JPH11116230A - フッ化シランの精製法 - Google Patents

フッ化シランの精製法

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JPH11116230A
JPH11116230A JP27609597A JP27609597A JPH11116230A JP H11116230 A JPH11116230 A JP H11116230A JP 27609597 A JP27609597 A JP 27609597A JP 27609597 A JP27609597 A JP 27609597A JP H11116230 A JPH11116230 A JP H11116230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ化シラン中に残留する塩化塩素を精製除
去する方法を提供する。 【解決手段】 塩化水素を含むフッ化シランを金属亜鉛
と接触させ、塩化水素を反応除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体、電子、光
学材料等の製造用原料として有用なフッ化シランの不純
物である塩化水素の除去精製に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ化シランは、一般に、適当な固体状
の金属フッ化物を用いて塩化シランの塩素とフッ素のハ
ロゲン置換反応を行わせることにより得られる。この際
使用される金属フッ化物としてはSbF3、ZnF2、S
nF4等があり、これら固体状のフッ化物と塩化シラン
を反応させる方法としては、フッ化物充填層に塩化シラ
ンをガス状で通過させる方法、あるいはフッ化物に塩化
シランを滴下する方法、フッ化物を適当な有機溶媒に懸
濁して塩化シランと反応させる方法等が一般的である
(特開昭61−232215号公報、特開昭61−15
1016号公報、特開昭63−201013号公報)。
しかしながら、これらの方法では反応収率、製品純度が
満足できるものを得ることが困難であり、本発明者らは
フッ化水素を塩化シランと直接反応させることを特徴と
するフッ化シランの製造法を開示した(特開平6−28
7011号公報、特開平8−26715号公報)。この
方法では、塩化水素が多量に副生するが、本発明者ら
は、その除去方法としてエーテルへの塩化水素の選択吸
収という手段を用いてフッ化シランの精製を行った。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】これらフッ化シラン
の製造法ではいずれの方法、すなわちフッ素化剤として
固体状金属フッ化物を用いる方法でもフッ化水素を用い
る方法でも、不純物として塩化水素が混入するため、塩
化水素の除去が必要となる。特開平6−287011号
公報、特開平8−26715号公報に記載されている塩
化水素の除去方法では、次に示す問題点がある。 エーテル中へのフッ化シランの溶解により収率が低下
する。 フッ化シラン中に微量の塩化水素が残留する。 本発明は、かかる従来法の問題点を一掃するものであ
る。
【0004】フッ化シラン中の塩化水素を除く手段とし
ては、蒸留が最も簡便であるが、塩化水素と沸点が似通
ったフッ化シラン(特に請求項1に示されるフッ化シラ
ンのうちx=1のもの)は蒸留による除去が困難であ
る。また、塩化水素を除去する方法としては、一般にモ
レキュラーシーブ、活性炭等の吸着剤を使用する方法、
金属粉等との反応による方法、有機溶媒等への選択吸収
を利用する方法等が考えられるが、前二者はフッ化シラ
ンの不均化反応が起こること、後者は前述のごとく収率
低下と微量残留物の問題がある。
【0005】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者は、こ
れら塩化水素の除去方法を鋭意検討した結果、金属粉に
亜鉛を用いることにより、フッ化水素の不均化反応を抑
制しつつ塩化水素を簡便にかつ効率よく完全に反応除去
する方法を見出し本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、塩化水素を含むフッ化
シラン(Sixy2+2x-y)(ただしxはx≧1の整
数,yは0≦y≦2x+1の整数)を金属亜鉛と接触さ
せることにより、塩化水素を反応除去することを特徴と
するフッ化シランの精製法を提供するものである。
【0007】本発明は、下記反応式(1)に示すように
フッ化シラン中の塩化水素を金属亜鉛と反応させ塩化亜
鉛として除去するものである。 反応式(1) 2HCl +Zn → ZnCl2 +H2
【0008】本発明において、亜鉛の粒径は比較的粒径
の大きい亜鉛粒を用いても、粒径の小さい亜鉛末を用い
ても良い。亜鉛の粒径は、塩化水素の処理能力に関連し
ており、粒径の小さい亜鉛を用いると処理能力が高くな
る。これは、塩化水素の処理能力が亜鉛の表面積に関連
しているためであり、粒径の大きい亜鉛では、その表面
のみが塩化水素との反応に使用されることに起因してい
る。そのため粒径の小さい亜鉛を用いることが望ましい
が、粒径の小さい亜鉛では生成する塩化亜鉛による固結
が起こり、閉塞等の問題が生じる。従って、本発明に用
いる亜鉛の粒径としては、平均粒径20μm〜2mmの
ものが好適で、さらに40μm〜1mmのものがより好
ましい。
【0009】また本発明において、塩化水素を含むフッ
化シランと亜鉛との接触時間は短い程良く、この目的を
達成する方法として、流量を大きくする、希釈して接触
させる、減圧下で接触させる等の手法を用いることがで
きる。亜鉛との接触時間が長い場合には、フッ化シラン
が徐々に不均化反応を起こしやすくなり、純度が低下す
るため好ましくない。また、接触時間が極端に短い場合
には塩化水素が完全に除去できなくなる。従って、接触
時間は、接触させるときの温度にもよるが、1〜20秒
程度が好ましい。
【0010】フッ化シランと金属亜鉛を接触させる際の
温度は、高温になるとフッ化シランの不均化反応を起こ
しやすくなり、低温では塩化水素の除去能力が低下す
る。従って、本発明において接触させる際の温度は、0
〜90℃の温度範囲が好適で、さらに10〜80℃の温
度範囲がより好ましい。
【0011】本発明において、亜鉛の粒径、接触時間、
及び接触させる際の温度は、フッ化シランの純度、塩化
水素の除去効率と密接な関係があり、要求純度、精製効
率等を鑑み適宜決定すればよい。
【0012】フッ化シランと金属亜鉛とを接触させる方
法としては、固−気接触、固−液接触の2通りが考えら
れるが、塩化水素の除去の目的にはどちらの方法を用い
ても良い。しかしながら、固−液接触の場合には、生成
した塩化亜鉛が液体フッ化シラン中に溶解し、純度低下
を起こすため、蒸留等の操作が必要となる。フッ化シラ
ンが気体の場合にも、有機溶媒等に金属亜鉛を分散し、
フッ化シランの吹き込み、溶解により固−液接触が可能
であるが、溶媒中に溶解したフッ化シランと亜鉛との接
触時間が長くなるため好ましくない。
【0013】本発明において、使用する装置材質は、ニ
ッケル、ニッケル合金、ステンレス等が好ましい。銅を
含む材料を用いることは、不均化反応を助長するため好
ましくない。また、上記に挙げた金属材料についても、
表面が粗いものは好ましくなく、平滑度の高いもの、好
ましくは鏡面仕上げとなったものを用いる。これによ
り、反応中の不均化反応を抑え純度低下を防ぐことがで
きる。また、本発明による精製装置の後段、すなわち精
製されたガスが導出される部分には、フィルターを備え
ることが好ましい。これは、精製に用いている亜鉛粉末
や、生成する塩化亜鉛の同伴を防ぐことを目的としてお
り、精製ガスの不均化反応を抑えることができる。フィ
ルターは、装置と同様の材質が好ましく、亜鉛や塩化亜
鉛の飛散粒子が濾過できる孔径のものを適宜使用する。
【0014】以上述べたように、フッ化シランを精製す
る場合、不均化反応による純度低下を特に注意する必要
がある。本発明において、不均化反応を防止する最大の
特徴として、予じめフッ化シランで暴露した金属亜鉛を
用いることが挙げられる。具体的には、カラムに金属亜
鉛を充填した充填層にフッ化シランを封入し、一定時間
暴露した後、封入したフッ化シランを排気し、この暴露
した金属亜鉛を用いるものである。これにより、フッ化
シランの不均化反応は格段に抑えることができる。暴露
する時間は、長い程良いが、通常10分程度で不均化反
応抑制効果が得られ、10分以内では抑制効果が弱ま
る。
【0015】また、本発明における精製されるフッ化シ
ラン中の塩化水素濃度は、特に限定されるものではな
く、低濃度の塩化水素も高濃度の塩化水素もほとんど完
全に除去することができる。したがって、先にも述べた
ようにフッ化シランの製造法として、塩化シランとフッ
化水素の反応を用いた比較的塩化水素が多い場合、塩化
シランと金属フッ化物の反応を用いた比較的塩化水素が
少ない場合の両方に使用できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0017】実施例1〜5 φ1/4インチ×640mmのSUS304製パイプ
に、平均粒径150μmの亜鉛粒を20g充填し、Si
2Cl2とHFとの気相反応により得た粗SiH 22
スを通じて出口ガスを5分間捕集し、GC及びFT−I
Rで測定した。この結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例6〜7 精製前ガスとしてSiH3ClとHFとの気相反応によ
り得た粗SiH3Fガスを用いる以外は実施例1〜5と
同様にして、GC及びFT−IRで測定した。この結果
を表2に示す。なお実施例7には、粗SiH3Fガスを
窒素で2倍に希釈したガスを用いて精製した結果を示し
た。
【0020】
【表2】
【0021】実施例8〜9 精製前ガスとしてSiHCl3とHFとの気相反応によ
り得た粗SiHF3ガスを用いる以外は実施例1〜5と
同様にして、GC及びFT−IRで測定した。この結果
を表3に示す。なお実施例9には、金属亜鉛として平均
粒径40μmの亜鉛末を用いた。
【0022】
【表3】
【0023】実施例10〜12 精製操作を行う前処理としてSiH22を亜鉛カラムに
導入して封入後、排気する工程を実施する以外は実施例
1〜5と同様にして、GC及びFT−IRで測定した。
この結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】実施例13 HClが2%含まれているSiH22を粗ガスとして使
用する以外は実施例10〜12と同様にして、GC及び
FT−IRで測定した。この結果を表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【発明の効果】本発明の方法により、反応工程で混入す
るフッ化シラン中の不純物塩化水素を、フッ化シランの
不均化反応を抑制しつつ除去精製することができ、より
純度の高いフッ化シランを簡便にかつ工業的に得ること
が可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化水素を含むフッ化シラン(Sixy
    2+2x-y)(ただしxはx≧1の整数,yは0≦y≦2
    x+1の整数)を金属亜鉛と接触させ、塩化水素を反応
    除去することを特徴とするフッ化シランの精製法。
  2. 【請求項2】 金属亜鉛が、平均粒径20μm〜2mm
    であることを特徴とする請求項1記載のフッ化シランの
    精製法。
  3. 【請求項3】 予じめフッ化シランで10分以上暴露し
    た金属亜鉛を用いることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載のフッ化シランの精製法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2188039A1 (en) * 2007-09-04 2010-05-26 MEMC Electronic Materials, Inc. Method for treatment of a gas stream containing silicon tetrafluoride and hydrogen chloride
JP2010537947A (ja) * 2007-09-04 2010-12-09 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 四フッ化ケイ素及び塩化水素を含有するガス流の処理方法

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