晶性エポキシ樹脂(融点105℃) 51.5重量部
【化19】
【0024】 式(7)のフェノール樹脂(軟化点73℃) 48.5重量部
【化20】 4PPB−CT 3.2重量部 溶融球状シリカ(平均粒径15μm) 830重量部 カーボンブラック 2.0重量部 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂 1.7重量部 カルナバワックス 2.8重量部 を常温でミキサーを用いて混合した後、100℃で二軸
ロールを用いて混練し、冷却後粉砕し、樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果
を表1に示す。
【0025】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−I−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注
入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。ス
パイラルフローは流動性のパラメータであり、数値が大
きい方が流動性が良好である。単位cm。 硬化性:キュラストメータ[ オリエンテック製、JS
RキュラストメータIVPS型]を用い、175℃、60
秒後のトルクを求める。キュラストメータにおけるトル
クは硬化性のパラメータであり、数値の大きい方が流動
性が良好である。単位kgf−cm。 保存安定性:スパイラルフローの残存率を求める。スパ
イラルフローの残存率は、樹脂組成物を30℃で1週間
保存した後スパイラルフローを測定し、初期のスパイラ
ルフロー値に対する百分率として表したもので、数値が
大きい方が、保存安定性が良好である。単位%。 耐パッケージクラック性:低圧トランスファー成形機を
用いて、175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間2
分で80pQFP(厚さ1.5mm)を成形し、175
℃、8時間の後硬化を行い、8個のパッケージを得た。
85℃、相対湿度85%で168時間吸湿させた後、2
40℃のIRリフロー処理を10秒で2回行い、パッケ
ージクラック個数を目視で観察し、クラックの生じたパ
ッケージがn個であるとき、n/8と表示した。
【0026】実施例2〜8 表1の処方に従って配合し、実施例1と同様にして樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。 比較例1〜4 表2の処方に従って配合し、実施例1と同様にして樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。なお、実施例2〜7、比較例1〜4に使用し
た結晶性エポキシ樹脂Aは、4,4’−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメ
チルスチルベンを主成分とする樹脂60重量%と4,
4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−5−ター
シャリブチル−2,3’,5’−トリメチルスチルベン
を主成分とする樹脂40重量%の混合物である(融点1
20℃、エポキシ当量209)。
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は保存安定
性に優れ、これを用いて封止された半導体装置は耐パッ
ケージクラック性に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
    樹脂、(C)一般式(1)で示される硬化促進剤、及び
    (D)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂のエ
    ポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当
    量比が0.5〜2であり、無機充填材(D)の配合量が
    全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量
    部あたり200〜2400重量部であることを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1〜R4は、芳香環もしくは複素環を
    有する有機基、又は1価の脂肪族基であり、それらは互
    いに同じであっても異なっていてもよい。式中のArは2
    価の芳香環もしくは複素環を含む基である。X及びYは
    1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる
    基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。
    同一Arの置換基X、Yはホウ素原子と結合してキレート
    環を形成する。)
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(A)が、融点50〜15
    0℃の結晶性エポキシ樹脂である請求項1記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(2)及び一般式(3)から選ばれる1種
    以上である請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。 【化2】 (ここで、R5は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もし
    くは環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、それらは互いに同じであっ
    ても異なっていてもよい。) 【化3】 (ここで、R6は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もし
    くは環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、それらは互いに同じであっ
    ても異なっていてもよい。)
  4. 【請求項4】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(4)で示されるスチルベン型エポキシ樹
    脂と一般式(5)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂
    との混合物である請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。 【化4】 (ここで、R7〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、
    炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロ
    ゲンの中から選択される基又は原子を示す。炭素−炭素
    二重結合に結合している2個のアリール基は互いに異な
    る。) 【化5】 (ここで、 R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原
    子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又は
    ハロゲンの中から選択される基又は原子を示す。炭素−
    炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに
    同じである。)
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、又は4記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて封止してなることを特徴とする半
    導体装置。
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