JPH11116361A - 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品 - Google Patents

炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品

Info

Publication number
JPH11116361A
JPH11116361A JP9288219A JP28821997A JPH11116361A JP H11116361 A JPH11116361 A JP H11116361A JP 9288219 A JP9288219 A JP 9288219A JP 28821997 A JP28821997 A JP 28821997A JP H11116361 A JPH11116361 A JP H11116361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite
silicon carbide
metal
thermal expansion
thermal conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9288219A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hirotsuru
秀樹 廣津留
Masaaki Obata
正明 小畑
Kenji Nomura
謙二 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP9288219A priority Critical patent/JPH11116361A/ja
Publication of JPH11116361A publication Critical patent/JPH11116361A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/51Metallising, e.g. infiltration of sintered ceramic preforms with molten metal
    • C04B41/515Other specific metals
    • C04B41/5155Aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00844Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for electronic applications

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高熱伝導率で高強度の半導体部品のヒートシン
クに好適な炭化珪素質複合体を提供する。 【解決手段】炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分
とする金属を含浸させた、150W/(m・K)以上の
熱伝導率で、9×10-6-1以下の熱膨張率を有する炭
化珪素質複合体で、酸処理して得られる炭化珪素質構造
体が10MPa以上の曲げ強さである炭化珪素質複合
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導特性に優
れ、かつ軽量であり、セラミックス基板やICパッケー
ジなどの半導体部品のヒートシンクなどの放熱部品とし
て好適な高熱伝導性複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックス基板や樹脂基板
等の種々の基板を用いた、半導体素子を搭載するための
回路基板が知られている。近年、回路基板の小型化、半
導体素子の高集積化が進むに従い、回路基板の放熱特性
の向上が望まれ、ベレリア(BeO)を添加した炭化珪
素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素
(Si34)等のセラミックス基板が注目されている。
【0003】上述のセラミックス基板を回路基板やパッ
ケージ用基体等として用いる場合には、半導体素子から
の発熱を前記基板裏面等に設けられるヒートシンクと呼
ばれる放熱部品を介して外部に発散させ、半導体素子の
動作特性等を確保している。この場合、ヒートシンクと
して銅(Cu)等を用いると、セラミックス基板とヒー
トシンクの熱膨張差に起因して、加熱接合時や熱サイク
ルの付加等によりセラミックス基板にクラックや割れ等
が生じることがある。そこで、セラミックス基板を信頼
性が要求される分野に用いる場合には、セラミックス基
板と熱膨張差の小さいMoやW等をヒートシンクとして
用いていた。
【0004】上述したようなMoやWを用いた放熱部品
は、重金属であるMoやWに原因して重量が重く、放熱
部品の軽量化が望まれる用途には好ましくない。更に、
このようなヒートシンクは高価であることから、近年、
銅やアルミニウム或いはこれらの合金を無機質繊維また
は粒子で強化したMMC(Metal MatrixC
omposite)と略称される金属−セラミックス複
合体が注目されている。
【0005】前記複合体は、一般には、強化材である無
機質繊維あるいは粒子を、あらかじめ成形することでプ
リフォームを形成し、そのプリフォームの繊維間あるい
は粒子間に基材(マトリックス)である金属或いは合金
を溶浸(含浸ともいう)させた複合体である。強化材と
しては、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化
珪素、シリカ、炭素等のセラミックスが用いられてい
る。
【0006】しかし、上記の複合体において熱伝導率を
上げようとする場合、強化材並びに金属或いは合金とし
て熱伝導率の高い物質を選択する必要があること、強化
材であるセラミックスとマトリックスである金属或いは
合金の濡れ性や界面の反応層等も熱伝導率に大きく寄与
すること、マトリックスと強化材の結合が不十分である
と、熱伝導率以外に複合体の強度低下をもたらすという
問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】MoやW等の重金属材
料をヒートシンクに用いた場合、放熱部品の重量が重く
なると共に、放熱性に関しても必ずしも十分でないとい
う問題があるし、比較的軽量で放熱性に優れるCuやA
l等をヒートシンクとして用いる場合にも、セラミック
ス基板との熱膨張差が大きく、信頼性の高い構造を得る
ためには、接合構造自体が非常に複雑になってしまい、
製造コストの増加や放熱部品としての熱抵抗の増加等を
招くといった問題があった。
【0008】更に、上記の課題を解決するため、金属−
セラミックス複合体が検討されているが、セラミックス
基板に近い熱膨張率を得ようとすると、熱膨張率の低い
強化材であるセラミックスの比率を上げる必要がある。
しかし、セラミックス成分の比率を上げるには、高い成
形圧でプリフォームを成形する必要があり、コストアッ
プに繋がると共に、その後の金属或いは合金の十分な含
浸が難しくなるという問題がある。このため、熱膨張率
がセラミックス基板に近く、高い熱伝導率を有する金属
−セラミックス複合体を安価に提供できる技術の開発が
課題となっている。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
であって、高熱伝導性を有すると共に、比重が小さく、
且つ熱膨張率がセラミックス基板に近い高熱伝導性複合
体及びこれを用いた放熱部品を安価に提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、複合体の組成ととも
にプリフォームの強度を調整することにより、熱膨張率
並びに熱伝導率を制御できることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、炭化珪素質多孔体に
アルミニウムを主成分とする金属を含浸してなる複合体
であって、該複合体の熱伝導率が150W/(m・K)
以上であり、室温の熱膨張率が9×10-6-1以下であ
り、しかも該複合体を塩酸処理して得られる炭化珪素を
主成分とする構造体の曲げ強さが10MPa以上である
ことを特徴とする炭化珪素質複合体であり、好ましく
は、炭化珪素質複合体中の酸素量が、シリカ換算して
0.2〜10重量%含有することを特徴とする前記の炭
化珪素質複合体である。
【0012】更に、本発明は、前記炭化珪素質複合体を
用いてなることを特徴とし、好ましくは、半導体搭載用
セラミックス基板に接合してなることを特徴とする放熱
部品である。
【0013】加えて、本発明は、セラミックス基板が窒
化アルミニウム又は窒化珪素であることを特徴とする前
記の放熱部品である。
【0014】
【発明の実施の形態】金属−セラミックス複合体の熱膨
張率は、通常、強化材であるセラミックスと基材である
金属の熱膨張率とそれらの配合比で決まる。セラミック
スの熱膨張率は金属の熱膨張率に比べかなり小さく、複
合体の熱膨張率を下げるには、セラミックスの比率を増
やすことが効果的である。一方、金属−セラミックス複
合体の熱伝導率も、基本的には、強化材であるセラミッ
クスと基材である金属の熱伝導率とその配合比で決まる
が、熱伝導率の場合、更に強化材と基材との界面の結合
状態が大きく寄与する。セラミックスと金属では、一般
に金属の方が熱伝導率が高いが、炭化珪素(SiC)、
窒化アルミニウム(AlN)、窒化硼素(BN)等は、
金属と同等以上(300W/(m・K)以上)の理論熱
伝導率を有し、熱伝導率向上の点からは、強化材として
非常に有望である。しかし、実際に複合体を製造する場
合、AlNやBNは高価であり、得られる複合体も高価
になってしまう。また、AlNやBNは、大気雰囲気中
で酸化され易く、複合体とした場合、強化材であるセラ
ミックスと基材である金属との間に熱伝導率が極めて低
いガラス相を形成し易く、その結果、得られる複合体の
熱伝導率が低下してしまう。
【0015】本発明者らは、強化材について種々検討し
た結果、炭化珪素を主成分とする特定のセラミックス構
造体を用いるときに、高熱伝導率と低熱膨張率を兼ね備
えた金属−セラミックス複合体を製造するのに適してい
ることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0016】複合体を製造する場合、強化材と金属との
濡れ性が緻密な複合体を得るためには重要である。一般
に、金属−セラミックス複合体は、強化材であるセラミ
ックスを所定形状に成形したプリフォームに、基材であ
る金属を高温高圧下で含浸させる高圧鋳造法で緻密体を
製造するが、含浸する金属の融点が高いと、含浸時の温
度が高くなり、セラミックスが酸化されたり、セラミッ
クスと金属が反応して特性的に好ましくない化合物を形
成することがある。また、基材である金属の融点が高い
と、含浸温度が高くなることにより、型材等の材質が限
定され高価になってしまうと共に、鋳造コスト自体も増
加し、得られる複合体が高価になってしまう。
【0017】本発明者らは、基材となる金属について種
々検討した結果、炭化珪素質構造体にアルミニウムを主
成分とする合金を適用することにより、上述の問題を生
じることなく、良好な複合体を製造できることを見いだ
した。すなわち、本発明の複合体は、炭化珪素質多孔体
にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなるもの
である。
【0018】金属−セラミックス複合体の熱膨張率は、
前述したように、通常、強化材であるセラミックスと基
材である金属の熱膨張率とそれらの配合比で決まる。し
かし、この場合には、基材である金属中に強化材である
セラミックスが均一分散していて、強化材と基材の界面
での歪みが殆どないことを前提としている。本発明にお
いては、強化材である炭化珪素質多孔体を作製し、これ
にアルミニウムを主成分とする金属を含浸して炭化珪素
質複合体を製造する。得られる炭化珪素質複合体におい
ては、炭化珪素質多孔体と金属はともに連続体であり、
温度変化により炭化珪素質多孔体と金属との間に熱膨張
率の差に起因する応力が発生する。このとき、炭化珪素
質多孔体の強度が低いと、発生した応力に耐えきれず炭
化珪素質多孔体内部の結合部が破壊してしまうが、逆
に、炭化珪素質多孔体の強度が高いと、温度変化により
発生する応力を抑え込み、その結果、複合体の熱膨張率
を低下させることができる。つまり、複合体中の連続し
てなる強化材の強度と該複合体の熱膨張率には密接な関
係があることを見いだしたのである。
【0019】すなわち、本発明の炭化珪素質複合体は、
塩酸処理して得られる炭化珪素を主成分とする構造体の
曲げ強さが10MPa以上である。構造体の曲げ強さが
10MPa未満では、前述した理由により、複合体の熱
膨張率を十分に下げることができない。一方、構造体の
曲げ強度の上限に関しては、特に規定する必要はなく高
い程好ましい。尚、塩酸処理に関しては、複合体中の金
属部分を除去することが目的であり、2規定以上の濃度
の塩酸水溶液中を用い、室温で12時間程度処理すれば
良い。複合体が大きい場合は、塩酸濃度、処理温度、処
理時間を調整し金属部分の除去が十分にできるまで行え
ば良い。
【0020】また、本発明の炭化珪素質複合体中の炭化
珪素質多孔体の含有量は、50〜80体積%であること
が好ましく、更に好ましくは60〜75体積%である。
炭化珪素質多孔体の含有量が50体積%未満では、複合
体の熱膨張率が高くなり、本発明が目的とする信頼性の
高い放熱部品が得られなくなる。また、炭化珪素質多孔
体の含有量を高くすることは、複合体の高熱伝導率、低
熱膨張率といった点で有効であるが、嵩密度が80%を
越える多孔体を製造するには、非常に高い成形圧力を必
要とする等の問題があり、得られる金属ーセラミックス
複合体のコストが高くなってしまう。また、複合体中の
炭化珪素質多孔体の含有量が80体積%を越え極端に高
くなりすぎると、強度、破壊靱性等の機械的特性が低下
するとともに高温での熱伝導率が低下するという問題も
生じてくる。
【0021】一方、本発明の炭化珪素質複合体中の金属
は、アルミニウムを主成分とする合金であり、好ましく
はシリコンを20重量%以下、マグネシウムを5重量%
以下含有する。アルミニウムにシリコンやマグネシウム
を添加し合金化することにより、合金の融点低下や高温
での溶融金属の粘性低下があり、高温鋳造法等で緻密な
複合体が得やすくなる。更に、アルミニウム金属を合金
化することにより、金属自体の硬度増加があり、その結
果、得られる複合体の強度等の機械的特性が向上する。
合金中のアルミニウム、シリコン、マグネシウム以外の
金属成分に関しては、極端に合金の特性が変化しない範
囲であれば銅等も含有することができる。合金中のアル
ミニウム以外の成分を調整することにより、合金自体の
熱伝導率や熱膨張率を変えることができ、得られる複合
体の熱膨張率や熱伝導率も調整できる。
【0022】更に、本発明の炭化珪素質複合体の熱伝導
率は150W/(m・K)以上である。熱伝導率が15
0W/(m・K)未満では、放熱部品等として用いる場
合に十分な放熱特性が得られず、その用途が限定されて
しまうからである。
【0023】本発明の炭化珪素質複合体は、室温の熱膨
張率が9×10-6-1以下である。室温の熱膨張率が9
×10-6-1を越えると、セラミックス基板等の放熱部
品として用いる場合に、セラミックス基板との熱膨張率
の差が大きくなり過ぎて、加熱接合時や熱サイクル付加
等により、セラミックス基板にクラックや割れ等が生じ
ることがあり、信頼性が要求される放熱部品として用い
る場合の用途が限定されてしまうという問題がある。
【0024】また、本発明に用いる炭化珪素質多孔体に
ついては、炭化珪素質多孔体を作製する場合、高温で焼
結を利用して製造する方法と、シリカやアルミナ等の前
駆体をバインダーとして添加し、1000℃程度の温度
で処理して製造する方法等があるが、いずれの方法によ
るものであっても構わない。しかし、焼結を利用して多
孔体を製造する場合、2000℃近い高温での処理が必
要であり、得られる多孔体が高価になってしまうという
問題があるので、シリカ等の前駆体をバインダーとして
用いる方法の方がコスト的に有利であり、好ましい。
【0025】本発明は、複合体中の酸素量が、シリカ換
算して0.2〜10重量%含有することを特徴とする炭
化珪素質複合体である。複合体中の酸素量は、前記バイ
ンダーに由来して導入されることが一般的であるが、シ
リカ換算した量が0.2重量%未満では、炭化珪素質複
合体中の炭化珪素質多孔体の強度が低く、得られる複合
体の熱膨張率が高くなってしまうことがある。また、酸
素量をシリカ換算した量が10重量%を越えると、複合
体中に熱伝導率の小さいシリカ或いはアルミナ成分量が
増えすぎ、その結果、炭化珪素質複合体の熱伝導率が低
下してしまうことがある。
【0026】また、本発明の炭化珪素質複合体は、密度
が3g/cm3程度と銅等の金属に比べ軽く、部品の軽
量化に有効である。更に、本発明の炭化珪素質複合体
は、曲げ強度が300MPa以上と高く、放熱部品等に
用いるに十分な機械的特性を有している。
【0027】本発明は、上述した炭化珪素質複合体を用
いてなることを特徴とする放熱部品である。本発明の放
熱部品は、軽量で、熱膨張率が電子部品と同じ程度で小
さく、熱伝導特性に優れ、且つ十分な機械的特性を有し
ており、ヒートシンク等として用いて好適である。ま
た、本発明の放熱部品は、密度が3g/cm3程度と軽
量であり、移動用機器に用いる放熱部品としても好適で
ある。
【0028】更に、本発明は、半導体搭載用セラミック
ス基板に接合してなることを特徴とする放熱部品であ
る。本発明の放熱部品は、熱伝導特性に優れ、熱膨張率
が9×10-6-1以下と低いためヒートシンク等の放熱
部品として用いる場合、従来の銅等を用いた場合に比
べ、放熱部品と接合されるセラミックス基板との熱膨張
差が小さく、基板上の半導体素子の作動時に発生する熱
サイクル等によるセラミックス基板のクラックや割れ等
を抑えることができる。このことにより、高い信頼性が
要求される電気、自動車等の移動用機器に用いる放熱部
品として好適である。
【0029】また、本発明は、上述したセラミックス基
板が窒化アルミニウム又は窒化珪素であることを特徴と
する放熱部品である。半導体素子の集積化や大型化に伴
い、これを搭載するセラミックス基板には、高い放熱特
性が要求されている。窒化アルミニウム及び窒化珪素基
板は、絶縁特性に優れ、放熱特性に優れており、本発明
の放熱部品と接合して用いることにより、熱サイクル等
の付加によるクラックや割れ等の極めて少ない高信頼性
を達成することができる。
【0030】本発明の炭化珪素質複合材を得る方法とし
て、以下の方法があげられる。炭化珪素粉末に結合剤と
してシリカゾルやアルミナゾル等を所定量添加混合し、
所望の形状に成形する。成形方法は、プレス成形、押し
出し成形、鋳込み成形等を用いることができ、必要に応
じて保形用バインダーを添加してもよい。また、炭化珪
素粉末に関しては、1種類の粉末を用いても、複数の粉
末を粒度配合して用いてもよい。次に、得られた成形体
を、大気中又は窒素等の雰囲気中、温度700〜150
0℃で仮焼して炭化珪素質多孔体を製造する。
【0031】炭化珪素質多孔体の他の製造方法に関して
は、炭化珪素粉末やシリコン粉末と炭素粉末の混合粉末
を、不活性ガス雰囲気中、温度1400〜2200℃で
焼成して製造することもできる。
【0032】上記の方法等で得られた炭化珪素質多孔体
は、熱衝撃による割れ等を防止するため加熱し、融点以
上の温度に加熱したアルミニウムを主成分とする金属溶
湯を高圧で含浸させて炭化珪素質複合体とすれば良い。
ここで、金属成分の含浸方法に関しては、特に限定はな
く、高圧鋳造法、ダイキャスト法等が利用できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげて、更に本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0034】[実施例1〜12、比較例1、2]炭化珪
素粉末A(太平洋ランダム社製:NG−220、平均粒
径:60μm)、炭化珪素粉末B(屋久島電工社製:G
C−1000F、平均粒径:10μm)及びシリカゾル
(日産化学社製:スノーテックス)を表1の組成で配合
し、攪拌混合機で30分間混合した後、100mm×1
00mm×5mmの形状に表1に示す圧力で成形した。
【0035】得られた成形体から、大気雰囲気中、温度
1100℃で2時間加熱して、炭化珪素質多孔体を作製
した。得られた炭化珪素質多孔体は、20mmφ×5m
mの形状に加工して、その寸法と質量より相対密度を算
出した。得られた結果を表1に示した。
【0036】次に、得られた炭化珪素質多孔体を電気炉
で、温度800℃に予備加熱し、予め加熱しておいた1
50mmφのプレス型内に載置した後、温度850℃に
加熱した表1に示す合金の溶湯を流し込み、100MP
aの圧力で2分間プレスして、炭化珪素質多孔体に合金
を含浸させた。得られた炭化珪素質複合体を含む合金塊
は、室温まで冷却したのち、ダイヤモンド加工治具を用
いて炭化珪素質複合体を削り出した。更に、得られた炭
化珪素質複合体から、ダイヤモンド加工治具を用いて、
熱膨張率測定用試験体(4mmφ×10mm)、室温の
熱伝導率測定用試験体(10mmφ×3mm)、3点曲
げ強さ評価用試験体(3mm×4mm×40mm)を研
削加工して得た。また、3点曲げ強さ評価用試験体の一
部については、2規定の塩酸水溶液中で24時間処理し
て、複合体中の金属部分を除去し、炭化珪素を主成分と
する構造体を得た。
【0037】次に、それぞれの試験体を用いて、熱膨張
計により室温(25℃)から250℃の熱膨張率、レー
ザーフラッシュ法による室温の熱伝導率、及び曲げ試験
機による3点曲げ強さを測定した。得られた結果を表2
に示した。また、複合体の一部を乳鉢で粉砕し、酸素/
窒素同時分析計(LECO社製:TC−436)で酸素
量を測定し、得られた酸素量より、複合体中のシリカ含
有量を算出した。得られた結果を表2に示す。尚、比較
例2は、プリフォームを作製せず、炭化珪素粉末Bを含
有量が45体積%になるように鉄製の金型に充填して、
実施例1と同じ合金を同じ手法で含浸させて複合体を作
製した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】[実施例13、14、比較例3]実施例2
で作製した、炭化珪素質複合体を研削加工して、90m
m×90mm×3mmの形状とし、無電解Niメッキ処
理を行い、複合体表面に10μm厚のメッキ層を形成し
た。メッキ処理した複合体表面に50μm厚の半田ペー
ストをスクリーン印刷し、前記半田ペースト上に、実施
例13では市販の窒化アルミニウム基板を、実施例14
では市販の窒化珪素基板を搭載し、温度300℃のリフ
ロー炉で5分間加熱処理してセラミックス基板を接合さ
せた。尚、比較例3は、銅板を用いて実施例13と同じ
手法で、メッキ処理後、窒化アルミニウム基板を接合し
た。
【0041】次に、前記のセラミックス基板を接合した
複合体を用いて、−40℃〜150℃の温度幅で300
0回のヒートサイクル試験を行った。実施例13及び実
施例14では、ヒートサイクル試験後もセラミックス基
板上の回路の剥離やセラミックス基板の回路間のクラッ
ク発生も認められなかった。一方、比較例3では、ヒー
トサイクル30回でセラミックス基板の回路間にクラッ
クが発生した。
【0042】
【発明の効果】本発明の炭化珪素質複合体は、強化材で
ある炭化珪素質多孔体の強度を調整することにより、該
複合体の熱膨張率を窒化アルミニウム、窒化珪素等のセ
ラミックス基板と同程度に小さく、しかも、熱伝導率が
高いので、いろいろな用途の放熱部品として有用であ
り、特に、半導体搭載用セラミックス基板と接合して、
回路基板の信頼性を高めることができる。加えて、本発
明の炭化珪素質複合体は高強度であるので、電気、自動
車等の移動機器等に好適な放熱部品を安価に提供するこ
とができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分
    とする金属を含浸してなる複合体であって、該複合体の
    熱伝導率が150W/(m・K)以上であり、室温の熱
    膨張率が9×10-6-1以下であり、しかも該複合体を
    塩酸処理して得られる炭化珪素を主成分とする構造体の
    曲げ強さが10MPa以上であることを特徴とする炭化
    珪素質複合体。
  2. 【請求項2】複合体中の酸素量が、シリカ換算して0.
    2〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載
    の炭化珪素質複合体。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の炭化珪素質複
    合体を用いてなることを特徴とする放熱部品。
  4. 【請求項4】半導体搭載用セラミックス基板に接合して
    なることを特徴とする請求項3記載の放熱部品。
  5. 【請求項5】セラミックス基板が窒化アルミニウム又は
    窒化珪素であることを特徴とする請求項4記載の放熱部
    品。
JP9288219A 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品 Pending JPH11116361A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9288219A JPH11116361A (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9288219A JPH11116361A (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11116361A true JPH11116361A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17727370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9288219A Pending JPH11116361A (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11116361A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294358A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Taiheiyo Cement Corp 熱伝導性複合材料
US6512719B2 (en) 2000-07-05 2003-01-28 Hitachi, Ltd. Semiconductor memory device capable of outputting and inputting data at high speed
CN106098634A (zh) * 2016-06-27 2016-11-09 安徽汉升新金属技术有限公司 铝基碳化硅电子元件封装底板、成型模具以及制作方法
CN106830973A (zh) * 2017-02-09 2017-06-13 江苏省陶瓷研究所有限公司 一种新型Al2O3/ZrO2(Y2O3)复相陶瓷的制备方法
WO2020100686A1 (ja) * 2018-11-14 2020-05-22 デンカ株式会社 放熱基板を収容するパッケージおよび梱包箱

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6512719B2 (en) 2000-07-05 2003-01-28 Hitachi, Ltd. Semiconductor memory device capable of outputting and inputting data at high speed
JP2002294358A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Taiheiyo Cement Corp 熱伝導性複合材料
CN106098634A (zh) * 2016-06-27 2016-11-09 安徽汉升新金属技术有限公司 铝基碳化硅电子元件封装底板、成型模具以及制作方法
CN106830973A (zh) * 2017-02-09 2017-06-13 江苏省陶瓷研究所有限公司 一种新型Al2O3/ZrO2(Y2O3)复相陶瓷的制备方法
WO2020100686A1 (ja) * 2018-11-14 2020-05-22 デンカ株式会社 放熱基板を収容するパッケージおよび梱包箱
CN112996734A (zh) * 2018-11-14 2021-06-18 电化株式会社 收纳散热基板的包装及捆包箱
US11912489B2 (en) 2018-11-14 2024-02-27 Denka Company Limited Package accommodating heat dissipation substrate and packing box

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3468358B2 (ja) 炭化珪素質複合体及びその製造方法とそれを用いた放熱部品
JPH10335538A (ja) 半導体基板材料、半導体基板、半導体装置、及びその製造方法
JP2000303126A (ja) ダイヤモンド−アルミニウム系複合材料およびその製造方法
JPWO2020013300A1 (ja) 金属−炭化珪素質複合体、及び金属−炭化珪素質複合体の製造方法
JP4187739B2 (ja) アルミニウム合金−炭化珪素窒化珪素質複合体
JP3496816B2 (ja) 金属−セラミックス複合体とそれを用いた放熱部品
JP3449683B2 (ja) セラミックス回路基板とその製造方法
JPH11116361A (ja) 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品
JP4404602B2 (ja) セラミックス−金属複合体およびこれを用いた高熱伝導放熱用基板
JP3948797B2 (ja) 炭化珪素質複合体の製造方法
JP2020012194A (ja) 金属−炭化珪素質複合体及びその製造方法
JP4233133B2 (ja) 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品
JP4314675B2 (ja) 炭化珪素粉末とそれを用いた複合材料およびそれらの製造方法
JPH11157964A (ja) 板状複合体とそれを用いた放熱部品
JP4305986B2 (ja) 炭化珪素系複合材料の製造方法
JP4407858B2 (ja) モジュール構造体
JP3737072B2 (ja) アルミニウム−炭化珪素質複合体とその製造方法
JP2000141022A (ja) 炭化珪素質複合体及びその製造方法
JP2002294358A (ja) 熱伝導性複合材料
JP4127379B2 (ja) アルミニウム−炭化珪素複合体の製造方法
JPH11157963A (ja) 板状複合体とそれを用いた放熱部品
JP2004055577A (ja) アルミニウム−炭化珪素質板状複合体
JP2001217364A (ja) Al−SiC複合体
JP4319939B2 (ja) アルミニウム合金−セラミックス質複合体の製造方法
JP2001284509A (ja) Al−SiC複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060307