JP3948797B2 - 炭化珪素質複合体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素質複合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3948797B2
JP3948797B2 JP28822097A JP28822097A JP3948797B2 JP 3948797 B2 JP3948797 B2 JP 3948797B2 JP 28822097 A JP28822097 A JP 28822097A JP 28822097 A JP28822097 A JP 28822097A JP 3948797 B2 JP3948797 B2 JP 3948797B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
composite
metal
silicon
thermal conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28822097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11116362A (ja
Inventor
秀樹 廣津留
正明 小畑
謙二 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP28822097A priority Critical patent/JP3948797B2/ja
Publication of JPH11116362A publication Critical patent/JPH11116362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3948797B2 publication Critical patent/JP3948797B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/51Metallising, e.g. infiltration of sintered ceramic preforms with molten metal
    • C04B41/515Other specific metals
    • C04B41/5155Aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00844Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for electronic applications

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導特性に優れ、かつ軽量であり、セラミックス基板やICパッケージなどの半導体部品のヒートシンクなどの放熱部品として好適な高熱伝導性複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、セラミックス基板や樹脂基板等の種々の基板を用いた、半導体素子を搭載するための回路基板が知られている。近年、回路基板の小型化、半導体素子の高集積化が進むに従い、回路基板の放熱特性の向上が望まれ、ベレリア(BeO)を添加した炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)等のセラミックス基板が注目されている。
【0003】
上述のセラミックス基板を回路基板やパッケージ用基体等として用いる場合には、半導体素子からの発熱を前記基板裏面等に設けられるヒートシンクと呼ばれる放熱部品を介して外部に発散させ、半導体素子の動作特性等を確保している。この場合、ヒートシンクとして銅(Cu)等を用いると、セラミックス基板とヒートシンクの熱膨張差に起因して、加熱接合時や熱サイクルの付加等によりセラミックス基板にクラックや割れ等が生じることがある。そこで、セラミックス基板を信頼性が要求される分野に用いる場合には、セラミックス基板と熱膨張差の小さいMoやW等をヒートシンクとして用いていた。
【0004】
上述したようなMoやWを用いた放熱部品は、重金属であるMoやWに原因して重量が重く、放熱部品の軽量化が望まれる用途には好ましくない。更に、このようなヒートシンクは高価であることから、近年、銅やアルミニウム或いはこれらの合金を無機質繊維または粒子で強化したMMC(Metal MatrixComposite)と略称される金属−セラミックス複合体が注目されている。
【0005】
前記複合体は、一般には、強化材である無機質繊維あるいは粒子を、あらかじめ成形することでプリフォームを形成し、そのプリフォームの繊維間あるいは粒子間に基材(マトリックス)である金属或いは合金を溶浸(含浸ともいう)させた複合体である。強化材としては、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、シリカ、炭素等のセラミックスが用いられている。
【0006】
しかし、上記の複合体において熱伝導率を上げようとする場合、強化材並びに金属或いは合金として熱伝導率の高い物質を選択する必要があること、強化材であるセラミックスとマトリックスである金属或いは合金の濡れ性や界面の反応層等も熱伝導率に大きく寄与すること、マトリックスと強化材の結合が不十分であると、熱伝導率以外に複合体の強度低下をもたらすという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
MoやW等の重金属材料をヒートシンクに用いた場合、放熱部品の重量が重くなると共に、放熱性に関しても必ずしも十分でないという問題があるし、比較的軽量で放熱性に優れるCuやAl等をヒートシンクとして用いる場合にも、セラミックス基板との熱膨張差が大きく、信頼性の高い構造を得るためには、接合構造自体が非常に複雑になってしまい、製造コストの増加や放熱部品としての熱抵抗の増加等を招くといった問題があった。
【0008】
更に、上記の課題を解決するため、金属−セラミックス複合体が検討されているが、セラミックス基板に近い熱膨張率を得ようとすると、熱膨張率の低い強化材であるセラミックスの比率を上げる必要がある。しかし、セラミックス成分の比率を上げるには、高い成形圧でプリフォームを成形する必要があり、コストアップに繋がると共に、その後の金属或いは合金の十分な含浸が難しくなるという問題がある。このため、熱膨張率がセラミックス基板に近く、高い熱伝導率を有する金属−セラミックス複合体を安価に提供できる技術の開発が課題となっている。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、高熱伝導性を有すると共に、比重が小さく、且つ熱膨張率がセラミックス基板に近い高熱伝導性複合体及びこれを用いた放熱部品を安価に提供することを目的とするものである。本発明は、熱伝導特性に優れ、かつ軽量であり、セラミックス基板やICパッケージなどの半導体部品のヒートシンクなどの放熱部品として好適な高熱伝導性複合体の製造方法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、複合体の組成とともにプリフォームの組成、強度等を調整することにより、熱膨張率を制御できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】
すなわち、本発明は、炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなる複合体であって、炭化珪素粉末、シリコン粉末及び炭素粉末を等モル配合し、さらに窒化珪素粉末を添加して圧力をかけて成形体とし、アルゴン雰囲気中、温度2000℃で加熱処理して得られる炭化珪素質多孔体に、シリコンを20重量%以下、マグネシウムを5重量%以下含有するアルミニウムを主成分とする金属を高圧をかけて含浸させることを特徴とする、窒素含有量が0.5〜10重量%、該複合体の熱伝導率が170W/(m・K)以上、室温の熱膨張率が9×10−6−1以下、酸素含有量が1重量%以下であることを特徴とする炭化珪素質複合体の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
金属−セラミックス複合体の熱膨張率は、通常、強化材であるセラミックスと基材である金属の熱膨張率とそれらの配合比で決まる。セラミックスの熱膨張率は金属の熱膨張率に比べかなり小さく、複合体の熱膨張率を下げるには、セラミックスの比率を増やすことが効果的である。一方、金属−セラミックス複合体の熱伝導率も、基本的には、強化材であるセラミックスと基材である金属の熱伝導率とその配合比で決まるが、熱伝導率に関しては、更に強化材と基材との界面の結合状態も大きな寄与因子である。セラミックスと金属では、一般に金属の方が熱伝導率が高いが、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化硼素(BN)等は、金属と同等以上(300W/(m・K)以上)の理論熱伝導率を有し、熱伝導率向上の点から、強化材として非常に有望である。
【0016】
本発明者らは、強化材について種々検討した結果、炭化珪素を主成分とするセラミックス構造体を用いるときに、高熱伝導率と低熱膨張率を兼ね備えた金属−セラミックス複合体を製造するのに適していることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0017】
複合体を製造する場合、強化材と金属との濡れ性が緻密な複合体を得るためには重要である。このため、一般にこのような金属−セラミックス複合体は、強化材であるセラミックスを所定形状に成形したプリフォームに、基材である金属を高温高圧下で含浸させる高圧鋳造法で緻密体を製造している。含浸する金属の融点が高いと、含浸時の温度が高くなり、セラミックスが酸化されたり、セラミックスと金属が反応して特性的に好ましくない化合物を形成することがある。更に、基材である金属の融点が高いと、含浸温度が高くなることにより、型材等の材質が限定され高価になってしまうと共に、鋳造コスト自体も増加し、得られる複合体が高価になってしまう。
【0018】
本発明者らは、基材となる金属について種々検討した結果、アルミニウムを主成分とする合金を用いることにより、良好な複合体を製造できることを見いだした。すなわち、本発明の複合体は、炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなるものである。
【0019】
金属−セラミックス複合体の熱膨張率は、前述したように、通常、強化材であるセラミックスと基材である金属の熱膨張率とそれらの配合比で決まる。しかし、この場合には、基材である金属中に強化材であるセラミックスが均一分散していて、強化材と基材の界面での歪みが殆どないことを前提としている。本発明においては、強化材である炭化珪素質多孔体を作製し、これにアルミニウムを主成分とする金属を含浸して炭化珪素質複合体を製造する。この場合、強化材である炭化珪素質多孔体は連続体であり、温度変化により炭化珪素質多孔体と金属との間に熱膨張率の差に起因する応力が発生する。ここで、炭化珪素質多孔体の強度が低いと、発生した応力に耐えきれず炭化珪素質多孔体の結合部が破壊してしまう。逆に、炭化珪素質多孔体の強度が高いと、温度変化により発生する応力を抑え込み、その結果、複合体の熱膨張率を低下させることができる。つまり、複合体中の連続してなる強化材の強度と複合体の熱膨張率には密接な関係があることを見いだしたのである。
【0020】
また、本発明の炭化珪素質複合体中の炭化珪素質多孔体の含有量は、50〜80体積%であることが好ましく、更に好ましくは60〜75体積%である。炭化珪素質多孔体の含有量が50体積%未満では、複合体の熱膨張率が高くなり、本発明が目的とする信頼性の高い放熱部品が得られなくなる。また、炭化珪素質多孔体の含有量を高くすることは、複合体の高熱伝導率、低熱膨張率といった点では有効であるが、嵩密度が80%を越える多孔体を製造するには、非常に高い成形圧力を必要とする等の問題があり、得られる金属ーセラミックス複合体のコストが極端に高くなってしまう。また、複合体中の炭化珪素質多孔体の含有量が80体積%を越え極端に高くなりすぎると、強度、破壊靱性等の機械的特性が低下するとともに高温での熱伝導率が低下するという問題もある。
【0021】
一方、本発明の炭化珪素質複合体中の金属は、アルミニウムを主成分とする合金であり、好ましくはシリコンを20重量%以下、マグネシウムを5重量%以下含有する。合金中のアルミニウム以外の成分を調整することにより、合金自体の熱伝導率や熱膨張率を変えることができ、その結果得られる複合体の熱膨張率や熱伝導率も調整できる。アルミニウムにシリコンやマグネシウムを添加し合金化することにより、合金の融点低下や高温での溶融金属の粘性低下があり、高温鋳造法等で緻密な複合体が得やすくなる。更に、アルミニウム金属を合金化することにより、金属自体の硬度増加があり、その結果、得られる複合体の強度等の機械的特性が向上する。合金中のアルミニウム、シリコン、マグネシウム以外の金属成分に関しては、極端に合金の特性が変化しない範囲であれば銅等も含有することができる。
【0022】
更に、本発明の炭化珪素質複合体の熱伝導率は150W/(m・K)以上である。熱伝導率が150W/(m・K)未満では、放熱部品等として用いる場合に十分な放熱特性が得られず、その用途が限定されてしまうからである。高発熱性の半導体搭載用基板等の特に放熱散性を問題とする用途においては、170W/(m・K)以上であることが好ましい。
【0023】
本発明の炭化珪素質複合体は、室温の熱膨張率が9×10-6-1以下である。室温の熱膨張率が9×10-6-1を越えると、セラミックス基板等の放熱部品として用いる場合に、セラミックス基板との熱膨張率の差が大きくなり過ぎて、加熱接合時や熱サイクル不可等により、セラミックス基板にクラックや割れ等が生じることがあり、信頼性が要求される放熱部品として用いる場合の用途が限定されてしまうからである。
【0024】
また、本発明の炭化珪素質複合体は、連続した炭化珪素質多孔体を含有してなる。炭化珪素質多孔体を作製する場合、高温で焼結を利用して製造する方法、シリカやアルミナ等の前駆体をバインダーとして添加し加熱処理して製造する方法等がある。後者の場合、コスト的には有利であるが、得られる炭化珪素質複合体中にアルミナやシリカといった熱伝導率の低い物質が存在し、複合体自体の熱伝導率を低下させてしまう。特に、これらの酸化物が炭化珪素と金属の界面に存在する場合、熱伝導率の低下が顕著である。本発明者らは、これらの酸化物量を低減し、プリフォームの強度を向上させるべく検討を重ねた結果、炭化珪素質多孔体を形成させる結合剤として窒化物を用いることにより、複合体の熱伝導率を一層向上できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0025】
本発明の炭化珪素質複合体は、窒素含有量が0.5〜10重量%である。窒素含有量が0.5重量%未満では、前述した窒素化合物による炭化珪素質多孔体の強度が十分でなく、その結果、熱膨張率が高くなってしまう。また、10重量%を越えると、窒素化合物の量が多くなりすぎ、窒素化合物の熱伝導率が炭化珪素の熱伝導率より低いため、得られる複合体の熱伝導率が低下してしまう。
【0026】
更に、炭化珪素質複合体中には、原料粉末である炭化珪素粉末中に不可避的に含まれる酸素や結合剤中の酸素、炭化珪素質多孔体を作製する仮焼行程等での酸素増加等により、ある程度の酸素が含まれている。これらの酸素は、複合体中で熱伝導率の低い酸化物等の形態で存在するので、結果的に複合体の熱伝導率を下げる。特に、これらの酸化物等が炭化珪素と金属の界面に存在する場合、複合体の熱伝導率の低下が顕著となる。
【0027】
このため、本発明では、炭化珪素質複合体中の酸素含有量が1重量%以下であり、熱伝導率が170W/(m・K)以上であることを特徴とするものである。酸素含有量が1重量%を越えると、複合体中の酸化物等の量が多くなりすぎ、前述した理由により複合体の熱伝導率が低下してしまう。酸素含有量の下限値に関しては、炭化珪素質多孔体の強度をあまり低下させない範囲であれば、低い程、熱伝導率の向上に効果がある。このようにして、炭化珪素質複合体の酸素含有量を抑えることにより、170W/(m・K)以上の熱伝導率の高い炭化珪素質複合体を得ることができる。
【0028】
更に、本発明は、炭化珪素質複合体中に窒化珪素を含有することを特徴とする。窒化珪素は理論熱伝導率が200W/(m・K)以上と高く、炭化珪素質多孔体の結合剤として用いることにより多孔体の強度向上とともに、得られる複合体の熱伝導率向上にも効果がある。窒化珪素の複合方法に関しては、原料粉末中に粉末等の形態で添加することもできるし、シリカ及びシリコン等の形態で添加し、炭化珪素質多孔体を作製する仮焼行程で窒化して複合化することもできる。
【0029】
更に、本発明は、炭化珪素質複合体を塩酸処理して得られる炭化珪素を主成分とする構造体の曲げ強さが10MPa以上であることを特徴とする。構造体の曲げ強さが10MPa未満では、温度変化により炭化珪素質多孔体と金属との間に熱膨張率の差により発生する応力に耐えきれず炭化珪素質多孔体の結合部が破壊してしまうことがあり、この場合には複合体の熱膨張率を十分に下げることができなくなる。一方、構造体の曲げ強さの上限に関しては、特に規定する必要はなく、高い程好ましい。尚、塩酸処理に関しては、複合体中の金属部分を除去することが目的であり、2規定以上の濃度の塩酸水溶液中で、室温で12時間程度処理すれば良い。複合体が大きい場合は、塩酸濃度、処理温度、処理時間を調整し金属部分の除去が十分にできるまで行えば良い。
【0030】
また、本発明の炭化珪素質複合体は、密度が3g/cm3程度と銅等の金属に比べ軽く、放熱部品等として用いる場合、部品の軽量化に有効である。加えて、本発明の炭化珪素質複合体は、曲げ強さが300MPa以上と高く、放熱部品等として用いるに十分な機械的特性を有している。
【0031】
本発明は、上述した炭化珪素質複合体を用いることを特徴とする放熱部品である。本発明の放熱部品は、熱伝導特性に優れ且つ十分な機械的特性を有しており、ヒートシンク等として用いるに好適である。また、本発明の放熱部品は、密度が3g/cm3程度と軽量であり、移動用機器に用いる放熱部品として好適である。本発明の放熱部品は、熱伝導特性に優れ、熱膨張率が9×10-6-1以下と低いのでヒートシンク等の放熱部品として用いる場合、従来の銅等を用いた場合に比べ、放熱部品と接合されるセラミックス基板との熱膨張差が小さくなり、セラミックス基板がその上に搭載される半導体素子の作動時に発生する熱サイクル等によりクラックや割れ等を発生する現象を防止できるので、高い信頼性が要求される電気、自動車等の移動用機器に用いる放熱部品として好適である。
【0032】
尚、半導体素子の集積化や大型化に伴い、これを搭載するセラミックス基板には、高い放熱特性が要求され、窒化アルミニウム基板並びに窒化珪素基板は、絶縁特性に優れ、放熱特性に優れており注目されているが、本発明の放熱部品と接合して用いるときに、熱膨張率が近い値を有することから、熱サイクル等の付加によるクラックや割れ等の極めて少ない高信頼性を得ることができ好ましい。
【0033】
本発明の炭化珪素質複合材を得る方法としては、以下の方法があげられる。
炭化珪素粉末に結合剤としてシリカゾルやアルミナゾル等を所定量添加混合し、所望の形状に成形する。成形方法は、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形等を用いることができ、必要に応じて保形用バインダーを添加してもよい。また、炭化珪素粉末に関しては、1種類の粉末を用いても、また、複数の粉末を粒度配合して用いてもよい。次に、得られた成形体を、大気中又は窒素等の雰囲気中、温度700〜1600℃で仮焼して炭化珪素質多孔体を製造する。また、炭化珪素粉末に結合材としてシリコン粉末を添加混合して、同様の方法で製造することもできる。更に、炭化珪素質多孔体の他の製造方法に関しては、炭化珪素粉末やシリコン粉末と炭素粉末の混合粉末を、不活性ガス雰囲気中、温度1600〜2200℃で焼成して製造することもできる。
【0034】
得られた炭化珪素質多孔体は、熱衝撃による割れ等を防止するために加熱し、融点以上の温度に加熱したアルミニウムを主成分とする金属溶湯を高圧で含浸させて炭化珪素質複合体とする。金属成分の含浸方法に関しては、特に限定はなく、高圧鋳造法、ダイキャスト法等が利用できる。
【0035】
尚、本発明の炭化珪素質複合体中の窒素含有量及び酸素含有量の測定に関しては、複合体を乳鉢等で粉砕し、粉末状にした後、酸素/窒素同時分析計(LECO社製:TC−436)を用いて測定すれば良い。
【0036】
【実施例】
以下、実施例と比較例をあげて、更に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
参考例1〜12、比較例1、2]炭化珪素粉末A(太平洋ランダム社製:NG−220、平均粒径:60μm)、炭化珪素粉末B(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒径:10μm)及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)を表1の組成で配合し、撹拌混合機で30分間混合した後、100mm×100mm×5mmの形状に表1に示す圧力で成形した。得られた成形体は、窒素雰囲気中、温度1400℃で2時間加熱して、炭化珪素質多孔体を作製した。得られた炭化珪素質多孔体は、20mmφ×5mmの形状に加工して、その寸法と質量より相対密度を算出した。得られた結果を表1に示す。
【0038】
次に、得られた炭化珪素質多孔体を電気炉で、温度800℃に予備加熱し、予め加熱しておいた150mmφのプレス型内に載置した後、温度850℃に加熱した表1に示す合金の溶湯を流し込み、100MPaの圧力で2分間プレスして、炭化珪素質多孔体に合金を含浸させた。得られた炭化珪素質複合体を含む合金塊は、室温まで冷却したのち、ダイヤモンド加工治具で炭化珪素質複合体を削り出した。得られた炭化珪素質複合体は、ダイヤモンド加工治具を用いて、熱膨張率測定用試験体(4mmφ×10mm)、室温の熱伝導率測定用試験体(10mmφ×3mm)、3点曲げ強さ評価用試験体(3mm×4mm×40mm)に研削加工した。また、3点曲げ強さ評価用試験体の一部を、2規定の塩酸水溶液中で24時間処理して、複合体中の金属部分を除去した。
【0039】
次に、それぞれの試験体を用いて、熱膨張計により室温(25℃)から250℃の熱膨張率、レーザーフラッシュ法による室温の熱伝導率及び曲げ試験機による3点曲げ強さを測定した。得られた結果を表2に示す。また、複合体の一部を乳鉢で粉砕し、酸素/窒素同時分析計(LECO社製:TC−436)で窒素量及び酸素量を測定した。得られた結果を表2に示す。尚、比較例2は、プリフォームを作製せず、炭化珪素粉末Bを含有量が45体積%なるように鉄製の金型に充填して、実施例1と同じ合金を同じ手法で含浸させて複合体を作製した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
参考例13〜17]炭化珪素粉末A、炭化珪素粉末B、シリコン粉末(325メッシュ下品)及びシリカゾルを表3の組成で配合し、撹拌混合機で30分間混合した後、100mm×100mm×5mmの形状に10MPaの圧力で成形した。得られた成形体は、窒素雰囲気中、温度1400℃で2時間加熱して、炭化化珪素質多孔体を作製した。得られた炭化珪素質多孔体は、20mmφ×5mmの形状に加工して、その寸法と質量より相対密度を算出した。得られた結果を表3に示す。
【0043】
次に、この炭化珪素質多孔体を、参考と同様の方法によりアルミニウム合金を含浸させて炭化珪素質複合体を作製した。得られた複合体は、参考例1と同様の方法により評価を行った。得られた結果を表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
参考例18、実施例19]参考例18は、参考例15の成形体を、1MPaの窒素加圧雰囲気中、温度1500℃で3時間加熱して、炭化珪素質多孔体を作製した。また、実施例19は、炭化珪素粉末B、シリコン粉末及び炭素粉末を等モル配合し、窒化珪素粉末を外割で3重量%添加し、参考例1と同様の方法で成形体を作製し、アルゴン雰囲気中、温度2000℃で3時間加熱処理して炭化珪素質多孔体を作製した。得られた炭化珪素質多孔体は、20mmφ×5mmの形状に加工して、参考と同様の方法によりアルミニウム合金を含浸させて炭化珪素質複合体を作製した。得られた複合体は、参考例1と同様の方法により評価を行った。得られた結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
参考例20、21、比較例3]参考例2で作製した、炭化珪素質複合体を研削加工して、90mm×90mm×3mmの形状とし、無電解Niメッキ処理を行い、複合体表面に10μm厚のメッキ層を形成した。メッキ処理した複合体表面に50μm厚の半田ペーストをスクリーン印刷し、参考例20は、その上に市販の窒化アルミニウム基板を参考例21は、市販の窒化珪素基板を搭載し、温度300℃のリフロー炉で5分間加熱処理してセラミックス基板を接合させた。尚、比較例3は、銅板を用いて参考例20と同様の手法で、メッキ処理後、窒化アルミニウム基板を接合した。
【0049】
次に、これらのセラミックス基板を接合した複合体を用いて、−40℃〜150℃の温度幅で3000回のヒートサイクル試験を行った。実施例20及び実施例21は、ヒートサイクル試験後もセラミックス基板の回路間のクラックの発生や回路の剥離は認められなかった。一方、比較例3に関しては、ヒートサイクル30回でセラミックス基板の回路間にクラックが発生した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の炭化珪素質複合体は、強化材である炭化珪素質多孔体の強度を調整することにより、該複合体の熱膨張率を窒化アルミニウム、窒化珪素等のセラミックス基板と同程度に小さく、しかも、熱伝導率が高いで、いろいろな用途の放熱部品として有用であり、特に、半導体搭載用セラミックス基板と接合して、回路基板の信頼性を高めることができる。加えて、本発明の炭化珪素質複合体は高強度であるので、電気、自動車等の移動機器等に好適な放熱部品を安価に提供することができる。

Claims (1)

  1. 炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなる複合体であって、炭化珪素粉末、シリコン粉末及び炭素粉末を等モル配合し、さらに窒化珪素粉末を添加して圧力をかけて成形体とし、アルゴン雰囲気中、温度2000℃で加熱処理して得られる炭化珪素質多孔体に、シリコンを20重量%以下、マグネシウムを5重量%以下含有するアルミニウムを主成分とする金属を高圧をかけて含浸させることを特徴とする、窒素含有量が0.5〜10重量%、該複合体の熱伝導率が170W/(m・K)以上、室温の熱膨張率が9×10−6−1以下、酸素含有量が1重量%以下であることを特徴とする炭化硅素質複合体の製造方法。
JP28822097A 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3948797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28822097A JP3948797B2 (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28822097A JP3948797B2 (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11116362A JPH11116362A (ja) 1999-04-27
JP3948797B2 true JP3948797B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=17727384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28822097A Expired - Fee Related JP3948797B2 (ja) 1997-10-21 1997-10-21 炭化珪素質複合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3948797B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100993044B1 (ko) 2003-12-22 2010-11-08 재단법인 포항산업과학연구원 다공체 탄화규소 세라믹스 제조방법
JP5172232B2 (ja) * 2007-07-25 2013-03-27 電気化学工業株式会社 アルミニウム−セラミックス複合体とその製造方法
JP4732430B2 (ja) * 2007-12-19 2011-07-27 電気化学工業株式会社 アルミニウム−セラミックス複合体及びその製造方法
JP5457992B2 (ja) * 2010-10-26 2014-04-02 電気化学工業株式会社 アルミニウム−セラミックス複合体構造部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11116362A (ja) 1999-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3468358B2 (ja) 炭化珪素質複合体及びその製造方法とそれを用いた放熱部品
US20060157884A1 (en) Method for producing a composite material
TWI796503B (zh) 金屬-碳化矽質複合體、及金屬-碳化矽質複合體之製造方法
WO2000076940A1 (en) Composite material and semiconductor device using the same
JP2000303126A (ja) ダイヤモンド−アルミニウム系複合材料およびその製造方法
JP4187739B2 (ja) アルミニウム合金−炭化珪素窒化珪素質複合体
JP3496816B2 (ja) 金属−セラミックス複合体とそれを用いた放熱部品
JP3449683B2 (ja) セラミックス回路基板とその製造方法
JP3948797B2 (ja) 炭化珪素質複合体の製造方法
JP6595740B1 (ja) 金属−炭化珪素質複合体及びその製造方法
JP4233133B2 (ja) 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品
JP5172232B2 (ja) アルミニウム−セラミックス複合体とその製造方法
JPH11116361A (ja) 炭化珪素質複合体とそれを用いた放熱部品
JP4314675B2 (ja) 炭化珪素粉末とそれを用いた複合材料およびそれらの製造方法
JP2000297301A (ja) 炭化珪素系複合材料とその粉末およびそれらの製造方法
JP4305986B2 (ja) 炭化珪素系複合材料の製造方法
JPH11157964A (ja) 板状複合体とそれを用いた放熱部品
JP4407858B2 (ja) モジュール構造体
JP3737072B2 (ja) アルミニウム−炭化珪素質複合体とその製造方法
JP2000141022A (ja) 炭化珪素質複合体及びその製造方法
JP2002294358A (ja) 熱伝導性複合材料
JP4127379B2 (ja) アルミニウム−炭化珪素複合体の製造方法
JP2004323291A (ja) アルミニウム−セラミックス複合体とその製造方法
JP2001217364A (ja) Al−SiC複合体
JP2001284509A (ja) Al−SiC複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060315

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060920

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070119

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20070227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees