JP2004055577A - アルミニウム−炭化珪素質板状複合体 - Google Patents

アルミニウム−炭化珪素質板状複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】実使用条件下おいて受ける熱変化を被っても、寸法変化が少なく、その結果、部材間の接合状態の劣化がなく、長期に渡って信頼性を維持できるモジュールを提供する。
【解決手段】一主面にスキン層を有し、しかもスキン層を構成する炭化珪素粒子の平均粒径が、スキン層以外の部分を構成する炭化珪素粒子の平均粒径の1/2以下である平板状の炭化珪素質多孔体に、Al又はAlを主成分とする金属を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体であって、前記スキン層側の主面が凸状で、100mm当り20〜150μmの反りを有することを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体を用いる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体部品を搭載するセラミックス回路基板の裏面に設けられ、半導体部品から発生する熱を効率的に、しかも速やかに逃がす為に用いられるヒートシンク等の放熱部品に好適に用いられるアルミニウム−炭化珪素質複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業機器の分野では、電動機用インバータとしての大電力モジュールの開発が進んでおり、現在代表的なものとしては、チップを搭載した高熱伝導性セラミックス回路基板を銅等の金属製ヒートシンク材にはんだ付けした構造を有するものが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしセラミックス回路基板を銅やアルミニウム(Al)等のヒートシンクに半田付けした構造のものは、セラミックスとヒートシンクとの間の熱膨張率の差が大きく、冷熱サイクルを重ねると半田クラック等が生成しやすく、長期的な信頼性に問題がある。
【0004】
そのため、長期的な信頼性が要求される分野については、セラミックスと熱膨張率差の小さいMo、W等がヒートシンク材料として選択されることがある。しかしこれらは重金属であることから重量が大きく、軽量化が要求される用途には不適当であり、また高価であるという問題もある。
【0005】
この問題を解決する為に、アルミニウム−炭化珪素質複合体(以下、Al−SiC複合体という)をヒートシンク材料とし、Al回路付き窒化アルミニウム基板を半田付けした構造のもの(以下、Al−SiC複合体/Al回路付き窒化アルミニウム基板、と記す)も開発されている。Al−SiC複合体は、熱膨張率が9×10−6/K程度と、従来使用されてきた銅製ヒートシンクに比べて大幅に熱膨張率が小さくなっており、それゆえ銅製ヒートシンク/セラミックス回路基板構造に比べ格段の信頼性を有している。
【0006】
一方、ヒートシンクは回路基板や放熱フィンと接合して用いることが多く、その接合部分の形状や反りもまた重要な特性として挙げられる。例えば、ヒートシンクを放熱フィンに接合する場合、一般的にはヒートシンクの周縁部に設けられた穴を利用して放熱フィンや放熱ユニット等にネジ固定して用いられるが、仮にヒートシンクの放熱フィン等に接する面が凹面であると、ヒートシンクと放熱フィンの間に隙間が生じ、この間に高熱伝導性の放熱グリースを用いていても、熱伝達性が著しく低下し、その結果セラミックス回路基板、ヒートシンク、放熱フィン等で構成されるモジュール全体として、放熱性が著しく低下してしまう問題がある。
【0007】
更に、銅製ヒートシンクをセラミックス回路基板と半田等で接合した場合には、セラミックスの熱膨張率が銅製ヒートシンクのそれより小さいことから、接合後に銅製ヒートシンクのセラミックス回路基板との接合界面側の面が凸面化、すなわちその反対側の放熱フィンとの接合面は凹面化する傾向があり、前述の問題を助長している。
【0008】
上記問題解決のために、予め放熱フィンと接する側の面を凸状にしたヒートシンク、ことに熱膨張率の小さなAl−SiC複合体からなるヒートシンクが望まれるものの、Al−SiC複合体は非常に硬いSiCを含有している為、後加工によって望みの形状を得るには非常に大きな労力、コストを必要とするという問題がある。
【0009】
また、室温では上述の形状を有していても、電子部品を搭載するための後工程や使用条件下で加熱されてしまう場合には、構成部品の熱膨張差に原因して変形が生じ、やはり接合が不十分となり、放熱性の低下につながるという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の状況に鑑み、モジュールが実使用条件下おいて受ける熱変化を被っても、寸法変化が少なく、その結果、部材間の接合状態の劣化がなく、長期に渡って信頼性を維持できるように、ヒートシンク部材についていろいろ検討した結果、ヒートシンク材として特定構造を有するアルミニウム−炭化珪素質複合材を選択するとき、即ち、その原料となる炭化珪素質多孔体が特定な構造を有するときに、前記課題の解決ができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、平板状の炭化珪素質多孔体であって、その一主面にスキン層を有し、しかもスキン層を構成する炭化珪素粒子の平均粒径が、スキン層以外の部分を構成する炭化珪素粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする炭化珪素質多孔体であり、好ましくは、スキン層の厚みが20μm以上であることを特徴とする前記の炭化珪素質多孔体である。
【0012】
又、本発明は、前記の炭化珪素質多孔体に、Al又はAlを主成分とする金属を含浸してなる複合体であって、前記スキン層側の主面が凸状で、100mm当り20〜150μmの反りを有することを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体であり、好ましくは、熱伝導率が180W以上であり、熱膨張係数が9×10−6−1以下であることを特徴とする前記のアルミニウム−炭化珪素質複合体である。
【0013】
加えて、本発明は、前記のアルミニウム−炭化珪素質複合体を用いてなることを特徴とする放熱部品である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者は、前述した通りに、モジュールが実使用条件下おいて受ける熱変化を被っても、寸法変化が少なく、その結果、部材間の接合状態下での劣化がなく、長期に渡って信頼性を維持できるように、ヒートシンク部材についていろいろ検討した結果、特定構造を有する炭化珪素質多孔体平板を用いて得られるアルミニウム−炭化珪素質複合体が特有の反りを有しつつ、低熱膨張率と高熱伝導率とを併せ持っており、これをセラミックス回路基板と放熱フィン等の放熱部材との中間に配置されるヒートシンクとして用いるとき、前記従来技術の課題を解決できるという知見を得て、本発明に至ったものである。
【0015】
即ち、本発明の第1は、平板状の炭化珪素質多孔体であって、その一主面にスキン層を有し、しかもスキン層を構成する炭化珪素粒子の平均粒径が、スキン層以外の部分を構成する炭化珪素粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする炭化珪素質多孔体である。本発明の炭化珪素質多孔体は、これを用いてAl又はAlを主成分とする金属を含浸してAl−SiC複合体を得るとき、前記スキン層の存在する側が凸状に反ったものを容易に安定して得ることができる。
【0016】
また、本発明の第2は、前記発明の好ましい実施態様であり、前記構成に加えて、スキン層の厚みが20μm以上であることを特徴としている。これにより、得られるAl−SiC複合体の反りを100mm当たり20μm以上に確実に制御することができる。尚、本発明において、前記スキン層の厚みの上限を設けるべき技術的制約はないが、一般に、ヒートシンク用途で要求されるAl−SiC複合体に要求される反りの上限は100mm当たり150μm程度であり、これに対応するスキン層の厚みは300μmである。
【0017】
本発明の第3は、前記の炭化珪素質多孔体にAl又はAlを主成分とする金属を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体(Al−SiC複合体)であって、前記スキン層側の主面が凸状で、100mm当り20〜150μmの反りを有することを特徴としている。前記のとおりの特有方向の凸面と特定数値範囲の反りを有していることから、セラミックス回路基板と放熱フィン等の間に用いられるヒートシンクとして用いたときに、それらで構成されるモジュールが後工程や実使用条件下で温度変化を被っても寸法変化が無く、接合強度の劣化が少なく、長期に渡って信頼性の高いモジュールを適用できる。
【0018】
本発明の第4は、前記Al−SiC複合体の好ましい実施態様であり、更に熱伝導率が180W以上で熱膨張率が9×10−6/K以下であることを特徴としている。この特性を有することで、本発明のAl−SiC複合体は、より放熱性に優れ、しかも前記の効果を一層確実に発揮できる。
【0019】
本発明の第5は、前記Al−SiC複合体を用いてなることを特徴とする放熱部品である。前述した通りに、前記Al−SiC複合体はヒートシンクとして用いることができるが、この場合、モジュールの長期信頼性を一層高める等の目的でNiめっき等の公知技術を適用し表面加工・処理、更には穴あけ加工等をして放熱部品とすることができる。そして、本発明のAl−SiC複合体は、熱伝導率が180W以上で熱膨張率が8×10−6/K以下という特徴を有しているので、形状を変えることによりフ放熱ユニットとしたり、溝加工を適用してフィンを形成し放熱フィンとすることもできる。
【0020】
本発明において、スキン層とは平板状の炭化珪素質多孔体の一主面上に設けられた層状をなしている部分で、スキン層でない部分が炭化珪素粒子が相互に三次元的に強く結合しているのに対して、比較的微細な炭化珪素粒子からなり緩やかに結合或いは凝集状態にある部分で、両者は炭化珪素質多孔体或いはそれを用いて得られる複合体の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、その組織の写真から判断できる。また、スキン層厚さ、スキン層内外の炭化珪素の平均粒子径については、前述の方法で写真を撮影し、その写真を用いて計測する。平均粒子径に関してはインターセプト法で行えば良い。
【0021】
本発明の炭化珪素質多孔体は、以下に示す方法で得ることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
即ち、ある程度広い粒度分布を有する1種の、あるいは異なる2種以上の炭化珪素粉末を原料に用い、結合剤としてシリカゾルやアルミナゾルなどを所定量添加、混合して成形体を得る。成形方法としては、プレス成形、押し出し成形法等が利用できる。更に、前記成形体の一主面上に、他の炭化珪素粉末に結合剤としてシリカゾルやアルミナゾルなどを所定量添加、混合して得られた原料を配置し、再度成形することで、本発明の炭化珪素質多孔体を得ることができる。尚、前記2種の炭化珪素粉末について、スキン層を形成するほうの平均粒子径が、他の部分を形成するほうの平均粒子径の1/2以下であるように炭化珪素粉末を選択することは勿論であるし、成形直後の炭化珪素質多孔体は強度が小さく作業性が悪いので、また、引き続く含浸工程での歩留まりが向上するように、更に、得られるAl−SiC複合体が特定の物性を有するように、必要に応じて、焼成される。焼成温度としては、700〜1600℃が一般的に選択される。
【0022】
また、前記成形方法のうち、原料がスラリー状である成形法の湿式プレス法、スリップキャスト法は優れた成形方法である。例えば、炭化珪素粉末に水等の溶媒、更にシリカ或いはアルミナ等を結合材として添加して作製したスラリーを用い、湿式プレス成形する場合、表面からの脱水に用いるポンプの吸引力によって軽い微粉は表面に吸い寄せられる現象があるので、この現象を利用して特定の表面に微粉存在量を多くすることができるからである。
【0023】
また、本発明に利用できる前記成形方法のうち、押し出し成形法やドクターブレード法も好ましい方法である。つまり、押し出し成形法の場合には、炭化珪素粉末に押し出し成形能を付与するいろいろな結合剤や添加剤を加え、押し出し成形によりグリーンシートを形成した後、前記グリーンシートの一主面上に他の炭化珪素粉を含有するスラリーを層状に塗布し、乾燥、必要に応じて仮焼することによって、本発明の炭化珪素質多孔体を得ることができる。
【0024】
本発明において、炭化珪素質多孔体の主部(スキン層でない部分)を構成する炭化珪素粒子の平均粒径は、10〜200μmであることが望ましい。平均粒径が10μm未満の場合は、炭化珪素充填率の高い炭化珪素質多孔体が得難く、その結果得られるAl−SiC複合体の熱伝導率が大きくなり難いためである。また200μmを超える場合には、やはり炭化珪素充填率の高い炭化珪素質多孔体を得ることが難しく、また得られる炭化珪素質成形体の強度が低くなる。
【0025】
前記炭化珪素質多孔体からAl−SiC複合体を得るには、前記炭化珪素質多孔体に、融点以上の温度に加熱したAl又はAlを主成分とする金属の溶湯を含浸させれば良い。前記の含浸方法としては、特に限定は無く、高圧鍛造法、ダイキャスト法、真空鋳造法、減圧鋳造法等が利用できるが、高圧鍛造法は低熱膨張率で高熱伝導性のAl−SiC複合体が安定して得られることから、また、ダイキャスト法は生産性に優れることから好ましい方法である。
【0026】
また、本発明において、炭化珪素質多孔体のスキン層並びに主部(スキン層でない部分)について、それらを構成する炭化珪素粒子の粒度分布を調整することで、炭化珪素充填率を55〜75%とすることができるが、このとき本発明の複合体は、25℃における熱伝導率が180W/mK以上で、しかも25〜250℃の熱膨張率が9×10−6/K以下の特徴を有している。
【0027】
本発明の複合体は、前記したとおりに、低熱膨張率でかつ高熱伝導率を有し、しかも適度の大きさの反りを有しているので、セラミックス回路基板と放熱フィン等との間に用いられるばかりでなく、いろいろな回路基板のヒートシンク、或いは前記回路基板を固定し、放熱する部品ととしても使用できる特徴を有している。
【0028】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。
【0029】
(実施例1)
平均粒径60μmの炭化珪素粉末A100質量部に、固形分濃度20%のシリカゾルを10質量部配合して、攪拌混合機にて十分混合し、10MPaの圧力でプレス成形して120mm×120mm×2.95mmの形状にした後、前記成形体の上面に平均粒径20μmの炭化珪素粉末B100質量部と固形分濃度20%のシリカゲル10質量部の混合物を塗布し、再度10MPaで加圧成形して厚さ4mmの成形体を得た。得られた成形体を、大気雰囲気中、温度1000℃で2時間加熱した後、炭化珪素粉末Bを用いた側の主面をフライス加工することにより、全体の厚さが3.00mmの炭化珪素質多孔体を作製した。得られた炭化珪素質多孔体は、その寸法と質量より相対密度を算出した結果、63%であった。
【0030】
次に前記多孔体を、溶湯が流入できる湯口のついた内寸が122×122×3.05mmの鉄製枠に配置し、前記多孔体の入った枠を両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで積層体とし、前記積層体を電気炉で650℃に予備加熱し、あらかじめ加熱しておいた内径200mmφのプレス型内に収め、珪素を12%含有するアルミニウム合金の溶湯を流し込み、100MPaの圧力で2分間加熱して、炭化珪素質多孔体の空隙中に前記アルミニウム合金を含浸させ、室温まで冷却した後、Al−SiC複合体を得た。
【0031】
前記Al−SiC複合体より、切削加工して、熱膨張率測定用試験体(直径3mm長さ10mm)、熱伝導率測定用試験体(直径11mm厚さ3mm)、反り形状測定用試験体(100mm×50mm×3mm)を作製した。また、25〜250℃の熱膨張係数を熱膨張計(セイコー電子工業社製;TMA300)で、25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(理学電機社製;LF/TCM−8510B)で測定した。また反り形状については輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を用いて長さ100mm当りの反り量を測定した。更に、Al−SiC複合体の破断面をSEM観察し、そのSEM写真からスキン層の厚さ、その部分の炭化珪素粉平均粒径、さらにスキン層以外の部分の炭化珪素粉平均粒径を測定した。この結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004055577
【0033】
(実施例2)
炭化珪素粉末B代えて、平均粒径10μmの炭化珪素粉末Cを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法でAl−SiC複合体を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0034】
(実施例3)
実施例1に対し、スキン層厚さを厚くする複合体を作成するために、実施例1におけるプレス成形体の厚さを2.75mmとしたこと以外は、すべて実施例1と同じ方法で複合体を作製、評価を行った。この結果を表1に示す。
【0035】
(実施例4)
実施例1に対し、スキン層厚さを薄くした複合体を作成するために、実施例1におけるプレス成形体の厚さを2.98mmとしたこと以外は、すべて実施例1と同じ方法で複合体を作製、評価を行った。この結果を表1に示す。
【0036】
(比較例1)
スキン層を持たない炭化珪素質多孔体を作製し、本発明の比較例とした。即ち、実施例1に用いた炭化珪素粉末Aとシリカゲルの混合物を120mm×120mm×3.00mmに100MPaの圧力でプレス成形後、そのまま焼成したこと以外はすべて実施例1と同じ方法で複合体を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0037】
(比較例2)
炭化珪素粉末Bに代えて平均粒径40μの炭化珪素粉末Dを用いたこと以外は、すべて実施例1と同じ方法で複合体を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0038】
(実施例5)
実施例1のAl−SiC複合体を用いて、研削加工により30mm×65mm×3mmの板を作製しヒートシンク材とした。次に、表面に所定の回路が形成され、裏面に厚み0.4mmの放熱用銅板を接合されている窒化アルミニウム基板(大きさ25mm×60mm)を前記ヒートシンク材と半田を用いて接合することで、ヒートシンクが一体化された回路基板を作製した。次に、前記のヒートシンクが一体化された回路基板を、アルミニウム合金製の放熱フィンにネジ固定してモジュール構造体を作製し、−40℃〜125℃の間で、温度の上昇、保持、下降の1サイクルが40分の加熱冷却サイクルをかける熱衝撃試験を3000サイクル行ったところ、何ら異常は観察されなかった。
【0039】
(比較例3)
比較例1の複合体をヒートシンク材に用いたこと以外は、実施例5と同様にモジュール構造体を作製し、熱衝撃試験を3000サイクル行ったところ、基板の回路間にクラックがあることが目視観察された。
【0040】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、低熱膨張率、高熱伝導率を有し、しかも適度な反り形状を有している特徴があるので、セラミックス回路基板と放熱フィン等の放熱部品間に介在し利用されるヒートシンクとして好適である。
【0041】
また、本発明の放熱部品は、前記アルミニウム−炭化珪素質複合体が加熱冷却サイクルに対して安定であることを反映して、より高信頼性が要求される放熱部品にも適用できる特徴があり、産業上有用である。
【0042】
本発明の炭化珪素質多孔体は、これを用いてAl又はAl合金を含浸するだけで、高熱伝導率で低熱膨張率を有し、しかも適度の反り形状と反り量を有している前記アルミニウム−炭化珪素質複合体、放熱部品を得ることができる特徴を有しているので、産業上有用である。

Claims (5)

  1. 平板状の炭化珪素質多孔体であって、その一主面にスキン層を有し、しかもスキン層を構成する炭化珪素粒子の平均粒径が、スキン層以外の部分を構成する炭化珪素粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする炭化珪素質多孔体。
  2. スキン層の厚みが20μm以上であることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素質多孔体。
  3. 請求項1又は請求項2記載の炭化珪素質多孔体に、Al又はAlを主成分とする金属を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体であって、前記スキン層側の主面が凸状で、100mm当り20〜150μmの反りを有することを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  4. 熱伝導率が180W以上であり、熱膨張係数が9×10−6−1以下であることを特徴とする請求項3記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  5. 請求項3又は4記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体を用いてなることを特徴とする放熱部品。
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