JPH11113481A - パン生地 - Google Patents

パン生地

Info

Publication number
JPH11113481A
JPH11113481A JP10227700A JP22770098A JPH11113481A JP H11113481 A JPH11113481 A JP H11113481A JP 10227700 A JP10227700 A JP 10227700A JP 22770098 A JP22770098 A JP 22770098A JP H11113481 A JPH11113481 A JP H11113481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dough
bread
seed gum
flour
bread dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10227700A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamada
高司 山田
Keiko Tanaka
啓子 田中
Katsushi Hayakawa
克志 早川
Shinji Ishigami
真二 石神
Ryuji Kamimura
竜治 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP10227700A priority Critical patent/JPH11113481A/ja
Publication of JPH11113481A publication Critical patent/JPH11113481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観、内相、風味および食味に優れるパン生
地、その製造法、該パン生地用の穀粉組成物及びパン生
地改良剤の提供。特に、冷凍工程を経ない通常の製パン
方法によるパン類と同じように、大きな体積を有し、フ
ィッシュアイの出現がなく、焼色の赤色化がなく、均一
な焼色、揚げ色、形状を有し、内相、風味及び食味に優
れるパン類を得ることのできる冷凍パン生地、更に包餡
機を用いる餡入り製パンにおいて前記した優れた品質を
有するパン類を得ることのできるパン生地、該パン生地
の製造法、そのための穀粉組成物及び製パン改良剤の提
供。 【解決手段】 サイリュームシードガムを含有する本発
明のパン生地、その製造法、パン生地用穀粉組成物、お
よび製パン改良剤によって上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン生地、その製
造方法、前記パン生地の製造に用いる穀粉組成物、パン
生地用の改良剤および前記パン生地を用いて得られるパ
ン類に関する。より詳細には、本発明は、大きな体積を
有し、フィッシュアイの出現、焼色の赤色化、しわの発
生などがなく、均一な焼色や揚げ色、形状を有し、外観
に優れ、しかも内相、風味および食味に優れる高品質の
パン類を得ることのできるパン生地、その製造方法、前
記パン生地の製造に用いる穀粉組成物、パン生地用の改
良剤および前記ン生地を用いて得られるパン類に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、製パン業界においては、その利便
性から、冷凍パン生地が用いられるようになっている。
冷凍パン生地の製造法は、一般に、混捏直後に生地を
冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する
玉生地冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、
および最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ
済み冷凍法に大きく分類される。
【0003】上記した〜の冷凍パン生地の製造法の
うちでも、成形冷凍法およびホイロ済み冷凍法は、解凍
後に要する手間が少なくて、最終的なパン製品を簡単に
且つ短時間に製造できることから注目を集めている。具
体的には、成形冷凍法により得られる冷凍パン生地を用
いる場合は、成形冷凍生地を解凍した後に最終発酵を行
い、次いで焼成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけで最
終的なパン製品を得ることができ、またホイロ済み冷凍
法により得られる冷凍パン生地を用いる場合は、ホイロ
済み冷凍生地を解凍した後に焼成、油揚げまたは蒸し処
理を行うだけで最終的なパン製品を簡単に得ることがで
きる。
【0004】そのため、成形冷凍法またはホイロ済み冷
凍法により得られる冷凍パン生地を用いる場合は、発酵
室とオーブンを備えておくだけで、いわゆる“スクラッ
チベーカリ”(最初の原料の仕込みから焼成までを一貫
して行うベーカリー)と同様のパン製品の品揃えが可能
になり、店舗展開に要するコストが少なくて済むように
なる。また、スクラッチベーカリにおいても、一部の製
品に成形冷凍法やホイロ済み冷凍法などにより得られる
冷凍パン生地を使用すれば、少ない労力で充実した品揃
えを行うことができる。前記したような利点から、成形
冷凍法やホイロ済み冷凍法で得られる冷凍パン生地を採
用するベーカリーが近年増加の一途をたどっており、成
形冷凍法やホイロ済み冷凍法で得られる冷凍パン生地を
中小のベーカリーに販売するメーカーも出現している。
【0005】しかしながら、その一方で、成形冷凍法や
ホイロ済み冷凍法は、発酵工程の過半または全部を経た
後のパン生地を冷凍するものであるために、パン生地に
与える冷凍障害が大きい。そのため、成形冷凍法やホイ
ロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地を用いてパン
類を製造すると、パン体積の低下、フィッシュアイの出
現、焼色の赤色化、焼色やパン形状の不均一化、内相品
質の低下、風味や食味の低下などの種々の問題が生じ易
く、冷凍工程を経ないで製造されるパン類と比較する
と、その品質が著しく劣ったものになり易い。特に、パ
ン表面に白い斑点となって現われるフィッシュアイの出
現は深刻であり、パン表面にフィッシュアイが多く出現
したパン製品は商品価値が無くなり、売り物にならな
い。
【0006】冷凍パン生地を使用することによる生ずる
上記した問題の解消が従来から試みられており、そのよ
うな従来技術として、ゼラチンと特定の乳化剤を含有さ
せた冷凍パン生地(特開平4−234938号公報)、
ジアセチル酒石酸モノグリセリドを上昇融点30〜50
℃の固形油脂に包括した形で付着させたグルテンからな
る冷凍パン生地用の改良剤(特開平8−196199号
公報)が知られている。しかしながら、これらの従来技
術はいずれも乳化剤を用いていることにより、パン類の
風味の低下やコストアップを招くという問題があり、し
かも最終的に得られるパン製品の品質の面でも十分な改
良効果が得られていないのが現状である。
【0007】また、アンパン、クリームパン、ジャムパ
ン、カレーパン、餡入りドーナツ、ピロシキなどの餡入
りパン類、肉饅、アン饅などの各種中華饅頭などの餡入
り製品の製造に当たっては、生産性の向上や衛生性の確
保など点から、その包餡作業を手作業によらずに包餡機
を使用して自動的に行う方法が現在広く採用されてい
る。しかしながら、包餡機を使用する場合は、手作業で
包餡を行ったパン類に比べて、得られるパン類の形状不
良、焼き色や揚げ色の不良、パン体積の低下を生じ易
く、しかもパン類の内相、食感、風味が劣る場合が多
く、その改良が求められている。
【0008】そして、冷凍パン生地を用いたパン類およ
び餡入りパン類に限らず、高品質のパン類を求める消費
者の要望が近年ますます強いものとなっており、かかる
点から、冷凍していない通常のパン生地を用いて得られ
るパン類や、餡の入っていないパン類においても、パン
体積が大きく、且つ外観、内相、食感、風味などに一層
優れパン類の開発が必要になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大き
な体積を有し、フィッシュアイの出現および焼色の赤色
化がなく、均一な焼色および外観形状を有し、しかも内
相、風味および食味に優れる高品質のパン類を得ること
のできるパン生地、その製造方法、該パン生地用の穀粉
組成物、および製パン改良剤を提供することである。特
に、本発明は、前記した高品質のパン類を製造すること
のできる冷凍パン生地、その製造方法、そのための穀粉
組成物および製パン改良剤を提供することである。さら
に、本発明は、包餡機を用いてパン生地で餡を包み込む
作業を行った場合にも、前記した高品質の餡入りパン類
を得ることのできるパン生地、その製造方法、そのため
の穀粉組成物および製パン改良剤を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した目
的を達成すべく検討を重ねてきた。その結果、パン生地
中にサイリュームシードガムを含有させると、形状が良
好で、パン体積が大きく、フィッシュアイの出現がな
く、焼色や揚げ色が均一で、良好な外観を有し、しかも
内相、風味および食味に優れるパン類が得られることを
見出した。特に、本発明者らは、冷凍パン生地中にサイ
リュームシードガムを含有させると、サイリュームシー
ドガムを含有する冷凍パン生地から得られるパン製品
は、冷凍工程を経ない通常の製パン方法により得られる
パン類と同じように、十分に膨らんで大きな体積を有
し、フィッシュアイの出現や焼色の赤色化がなく、焼色
および形状が均一で良好な外観を有し、しかも良好な内
相、風味および食味を有することを見出した。さらに、
本発明者らは、サイリュームシードガムを含有するパン
生地は包餡機を使用する餡入りパン類の製造に適してお
り、包餡機を使用して餡入りパン類を製造するに当たっ
て、サイリュームシードガムを含有するパン生地を用い
ると、外観、内相、風味および食味に優れる餡入りパン
類を良好な作業性で円滑に得られることを見出し、それ
らの知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、サイリュームシード
ガムを含有することを特徴とするパン生地である。
【0012】そして、本発明は、サイリュームシードガ
ムを含有することを特徴とするパン生地用穀粉組成物で
ある。
【0013】本発明は、パン生地の製造に用いる穀粉類
100重量部に対してサイリュームシードガムを0.0
01〜1重量部の割合で含有する前記したパン生地およ
びパン生地用穀粉組成物を好ましい態様として包含す
る。
【0014】更に、本発明は、前記のパン生地が、冷凍
パン生地である場合、および包餡機を使用する製パン用
のパン生地である場合を好ましい態様として包含する。
また、本発明は、前記のパン生地用穀粉組成物が、冷凍
パン生地用穀粉組成物である場合、および包餡機を使用
する製パンに用いるパン生地用の穀粉組成物である場合
を好ましい態様として包含する。
【0015】そして、本発明は、生地の調製時に穀粉類
にサイリュームシードガムを添加してパン生地を製造す
るか、またはサイリュームシードガムを予め添加してお
いた穀粉組成物を用いてパン生地を製造することを特徴
とするパン生地の製造方法である。
【0016】さらに、本発明は、生地の調製時に穀粉類
にサイリュームシードガムを添加してパン生地を製造す
るか、またはサイリュームシードガムを予め添加してお
いた穀粉組成物を用いてパン生地を製造し、前記パン生
地を生地混捏工程後から焼成前、油揚げ前または蒸し処
理前の任意の段階で冷凍することを特徴とする冷凍パン
生地の製造方法である。
【0017】そして、本発明は、生地の調製時に穀粉類
にサイリュームシードガムを添加してパン生地を製造す
るか、またはサイリュームシードガムを予め添加してお
いた穀粉組成物を用いてパン生地を製造し、前記パン生
地を用いて包餡機により餡を包むことを特徴とする餡入
りの成形パン生地の製造方法である。
【0018】本発明は、パン生地の製造に用いる穀粉類
100重量部に対してサイリュームシードガムを0.0
01〜1重量部の割合で添加する上記したパン生地の製
造方法を好ましい態様として包含する。
【0019】さらに、本発明は、サイリュームシードガ
ムを有効成分とするパン生地用の改良剤、並びにサイリ
ュームシードガムを含有するパン生地を用いて得られる
パン類である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明における「パン」とは、小麦粉などの穀粉
類にイーストや膨張剤などを加えたパン生地を用いて発
酵および/または膨張させると共に、焼成、油揚げまた
は蒸し処理して得られるベーカリー製品の総称である。
したがって、本発明で言うパン類には、焼成により得ら
れる食パンやその他のパン類、揚げパン類、蒸しパン類
や饅頭類が包含され、本発明は、それらのパン類(ベー
カリー製品)用の生地、その製造方法、穀粉組成物、改
良剤、並びに該生地を用いて得られるパン類(ベーカリ
ー製品)を包含する。
【0021】本発明で使用するサイリュームシードガム
(Psyllium Seed Gum)は、プランタ
ゴ(Plantago)属植物のオオバコ種子または同
種植物の種子外皮を粉砕して得られるガム(多糖類)で
あり、別名サイリュームハスク(Psyllium H
usk)、イサゴール(Isapgol)とも称されて
いる。プランタゴ属植物の種類は約200種類もあり、
温帯地方に分布しており、例えばプランタゴ・ラマジョ
ル(P.major)、プランタゴ・ランセオレート
(P.lanccolete)などの種が挙げられる。
現在多く流通しているオオバコ種子由来のサイリューム
シードガムとしてはフランス産(ブラック,P.Ind
eca)、スペイン産(P.psyllium)、イン
ド産(ブロンド,P.ovata)などがあるが、本発
明で用いるサイリュームシードガムはそれらに限定され
ず、食用に用い得るサイリュームシードガムであればい
ずれも使用できる。そのうちでも、本発明では、インド
地方で栽培されているプランタゴ属植物の一種であるP
lantaginaceaeのオオバコ種子の外側を包
む外皮ハスク部分から得られるサイリュームシードガム
が好ましく用いられる。
【0022】サイリュームシードガムは、医療薬(膨潤
性緩下剤)としては古くから用いられてきたが、食品改
良剤としては従来殆ど用いられていない。そのため、サ
イリュームシードガムを用いると、大きな体積を有し、
フィッシュアイの出現や焼色の赤色化がなく、均一な焼
色や揚げ色、形状を有し、しかも内相、風味および食味
に優れる高品質のパン類が得られるということは従来知
られていなかった。特に、サイリュームシードガムを冷
凍パン生地に用いると、その冷凍障害が解消されて、外
観、内相、風味および食味に優れる前記した高品質のパ
ン類が得られることは従来全く知られていなかった。さ
らに、包餡機を使用してパン生地で餡を包み込む際にサ
イリュームシードガムを含有するパン生地を用いると、
良好な作業性で、外観、内相、風味および食味に優れる
高品質のパン類が得られることは従来全く知られておら
ず、それらの知見は、本発明者らが初めて見出した全く
予想外のものであった。パン生地に対するサイリューム
シードガムの品質改良効果や製パン性の向上効果のメカ
ニズムは明らかではないが、サイリュームシードガムの
吸水、膨潤性が何らかのかたちで前記改良効果に寄与し
ているものと推測される。
【0023】サイリュームシードガムの使用量は、パン
生地の製造に用いる穀粉類100重量部に対して0.0
01〜1重量部であることが好ましく、0.005〜
0.5重量部であることがより好ましい。特に、冷凍パ
ン生地において、パン生地の製造に用いる穀粉類100
重量部に対してサイリュームシードガムを0.001〜
1重量部の割合で用いると、成形冷凍法またはホイロ済
み冷凍法で得られる冷凍パン生地をはじめとして、各種
冷凍法で得られる冷凍パン生地の性質が改良されて、そ
れらの冷凍パン生地を用いて得られるパン製品は、冷凍
工程を経ないで製造されるパン製品と同じように、大き
なパン体積を有し、フィッシュアイの出現がなく、焼色
の赤色化が生じず、焼色や形状が均一になり、しかも内
相、風味、食味が良好で、高い品質を示すようになる。
さらに、包餡機を使用してパン類を製造する場合にも、
パン生地の製造に用いる穀粉類100重量部に対してサ
イリュームシードガムを0.001〜1重量部の割合で
用いると、包餡時の作業性を良好に保ちながら、外観、
内相、食感および風味に優れる各種の餡入りパン類が得
られる。
【0024】穀粉類100重量部に対してサイリューム
シードガムの使用量が0.001重量部未満であると、
サイリュームシードガムを用いることによる効果が得ら
れにくくなる。特に、冷凍パン生地では、冷凍障害の防
止効果が十分に発揮されず、パン製品にフィッシュアイ
が出現し易くなる。また、包餡機を用いて餡入りパン類
を製造する場合にも、外観が不良で、パン体積が小さ
く、しかも内相、食感、風味などの点でも十分な改良効
果が得られにくくなる。一方、穀粉類100重量部に対
してサイリュームシードガムを1重量部よりも多く用い
ると、生地の伸展性が低下して、製パン時の作業性が低
下し、しかも得られるパン製品の体積が小さくなり易
い。
【0025】本発明では、パン生地の製造に用いる穀粉
類として、通常の製パンで用いられる穀粉類のいずれも
が使用でき特に制限されず、例えば、パン用小麦粉、全
粒粉、ライ麦粉、オーツ粉、トウモロコシ粉、米粉、そ
ば粉、澱粉類、食物繊維、それらの混合粉などを使用す
ることができ、目的とするパンの種類などに応じて適宜
選択して使用すればよい。一般的には、パン用小麦粉が
最も好ましく用いられ、パン用小麦粉を使用する場合
は、通常のパン用小麦粉のいずれもが使用でき特に制限
されない。そのうちでも、硬質強力小麦を主原料として
製粉されたものが好ましく用いられ、そのようなパン用
小麦粉としては、例えば、カナダ産硬質赤春小麦(銘柄
名「カナダ・レッド・スプリング・ホイートNo.
1」)、アメリカ産硬質赤春小麦(銘柄名「ダーク・ノ
ーザン・スプリング・ホイート」)などの原料小麦から
得られる小麦粉などを挙げることができる。しかしなが
ら、勿論他の小麦原料を用いて得られるパン用小麦粉も
使用できる。
【0026】また、本発明で用いる酵母の種類は特に制
限されず、パン生地に従来から用いられている酵母のい
ずれもが使用でき、例えば汎用酵母、冷凍耐性酵母、ド
ライイースト、インスタントイーストなどのいずれもが
使用できる。特に、冷凍パン生地では、需要に合わせ
て、ホイロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地の焼
成をさらに遅延させたい場合(冷凍保存時間を長くした
い場合)は、汎用酵母と冷凍耐性酵母を併用して冷凍パ
ン生地を製造することが好ましい。酵母の配合量は特に
制限されず、パン類の種類や製パン法などに応じて必要
量を配合すればよいが、一般に、パンの製造に用いる穀
粉類100重量部に対して、酵母の量を2〜8重量部に
すると良好な結果が得られる。
【0027】また、目的とするパン製品の種類などに応
じて、混捏前、生地の調製時などに、例えば、食塩;膨
張剤;砂糖やその他の糖類;ショートニング、バター、
マーガリンなどの油脂類;モルト粉末やモルトシロッ
プ;イーストフード;バイタルグルテン;脱脂粉乳、全
脂粉乳、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末など
の乳製品;卵や卵製品;豆類の粉;ビタミン類;ミネラ
ル類;塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、リン酸二水素カルシウム、硫酸アンモニウム等の
他の添加剤の1種または2種以上を必要に応じて用いて
もよい。
【0028】本発明では、パン生地を製造する際のサイ
リュームシードガムの添加方法は特に制限されず、例え
ば、(i)パン生地の製造時に穀粉類に対してサイリュ
ームシードガムを必要に応じて他の成分と共に添加して
冷凍パン生地を製造する方法、または(ii)サイリュー
ムシードガムを必要に応じて乾燥した他の成分と共に穀
粉類に予め添加してパン生地用の穀粉組成物(パン生地
用のミックス粉)を調製しておき、該パン生地用穀粉組
成物を用いてパン生地を製造する方法などを採用するこ
とができる。
【0029】上記(ii)の方法による場合は、サイリュ
ームシードガムを予め添加してなるパン生地用穀粉組成
物(パン生地用ミックス粉)は、水分含量の少ない乾燥
製品の形態であることにより、長期に亙って保存が可能
であって、それ自体で保存、流通、販売することが可能
であり、したがって本発明は、サイリュームシードガム
が含有する該パン生地用穀粉組成物を本発明の範囲に包
含する。このパン生地用穀粉組成物を用いる場合は、サ
イリュームシードガムなどをパン生地の製造時にわざわ
ざ添加する手間を要せずに、高品質のパン製品を得るこ
とを目的とするパン生地を極めて簡単に製造することが
できる。
【0030】本発明では、製パン法は特に制限されず、
ストレート法、中種法、速成法、液種法などのいずれの
方法を採用してもよい。特に、冷凍パン生地では、冷凍
パン生地を得る際の生地冷凍法も特に制限されず、混捏
直後に生地を冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地
を冷凍する玉生地冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形
冷凍法、および最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍する
ホイロ済み冷凍法のいずれを採用してもよい。そのうち
でも、本発明は、成形冷凍法およびホイロ済み冷凍法に
より得られる冷凍パン生地において特に効果を発揮す
る。
【0031】冷凍パン生地を製造する際の凍結温度、凍
結速度などは特に制限されないが、緩慢凍結よりも急速
凍結の方が好ましく、そのためショックフリーザーやデ
ィープフリーザーなどの急速凍結装置を用いて−30℃
〜−40℃の雰囲気温度下に生地を2時間程度で急速に
凍結した後、−10℃〜−20℃の雰囲気温度下で貯蔵
して氷結晶の成長を抑制するようにして凍結保存するこ
とが好ましい。上記により得られる冷凍パン生地は、冷
凍状態で、貯蔵、流通、販売することができ、その場合
に、生地は冷凍前または冷凍後に、必要に応じて適宜包
装しておくことができる。
【0032】上記により得られる冷凍パン生地を各小売
店や消費者が購入して、冷凍装置中に保存しておき、必
要な時に取り出し解凍して、以後の製パン工程を行うこ
とによって、焼き立て、揚げ立てまたは蒸したてのフレ
ッシュなパン類を極めて簡単に且つ短時間にタイムリー
に製造することができる。特に、ホイロ済み冷凍法によ
る冷凍パン生地の場合は、冷凍庫より取り出して解凍し
た後、焼成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけで目的と
するパン類を得ることができる。また成形冷凍法による
冷凍パン生地の場合は、冷凍庫より取り出して解凍し、
最終発酵(ホイロ)させた後に、焼成、油揚げまたは蒸
し処理を行うだけで目的とするパン類を得ることができ
る。本発明では、冷凍パン生地の解凍方法や解凍条件は
特に制限されず、例えば室温解凍、ドウコンディショナ
ーおよび発酵室内での解凍、冷蔵庫内での解凍などのい
ずれの方法で解凍してもよい。
【0033】また、本発明のパン生地を用いて包餡機に
より餡を包み込んで餡入りのパン類を製造する当たって
は、餡入りのパン類の製造において従来から用いられて
いる包餡機のいずれもが使用できる。サイリュームシー
ドガムを含有する本発明のパン生地を用い、包餡機を使
用して餡入りの成形パン生地を製造した後、以後それを
常法にしたがって焼成したり、油で揚げたり、蒸して、
餡入りの焼成パン類、揚げパン類、蒸しパン類、蒸し饅
頭などの各種のパン類を製造すればよい。また、場合に
よっては、包餡機を使用して得られる餡入り成形パン生
地をそのまま冷凍または冷蔵して流通販売することもで
きる。
【0034】本発明は、油脂類や糖類等の配合量の少な
いリーンな配合のパン類、油脂類や糖類等の配合量の多
いリッチな配合のパン類のいずれの製造に対しても使用
でき、いずれのパン類の場合も、パン体積が大きく、外
観、内相、風味、食味などに優れるパン類を得ることが
できる。特に、冷凍パン生地を用いる製パン法および包
餡機を用いる製パン法において、その品質向上作用が効
果的に発揮される。
【0035】限定されるものではないが、本発明のパン
生地、パン生地用穀粉組成物、パン生地の製造方法類を
採用することによって、品質に優れる各種パン類(ベー
カリー製品)、例えば、ワンローフ食パン、角形食パ
ン、山形食パン、ナッツ、食物繊維、胚芽などを配合し
たバラエティー食パン、フランスパン、ソフトフランス
パン、バターロール、ロールインバターロール、ミルク
ハース、クレッセントロール、カイザーロール、グラハ
ムロール、ライ麦パン、ヴィエノワ、クロワッサン、ス
イートロール、デニッシュペストリー、ブリオッシュ、
グリッシーニ、プレッツエル、パネトーネ、デニッシ
ュ、コーヒーケーキ、シナモンロール、シュトーレン、
ホットクロスバンズ、スイートバンズなどのバンズ類、
イングリッシュマフィンなどのマフィン類、アンパン、
ジャムパン、クリームパン、コロネ、メロンパンなどの
菓子パン類、カレードーナッツ、アンドーナッツ、リン
グドーナッツ、ツイストドーナッツ、ビスマルクなどの
イーストドーナッツ類、ピロシキ、アンマン、肉マン、
カレーマン、ピザマンなどの蒸しパン類(中華饅頭類)
などを製造することができる。
【0036】また、本発明は、サイリュームシードガム
を有効成分とするパン生地用の改良剤を包含している。
この改良剤はサイリュームシードガムのみからなってい
ても、またはサイリュームシードガムの改良効果を損な
わない範囲で他の添加剤などを含有していてもよい。サ
イリュームシードガムを有効成分とするこの改良剤はそ
れ自体で流通、販売することができる。そして、この改
良剤を、パン用穀粉類に対して必要に応じて他の成分と
共に添加してパン生地を製造することによって、上記し
た高品質のパン製品が得られる。
【0037】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例中、部は重量部を示す。
【0038】《実施例1》[フランスパンの製造] (1) パン用小麦粉(日清製粉株式会社製「ミリオ
ン」)、生イースト、イーストフード(オリエンタル酵
母工業社製「Cフード」)、食塩、モルトシロップおよ
びサイリュームシードガム(五協産業株式会社製「サイ
リューム100MS−M」)を下記の表3に示す割合で
用いて、下記の表1に示す工程(i)〜(vi)にしたが
ってフランスパン用のホイロ済み生地(最終発酵済み生
地)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたホイロ済み生地を、下記の
表1に示す工程(vii)にしたがって冷凍処理してホイ
ロ済み冷凍生地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られたホイロ済み冷凍生地を冷
凍庫から取り出して、下記の表1に示す工程(viii)〜
(ix)にしたがって解凍および焼成を行ってフランスパ
ンを製造した。 (4) 上記(3)で得られたフランスパンの体積を菜
種置換法で測定すると共に、得られたパンの外観、内相
および風味・食味を下記の表2〜表4に示す評価基準に
したがって10名のパネラーにより評価し、その平均値
を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】 [外観の評価基準] 4点 :フィッシュアイが全くなく、焼色および形状が均一である。 3点 :フィッシュアイがなく、焼色および形状がほぼ均一である。 2点 :フィッシュアイがやや出現しており、焼色および形状がやや 不均一である。 1点 :フィッシュアイが多数出現しており、焼色および形状が不均一 である。
【0041】
【表3】[内相の評価基準] 4点 :すだちが均一で、膜が薄い。 3点 :すだちがほぼ均一で、膜がやや薄い。 2点 :すだちがやや不均一で、膜がやや厚い。 1点 :すだちが不均一で、膜が厚い。
【0042】
【表4】 [風味・食味の評価基準] 4点 :歯切れが良く、風味が良好である。 3点 :歯切れがほぼ良好で、風味がほぼ良好である。 2点 :歯切れががやや悪く、風味が少し劣る。 1点 :歯切れが悪くくちゃつきがあり、風味が劣る。
【0043】
【表5】
【0044】上記の表5の結果から、サイリュームシー
ドガムを含有する冷凍パン生地、特に穀粉類(小麦粉)
1000部に対してサイリュームシードガムを0.01
〜10部の割合で含有する実験番号3〜5の冷凍パン生
地を用いる場合は、パン体積が大きくてよく膨らんでお
り、フィッシュアイの出現がなく且つ焼色および形状が
良好で外観に優れ、すだちが均一で且つ膜が薄くて良好
な内相を有し、しかも歯切れが良く、食味および風味に
優れる、品質の良好なフランスパンが得られることがわ
かる。それに対して、サイリュームシードガムを含まな
い実験番号1の冷凍パン生地の場合は、冷凍障害が生じ
ていて、得られたフランスパンの体積が小さく、フィッ
シュアイが出現し、焼色および形状が不均一で外観が不
良であり、内相に劣り、しかも歯切れが悪く、食味およ
び風味に劣る、商品価値が低いフランスパンになること
がわかる。
【0045】《実施例2》[バターロールの製造] I.成形冷凍生地を用いるバターロールの製造: (1) パン用小麦粉(日清製粉株式会社製「ミリオ
ン」)、生イースト、イーストフード(オリエンタル酵
母工業社製「Cフード」)、食塩、砂糖、マーガリン、
脱脂粉乳、全卵およびサイリュームシードガム(五協産
業株式会社製「サイリューム100MS−M」)を下記
の表5に示す割合で用いて、下記の表6に示す工程
(i)〜(v)にしたがってバターロール用の成形生地
を調製した。 (2) 上記(1)で得られた成形生地を、下記の表6
に示す工程(vi)にしたがって冷凍処理して成形冷凍生
地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られた成形冷凍生地を冷凍庫か
ら取り出して、下記の表6に示す工程(vii)にしたが
って解凍した後、工程(viii)および(ix)にしたがっ
て最終発酵(ホイロ)および焼成を行ってバターロール
を製造した。 (4) 上記(3)で得られたバターロールの体積を菜
種置換法で測定すると共に、その品質を上記の表2〜表
4に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにより
評価し、その平均値を採ったところ、下記の表7に示す
とおりであった。
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】上記の表7の結果から、小麦粉1000部
に対してサイリュームシードガムを0.01部〜10部
(小麦粉100部に対してサイリュームシードガムを
0.001〜1部)の範囲で用いて成形冷凍生地をつく
り、それを用いてバターロールを製造している実験番号
9〜11の場合は、冷凍工程経ないでバターロールを製
造した場合(特に実験番号13)と同じように、パン体
積が大きくてよく膨らんでおり、フィッシュアイの出現
がなく且つ焼色および形状が良好で外観に優れ、すだち
が均一で且つ膜が薄くて良好な内相を有し、しかも歯切
れが良く、風味および食味に優れる、高品質のバターロ
ールが得られることがわかる。
【0049】《実施例3》[ピロシキの製造] (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「ジャ
ズ」)、生イースト、イーストフード(オリエンタル酵
母工業株式会社製「Cフード」)、ベーキングパウダ
ー、食塩、砂糖、液糖、脱脂粉乳、マーガリン、全卵お
よび水を下記の表10に示す割合で用いて、下記の表8
に示す工程(i)〜(v)にしたがって、包餡機を使用
してピロシキを製造した。 (2) 上記(1)で得られたピロシキの体積を菜種置
換法で測定すると共に、得られたピロシキの外観を下記
の表9に示す評価基準にしたがって、また内相および風
味・食味を上記の表3および表4に示した評価基準にし
たがって、10名のパネラーにより評価し、その平均値
を採ったところ、下記の表10に示すとおりであった。
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】[ピロシキの外観の評価基準] 4点 :揚げ色および形状が均一である。 3点 :揚げ色および形状がほぼ均一である。 2点 :揚げ色および形状がやや不均一である。 1点 :揚げ色および形状が不均一である。
【0052】
【表10】
【0053】上記の表10の結果から、包餡機を使用し
てピロシキを製造するに当たって、サイリュームシード
ガムを含有するパン生地を用いた実験番号14〜18で
は、サイリュームシードガムを含有しないパン生地を用
いた実験番号13に比べて、体積が大きく、且つ外観、
内相および風味・食味に優れるピロシキが得られること
がわかる。特に、小麦粉1000部に対してサイリュー
ムシードガムを0.01部〜10部(小麦粉100部に
対してサイリュームシードガムを0.001〜1部)の
範囲で含有するパン生地を用いた実験番号3〜5では、
外観、内相、風味・食味に一層優れるピロシキが得られ
ていることがわかる。
【0054】《実施例4》[中華饅頭の製造] (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「カメリ
ヤ」)、薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「バイオレッ
ト」)、生イースト、ベーキングパウダー、食塩、砂
糖、ラードおよび水を下記の表13に示す割合で用い
て、下記の表11に示す工程(i)〜(v)にしたがっ
て、包餡機を使用して中華饅頭(餡饅)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた中華饅頭の体積を菜種置
換法で測定すると共に、得られた中華饅頭の外観を下記
の表12に示す評価基準にしたがって、また内相および
風味・食味を上記の表3および表4に示した評価基準に
したがって、10名のパネラーにより評価し、その平均
値を採ったところ、下記の表13に示すとおりであっ
た。
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】[中華饅頭の外観の評価基準] 4点 :表面に全くしわがなく、艶がある。 3点 :表面に殆どしわがなく、やや艶がある。 2点 :表面にしわが少しあり、やや艶に欠ける。 1点 :表面にしわが多く発生し、艶がない。
【0057】
【表13】
【0058】上記の表13の結果から、包餡機を使用し
て中華饅頭を製造するに当たって、サイリュームシード
ガムを含有する生地を用いた実験番号20〜24では、
サイリュームシードガムを含有しない生地を用いた実験
番号19に比べて、体積が大きく、且つ外観、内相およ
び風味・食味に優れる中華饅頭が得られることがわか
る。特に、小麦粉1000部に対してサイリュームシー
ドガムを0.01部〜10部(小麦粉100部に対して
サイリュームシードガムを0.001〜1部)の範囲で
含有する生地を用いた実験番号21〜23では、外観、
内相、風味・食味に一層優れる中華饅頭が得られている
ことがわかる。
【0059】《実施例5》[あんパンの製造] (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「カメリ
ヤ」)、生イースト、イーストフード(オリエンタル酵
母工業株式会社製「Cフード」)、食塩、砂糖、脱脂粉
乳、マーガリン、全卵および水を下記の表16に示す割
合で用いて、下記の表14に示す工程(i)〜(viii)
にしたがって、包餡機を使用してあんパンを製造した。
なお、その際にサイリュームシードガムは、中種生地の
調製時に添加した。 (2) 上記(1)で得られたあんパンの体積を菜種置
換法で測定すると共に、得られたあんパンの外観を下記
の表15に示す評価基準にしたがって、また内相および
風味・食味を上記の表3および表4に示した評価基準に
したがって、10名のパネラーにより評価し、その平均
値を採ったところ、下記の表16に示すとおりであっ
た。
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】[あんパンの外観の評価基準] 4点 :焼き色および形状が均一である。 3点 :焼き色および形状がほぼ均一である。 2点 :焼き色および形状がやや不均一である。 1点 :焼き色および形状が不均一である。
【0062】
【表16】
【0063】上記の表16の結果から、包餡機を使用し
てあんパンを製造するに当たって、サイリュームシード
ガムを含有する生地を用いた実験番号26〜30では、
サイリュームシードガムを含有しない生地を用いた実験
番号25に比べて、体積が大きく、且つ外観、内相およ
び風味・食味に優れるあんパンが得られていることがわ
かる。特に、小麦粉1000部に対してサイリュームシ
ードガムを0.01部〜10部(小麦粉100部に対し
てサイリュームシードガムを0.001〜1部)の範囲
で含有する生地を用いた実験番号27〜29では、外
観、内相、風味・食味に一層優れるあんパンが得られて
いることがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明による場合は、均一で良好な色調
と形状を有し、しわの発生がなくて外観に優れ、しかも
内相、風味および食味に優れる高品質の各種のパン類
(ベーカリー製品)を得ることができる。特に、本発明
による場合は、冷凍工程を経ない通常の製パン方法にお
けるのと同じように、大きな体積を有し、フィッシュア
イの出現がなく、焼色の赤色化がなく、均一な焼色と形
状を有し、しかも内相、風味および食味に優れる高品質
のパン類を与える、冷凍障害のない冷凍パン生地を提供
することができる。そして、サイリュームシードガムを
含有する本発明の冷凍パン生地を用いることにより、冷
凍パン生地を解凍した後、用いた冷凍パン生地の種類に
応じて、その後の製パン工程を行うだけで、簡単な作業
で、短時間に、且つタイムリーに、上記した高品質のパ
ン類を製造することができる。そのうちでも、本発明の
冷凍パン生地が、成形冷凍法により得られる冷凍パン生
地である場合は、成形冷凍生地を解凍した後に最終発酵
を行い、それを焼成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけ
で、上記した高品質のパン類を簡単に且つ短時間で製造
することができる。また、本発明の冷凍パン生地がホイ
ロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地である場合
は、ホイロ済み冷凍生地を解凍した後に焼成、油揚げま
たは蒸し処理を行うだけで、上記した高品質のパン類を
極めて簡単に且つ短い時間で製造することができる。さ
らに、サイリュームシードガムを含有する本発明のパン
生地は包餡機を使用する餡入りパン類の製造にも特に適
しており、包餡機を使用して餡入りパン類を製造するに
当たって、本発明のパン生地を用いると、外観、内相、
風味および食味に優れる餡入りパン類を良好な作業性で
円滑に得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 石神 真二 東京都千代田区神田錦町1丁目25番地 日 清製粉株式会社内 (72)発明者 上村 竜治 東京都千代田区神田錦町1丁目25番地 日 清製粉株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイリュームシードガムを含有すること
    を特徴とするパン生地。
  2. 【請求項2】 パン生地の製造に用いる穀粉類100重
    量部に対してサイリュームシードガムを0.001〜1
    重量部の割合で含有する請求項1に記載のパン生地。
  3. 【請求項3】 冷凍パン生地である請求項1または2に
    記載のパン生地。
  4. 【請求項4】 包餡機を使用する製パン用である請求項
    1または2に記載のパン生地。
  5. 【請求項5】 サイリュームシードガムを含有すること
    を特徴とするパン生地用穀粉組成物。
  6. 【請求項6】 穀粉類100重量部に対してサイリュー
    ムシードガムを0.001〜1重量部の割合で含有する
    請求項5に記載のパン生地用穀粉組成物。
  7. 【請求項7】 冷凍パン生地用である請求項5または6
    に記載のパン生地用穀粉組成物。
  8. 【請求項8】 包餡機を使用する製パン用である請求項
    5または6に記載のパン生地用穀粉組成物。
  9. 【請求項9】 生地の調製時に穀粉類にサイリュームシ
    ードガムを添加してパン生地を製造するか、またはサイ
    リュームシードガムを予め添加しておいた穀粉組成物を
    用いてパン生地を製造することを特徴とするパン生地の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 生地の調製時に穀粉類にサイリューム
    シードガムを添加してパン生地を製造するか、またはサ
    イリュームシードガムを予め添加しておいた穀粉組成物
    を用いてパン生地を製造し、前記パン生地を生地混捏工
    程後から焼成前、油揚げ前または蒸し処理前の任意の段
    階で冷凍することを特徴とする冷凍パン生地の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 生地の調製時に穀粉類にサイリューム
    シードガムを添加してパン生地を製造するか、またはサ
    イリュームシードガムを予め添加しておいた穀粉組成物
    を用いてパン生地を製造し、前記パン生地を用いて包餡
    機により餡を包むことを特徴とする餡入りの成形パン生
    地の製造方法。
  12. 【請求項12】 パン生地の製造に用いる穀粉類100
    重量部に対してサイリュームシードガムを0.001〜
    1重量部の割合で添加する、請求項9〜11のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 サイリュームシードガムを有効成分と
    する、パン生地用の改良剤。
  14. 【請求項14】 サイリュームシードガムを含有するパ
    ン生地を用いて得られるパン類。
JP10227700A 1997-08-13 1998-07-28 パン生地 Pending JPH11113481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10227700A JPH11113481A (ja) 1997-08-13 1998-07-28 パン生地

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-231765 1997-08-13
JP23176597 1997-08-13
JP10227700A JPH11113481A (ja) 1997-08-13 1998-07-28 パン生地

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11113481A true JPH11113481A (ja) 1999-04-27

Family

ID=26527827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10227700A Pending JPH11113481A (ja) 1997-08-13 1998-07-28 パン生地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11113481A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005102588A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Nof Corp パン生地用油脂組成物、それを用いた包あん品の製造方法
KR100736682B1 (ko) 2006-10-31 2007-07-06 오정해 베이커리 제품용 조성물 및 그 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005102588A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Nof Corp パン生地用油脂組成物、それを用いた包あん品の製造方法
KR100736682B1 (ko) 2006-10-31 2007-07-06 오정해 베이커리 제품용 조성물 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5846585A (en) Process for increasing the bulk of food having decreased bulk
JP3081900B2 (ja) 焙焼製品へのグルコン酸ナトリウムおよびグルコン酸カリウムの利用
KR101926077B1 (ko) 요거트와 탄산수를 이용한 빵 및 그 제조방법
JP7099819B2 (ja) ベーカリー食品用ミックス
US6042867A (en) Flour blends for breads, cakes, or noodles, and foods prepared from the flour blends
JP5420493B2 (ja) 電子レンジ加熱に適したパン類およびそのためのパン類用穀粉組成物
CA2533449A1 (en) Method for the production of food products having reduced fat content
KR100431493B1 (ko) 발효빵의 제조 방법
JP3641313B2 (ja) パン類用穀粉及びパン類
JP2007244235A (ja) パン類の製造方法
JP4650393B2 (ja) ピザクラストの製造法
JP3348497B2 (ja) ベーカリー類の製造方法
JPH11113481A (ja) パン生地
JPH11123046A (ja) 冷凍パン生地用改良剤
CA2538616A1 (en) Leavened dough that withstands deep freezing, and method for the production thereof
JP2920428B2 (ja) イースト発酵食品及びその冷凍品の製造法
JP3375232B2 (ja) パン類の製造方法
JPH0965822A (ja) 冷蔵または冷凍パン生地の製造方法
JP7316825B2 (ja) スクラッチ‐冷凍生地兼用改良剤及び当該剤を使用した加糖中種パンの製造方法
WO2018139030A1 (ja) ベーカリー食品の製造方法
JP3450555B2 (ja) 冷蔵パン生地または冷凍パン生地の製造方法
JP3636878B2 (ja) 半焼成パン
JP3402830B2 (ja) ベーカリー製品用粉およびベーカリー製品
JP3089281B1 (ja) リミックスストレート法冷凍生地製パン法
JP3536093B2 (ja) 冷蔵生地製パン法及び本法によって得られるパン類

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060110