JPH11115711A - 電磁弁及びその電磁弁を備えたブレーキ制御装置 - Google Patents

電磁弁及びその電磁弁を備えたブレーキ制御装置

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JPH11115711A
JPH11115711A JP28055097A JP28055097A JPH11115711A JP H11115711 A JPH11115711 A JP H11115711A JP 28055097 A JP28055097 A JP 28055097A JP 28055097 A JP28055097 A JP 28055097A JP H11115711 A JPH11115711 A JP H11115711A
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valve body
pressure
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differential pressure
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JP28055097A
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Masahiko Kamiya
雅彦 神谷
Yozo Mashima
要三 間嶋
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半開状態を実現することが可能でありなが
ら、その構成を小型かつ簡易に保つことのできる電磁弁
を提供する。 【解決手段】 主連通路71及び絞り連通路81が共に
連通している全開状態及び両連通路71,81が共に遮
断されている全閉状態の他に、脈動防止などの点で有効
な半開状態、つまり主連通路71は遮断されているが絞
り連通路81は連通している状態を実現することが可能
でありながら、全閉状態中に生じるマスタシリンダ圧P
mとホイールシリンダ圧Pwの差圧△P(=Pm−P
w)を利用して半開状態を実現しており、この半開状態
を実現するのにソレノイド40への通電は不要である。
したがって、従来のように半開状態用の電磁力と全閉状
態用の電磁力(つまりソレノイド40へ供給する電流
値)を区別して付与する必要がなく、単にソレノイド4
0に通電するかしないかの簡単な制御でよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばブレーキ装
置等に使用される電磁弁、及びその電磁弁をブレーキ液
圧の増減を行なう液圧制御弁として採用したブレーキ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ホイールシリンダ圧をマスタ
シリンダからの供給するブレーキ液によって増圧する際
に用いられる液圧制御弁(インレット弁と称す。)を電
磁力によってパルス的に駆動させることによっていわゆ
る緩増圧を行うブレーキ制御装置が提案されている。こ
れは、インレット弁を、流路が全開となる増圧位置と全
閉となる保持位置とを切り替えることによって実施する
のであるが、「増圧→保持」あるいは「保持→増圧」の
切替時には油撃現象によりマスタシリンダ圧やホイール
シリンダ圧に大きな圧力脈動が発生し、大きな音を発生
させる原因となっていた。
【0003】この圧力脈動を低減させるためには、マス
タシリンダとインレット弁との間に直列にオリフィスを
介装することが考えられるが、この構成では、通常のブ
レーキング時にホイールシリンダ圧の立ち上がり遅れが
生じ、ブレーキの効き遅れの原因となるため、あまり小
さなオリフィスは介装させることができない。
【0004】そこで、インレット弁自体において全開位
置と全閉位置との間に「半開位置」を作り出すことによ
り、全開位置よりも絞られた流路が形成されるように構
成することが、例えば特開平6−213364号公報に
開示されている。この公報に開示されている電磁弁の概
略構成を図7を参照して説明する。
【0005】図7に示すように、この電磁弁の弁部材1
18は、弁突き棒127と閉鎖キャップ129との2つ
の部分から構成されており、弁突き棒127の、弁本体
122に向けられた端部に第1の閉鎖エレメント128
が構成されており、閉鎖キャップ129は、弁突き棒1
27の、閉鎖エレメント128を保持している端部にか
ぶせられている。そして閉鎖キャップ129は、弁本体
122に向けられたそのキャップ底部において、その外
側には弁本体122における弁座125と協働する第2
の閉鎖エレメント130を備え、かつその内側には弁突
き棒127における閉鎖エレメント128と協動する第
2の弁座131を備えている。なお、閉鎖キャップ12
9の先端には、第2の閉鎖エレメント130が弁座12
5と密接した状態でも、弁入口120と閉鎖キャップ1
29内とを連通する絞り孔132が設けられている。閉
鎖キャップ129は戻しばね119によって、第2の閉
鎖エレメント130が弁座125から離れる方向へ付勢
されている。また、弁突き棒127のバリヤばね134
によって、閉鎖エレメント128が第2の弁座131か
ら離れる方向へ付勢されている。なお、バリヤばね13
4のばね力は戻しばね119のばね力よりも著しく大き
く、例えば5倍に設定されている。
【0006】そして、この電磁弁は次のように動作す
る。すなわち、通電されていない場合には、閉鎖キャッ
プ129に構成されている第2の閉鎖エレメント130
は、弁本体122における弁座125から持ち上げられ
ている。そして弁開口124は開放されており、したが
ってブレーキ液は、弁入口120から弁出口121に流
れることができる。これが全開位置である。
【0007】一方、第1の電流値で通電されると、弁突
き棒127がバリヤばね134を介して閉鎖キャップ1
29を付勢し、閉鎖キャップ129は戻しばね119の
付勢力を上回って弁本体122側へ移動する結果、第2
の閉鎖エレメント130が弁座125へ密接する。しか
し、この際、閉鎖キャップ129内の閉鎖エレメント1
28はバリヤばね134によって相変わらず第2の弁座
131から離されているので、ブレーキ液は、弁入口1
20から閉鎖キャップ129の先端の絞り孔132を介
して閉鎖キャップ129内へ流入し、半径方向孔133
を介して弁出口121へ流れることができる。これが
「半開位置」となる。
【0008】さらに、第2の電流値で通電されると、弁
突き棒127はバリヤばね134のばね力を上回って付
勢するため、閉鎖エレメント128が第2の弁座131
側へ移動し、そして密接する。そのため、上述の絞り孔
132を介した絞り接続も遮断され、弁入口120から
弁出口121への流れはなくなるので、これが「全閉位
置」となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示す上記公報記載の構成では、第2の閉鎖エレメント1
30と弁座125とで構成される開閉可能なメイン流路
の他に、第2の閉鎖エレメント130が備える閉鎖キャ
ップ129に絞り孔132を形成し、その閉鎖キャップ
129内を通る絞り流路を形成しなくてはならない。そ
して、全閉状態も実現する必要性があるので、閉鎖キャ
ップ129内に、閉鎖エレメント128、バリヤばね1
34、第2の弁座131等による弁構造を配設し、その
絞り流路も遮断可能としているのである。
【0010】このように、弁体としての閉鎖キャップ1
29内にも別の弁構造を一式備える必要があり、さらに
バリヤばね134のばね力は戻しばね119のばね力よ
りも著しく大きくしなくてはならないとされているの
で、必然的に閉鎖キャップ129自体が大型あるいは複
雑になってしまうという問題がある。さらには、全閉状
態を実現するには2箇所での閉鎖エレメントと弁座との
当接を確実に実行する必要があるため、その当接部分に
対するメンテナンス等の負担も増大する。また、半開位
置用の制御電流値と全閉位置用の制御電流値を準備して
おき、それらを区別して使い分ける必要があるので、こ
れら電流制御のための構成をコストアップさせる要因と
もなる。
【0011】そこで本発明は、いわゆる半開状態を実現
することが可能でありながら、その構成を小型かつ簡易
に保つことのできる電磁弁、そしてその電磁弁を採用し
たブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の電磁弁は、車両制動時に
ブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、前記
ブレーキ液圧によって車輪制動力を発生する車輪制動力
発生手段との間の管路に配置された電磁弁において、前
記管路の流路を絞る絞り連通路を備え、所定方向に移動
して、前記管路を連通する主連通路を前記絞り連通路を
除いて開閉可能な主弁体を有する主弁と、前記主弁体の
移動方向である所定方向に移動し、前記主弁体の絞り連
通路を開閉可能な補助弁体を有する補助弁と、前記補助
弁を付勢して前記絞り連通路を開き且つ前記主弁体を付
勢して前記主連通路を開く全開状態に対応する全開位置
と、前記主弁体及び補助弁体のいずれも付勢しない全閉
状態に対応する全閉位置との間を移動可能な弁体付勢部
材と、前記主弁体の移動方向である所定方向への弾性作
用によって、前記弁体付勢部材を前記全閉位置から前記
全開位置に向かうよう付勢する第1弾性部材と、前記第
1弾性部材による付勢力に打ち勝って前記弁体付勢部材
を前記全閉位置に維持させる電磁力を付与する電磁力付
与手段(電磁ソレノイド)と、前記弁体付勢部材が前記
全閉位置にある場合に、前記主弁体の移動方向である所
定方向への弾性作用によって、前記補助弁体を付勢して
前記絞り連通路を閉じると共に当該補助弁体を介して前
記主弁体を付勢して前記主連通路を閉じる第2弾性部材
とを備え、さらに、前記電磁力付与手段によって電磁力
が付与されていない状態では、前記ブレーキ液圧発生手
段側の相対的に高いブレーキ液圧と前記車輪制動力発生
手段側の相対的に低いブレーキ液圧との差圧が前記主弁
体及び補助弁体に作用している場合には、前記主弁体は
前記差圧によって付勢されて前記主連通路は閉じるが、
前記補助弁体は前記弁体付勢部材によって付勢されて前
記絞り連通路を開く半開状態となり、前記差圧が作用し
ていない場合には前記全開状態となるよう、前記第1弾
性部材及び第2弾性部材による付勢力、前記電磁力付与
手段によって付与される電磁力、前記差圧による前記主
弁体及び補助弁体に対する付勢力(差圧付勢力)が設定
されていることを特徴とする。
【0013】この構成を備える本発明の電磁弁は、車両
制動時にブレーキ液圧を発生する例えばマスタシリンダ
などのブレーキ液圧発生手段と、ブレーキ液圧によって
車輪制動力を発生する例えばホイールシリンダなどの車
輪制動力発生手段との間の管路に配置されており、主弁
と補助弁とを備えている。
【0014】主弁が有する主弁体は、所定方向(例えば
軸方向)に移動して管路である主連通路を開閉するが、
この主弁体は、管路の流路を絞る絞り連通路を備えてい
るので、主弁体によって主連通路が閉じられた場合であ
っても、絞り連通路にて僅かに管路が連通している状態
となる。
【0015】一方、補助弁が有する補助弁体は、主弁体
と同様な方向に移動して、主弁体の絞り連通路を開閉す
るので、主弁体が主連通路を閉じ且つ補助弁体が絞り連
通路を閉じた場合に、完全に管路が閉塞される。これを
全閉状態という。さらに、弁体付勢部材は、主弁体及び
補助弁体を付勢可能であり、全開位置と全閉位置との間
を移動可能である。この全開位置とは、補助弁体を付勢
して絞り連通路を開くと共に主弁を付勢して主連通路を
開く全開状態に対応する位置であり、全閉位置とは、主
弁体及び補助弁体のいずれも付勢しない全閉状態に対応
する位置である。そして、この弁体付勢部材は、第1弾
性部材の、主弁の移動方向である所定方向への弾性作用
によって、全閉位置から全開位置に向かうよう付勢され
ている。
【0016】また、電磁力付与手段は、第1弾性部材に
よる付勢力に打ち勝って弁体付勢部材を全閉位置に維持
させる電磁力を付与する。また、弁体付勢部材が全閉位
置にある場合に、第2弾性部材は、主弁の移動方向であ
る所定方向への弾性作用によって、補助弁体を付勢して
絞り連通路を閉じると共に補助弁体を介して主弁体を付
勢して主連通路を閉じる。
【0017】そして、本発明の電磁弁においては、第1
弾性部材及び第2弾性部材による付勢力、電磁力付与手
段によって付与される電磁力、そして差圧による主弁体
及び補助弁体に対する付勢力(差圧付勢力)が次のよう
な条件を満たすように設定されている。つまり、電磁力
付与手段によって電磁力が付与されていない状態では、
ブレーキ液圧発生手段側の相対的に高いブレーキ液圧と
車輪制動力発生手段側の相対的に低いブレーキ液圧との
差圧が主弁体及び補助弁体に作用している場合には、主
弁体は差圧によって付勢されて主連通路は閉じるが、補
助弁体は弁体付勢部材によって付勢されて絞り連通路を
開く半開状態となり、差圧が作用していない場合には前
記全開状態となるよう設定されているのである。
【0018】この結果、ブレーキ液圧発生手段側のブレ
ーキ液圧と車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧との差
圧がない場合には、電磁力付与手段によって電磁力を付
与しなければ、弁体付勢部材が補助弁体を付勢して絞り
連通路を開くと共に主弁体を付勢して主連通路を開く全
開状態となる。したがって、この全開状態では、ブレー
キ液圧発生手段にて発生したブレーキ液圧に応じた車輪
制動力が車輪制動力発生手段にて発生するいわゆる「通
常ブレーキ状態」を実現できる。
【0019】一方、例えばABS制御やTRC制御など
のブレーキ制御を行う場合には、車輪制動力発生手段で
のブレーキ液圧を保持する保持モードや増圧速度を抑え
た緩増圧モード、比較的急な増圧を行なうディザ増圧モ
ード、減圧モード等での制御を行うこととなる。この緩
増圧モード中の瞬間的な増圧(パルス増圧)での圧力脈
動を抑えるためには、上述した全閉状態と半開状態を実
現させる必要があるが、本発明の電磁弁では次のように
して全閉状態と半開状態を実現させている。
【0020】全閉状態を実現させる場合、電磁力付与手
段によって電磁力が付与されると、第1弾性部材による
付勢力で全閉位置から全開位置に向かうよう付勢されて
いた弁体付勢部材は、全閉位置に移動してその位置に維
持されることとなる。全閉位置での弁体付勢部材は主弁
体及び補助弁体のいずれも付勢しないため、第2弾性部
材が補助弁体を付勢して絞り連通路を閉じると共に補助
弁体を介して主弁体を付勢して主連通路を閉じる。した
がって、完全に管路が閉塞された全閉状態となる。
【0021】また、この全閉状態において電磁力付与手
段による電磁力の付与を中止すると半開状態に移行す
る。つまり、上記全閉状態はブレーキ制御の保持モード
に対応するものであるが、この保持モードではブレーキ
液圧発生手段側にて相対的に高いブレーキ液圧が発生し
ていることとなる。つまり、例えば運転者がブレーキペ
ダルを踏むなどしてブレーキ液圧発生手段では相対的に
高いブレーキ液圧が発生しているが、車輪制動力発生手
段側ではブレーキ制御によって相対的に低いブレーキ液
圧にて保持しているのである。したがって、このように
差圧が発生している全閉状態において電磁力付与手段に
よる電磁力の付与を中止すると、差圧によって付勢され
た主弁体は主連通路は閉じる。しかし、差圧によって付
勢された補助弁体は弁体付勢部材によって逆方向へ付勢
されており絞り連通路を開く。したがって、主連通路は
閉じているが絞り連通路を開いた半開状態が得られ、緩
増圧モード中の圧力脈動の少ない増圧作動でのブレーキ
制御を実現することができる。その後、踏まれていたブ
レーキペダルが戻されるなどして差圧がなくなると、主
弁体も弁体付勢部材に付勢されて主連通路が開き、全開
状態となる。
【0022】このように、本発明の電磁弁によれば、全
開状態及び全閉状態の他に絞り連通路のみ開いた半開状
態を実現することが可能でありながら、全閉状態中にブ
レーキ制御によって生じる差圧を利用して半開状態を実
現しており、電磁力付与手段による電磁力の付与が不要
である。したがって、従来のように半開状態用の電磁力
と全閉状態用の電磁力を区別して付与する必要がなく、
本発明の電磁弁では固定の電磁力を付与するかしないか
だけの簡単な制御でよい。
【0023】また、電磁力付与手段による電磁力の付与
がされていない状態では、差圧の有無によって全開状態
と半開状態が切り替わるので、弁体構造自体が逆止弁の
機能も兼用することとなる。つまり、別途逆止弁を設け
る必要がないため、ブレーキ装置に適用した場合にはブ
レーキ装置全体の構成の簡略化にも寄与する。
【0024】なお、半開状態において主連通路を閉じる
主弁体に作用する差圧付勢力は、差圧の最小値を考慮し
て設定し、一方、半開状態において絞り連通路を開く補
助弁体に作用する差圧付勢力は、差圧の最大値を考慮し
て設定することが好ましい。この理由を説明する。差圧
付勢力の基となる差圧は必ずしも一定ではなく、例えば
ブレーキ装置に適用した場合を想定すれば、ブレーキペ
ダルの踏込状態などによって変わるある範囲を持った値
である。したがって、差圧が生じない場合には弁体付勢
部材によって主連通路を開く方向に付勢されている主弁
体を、主連通路を閉じる方向に付勢する場合の差圧付勢
力を考える場合には、生じる差圧の最小値であってもそ
の動作が実現できる必要があるので差圧の最小値を考慮
する。このようにすれば、その最小値よりも大きな差圧
が生じた場合には、問題なく主連通路を閉じることがで
きるからである。一方、差圧が生じない場合には弁体付
勢部材によって絞り連通路を開く方向に付勢されている
補助弁体を、差圧が生じてもやはり絞り連通路を開いた
状態にすることを可能とするための差圧付勢力を考える
場合には、生じる差圧の最大値であってもその動作が実
現できる必要があるので差圧の最大値を考慮する。この
ようにすれば、その最大値よりも小さな差圧が生じた場
合には、問題なく絞り連通路を開いた状態にすることが
できるからである。
【0025】そして、この差圧付勢力は、具体的には主
弁体及び補助弁体の受圧面積に差圧を乗じたものとなる
ため、主弁体については差圧の最小値、補助弁体につい
ては差圧の最大値を考慮してそれぞれ設定した差圧付勢
力となるよう、主弁体及び補助弁体の受圧面積を設定す
る。
【0026】また、前記弁体付勢部材については、主連
通路に挿通されるシャフト部と、シャフト部の先端に設
けられ、主弁体の絞り連通路内に挿通される棒状突起部
を備えており、全閉位置から全開位置に移動する途中の
半開位置において、棒状突起部にて補助弁体を付勢して
絞り連通路を開くが主弁体は付勢せず、さらに全開位置
に移動すると、シャフト部にて主弁体を付勢して主連通
路を開くよう構成することが考えられる。
【0027】一方、主弁体を筒状に構成し、補助弁体及
びその補助弁体を付勢する第2の弾性部材を、その筒状
の主弁体内に配置するように構成してもよい。さらに、
前記弁体付勢部材を磁性体のプランジャに一体的に設
け、電磁力付与手段によって電磁力が付与されプランジ
ャが吸引されてストッパに当接することによって、弁体
付勢部材が全閉位置に維持されるよう構成することが考
えられるが、その場合には、プランジャがストッパに当
接する面に非磁性体の部材を介装することが考えられ
る。
【0028】また、この場合の非磁性体の部材は、プラ
ンジャがストッパに対向する面の全面に設けてもよい
が、その対向面の一部に設け、プランジャがストッパに
対向する面の内の他の部分よりもストッパに近くなるよ
うに設けることも好ましい。これは、非磁性体の部材が
ストッパに対向する面の全面に設けられていると、非磁
性体の部材とストッパとの間にブレーキ液が入って両者
が当接した場合、いわゆる油膜による表面張力等が、当
接した両者が離間する場合の阻害要因となり制御のレス
ポンスの低下につながる。したがって、非磁性体の部材
を前記対向面の一部に設けることで、当接した両者が離
間する場合の阻害要因を減らし制御のレスポンスの向上
につながるのである。
【0029】なお、上述した電磁弁は、種々の圧力回路
に用いることができるが 例えば、ホイールシリンダ圧
をマスタシリンダ等の圧力源からの供給するブレーキ液
によって増圧するか、該ホイールシリンダ圧を減圧する
か、或は該ホイールシリンダ圧を保持するかにより車輪
制動力を付与するブレーキ制御装置におけるホイールシ
リンダ圧を増圧する際に用いられる液圧制御弁として採
用することが考えられる。そして、この場合は、電磁力
付与手段による電磁力の付与の実行・非実行を制御する
制御手段を備えることとなる。このブレーキ制御装置と
は、例えば、滑り易い路面での制動時の車輪ロックを防
止して制動安定性を確保しながら制動距離を短縮するア
ンチスキッド制御(ABS)や加速スリップ時のトラク
ション制御(TRC)などに用いられる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下
記の実施例に何等限定されるものではなく、本発明の技
術的範囲に属する限り種々の形態を取り得ることはいう
までもない。 [第1実施例]図1〜図3は本発明の第1実施例である
電磁弁の概略構成及びその動作を示すための断面図であ
り、図4は電磁弁をブレーキ制御装置としてのアンチス
キッド制御装置に適用した場合の概略構成を示すモデル
図である。なお、図4では説明を簡単にするため1輪に
対するブレーキ配管系のみを示す。
【0031】図4に示すように、車輪1には電磁式ある
いは磁気抵抗式等の車輪速度センサ5が配置され、車輪
1の回転に応じた周波数のパルス信号を出力する。さら
に、車輪1には油圧ブレーキ装置(以下ホイールシリン
ダという)11が配置され、車輪1に制動力を発生させ
る。ブレーキペダル15の踏み込みによって発生するマ
スタシリンダ16からの油圧は、主に増圧制御を実行す
るための増圧制御弁21及び油圧管路を介して送られ
る。
【0032】ここで、アンチスキッド制御が実行されて
いない場合には、増圧制御弁21は連通状態とされてお
り、マスタシリンダ16からの油圧は増圧制御弁21を
通して、ホイールシリンダ11に伝達される。よって、
この場合には、マスタシリンダ16からの油圧が乗員の
ブレーキペダル15の踏み込みに応じてホイールシリン
ダ11に伝達され、車輪1に制動力が発生する。
【0033】次に、ホイールシリンダ11と増圧制御弁
21とを結ぶ油圧管路からは、ホイールシリンダ11内
のブレーキ液をリザーバ25へ逃がすための油圧管路が
延びており、この油圧管路には、該管路を連通・遮断す
るための減圧制御弁23が配置されている。そして、リ
ザーバ25は、マスタシリンダ16と増圧制御弁21と
を結ぶ油圧管路に油圧ポンプ30を介して接続されてい
る。なお、油圧ポンプ30からのブレーキ液の吐出経路
には、内部の油圧の脈動を抑えるダンパ4が設けられ、
上述したマスタシリンダ16と増圧制御弁21とを結ぶ
油圧管路とこのダンパ4との間には、ダンパオリフィス
6が設けられている。
【0034】また、ホイールシリンダ11と増圧制御弁
21とを結ぶ油圧管路と、マスタシリンダ16との間に
は、ホイールシリンダ11側からマスタシリンダ16側
へのブレーキ液の流動のみを許容する逆止弁22が配設
されている。上述した増圧制御弁21及び減圧制御弁2
3は電磁弁であり、その弁体は電子制御装置10(以下
ECUという)からの信号に基づいて電力を供給された
時、ソレノイドが励磁することによって変化してポート
の連通・遮断状態を切り換える。なお、各弁の非作動時
すなわちアンチスキッド制御が開始されていない状態で
は、ポートは図示位置にある。
【0035】上述した減圧制御弁23は、従来からも用
いられている2ポート2位置弁であるが、増圧制御弁2
1は本実施例の電磁弁が採用されたものであり、従来か
らある連通と保持の2状態に加えて、絞り連通状態も実
現することができるようにされている。この増圧制御弁
21は、非通電時には図4に示すA位置となって連通状
態になり、通電時には図4に示すC位置に切り替えられ
て保持状態となる。その保持状態の後、再度通電がされ
ない状態になった場合には、マスタシリンダ側の液圧と
ホイールシリンダ側の液圧との差圧によって、B位置に
示す絞り連通状態となる。なお、この増圧制御弁21の
詳しい構造及び上記A,B,Cの各位置への動作につい
ては図1〜図3を参照して後述することとする。
【0036】一方、ECU10は、CPU、ROM、R
AM及び入出力インターフェース等からなるマイクロコ
ンピュータを中心としてから構成されている。また、E
CU10は、図示しないイグニッションスイッチがオン
されることにより電源が供給され、前記車輪速度センサ
5や、ブレーキペダル15の踏込時にオンするストップ
スイッチ(図示省略)等からの信号を受け、車輪1のス
リップ状態を演算推定すると共に、ブレーキ力制御のた
めの演算制御を行い、増圧制御弁21及び減圧制御弁2
3に対する駆動制御信号を出力する。
【0037】続いて、図1〜図3を参照して増圧制御弁
21の構成について詳しく説明する。なお、図1は図4
におけるA位置に対応する「全開位置」に弁体がある場
合、図2は図4におけるC位置に対応する「全閉位置」
に弁体がある場合、図3は図4におけるB位置に対応す
る「半開位置」に弁体がある場合、をそれぞれ示してい
る。
【0038】図1に示すように、マスタシリンダ16と
ホイールシリンダ11との間の管路に配置された電磁弁
である増圧制御弁21は、常時は開とされているが、通
電時には閉となってその管路を閉じるいわゆる常開(No
rmal Open )弁である。この増圧制御弁21は、ソレノ
イド40を備えるとともに、図示しないハウジング及び
ソレノイド40にわたって構成された弁機構を備えてい
る。
【0039】前記ソレノイド40は、その中央に円筒状
の中空部を備えるとともに、その中空部の上端を閉塞す
るストッパ41を備え、通電のオン、オフにより後述す
る弁機構を各々開、閉状態に駆動する。弁機構は、マス
タシリンダ16側に連通する第1開口75を備え、図示
しないハウジングに固定される筒状のシートバルブ(主
弁座)70と、シートバルブ70の上部に自身の下端が
外嵌して固定され且つ自身の上端がソレノイド40の中
空部に内嵌して固定される非磁性体のスリーブ60と、
スリーブ60内に配置されて上下方向に移動可能な弁体
移動部材としてのプランジャ50と、シートバルブ70
内に配置された筒状の主弁体80と、その主弁体80内
に配置された補助弁体90などで構成されている。
【0040】前記筒状のシートバルブ70には、その軸
方向に主連通路71が設けられており、その主連通路7
1を開閉するのが主弁体80である。この主弁体80に
は側方に側開口部83が設けられており、主連通路71
が開いている場合には、この側開口部83を通って主弁
体80とシートバルブ70の間に流出したブレーキ液が
主連通路71を通って流出可能に構成されている。な
お、シートバルブ70には、前記主連通路71が設けら
れた部位とは反対側に台座85が固定されており、この
台座85によって主弁体80のシートバルブ70からの
抜け落ちが防止される。
【0041】主弁体80には、その軸方向に絞り連通路
81が設けられており、その絞り連通路81を開閉する
のが補助弁体90である。補助弁体90は球状の弁体で
あり、補助スプリング99によって主弁体80の絞り連
通路81を閉じる方向に付勢されている。詳しくは、補
助スプリング99の一端はシートバルブ70に固定され
た前記台座85に当接し、他端が補助弁体90に当接し
ており、これらの間に圧縮された状態で介装されること
によって、補助弁体90は補助スプリング99により主
弁体80の絞り連通路81を閉じる方向に付勢される。
なお、この絞り連通路81は主連通路71よりかなり狭
くされている。そして、主弁体80の軸方向に絞り連通
路81が設けられていることより、主連通路71は、主
弁体80によっては完全には閉塞されず、主弁体80が
シートバルブ70へ着座したとしても、補助弁体90が
着座していなければ絞り連通路81の部分は開いてい
る。したがって、以下の説明においては、少なくとも主
連通路71が開いている状態を「全開状態」、主連通路
71及び絞り連通路81が共に閉じている状態を「全閉
状態」、主連通路71は閉じているが絞り連通路81は
開いている状態を「半開状態」と呼ぶこととする。
【0042】また、スリーブ60の下方(詳しくはシー
トバルブ70よりは上方)の側面には、前記シートバル
ブ70の主連通路71と連通している第2開口65が設
けられている。この第2開口65はホイールシリンダ1
1側と連通しており、これによって、マスタシリンダ1
6側から供給され、上述した第1開口75から主連通路
71あるいは絞り連通路81を通って流れてきたブレー
キ液は、第2開口65からホイールシリンダ11側へ流
出されることとなる。
【0043】スリーブ60内にはプランジャ50が配置
されていることは上述したが、このプランジャ50の後
端、つまりストッパ41に対向する端部の中央に凹部が
形成されており、その中にリターンスプリング59が圧
縮された状態で挿入され、さらにリターンスプリング5
9の一端がストッパ41に当接することによって、プラ
ンジャ50は、ストッパ41から離間する方向(図1に
おいては下方)に付勢されている。なお、リターンスプ
リング59の付勢力(FSP1 )>補助スプリング99の
付勢力(FSP2 )となるように設定されている。
【0044】また、プランジャ50がストッパ41に対
向する面には非磁性体のプレート58が固定、または可
動自在に配置されており、またプランジャ50の側面に
は、プランジャ50の先端と後端を連通する側連通路5
7が設けられている。一方、このプランジャ50の先
端、つまりシートバルブ70や主弁体80側には、シー
トバルブ70に設けられた主連通路71に挿通可能なシ
ャフト部51が一体的に設けられており、さらに、その
シャフト部51の先端には、主弁体80に設けられた絞
り連通路81に挿通可能な棒状突起53がやはり一体的
に設けられている。
【0045】この棒状突起53は絞り連通路81よりも
長く形成されており、補助弁体90が絞り連通路81を
閉じている状態において絞り連通路81に挿通された棒
状突起53の先端は補助弁体90に当接し、さらに下方
に押して絞り連通路81を開く状態にまで移動させるこ
とができるようにされている。同様に、シャフト部51
は主連通路71よりも長く形成されており、主弁体80
が主連通路71を閉じている状態において主連通路71
に挿通されたシャフト部51が主弁体80に当接し、さ
らに下方に押して主連通路71を開く状態にまで移動さ
せることができるようにされている。
【0046】なお、棒状突起53は絞り連通路81より
も細く形成されており、棒状突起53が絞り連通路81
内に挿通されている状態であっても、両者の隙間をブレ
ーキ液は流れることができるようにされている。同様
に、シャフト部51は主連通路71よりも細く形成され
ており、シャフト部51が主連通路71内に挿通されて
いる状態であっても、両者の隙間をブレーキ液は流れる
ことができるようにされている。また、シャフト部51
から棒状突起53が連設されている部分は、主連通路7
1に挿通されるのであるが、この連設部分には切欠部5
5が設けられており、シャフト部51が主弁体80に当
接した状態での絞り連通路81の流れを確保するように
されている。
【0047】次に、上述した構造を有する増圧制御弁2
1の動作につき、ABS用の油圧回路の増圧制御弁にこ
の増圧制御弁21を用いたときを例にあげて説明する。 (1)まず、ノーマルブレーキ時の動作について説明す
る。ノーマルブレーキ時には、増圧制御弁21は図4の
油圧回路図におけるA位置、つまり連通位置(非通電状
態)にあり、減圧制御弁23は遮断位置(非通電状態)
にある。このときの増圧制御弁21は、ソレノイド40
への通電がないため吸引力が発生せず、図1に示すよう
に、リターンスプリング59によりプランジャ50が下
方(主弁体80に近づく方向)に付勢され、絞り連通路
81に挿通された棒状突起53の先端が補助弁体90に
当接し、リターンスプリング59の付勢力(FSP1 )>
補助スプリング99の付勢力(FSP2 )となるように設
定されていることから、補助弁体90をさらに下方に押
して絞り連通路81を開く状態にまで移動させることと
なる。また、主連通路71に挿通されたシャフト部51
も主弁体80に当接し、さらに下方に押して主連通路7
1を開く状態にまで移動させることとなる。
【0048】このため、図1に示すように、主連通路7
1及び絞り連通路81が共に開いた全開状態となる。マ
スタシリンダ16ではブレーキペダル15の踏込量に応
じたブレーキ液圧が発生するが、この全開状態では、マ
スタシリンダ16にて発生したブレーキ液圧に応じた車
輪制動力がホイールシリンダ11にて発生する「ノーマ
ルブレーキ状態」を実現できる。 (2)ところで、一般にABS制御は、例えばドライバ
の急激なブレーキ操作によって各車輪のスリップが発生
すると車両をコントロールできなくなるおそれがあるた
め、このような現象を防止すべく、運転者がブレーキ操
作を行って車両を制動しようとしている場合に、各車輪
のスリップ状態を適正にするために行われるものであ
る。
【0049】図4に基づいてABS制御を説明すると、
ECU10が車輪がロック傾向にあると判断すると、増
圧制御弁21をC位置、つまり遮断位置(通電状態)に
すると共に、減圧制御弁2を連通位置(通電状態)にし
て、ホイールシリンダ圧を減圧し、車輪のロックを防止
する。このときホイールシリンダ11から減圧された油
量は減圧制御弁23を介してリザーバ25に排出され、
ポンプ30によりマスタシリンダ16側へ環流される。
【0050】その後、ECU10が車輪のロック傾向が
解消したと判断すると、ホイールシリンダ圧を増圧させ
るのであるが、ホイールシリンダ圧を急激に増加させる
と車輪がロック傾向となるため、増圧制御弁21と減圧
制御弁23を共に遮断させてホイールシリンダ圧を保持
する状態と、増圧制御弁21だけを図4に示すB位置、
つまり半開位置にしてホイールシリンダ圧を緩やかに、
そして脈動等を少なく増圧させる緩増圧状態とを繰り返
し実現させる制御により、ホイールシリンダ圧を徐々に
増加させ、車輪のロックを防止しつつ車両の安定性を確
保する。 (2a)まず、ホイールシリンダ圧を保持状態にする場
合の増圧制御弁21での動作について説明する。
【0051】このときの増圧制御弁21は、ソレノイド
40に通電されるためプランジャ50がストッパ41に
接近するような吸引力が働き、この吸引力がリターンス
プリング59と補助スプリング99の付勢力の差に打ち
勝つため、図2に示すように、プランジャ50の後端が
プレート58を介してストッパ41に当接した状態に維
持される。
【0052】この状態では、絞り連通路81に挿通され
た棒状突起53の先端は補助弁体90に当接しておら
ず、さらに、主連通路71に挿通されたシャフト部51
も主弁体80に当接していない。そのため、補助スプリ
ング99によって付勢された補助弁体90が主弁体80
の弁座部分に着座して絞り連通路81を閉じると共に、
さらに主弁体80自体も付勢してシートバルブ70に着
座させるため、主連通路71も閉じる。そのため、主連
通路71及び絞り連通路81の両流路が閉ざされた「完
全」な閉弁状態が実現される。
【0053】したがって、マスタシリンダ16にてブレ
ーキペダル15の踏込量に応じたブレーキ液圧が発生し
ていても、この「完全」な閉弁状態においてはマスタシ
リンダ16にて発生したブレーキ液圧はホイールシリン
ダ圧に作用することはなく、ホイールシリンダ圧の「保
持状態」を実現できる。そして、この場合には、通常ホ
イールシリンダ圧Pwよりもマスタシリンダ圧Pmの方
が高いので、両者の圧力差である差圧△P(=Pm−P
w)によって、主弁体80及び補助弁体90をそれぞれ
着座させる方向の力が作用することとなる。
【0054】なお、この着座させる方向の力は、主弁体
80及び補助弁体90それぞれの受圧面積Aに差圧△P
を乗じたもの(A・△P)である。主弁体80の受圧面
積A1及び補助弁体90の受圧面積A2は、それぞれ下
記式により求まる。 A1=(πD12)/4(但し、D1;主弁体80のシ
ート部分の直径) A2=(πD22)/4(但し、D2;補助弁体90の
シート部分の直径) (2b)次に、ホイールシリンダ圧を緩やかに増圧する
緩増圧状態にする場合の増圧制御弁21での動作につい
て説明する。この緩増圧状態は、上述した保持状態にお
いてソレノイド40への通電を中止することで実現され
る。ソレノイド40への通電を中止すると、プランジャ
50がストッパ41に接近するように働いていた吸引力
がなくなり、リターンスプリング59がプランジャ50
をストッパ41から離間する方向に付勢する。仮にリタ
ーンスプリング59と補助スプリング99との関係だけ
であれば、上述したノーマルブレーキ状態と同様に、リ
ターンスプリング59の付勢力が補助スプリング99の
付勢力に打ち勝つため、図1に示すように、主連通路7
1及び絞り連通路81が共に開いた全開状態となる。
【0055】しかし、この緩増圧状態の前の状態は保持
状態である。保持状態では、上述したように、スプリン
グによるバネ力や電磁力以外に、マスタシリンダ圧Pm
とホイールシリンダ圧Pwの差圧△P(=Pm−Pw)
によって、主弁体80及び補助弁体90をそれぞれ着座
させる方向の力が作用している。したがって、電磁力が
なくなったとしても、主弁体80及び補助弁体90に
は、リターンスプリング59及び補助スプリング99の
付勢力に加えて、差圧△Pによる付勢力(主弁体80及
び補助弁体90をそれぞれ着座させる方向の力)が作用
している。
【0056】そして、本実施例においては、図3に示す
ように、補助弁体90に対しては主弁体80の弁座部分
から離間させて絞り連通路81を開く状態にすることが
できるが、主弁体80に対しては、シートバルブ70に
着座した状態が維持されることとなる。主弁体80が着
座状態に維持されるのは、差圧△Pにて生じる主弁体8
0を着座させる方向の力(A1・△P)は相対的に大き
いため、リターンスプリング59と補助スプリング99
の付勢力差(FSP1 −FSP2 )に打ち勝つからである。
一方、補助弁体90が開くのは、差圧△Pにて生じる補
助弁体90を着座させる方向の力(A2・△P)は相対
的に小さく、リターンスプリング59と補助スプリング
99の付勢力差(FSP1 −FSP2 )よりも小さいためで
ある。
【0057】このため、主連通路71は閉じているが、
絞り連通路81は開いた半開状態とすることができ、こ
の半開状態ではホイールシリンダ圧を緩やかに増圧させ
る緩増圧状態を実現させることができる。 (3)この図3に示す半開状態において、再度ソレノイ
ド40に通電すると、図2に示す全閉状態となる。
【0058】また、図3に示す半開状態は差圧△Pが生
じているためそのような状態になるのであるが、ABS
制御が終了した場合は、減圧制御弁23を連通状態にす
ることによって、ホイールシリンダ11から減圧された
油量は減圧制御弁23を介してリザーバ25に排出さ
れ、ポンプ30によりマスタシリンダ16側へ環流され
るため、増圧制御の最終段階では差圧△Pが0となる。
その場合には、図1に示す全開状態となる。
【0059】このように、本実施例の電磁弁である増圧
制御弁21では、主連通路71及び絞り連通路81が共
に連通している全開状態及び両連通路71,81が共に
遮断されている全閉状態の他に、脈動防止などの点で有
効な半開状態、つまり主連通路71は遮断されているが
絞り連通路81は連通している状態を実現することが可
能でありながら、全閉状態中に生じる差圧△Pを利用し
て半開状態を実現しており、この半開状態を実現するの
にソレノイド40への通電は不要である。したがって、
従来のように半開状態用の電磁力と全閉状態用の電磁力
(つまりソレノイド40へ供給する電流値)を区別して
付与する必要がなく、単にソレノイド40に通電するか
しないかの簡単な制御でよい。
【0060】また、ソレノイド40への通電がされてい
ない状態では、差圧△Pの有無によって全開状態と半開
状態が切り替わるので、弁体構造自体が図4の油圧回路
図における逆止弁22の機能も兼用することとなる。つ
まり、別途逆止弁22を設ける必要がないため、ブレー
キ制御装置全体としての構成も簡略化される。
【0061】次に、上述した動作を増圧制御弁21が行
えるようにするための条件について説明する。ここで
は、上述した全開状態、全閉状態及び半開状態を維持さ
せるための条件と、ある状態から別の状態へ移行するた
めの条件として、リターンスプリング59の付勢力(F
SP1 )、補助スプリング99の付勢力(FSP2 )、ソレ
ノイド40をON(通電)することによって生じる電磁
力(Fcoil)、差圧△Pによる主弁体80に対する力で
ある差圧付勢力(A1・△P)及び差圧△Pによる補助
弁体90に対する差圧付勢力(A2・△P)の間の関係
を説明する。
【0062】全開状態の維持 全開状態(図1)の場合に考慮すべき力は、リターンス
プリング59の付勢力(FSP1 )と補助スプリング99
の付勢力(FSP2 )であり、これらの間に求められる条
件は、次の通りである。
【0063】FSP1 >FSP2 >0 全開状態(図1)から全閉状態(図2)への移行 電磁力(Fcoil)が作用して全開状態から全閉状態へ移
行するので、考慮すべき力は、リターンスプリング59
の付勢力(FSP1 )と補助スプリング99の付勢力(F
SP2 )と電磁力(Fcoil)であり、これらの間に求めら
れる条件は、次の通りである。
【0064】Fcoil>FSP1 −FSP2 全閉状態の維持 全閉状態(図2)が継続する場合には、リターンスプリ
ング59の付勢力(FSP1 )と補助スプリング99の付
勢力(FSP2 )と電磁力(Fcoil)に加えて、差圧△P
による差圧付勢力(A1・△P),(A2・△P)も作
用するが、これは全閉状態を維持させる方向への力であ
るので考慮する必要がなく、結局、上記の全開状態
(図1)から全閉状態(図2)への移行の場合の条件と
同じである。つまり、求められる条件は、次の通りであ
る。
【0065】Fcoil>FSP1 −FSP2 全閉状態(図2)から半開状態(図2)への移行 全閉状態で電磁力(Fcoil)を0にすると半開状態に移
行する。したがって、考慮すべき力は、リターンスプリ
ング59の付勢力(FSP1 )と補助スプリング99の付
勢力(FSP2 )と差圧△Pによる差圧付勢力(A1・△
P),(A2・△P)である。そして、主弁体80は全
閉状態と同じく着座した状態を維持する必要があるの
で、主弁体80に関して求められる条件は、次の通りで
ある。
【0066】A1・△P>FSP1 −FSP2 一方、補助弁体90は全閉状態では着座していたがこの
半開状態では開く必要があるので、補助弁体90に関し
て求められる条件は、次の通りである。 FSP1 −FSP2 >A2・△P 半開状態の維持 半開状態(図3)を維持する場合の条件は、上記の全
閉状態から半開状態への移行と同じである。
【0067】半開状態(図3)から全閉状態(図2)
への移行 この移行は電磁力(Fcoil)が作用して行われる。結果
的には、上述したの全開状態から全閉状態への移行と
同じである。 半開状態(図3)から全開状態(図1)への移行 この移行は差圧△Pが0になることによって行われる。
差圧△P以外に考慮すべき力は、リターンスプリング5
9の付勢力(FSP1 )と補助スプリング99の付勢力
(FSP2 )であるため、結果的には、上述したの全開
状態の維持の場合と同じ条件である。
【0068】上述した〜の条件をまとめると、次の
ようになる。 Fcoil>FSP1 −FSP2>0 A1・△P>FSP1 −FSP2 FSP1 −FSP2 >A2・△P この内、主弁体80に対する力である差圧付勢力(A1
・△P)及び補助弁体90に対する差圧付勢力(A2・
△P)については、さらに次の点を考慮する必要があ
る。つまり、主弁体80に対する力である差圧付勢力
(A1・△P)は差圧△Pの最小値を考慮して設定し、
一方、補助弁体90に作用する差圧付勢力(A2・△
P)は差圧△Pの最大値を考慮して設定することが好ま
しい。この理由を説明する。
【0069】差圧付勢力(A1・△P),(A2・△
P)の基となる差圧△Pは必ずしも一定ではなく、例え
ばブレーキペダル15の踏込状態などによって変わるあ
る範囲(例えば数10気圧から数100気圧程度)を持
った値である。したがって、半開状態(図3)を実現す
るためには、リターンスプリング59と補助スプリング
99の付勢力差(FSP1 −FSP2 )に打ち勝って主弁体
80を着座させる場合の差圧付勢力(A1・△P)を考
える場合には、生じる差圧△Pの最小値であってもその
動作が実現できる必要があるので、上述したように差圧
△Pの最小値を考慮する。このようにすれば、その最小
値よりも大きな差圧△Pが生じた場合には、問題なく主
連通路71を閉じることができるからである。一方、補
助弁体90に対しては、差圧△Pが生じてもやはり絞り
連通路81が開いた状態のままにしておくための差圧付
勢力(A2・△P)を考える場合には、生じる差圧△P
の最大値であってもやはりその動作が実現できる必要が
あるので、差圧△Pの最大値を考慮する。このようにす
れば、その最大値よりも小さな差圧△Pが生じた場合に
は、問題なく絞り連通路81を開いた状態にすることが
できるからである。
【0070】したがって、主弁体80については差圧△
Pの最小値△Pmin 、補助弁体90については差圧△P
の最大値△Pmax を考慮してそれぞれ設定した差圧付勢
力(A1・△Pmin ),(A2・△Pmax )を用い
て、上述した3条件を整理すると次のようになる。
【0071】Fcoil>FSP1 −FSP2>0 A1・△Pmin >FSP1 −FSP2 FSP1 −FSP2 >A2・△Pmax なお、この差圧付勢力(A1・△Pmin ),(A2・△
Pmax )は、具体的には主弁体80及び補助弁体90の
受圧面積に差圧△Pを乗じたものとなるため、これら差
圧付勢力(A1・△Pmin ),(A2・△Pmax )とな
るよう、主弁体及80び補助弁体90の受圧面積A1,
A2を設定する。なお、本実施例においては、上述した
ように受圧面積A1,A2は、主弁体80のシート部分
の直径D1及び補助弁体90のシート部分の直径D2に
それぞれ依存するので、それら直径D1,D2を適宜設
定すればよい。 [第2実施例]図5は、本発明の第2実施例である電磁
弁の概略構成を示す断面図である。
【0072】基本的な構成は、図1等で示した第1実施
例と同じであるが、次の2箇所が異なっている。まず一
つ目は、筒状の主弁体80の下端、つまり台座85に対
向する部分が全開状態(図5)においても台座85に当
接しないようにされている点である。二つ目は、上記第
1実施例においてはプランジャ50の先端に主連通路7
1に挿通可能なシャフト部51が一体的に設けられ、さ
らに、そのシャフト部51の先端に絞り連通路81に挿
通可能な棒状突起53が一体的に設けられていたが、こ
の第2実施例の場合には、プランジャ50の先端に主連
通路71よりも大きな断面を持つ大径部56が連設さ
れ、その大径部56にシャフト部51、棒状突起53が
順番に連設されている。
【0073】そのため、リターンスプリング59によっ
てプランジャ50がストッパ41より離間する方向に付
勢されても、上述した大径部56がシートバルブ70に
当接して、プランジャ50のそれ以上の移動が規制され
る。この状態で、棒状突起53はやはり補助弁体90を
付勢しているが、シャフト部51はかならずしも主弁体
80に当接しているとは限らない。つまり、主弁体80
は、シャフト部51に当接する位置と、補助弁体90が
着座する位置との間を自由に移動できる状態で維持され
ることとなる。なお、主弁体80がシャフト部51に当
接する位置においては、主連通路71は連通状態であ
る。
【0074】したがって、絞り連通路81は主弁体80
の位置によって連通する場合と遮断する場合があるが、
主連通路71は連通状態であるため全開状態が実現でき
る。また、差圧△Pが生じると、上記第1実施例と同様
に、主弁体80を着座させる方向へ付勢する差圧付勢力
(A1・△P)は、リターンスプリング59と補助スプ
リング99の付勢力差(FSP1 −FSP2 )に打ち勝つた
め、シートバルブ70に着座して主連通路71が遮断さ
れるが、補助弁体90を着座させる方向へ付勢する差圧
付勢力(A2・△P)は、リターンスプリング59と補
助スプリング99の付勢力差(FSP1 −FSP2 )よりも
小さいため、絞り連通路81は連通したままとなる。し
たがって、半開状態が実現できる。
【0075】それ以外の動作や求められる条件について
は、上記第1実施例と同様なので、ここでは省略する。 [第3実施例]図6は、本発明の第3実施例である電磁
弁の概略構成を示す断面図である。
【0076】基本的な構成は、図1等で示した第1実施
例と同じであるが、次の1箇所が異なっている。つま
り、上記第1実施例では、プランジャ50がストッパ4
1に対向する面に非磁性体のプレート58が固定または
可動自在に配置されていたが、本第3実施例では、リタ
ーンスプリング59が挿入されている凹部内に非磁性体
の棒状部材158が介装されている。そして、この棒状
部材158の端面158aは、プランジャ50がストッ
パ41に対向する面よりも少しだけ突出して設けられて
いる。つまり、この棒状部材158の端面158aは、
プランジャ50がストッパ41に対向する面よりもスト
ッパ41に近くなるように設けてあるため、ソレノイド
40に通電されてプランジャ50がストッパ41に接近
するような吸引力が働いた場合、棒状部材158の端面
158aだけがストッパ41に当接した状態で維持され
ることとなる。
【0077】これは、第1実施例のように非磁性体のプ
レート58がストッパ41に対向する面のほとんどに設
けられていると、プレート58とストッパ41との間に
ブレーキ液が入って両者が当接した場合、いわゆる油膜
による表面張力等が、当接した両者が離間する場合の阻
害要因となり制御のレスポンスの低下につながる。した
がって、非磁性体の棒状部材158の端面158aだけ
がストッパ41に当接するようにすれば、当接した両者
が離間する場合の阻害要因を減らし制御のレスポンスの
向上につながる。
【0078】以上、本発明はこのような実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲
において種々なる形態で実施し得る。例えば、上記各実
施例においては、主弁体80を筒状として、その内部に
補助弁体90及び補助スプリング99を配置するように
したが、主弁体80の形状は筒状ではなく、例えば半球
状など種々採用できる。また、リターンスプリング59
及び補助スプリング99の代わりに、ゴムなどの弾性体
を採用し、圧縮することによって弾性で付勢力を生じる
ものを採用してもよい。
【0079】また、上記実施例では電磁弁をブレーキ制
御装置としてのアンチスキッド制御装置における増圧制
御弁21として適用した場合を説明したが、その他にも
例えば同じようにブレーキ液圧により車輪制動力を調整
するものとしてトラクション制御装置にも適用可能であ
る。
【0080】また上記実施例では、増圧と保持の組み合
せによって行っていた緩増圧を半開状態の増圧と保持の
組み合せによって行なうと述べたが、半開状態の増圧の
みで緩増圧を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例である電磁弁の概略構成
及び全開状態を示す断面図である。
【図2】 第1実施例である電磁弁の全閉状態を示す断
面図である。
【図3】 第1実施例である電磁弁の半開状態を示す断
面図である。
【図4】 第1実施例である電磁弁をブレーキ制御装置
としてのアンチスキッド制御装置に適用した場合の概略
構成を示すモデル図である。
【図5】 第2実施例である電磁弁の概略構成を示す断
面図である。
【図6】 第3実施例である電磁弁の概略構成を示す断
面図である。
【図7】 従来技術の電磁弁の概略構成を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1…車輪 5…車輪速度センサ 10…電子制御装置 11…ホイールシリ
ンダ 15…ブレーキペダル 16…マスタシリン
ダ 21…増圧制御弁 23…減圧制御弁 25…リザーバ 30…油圧ポンプ 40…ソレノイド 41…ストッパ 50…プランジャ 51…シャフト部 53…棒状突起 55…切欠部 56…大径部 57…側連通路 58…プレート 59…リターンスプ
リング 60…スリーブ 65…第2開口 70…シートバルブ 71…主連通路 75…第1開口 80…主弁体 81…絞り連通路 83…側開口部 85…台座 90…補助弁体 99…補助スプリング 158…棒状部材 158a…端面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両制動時にブレーキ液圧を発生するブ
    レーキ液圧発生手段と、前記ブレーキ液圧によって車輪
    制動力を発生する車輪制動力発生手段との間の管路に配
    置された電磁弁において、 前記管路の流路を絞る絞り連通路を備え、所定方向に移
    動して、前記管路を連通する主連通路を前記絞り連通路
    を除いて開閉可能な主弁体を有する主弁と、前記主弁体
    の移動方向である所定方向に移動し、前記主弁体の絞り
    連通路を開閉可能な補助弁体を有する補助弁と、 前記補助弁を付勢して前記絞り連通路を開き且つ前記主
    弁体を付勢して前記主連通路を開く全開状態に対応する
    全開位置と、前記主弁体及び補助弁体のいずれも付勢し
    ない全閉状態に対応する全閉位置との間を移動可能な弁
    体付勢部材と、 前記主弁体の移動方向である所定方向への弾性作用によ
    って、前記弁体付勢部材を前記全閉位置から前記全開位
    置に向かうよう付勢する第1弾性部材と、 前記第1弾性部材による付勢力に打ち勝って前記弁体付
    勢部材を前記全閉位置に維持させる電磁力を付与する電
    磁力付与手段と、 前記弁体付勢部材が前記全閉位置にある場合に、前記主
    弁体の移動方向である所定方向への弾性作用によって、
    前記補助弁体を付勢して前記絞り連通路を閉じると共に
    当該補助弁体を介して前記主弁体を付勢して前記主連通
    路を閉じる第2弾性部材と、を備え、 さらに、前記電磁力付与手段によって電磁力が付与され
    ていない状態では、前記ブレーキ液圧発生手段側の相対
    的に高いブレーキ液圧と前記車輪制動力発生手段側の相
    対的に低いブレーキ液圧との差圧が前記主弁体及び補助
    弁体に作用している場合には、前記主弁体は前記差圧に
    よって付勢されて前記主連通路は閉じるが、前記補助弁
    体は前記弁体付勢部材によって付勢されて前記絞り連通
    路を開く半開状態となり、前記差圧が作用していない場
    合には前記全開状態となるよう、前記第1弾性部材及び
    第2弾性部材による付勢力、前記電磁力付与手段によっ
    て付与される電磁力、前記差圧による前記主弁体及び補
    助弁体に対する付勢力(以下「差圧付勢力」という)が
    設定されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記半開状態において前記主連通路を閉
    じる前記主弁体に作用する差圧付勢力は、前記差圧の最
    小値を考慮して設定し、一方、前記半開状態において前
    記絞り連通路を開く前記補助弁体に作用する差圧付勢力
    は、前記差圧の最大値を考慮して設定したものであり、 前記差圧付勢力は前記主弁体及び補助弁体の受圧面積に
    差圧を乗じたものであって、前記設定された差圧付勢力
    となるよう、前記主弁体及び補助弁体の受圧面積が設定
    されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記弁体付勢部材は、 前記主連通路に挿通されるシャフト部と、当該シャフト
    部の先端に設けられ、前記主弁体の前記絞り連通路内に
    挿通される棒状突起部を備えており、 前記全閉位置から前記全開位置に移動する途中の半開位
    置において、前記棒状突起部にて前記補助弁体を付勢し
    て前記絞り連通路を開くが前記主弁体は付勢せず、さら
    に全開位置に移動すると、前記シャフト部にて前記主弁
    体を付勢して前記主連通路を開くよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記主弁体は筒状に構成されており、前
    記補助弁体及びその補助弁体を付勢する前記第2の弾性
    部材が、その筒状の主弁体内に配置されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁。
  5. 【請求項5】 前記弁体付勢部材は、磁性体のプランジ
    ャに一体的に設けられ、前記電磁力付与手段によって電
    磁力が付与され前記プランジャが吸引されてストッパに
    当接することによって、前記弁体付勢部材が前記全閉位
    置に維持されるよう構成されており、 さらに、前記プランジャが前記ストッパに当接する面に
    は、非磁性体の部材が介装されていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれに記載の電磁弁。
  6. 【請求項6】 前記非磁性体の部材は、前記プランジャ
    が前記ストッパに対向する面の一部に設けられていると
    共に、その非磁性体の部材は、前記プランジャが前記ス
    トッパに対向する面の内の他の部分よりも前記ストッパ
    に近くなるように設けられていることを特徴とする請求
    項5に記載の電磁弁。
  7. 【請求項7】 ホイールシリンダ圧を圧力源からのブレ
    ーキ液によって増圧するか、該ホイールシリンダ圧を減
    圧するか、或は該ホイールシリンダ圧を保持するかによ
    り車輪制動力を制御するブレーキ制御装置であって、 前記ホイールシリンダ圧を増圧する際に用いられる液圧
    制御弁として、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載の電磁弁を採用すると共に、前記電磁力付与手段によ
    る電磁力の付与の実行・非実行を制御する制御手段を備
    えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
JP28055097A 1997-10-14 1997-10-14 電磁弁及びその電磁弁を備えたブレーキ制御装置 Pending JPH11115711A (ja)

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Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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