JPH11109U - 建設機械の作業機油圧回路 - Google Patents

建設機械の作業機油圧回路

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JPH11109U
JPH11109U JP46599U JP46599U JPH11109U JP H11109 U JPH11109 U JP H11109U JP 46599 U JP46599 U JP 46599U JP 46599 U JP46599 U JP 46599U JP H11109 U JPH11109 U JP H11109U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答性良く、かつ扱い易く作業機を差動開始
でき、また停止できる建設機械の作業機油圧回路を提供
する。 【解決手段】 作業機を作動させるパイロット式方向切
換弁(11)を有する建設機械の作業機油圧回路であり、一
側管路(47),(55) 間に一側絞り(52b) と、一側受圧部(1
1d) へ一方流れの一側チェック弁(51b) とを並列接続
し、かつ他側上下流管路(48),(54) 間に他側絞り(52a)
と、他側受圧部(11e) へ一方流れの他側チェック弁(51
a) とを並列接続し、一側上流管路(47)内のパイロット
圧を他側チェック弁(51a) に与える第1管路(49)を設
け、かつ他側上流管路(48)内のパイロット圧を一側チェ
ック弁(51b) に与える第2管路(50)を設け、一側チェッ
ク弁(51b)は第2管路(50)からパイロット圧を受けて一
側受圧部(11d) に残るパイロット圧を一側上流管路(47)
にドレンすべく開口し、一方、他側チェック弁(51a) は
第1管路(49)からパイロット圧を受けて他側受圧部(11
e) に残るパイロット圧を他側上流管路(48)にドレンす
べく開口する油圧パイロット式である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、建設機械の作業機油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の作業機、例えば油圧ショベルの作業機はブームにアームを連結し、 アームにバケットを連結してある。かかる作業機の油圧回路は、油圧ポンプから の油を方向切換弁で方向切換し、また流量制御しブーム、アーム、バケット等の 各アクチュエータへ供給する。
【0003】 しかるに作業機は重量物であり、またブームやアームの長大なリンク機構を有 すため、作動中の作業機が急停止すると、作業機の慣性力で大振動が生ずる。特 に作業機下げ中に急停止すると、作業機の自重による完成力も加味されるため、 極めて大きい振動が生ずる。また通常の油圧回路では、作動中(特に下げ中)に 作業機が急停止しようとすると、アクチュエータと方向切換弁との間の管路内に 高圧の閉じ込み圧が生じアクチュエータを振動させて作業機の振動を増幅させる 。そして増幅された振動で作業機に過大応力が生じ作業機の亀裂や油圧配管の破 損が生じ、アクチュエータに過大応力が生じアクチュエータの変形や破損が生じ 、引いては車体や運転室が振動し乗心地を悪化させる。そこで作動中の作業機を ゆっくり停止させ、これで作業機やアクチュエータの振動を抑制する技術が、特 開平5−71505号公報に、また類似構成として特開平4−219504号公 報に開示されている。 以下、両公報の技術を正確に述べるため、次の要素符号は各公報記載のものと した。つまり、両公報間で異なる要素に同一符号が付されても、関係ない。また 、詳細を後述する本願考案の要素符号に対しても関係なくした。
【0004】 即ち前者公報(特開平5−71505号公報)には、図3の通り、「建設機械 に装備された各種油圧アクチュエータを制御するために、油圧リモコン弁26を 操作して、油圧アクチュエータ制御用パイロット切換弁11の所要の左右パイロ ットポート22、23にパイロット圧を作用せしめるようにしたパイロット回路 において、パイロット切換弁11の左右パイロットポート22、23のうち、一 方のパイロットポート23に接続される管路27’に絞り部29を設け、その絞 り部29を並列にパイロット操作チェック弁30を背設し、他方のパイロットポ ート22に作用するパイロット圧信号により上記パイロット操作チェック弁30 を開口せしめる建設機械の油圧回路」が記載されている。 尚、上記「パイロットポート23」は「ブーム上げ側ポート」とされている。
【0005】 後者公報(特開平4−219504号公報)には、図4の通り、「油圧シリン ダ3による油圧駆動式作業装置を備え、その油圧シリンダ3の制御弁4を操作レ バー5の移動操作により生ずるパイロット油圧で切換操作するパイロット操作式 の油圧回路1を構成すると共に、制御弁4への作動油給排用の油路途中に、制御 弁4に対しての作動油排出方向にのみ絞り作用する絞り17付チェック弁15を 介在してある作業車の油圧回路構造であって、絞り17付チェック弁15を、そ のチェック弁15が油圧回路1における主回路部のリターン回路12の設定値以 上の油圧力で開き操作される油圧パイロット式に構成してある作業車の油圧回路 構成」が記載されている。 尚、上記「油圧力」は「低温時の油の粘性に基づき生ずる設定値以上の油圧力 」とされている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが上記従来技術には、次のような問題がある。
【0007】 (1)前者公報の技術は「左右ポート22、23のいずれか一方に絞り部29と チェック弁30とを並列接続して」ある。従って、絞り部29とチェック弁30 とが並列接続されてない他方ではゆっくり停止できない。 特にこの技術は、ブーム上げ側23に絞り部29とチェック弁30と並列接続 するが、自重に基づく大きな慣性力が生ずるブーム下げ側22に接続されてない から、ブーム下げ側22ではゆっくり停止できず、大振動が生ずる。
【0008】 (2)後者公報の技術は、前者公報の技術とは異なり、「制御弁4の両側のそれ ぞれに絞り部17とチェック弁15とを並列接続してある」。ところがこの技術 は、チェック弁15がリターン回路12の設定値以上の低温の油の粘性に基づく 油圧力で開く構成であるから、常温稼働時のこのチェック弁15ただのチェック 弁15に過ぎない。つまり制御弁4は移動開始時(即ち作業機作動開始時)も移 動戻り時(即ち作業機作動停止時)も共にゆっくり作動となる。具体的には常温 稼働時に操作レバー5を例えば上げ操作した場合、上げ側のチェック弁15を経 て来たパイロット圧は、下げ側のチェック弁15が油圧力によって開いていない ために下げ側に残るパイロット油を下げ側の絞り部17を経てドレンさせる。従 って作業機作動開始時はゆっくり作動となる。逆に上げを停止させる場合、上げ 側のチェック弁15が油圧力によって開いていないために上げ側に残っているパ イロット圧を上げ側の絞り17を経てドレンする必要がある。従って作業機作動 停止時もゆっくり作動となる。下げ操作時も同様である。つまり応答性は何ら改 善されてない。
【0009】 (3)建設機械の作業では、例えば油圧ショベルでは土羽打ちや篩作業等の加振 作業がある。土羽打ちはタンパや振動ローラのように所定箇所(いわゆる「土羽 」)にバケット底裏を繰り返し押しつけて地固めする作業である。篩作業は底に 貫通隙間を複数有するバケット(いわゆる「スキッドバケット」)を用い、川原 等で転石中から所定サイズの骨材を篩い取る作業である。いずれの作業もバケッ トやスキッドバケットを連続的に、かつ高速加振するのが効率的である。これに はブレーカ用等の加振専用油器を増設するか、又は高速加振は無理としてもオペ レータがブーム操作レバーを手早く上げ下げして行っている。ところがオペレー タによる操作では、少量ならば支障ないが、量が幾分でも多いと疲労ばかりが嵩 む。 (A)即ち、前者公報の技術によれば、油圧リモコン弁26の上げ下げ操作を 手早く行えば、油圧回路上、さして支障なく加振作業できる。ところがこれでは 、前記の通り、オペレータの疲労ばかりが嵩み、効率的加振作業を行えない。そ こで仮に油圧リモコン弁26の上げ下げ操作をゆっくり操作するとすれば、下げ 側22に絞り部29とチェック弁30とがないために、パイロット切換弁11の 中立位置から上げ位置への移動時間t1と、上げ位置から中立位置への移動時間 t2と、中立位置から下げ位置への移動時間t3と、下げ位置から中立位置への 移動時間t4との間に差が生ずる。即ち、移動時間t2は絞り部29で定まる遅 延時間を含むものの、他の移動時間t1、t3、t4は油圧リモコン弁26の上 げ下げ操作に応じた時間となる。つまり、他の移動時間t1、t3、t4では中 立位置に対して敏感に反応し、中立位置では油圧アクチュエータが停止する場合 が生ずる。即ち油圧リモコン弁26の上げ下げ操作を手早く行って効率よく加振 作業を行えるのはオペレータが元気な当初時だけであり、オペレータが疲労して 油圧リモコン弁26のゆっくり操作になると、油圧アクチュエータの伸縮動作( 即ち加振作業)に停止が頻繁に混ざるようになる。つまり連続的に、かつ効率的 な加振作業を行えず、また思い通りの加振を行えないことに起因した疲労が誘発 される。 (B)一方、後者公報の技術によれば、手早く上げ下げ操作しても応答性が悪 いから、その要領を感得しておれば疲労しないものの、速い加振作業を行えない
【0010】 本考案は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡単構成で、作業機を応答性良く作 動開始でき、作動中の作業機をゆっくり停止でき、特には重量物である作業機( ブームやアーム等)の下げ動作をゆっくり停止でき、及び/又は、オペレータの 負担を軽減しつつ思い通りの加振作業を行える(特には上記前者公報の技術の問 題点を克服し、かつ後者公報の技術よりもより応答性良く加振作業を行える)等 の扱い易い建設機械の作業機油圧回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案に係る建設機械の作業機油圧回路の第1は、 操作レバーの操作に基づくパイロット圧を一側上下流管路を経て一側受圧部で受 けると共に、他側受圧部に残っているパイロット圧を他側上下流管路を経てドレ ンすることにより中立位置から作動位置に切換わり、この切換わりにより油圧ポ ンプからの油を油圧アクチュエータに与え、これにより建設機械の作業機を作動 させる油圧パイロット式方向切換弁を有する建設機械の作業機油圧回路であって 、 一側上下流管路間に一側絞りと、一側受圧部方向への油流れを許容する一側チ ェック弁とを並列接続すると共に、他側上下流管路間に他側絞りと、他側受圧部 方向への油流れを許容する他側チェック弁とを並列接続し、 一側上流管路内のパイロット圧を他側チェック弁に与える第1管路を一側上流 管路から分岐させると共に、他側上流管路内のパイロット圧を一側チェック弁に 与える第2管路を他側上流管路から分岐させ、 前記一側チェック弁は、第2管路からパイロット圧を受けたとき、一側受圧部 に残っているパイロット圧を一側下流管路から一側上流管路にドレンすべく開口 する油圧パイロット式であり、 前記他側チェック弁は、第1管路からパイロット圧を受けたとき、他側受圧部 に残っているパイロット圧を他側下流管路から他側上流管路にドレンすべく開口 する油圧パイロット式であることを特徴とする。
【0012】 第2は、操作レバーの操作に基づくパイロット圧を作業機下げ側上下流管路を 経て作業機下げ側受圧部で受けると共に、作業機上げ側受圧部に残っているパイ ロット圧を作業機上げ側上下流管路を経てドレンすることにより中立位置から下 げ位置に切換わり、この切換わりにより油圧ポンプからの油を油圧アクチュエー タに与え、これにより建設機械の作業機を下げる油圧パイロット式方向切換弁を 有する建設機械の作業機油圧回路であって、 作業機下げ側上下流管路間に絞りと、作業機下げ側受圧部方向への油流れを許 容する作業機下げ側チェック弁とを並列接続すると共に、作業機上げ側上下流管 路間に作業機上げ側受圧部方向への油流れを許容する作業機上げ側チェック弁を 接続し、 作業機下げ側上流管路内のパイロット圧を作業機上げ側チェック弁に与える第 1管路を作業機下げ側上流管路から分岐させ、 前記作業機上げ側チェック弁は、第1管路からパイロット圧を受けたとき、作 業機上げ側受圧部に残っているパイロット圧を作業機上げ側下流管路から作業機 上げ側上流管路にドレンすべく開口する油圧パイロット式であることを特徴とす る。
【0013】
【作用及び効果】
上記第1の建設機械の作業機油圧回路によれば、次の(1)、(2)ような作 用効果を奏する。 (1)方向切換弁が中立位置から一側作動位置へ切換わるとき、一側受圧部はパ イロット圧を一側チェック弁を介して抵抗なく受け、かつ他側受圧部はこれに残 っているパイロット圧を、第1管路(又は第2管路)からのパイロット圧を受け て開口した他側チェック弁を介して抵抗なくドレンする。従って油圧アクチュエ ータは応答性良く作動する。 一方、方向切換弁が一側作動位置から中立位置に戻るとき、一側受圧部に残っ ているパイロット圧が一側絞りの絞り効果によりドレン遅れ(後述する「遅延時 間」)が生じるため、中立位置への戻りが緩慢になる。従って油圧アクチュエー タに閉じ込み圧が生じ難く、振動が生じ難い。 (2)上記絞り効果による遅延時間は、絞りの開口面積で略決定される(尚、遅 延時間は絞りの前後差圧や油の特性等によっても影響されるが、上記構成ではそ こまで言及せず、むしろこれらも含んだものと考えている)。従ってオペレータ は遅延時間を経験的に知ることも、メーカから聴取しておくことも自在である。 従ってこの遅延時間を予め知って、この遅延時間内で、操作レバーにより一側及 び他側の上流管路のパイロット圧を無くす操作をすれば、方向切換弁はあたかも 、また実質的に中立位置が存在しないかのように応答性良く切り換わる。この結 果、次の(A)〜(D)のような効果が生ずる。 (A)オペレータは加振の程度と操作レバーの操作速度との関係を予め管理で きる。即ち従来の不透明な曖昧さから開放され、その分だけ疲労軽減となる。 (B)振動抑制を達成するためには、ドレン遅れ時間を、例えば1秒間程度と 割合長くする必要がある。従って操作レバーにより一側及び他側の上流管路のパ イロット圧を無くす時間がこの長いドレン遅れ時間内に納まるように操作されれ ば、必然的にゆっくり操作となるからオペレータは長期加振作業を疲労なく行え る。 (C)実質的に方向切換弁には中立位置が存在しない操作を達成できるから、 そしてこのように操作すると、油圧アクチュエータを停止させることなく、往復 動作を直接的に繰り返せる。つまり、加振の中断を避けることができ、従って連 続的加振となるから、加振エネルギーも減ずることなく、バケット等に直接与え ることができる。つまり加振効率が極めて向上する。 (D)オペレータが遅延時間内で、操作レバーがその中立位置を通過するよう に、操作レバーを操作すれば、上記(A)〜(C)の効果が得られ、しかもこの 場合、作動開始の応答性が極めて良いから、同じ操作をしても、従来の後者公報 の技術よりも加振速度が実質的に速くなる。尚、この従来の後者公報の技術では 、作動開始も作動停止もゆっくり作動することから、上記効果の程は明らかであ る。 即ち、第1の建設機械の作業機油圧回路によれば、簡単構成で、作業機を応答 性良く作動開始でき、作動中の作業機をゆっくり停止でき、特には重量物である 作業機(ブームやアーム等)の下げ動作もゆっくり停止でき、またオペレータの 負担を軽減しつつ思い通りの加振作業を行える等の扱い易い建設機械の作業機油 圧回路となる。
【0014】 上記第2の建設機械の作業機油圧回路によれば、方向切換弁が中立位置から作 業機下げ位置へ切換わるとき、作業機下げ側受圧部はパイロット圧を作業機下げ 側チェック弁を介して抵抗なく受け、かつ作業機上げ側受圧部はこれに残ってい るパイロット圧を、第2管路からのパイロット圧を受けて開口した作業機上げ側 チェック弁を介して抵抗なくドレンする。従って油圧アクチュエータは応答性良 く作動する。 一方、方向切換弁が作業機下げ位置から中立位置に戻るとき、作業機下げ側受 圧部に残っているパイロット圧が絞りの絞り効果によりドレン遅れが生じるため 、中立位置への戻りが緩慢になる。従って油圧アクチュエータに、重量物である 作業機自重の慣性力が加味された閉じ込み圧が生じ難く、大振動が生じ難い。 即ち、簡単構成で、作業機を応答性良く下げ開始でき、下げ中の重量物である 作業機(ブームやアーム等)の下げ動作をゆっくり停止できる。つまり前記従来 の前者公報の技術で達成できない下げ停止をゆっくり停止できる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例を図1、図2を参照し説明する。尚、前述の通り、図1、図2の 各要素とその符号とは、従来技術の図3、図4の各要素とその符号とに無関係で ある。
【0016】 実施例を搭載する例機は図1に示す油圧ショベルである。これは、上部旋回体 1の下部にクローラ装置2を走行自在に設け、上部旋回体1の上部にブーム3を ブームシリンダ4で上下揺動自在に装着し、ブーム3の先端部にアーム5をアー ムシリンダ6で上下揺動自在に装着し、かつアーム5の先端部にバケット7をバ ケットシリンダ8でチルト・ダンプ自在に装着したものである。上記例機におい て、実施例はブームシリンダ4(以下、単に「シリンダ4」とする)の油圧回路 を例としてある。
【0017】 即ち実施例は、図2に示すように、油圧ポンプ10からの油の方向切換えと流 量制御とを変更自在する方向切換弁11を主管路12、13を介してシリンダ4 に接続する回路を有する。主管路12はシリンダ4のボトム側油室4bに接続さ れ、主管路13はシリンダ4のヘッド側油室4aに接続される。方向切換弁11 は操作弁43からのパイロット圧で切換え自在とされ、かつ開口面積変更自在に よって流量制御自在とされている。
【0018】 即ちシリンダ伸長時(例機ではブーム上げ時)、操作レバー46を上げ位置4 6aに操作すると、操作弁43の減圧弁44aの入出力ポート間を常時遮断状態 に付勢するバネ力に抗して減圧弁44aの入出力ポートが連通し、これによりパ イロット油圧ポンプ41からパイロット管路42を経て減圧弁44aに導びかれ た低圧のパイロット圧がパイロット管路48と、パイロット式スローリターン弁 53aのチェック弁51aとを経て方向切換弁11の受圧部11eに作用し、方 向切換弁11を中立位置11bから上げ位置11cに切換える。すると、油圧ポ ンプ10からの油は主管路12からシリンダ4のボトム側油室4bに流入し、ヘ ッド側油室4aに残る油を主管路13を介してタンク22にドレンし、もってシ リンダ4は伸長する。
【0019】 逆にシリンダ短縮時(例機ではブーム下げ時)、操作レバー46を下げ位置4 6bに操作すると、操作弁43の減圧弁44bの入出力ポート間を常時遮断状態 に付勢するバネ力に抗して減圧弁44bの入出力ポートが連通し、これによりパ イロット圧ポンプ41から管路42を経て減圧弁44bに導かれた低圧のパイロ ット圧がパイロット管路47と、パイロット式スローリターン弁53bのチェッ ク弁51bと、パイロット管路55とを経て方向切換弁11の受圧部11dに作 用し、方向切換弁11を中立位置11bから下げ位置11aに切換える。すると 、油圧ポンプ10からの油は主管路13からシリンダ4のヘッド側油室4aに流 入し、ボトム側油室4bに残る油を主管路12を介してタンク22にドレンし、 もってシリンダ4は短縮する。
【0020】 補足説明すれば、減圧弁44a、44bは、その名の通り減圧弁であり、しか も同図2に示す通り操作レバー46の操作量が各減圧弁44a、44bのバネ力 を可変とする構成である。従って各受圧部11d、11eが受けるパイロット圧 は、操作レバー46の操作量に応じた大きさとなる。一方、方向切換弁11は両 端に中立バネをそれぞれ有し、このバネの付勢力がパイロット圧に抗して伸縮す る。従って、方向切換弁11の開口面積は、操作レバー46の操作量に比例して 変化する。これが前記「方向切換弁11の開口面積変更自在によって流量制御自 在」とされる所以である。
【0021】 説明を元に戻す。上記シリンダ伸長時において、パイロット圧は管路48から 分岐するパイロット管路50を経てパイロット式スローリターン弁53bのチェ ック弁51bに作用してこのチェック弁51bを開口させる。従って、受圧部1 1dに残っていたパイロット圧はパイロット管路55と、チェック弁51bと、 管路47と、減圧弁44bと、パイロット管路45とを経てタンク22にドレン し、方向切換弁11を応答性良く上げ位置11cに切換える。
【0022】 一方、上記シリンダ短縮時においては、パイロット圧は管路47から分岐する パイロット管路49を経てパイロット式スローリターン弁53aのチェック弁5 1aに作用してこのチェック弁51aを開口させる。従って、受圧部11eに残 っていたパイロット圧はパイロット管路54と、チェック弁51aと、管路48 と、減圧弁44aと、管路45とを経てタンク22にドレンし、方向切換弁11 を応答性良く下げ位置11aに切換える。
【0023】 そして、上記実施例によれば、さらに次のような作用効果を奏する。 (1)下降中のブーム3を急停止すべく、操作レバー46を下げ位置46bから 中立位置に急激に切換えると、管路47、48はタンク22に直結し、これら管 路47、48内に残るパイロット圧をドレンする。従ってそれまで開いていたチ ェック弁51a、51bは閉じる。ところがこのとき、それまでの下げ位置11 aのために受圧部11dに作用していたパイロット圧は、チェック弁51bが閉 じているため、絞り52bを経るから方向切換弁11が下げ位置11aから中立 位置11bに切換わるための時間が遅延する。従ってこの遅延時間中、ボトム側 油室4bに生じようとしていた閉じ込み圧がタンク22にドレンし、高圧の閉じ 込み圧となることがなく、このため高圧の閉じ込み圧による従来の振動を抑制で きる。尚、この下降中のブーム3の急停止は、そのブーム3、アーム5、バケッ ト7等の自重による大きな慣性力を受けるから、この振動抑制効果は特に大きい 。アーム等下げ急停止においても同様である。
【0024】 一方、上昇中のブーム3を急停止すべく、操作レバー46を上げ位置46bか ら中立位置に急激に切換えると、この場合も、管路47、48はタンク22に直 結し、これら管路47、48内に残るパイロット圧をドレンする。従ってそれま で開いていたチェック弁51a、51bは閉じる。ところがこのとき、それまで の上げ位置11cのために受圧部11eに作用していたパイロット圧は、チェッ ク弁51aが閉じているため、絞り52aを経るから方向切換弁11が上げ位置 11cから中立位置11bに切換わるための時間が遅延する。従ってこの遅延時 間中、ヘッド側油室4aに生じようとしていた閉じ込み圧がタンク22にドレン し、高圧の閉じ込み圧となることがなく、このため高圧の閉じ込み圧による従来 の振動を抑制できる。アーム等の上げ急停止においても同様である。
【0025】 (2)次に実施例において、操作レバー46を上げ下げ位置46a、46b間で 急激に切換操作する加振操作を説明する。前記説明から明らかなように、先ず、 操作レバー46の中立位置から上げ位置46aへ操作すると、チェック弁51a 、51bが共に開くから方向切換弁11は応答性良く中立位置11bから上げ位 置11cへと移行する。これに引き続き、オペレータの裁量の範囲(即ち疲労し ない程度)でゆっくりと、操作レバー46を上げ位置46aから下げ位置46b に操作するものと仮定すると、このとき順序としては当然に先ず、上げ位置46 aから中立位置への移行する。この移行時に、上記(1)で説明の遅延時間が生 ずる。そしてこの遅延時間は絞り52aの絞り量によって定まる値(例えば1秒 間)である。そこでこの遅延時間が終了する直前(例えば0.9秒程度目時)に 操作レバー46を中立位置から下げ位置46bへの操作する。すると、チェック 弁51a、51bが共に開くから方向切換弁11は応答性良く中立位置11bか ら下げ位置11dへ移行する。
【0026】 即ちオペレータが絞り52a、52bの絞り量に基づく遅延時間を予め知り、 この遅延時間内で操作レバー46がその中立位置を通過するように、できる限り ゆっくり操作することにより、方向切換弁11はあたかも、また実質的に中立位 置11bが存在しないかのように上げ下げ位置11a、11c間を応答性良く行 き来する。この結果、次のような効果が生ずる。 (A)オペレータは加振の程度と操作速度との関係を予め管理できる。即ち従来 の前者公報の技術のような加振の程度と操作速度との関係の不透明さから開放さ れ、その分、疲労が軽減する。 (B)振動抑制を達成するためには、遅延時間を、前記で例示したように例えば 1秒間程度と割合長くする必要がある。従って操作レバー46の中立位置の通過 時間がこの長い遅延時間内に納まるように、操作レバー46を上げ下げ操作すれ ばよく、この場合は必然的にゆっくり操作となるからオペレータは長期加振作業 を疲労なく行える。尚、操作レバー46を高速で上げ下げ操作してもよい。この 場合、高速操作するほど、両絞り52a、52bの機能が消滅してゆくから、そ れに応じた加振が得られるものの、これではオペレータが疲れるだけであり、長 期加振作業に耐えられず、従来通りとなってしまう。 (C)実質的に中立位置11bが存在しない操作を達成できる。従ってこの場合 は、シリンダ4を停止させることなく、上げ下げを直接的に繰り返せる。つまり 、加振の中断を避けることができ、従って連続的加振となるから、加振エネルギ ーも減ずることなく、バケット等に直接与えることができる。つまり加振効率が 極めて向上する。 (D)従来の後者公報の技術では、作動開始も作動停止もゆっくり作動する。と ころが上記実施例では、オペレータが、遅延時間内で操作レバー46がその中立 位置を通過するように、操作レバー46を操作すれば、上記(A)〜(C)の効 果が得られ、しかもこの場合、作動開始の応答性が極めて良いから、同じ操作を しても、従来の後者公報の技術よりも加振速度が実質的に速くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を搭載する油圧ショベルの側面図であ
る。
【図2】実施例なる油圧回路である。
【図3】従来の建設機械の作業機油圧回路例である。
【図4】従来の建設機械の他の作業機油圧回路例であ
る。
【符号の説明】
4:油圧アクチュエータ、10:油圧ポンプ、11:油
圧パイロット式方向切換弁、11a:作動位置(下げ位
置)、11b:中立位置、11c:作動位置(上げ位
置)、11d:一側受圧部(下げ側受圧部)、11e:
他側受圧部(上げ側受圧部)、46:操作レバー、4
9:第1管路、50:第2管路、51a:他側チェック
弁、51b:一側チェック弁、52a:他側絞り、52
b:一側絞り、47、55:一側上下流管路、48、5
4:他側上下流管路。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作レバー(46)の操作に基づくパイロッ
    ト圧を一側上下流管路(47,55) を経て一側受圧部(11d)
    で受けると共に、他側受圧部(11e) に残っているパイロ
    ット圧を他側上下流管路(48,54) を経てドレンすること
    により中立位置(11b) から作動位置(11a) に切換わり、
    この切換わりにより油圧ポンプ(10)からの油を油圧アク
    チュエータ(4) に与え、これにより建設機械の作業機を
    作動させる油圧パイロット式方向切換弁(11)を有する建
    設機械の作業機油圧回路であって、 一側上下流管路(47),(55) 間に一側絞り(52b) と、一側
    受圧部(11d) 方向への油流れを許容する一側チェック弁
    (51b) とを並列接続すると共に、他側上下流管路(48),
    (54) 間に他側絞り(52a) と、他側受圧部(11e) 方向へ
    の油流れを許容する他側チェック弁(51a) とを並列接続
    し、 一側上流管路(47)内のパイロット圧を他側チェック弁(5
    1a) に与える第1管路(49)を一側上流管路(47)から分岐
    させると共に、他側上流管路(48)内のパイロット圧を一
    側チェック弁(51b) に与える第2管路(50)を他側上流管
    路(48)から分岐させ、 前記一側チェック弁(51b) は、第2管路(50)からパイロ
    ット圧を受けたとき、一側受圧部(11d) に残っているパ
    イロット圧を一側下流管路(55)から一側上流管路(47)に
    ドレンすべく開口する油圧パイロット式であり、 前記他側チェック弁(51a) は、第1管路(49)からパイロ
    ット圧を受けたとき、他側受圧部(11e) に残っているパ
    イロット圧を他側下流管路(54)から他側上流管路(48)に
    ドレンすべく開口する油圧パイロット式であることを特
    徴とする建設機械の作業機油圧回路。
  2. 【請求項2】 操作レバー(46)の操作に基づくパイロッ
    ト圧を作業機下げ側上下流管路(47,55) を経て作業機下
    げ側受圧部(11d) で受けると共に、作業機上げ側受圧部
    (11e) に残っているパイロット圧を作業機上げ側上下流
    管路(48,54)を経てドレンすることにより中立位置(11b)
    から下げ位置(11a) に切換わり、この切換わりにより
    油圧ポンプ(10)からの油を油圧アクチュエータ(4) に与
    え、これにより建設機械の作業機を下げる油圧パイロッ
    ト式方向切換弁(11)を有する建設機械の作業機油圧回路
    であって、 作業機下げ側上下流管路(47),(55) 間に絞り(52b) と、
    作業機下げ側受圧部(11d) 方向への油流れを許容する作
    業機下げ側チェック弁(51b) とを並列接続すると共に、
    作業機上げ側上下流管路(48),(54) 間に作業機上げ側受
    圧部(11e) 方向への油流れを許容する作業機上げ側チェ
    ック弁(51a) を接続し、 作業機下げ側上流管路(47)内のパイロット圧を作業機上
    げ側チェック弁(51a)に与える第1管路(49)を作業機下
    げ側上流管路(47)から分岐させ、 前記作業機上げ側チェック弁(51a) は、第1管路(49)か
    らパイロット圧を受けたとき、作業機上げ側受圧部(11
    e) に残っているパイロット圧を作業機上げ側下流管路
    (54)から作業機上げ側上流管路(48)にドレンすべく開口
    する油圧パイロット式であることを特徴とする建設機械
    の作業機油圧回路。
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