JPH11114400A - アスファルト乳剤用カチオン性乳化剤 - Google Patents

アスファルト乳剤用カチオン性乳化剤

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JPH11114400A
JPH11114400A JP9286818A JP28681897A JPH11114400A JP H11114400 A JPH11114400 A JP H11114400A JP 9286818 A JP9286818 A JP 9286818A JP 28681897 A JP28681897 A JP 28681897A JP H11114400 A JPH11114400 A JP H11114400A
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和雄 磯部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化性及び貯蔵安定性が優れているアスファ
ルト乳剤用カチオン性乳化剤及びそれを用いたアスファ
ルト乳剤を得る。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 [式中、R1は炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は炭素数1
〜4のアルキル基を示し、R4は水素又は炭素数1〜4
のアルキル基を示し、xは1〜4の整数を示す]で表さ
れる化合物を含有するアスファルト乳剤用カチオン性乳
化剤及びそれを用いたアスファルト乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルトに対
して優れた乳化性能を示し、製造されるアスファルト乳
剤に対し優れた貯蔵安定性を与えるアスファルト乳剤用
カチオン性乳化剤に関する。また、本発明は、前記アス
ファルト乳剤用カチオン性乳化剤を用いたアスファルト
乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石油から得られるアスファルト、ター
ル、ピッチ等の瀝青質は、古くから、舗装材料や防水・
接着材料として、及び鉄道軌道の敷設において、広く使
用されている。しかし、瀝青質は非常に粘着性が高いた
め、そのままで使用すると作業性が極めて悪い。そこ
で、所望の作業性を確保するために、瀝青質は、加熱す
る(即ち、加熱溶融方式)、適当な乳化剤及び水を用い
て乳化物の形態とする、適当な溶剤に溶解させる等の方
法によってその流動性を向上させたのちに、使用されて
いる。
【0003】瀝青質の乳化物のうち、アスファルトの水
性乳化物は、一般に「アスファルト乳剤」と呼ばれてい
る。そのようなアスファルト乳剤は、施工面に直接散布
される急分解性乳剤(即ち、散布用乳剤)と、骨材と混
合される遅分解性乳剤(即ち、混合用乳剤)とに大別さ
れる。アスファルト乳剤の調製において使用される界面
活性剤は、アニオン性活性剤、カチオン性活性剤、ノニ
オン性活性剤及び両性活性剤の中から適宜選択される
が、その種類は、概ね、その施工方法に応じて規定され
る。
【0004】上記アスファルト乳剤のうち、混合用乳剤
は、骨材、フィラー、その他の成分と混合される。その
ようにして調製されたアスファルト組成物が、道路舗装
体の形成に用いられる。アスファルト組成物を用いて道
路施工したのち、その組成物中の水性成分が蒸発して除
去されると、いわゆるエマルション破壊が起こる。それ
により、アスファルトが硬化し、道路舗装体の形成が完
成する。
【0005】また、この混合用乳剤と共に使用される骨
材の種類により、形成される道路舗装体の種類と、その
性質・性能が異なる。例えば、混合用乳剤と開粒度骨材
とからなるアスファルト組成物(開粒度混合)は、上層
・下層路盤の施工に又は表層の排水性舗装の施工に使用
される。また、混合用乳剤と密粒度骨材とからなるアス
ファルト組成物(密粒度混合)は、上層路盤や表層の施
工に使用される。さらに、混合用乳剤を細骨材やフィラ
ーと混合してなる組成物は、劣化舗装表面の修復を目的
とするスラリーシールに、それを砂と混合してなる組成
物(サンド混合)は、簡易表層の形成に使用される。劣
化した既設舗装の再利用のために、混合用乳剤を舗装体
の破砕物と混合すること(再生混合)も行われている。
一方、このようなアスファルト組成物を調製するための
混合方法には、プラント混合と路上混合の二種類があ
り、それは、状況に応じて適宜使い分けられる。
【0006】これらの道路舗装用途に用いられるアスフ
ァルト乳剤は一般にカチオン性アスファルト乳剤が使用
される。カチオン性アスファルト乳剤の製造に用いられ
る乳化剤は、アルキルモノアミン、アルキルプロピレン
ジアミン、アルキルジプロピレントリアミン又はそれら
のアルキレンオキサイド付加物、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド等の含窒素化合物が一般的であ
る。カチオン性乳剤の特徴は湿った骨材への付着性、混
合性が優れていること及び施工後のアスファルト養生が
短時間のうちに行われるので施工時間が短くてすむこと
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら乳化剤
を用いて製造したカチオン性アスファルト乳剤は、全て
の面で優れているわけではなく、長期間保存していると
底部に沈殿を生じ、いわゆる貯蔵安定性がよくないとい
う問題がある。
【0008】また、近年の交通量の増加という交通環境
の変化に伴い、道路も高耐久性が要求されるようになっ
てきた。これに伴いカチオン性アスファルト乳剤に使用
されるアスファルトも針入度の小さい、即ち硬いアスフ
ァルトや、スチレン・ブタジエンゴム又は熱可塑性エラ
ストマー、スチレン・ブタジエンブロックポリマーを添
加した改質アスファルトが使用されるようになってき
た。
【0009】しかし、これらのアスファルトは乳化がよ
り困難であるため、製造されたアスファルト乳剤の平均
粒径は大きく、そのため貯蔵安定性の面で問題がある。
これらの点を解決する目的で特公昭54−44248、
特公昭59−123523では、モノアミンとポリアミ
ンを配合した乳化剤が開示されているものの、上記問題
点を完全に解決しうるものではない。さらに貯蔵安定性
を改善する目的で水溶性高分子、例えばポリビニルアル
コール、ゼラチン、メチルセルロース、グアーガム等を
アスファルト乳剤に添加する方法も提案されているが、
アスファルト乳剤の粘度が高くなりすぎる、施工後の道
路の劣化が早くなるといった問題がある。
【0010】また、特開平6−319974号公報に
は、陽イオン窒素化乳化剤と、ホスホン酸の少なくとも
1種の水溶性金属イオン封鎖剤又はこの前駆体からなる
補助剤を含む陽イオン乳化剤系が開示されているもの
の、このものは解乳化性の改善を目的としたものであ
り、貯蔵安定性の問題は改善されていない。
【0011】そこで本発明は、アスファルトに添加した
場合、針入度の小さな硬いアスファルトや改質アスファ
ルトに対する乳化作用が優れており、貯蔵安定性も優れ
ているアスファルト乳剤用カチオン性乳化剤及びそれを
用いたアスファルト乳剤を提供することを目的とするも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カチオン
性アスファルト乳剤に関する上記問題点を解決すべく鋭
意研究した結果、特定構造のカチオン性乳化剤を使用す
ることにより、針入度の小さな硬いアスファルトや改質
アスファルトに対する乳化作用が優れており、得られる
アスファルト乳剤の貯蔵安定性も優れていることを見出
し、本発明を完成した。
【0013】即ち本発明は、下記一般式(1):
【0014】
【化2】
【0015】[式中、R1は炭素数11〜23の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及び
3は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4は水素又は
炭素数1〜4のアルキル基を示し、xは1〜4の整数を
示す]で表される化合物を含有することを特徴とするア
スファルト乳剤用カチオン性乳化剤を提供するものであ
る。
【0016】また本発明は、アスファルト、前記のアス
ファルト乳剤用カチオン性乳化剤及び水を含有してお
り、前記アスファルト乳剤用カチオン性乳化剤の含有量
が0.02〜3.0重量%であり、pHが1.5〜7.
0であることを特徴とするアスファルト乳剤を提供する
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のアスファルト乳剤用カチ
オン性乳化剤(以下、「カチオン性乳化剤」という)に
含まれる一般式(1)の化合物において、式中のR1
炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はア
ルケニル基であり、好ましくは炭素数13〜21の直鎖
又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に
好ましくは炭素数15〜19の直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル又はアルケニル基である。R2及びR3は炭素数1〜4
のアルキル基であり、好ましくは1又は2のアルキル基
である。R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
であり、好ましくは水素原子又は炭素数1もしくは2の
アルキル基である。xは1〜4の整数であり、好ましく
は2又は3である。
【0018】一般式(1)で表される化合物としては、
ジメチルアミノプロピルステアロイルアミンのアミンオ
キサイド、ジメチルアミノプロピルパルミトイルアミン
のアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピルミリスト
イルアミンのアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピ
ルラウロイルアミンのアミンオキサイド、ジメチルアミ
ノプロピルメチルステアロイルアミンのアミンオキサイ
ド、ジメチルアミノプロピルメチルパルミトイルアミン
のアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピルメチルミ
リストイルアミンのアミンオキサイド、ジエチルアミノ
プロピルパルミトイルアミンのアミンオキサイド、ジエ
チルアミノプロピルミリストイルアミンのアミンオキサ
イド、ジエチルアミノプロピルステアロイルアミンのア
ミンオキサイド、ジエチルアミノプロピルメチルステア
ロイルアミンのアミンオキサイド、ジメチルアミノプロ
ピルアミン・ヤシ脂肪酸アミドのアミンオキサイド、ジ
メチルアミノプロピルアミン・牛脂脂肪酸アミドのアミ
ンオキサイド、ジメチルアミノプロピルアミン・パーム
油脂肪酸アミドのアミンオキサイド、ジメチルアミノプ
ロピルアミン・パーム核油脂肪酸アミドのアミンオキサ
イド、ジメチルアミノプロピルアミン・硬化パーム脂肪
酸アミドのアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピル
アミン・硬化牛脂脂肪酸アミドのアミンオキサイド、ジ
メチルアミノプロピルアミン・コーヒーオイル脂肪酸ア
ミドのアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピルアミ
ン・トール油脂肪酸アミドのアミンオキサイド等を挙げ
ることができる。これらの中でも好ましくは、ジメチル
アミノプロピルステアロイルアミンのアミンオキサイ
ド、ジメチルアミノプロピルアミン・硬化牛脂脂肪酸ア
ミドのアミンオキサイド、ジメチルアミノプロピルアミ
ン・牛脂脂肪酸アミドのアミンオキサイド、ジメチルア
ミノプロピルパルミトイルアミンのアミンオキサイド、
ジメチルアミノプロピルミリストイルアミンのアミンオ
キサイド、ジメチルアミノプロピルアミン・ヤシ脂肪酸
アミドのアミンオキサイド等を挙げることができる。
【0019】一般式(1)で表される化合物の製造方法
としては、脂肪酸又は脂肪酸と低級アルコールのエステ
ルとアミン化合物を縮合反応させたのち、過酸化水素で
酸化する方法が一般的であるが、この方法に限られるも
のではない。
【0020】カチオン性乳化剤には、さらに使用目的に
応じてその他の界面活性剤として、ノニオン性界面活性
剤、アルキルアミン、アルキルポリアミン、アルキルア
ミン又はアルキルポリアミンのアルキレンオキシド付加
物、脂肪酸アミドアミン、ポリアミンの脂肪酸アミド、
イミダゾリン、4級アンモニウム塩、両性界面活性剤及
びアミノ化リグニンから選ばれる1種又は2種以上を配
合することができる。この場合の本発明カチオン性乳化
剤/その他の乳化剤の配合割合は、優れた乳化性能とア
スファルト乳剤の貯蔵安定性を得るため、重量比で好ま
しくは10/90〜99/1であり、特に好ましくは1
0/90〜90/10であり、さらに好ましくは20/
80〜70/30である。
【0021】カチオン性乳化剤には、乳化剤の形態の面
から、例えば液状にする目的で、水、低級アルコール、
グリコール、ポリオキシエチレングリコール等の溶剤
類、グルコースやソルビトール等の糖類、低級脂肪酸
類、低級アミン類、パラトルエンスルホン酸やエーテル
カルボン酸等のハイドロトロープ剤等を配合することも
できる。
【0022】カチオン性乳化剤には、道路施工時におけ
る骨材とセメントとの混合性を改善する目的で、オリゴ
マー型活性剤を添加することができる。オリゴマー型活
性剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ナフタレン
スルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム
等を挙げることができる。
【0023】カチオン性乳化剤には、アスファルト乳剤
の貯蔵安定性を更に向上させる目的で水溶性高分子を添
加することができる。水溶性高分子としては、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン
化セルロース、メチルセルロース、ガム類等を挙げるこ
とができる。さらに、施工後の骨材とアスファルトの付
着性を向上させる目的でタンニン、没食子酸等のフェノ
ール系化合物を添加することもできる。
【0024】本発明のカチオン性乳化剤の使用量は、経
済性を考慮し、優れた貯蔵安定性を得るため、通常の使
用においては生成するアスファルト乳剤重量に対して、
好ましくは0.02〜3.0重量%であり、より好まし
くは0.05〜2.0重量%であり、もっとも好ましく
は0.10〜1.0重量%である。
【0025】本発明のアスファルト乳剤は、アスファル
ト、カチオン性乳化剤及び水を含有するものである。
【0026】本発明のアスファルト乳剤で用いるアスフ
ァルトとしては、石油ストレートアスファルト、ブロー
ンアスファルト、セミブローンアスファルト、カットバ
ックアスファルト、天然アスファルト、劣化した道路か
ら回収されたアスファルト及び改質アスファルトI型、
改質アスファルトII型等を挙げることができる。
【0027】本発明のアスファルト乳剤で用いる水とし
ては、海水のような極端に塩濃度の高いものでなけれ
ば、水道水、地下水、工業用水等を用いることができ
る。
【0028】アスファルト乳剤中におけるアスファルト
及び水の含有量は、常温で流動性のある所望の貯蔵安定
性及び静置安定性を有する乳剤を得るため、アスファル
トの含有量が40〜80重量%であり、好ましくは50
〜75重量%であり、水の含有量が20〜60重量%で
あり、好ましくは25〜75重量%である。カチオン性
乳化剤の含有量は、上記したとおりである。
【0029】本発明のアスファルト乳剤は、pHが1.
5〜7.0であり、好ましくは1.5〜4.0である。
このpHの調整には、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸又は
酢酸等の有機酸を用いることができ、これらの中でも塩
酸が好ましい本発明のアスファルト乳剤には、さらに必
要に応じて、上記したその他の界面活性剤、溶剤類、糖
類、ハイドロトロープ剤 、オリゴマー型活性剤、水溶
性高分子、フェノール系化合物等を配合することができ
る。また、本発明のアスファルト乳剤には、乳化時の泡
立ち及び乳化性能を改善する目的で、塩化ナトリウム、
塩化カルシウム、芒硝、塩化カリウム、塩化アルミニウ
ム等の無機化合物を配合することができる。
【0030】本発明のアスファルト乳剤は、使用目的に
応じて選択されるコロイドミル、ハレル型ホモジナイザ
ー、ホモジナイザー、ラインミキサー等の乳化機により
製造することができる。アスファルトは加熱溶融状態に
して乳化を行うが、その際の加熱温度はアスファルト
種、乳化機等の条件によって異なり、一般的には120
〜160℃が好ましい。カチオン性乳化剤の温度は、ア
スファルトの温度と製造するアスファルト乳剤を何度に
するかによって決まるが、通常は30〜60℃に加温し
て使用される。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0032】実施例1 針入度80〜100のストレートアスファルト60重量
部を、145℃に加熱溶融した。55℃の温水に表1に
示す一般式(1)で表される化合物1をアスファルト乳
剤重量に対して0.4重量%となるような量を溶かし、
塩酸でpH3に調整したカチオン性乳化剤40重量部
と、前記溶融アスファルトとを同時にコロイドミルに通
して、アスファルト乳剤を得た。このアスファルト乳剤
の貯蔵安定度(静置安定性)、ふるい残留物、粘度、蒸
発残留物(アスファルト濃度)をJIS K 2208
に従い又はそれに準じて下記の方法により測定した。ま
た、平均粒子径をレーザー回折粒度分布測定装置(島津
社製、LA−500)にて測定した。結果を表2に示
す。
【0033】(静置安定性)静置安定性試験用シリンダ
ーにアスファルト乳剤を所定量入れて24時間静置し
た。その後、上部50g及び下部50gを各々採取し、
乾燥したのち、蒸発残分の差を求めた。この値が小さい
ほど沈殿等によるアスファルトの損失が少なく、静置安
定性がよいことを示している。
【0034】(アスファルト濃度)1500mlのステ
ンレス製容器にアスファルト乳剤300gを採取し、電
熱器を用いて、温度計でかき混ぜながら20分程度かけ
て加熱した。アスファルト乳剤の泡立ちが終了し、水分
がなくなったことを確認してから、さらに160℃で1
分間加熱したのち、室温まで放冷した。その後、残留物
の重量をはかり、試験前重量に対する重量百分率(%)
(アスファルト濃度)を求めた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用したカチオン性乳化剤は、化合物2を0.3重量%
及び塩化カルシウム0.1重量%を用い、塩酸でpH2
に調整したものである。得られたアスファルト乳剤につ
いて、実施例1と同様の試験をした。結果を表2に示
す。
【0037】実施例3 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用したカチオン性乳化剤は、化合物3を0.2重量%
及び塩化カルシウム0.1重量%を用い、塩酸でpH2
に調整したものである。得られたアスファルト乳剤につ
いて、実施例1と同様の試験をした。結果を表2に示
す。
【0038】比較例1 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用した乳化剤は、牛脂アルキルプロピレンジアミン
0.4重量%を、塩酸でpH2に調整したものである。
得られたアスファルト乳剤について、実施例1と同様の
試験をした。結果を表2に示す。
【0039】比較例2 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用した乳化剤は、ステアリルトリメメチルアンモニウ
ムクロライド0.3重量%及び塩化カルシウム0.1重
量%を用い、塩酸でpH2に調整したものである。得ら
れたアスファルト乳剤について、実施例1と同様の試験
をした。結果を表2に示す。
【0040】比較例3 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用した乳化剤は、エチレンジアミンモノステアリルア
ミドを等モルの過酸化水素で酸化処理した化合物0.3
重量%及び塩化カルシウム0.1重量%を用い、塩酸で
pH2に調整したものである。得られたアスファルト乳
剤について、実施例1と同様の試験をした。結果を表2
に示す。
【0041】
【表2】
【0042】本発明のカチオン性乳化剤及びアスファル
ト乳剤は、従来より使用されていた牛脂アルキルプロピ
レンジアミン、ステアリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等を用いて得られるアスファルト乳剤等に比較
し、アスファルト乳剤の蒸発残留分及び粘度は各例とも
ほぼ同じであるにもかかわらず、いずれの例においても
貯蔵安定度に優れ、ふるい残留分が少なく、平均粒子径
が細かくなっていた。この結果から、本発明のカチオン
性乳化剤及びアスファルト乳剤が優れたものであること
が明らかとなった。
【0043】実施例4 針入度80〜100のストレートアスファルトに熱可塑
性エラストマー(タフプレン、旭化成工業(株)製)を
3重量%添加し、ホモジナイザーにより、180℃で3
時間攪拌し、改質アスファルトI型を得た。この改質ア
スファルトI型60重量部を145℃に加熱溶融した。
55℃の温水に、アスファルト乳剤重量に対して0.4
重量%となるような量の化合物4と0.1重量%となる
ような量の塩化カルシウムを溶かし、塩酸でpH2に調
整したカチオン性乳化剤40重量部と、溶融改質アスフ
ァルトI型60重量部を同時にコロイドミルに通して、
アスファルト乳剤を製造した。このアスファルト乳剤の
貯蔵安定度(静置安定性)、ふるい残留物、粘度、蒸発
残留物(アスファルト濃度))をJIS K 2208
に従い又はそれに準じて測定した。また、平均粒子径を
レーザー回折粒度分布測定装置(島津社製、LA−50
0)にて測定した。結果を表3に示す。
【0044】実施例5 実施例4と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用したカチオン性乳化剤は、化合物2を0.3重量%
及び塩化カルシウム0.1重量%を用い、塩酸でpH2
に調整したものである。得られたアスファルト乳剤につ
いて、実施例4と同様の試験をした。結果を表3に示
す。
【0045】比較例4 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
使用した乳化剤はステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライドを0.4重量%及び塩化カルシウム0.1%重
量を用い、塩酸でpH2に調整したものである。得られ
たアスファルト乳剤について、実施例4と同様の試験を
した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】本発明のカチオン性乳化剤は、乳化が困難
である改質アスファルトI型を用いても、ストレートア
スファルトを用いた場合と同様に、充分な乳化性及び乳
化安定性を有するアスファルト乳剤を得ることができ
た。
【0048】実施例6〜8及び比較例5〜7 実施例1と同様の方法でアスファルト乳剤を製造した。
乳化剤は表4に示すものを用いた。但し、塩化カルシウ
ム等の添加剤は用いず、pHは塩酸を用いてpH2に調
整した。得られたアスファルト乳剤について、実施例1
と同様の試験をした。結果を表5に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】この結果より、本発明のカチオン性乳化剤
は、他の乳化剤と併用しても、乳化性及び乳化安定性が
充分発現することが明らかとなった。
【0052】
【発明の効果】本発明のカチオン性乳化剤は、針入度の
小さな硬いアスファルトや改質アスファルトに対しても
優れた乳化作用を発揮することができるため、これらの
アスファルトを用いた乳剤であっても貯蔵安定性が優れ
ている。よって、乳剤中のアスファルト分の損失を少な
くできるため、作業コストを低下させることができる。
本発明のカチオン性乳化剤及びそれを用いたアスファル
ト乳剤は、道路舗装、防水・接着材料、鉄道軌道の敷
設、燃料等に広く利用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 [式中、R1は炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は炭素数1
    〜4のアルキル基を示し、R4は水素又は炭素数1〜4
    のアルキル基を示し、xは1〜4の整数を示す]で表さ
    れる化合物を含有することを特徴とするアスファルト乳
    剤用カチオン性乳化剤。
  2. 【請求項2】 さらに、ノニオン性乳化剤、アルキルア
    ミン、アルキルポリアミン、アルキルアミン又はアルキ
    ルポリアミンのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミ
    ドアミン、ポリアミンの脂肪酸アミド、イミダゾリン、
    4級アンモニウム塩、アルキルピペラジン型界面活性
    剤、両性乳化剤及びアミノ化リグニンからなる群から選
    ばれる1種以上を含有する請求項1記載のアスファルト
    乳剤用カチオン性乳化剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される化合物/他の乳
    化剤が、重量比で10/90〜99/1の比率である請
    求項2記載のアスファルト乳剤用カチオン性乳化剤。
  4. 【請求項4】 アスファルト、請求項1、2又は3記載
    のアスファルト乳剤用カチオン性乳化剤及び水を含有し
    ており、前記アスファルト乳剤用カチオン性乳化剤の含
    有量が0.02〜3.0重量%であり、pHが1.5〜
    7.0であることを特徴とするアスファルト乳剤。
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