JPS6317960A

JPS6317960A - 瀝青乳剤

Info

Publication number: JPS6317960A
Application number: JP61161201A
Authority: JP
Inventors: Ryoichi Tamaoki; 良市玉置; Kenzo Kunikawa; 国川　憲三
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1986-07-09
Filing date: 1986-07-09
Publication date: 1988-01-25
Anticipated expiration: 2012-08-27
Also published as: JP2647831B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は水中油滴型瀝青乳剤に関し、更に詳しくは瀝青
乳剤の性質として乳剤安定性、骨材との混合性、分解時
間コントロール、付着性、剥離防止効果等の優れた瀝青
乳剤に関するものである。

〔従来の技術及び問題点〕

石油又は石炭から得られるアスファルト、タール、ピッ
チの様な瀝青質は作業性を付与する為に乳剤化して舗装
材料、防水接着材料及び鉄道軌道等に広く利用されてい
る。

瀝青乳剤は使用した乳化剤（界面活性剤）の種類によっ
てアニオン性乳剤、カチオン性乳剤、ノニオン性乳剤の
３種類があり、またこれらの乳剤は施工面に直接散布し
て用いる急分解性乳剤と、骨材と混合して用いる遅分解
性乳剤とＧご大別できる。

いずれの場合においても乳剤が破壊して再生する瀝青質
は骨材間のバインダーとして作用するので骨材との付着
性機能が極めて重要である。

ところが、アニオン性乳剤及びノニオン性乳剤は骨材と
の混合性が良いという利点を有するが、骨材との付着性
が悪いという大きい欠点がある。

他方、カチオン性乳剤は瀝青分散粒子と骨材との間に電
気的誘引力を働かせて付着性機能を付与しているが、実
用上まだ十分とはいえずその改善策が要望されている。

更に、骨材と混合して用いる遅分解性乳剤は、機械的な
強制攪拌混合安定性が良いこと、及び運搬、敷きならし
、転圧などの施工中は分解しないことが重要で、舗設後
は分解がある程度速く、付着性が優れていること、並び
にこのような諸性質が骨材の種類、施工時の気温等の影
響を受けないなどの条件を満足させなければならない。

この対策として乳化剤を多量に使用するか、乳化剤を多
成分系にするか、また水溶性の有機高分子、例えばポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ポリ
アクリルアミド、グアーガム等を保護コロイドとして添
加する方法が広く考えられている。しかし、瀝青乳剤は
安定化されるが、骨材−瀝青質界面の性質を改善し、骨
材との付着性を本質的に改善するという効果を得ること
が出来ない。

その他、瀝青乳剤の骨材混合性、付着性能向上のために
従来諸々の方法が考案されてきている。例えば、特公昭
４９−６１７４号公報によれば、多価アルコール脂肪酸
部分エステルが用いられているが、骨材混合安定性は改
良されるが、接着性、水の介入による剥離抵抗性能は不
十分である。

また、特公昭５６−４５８８号公報には飽和高級脂肪酸
を瀝青質に添加し、混合性と付着性を改善する方法も提
案されているが、この場合カチオン性乳化剤との併用が
主体となり、アルカリ性を示すセメントや鉄鉱滓を混入
する配合系では使用不可能である。

更にまた、水溶性高分子と水溶性無機塩を多量に使用し
た組成物が特開昭５７−４２７６３号公報に開示提案さ
れている。ところが、瀝青乳剤が分解し原瀝青質に再生
した時、多量の無機塩が瀝青質中に残存するため瀝青質
本来の伸度が著しく減殺されバインダー特性が失われて
いる結果となる。

しかも、近年は道路用アスファルトや骨材の品質低下が
懸念される一方、再生材料の利用も検討されているが、
良好な混合性及び強固な付着性が期待できず、アスファ
ルト乳剤の改質が強く望まれている。しかしながら、未
だ上述した問題点及び市場が要求する諸性能をすべて解
消すべき手段は開発されていない。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明者らは、乳化安定性、骨材混合性及び骨材
付着性に優れた理想的な瀝青乳剤を得るべ（鋭意努力研
究した結果、瀝青質を乳化する際、乳化剤（界面活性剤
）水溶液にタンニン酸又はタンニン化合物を添加配合す
ると、このタンニン酸又はタンニン化合物が、乳化助剤
効果、粒子の保護コロイド効果及び瀝青粒子の骨材付着
親和性効果等の複合作用を示し、優れた物性を有する瀝
青乳剤が得られることを見出し、本発明を完成した。

即ち本発明は、瀝青質４０〜８０重量部、水６０〜２０
重量部、界面活性剤０．０１〜１０．０重量部、及びタ
ンニン酸もしくはタンニン化合物０．０１〜５．０重量
部を含有することを特徴とする瀝青乳剤に係わるもので
ある。

本発明に使用するタンニン酸又はタンニン化合物は、ポ
リフェノール性の複雑な化合物で、大きな疎水基（ベン
ゼン骨格）と多数の−ＯＨ基を同時に有し、これが本発
明の効果を発現するのに必要な条件である。用いられる
タンニン酸又はタンニン化合物としては、例えばウルシ
科に属するケブラチョ、デプジト、支那塵タンニン酸、
トルコ産タンニン酸、ハマメリタンニン酸、ケブリン酸
、スマソクタンニン、五倍子タンニン、エラーグ酸タン
ニン等、及びこれらの精製タンニン酸を挙げることがで
きる。その使用量は、瀝青質４０〜８０重量部に対し０
．０１〜５．０重量部、好ましくは０．１〜１．０重量
部であり、このような少量を添加しただけで骨材混合性
、骨材付着性に優れた瀝青乳剤を調製することができる
。

本発明において、タンニン酸又はタンニン化合物の添加
配合方法としては、界面活性剤水溶液（乳化液）に予め
溶解させておいて瀝青質を乳化して瀝青乳剤を調製して
もよく、また、界面活性剤水溶液と瀝青質とを乳化して
得られた瀝青乳剤に後で添加混合しても良い。即ち、界
面活性剤水溶液に添加溶解して瀝青質を乳剤化する方法
の他、驚（べきことに既に調製された急分解性用瀝青乳
剤（散布用）に添加混合するだけで遅分解性用瀝青乳剤
（骨材混合用）に変換調製できることも大きな特徴であ
る。

このタンニン酸又はタンニン化合物の添加による効果は
、疎水性骨格と親水基を同時に有する界面活性剤的構造
に起因するものであり、この構造のために湿潤浸透作用
で瀝青粒子表面に吸着し、多数の一〇Ｈ基による水和構
造により保護層が形成され粒子が安定化され骨材と混合
しても急分解しないと考えられる。一方、吸湿状態にあ
る殆どの骨材表面は一〇Ｈ基を有しており、タンニン酸
又はタンニン化合物の多数の一〇Ｈ基との間に水素結合
が形成され物理的吸着が伴って強固な付着性を示すと推
察できる。

従って、大きな疎水性骨格と多数の一０１１基を有する
化合物が効果を発現するのに必要であって、ソルビトー
ル、エチレングリコール、ベンゼンジオール、ベンゼン
トリオールなどの多価アルコール、ポリエーテルポリオ
ール類、糖類、リグニンスルホン酸などの化合物は付着
性機能に効果的でない。

本発明において、瀝青質としては石油ストレートアスフ
ァルト、セミプローンアスファルト、カントバンクアス
ファルト、天然アスファルト、石油タール、ピッチ、溶
剤税源アスファルト、重油などの１種又は２種以上の混
合物等が挙げられる。更に天然ゴム、スチレン−ブタジ
ェン共重合物、クロロプレン共重合物等の合成ゴム及び
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの高
分子重合体、石油樹脂、熱可塑性樹脂など改質瀝青質も
使用できる。それ以外に、例えば炭酸カルシウム、消石
灰、セメント、活性炭などの無機充填剤及び有機充填剤
、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、各種可塑剤、イオウ
など必要により添加することもできる。

瀝青質用乳化剤として用いる界面活性剤は、ノニオン性
、アニオン性、カチオン性、両イオン性のいずれを使用
してもよ（，１種又は２種以上の多成分系であっても良
い。ここで四級塩でないカチオン性乳化剤の場合は、塩
酸、酢酸、硝酸、スルファミン酸、ジメチル硫酸等で各
々の酸塩の型で使用する。界面活性剤の使用量は、瀝青
質４０〜８０重量部に対して０．０１〜１０．０重量部
で、特に０．０５〜５．０重量部が適量である。これら
の界面活性剤を４５℃〜８０℃の温水に溶解して乳化液
となし、これと１２０℃〜１８０℃に溶融した瀝青質と
を同時にホモジナイザーもしくはコロイドミルに通して
瀝青乳剤を製造する。瀝青乳剤中の乳化液と瀝青質の配
合割合は、乳化液中の水６０〜２０重量部好ましくは５
０〜３０重量部に対して、瀝青質４０〜８０重量部好ま
しくは５０〜７０重量部である。

その他、使用目的、施工法など実用に際して塩化アンモ
ニウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化鉄な
どの水溶性無機塩、及びポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カチ
オン澱粉など水溶性高分子を適宜選択し併用することも
できる。

〔発明の効果〕

以上、詳述した如く、瀝青質、界面活性剤、及び添加剤
を適宜選択し、更にタンニン酸又はタンニン化合物を添
加配合して乳剤を調製することにより、骨材混合性、骨
材付着性、貯蔵安定性、凍結安定性及び低発泡性の市場
が要求する諸性能をすべて満足させる瀝青乳剤が得られ
ることが本発明者らの実験によって初めて明らかにされ
たのである。

従って、このような瀝青乳剤は、道路舗装用、鉄道線路
用、セメントアスファルトモルタル用、防蝕、防錆、防
水処理用、接着剤用、農業用地改良材用などの用途に有
効に利用することができる。

〔実施例〕

次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

実施例−１針入度８０〜１００のアスファルトを１５０℃に加熱溶
融した。一方、５０℃の温水に第１表に示す界面活性剤
と塩化カルシウム０．１５重置部とを溶解せしめた後に
タンニン酸を添加溶解させた。

この５０℃の乳化液４０重量部と前記１５０℃の溶融ア
スファルト６０重量部とを同時にコロイドミルに通して
乳剤を調製した。但し、アミン系の界面活性剤を使用す
る場合は塩酸を加え乳化液をｐ１１３に調整した。

又、比較のためにタンニン酸を添加しない乳剤も調製し
た。

得られた乳剤の骨材混合性能、付着性能を測定し、第１
表に示した。

注）本１　ｉ　ＪＩＳ　Ｋ−２２０８に準じたが、判定は次
の５点法で実施した。

１・・・骨材の表面に乳剤が全く付着しない。

２・・・混合中に乳剤が分解。

３・・・均等に混合するが、直ぐ分解し、作業性なし。

４・・・均等に混合するが、乳剤と骨材が分離している
。

５・・・均等に混合し、分離もなく、作業性も最良の状
態。

本２；５〜１３＋＊＋ｍの乾燥骨材を水中に１分間浸漬
し、取り出した後直ぐ乳剤中に１分間浸漬する。そして
骨材をガラス板上に並べこれを室温で２４時間養生乾燥
後、８０℃の温水に３０分間浸漬する。３０分後管材の
表面にアスファルト皮膜が被覆している面積の割合を肉
眼で判定し付着面積（％）として表示した。但し、１回
の試験で用いた骨材の数は１０個とした。

第１表から明らかなように、タンニン酸はどのような界
面活性剤を使用しても乳化助剤として作用するばかりで
なく、骨材混合性機能を高め、更にどんな種類の骨材に
対しても付着性を大幅に向上させる効果がある。

実施例−２針入度８０〜１００のアスファルトを１５０℃に加熱溶
融した。一方、５０℃の温水に牛脂プロピレンジアミン
０．５重量部、塩化カルシウム０．１５重量部、３５％
塩酸０．６２重量部を加えて透明に溶解させた。この５
０℃の乳化液４０重量部と前記１５０℃の溶融アスファ
ルト６０重量部とを同時にコロイドミルに通して乳剤を
調製した。この乳剤にタンニン酸５０重量％水溶液を後
添加で混合し骨材混合性を試験した。

結果を第２表に示す。

第２表注）ｍｌ　：　ＪＩＳ　Ｋ−２２０８に準じた。

Ｏ・・・均一に混合できる Δ・・・混合可能だが直ぐ分解 ×・・・混合不可能第２表から明らかなように、従来の急分解性用乳剤にタ
ンニン酸を後添加することにより遅分解性用乳剤に変え
ることが可能である。つまり、タンニン酸の添加量によ
り実用に応じて乳剤の分解性を自由に調節することがで
きることが本発明によって初めて明らかにされたもので
ある。

　ｂ実施例−３針入度８０〜１００のアスファルトを１５０℃に加熱溶
融した。一方、５０℃の温水に牛脂プロピレンジアミン
０．５重量部、３５％塩酸０．９３重量部、塩化カルシ
ウム０．１５重量部とを加えて溶解させた。これに第３
表に示す水溶性高分子を０．４重量部加えて溶解させた
。この５０℃の乳化液４０重量部と前記１５０℃の溶融
アスファルト６０重量部とを同時にコロイドミルに通し
て乳剤を調製し、骨材混合性及び付着性試験を実施した
。結果は第３表に示す。

第　　３　　表注）ｍｌ　；　ＪＩＳ　Ｋ−２２０８に準じた。

＊２；試験法及び表示は第１表（＊２）と同様第３表か
ら明らかなように、公知の水溶性高分子では骨材混合性
は不十分で、且つ付着性を改善する効果はない。ところ
がタンニン酸及びタンニン化合物の配合処方では混合性
、付着性に優れた乳剤が得られることが判る。

Claims

【特許請求の範囲】

瀝青質４０〜８０重量部、水６０〜２０重量部、界面活
性剤０．０１〜１０．０重量部、及びタンニン酸もしく
はタンニン化合物０．０１〜５．０重量部を含有するこ
とを特徴とする瀝青乳剤。