JPH11108883A - 酸素センサ - Google Patents
酸素センサInfo
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- JPH11108883A JPH11108883A JP10017270A JP1727098A JPH11108883A JP H11108883 A JPH11108883 A JP H11108883A JP 10017270 A JP10017270 A JP 10017270A JP 1727098 A JP1727098 A JP 1727098A JP H11108883 A JPH11108883 A JP H11108883A
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Abstract
れ、出力電圧に対する未燃の炭化水素の影響を抑えるこ
とのできる酸素センサを提供する。 【解決手段】 ジルコニアセラミックスの外側に白金薄
膜を設けた後、このセラミックスの検出電極のみを0.
1モル/lの硝酸銀水溶液中にディップし、その後熱処
理して硝酸銀を熱分解した。続いて、上記セラミックス
の内側に、基準電極としての白金電極を形成した。ま
た、上記銀をドープした検出電極を保護するため、この
検出電極の外表面に保護層を設けた。これを燃焼ガス中
に晒し、エージング処理して検出素子とし、筒状ヒータ
と共に金属ケースにセットし、CNGエンジンの触媒後
方に配置する酸素センサとした。この酸素センサは水素
又は一酸化炭素の濃度に応じて出力電圧が変化するもの
の、炭化水素濃度に依存する出力電圧は空燃比のリッチ
/リーンを判定する基準レベルを超えない。
Description
を有する固体電解質体の一面に検出電極、他面に基準電
極が設けられた酸素センサに関する。
触媒(以下単に触媒ともいう)の浄化能力の目安とし
て、この触媒の酸素貯蔵能力(酸素ストレージ能力)に
注目し、これを酸素センサで測定することによって、触
媒の劣化具合を推定することが知られている。このよう
な触媒劣化検知方法として下記の方法が挙げられる。
の酸素センサの出力に基づいて空燃比制御を行う場合に
おいて、触媒の劣化具合を触媒後方の酸素センサの出力
に基づいて推定することができる。
の酸素センサの出力が立ち上がった時点で空燃比をリー
ン側に制御し、酸素センサの出力が立ち下がった時点で
空燃比をリッチ側に制御する。ここで、触媒の浄化効率
が高いときは、触媒後方の酸素センサの出力が立ち上が
った時点で空燃比をリーン側に制御しても、触媒の酸素
ストレージ能力が高く酸素を貯め込んでいくため、触媒
後方の酸素センサの出力電圧は依然として高いままであ
り、酸素を充分貯め込んだ時点で始めて出力電圧は下が
る。そして、出力電圧が下がった時点で空燃比をリッチ
側に制御するが、貯め込んだ酸素が消費されるため、触
媒後方の酸素センサの出力電圧は依然として低いままで
あり、貯め込んだ酸素が消費された時点で始めて出力電
圧は上がる。このように、触媒の浄化効率が高いとき
は、反転時間(高出力維持時間+低出力維持時間)が長
くなる。しかし、触媒の浄化効率が低くなると、触媒の
酸素ストレージ能力が低くなるため、図3(b)に示す
ように反転時間は短くなる。従って、触媒後方の酸素セ
ンサの出力電圧を追跡し、その反転時間が長いか短いか
によって触媒の劣化具合を検知できる。
(つまり上流側)の酸素センサの出力に基づいて空燃比
制御を行う場合において、触媒の劣化具合を触媒後方
(つまり下流側)の酸素センサの出力に基づいて推定す
る。
触媒の酸素ストレージ能力が高いため、触媒通過前の排
ガスの空燃比のリッチ/リーンの変化(即ち酸素分圧の
変化)は触媒を通過することによって緩和される。つま
り、図4(a)に示すように、触媒通過前の排ガスの空
燃比がリッチであるかリーンであるかにかかわらず、触
媒通過後の排ガスの酸素分圧の変化幅が小さくなり、触
媒後方の酸素センサの出力電圧の振幅が小さくなる。し
かし、触媒の浄化効率が低くなると、触媒の酸素ストレ
ージ能力が低くなるため、触媒通過前の排ガスの空燃比
のリッチ/リーンの変化が触媒を通過してもほぼそのま
ま維持され、緩和されない。つまり、図4(b)に示す
ように、触媒通過前の排ガスの空燃比のリッチ/リーン
の変化が、触媒通過後の排ガスの酸素分圧の変化となっ
て現れ、触媒後方の酸素センサの出力電圧の振幅がフロ
ント酸素センサと同様、大きくなる。従って、触媒後方
の酸素センサの出力電圧を追跡し、その振幅が大きいか
小さいかによって触媒の酸素ストレージ能力の劣化具合
を検知できる。
において触媒後方の酸素センサを触媒の劣化検知専用と
して用いてもよい。
媒劣化検知−その1又はその2と同様の方法で、CNG
(圧縮天然ガス)燃料等を用いたエンジンの触媒の劣化
度合いを推定しようとした場合、不具合が発生して触媒
劣化の検知ができないという問題があった。
り触媒が劣化していないときであっても、CNG燃料に
多量に含まれているメタンの影響により、酸素センサの
ある温度域において触媒の劣化状態とは無関係に、上記
触媒劣化検知−その1の場合には触媒後方の酸素センサ
の出力電圧の反転時間が短くなり(図3(c)参照)、
上記触媒劣化検知−その2の場合には触媒後方の出力電
圧の振幅の変化が触媒劣化時と同様になる(図4(b)
参照)という不具合があった。
は、触媒通過後も充分燃焼されないため未燃メタンとし
て残存するが、この未燃メタンは触媒後方の酸素センサ
の検出電極の温度が低い場合、検出電極付近にて酸素と
反応しないため酸素分圧に変化が発生せず、触媒後方の
酸素センサの出力電圧に影響を与えない。
の温度がある温度以上になると、上記触媒劣化検知−そ
の1においては、未燃メタンが検出電極上で酸素と燃焼
反応を起こすため、基準電極と検出電極の間の酸素濃度
差がメタン濃度に応じて変化する。つまり、メタンが排
ガス中の酸素と燃焼反応を行うときの化学量論量を超え
て存在するのであれば検出電極の酸素が吸引されるため
出力電圧は大きく持ち上がり、メタンが上記化学量論量
以下ならば検出電極の酸素が吸引されないため出力電圧
は下がる。この結果、メタン濃度に応じた反転周期とな
り、触媒の酸素貯蔵能力に依存しない反転周期となる。
この燃焼反応は、検出電極の温度が上昇するに従って顕
著になってくるため、触媒後方の酸素センサの反転時間
は検出電極の温度が上昇するに従って短くなる。
温度がある温度以上になると、上記触媒劣化検知−その
2においては、未燃メタンが検出電極の酸素と燃焼反応
を起こして検出電極の酸素を吸引するため、酸素分圧差
を生じさせ、メタン濃度に応じてつまりメタン濃度が高
ければ(空燃比がリッチならば)、出力電圧は大きく持
ち上がる。このため、触媒が正常であっても、触媒後方
の酸素センサの出力電圧は空燃比のリッチ/リーンに応
じて変化してしまい、触媒劣化の検知ができなくなる。
ジンの触媒の劣化具合を、触媒後方の酸素センサの出力
信号に基づいて検出する場合、触媒後方の酸素センサの
出力電圧は検出電極付近の酸素と未燃メタンとの燃焼反
応により安定しないという課題がある。
たものであり、内燃機関の排ガス浄化触媒の後方に配置
される酸素センサであって、出力電圧に対する未燃の炭
化水素の影響を抑えることのできる酸素センサを提供す
ることを目的とする。
明の効果】上記課題を解決するため、本発明は、酸素イ
オン伝導性を有する固体電解質体の一面に検出電極、他
面に基準電極が設けられ、水素と炭素の比が3:1以上
(つまりH/C≧3、以下同じ)の炭化水素を含む燃料
を用いる内燃機関の排ガス浄化触媒の後方に配置される
酸素センサであって、水素又は一酸化炭素の濃度に応じ
て出力電圧が変化するものの、炭化水素濃度に依存する
出力電圧は空燃比のリッチ/リーンを判定する基準レベ
ルを超えないように出力抑制手段を備えたことを特徴と
する。
体としては、各種のセラミックス、例えば酸化ジルコニ
ウムを主成分とするセラミックスが好適である。この固
体電解質体は、酸化ジルコニウム等の原料粉末と、酸化
イットリウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の焼結助
剤の粉末とを混合し、造粒した後、所定形状に成形し、
必要に応じて仮焼し、その後焼成することにより、得る
ことができる。
混合、造粒したあと所定形状に成形するが、この所定形
状としては通常コップ状(有底円筒状)又は板状などが
挙げられ、ラバープレス法等の加圧成形法、厚膜法等の
積層法などによって成形する。
び基準電極は、炭化水素等の未燃ガスの燃焼を促進する
触媒作用のある貴金属元素、例えば白金、ロジウム、パ
ラジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム等から
なる群より選ばれる少なくとも1種以上を主成分とする
導電性材料からなる薄膜状の電極として形成される。こ
れら電極の形成は、めっき法、スパッタリング法、金属
塩の熱分解法等によって実施することができる。
3:1以上の炭化水素を含む燃料を用いる内燃機関の触
媒の劣化を検出するのに好適なものである。メタンで代
表されるように水素と炭素の比が3:1以上の炭化水素
は、正常な触媒を通過した後もその触媒中で燃焼されず
未燃のままであり、そのまま触媒の後方に配置されてい
る酸素センサに到達する。そして、この酸素センサの検
出電極の温度が充分高いときにはこの検出電極の周辺で
燃焼する。このため、検出電極の周りの酸素が消費され
て酸素分圧が低下し、出力電圧が立ち上がる。
は、未燃の炭化水素を含んでいるとしても、その未燃炭
化水素がリッチ/リーンの判定に影響を与えないことが
要求される。この点につき、本発明の酸素センサでは、
メタンなどの炭化水素を含む燃料に依存する出力電圧が
空燃比のリッチ/リーンを判定する基準レベル以下であ
るので、未燃炭化水素が検出電極付近で燃焼することに
よって出力電圧が持ち上がったとしてもその出力電圧は
基準レベルを超えないため、未燃炭化水素がリッチ/リ
ーンの判定に影響を与えることはない。ここで、基準レ
ベルは400〜600mVの範囲に定められていること
が好ましい。この範囲を外れると、酸素センサの出力振
幅の中心から外れて反転周期が不規則になり、十分な精
度をもって劣化検知を行うことが難しくなるおそれがあ
る。
ば、水素と炭素の比が3:1以上の炭化水素を含む燃料
を用いる内燃機関の排ガス浄化触媒の後方に配置される
酸素センサについて、出力電圧に対する未燃の炭化水素
の影響を抑えることができる。その結果、その劣化の検
知を精度良く行うことができるという効果が得られる。
具体的には、[従来の技術]の欄で説明した触媒劣化検
知−その1、その2のいずれの方法においても劣化の検
知を精度良く行うことができる。また、この酸素センサ
の出力電圧に基づいてエンジン制御を行うこともでき
る。
そのものの触媒活性を抑制するように構成してもよい
し、検出電極へのガス種による到達速度の違いを生じさ
せることで、水素や一酸化炭素と炭化水素との間でガス
選択性を持たせるように構成してもよい。前者として
は、検出電極に不純物(金、銀、銅、鉛など)をドープ
してもよいし、検出電極を通常の酸素センサの使用条件
よりも高い温度(例えば1200℃又はそれ以上)で加
熱することにより検出電極表面の触媒活性点を減少させ
てもよいし、検出電極を通常の酸素センサよりも薄いめ
っきで形成することにより触媒活性点を減少させてもよ
いし、検出電極材料として白金に若干の不純物(金、
銀、銅、鉛など)を混合した物を用いてそれをメッキす
ることで触媒活性の低い検出電極を形成してもよいし、
検出電極を白金よりも触媒活性の低い材料(イリジウム
など)で形成してもよい。後者としては、検出電極上に
設ける多孔質保護層の厚みを厚くしたり多孔質の気孔率
を下げたりして検出ガスから検出電極への拡散抵抗を上
げて相対的に炭化水素の酸素センサ出力への影響を減ら
してもよいし、検出素子(酸素センサ)の周りを覆って
いるプロテクターの通気孔を従来よりも小さくしたり通
気孔の数を減らしたりしてプロテクターにガス選択性を
持たせることで炭化水素の出力への寄与を抑制してもよ
い。
活性温度以上において炭化水素濃度に依存する出力電圧
が空燃比のリッチ/リーンを判定する基準レベル以下と
いう条件を満たす領域を有していれば、触媒の劣化を検
知するうえで十分であるし、また触媒後方に配置された
この酸素センサの出力電圧に基づいてエンジン制御を行
う上でも十分であるので、好ましい。ここで、センサ活
性温度とは、この酸素センサを組み入れたシステムに応
じて適宜決められる温度であり、システムの測定側のイ
ンピーダンスに対してセンサのインピーダンスを十分低
くなるように設定したときのセンサのインピーダンスに
応じた温度である。具体的には、例えば測定側のインピ
ーダンスが500kΩ〜1MΩのとき、センサのインピ
ーダンスは50〜100kΩとなるように設定される。
域は例えば〜900℃であるが、400℃以上において
炭化水素濃度に依存する出力電圧が空燃比のリッチ/リ
ーンを判定する基準レベル以下という条件を満たす領域
を有していれば、触媒の劣化を検知するうえで十分であ
るし、また触媒後方に配置されたこの酸素センサの出力
電圧に基づいてエンジン制御を行う上でも十分であるの
で、好ましい。400℃未満では、耐久変動を含めると
検出電極が十分活性していないことがあり、その場合に
は上述の触媒劣化検知−その1においては応答遅れによ
り反転周期が速くならないとか、出力が十分出ず反転し
ないなどの不都合を生じるおそれがあり、触媒劣化検知
−その2においては触媒の劣化いかんにかかわらず出力
電圧が略一定になり劣化検知できないおそれがあるた
め、好ましくない。ここで、触媒の劣化検知は予め定め
られた運転状態(このときの酸素センサ温度はその運転
状態に応じた温度域、例えば400〜600℃となる)
のときに行われるため、このような運転状態において上
記条件を満たすことが好ましい。
は、炭化水素を含む燃料の未燃ガスの燃焼を促進する触
媒作用のある貴金属元素を主成分とし、少なくともその
表面に銀、銅、金及び鉛からなる群より選ばれる少なく
とも1種を含む構成を採用することが、本発明の効果を
有効に得るうえで好ましい。かかる検出電極は、例え
ば、上記貴金属元素を主成分とする検出電極を所定濃度
の金属塩(銀塩、銅塩、金塩又は鉛塩)の水溶液にディ
ップし、その後金属塩を熱分解することにより、製造で
きる。金属塩水溶液の濃度に応じて検出電極の不活性度
は変化するが、適宜その濃度を設定することにより(例
えば0.05〜0.5モル/l)、本発明の条件を満足
させることができる。
は、炭化水素を含む燃料の未燃ガスの燃焼を促進する触
媒作用のある貴金属元素を主成分とし、その貴金属元素
の平均粒径が2μm以上であることが、本発明の効果を
有効に得るうえで好ましい。かかる検出電極は、例え
ば、上記貴金属元素を主成分とする検出電極を通常より
も高温で(例えば通常よりも100〜300℃高温で)
焼結することにより、製造できる。
ン3000ppm、酸素1200ppm、残部が不燃性
ガスという雰囲気下、センサ温度が400℃という条件
で、出力電圧が前記基準レベルを超えず、且つ、(2)
水素3300ppm、酸素1000ppm、残部が不燃
性ガスという雰囲気下、センサ温度が400℃という条
件で、出力電圧が前記基準レベルを超えるという特性を
備えることが好ましい。
度を3000ppmとしたのは、この値がメタンを含む
燃料を用いる内燃機関の触媒を通過した後の実際の排ガ
ス中の炭化水素の最大濃度と同等もしくはそれ以上の値
だからである。つまり、この濃度で十分に機能すれば、
劣化検知を行ううえで問題ないといえるからである。ま
た、触媒後方に配置されたこの酸素センサの出力電圧に
基づいてエンジン制御を行う上でも問題ないといえるか
らである。
素濃度を1200ppmとしたが、この値は上記メタン
の全量が燃焼し得る理論量以下の適当な数値に設定した
ものである。上記理論量以下としたのは、上記理論量を
超えて酸素を供給した場合、酸素センサの検出電極付近
でメタンの全量が燃焼したとしても過剰の酸素の存在に
より酸素分圧が十分小さくならず、出力電圧が発生しな
いことがあり、メタンの影響を的確に評価できないおそ
れがあるからである。
出力電圧が基準レベルを超えない点を規定したことによ
り、本来触媒の浄化効率が高く正常である場合に、メタ
ンの影響により出力電圧が立ち上がったとしても、その
値は基準レベルを超えないため、未燃炭化水素がリッチ
/リーンの判定に影響を与えることはない。
ppm、酸素1000ppm、残部が不燃性ガスという
雰囲気下、センサ温度が400℃という条件で、出力電
圧が前記基準レベル以上であることを要件としたのは、
酸素センサの検出電極の活性が落ちてきてメタンのみな
らず水素に対しても不活性になってしまうと、水素と炭
素の比が3:1以上の炭化水素を含む燃料を用いる内燃
機関の触媒の劣化を検知できなくなってしまうため、触
媒劣化を検知するうえで最低限必要な検出電極の活性程
度を規定したのである。また、検出電極がかかる活性を
有すれば、触媒後方に配置したこの酸素センサの出力電
圧に基づいてエンジン制御を行うとしても問題ないから
である。なお、水素、酸素の各濃度は、両者が反応した
場合に水素が過剰になるように設定した。
3:1以上の炭化水素を含む燃料を用いる内燃機関の排
ガス中で900℃、1000時間晒した後も、上記
(1)及び(2)の特性を備えていることが好ましい。
排ガス中で900℃、1000時間晒すという試験は自
動車用の酸素センサの耐久試験としては一般的なもので
あり、かかる試験後も前記特性が変わらなければ、長期
にわたって高い信頼性をもって実使用できるうえ、部品
交換を頻繁に行う必要がない。この場合、検出電極は、
例えば、炭化水素を含む燃料の未燃ガスの燃焼を促進す
る触媒作用のある貴金属元素を主成分とし、少なくとも
その表面に銀、銅及び金からなる群より選ばれる少なく
とも1種を含有させたものであれば、上記(1)及び
(2)の特性を初期特性(製造当初の特性)として備え
ているうえ、耐久試験後もその特性を維持できる。
尚、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものでは
なく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採
り得ることはいうまでもない。
00モルに対して、99%以上のY2O3を5モルの割合
で配合し、湿式混合した後、1300℃の温度で仮焼し
た。この仮焼物に水を加え、ボールミルにより粉砕した
後、水溶性バインダーを添加し、スプレードライ法によ
って造粒した。
プ状(有底円筒状)に成形し、砥石によって研削し、そ
の形状を整えた。次いで、この成形体を1500℃の温
度で3時間焼成し、ジルコニアセラミックスを得た。そ
して、このセラミックスの外側に厚さ1〜2μmの白金
薄膜を無電解めっき法により設け、検出電極とした。そ
の後、この白金薄膜を大気雰囲気下、1200℃の温度
で90分間熱処理し、検出電極を構成する白金薄膜の緻
密度を向上させ安定化させた。
を0.1モル/lの硝酸銀水溶液中に室温で10秒間デ
ィップし、その後、大気雰囲気下、800℃の温度で6
0分間加熱し、硝酸銀を熱分解した。続いて、上記セラ
ミックスの内側に、基準電極としての白金電極を無電解
めっき法により厚さ1〜2μmとなるように形成した。
するため、この検出電極の外表面に厚さ約200μmの
マグネシウムアルミネートのスピネル粉末からなる保護
層をプラズマ溶射法によって設けた。これを燃焼ガス中
に晒し、エージング処理し、検出素子とした(図1参
照)。この検出素子を筒状ヒータと共に金属ケースにセ
ットし、CNGエンジン用の酸素センサを完成した。
の検出電極の表面について、オージェ分析を行ったとこ
ろ、銀の存在が確認された。一方、アルゴンイオンを数
秒間照射するイオンスパッタリング(装置:差動排気型
マイクロビームイオン銃、スパッタリング条件:イオン
エネルギー3kV)により、薄膜の表面を構成する金属
粒子の表層の100Å程度の厚さ部分を除去した後、同
様にオージェ分析を行ったところ、銀が存在しないこと
が確認された。このため、検出電極をメッキにより形成
した後、銀化合物溶液中にディップして、銀を含ませた
場合には、銀は表層にのみ存在していると判断される。
を0.5モル/lの硝酸銀水溶液としたほかは、実施例
1と同様にして酸素センサを作製した。 [実施例3]検出電極をディップする溶液を0.05モ
ル/lのシアン化金水溶液としたほかは、実施例1と同
様にして酸素センサを作製した。
を0.5モル/lの酢酸銅水溶液としたほかは、実施例
1と同様にして酸素センサを作製した。 [実施例5]検出電極をディップする溶液を0.01モ
ル/lの酢酸鉛水溶液としたほかは、実施例1と同様に
して酸素センサを作製した。
ィップする工程及びその後の800℃で加熱処理する工
程を省略し、さらに検出電極を形成した後の大気熱処理
温度を1200℃から1400℃にあげて検出電極の白
金の焼結を進ませ、その結晶粒径を3.0μmとしたほ
かは、実施例1と同様にして酸素センサを作製した。
を硝酸銀水溶液にディップする工程及びその後の800
℃で加熱処理する工程を省略したほかは、実施例1と同
様にして酸素センサを作製した。この比較例1の酸素セ
ンサは、従来の酸素センサすなわち検出電極に銀、銅、
金及び鉛からなる群の金属を含まず、その結晶粒径が
1.6μmのものである。
1の各酸素センサを、メタン:3000ppm、酸素:
1200ppm、二酸化炭素:9%、窒素:残部という
雰囲気中に晒し、筒状ヒータの印加電圧を変えながら酸
素センサの出力電圧をモニタし、検出電極表面温度即ち
センサ温度(チップ温度ともいう)とセンサ出力電圧の
関係を測定した。なお、この雰囲気の組成は、CNGエ
ンジンの実際の排ガス組成を参考にして決定した。
00ppm、窒素:残部という雰囲気中に晒し、センサ
温度400℃での出力電圧を測定した。更に、各酸素セ
ンサの耐久性を調べるため、各酸素センサを900℃の
エンジン排ガス中に1000時間晒した後、同様の測定
を行った。その結果を表1及び図2のグラフに示す。
判定する基準レベルを500mV、劣化検出温度を40
0℃とした。
1〜4は、メタンを含むガスに対して、初期(耐久試験
前)にはチップ温度が400℃(劣化検出温度)におい
て出力電圧が300mV以下、具体的には100〜21
0mVで基準レベル未満であり、また耐久試験後もほと
んど出力電圧の変化はみられなかった。実施例6は初期
(耐久試験前)にはチップ温度が400℃において出力
電圧が350mVであり、実施例1〜4と比較するとや
や効果は少ないが基準レベルを超えるものではなく、ま
た耐久後も出力電圧の変化は見られなかった。また、表
1から明らかなように、実施例1〜4、6は、水素を含
むガスに対して、初期及び耐久試験後もチップ温度が4
00℃において出力電圧850mV以上であり、いずれ
も基準レベル以上であった。すなわち、実施例1〜4、
6は、初期及び耐久試験後のいずれにおいても、水素を
含むガスに対しては出力電圧が基準レベル以上であり、
メタンを十分量含むガスに対しては出力電圧は基準レベ
ルを超えなかった。なお、実施例1〜4、6は、水素又
は一酸化炭素の濃度を変化させたところ、その濃度に応
じて出力電圧が変化した。以上の結果から、実施例1〜
4、6は、長期にわたってCNGエンジンの触媒後方の
酸素センサとして実使用できると判断した。
実施例5は、検出電極に鉛をドープしたものであるが、
メタンを含むガスに対して、初期にはチップ温度が40
0℃において出力電圧が300mV以下、具体的には1
50mVで基準レベル未満であったが、耐久試験後には
同温度において出力電圧が基準レベルを超えて720m
Vまで上がった。また、表2から明らかなように、水素
を含むガスに対しては、初期及び耐久試験後もチップ温
度が400℃において出力電圧が890mVであり、い
ずれも基準レベル以上であった。この結果から、実施例
5は、短期間であればCNGエンジンの触媒後方の酸素
センサとして実使用できると判断した。
プされておらず且つ白金の結晶粒径が2μm未満である
従来の酸素センサであるが、メタンを含むガスに対し
て、初期においてチップ温度が400℃以上になると出
力電圧が基準レベル以上の950mVまで上がり、CN
Gエンジンの触媒後方の酸素センサとして適していない
ことがわかった。
ネル粉末からなる保護層を設ける前の検出電極を王水に
よって完全に溶解し、この処理液をICP発光法によっ
て分析してドープした金属元素を定量したところ、処理
液の濃度は実施例1に比べて実施例5は1/10にもか
かわらず、ドープ量は両者でほぼ同等であった。このこ
とから、両者の耐久性の違いはドープ量の相違によるも
のではなく、ドープされる金属種によるものと判断し
た。
(特に請求項5、6に記載した特性を有するもの)は上
記実施例の構成に何ら限定されるものではない。かかる
出力抑制手段としては、例えば、検出電極そのものの触
媒活性を抑制する手段や、検出電極へのガス種による到
達速度の違いを生じさせることで水素や一酸化炭素と炭
化水素との間でガス選択性を持たせる手段を挙げること
ができる。前者としては、上記実施例で説明したように
検出電極に不純物(金、銀、銅、鉛など)をドープして
もよいし、検出電極を通常の酸素センサの使用条件より
も高い温度(例えば1200℃又はそれ以上)で加熱す
ることにより検出電極表面の触媒活性点を減少させても
よいし、検出電極を通常の酸素センサよりも薄いメッキ
で形成することにより触媒活性点を減少させてもよい
し、検出電極材料として白金に若干の不純物(金、銀、
銅、鉛など)を混合した物を用いてそれをメッキするこ
とで触媒活性の低い検出電極を形成してもよいし、検出
電極を白金よりも触媒活性の低い材料(イリジウムな
ど)で形成してもよい。後者としては、検出電極上に設
ける多孔質保護層の厚みを厚くしたり多孔質の気孔率を
下げたりして検出ガスから検出電極への拡散抵抗を上げ
て相対的に炭化水素の酸素センサ出力への影響を減らし
てもよいし、検出素子(酸素センサ素子)の周りを覆っ
ているプロテクターの通気孔を従来よりも小さくしたり
通気孔の数を減らしたりしてプロテクターにガス選択性
を持たせることで炭化水素の出力への寄与を抑制しても
よい。
略構成図である。
である。
その1の説明図である。
その2の説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 酸素イオン伝導性を有する固体電解質体
の一面に検出電極、他面に基準電極が設けられ、水素と
炭素の比が3:1以上(H/C≧3)の炭化水素を含む
燃料を用いる内燃機関の排ガス浄化触媒の後方に配置さ
れる酸素センサであって、 水素又は一酸化炭素の濃度に応じて出力電圧が変化する
ものの、炭化水素濃度に依存する出力電圧は空燃比のリ
ッチ/リーンを判定する基準レベルを超えないように出
力抑制手段を備えたことを特徴とする酸素センサ。 - 【請求項2】 請求項1記載の酸素センサにおいて、 前記出力抑制手段は、センサ活性温度以上において炭化
水素濃度に依存する出力電圧が空燃比のリッチ/リーン
を判定する基準レベルを超えない領域を有するように、
出力電圧を抑制することを特徴とする酸素センサ。 - 【請求項3】 請求項1記載の酸素センサにおいて、 前記出力抑制手段は、400℃以上において炭化水素濃
度に依存する出力電圧が空燃比のリッチ/リーンを判定
する基準レベルを超えない領域を有するように、出力電
圧を抑制することを特徴とする酸素センサ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の酸素セ
ンサであって、 前記基準レベルは400〜600mVの範囲に定められ
ていることを特徴とする酸素センサ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素セ
ンサであって、 前記出力抑制手段は、前記検出電極であって、該検出電
極は前記炭化水素を含む燃料の未燃ガスの燃焼を促進す
る触媒作用のある貴金属元素を主成分とし、少なくとも
その表面に銀、銅、金及び鉛からなる群より選ばれる少
なくとも1種を含むように構成されたことを特徴とする
酸素センサ。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素セ
ンサであって、 前記出力抑制手段は、前記検出電極であって、該検出電
極は前記炭化水素を含む燃料の未燃ガスの燃焼を促進す
る触媒作用のある貴金属元素を主成分とし、その貴金属
元素の平均粒径が2μm以上であることを特徴とする酸
素センサ。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の酸素セ
ンサであって、 (1)メタン3000ppm、酸素1200ppm、残
部が不燃性ガスという雰囲気下、センサ温度が400℃
という条件で、出力電圧が前記基準レベルを超えず、且
つ、 (2)水素3300ppm、酸素1000ppm、残部
が不燃性ガスという雰囲気下、センサ温度が400℃と
いう条件で、出力電圧が前記基準レベル以上となること
を特徴とする酸素センサ。 - 【請求項8】 請求項7記載の酸素センサであって、 水素と炭素の比が3:1以上(H/C≧3)の炭化水素
を含む燃料を用いる内燃機関の排ガス中で900℃、1
000時間晒した後も前記(1)及び(2)の特性を維
持していることを特徴とする酸素センサ。
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