JP2609870B2 - アンチスキッド装置 - Google Patents

アンチスキッド装置

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JP2609870B2
JP2609870B2 JP62209444A JP20944487A JP2609870B2 JP 2609870 B2 JP2609870 B2 JP 2609870B2 JP 62209444 A JP62209444 A JP 62209444A JP 20944487 A JP20944487 A JP 20944487A JP 2609870 B2 JP2609870 B2 JP 2609870B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はアンチスキッド装置に関するものであり、特
に、左,右後輪のブレーキシリンダの液圧制御に関する
ものである。
従来の技術 自動車の液圧ブレーキ装置には、左,右前輪および
左,右後輪の制動が2系統に分けて為されるものがあ
り、この種の液圧ブレーキ装置において車輪のロックを
防止するためにアンチスキッド装置を設けることは広く
行われている。
特開昭61−215152号公報に開示された液圧ブレーキ装
置はその一例である。この装置は、2個の加圧室を有す
るマスタシリンダを液圧源として備え、一方の加圧室の
液圧が右前輪と左後輪とに供給され、他方の加圧室の液
圧が左前輪と右後輪とに供給されるクロス配管式のもの
であり、各加圧室と左右前輪とをつなぐ液通路中にそれ
ぞれ液圧制御装置が設けられ、その液圧制御装置が前輪
の回転速度を検出する回転センサの検出結果に基づいて
制御手段によって制御されることにより、前輪のロック
が防止されようになっている。また、左右後輪にブレー
キ液を供給する液通路中にはそれぞれリミットバルブお
よびプロポーショニングバルブが設けられ、マスタシリ
ンダの液圧が設定値に達した後は一定の比率で減圧され
て後輪のブレーキシリンダに供給されるようにされると
ともに、リミット圧に達した場合には後輪のブレーキシ
リンダへのブレーキ液の供給が遮断され、その上昇が防
止されて後輪のロックが回避されるようになっている。
さらに、上記リミットバルブおよびプロポーショニン
グバルブは、上記左右前輪のフロントホイールシリンダ
とマスタシリンダの加圧室とを接続する液通路の、液圧
制御装置よりフロントホイールシリンダ側において接続
されている。これら左右後輪のリヤホイールシリンダに
対応して設けられた各々のリミットバルブおよびプロポ
ーショニングバルブは一体的に形成されたものであり、
リミットバルブは、上述のように、マスタシリンダの液
圧がリミット圧を越えた場合のみならず、右前輪のフロ
ントホイールシリンダの液圧と左前輪のフロントホイー
ルシリンダの液圧との間に圧力差が生じた場合にも作動
状態とされる。左,右前輪のフロントホイールシリンダ
の液圧のうち、液圧が高い方のブレーキ系統に含まれる
後輪のリヤホイールシリンダが液圧源から遮断され、リ
ヤホイールシリンダの液圧が保持されるのである。した
がって、2つのブレーキ系統のうち一方のブレーキ系統
のみにおいてアンチスキッド制御が行われ、他方のブレ
ーキ系統において行われない場合において、一方のブレ
ーキ系統において減圧制御が行わるとフロントホイール
シリンダの液圧が低くなるのに対して他方のブレーキ系
統に含まれるフロントホイールシリンダの液圧は液圧源
の液圧に保たれるため、これらの間に液圧差が生じ、他
方のブレーキ系統のリヤホイールシリンダの液圧が保持
されるのである。その結果、一方のブレーキ系統に含ま
れる前輪と同じ側の後輪のリヤホイールシリンダの液圧
が保持されることになり、またぎ路走行中等後輪がロッ
ク傾向にある場合にはその後輪のロックを良好に回避す
ることができる。
発明が解決しようとする問題点 しかし、リミットバルブはマスタシリンダの液圧が一
定のリミット圧に達したときに作動するため、リミット
バルブの閉弁により保持される液圧が後輪のスリップ状
態に見合った高さであるとは限らず、低過ぎて制動力が
不足したり、あるいは高過ぎてロックが生ずることがあ
るという問題があった。後輪ロックを完全に回避するた
めには、路面の摩擦係数が予測される範囲の最小値であ
り、かつ、車両が軽積状態にある場合にも後輪がロック
することのない極く低い値にリミットバルブの閉弁圧を
設定さぜるを得ず、この場合には通常の状態において後
輪の制動力が無駄に低く抑えられてしまうこととなる。
また、一方のブレーキ系統のみにおいて減圧制御が行
われたときも、他方のブレーキ系統のリヤホイールシリ
ンダの液圧が保持されるが,この場合にも,後輪のスリ
ップ状態に応じた液圧に保持することができなかった。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記の問題を解決するために、(a)車両
の左,右前輪および左,右後輪の回転速度をそれぞれ検
出する4個の回転センサと、(b)液圧源と左,右前輪
の各フロントブレーキシリンダとをつなぐ液通路中にそ
れぞれ設けられ、各フロントブレーキシリンダの液圧を
制御する2個の液圧制御装置と、(c)左,右前輪にそ
れぞれ設けられた回転センサの検出結果に基づいて前輪
のスリップ率が適正範囲の値となるように液圧制御装置
をそれぞれ電気的に制御する液圧制御装置制御手段と、
(d)液圧源、左,右後輪の各リヤブレーキシリンダお
よび液圧制御装置にそれぞれ接続され、液圧制御装置の
出力液圧である制御圧が液圧源の液圧より設定圧以上低
くなると、リヤブレーキシリンダを液圧源に連通させる
増圧状態からリヤブレーキシリンダを液圧源から遮断し
てリヤホイールシリンダの液圧を保持する保持状態に切
り換えられる2個の液圧保持装置と、(e)左,右後輪
にそれぞれ設けられた回転センサの検出結果に基づい
て、後輪のスリップ率が設定値を越えたとき液圧制御装
置を電気的に制御することによって液圧保持装置を保持
状態に切り換える液圧保持装置制御手段を含むように構
成される。
作用および効果 以上のように構成されたアンチスキッド装置において
は、後輪のスリップ率が設定値を越えたとき、前輪のフ
ロントホイールシリンダの液圧を制御する液圧制御装置
が電気的に制御される。その結果、液圧保持装置が保持
状態に切り換えられ、リヤホイールシリンダの液圧が保
持される。液圧制御装置が減圧作用を行う状態にされ、
液圧制御装置の出力液圧である制御圧が液圧源の液圧よ
り低くされて、液圧保持装置がリヤホイールシリンダを
液圧源に連通させる増圧状態から液圧源から遮断してそ
の液圧を保持する保持状態に切り換えられるのである。
リヤホイールシリンダの液圧は上昇を阻止され、一定に
保持される。
このように、本発明のアンチスキッド装置において
は、後輪のリヤホイールシリンダの液圧が、その車輪自
体のスリップ率の大きさが設定値を越えると保持される
のであり、マスタシリンダの液圧がリミット圧に達した
ことにより保持されるわけではない。
したがって、この設定値を適宜の値、例えば、できる
限り大きい制動力が得られるスリップ率に設定すること
により、後輪のロックを確実に防止することができ、ま
た、制動力が無駄に低く抑えられることを回避し得る。
第2項に記載の液圧保持装置においては、液圧制御装
置を一時的に減圧作用させる状態にすれば、その後増圧
作用させる状態にしても、すなわち、制御圧をリヤホイ
ールシリンダより高くしても、その保持状態が維持され
る。そのため、フロントホイールシリンダの液圧を前輪
のスリップ率が適正範囲内になるように制御しつつ、リ
ヤホイールシリンダの液圧を保持することができる。ま
た、フロントホイールシリンダの液圧を増圧しつつリヤ
ホイールシリンダの液圧を保持することができるため、
後輪のスリップ状態が前輪より先にロック傾向になって
も、前輪の制動力の低下を回避しつつ後輪がロック状態
になることを良好に回避することができる。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図は、本発明の一実施例であるアンチスキッド装
置を備えた液圧ブレーキ装置の系統図である。図におい
て10はブレーキ操作部材たるブレーキペダルであり、こ
のペダル10は液圧源たるマスタシリンダ12を作動させ
る。マスタシリンダ12は互いに独立した2個の加圧室を
備えており、プレーキペダル10の踏込み操作に基づいて
それぞれの加圧室に同じ高さの液圧を発生させる。一方
の加圧室に発生した液圧は、右前輪14および左後輪16に
それぞれ設けられたブレーキのフロントブレーキシリン
ダ18およびリヤブレーキシリンダ20に供給される。他方
の加圧室に発生した液圧は、左前輪22および右後輪24に
それぞれ設けられたブレーキのフロントブレーキシリン
ダ26およびリヤブレーキシリンダ28に供給される。この
液圧ブレーキ装置はクロス配管式となっているのであ
る。
マスタシリンダ12と右前輪14のフロントブレーキシリ
ンダ18とを接続する液通路の途中には、電磁制御弁30が
設けられており、それによりこの液通路はマスタシリン
ダ側通路32およびフロントブレーキシリンダ側通路34に
分かれている。マスタシリンダ側通路32とフロントブレ
ーキシリンダ側通路34とは戻り通路36によって接続され
ており、この戻り通路36には、フロントブレーキキリン
ダ側通路34からマスタシリンダ側通路32へのブレーキ液
の流れは許容するが、逆向きの流れは阻止する逆止弁38
が設けられている。
電磁制御弁30にはリザーバ通路40を経てリバーザ42が
接続されており、電磁制御弁30が図中一番下の状態に切
り換えられることによりブレーキシリンダ18から排出さ
れたブレーキ液がリバーザ42に蓄えられるようになって
いる。そして、このリザーバ42に蓄えられたブレーキ液
は、ポンプ48により汲み上げられ、ポンプ通路50を経て
マスタシリンダ側通路32に還流させられるようになって
いる。電磁制御弁30は、右前輪14のスリップ率が適正範
囲となるように切り換えられるようになっており、リザ
ーバ42,ポンプ48等と共にフロントブレーキシリンダ18
の液圧を制御する液圧制御装置を構成している。
また、マスタシリンダ12と左前輪22のフロントブレー
キシリンダ26とを接続する主液通路中にも同様に、電磁
制御弁60が設けられ、主液通路がマスタシリンダ側通路
62,フロントブレーキシリンダ側通路64に分けられ、逆
止弁66を備えた戻り通路68が設けられるとともに、リザ
ーバ通路70によりリバーザ72が接続され、ポンプ78によ
って汲み上げられたブレーキ液がポンプ通路80を経てマ
スタシリンダ側通路62に還流させられるようになってい
る。電磁制御弁60,リザーバ72,ポンプ78等がフロントブ
レーキシリンダ26の液圧を制御する液圧制御装置を構成
しているのである。
前輪14,22および後輪14,24を回転速度は、回転サンセ
82,84,86,88により検出され、その検出信号がコントロ
ーラ90に供給されるようになっている。コントローラ90
はこれらセンサ82ないし88からの検出信号に基づいて各
車輪のスリップ率を算出し、その結果に基づいて電磁制
御弁30,60が制御するようになっており、前記2個の液
圧制御装置を制御する制御手段を構成している。
一方、マスタシリンダ12から左右後輪16,24のリヤブ
レーキシリンダ20,28に供給される液圧はそれぞれ、液
圧保持装置92,94によって制御されるようになってい
る。これら液圧保持装置92,94は同じ構成のものであ
り、以下、左後輪16側に設けられた液圧保持装置92につ
いて代表的に説明する。
液圧保持装置92は、カット弁96および自閉弁98を備え
ている。カット弁96は、第1図に示されているように、
マスタシリンダ12からリヤブレーキシリンダ20へのブレ
ーキ液の流れを阻止する開閉弁部としての逆止弁100
と、その逆止弁100を作用状態と非作用状態とに切り換
える制御器102とが一体的に設けられたものであり、ハ
ウジング104を有している。ハウジング104内には弁室10
6とシリンダボア108とが同心に形成されるとともに、そ
れら弁室106とシリンダボア108とが連通路110によって
連通させられている。弁室106は液通路112により、マス
タシリンダ側通路32に接続される一方、シリンダボア10
8は液通路113によってリヤブレーキシリンダ20に接続さ
れており、マスタシリンダ12の加圧室から供給されるブ
レーキ液は、液通路112,弁室106,連通路110,シリンダボ
ア108を経てリヤブレーキシリンダ20に供給される。
上記弁室106内にはボール114が配設されている。ボー
ル114はスプリング118により、弁室106の肩面として形
成された弁座120に着座して弁室106とシリンダボア108
との連通、延いてはマスタシリンダ12とリヤブレーキシ
リンダ20との連通を遮断する向きに付勢されており、ス
プリング118,弁座120と共に逆止弁100を構成している。
一方、シリンダボア108には制御ピストン122が液密か
つ摺動可能に嵌合され、それによって二つの液室124,12
5が形成されている。液室124にはスプリング126が配設
され、制御ピストン122を弁室106側に付勢している。制
御ピストン122の弁室106側の端面には、通路路110を貫
通可能な突起128が形成されている。この突起128は、制
御ピストン122が肩面130に当接した状態でボール114を
弁座120から離間させ、逆止弁100を非作用状態に保つも
のである。
逆止弁100が開いた状態では、マスタシリンダ12から
供給されるブレーキ液は、弁室106から連通路110を通
り、制御ピストン122に形成された切欠138、液通路113
を通ってリヤブレーキシリンダ20に供給される。そし
て、液室124の液圧が低下させられれば、液室125の液圧
が制御ピストン122をスプリング126の付勢力に抗して後
退させ、ボール114が弁座120に着座して逆止弁100が作
用状態となる。ハウジング104,制御ピストン122等が制
御器102を構成しているのである。制御ピストン122は、
ボール114が弁座120に着座した後も、リヤブレーキシリ
ンダ20から液室125へのブレーキ液の流入によって、液
室124側へ移動することが可能である。
一方、自閉弁98は、ハウジング140内に弁室142とシリ
ンダボア144を備えている。弁室142は連通路146によっ
てシリンダボア144に接続されるとともに、液通路148に
よってフロントブレーキシリンダ側通路34に接続されて
いる。この弁室142内にはボール150が配設されている。
ボール150はスプリング152により、弁座154に着座して
弁室142とシリンダボア144との連通を遮断する向きに付
勢されており、これらボール150,スプリング152,弁座15
4等が逆止弁156を構成している。
また、ハウジング140のシリンダボア144には制御ピス
トン158が液密かつ摺動可能に嵌合されて制御器159を構
成している。シリンダボア144の制御ピストン158より弁
室142側に形成された液室160は、液通路162により制御
器102の液室124に接続されており、また、他方の側に形
成された液室164にはスプリング166が配設され、制御ピ
ストン158を弁室142側に向かって付勢している。さら
に、制御ピストン158の弁室142側の端面には突起168が
形成されている。この突起168は、制御ピストン158がシ
リンダボア144の肩面170に当接した状態で連通路146を
貫通してオール150に当接し、これを弁座154から離間さ
せて逆止弁156を非作用状態に保つようにされている。
なお、ボール150の弁座154からの離間距離は第1図には
誇張して示されているが、実際には極く短いものとなる
ように突起168の長さが定められている。さらに、液室1
64は、液通路176によって制御器102の液室125に接続さ
れており、マスタシリンダ12の液圧あるいはリヤブレー
キシリンダ20の液圧を受けるようにされている。
以下、作動を説明するが、右前輪14,左後輪16系統と
左前輪22,右後輪24系統との作動は同じであり、前者に
ついて代表的に説明する。
まず、右前輪14のアンチスキッド制御について説明す
る。電磁制御弁30は、通常は第2図に示されるように、
右前輪14のフロントブレーキシリンダ18の液圧の上昇を
許容する昇圧許容状態となっており、マスタシリンダ12
とフロントブレーキシリンダ18とは連通状態にある。し
たがって、ブレーキペダル10が踏み込まれれば、マスタ
シリンダ12から排出されたブレーキ液がフロントブレー
キシリンダ18に供給され、その結果、ブレーキが作動し
て右前輪14が制動される。
ブレーキペダル10の踏込力が路面の摩擦係数との関係
において低い場合には、右前輪14のスリップ率は低く、
そのためにコントローラ90は液圧制御装置を作動させな
い。しかし、ブレーキペダル10の踏込力が路面の摩擦係
数との関係において大きい場合には、右前輪14のスリッ
プ率が適正範囲を超えて増大するためコントローラ90は
回転センサ82,84,86,88からの検出信号に基づいてその
事実を察知し、電磁制御弁30のソレノイドに電流を供給
して電磁制御弁30を図中真中あるいは下側に示される遮
断状態あるいは降圧許容状態(ブレーキシリンダの液圧
が下降することを許容する状態)に切り換えるととも
に、ポンプ48を起動させる。
電磁制御弁30が遮断状態に切り換えられた場合には、
フロントブレーキシリンダ18がマスタシリンダ12からも
リザーバ42からも遮断された状態となってその液圧が一
定に保たれ、右前輪14に対する制動力が一定に保たれ
る。なお、ポンプ48が起動されてもリザーバ42にはブレ
ーキ液が蓄えられていないため、ブレーキ液は圧送され
ない。
一方、電磁制御弁30が降圧許容状態に切り換えられた
場合にはフロントブレーキシリンダ18がリバーザ42に連
通させられ、フロントブレーキシリンダ18からブレーキ
液が排出されてリザーバ42に蓄えられる。リザーバ42に
蓄えられたブレーキ液はポンプ48によって汲み上げら
れ、マスタシリンダ側通路32に戻される。
上記のようにして右前輪14のフロントブレーキシリン
ダ18の液圧が低下させられる結果、右前輪14のスリップ
率が予め定められた一定値まで低下すれば、その事実を
コントローラ90が察知して電磁制御弁30を遮断状態ある
いは昇圧許容状態に切り換える。遮断状態に切り換えら
れれば、フロントブレーキシリンダ18の液圧は一定に保
たれるが、昇圧許容状態に切り換えられた場合にはマス
タシリンダ12からブレーキ液が供給されてフロントブレ
ーキシリンダ18の液圧が上昇させられる。
上記のような制御が短い時間で繰り返され、それによ
ってフロントブレーキシリンダ18の液圧が適正範囲に制
御され、右前輪14のスリップ率が適正範囲に保たれる。
次に左後輪16のアンチスキッド制御について説明す
る。通常の制動時には液圧保持装置92は第1図に示され
る状態にあり、リヤブレーキシリンダ20にはマスタシリ
ンダ12の加圧室のブレーキ液がそのまま供給される。し
かし、ブレーキペダル10の踏込力が右前輪14の回転を制
動するには適当であるが、左後輪16については、左側の
路面の摩擦係数が右側のそれより小さいか、あるいは左
後輪16の摩擦係数が他の車輪の摩擦係数より小さい等、
何等かの理由により、路面との摩擦力に対して過大であ
る場合には、右前輪14がロック状態に陥る前に左後輪16
のスリップ率が設定値を超える事態が生ずる。この設定
値は、左後輪16が最大の制動力を生じさせるスリップ率
に設定されており、回転センサ88の検出信号に基づいて
コントローラ90が左後輪16のスリップ率が設定値に達し
たことを察知すれば、電磁制御弁30を短時間だけ降圧許
容状態に切り換えた後、昇圧許容状態に切り換える制御
を行う。
電磁制御弁30が降圧許容状態とされることにより、弁
室142および液室124の液圧が低下するため、液室125に
作用しているマスタシリンダ12の液圧により制御ピスト
ン122がスプリング126の付勢力に抗して後退させられ
る。それにより逆止弁100が作用状態となってリヤブレ
ーキシリンダ20はマスタシリンダ12との連通を遮断さ
れ、さらに、リヤブレーキシリンダ20から液室125への
ブレーキ液の流入により制御ピストン122が後退させら
れる。制御ピストン122はボール114から離間させられる
のである。
そして、電磁制御弁30が昇圧許容状態に切り換えられ
れば、マスタシリンダ12からフロントブレーキシリンダ
側液通路34にブレーキ液が供給され、弁室142にブレー
キ液が供給される。それにより弁室142から液室124に流
入するブレーキ液の流れが生ずるが、ボール150と弁室1
42の内面との間、および制御ピストン158と肩面170との
間には流通抵抗があり、かつ、制御ピストン158の端面
上においてブルーキ液の流れの向きが変わるため動圧が
生じ、これとスプリング152の付勢力とが液室164の液圧
およびスプリング166の付勢力に打ち勝ってボール150お
よび制御ピストン158を液室164側へ移動させる。その結
果、ボール150が弁座154に着座して自閉弁98が閉じ、制
御ピストン122は前進するが僅かであり、逆止弁100を開
くには至らないため、液室160,124,125,164が他との連
通を遮断された状態となり、リヤブレーキシリンダ20の
液圧は自閉弁98が閉じたときの液圧に保持されることと
なって、左後輪16のロックが回避される。以上の説明か
ら明らかなように、コントローラ90が液圧保持装置92を
制御する制御手段としても機能するのであり、上記のよ
うにして左後輪16のロックが回避されるとき、電磁制御
弁30は一旦降圧許容状態とされるが、直ちに昇圧許容状
態とされるため、右前輪14の制動には殆ど影響は生じな
い。
なお、左後輪16のスリップ率が設定値に達する前に右
前輪14のスリップ率が高くなり、アンチスキッド制御が
行われれば、電磁制御弁30が降圧許容状態とされた後、
昇圧許容状態とされることとなるが、このときカット弁
96,自閉弁98は左後輪16のロックを防止する場合と同様
に作動して、リヤブレーキシリンダ20の液圧が無駄に低
く抑えられることとなるが、後輪の制動力は元来それ程
大きくないため、この程度の制動力損失は許容し得る。
自閉弁98が一旦閉じられ、電磁制御弁30がその閉じとき
の液圧付近で昇圧許容状態と降圧許容状態との切り換え
られるときには、自閉弁98は閉じたままの状態に保たれ
るが、それより更に低く減圧された場合には、自閉弁98
は一旦開かれ、次に増圧するときに閉じることとなり、
リヤブレーキシリンダ20の液圧は更に低い高さに保持さ
れる。
また、ブレーキペダル10の踏込みが解除されれば、液
圧保持装置92は第1図に示される状態に復帰する。この
場合、ブレーキペダル10の踏込みが解除され、フロント
ブレーキシリンダ18,リヤブレーキシリンダ20からマス
タシリンダ12にブレーキ液が戻るのに伴って、自閉弁98
においては制御ピストン158がスプリング166および液室
164の液圧により付勢されて弁室144の肩面170に当接
し、ボール150を弁座154から離間させ、カット弁96にお
いては制御ピストン122がスプリング126により付勢さ
れ、弁室144の肩面130に当接して逆止弁100を開くこと
により第1図に示される状態に復帰する。
本発明の別の実施例を第3図に示す。本実施例のカッ
ト弁180は、ハウジング182、スプール184およびスプリ
ング186を備えたスプール弁であり、自閉弁190はハウジ
ング192,弁子としてのボール194およびスプリング196を
備えている。カット弁180のスプール184は常には第3図
の前進端位置にあってマスタシリンダ12とリヤブレーキ
シリンダ20とを連通させているが、液通路148,液室198
の液圧が液圧制御装置により一時的に低下させられるこ
とにより後退し、両者の連通を遮断する。そして、液圧
制御装置により液通路148の液圧が上昇させられ、自閉
弁190内にカット弁180に向かう液の流れが生じたとき、
その流れによってボール194がスプリング196の付勢力に
抗して移動し、自閉弁190が閉じる。液通路148の液圧が
高められれば、後退位置にあったスプール184が前進す
るが、それが前進端位置に復帰する前に自閉弁190が閉
じて液室198へのブレーキ液の流入を阻止するため、ス
プール184が途中で停止し、リヤブレーキシリンダ20と
マスタシリンダ12との連通を遮断し続ける。逆止弁200
はブレーキ解除時にリヤブレーキシリンダ20および液室
202からマスタシリンダ12へのブレーキ液の還流を許容
し、スプール184の前進端位置への復帰を可能にするす
るためのものである。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、カット弁180の液室202側の部分が開閉弁部を構成
し、スプール184が制御ピストンとしても機能するよう
になっている。
なお、上記各実施例は、クロス配管式の液圧ブレーキ
装置のアンチスキッド装置に本考案を適用した場合につ
いて説明したが、前後2系統式の液圧ブレーキ装置のア
ンチスキッド装置に本考案を適用することも可能であ
る。
また、上記各実施例においては、フロントブレーキシ
リンダ18,26の液圧を制御する液圧制御装置は還流式の
ものとされていたが、容積式のものとしてもよい。
さらに、上記各実施例においては、液圧制御装置を制
御するコントローラが、液圧保持装置の制御手段として
も機能するようにされており、アンチスキッド装置を安
価に構成することができるが、各制御手段を別々に設け
るようにしてもよい。
その他、いちいち例示することはしないが、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるアンチスキッド装置の
液圧保持装置を示す正面断面図である。第2図は上記ア
ンチスキッド装置を備えた液圧ブレーキ装置を示す系統
図である。第3図は液圧保持装置の別の態様を示す図で
ある。 12:マスタシリンダ、14:右前輪 16:左後輪 18,26:フロントブレーキシリンダ 20,28:リヤブレーキシリンダ 22:左前輪、24:右後輪 30:電磁制御弁、42:リザーバ 48:ポンプ、60:電磁制御弁 72:リザーバ、78:ポンプ 82,84,86,88:回転センサ 90:コントローラ 92,94:液圧保持装置、96:カット弁 98:自閉弁、100:逆止弁 102:制御器、114:ボール 118:スプリング、120:弁座 122:制御ピストン、150:ボール 152:スプリング、154:弁座 156:逆止弁、158:制御ピストン 159:制御器、180:カット弁 190:自閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 裕明 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−215152(JP,A) 特開 昭61−222850(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の左,右前輪および左,右後輪の回転
    速度をそれぞれ検出する4個の回転センサと、 液圧源と前記左,右前輪の各フロントブレーキシリンダ
    とをつなぐ液通路中にそれぞれ設けられ、各フロントブ
    レーキシリンダの液圧を制御する2個の液圧制御装置
    と、 前記左,右前輪にそれぞれ設けられた回転センサの検出
    結果に基づいて前輪のスリップ率が適正範囲の値となる
    ように前記液圧制御装置をそれぞれ電気的に制御する液
    圧制御装置制御手段と、 前記液圧源、前記左,右後輪の各リヤブレーキシリンダ
    および前記液圧制御装置にそれぞれ接続され、前記液圧
    制御装置の出力液圧である制御圧が前記液圧源の液圧よ
    り設定圧以上低くなると、前記リヤブレーキシリンダを
    液圧源に連通させる増圧状態からリヤブレーキシリンダ
    を液圧源から遮断してリヤホイールシリンダの液圧を保
    持する保持状態に切り換えられる2個の液圧保持装置
    と、 前記左,右後輪にそれぞれ設けられた回転センサの検出
    結果に基づいて、後輪のスリップ率が設定値を越えたと
    き前記液圧制御装置を電気的に制御することによって前
    記液圧保持装置を前記保持状態とする液圧保持装置制御
    手段と を含むことを特徴とするアンチスキッド装置。
  2. 【請求項2】前記液圧保持装置が、前記制御圧が前記リ
    ヤホイールシリンダの液圧より高くなっても、前記保持
    状態を維持するものである特許請求の範囲第1項に記載
    のアンチスキッド装置。
  3. 【請求項3】前記液圧保持装置が、 (a)前記液圧源と前記リヤブレーキシリンダとをつな
    ぐ液通路に設けられた開閉弁部と、常には前進端位置に
    あって開閉弁部を開いているが、後方の液室の液圧が低
    下したとき後退して開閉弁部を閉じさせる制御ピストン
    とを有するカット弁と、(b)前記制御ピストン後方の
    液室と前記液圧制御装置とをつなぐ液通路に設けられ、
    常には開いているが液圧制御装置側から制御ピストン後
    方の液室側へブレーキ液が流れるとき閉じて、前記制御
    ピストンが前記開閉弁部を開くことを阻止する自閉弁と
    を備えたものであり、かつ、前記液圧保持装置制御手段
    が、後輪のスリップ率が設定値を越えた場合に前記液圧
    制御装置に一時的な減圧作用を行わせた後、増圧作用を
    行わせるものである特許請求の範囲第1項または第2項
    に記載のアンチスキッド装置。
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US4673226A (en) * 1985-02-19 1987-06-16 Kelsey-Hayes Company Vehicle skid control system
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