JPH11109572A - カラー反転用反転浴組成物及びカラー反転処理方法 - Google Patents

カラー反転用反転浴組成物及びカラー反転処理方法

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JPH11109572A
JPH11109572A JP9266797A JP26679797A JPH11109572A JP H11109572 A JPH11109572 A JP H11109572A JP 9266797 A JP9266797 A JP 9266797A JP 26679797 A JP26679797 A JP 26679797A JP H11109572 A JPH11109572 A JP H11109572A
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acid
group
reversal
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color
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JP9266797A
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English (en)
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Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーリバーサルフィルムの処理に関して、
錫(II) 化合物のかぶらせ作用を損なうことなく、空気
酸化に対する安定性を具備し、かつ、沈殿生成を生じな
い十分な溶解性と経時安定性を有し、しかも作業環境中
に悪臭を発することのない反転浴を提供する。 【解決手段】 錫(II) キレートと、アルキレン基の炭
素数が1〜5のアルキレンジカルボン酸を含有する反転
浴を使用するカラー反転処理方法。とりわけ、錫(II)
キレートが錫(II) イオンと特定構造のイミノトリカル
ボン酸又はアルキレンジアミンテトラカルボン酸である
反転浴を用いるカラー反転処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー写真感光材
料用処理液組成物及びカラー反転処理方法に関するもの
で、具体的にはハロゲン化銀反転カラー写真感光材料の
処理に関する改良である。
【0002】
【従来の技術】現在カラー写真が作られる最も普通の形
態には、2通りあり、一つはカラーネガフィルムに撮影
して、それを現像し、得られたネガ像をカラーペーパー
にプリントしてカラープリントを得るいわゆるネガ・ペ
ーパーシステム(N/Pシステムと呼ぶ)と、カラー反
転フィルム(以後カラーリバーサルフィルムと呼ぶ)に
撮影して反転現像処理によって直接ポジ画像を得るカラ
ー反転システム(R/Pシステムと呼ぶ)がある。
【0003】カラー反転システムは、N/Pシステムに
較べて処理品質制御要素が限られ、工程も煩雑であるな
どの不利があるが、直接にポジ画像が得られることや写
真製版適性上の利点などからN/Pシステム同様広く使
用されている。
【0004】凡用のカラーリバーサルフィルムの処理
は、第1(黒白)現像、水洗、反転浴(リバーサル
浴)、第2(発色)現像、調整浴(コンディショナ
ー)、漂白、定着、水洗、画像安定浴の各工程からなっ
ている。この処理方法の詳細は、L.F.A.Mason 著Photog
raphic Processing Chemistry (1966, Focal Press) の
257〜266 頁、G.M.Haist 著 Modern Photographic Pro
cessing (1982) 第2巻第10章(523 〜527 頁) などに
記されている。
【0005】発色現像でポジ型の色素画像を作るために
は、第1現像を終了した段階で、現像されなかった部分
つまり画像露光されなかった部分を現像可能にすること
が必要であり、その方法には、フィルムの全面に光を照
射してかぶらせる光かぶらせ方式と、ハロゲン化銀を現
像可能にするかぶらせ剤を含んだ反転浴を設けてフィル
ムを処理する化学的かぶらせ方式がある。化学的かぶら
せ方式は、光かぶらせ方式に較べてメンテナンスが容易
であり、フィルム面上の第1現像による黒化度の大きい
部分にも効果的にかぶらせ作用が及び、その上かぶらせ
作用が現像処理液の温度変動や組成の変動などの影響を
受けにくい安定性を有しているので、広く採用されてき
ている。化学的かぶらせ方式の当初は、米国特許第32
46987号で開示されたアルカリボロハイドライドを
かぶらせ剤とする方法であったが、処理液の経時安定性
が乏しいことが欠点であった。
【0006】その後、アルカリボロハイドライドと同様
に還元力が極めて強い無機化合物として知られている錫
(II) 化合物をかぶらせ剤として使用する処理浴が米国
特許第3617282号で開示されたが、このかぶらせ
剤は、上記の化学的かぶらせ方式の利点を有するととも
に反転浴の経時安定性もアルカリボロハイドライドより
もはるかにすぐれており、現在では、カラーリバーサル
フィルムの処理では最も一般的に用いられている。しか
し、錫(II)化合物を用いた反転浴は、著しく改善された
とはいえ、なお空気酸化を受け易くそれに伴って錫の水
酸化物などの形の不溶解物の沈殿を生じ易いという欠点
を有している。
【0007】したがって、錫(II) 化合物を含有する反
転浴に対しては空気酸化に対する安定性と、水酸化物の
沈殿生成を伴わない安定性を併せ有することが望まれて
おり、そのような両面の安定性を高めるキレート剤を錫
(II)化合物と組み合わせて使用する反転浴が開示されて
いる。例えば前記米国特許第3617282号が有機ホ
スホン酸塩をキレート剤としたのに対して、アミノポリ
カルボン酸塩を用いた英国特許第1209050号、ホ
スホノカルボン酸塩を用いた特公昭56−32616号
をはじめとして数多くの錫(II)イオンに対するキレート
剤を用いる提案がなされている。これらのキレート剤を
用いた反転浴は、強力でかつ均一なかぶらせ作用と処理
液の経時安定性の点で進歩が見られるが、それでもなお
不十分であった。
【0008】この解決のために、上記の錫(II)キレート
を含む反転浴にプロピオン酸を添加する手段が採られて
いる。プロピオン酸は錫(II)キレートあるいはその酸化
生成物に対する溶解性を高めており、それに伴って沈殿
の生成を防止する安定化作用も有しているので、上記の
欠点を解決する効果的な添加成分である。しかしなが
ら、プロピオン酸の使用に伴うあらたな問題点としては
この酸が悪臭を発するので作業環境を著しく損なうこと
である。そのため、錫(II)キレートを含む反転浴の酸化
劣化を有効に防止してかつ溶解性にも優れた、しかも悪
臭を伴わない添加剤の開発が強く要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している課題は、以上に述べたカラーリバーサルフィル
ムの処理の問題点の解決を図ることであり、具体的に
は、錫(II) 化合物のかぶらせ作用を損なうことなく、
空気酸化に対する安定性を具備し、かつ、沈殿生成を生
じない十分な溶解性と経時安定性を有し、しかも作業環
境中に悪臭を発することのないカラーリバーサルフィル
ム処理方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、上記の
目的を達成するために、鋭意検討の結果、特定構造のジ
カルボン酸が悪臭を持たず、かつ錫(II) キレートをか
ぶらせ剤として含む反転浴において溶解性を向上させる
事実を発見し、それに基づいてさらに研究を行った結
果、本発明に至った.すなわち、本発明は、下記の通り
である。
【0011】1.少なくとも錫(II) キレートと、下記
一般式〔I〕で示されるアルキレンジカルボン酸を含有
することを特徴とするカラー反転用の反転浴組成物。 一般式〔I〕
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原
子又はアンモニウム原子団を表し、nは、1〜5 の整数
を示す) 。
【0014】2.錫(II) キレートが錫(II) イオンと
下記一般式〔II〕又は一般式〔III 〕で示されるキレー
ト剤からなるキレートであることを特徴とする上記1の
反転浴組成物。 一般式〔II〕
【0015】
【化5】
【0016】(式中、M1 ,M2 及びM3 は、水素原
子、アルカリ金属原子又はアンモニウム原子団を表す。
m及びnは、1又は2の整数を示し、Xは、水素原子又
は置換基を示す。) 一般式〔III 〕
【0017】
【化6】
【0018】(式中、M4 ,M5 ,M6 及びM7 は、水
素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム原子団を表
す。lは、1〜4の整数を示し、Y及びZは、水素原子
又は置換基を示す。)
【0019】3.撮影済みカラー写真感光材料を前記1
又は2記載の反転浴組成物を用いて処理することを特徴
とするカラー反転処理方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のカラー反転処理において、
反転浴はすでに述べたように、第1現像終了後発色現像
工程に入る前に設けられ、第1現像で現像されなかった
未露光部つまり非画像部のハロゲン化銀をかぶらせて発
色現像工程で現像可能にするための処理浴である。本発
明に用いる反転浴には少なくとも一般式〔I〕で示され
るアルキレンジカルボン酸、錫(II) 化合物及びそのキ
レート剤を必須成分として含有することを特徴としてお
り、そのうち錫(II) 化合物及びそのキレート剤は、そ
れぞれを用いる代わりにあらかじめ両者から合成した錫
(II) キレートを含有させてもよい。
【0021】一般式〔I〕で示されるアルキレンジカル
ボン酸の具体例を、下記に示す。 (1)マロン酸 (n=1) (2)琥珀酸 (n=2) (3)グルタル酸 (n=3) (4)アジピン酸 (n=4) (5)ピメリン酸 (n=5)
【0022】これらの2塩基酸は、前記したようにプロ
ピオン酸のような悪臭を有することはなく、しかもプロ
ピオン酸と実用上同等あるいはそれ以上の錫(II) キレ
ートに対する安定化作用や錫(II) キレート又はその分
解生成物あるいはその両方に対する溶解性を有している
ので、カラーリバーサルフィルムの処理に際して作業環
境を損ねることなく、また反転浴処理タンクの液を入れ
換えることなく長期間にわたって現像処理を続けても沈
殿の生成も認められず、フィルムに対しては十分のかぶ
らせ効果を及ぼすことができる。これらの2塩基酸の本
発明の反転浴への添加量は、処理タンク液の組成として
1リットル当たり0.1g〜50g、好ましくは0.5
g〜30gであり、補充液への添加量はその1.0〜
1.8倍、好ましくは1.0〜1.3倍である。
【0023】本発明反転浴に添加される錫(II) 化合物
は、具体的には、水溶性の錫(II)塩が好ましく、とく
に塩化第1錫、臭化第1錫、沃化第1錫及びそれらのハ
ロゲン化錫の2水塩、硝酸第1錫、硫酸第1錫及びその
2水塩、酢酸第1錫、クエン酸錫(II) 、酒石酸錫(I
I) が好ましく、とりわけ塩化第1錫、臭化第1錫、硝
酸第1錫、硫酸第1錫が好ましい。
【0024】本発明反転浴に添加されるキレート剤は、
錫(II) イオンと錯形成して、水溶性の錫(II) キレー
トを生じる公知のいずれの化合物も使用できる。好まし
いキレート剤は、米国特許第3617282号に開示さ
れた有機ホスホン酸塩、英国特許第1209050号に
開示されたアミノポリカルボン酸塩、特公昭56−32
616号に開示されたホスホノカルボン酸塩、特公昭4
6−36835号に開示されたアミノポリカルボン酸
塩、一般式〔II〕及び一般式〔III 〕の化合物であり、
その中でも特に一般式〔II〕及び一般式〔III 〕の化合
物が優れた特性を有している。
【0025】一般式〔II〕及び一般式〔III 〕の化合物
について説明する。一般式〔II〕においてM1 、M2
びM3 は、水素原子、リチウム、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属原子又はアンモニウム基、テトラエ
チルアンモニウム基などのアンモニウム原子団を表す。
また、m及びnは、1又は2の整数である。
【0026】Xは、水素原子又は置換基を表すが、Xで
表される置換基をさらに詳細に述べると、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プ
ロピル基、t−オクチル基)、アラルキル基(例えばフ
ェニルメチル基、トリルメチル基、フェネチル基)、ア
ルケニル基(例えばアリル基、ブテニル基)、アルキニ
ル基(例えばエチニル基)、アルコキシ基(例えばメト
キシ基、エトキシ基、t−ペンチル基)、アリール基
(例えばフェニル基、p−トリル基、p−ブチルフェニ
ル基)、アミノ基(例えばジメチルアミノ基)、アシル
アミノ基(例えばアセチルアミノ基)、スルホニルアミ
ノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基などの炭素数1
〜5のアルキルスルホニルアミノ基)、ウレイド基、ウ
レタン基、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ
基)、スルファモイル基(例えばメチルスルファモイル
基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル基、メチル
カルバモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、スル
ホニル基(例えばメタンスルホニル基)、スルフィニル
基(例えばメタンスルフィニル基)、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原
子)、シアノ基、スルホ基(例えば炭素数1〜5のアル
キルスルホ基)、カルボキシ基、ホスホノ基、アリール
オキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニ
ル)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、
アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ブチリル
基)、カルボンアミド基(アセタミド基、プロピオンア
ミド基など炭素原子数1〜9個のアルキルアミド基)、
ニトロ基、ヒドロキサム酸基などが挙げられ、可能な場
合にはその解離体又は塩(アンモニウム塩又はアルカリ
金属塩)であってもよい。上記のXが炭素原子を有する
場合、好ましくは炭素数1ないし14のものである。好
ましいXは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、スル
フィニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ
基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アシル基、
ニトロ基であり、とくに水素原子、炭素原子数1〜5の
アルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基及びカル
ボキシ基が好ましい。以下に一般式〔II〕で表される化
合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0027】
【化7】
【0028】本発明の化合物は、“ブレティン オブ
ザ ケミカル ソサイエティ オブジャパン”第42巻
2835−2840頁(1969年)(BULLETIN OF TH
ECHEMICAL SOCIETY OF JAPAN VOL. 42 2835−2
840(1969))のアスパルティック−N,N−ジ
アセティック アシッド(Aspartic−N,N−diacetic
Acid)、イン オーガニック ケミストリー(Inorgani
c Chemistry)34(1974)、西独特許373961
0号、特開昭63−267751号に記載の合成法及び
それに準じた方法で合成することができる。
【0029】次に、 一般式〔III 〕のキレート剤につ
いて説明する。一般式〔III 〕においてM4 、M5 、M
6 及びM7 は、一般式〔III 〕のM1 〜M3 と同義であ
り、lは、1〜4の整数であり、2又は3が好ましく、
2が最も好ましい。Y及びZは、水素原子又は置換基
で、その置換基は、アルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t−オクチル基)、アラルキル
基(例えばフェニルメチル基、トリルメチル基、フェネ
チル基)、アルケニル基(例えばアリル基、ブテニル
基、ペンテニル基)、アルキニル基(例えばエチニル
基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
t−ペンチル基)、アリール基(例えばフェニル基、、
p−トリル基、p−ブチルフェニル基)、ハロゲン原子
(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、上記のY
及びZが炭素原子を有する場合、その数は、好ましくは
1ないし14である。好ましいY及びZは水素原子及び
炭素原子数1〜5のアルキル基である。以下に一般式
〔III 〕で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【化8】
【0031】本発明の一般式〔III 〕で表される化合物
は、特開昭63−199295号公報、特開平3−17
3857号公報等の記載に準じて合成することが出来
る。尚、これらの文献に記載されているように、本発明
の一般式〔III 〕で表される化合物には、光学異性体
(〔R,R〕、〔S,S〕、〔S,R〕、〔R,S〕)
が存在する(但し、化合物によっては、〔S,R〕体と
〔R,S〕体とが構造上同一である場合がある。)。例
えば、本発明の一般式〔III 〕で表される化合物の例示
化合物(III −1)には3つの光学異性体(〔R,
R〕、〔S,S〕、〔S,R〕=〔R,S〕)が存在
し、これらは個々に合成したり、混合物として合成する
こともできる。本発明にこれらの個々の光学異性体やこ
れらの混合物が含まれることは言うまでもない。通常化
学的に合成して得られる光学異性体〔R,R〕、〔S,
S〕、〔S,R〕、〔R,S〕は、各々約25%ずつ混
合されたものである。また、光学異性体の中で〔S,
S〕体を選択的に用いるのが好ましく、この点から光学
異性体として主として〔S,S〕体からなるものを用い
るのが好ましく、例示化合物(III −1)のように、L
体のアミノ酸を原料として合成される化合物が好まし
い。また、〔S,S〕体を選択的に得るには、上記の如
く生成物に対応するL体のアミノ酸を原料として合成す
る方法、光学異性体の混合物を市販のカラムを用いて常
法により分離する方法などを挙げられる。好ましくは合
成による方法であり、この方法はコスト的にも好まし
い。
【0032】また、〔S,S〕体は、環境に排出された
場合に生分解し易く、環境汚染上にも好ましい化合物で
ある。ここで、「選択的」あるいは「主として」という
意味は、他の光学異性体よりも多量に存在することであ
り、例えば50%以上が〔S,S〕体である。好ましく
は、光学異性体の混合物のうち70%以上が〔S,S〕
体であることがよく、更に好ましくは90%以上が
〔S,S〕体であることがよい。ほとんどが、例えば1
00%が〔S,S〕体であってもよい。これらの化合物
はスプリンガーおよびコベッカの Chem. Zvesti. 20
(6):414-422(1966) 記載や特開平3−173857号
に記載の方法に基づいて合成することができる。また、
〔S,S〕体の選択的な合成方法は、UMEZAWA らによ
り、THE JOURNAL OFANTIBIOTICS, 第37巻、第4号、
第426頁(APR. 1984)等に記載の方法にて合成するこ
とができる。
【0033】本発明において特に好ましい一般式〔II〕
又は一般式〔III 〕の化合物あるいはその両方をキレー
ト剤とする錫(II)キレートを用いた反転浴は、とりわけ
下記の点で従来公知の反転浴に対して優れた特徴を有し
ている。即ち、後に示すように反転浴の経時によるかぶ
らせ作用の低下が少ないこと、経時的に不溶解の沈殿が
増加する現象も見られないこと、上記の構造から明らか
なようにリン化合物ではないので、リンに対する廃水規
制の制約も受けないこと、排出された廃水の生物分解性
についても改善されていること、とりわけ光学活性につ
いての〔S,S〕体を用いると一層環境に対して負荷が
少ない反転浴となる。
【0034】上記一般式〔II〕又は一般式〔III 〕で示
される化合物以外の本発明の反転浴に使用できる錫(I
I) イオンに対するキレート剤としては、前記したよう
に錫(II) イオンと水溶性キレートを生成する任意のキ
レート剤であるが、その中で一般式〔IV〕、〔V〕及び
〔VI〕の化合物が好ましい。
【0035】一般式〔IV〕は、ホスホノカルボン酸化合
物であり、以下にその詳細を説明する。 一般式〔IV〕
【0036】
【化9】
【0037】式中、R1 は、COOM8 、PO(OM9)
2 を表し、R2 は水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、(CH2)n COOM8 、フェニル基であり、好まし
くは水素原子、メチル基、カルボキシメチル基を表わ
す。また、R3 は、水素原子、COOM8 を表す。M8
及びM9 は、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウ
ム原子団を表す。mは0又は1、nは1〜4のそれぞれ
整数を表わす。一般式〔IV〕で表わされる化合物の具体
例としては下記のものを挙げることが出来るが、本発明
に使用されるホスホノカルボン酸錫(II)キレートを作
るのに有用なホスホノカルボン酸化合物はこれに限定さ
れるものではない。
【0038】 IV- 1 1−ホスホノプロパン−1,2,3−トリカル
ボン酸 IV- 2 1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボ
ン酸 IV- 3 1,1−ジホスホノプロパン−2,3−ジカル
ボン酸 IV- 4 2−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボ
ン酸 IV- 5 2,2−ジホスホノブタン−3,4−ジカルボ
ン酸 IV- 6 2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボ
ン酸
【0039】これらの化合物は他の用途について特開昭
49−49887号に記載されており、西ドイツ特許公
開2015068号に合成法が記載されている。
【0040】一般式〔V〕で示される化合物は、(ポ
リ)アミノ−(ポリ)カルボン酸化合物であり、以下に
その詳細を説明する。 一般式〔V〕
【0041】
【化10】
【0042】式中、L1 は、低級アルキレン基、ヒドロ
キシ置換低級アルキレン基、置換シクロアルキレン基を
含めたシクロアルキレン基、または酸素原子で中断され
たアルキレン基を示し、xは0、1または2を示し、R
はアリール基で置換された低級アルキレン基を含む低級
アルキレン基(例えばメチレンおよびエチレン基)を示
し、R4 およびR5 の各々は同じであっても異なっても
よく、水素、置換低級アルキルを含めた低級アルキル
基、置換アラルキル基を含めたアラルキル基を示し、R
4 およびR5 についての置換低級アルキル基の例として
は、ヒドロキシル基、ハロゲン、アミノ基、置換アミノ
基(例えばジヒドロキシアルキルアミノ基)、カルボキ
シル基、スルホ基、ホスホノ基、メルカプト基、ピリジ
ル基で置換された低級アルキル基がある。またR4 およ
び/またはR5 についての置換アラルキル基の例にはヒ
ドロキシル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、
ニトロ基、カルボキシル基およびスルホ基で置換された
アラルキル基がある。以下に示すのが上記一般式に相当
する(ポリ)アミノ−(ポリ)カルボン酸の例である
が、これに限定するものではない。
【0043】 V−1 エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テト
ラ酢酸 V−2 1,2−プロピレンジアミン−N,N,N′,
N′−テトラ酢酸 V−3 エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テト
ラプロピオン酸 V−4 N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジア
ミン−N,N,N′,−トリ酢酸 V−5 N−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジ
アミン−N,N′,N′−トリ酢酸 V−6 N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−エチ
レンジアミン−N,N,N′,N′−トリ酢酸 V−7 N,N′−ジ(2−ヒドロキシエチル)−エチ
レンジアミン−N,N′−ジ酢酸 V−8 ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′,
N′−ペンタ酢酸 V−9 ニトリロ酢酸 V−10 エチレンジアミン−N,N′−ジ−(o−ヒド
ロキシフェニル酢酸) V−11 ジ−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ酢酸 V−12 2−ヒドロキシエチル−アミノ酢酸 V−13 1,2−アミノシクロヘキサン−N,N,
N′,N′−テトラ酢酸 V−14 2,3−ジヒドロキシプロピル−アミノジ酢酸 V−15 エチレングリコール−ビス(2−アミノエチ
ル)−N,N,N′,N′−テトラ酢酸 V−16 N,N′−ジ〔3−ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)−アミノ−2−ヒドロキシプロピル〕−エチレンジ
アミン−N,N′−ジ酢酸 V−17 N−(2−ヒドロキシエチル)−N′−(α−
ピリジノメチル)−エチレン−ジアミン−N,N′−ジ
酢酸 V−18 N−(2−ヒドロキシエチル)−N′−ホスホ
ノメチル−エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸 V−19 N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N′
−(2−スルホエチル)−エチレンジアミン−N,N′
−ジ酢酸 V−20 N,N′−ジ(2−ヒドロキシエチル)−エチ
レントリアミン−N,N′,N′−トリ酢酸 V−21 N−(2−メルカプト−1−カルボキシ−エチ
ル)−N′−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジア
ミン−N,N′−ジ酢酸 V−22 N−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベ
ンジル)−N′−(2−ヒドロキシエチル)−エチレン
ジアミン−N,N′−ジ酢酸 V−23 2−ヒドロキシ−プロピレンジアミン−N,
N′,N′−テトラ酢酸
【0044】次に、一般式〔VI〕で表される錫(II)キ
レート剤であるホスホン酸化合物の詳細を説明する。 一般式〔VI〕
【0045】
【化11】
【0046】式〔VI〕において、R0 は、炭素原子数1
〜4のアルキル基、フェニル基、トリル基、カルボキシ
フェニル基など炭素数6〜8のアリール基、ベンジル
基、フェネチル基など炭素数6〜9のアラルキル基、シ
クロヘキシル基、シクロペンチル基、ヒドロキシ基、炭
素原子数6〜9のピロリジルアルキル基、アセタミドベ
ンジル基、又はPO3 M’2 基あるいはCH2 PO
3 M’2 基を示す。M’は、一般式〔I〕〜〔V〕にお
けるM1 〜M11と同義である。
【0047】一般式〔VI〕で示される化合物の具体例を
下記に示す・ VI-1 エチレンジアミン-N,N,N',N'- テトラメチレンホ
スホン酸 VI-2 ニトリロ-N,N,N- トリメチレンホスホン酸 VI-3 1,2 シクロヘキサンジアミン-N,N,N',N'- テトラ
メチレンホスホン酸 VI-4 o-カルボキシアニリノ-N,N- ジメチレンホスホン
酸 VI-5 プロピレン-N,N- ジメチレンホスホン酸 VI-6 プロピルアミノ-N,N- ジメチレンホスホン酸 VI-7 4-(N- ピロリジノ) ブチルアミノ-N,N- ビスメチ
レンホスホン酸 VI-8 1,3-ジアミノロパノールル-N,N,N',N'- テトラメ
チレンホスホン酸 VI-9 1,3-プロパンジアミン-N,N,N',N'- テトラメチレ
ンホスホン酸 VI-10 1,6-ヘキサンジアミン-N,N,N',N'- テトラメチレ
ンホスホン酸 VI-11 o-アセタミドベンジルアミノ-N,N- ジメチレンホ
スホン酸 VI-12 o-トルイジン-N,N- ジメチレンホスホン酸 上記の一般式[II]〜[VI]のキレート剤は、2種類以上を
併用してもよい。
【0048】本発明の反転浴組成物は、上記の説明から
明らかなようにカラー反転処理に用いられる処理剤組成
物であり、固形状でも液状でもよい。また、ペースト状
でも、懸濁状でもよい。
【0049】以下、上記の本発明の反転浴を用いるカラ
ー反転処理工程について説明する。まず最初の工程であ
る黒白現像(第1現像)について説明する。黒白現像液
には、従来知られている現像主薬を用いることができ
る。現像主薬としては、ジヒドロキシベンゼン類(たと
えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホネー
ト)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール
類(たとえばN−メチル−p−アミノフェノール、N−
メチル−3−メチル−p−アミノフェノール類)、アス
コルビン酸及びその異性体や誘導体などを、単独もしく
は組合せて用いることができる。これらの現像主薬の添
加量は、現像液1リットル当り1×10-5〜2 mol/リッ
トル程度である。
【0050】本発明の黒白現像液には、必要により保恒
剤を用いることができる。保恒剤としては亜硫酸塩や重
亜硫酸塩が一般的に用いられる。これらの添加量は、
0.01〜1 mol/リットル、好ましくは0.1〜0.5 m
ol/リットル。また、アスコルビン酸も有効な保恒剤であ
り、好ましい添加量は、0.01 mol/リットル〜0.5 m
ol/リットルである。その他、ヒドロキシルアミン類、糖
類、o−ヒドロキシケトン類、ヒドラジン類等も用いる
ことができる。その場合の添加量は0.1mol/リットル
以下である。
【0051】本発明の黒白現像液のpHは8〜12が好
ましく,最も好ましくはpH9〜11である。pHを維
持するために各種緩衡剤を用いることができる。好まし
い緩衡剤は、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、5−スルホ
サリチル酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリジン塩、
N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシ
ン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラ
ニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、バリン塩、リシン
塩等をあげることができる。特に炭酸塩、ホウ酸塩、5
−スルホサリチル酸塩の使用が上記pH領域をキープ
し、かつ、安価であるという点で好ましい。これらの緩
衡剤は単独で使用しても良く、また、2種以上、併用使
用しても良い。更に目的のpHを得るのに、酸及び/又
はアルカリを添加しても良い。酸としては無機・有機の
水溶性の酸を用いることができる。例えば、硫酸、硝
酸、塩酸、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸等であ
る。また、アルカリとしては各種水酸化物、アンモニウ
ム塩を添加することができる。例えば水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、アンモニア水、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン等をあげることができる。
【0052】本発明に用いる黒白現像液には、現像促進
剤としてハロゲン化銀溶剤を含有するのが好ましい。例
えば、チオシアン塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、2−メチ
ルイミダゾール、特開昭57−63580号記載のチオ
エーテル系化合物等が好ましい。これらの化合物の添加
量は0.005〜0.5モル/リットル程度が好ましい。そ
の他、現像促進剤として各種4級アミン類、ポリエチレ
ンオキサイド類、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、
1級アミン類、N,N,N’,N’−テトラメチル−p
−フェニレンジアミン等をあげることができる。
【0053】本発明の黒白現像工程には現像カブリを防
止する目的で種々のカブリ防止剤を添加してもよい。カ
ブリ防止剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭
化カリウム、臭化ナトリウム、沃化カリウムの如きアル
カリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が好まし
い。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾ
ール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソ
インダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニ
トロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾ
ール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チア
ゾリルメチル−ベンズイミダゾール、ヒドロキシアザイ
ンドリジンの如き含窒素ヘテロ環化合物及び1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベン
ゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールの如
きメルカプト置換ヘテロ環化合物、さらにチオサリチル
酸の如きメルカプト置換の芳香族化合物を使用すること
ができる。これらのカブリ防止剤は、処理中にカラー反
転感光材料中から溶出し、これらの現像液中に蓄積する
ものを含む。これらのうち、沃化物の添加濃度は5×1
-6〜5×10-4モル/リットル程度である。また臭化物も
カブリ防止に好ましく、好ましい濃度は0.001モル
/リットル〜0.1モル/リットル、更に好ましくは0.01〜
0.05モル/リットル程度である。
【0054】更に、本発明の黒白現像液には、膨潤抑制
剤(例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の無機塩)
や、硬水軟化剤を含有させることができる。硬水軟化剤
としては、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン
酸、ホスホノカルボン酸、有機無機ホスホン酸等、各種
構造のものを用いることができる。以下に具体例を示す
が、これらに限定されるものではない。エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ3酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ
酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ−
N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミ
ン−N,N,N’N’−テトラメチレンホスホン酸、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸。これ
らの硬水軟化剤は2種以上併用しても良い。好ましい添
加量は0.1g〜20g/リットル、より好ましくは、0.
5g〜10g/リットルである。
【0055】黒白現像の処理時間は20秒〜10分、好
ましくは60秒〜6分である。処理温度は20°〜50
℃、好ましくは33°〜45℃である。黒白現像液の補
充量は感光材料1m2当り100ml〜5000ml、好まし
くは200ml〜2000ml程度である。
【0056】本発明の処理においては、黒白現像の後
に、必要に応じて水洗及び/又はリンス処理され、その
後、反転処理工程にて処理され、引きつづき発色現像処
理される。水洗又はリンス浴は1浴でも良いが、補充量
を低減する目的で2タンク以上の多段向流方式を採用す
るのがより好ましい。ここで水洗は比較的多量の水を補
充する方式に対し、リンスとは他の処理浴レベルにまで
補充量を低減させた方式をいう。水洗水の補充量は感光
材料1m2当り3リットル〜20リットル程度が好ましい。又、リ
ンス浴の補充量は50ml〜2リットル、より好ましくは10
0ml〜500ml程度であり、水洗工程に比べ使用水量が
大幅に低減される。又、本発明のリンス浴には必要に応
じて、酸化剤、キレート剤、緩衝剤、殺菌剤、蛍光増白
剤等を添加することができる。
【0057】続いて反転浴工程に入る。本発明において
は反転浴には、化学かぶらせ剤として前記した第1スズ
イオンと第1スズイオンに対するキレート剤、またはそ
れらから作られた錫(II) キレートを必須成分として含
有するが、反転浴処理と光かぶらせ処理を併せ行っても
よい。第1スズイオンに対するキレート化剤としては、
一般式〔II〕から〔VI〕に示したキレート剤が好ましい
が、なかでも前記したように一般式〔II〕又は〔III 〕
のキレート剤が好ましい。光かぶらせ処理よりも化学的
かぶらせ処理による方法が安定したかぶらせ能を持続す
ることが可能であり、メンテナンスに要する手間も省
け、光カブラセ方式の場合の電球切れの心配もないなど
の点で有利である。化学かぶらせ処理において反転浴
に、水素化ホウ素化合物(米国特許第2,984,56
7号明細書)、複素環アミンボラン化合物(英国特許第
1,011,000号明細書)などのホウ素化合物を添
加しても良いが、錫(II) キレートを用いる本発明にお
いては通常はその必要はない。この反転浴(かぶらせ浴
ともいう)のpHは、酸性側からアルカリ性側まで広い
範囲に亘ってよく、pH2〜12、好ましくは2.5〜
10、特に好ましくは3〜9の範囲である。
【0058】反転浴の錫(II)イオンの濃度は1x10-3
〜5x10-2mol/リットル、好ましくは2x10-3
1.5x10-2mol/リットルである。また、一般式〔I
I〕から〔VI〕の化合物の濃度は、いずれを用いる場合
でも1x10-3〜6x10-2mol/リットル、好ましくは
2x10-3〜5x10-2mol/リットルであり、錫(II)イ
オンに対してモル比で1〜10倍の範囲、好ましくは
1.01〜2倍、より好ましくは1.1〜1.2倍であ
る。また、一般式〔II〕〜〔VI〕の錫キレートは併用し
てもよく、その場合各々のキレート剤は、単独で使用す
る場合より減量してよいが、好ましい範囲は上記した範
囲である。
【0059】反転浴の時間は、10秒〜3分、好ましく
は20秒〜2分であり、より好ましくは30秒〜90秒
である。また反転浴の温度は、第1現像、続くリンス又
は水洗及びカラー現像のいずれかあるいはそれら各浴の
温度範囲内が好ましく、一般に20〜50°C,好まし
くは33〜45°Cである。反転浴の補充量は、感光材
料1m2 当たり10〜2000ml、好ましくは20〜
500mlが適当である。
【0060】反転浴の錫(II)キレートは、広いpH範囲
にわたって効力を発揮するので、とくにpH緩衝剤を添
加する必要はないが、クエン酸、リンゴ酸などの有機
酸、ホウ酸、硫酸、塩酸などの無機酸、炭酸アルカリ、
カセイアルカリ、ほう砂、メタホウ酸カリなどのpH緩
衝性付与のための酸、アルカリ、塩類を加えることを妨
げない。また、必要によりアミノポリカルボン酸などの
硬水軟化剤や硫酸ナトリウムのような膨潤抑制剤、p−
アミノフェノールのような酸化防止剤を添加してもよ
い。
【0061】反転浴で処理したのち、発色現像工程に入
る。本発明のカラー現像処理に用いる発色現像液は、芳
香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカ
リ性水溶液である。この発色現像主薬としては、p−フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用される。p−
フェニレンジアミン系化合物の代表例として3−メチル
−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルア
ニリンおよびこれらの硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩もしく
はp−トルエンスルホン酸塩、テトラフェニルホウ酸
塩、p−(t−オクチル)ベンゼンスルホン酸塩などが
挙げられる。これらの現像主薬は必要により、2種以上
併用しても良い。好ましい添加量は0.005モル/リッ
トル〜0.1モル/リットル好ましくは0.01モル/リットル〜
0.05モル/リットル程度である。
【0062】本発明のカラー現像液のpHは8〜13の
範囲が好ましく、最も好ましくはpH10.0〜12.
5である。このpHを維持するのに各種緩衝剤が用いら
れる。本発明に用いられるpH8.0以上に緩衝領域を
有する緩衡剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、
5−スルホサリチル酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息
香酸塩、グリジン塩、N,Nジメチルグリシン塩、ロイ
シン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒド
ロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸
塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロシアミノメ
タン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸
塩、リン酸塩、5−スルホサリチル酸塩、四ホウ酸塩、
ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性、pH10.0以上の
高pH領域での緩衝能に優れ、カラー現像液に添加して
も写真性能面への悪影響(ステインなど)がなく、安価
であるといった利点を有し、これらの緩衝剤を用いるこ
とが特に好ましい。
【0063】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、5−スルホサリチ
ル酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、
四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o
−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウ
ム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチ
ル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香
酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙
げることができる。しかしながら本発明は、これらの化
合物に限定されるものではない。これらの緩衝剤は、単
独で現像液に添加してもよいし、また二種以上を併用し
て添加してもよく、アルカリ剤又は酸により目的のpH
に調整することができる。該緩衝剤のカラー現像液への
添加量は、(併用の場合には全体として)0.1モル/
リットル以上であることが好ましく、特に0.1モル/リットル
〜0.4モル/リットルであることが特に好ましい。
【0064】また、本発明においては必要に応じて種々
の現像促進剤を併用してもよい。また、現像促進剤とし
ては、米国特許第2648604号、特公昭44−95
03号、米国特許第3171247号で代表される各種
のピリジニウム化合物やその他のカチオニック化合物、
フェノサフラニンのようなカチオン性色素、硝酸タリウ
ムや硝酸カリウムの如き中性塩、特公昭44−9304
号、米国特許第2533990号、同第2531832
号、同第2950970号、同第2577127号記載
のポリエチレングリコールやその誘導体、ポリチオエー
テル類などのノニオン性化合物、米国特許第32012
42号記載のチオエーテル系化合物を使用してもよい。
また、必要に応じてベンジルアルコールやその溶剤であ
るジエチレングリコール、トリエタノールアミン、ジエ
タノールアミン等を用いることができる。但し、環境負
荷や液の溶解性、タールの発生等を考慮すると、これら
の使用は、極力少ない方が好ましい。また、黒白現像液
と同様のハロゲン化銀溶剤を含有することもできる。例
えば、チオシアン酸塩、2−メチルイミダゾール、特開
昭57−63580号記載のチオエーテル系化合物等が
挙げられる。
【0065】本発明のカラー現像工程において、現像カ
ブリを防止する必要はないが、カラーフィルムを補充し
ながらランニングする場合に、液の組成と性能の恒常性
を保つ目的で種々のカブリ防止剤を含有させてもよい。
これら現像工程におけるカブリ防止剤としては塩化カリ
ウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、沃化カリウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び
有機カブリ防止剤が好ましい。有機カブリ防止剤として
は、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミ
ダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベ
ンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5
−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベン
ズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダ
ゾール、ヒドロキシアザインドリジンの如き含窒素ヘテ
ロ環化合物及び1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカ
プトベンゾチアゾールの如きメルカプト置換ヘテロ環化
合物、さらにチオサリチル酸の如きメルカプト置換の芳
香族化合物を使用することができる。これらのカブリ防
止剤は、処理中にカラー反転感光材料中から溶出し、こ
れらの現像液中に蓄積するものを含む。
【0066】本発明に係わる発色現像液には、各種保恒
剤を用いることができる。代表的な保恒剤としては、ヒ
ドロキシルアミン類と亜硫酸塩を用いることができる。
これらの添加量は0〜0.1モル/リットル程度である。本
発明に用いられるカラー現像液は、前記ヒドロキシルア
ミンや亜硫酸イオンに替えて有機保恒剤を含有すること
がより好ましい場合がある。
【0067】ここで有機保恒剤とは、カラー写真感光材
料の処理液へ添加することで、芳香族第一級アミンカラ
ー現像主薬の劣化速度を減じる有機化合物全般を指す。
即ち、カラー現像主薬の空気などによる酸化を防止する
機能を有する有機化合物類であるが、中でもヒドロキシ
ルアミン誘導体(ヒドロキシルアミンを除く。)、ヒド
ロキサム酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェノー
ル類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、
糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級
アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール
類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類な
どが特に有効な有機保恒剤である。これらは、特公昭4
8−30496号、特開昭52−143020号、同6
3−4235号、同63−30845号、同63−21
647号、同63−44655号、同63−53551
号、同63−43140号、同63−56654号、同
63−58346号、同63−43138号、同63−
146041号、同63−44657号、同63−44
656号、米国特許第3615503号、同24949
03号、特開平1−97953号、同1−186939
号、同1−186940号、同1−187557号、同
2−306244号などに開示されている。その他保恒
剤として、特開昭57−44148号及び同57−53
749号に記載の各種金属類、特開昭59−18058
8号記載のサリチル酸類、特開昭63−239447
号、特開昭63−128340号、特開平1−1869
39号や同1−187557号に記載されたようなアミ
ン類、特開昭54−3532号記載のアルカノールアミ
ン類、特開昭56−94349号記載のポリエチレンイ
ミン類、米国特許第3,746,544号等記載の芳香
族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて用いても良
い。特にトリエタノールアミンのようなアルカノールア
ミン類、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンやN,N
−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミンのようなジア
ルキルヒドロキシルアミン、N,N−ビス(カルボキシ
メチル)ヒドラジンのようなヒドラジン誘導体(ヒドラ
ジンを除く。)あるいはカテコール−3,5−ジスルホ
ン酸ソーダに代表される芳香族ポリヒドロキシ化合物の
添加が好ましい。
【0068】これらの有機保恒剤の添加量は、好ましく
は0.02モル/リットル〜0.5モル/リットルより好ましく
は0.05モル/リットル〜0.2モル/リットル程度であり必
要により2種以上併用しても良い。
【0069】その他、本発明に係わる発色現像液は、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコールのような
有機溶剤;色素形成カプラー;シトラジン酸、J酸、H
酸のような競争カプラー;ナトリウムボロンハイドライ
ドのような造核剤;1−フェニル−3−ピラゾリドンの
ような補助現像薬;粘性付与剤;エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、
ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、N−ヒ
ドロキシメチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸およ
び、特開昭58−195845号記載の化合物などに代
表されるアミノポリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1’−ジホスホン酸、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo. 18170(1979年5月)記載の有機
ホスホン酸、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エ
チレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレン
ホスホン酸などのアミノホスホン酸、特開昭52−10
2726号、同53−42730号、同54−1211
27号、同55−4024号、同55−4025号、同
55−126241号、同55−65955号、同55
−65956号、およびリサーチ・ディスクロージャー
No.18170号(1979年5月)記載のホスホノカ
ルボン酸などのキレート剤を含有することができる。こ
れらのキレート剤の添加量は0.05g/リットル〜20g
/リットル好ましくは0.1g〜5g/リットル程度であり、必
要により2種以上併用しても良い。
【0070】又、必要に応じてアルキルスルホン酸、ア
リールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン
酸ポリアルキレンイミン等の各種界面活性剤を添加して
も良い。本発明に適用されうる発色現像液の処理温度は
20〜50℃好ましくは33〜45℃である。処理時間
は20秒〜5分、好ましくは20秒〜4分である。補充
量は活性を維持できる限り少ない方が好ましいが、感光
材料1m2当たり100〜2000mlが適当であり、好ま
しくは200ml〜1000mlである。
【0071】発色現像を終えたカラー反転感光材料は、
次いで脱銀処理される。脱銀工程は通常以下のような形
の工程により行なわれる。 1.(発色現像)−調整−漂白−定着 2.(発色現像)−水洗−漂白−定着 3.(発色現像)−漂白−定着 4.(発色現像)−水洗−漂白−水洗−定着 5.(発色現像)−漂白−水洗−定着 6.(発色現像)−水洗−漂白定着 7.(発色現像)−調整−漂白定着 8.(発色現像)−漂白定着 9.(発色現像)−水洗−漂白−漂白定着 10.(発色現像)−漂白−漂白定着 11.(発色現像)−水洗−漂白−漂白定着−定着
【0072】上記工程の中でも、特に1、3が好まし
い。上記の処理工程における補充方法は、従来のよう
に、各浴の補充液を個々に該当する処理浴に補充しても
よいし、工程9、10においては、漂白液のオーバーフ
ロー液を漂白定着浴に導入し、漂白定着浴には定着液組
成だけを補充してもよい。また、工程11においては、
漂白液のオーバーフロー液を漂白定着液に導入し、定着
液のオーバーフロー液を向流方式で漂白定着液に導入
し、両者を漂白定着浴よりオーバーフローさせるような
方法を行なってもよい。本発明の漂白浴もしくは漂白定
着浴の漂白剤としては、現在最も一般に使用されている
のは、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩である。これ
らのアミノポリ
【0073】カルボン酸及びその塩の代表例としては、 A−1 エチレンジアミンテトラ酢酸 A−2 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 A−3 エチレンジアミンテトラ酢酸ジアンモニウム塩 A−4 ジエチレントリアミンペンタ酢酸 A−5 シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸 A−6 シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸ジナトリウ
ム塩 A−7 イミノジ酢酸 A−8 1,3−ジアミノプロパンテトラ酢酸 A−9 メチルイミノジ酢酸 A−10 ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 A−11 グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸 A−12 エチレンジアミンテトラプロピオン酸 A−13 N−(2−カルボキシエチル)−イミノジ酢酸 A−14 エチレンジアミンジプロピオン酸 A−15 β−アラニンジ酢酸 A−16 エチレンジアミンジマロン酸 A−17 エチレンジアミンジコハク酸 A−18 プロピレンジアミンジコハク酸 等をあげることができる。
【0074】アミノポリカルボン酸第2鉄錯塩は錯塩の
形で使用しても良いし、第2鉄塩とアミノポリカルボン
酸を用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させてもよ
い。更にアミノポリカルボン酸を1種類又は2種類以上
使用してもよい。また、いずれの場合にも、アミノポリ
カルボン酸を第2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に
用いてもよい。また上記の第2鉄イオン錯体を含む漂白
液又は漂白定着液には鉄以外のコバルト、銅等の金属イ
オン錯塩が入っていてもよい。これらの漂白剤の添加量
は漂白能を有する浴1リットルあたり0.02モル〜0.5
モル、好ましくは0.05モル〜0.3モルである。
【0075】本発明の漂白浴、漂白定着浴、もしくはそ
れらの前浴である調整浴には、種々の漂白定着促進剤を
添加することができる。このような漂白促進剤の例とし
ては、例えば米国特許第3,893,858号明細書、
英国特許第1,388,42号明細書、特開昭53−1
41623号公報に記載されている如き種々のメルカプ
ト化合物、特開昭53−95630号公報に記載されて
いる如きジスルフイド結合を有する化合物、特公昭53
−9854号公報に記載されている如きチアゾリジン誘
導体、特開昭53−94927号公報に記載されている
如きイソチオ尿素誘導体、特公昭45−8506号公
報、特公昭49−26586号公報に記載されている如
きチオ尿素誘導体、特開昭49−42349号公報に記
載されている如きチオアミド化合物、特開昭55−26
506号公報に記載されている如きジチオカルバミン酸
塩類等が挙げられる。漂白促進剤のさらなる例には、無
置換もしくは、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸
基、(アルキル基、アセトキシアルキル基などの置換を
有していてもよい)アミノ基などで置換されたアルキル
メルカプト化合物を用いることができる。例えば、トリ
チオグリセリン、α,α’- チオジプロピオン酸、δ−
メルカプト酪酸などをあげることができる。さらに米国
特許第4,552,834号記載の化合物を使用するこ
ともできる。
【0076】上記の分子中にメルカプト基またはジスル
フィド結合を有する化合物、チアゾリン誘導体またはイ
ソチオ尿素誘導体を漂白液に含有せしめる際の添加量は
処理する写真材料の種類、処理温度、目的とする処理に
要する時間等によって相違するが、処理液1リットル当り1
×10-5〜10-1モルで適当であり、好ましくは1×1
-4〜5×10-2モルである。
【0077】本発明に用いられる漂白液には、漂白剤及
び上記化合物の他に、臭化物、例えば臭化カリウム、臭
化ナトリウム、臭化アンモニウム又は塩化物、例えば塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどの
再ハロゲン化剤を含むことができる。他に、硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、ほう酸、ほう砂、
メタほう酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウ
ム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH
緩衝能を有する1種以上の無機酸、有機酸及びこれらの
塩など通常漂白液に用いることが公知の添加剤を添加す
ることができる。また漂白能を有する液のpHは、使用
に際して4.0〜8.0、特に5.0〜7.0になるこ
とが好ましい。
【0078】また漂白定着液中には定着剤としてチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムの如きチオ硫酸
塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム、チオシアン酸カリウムの如きチオシアン酸塩、エチ
レンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−
オクタンジオールなどのチオエーテル化合物、チオ尿素
類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを
1種あるいは2種以上混合して使用することができる。
さらに特開昭55−155354号に記載された定着剤
と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合
わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができ
る。これら定着剤の量は定着能を有する浴1リットル当り
0.1モル〜3モル、好ましくは0.2モル〜2モルで
ある。
【0079】本発明で定着液を使用する場合、その定着
剤も公知の定着剤即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ア
ンモニウムの如きチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム
の如きチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール
酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどの
チオエーテル化合物、チオ尿素類などの水溶性のハロゲ
ン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混
合して使用することができる。その定着剤の濃度は定着
液1リットル当り0.1モル〜3モル、好ましくは0.2モ
ル〜2モルである。定着能を有する液には、前述の添加
剤以外に保恒剤として亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸
塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アルデヒド化合
物の重亜硫酸塩付加物(例えばアセトアルデヒド重亜硫
酸ナトリウム)などを含有させることができる。またス
ルフィン酸類(ベンゼンスルフィン酸等)やアスコルビ
ン酸も有効な保恒剤である。更に、各種の蛍光増白剤や
消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、防
菌、防バイ剤、メタノール等の有機溶媒を含有させるこ
とができる。
【0080】本発明における漂白液、定着液、漂白定着
液等の補充量は、それぞれの処理浴の機能を満たすかぎ
り各々任意に設定できるが、好ましくは感光材料1m2
り30ml〜2000mlである。更に好ましくは50ml〜
1000mlである。また、処理温度は好ましくは20℃
〜50℃、更に好ましくは33℃〜45℃である。処理
時間は10秒〜10分、好ましくは20秒〜6分であ
る。
【0081】定着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗及
び/又は安定化処理をするのが一般的である。水洗工程
での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使
用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段
数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モ
ーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エン
ジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture
and Television Engineers)第64巻、p.248 〜253 (1955
年5月号)に記載の方法で、求めることができる。通
常多段向流方式における段数は2〜15が好ましく、特
に2〜10が好ましい。
【0082】多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に
減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。この様な問題の解決策として、特開
昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグ
ネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることが
できる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイ
ソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−
120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナ
トリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761
号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他
堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生
技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982
年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0083】また、残存するマゼンタカプラーを不活性
化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなど
のアルデヒド類、米国特許第4786583号に記載の
メチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平
2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン
類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデ
ヒド重亜硫酸付加物、欧州特許公開公報第504609
号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミ
ン類などが添加される。又、US4960687号、U
S4975356号、US5037725号記載のよう
に漂白浴の前浴に画像安定化剤やその前駆体を添加する
ことも可能である。
【0084】更に、水洗水には、水切り剤として界面活
性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレー
ト剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、
又は水洗工程を経ずに直接画像安定液で処理することも
出来る。画像安定液には、画像安定化機能を有する化合
物を含んでおり、それらの例としては、ホルマリンに代
表されるアルデヒド化合物、色素安定化に適した膜pH
に調製するための緩衝剤及びアンモニウム化合物があげ
られる。又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の
感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤
や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍
光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。
【0085】本発明の方法に係わる感光材料の処理にお
いて、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場
合、特開昭57−8543号、同58−14834号、
同60−220345号公報等に記載の公知の方法をい
ずれも用いることができる。その他、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四
メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビ
スマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0086】脱銀処理後に用いられる水洗液又は安定化
液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗工
程又は安定化工程の好ましいpHは4〜10であり、更
に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特
性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好
ましくは25℃〜45℃である。水洗及び/又は安定化
工程に続いて乾燥が行われる。画像膜への水分の持込み
量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズロ
ーラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも
可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然の
ことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズル
の形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早め
ることが可能である。更に、特開平3−157650号
公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送
風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早
めることができる。
【0087】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に
記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0088】次に、本発明に係わるカラーリバーサルフ
ィルムについて説明する。このフィルムは、通常支持体
に近い方から赤感性ユニット、緑感性ユニット、青感性
ユニットの順に感光性ユニットが配置されており、赤感
性ユニットと緑感性ユニットの間、または緑感性ユニッ
トと青感性ユニットの間の少なくとも一方に2層以上の
非発色層を有しているハロゲン化銀カラー写真感光材料
である。
【0089】感光性ユニットが3層構成の感光材料は、
支持体に近い側から低感度乳剤層、中感度乳剤層、高感
度乳剤層の順で塗布されていることが好ましく、これら
の感光性乳剤層の間には、非発色性の中間層またはハロ
ゲン化銀乳剤を含む層が塗布されていても良い。感光性
ユニットは青感性、緑感性、赤感性すべてが3層構成で
あることが好ましいが、青感性層は2層以下の構成であ
って緑感性、赤感性層が3層構成であってもよい。青感
性層にはイエローカプラー、緑感性層にはマゼンタカプ
ラー、赤感性層にはシアンカプラーを含むが、色再現性
の調節の目的でこのほかの組み合わせのカプラーを混合
しても良い。
【0090】3層構成のユニットのうち、ハロゲン化銀
乳剤の塗布量はユニット全体のハロゲン化銀乳剤塗布重
量のうち高感度層には10%〜60%、中間度層には1
0%〜50%、低感度層には30%〜70%が配分され
ていることが好ましく、またそれぞれの感光性層中での
銀/カプラー比は低感度層が最大となるような構成であ
ることが好ましい。
【0091】感色性の異なるユニットの間には非発色性
の中間層を有することが好ましい。非発色性の中間層に
は感光性、非感光性、または予めかぶらされたハロゲン
化銀乳剤が含有されていても良い。特に中間層が2層以
上5層以下の構成であることが好ましいが、この場合支
持体から遠い側に位置する層にはコロイド銀粒子、また
は予め表面または粒子内部がかぶらされたハロゲン化銀
乳剤が含有されていることが好ましい。また中間層にハ
ロゲン化銀乳剤を含有させる場合には、該中間層または
隣接する層中に混色防止剤を添加することが好ましい。
【0092】本発明に係わるカラーリバーサルフィルム
のより好ましい実施形態には以下のようなものが挙げら
れる。支持体に近い側から赤感性ユニット、緑感性ユニ
ット、青感性ユニットが塗布されたおり、少なくとも赤
感性ユニット、緑感性ユニットは3層の感光性乳剤層か
らなっていてそれらは支持体に近い側から低感度、中感
度、高感度の順で塗布されている。これら各感光性層中
の銀/カプラー比は低感度層で最も大きく、特に色画像
の視感度の最も高い緑感性乳剤層の銀/カプラー比は2
5〜150が好ましい。またその場合中間度層の銀/カ
プラー比は5〜30、高感度層の銀/カプラー比は2〜
20が好ましい。
【0093】さらに赤感性ユニットと緑感性ユニットの
間、緑感性ユニットと青感性ユニットの間には2層以上
5層以下の中間層を有しており、前者の緑感性層に隣接
する層、後者の青感性層に隣接する層にはコロイド銀粒
子または予めかぶらされたハロゲン化銀乳剤が含有され
ている。前記中間層の膜厚は2層合わせて0.5〜5μ
mであり、より好ましくは1.0〜3.0μmである。
この膜厚は添加物の比重により理論上簡単に求められる
し、また実際の塗布物に関しては電子顕微鏡にて断面を
観察し容易に測定できる。また、赤感性ユニットより支
持体に近い側にはハレーション防止層、中間層を青感性
ユニットより支持体から遠い側には少なくとも1層の保
護層を有しており保護層のうち少なくとも1層にはハロ
ゲン化銀乳剤を含んでいることも好ましい。
【0094】本発明に係わるハロゲン化銀写真乳剤、お
よびそれを用いたカラーリバーサルフィルムに用いるこ
とのできる種々の技術や無機・有機の素材については一
般にはリサーチ・ディスクロージャー No.308119
(1989年)に記されており、それに加えてさらに同
37038(1995年)、欧州特許第436,938
A2号の下記の箇所及び下記に引用の特許に記載されて
いる。
【0095】 項 目 該 当 箇 所 1)層構成 第146頁34行目〜第147頁25行目 2)併用しうる 第147頁26行目〜第148頁12行目 ハロゲン化銀乳剤 3)併用しうる 第137頁35行目〜第146頁33行目、第14 イエローカプラー 9頁21行目〜23行目 4)併用しうる 第149頁24行目〜第28行目;欧州特許第42 マゼンタカプラー 1,453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行 目 5)併用し得るシアン 第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432 カプラー ,804A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 6)ポリマーカプラー 第149頁34行目〜38行目;欧州特許第435 ,334A2号の第113頁39行目〜第123頁 37行目 7)カラードカプラー 第53頁42行目〜第137頁34行目、第149 頁39行目〜45行目 8)併用しうる 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46 機能性カプラー 行目〜第150頁3行目;欧州特許第435,33 4A2号の第3頁1行目〜第29頁50行目 9)防腐・防黴剤 第150頁25行目〜28行目 10)ホルマリン 第149頁15行目〜17行目 スカベンジャー 11)併用し得るその他 第153頁38行目〜47行目;欧州特許第421 の添加剤 ,453A1号の第75頁21行目〜第84頁56 行目、第27頁40行目〜第37頁40行目 12)分散方法 第150頁4行目〜24行目 13)支持体 第150頁32行目〜34行目 14)膜厚・膜物性 第150頁35行目〜49行目 15)発色現像工程 第150頁50行目〜第151頁47行目 16)脱銀工程 第151頁48行目〜第152頁53行目 17)自動現像機 第152頁54行目〜第153頁2行目 18)水洗・安定工程 第153頁3行目〜37行目
【0096】
【実施例】
(実施例−1)以下、本発明を実施例によって具体的に
説明するがこれに限定されるものではない。 試料101の作製 下塗りを施した厚み 127μの三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感光
材料を作製し、試料101とした。数字は1m2当りの添
加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した用
途に限らない。
【0097】第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.15g ゼラチン 2.00g 紫外線吸収剤U−1 0.10g 紫外線吸収剤U−3 0.040g 紫外線吸収剤U−4 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.10g
【0098】第2層:中間層 ゼラチン 0.30g 化合物Cpd−C 5.0 mg 化合物Cpd−J 5.0 mg 化合物Cpd−K 5.0 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g 染料D−4 0.80mg
【0099】 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.030g 黄色コロイド銀 銀量 0.050g ゼラチン 0.30g
【0100】第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.40g 乳剤B 銀量 0.35g ゼラチン 0.80g カプラーC−11 0.10g カプラーC−1 0.05g カプラーC−9 0.010g 化合物Cpd−C 5.0mg 化合物Cpd−J 5.0mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−4 0.05g 添加物P−1 0.10g
【0101】第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.25g 乳剤C 銀量 0.25g ゼラチン 0.80g カプラーC−11 0.05g カプラーC−1 0.10g カプラーC−2 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g 添加物P−1 0.10g
【0102】第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.80g ゼラチン 1.10g カプラーC−11 0.20g カプラーC−2 0.10g カプラーC−3 0.60g 添加物P−1 0.10g
【0103】 第7層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数16%、AgI含量 0.3モル%) 銀量 0.020g 黄色コロイド銀 銀量 0.010g ゼラチン 1.70g 添加物M−1 0.10g 化合物Cpd−I 4.0mg 染料D−5 0.020g 染料D−6 0.010g 化合物Cpd−J 5.0mg 添加物P−1 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.20g
【0104】 第8層:低感度緑感性乳剤層 銀/カプラー比 26.3 乳剤E 銀量 0.25g 乳剤F 銀量 0.30g 乳剤G 銀量 0.30g ゼラチン 0.70g カプラーC−4 0.08g カプラーC−7 0.08g カプラーC−8 0.04g 化合物Cpd−B 0.030g 化合物Cpd−D 0.020g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.040g 化合物Cpd−J 10mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.15g
【0105】第9層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.25g 乳剤H 銀量 0.10g ゼラチン 0.50g カプラーC−4 0.08g カプラーC−7 0.08g カプラーC−8 0.04g 化合物Cpd−B 0.030g 化合物Cpd−D 0.020g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.050g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.050g
【0106】第10層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.45g ゼラチン 1.20g カプラーC−4 0.25g カプラーC−7 0.25g カプラーC−8 0.20g 化合物Cpd−B 0.080g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.040g 化合物Cpd−K 5.0mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.100g
【0107】第11層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.010g ゼラチン 1.70g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.030g 染料E−3の微結晶固体分散物 0.020g
【0108】第12層:低感度青感性乳剤層 乳剤J 銀量 0.30g 乳剤K 銀量 0.30g ゼラチン 0.80g カプラーC−5 0.20g カプラーC−6 0.05g カプラーC−10 0.30g 化合物Cpd−I 0.02g
【0109】第13層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.25g 乳剤M 銀量 0.25g ゼラチン 0.90g カプラーC−5 0.20g カプラーC−6 0.05g カプラーC−10 0.60g
【0110】第14層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.20g 乳剤O 銀量 0.15g ゼラチン 1.20g カプラーC−5 0.20g カプラーC−6 0.10g カプラーC−10 0.60g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.15g
【0111】第15層:第1保護層 ゼラチン 0.70g 紫外線吸収剤U−1 0.20g 紫外線吸収剤U−2 0.050g 紫外線吸収剤U−5 0.30g 混色防止剤Cpd−A 0.10g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.40g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.050g 染料D−3 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g
【0112】 第16層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.10mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.10g ゼラチン 0.40g
【0113】第17層:第3保護層 ゼラチン 0.40g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μ)0.10g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5 μ) 0.10g シリコーンオイルSO−1 0.030g 界面活性剤W−1 3.0mg 界面活性剤W−2 0.030g
【0114】また、すべての乳剤層には上記組成物の他
に添加剤F−1〜F−8を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加し
た。更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステ
ルを添加した。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
【化12】
【0119】
【化13】
【0120】
【化14】
【0121】
【化15】
【0122】
【化16】
【0123】
【化17】
【0124】
【化18】
【0125】
【化19】
【0126】
【化20】
【0127】
【化21】
【0128】
【化22】
【0129】
【化23】
【0130】
【化24】
【0131】
【化25】
【0132】有機固体分散染料の分散物の調製 染料E−1を以下の方法で分散した。即ち、メタノール
を30%含む染料のウェットケーキ1430gに水及び
BASF社製 Pluronic F88(エチレンオキシド−プロピ
レンオキシド ブロック共重合体)200gを加えて攪
拌し、染料濃度6%のスラリーとした。次に、アイメッ
クス(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均
粒径0.5mmのジルコニアビーズを1700ml充填し、
スラリーを通して周速約10m/sec 、吐出量0.5リッ
トル/min で8時間粉砕した。ビーズを濾過して除き、水
を加えて染料濃度3%に希釈した後、安定化のために9
0℃で10時間加熱した。得られた染料微粒子の平均粒
径は0.60μmであり、粒径の分布の広さ(粒径標準
偏差×100/平均粒径)は18%であった。
【0133】同様にして、染料E−2、E−3の固体分
散物を得た。平均粒径は0.54μmおよび0.56μ
mであった。
【0134】露光 以上のようにして得られた試料101を35幅(135
フォーマット)に加工し、センシトメトリー用ウエッジ
を通してCIEイルミナントD65の光で10CMSの
露光量の露光を行った。
【0135】現像 露光済み試料に下記の処理工程のカラー反転処理を施し
た。本実施例では全て下記の現像処理を施した。 処理工程 時間 温度 第一現像 6分 38°C 第一水洗 2分 38°C 反 転 2分 38°C 発色現像 6分 38°C 前漂白 2分 38°C 漂 白 6分 38°C 定 着 4分 38°C 第二水洗 4分 38°C 最終リンス 1分 25°C 乾燥 6分 60°C
【0136】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔第一現像液〕 〔タンク液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 1.5 g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 炭酸カリウム 15 g 重炭酸カリウム 12 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 1.5 g 臭化カリウム 2.5 g チオシアン酸カリウム 1.2 g ヨウ化カリウム 2.0 mg ジエチレングリコール 13 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0137】 〔反転液〕 〔タンク液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 0.02 モル 塩化第一スズ・2水塩 1.0 g p−アミノフェノール 0.1 g 有機酸(表4参照) 0.2 モル 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15ミリリットル 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0138】 〔発色現像液〕 〔タンク液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 7.0 g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 臭化カリウム 1.0 g ヨウ化カリウム 90 mg 水酸化ナトリウム 3.0 g シトラジン酸 1.5 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・ 1水塩 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 11.80 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0139】 〔前漂白〕 〔タンク液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0 g 亜硫酸ナトリウム 6.0 g 1−チオグリセロール 0.4 g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.30 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0140】 〔漂白液〕 〔タンク液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0 g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモニウム ・2水塩 120 g 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 5.70 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0141】 〔定着液〕 〔タンク液〕 チオ硫酸アンモニウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0 g 重亜硫酸ナトリウム 5.0 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0142】 〔安定液〕 〔タンク液〕 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 g ポリマレイン酸(平均分子量 2,000) 0.1 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 7.0 反転浴は、キレート剤を変更して調整し、その各々につ
いて処理を行った。反転浴の経時安定性を調べるため
に、各反転浴をそれぞれポリエチレンボトルに入れて密
栓し、40°Cで4週間経時させた後、その浴を用いて
再度現像処理を行った。
【0143】測定 現像済み試料を国際規格(ISO 5-2 及びISO 5-4)の測定
条件に従って測定し、その特性曲線を求めた。評価尺度
としては、特性曲線の最大濃度(Dmax)部のイエロ
ー濃度(青フィルター光濃度)及び緑フィルター光濃度
1.0におけるカラーバランス(Db−Dg及びDr−
Dg)を読み取って仕上がり品質(画質)の代表特性と
した。なお、Dr、Dg及びDbは、それぞれステータ
スAの赤、緑、青フィルター光濃度である。
【0144】臭気評価 ランダムに抽出した。10名に、各反転浴液の臭気をつ
ぎの5段階による評価を依頼し、評価値の平均値を求め
た。 5点: 非常に不快な臭気 4点: 不快な臭気 3点: やや不快な臭気 2点: 快でも不快でもない臭気 1点: 快よい匂い
【0145】結果 結果を表4に示す。
【0146】
【表4】
【0147】表4において本発明の反転浴は、新液によ
る処理と経時液による処理の間でのDB max(Dma
x部の青フィルター光濃度)の値の低下が本発明例は減
少していることと、カラーバランスの変化も減少してい
ること(つまりB-G の値と R-Gの値との差が、新液によ
る処理では本発明例、比較例ともに0.05のレベルで、そ
れが経時により比較例は 0.09 〜0.13のレベルへ、本発
明例は 0.07 〜0.08のレベルへ変化) から判るように、
経時劣化に伴う写真性の変化はDmaxにおいてもカラ
ーバランスにおいても大幅に減少し、かつ臭気も殆ど無
く、好ましい結果が得られた。また、比較例(実験番号
101〜110)の反転浴の中には、臭気の少ないもの
もあるが、写真性の経時劣化が少なくかつ臭気も少ない
ものは認められなかった。 (実施例−2)次に、反転浴のキレート剤(ニトリロ−
N,N,N-トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩を表5
記載の化合物に変更し、その外は実施例1と同様にして
Dmax及び臭気を評価した。その結果を表5に示す。
【0148】
【表5】
【0149】表5において本発明の有機酸を用いた反転
浴は、臭気がなく、また反転浴の経時による濃度(DB
maxで代表)低下も少ないことが示されているが、さ
らに一般式〔II〕又は〔III 〕を用いた場合はさらに濃
度低下が少なく反転浴の経時安定性が一層優れているこ
とを示した。
【0150】
【発明の効果】反転カラー処理において、塩化第一錫キ
レートと一般式〔I〕に示したアルキレンジカルボン酸
を含んだ反転浴は、臭気を伴わないので作業環境を損な
うことがなく、かつかぶらせ効果を損なうことなく、塩
化第一錫キレートの経時安定性を高め、沈殿の生成を防
止することができる。また、キレート剤に一般式〔II〕
又は〔III 〕を用いた場合は、経時安定性がさらに向上
するとともに、リン化合物ではないので、反転浴の廃液
は、リンに関する排水基準及び下水道の水質規制を満た
す。とりわけ一般式〔III 〕の〔S,S〕体化合物は、
生分解性がとくに大きく、環境負荷を軽減できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも錫(II) キレートと、下記一
    般式〔I〕で示されるアルキレンジカルボン酸を含有す
    ることを特徴とするカラー反転用の反転浴組成物。 一般式〔I〕 【化1】 (式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子又はアンモ
    ニウム原子団を表し、nは、1〜5 の整数を示す) 。
  2. 【請求項2】 錫(II) キレートが錫(II) イオンと下
    記一般式〔II〕又は一般式〔III 〕で示されるキレート
    剤からなるキレートであることを特徴とする請求項1の
    反転浴組成物。 一般式〔II〕 【化2】 (式中、M1 ,M2 及びM3 は、水素原子、アルカリ金
    属原子又はアンモニウム原子団を表す。m及びnは、1
    又は2の整数を示し、Xは、水素原子又は置換基を示
    す。) 一般式〔III 〕 【化3】 (式中、M4 ,M5 ,M6 及びM7 は、水素原子、アル
    カリ金属原子又はアンモニウム原子団を表す。lは、1
    〜4の整数を示し、Y及びZは、水素原子又は置換基を
    示す。)
  3. 【請求項3】 撮影済みカラー写真感光材料を請求項1
    又は2記載の反転浴組成物を用いて処理することを特徴
    とするカラー反転処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193904A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Tosoh Corp エチレンジアミン−n,n’−ジマロン酸錫(ii)錯体、その製造法およびその用途

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JP2002193904A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Tosoh Corp エチレンジアミン−n,n’−ジマロン酸錫(ii)錯体、その製造法およびその用途

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