JPH11107152A - 建築用又は農業用不織シート及びその製造方法 - Google Patents

建築用又は農業用不織シート及びその製造方法

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JPH11107152A
JPH11107152A JP9282797A JP28279797A JPH11107152A JP H11107152 A JPH11107152 A JP H11107152A JP 9282797 A JP9282797 A JP 9282797A JP 28279797 A JP28279797 A JP 28279797A JP H11107152 A JPH11107152 A JP H11107152A
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low
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fiber
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JP9282797A
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Koji Ezaki
孝二 江崎
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、耐水圧に優れた建築用又は農業用不織
シートを提供する。 【解決手段】 この建築用又は農業用不織シートは、高
融点割繊長繊維と低融点割繊長繊維とが集積されてな
る。高融点割繊長繊維及び低融点割繊長繊維は、分割型
複合長繊維中に存在する一以上の高融点セグメントと一
以上の低融点セグメントとの接合が剥離して発現してい
る。高融点セグメントを構成する重合体は、低融点セグ
メントを構成する重合体よりも30〜180℃高い融点
を持つ。また、両セグメントを構成する両重合体は、相
互に非相溶性で剥離しやすくなっている。高融点割繊長
繊維相互間は、低融点割繊長繊維の溶融又は軟化によっ
て結合されている。この不織シートは、通気度が0.1
0cc/cm2/sec以上、耐水圧が300mmH2
以上、且つ透湿度が100g/m2/hr以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築工事中或いは
建築後の建物を覆うため、又は農作物或いは耕土を覆う
ための建築用又は農業用不織シートに関し、主として建
物や耕土等に結露が生じるのを防止するために用いる建
築用又は農業用不織シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築用又は農業用シートとし
て、耐水圧及び透湿度に優れた透湿性合成樹脂製フィル
ムが用いられている。透湿性合成樹脂製フィルムは、耐
水圧及び透湿度には優れており、建築用シートとして用
いるには望ましいものである。しかしながら、透湿性合
成樹脂製フィルムは、水蒸気透過性(透湿性)には優れ
ているものの、空気や炭酸ガス等の透過性が不十分であ
るため、これで農作物や耕土を覆った場合、農作物の成
長を阻害するということがあり、農業用シートとして用
いるには、望ましいものであるとは言えない。また、透
湿性合成樹脂製フィルムは、不織布や編織物等の繊維製
布帛に比べて、引裂強力が低く、建物の釘や耕土中の石
等に引っ掛かると、破れ易いという欠点があった。
【0003】このため、長繊維(単フィラメント)を集
積してなり、各長繊維間を何らかの手段で接着又は交絡
させた不織布を、建築用又は農業用シートとして使用す
ることが行なわれている。このような長繊維不織布は、
長繊維集積体であるため、各長繊維が切断しないと引き
裂きが生ぜず、合成樹脂製フィルムに比べて、引裂強力
の高いものである。また、長繊維不織布は、短繊維を集
積してなる短繊維不織布に比べても、繊維が連続してい
るため、引裂強力の高いものである。しかし、長繊維不
織布は、長繊維を単に集積してなるものであるため、各
長繊維間隙が比較的大きく、透湿度や通気度には優れて
いる反面、耐水圧が不十分である。長繊維不織布の耐水
圧を高くするためには、各長繊維間隙をより小さくする
ことが必要である。
【0004】このような要求に答えるためには、長繊維
として繊維径の細いもの(いわゆる極細長繊維)を採用
する必要がある。長繊維を集積したとき形成される各長
繊維間隙は、繊維径が細いほど小さくなるからである。
しかしながら、極細長繊維を用いても、極細長繊維が集
積状態を維持したまま、固定されていないと、耐水圧の
低い部位が生じる。例えば、極細長繊維を集積した不織
ウェブに、長繊維間を接着するための接着剤液を含浸し
たような場合、接着剤液の流れによって、極細長繊維の
一部が流れて、その部分に大きな間隙が生じて、耐水圧
を低下させるということが生じる。従って、耐水圧に優
れた長繊維不織布を得るためには、各長繊維間の接着手
段を考慮する必要がある。
【0005】極細長繊維の集積状態を比較的均一に維持
したまま、当該極細長繊維間を接着する最も好ましい接
着手段としては、極細長繊維(高融点繊維)と感熱接着
性極細長繊維(低融点繊維)とを均一に混繊しながら集
積して不織ウェブを作成し、その後、感熱接着性極細長
繊維に熱(及び必要であれば圧)を与えて軟化又は溶融
させ、この感熱接着性極細長繊維で、極細長繊維間を接
着することである。しかしながら、極細長繊維と感熱接
着性極細長繊維とを均一に混繊することは困難であり、
極細長繊維同士が集まる箇所や感熱接着性極細長繊維同
士が集まり箇所がどうしても生じる。即ち、極細長繊維
の隣りに、必ず感熱接着性極細長繊維が配置されるよう
に、集積することは困難である。従って、極細長繊維同
士が集まった箇所においては、長繊維間の固定が不十分
で、長繊維間隙が開き易く、十分な耐水圧を実現できな
いという憾みがあった。
【0006】なお、低融点成分と高融点成分とよりなる
複合型長繊維を集積し、この複合型長繊維を低融点成分
の軟化又は溶融によって接着すれば、高融点成分の隣り
に必ず低融点成分が存在するため、上記のような欠点は
生じない。しかしながら、複合型長繊維の繊維径を細く
するのは困難である。即ち、極細の複合型長繊維を得る
には、極細の紡糸ノズル孔の中に、更に低融点成分を紡
出するノズル孔及び高融点成分を紡出するノズル孔を設
けなければならず、ノズル孔の作成や紡糸条件の設定が
難しく、現実的に製造するのが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、紡
糸したときには極細長繊維ではないけれども、紡糸後に
分割処理を施すことによって、極細長繊維を生成する分
割型複合長繊維を用いると共に、分割型複合長繊維中に
感熱接着性長繊維となるセグメントを導入しておくこと
によって、極細長繊維の隣りに、なるべく感熱接着性長
繊維が配置されるようにし、全体に耐水圧が良好で、且
つ通気度及び透湿度に優れた建築用又は農業用シートを
提供しようというものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊維形
成性低融点重合体よりなる少なくとも一以上の低融点セ
グメントと、該低融点重合体に対し非相溶性で且つ該低
融点重合体の融点よりも30〜180℃高い融点を有す
る繊維形成性高融点重合体よりなる少なくとも一以上の
高融点セグメントとが接合されてなる分割型複合長繊維
の、該接合が剥離して発現する、低融点セグメント由来
の低融点割繊長繊維と高融点セグメント由来の高融点割
繊長繊維とが集積されてなり、該高融点割繊長繊維相互
間は、該低融点割繊長繊維の溶融又は軟化によって結合
されてなる不織シートであって、該不織シートの通気度
が0.10cc/cm2/sec以上、耐水圧が300
mmH2O以上、且つ透湿度が100g/m2/hr以上
であることを特徴とする建築用又は農業用不織シート及
びその製造方法に関するものである。
【0009】本発明に係る建築用又は農業用不織シート
は、低融点割繊長繊維と高融点割繊長繊維とが集積され
てなるものである。そして、この低融点割繊長繊維は、
分割型複合長繊維の低融点セグメントに由来するもので
あり、高融点割繊長繊維は、分割型複合長繊維の高融点
セグメントに由来するものである。なお、本発明に係る
建築用又は農業用不織シートは、低融点割繊長繊維と高
融点割繊長繊維とのみよりなる場合もあるが、このよう
なことは稀で、低融点セグメントと高融点セグメントと
の接合が未だ全部又は一部剥離していない分割型複合長
繊維をも含む場合が一般的である。ここで、以下、分割
型複合長繊維について説明する。
【0010】分割型複合長繊維は、繊維形成性低融点重
合体よりなる低融点セグメントと、繊維形成性高融点重
合体よりなる高融点セグメントとが接合されてなるもの
である。高融点重合体は、低融点重合体よりも、その融
点が30〜180℃高いものであり、好ましくは40〜
160℃高く、最も好ましくは50〜140℃高いもの
である。低融点重合体よりなるセグメントは、それに由
来する低融点割繊長繊維が感熱接着性長繊維として機能
するものであるから、両重合体の融点差が30℃未満で
あると、低融点割繊長繊維を軟化又は溶融させる際に、
高融点セグメントに由来する高融点割繊長繊維が軟化又
は劣化する恐れがあり、得られる不織シートの引裂強力
が低下するので、好ましくない。また、両融点差が18
0℃を超えると、分割型複合長繊維を一の紡糸ノズル孔
から複合溶融紡糸しにくくなり、製造しにくくなるので
好ましくない。なお、低融点及び高融点重合体の融点
は、以下の方法で測定したものである。即ち、示差熱量
計(パーキンエルマー社製DSC−2C型)を用い、昇
温速度20℃/分で、室温より昇温して得られる融解吸
収曲線の極値を与える温度を融点とした。
【0011】また、低融点セグメントと高融点セグメン
トとは、相互に非相溶性の重合体よりなるものである。
低融点セグメントと高融点セグメントとは、分割型複合
長繊維中では接合された状態で存在するが、後には、こ
の接合が剥離し、各々、低融点割繊長繊維及び高融点割
繊長繊維となる。従って、この接合が剥離しやすくする
必要があり、このために、両セグメントを構成する両重
合体は相互に非相溶性となっているのである。両重合体
が相溶性である場合には、両セグメントの接合部が一体
化しやすくなり、この接合が剥離しにくくなるため、好
ましくない。
【0012】低融点セグメントは低融点繊維形成性重合
体よりなり、高融点セグメントは高融点繊維形成性重合
体よりなるものであるが、この具体的な組み合わせ(低
融点繊維形成性重合体/高融点繊維形成性重合体)とし
ては、ポリアミド系重合体/ポリエステル系重合体,ポ
リオレフィン系重合体/ポリエステル系重合体,ポリオ
レフィン系重合体/ポリアミド系重合体等を用いること
ができる。そして、ポリエステル系重合体としては、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,或いはこれらを主成分とする共重合ポリエステル等
を使用することができる。ポリアミド系重合体として
は、ナイロン6,ナイロン46,ナイロン66,ナイロ
ン610,或いはこれらを主成分とする共重合ナイロン
等を使用することができる。ポリオレフィン系重合体と
しては、ポリプロピレン,高密度ポリエチレン,線状低
密度ポリエチレン,エチレン−プロピレン共重合体等を
使用することができる。なお、低融点及び高融点重合体
中には、所望に応じて、潤滑剤,顔料,艶消し剤,熱安
定剤,耐光剤,紫外線吸収剤,制電剤,導電剤,蓄熱剤
等が添加されていても良い。
【0013】低融点セグメント及び高融点セグメント
は、分割型複合長繊維中に、少なくとも一以上存在して
いる。各セグメントが多数存在されている方が、各セグ
メントに由来する割繊長繊維の繊維径を細くしうるた
め、好ましい。特に、高融点セグメントは、不織シート
中でも割繊長繊維として、剥離が接合したときの当初の
形態を維持しているため、少なくとも三以上存在してい
るのが好ましい。一方、低融点セグメントは、これに由
来する低融点割繊長繊維は感熱接着性繊維として機能す
るため、不織シート中で当初の形態を維持していない場
合が多く、従って、分割型複合長繊維中に一のセグメン
トしか存在していなくても差し支えない。分割型複合長
繊維中における、低融点セグメントと高融点セグメント
との具体的な存在形態としては、図1〜図6に示す如き
形態が挙げられる。各図は、分割型複合長繊維の横断面
を示したものであり、図中、散点が施された領域が低融
点セグメントであり、斜線が施された領域が高融点セグ
メントである。また、図中、白地の領域は中空であるこ
とを示している。なお、本発明で用いる分割型複合長繊
維の形態は、図に示したものだけでなく、所定の低融点
及び高融点セグメントとが接合されたものであれば、ど
のようなものでは用いられることは言うまでもない。ま
た、図では、分割型複合長繊維の横断面が円形であり、
ほぼ点対称型となっているもののみを示したが、楕円形
や三角形等の異形であっても良く、或いは非点対称型の
ものであっても良い。
【0014】分割型複合長繊維中における、低融点セグ
メントと高融点セグメントとの量的割合は任意に決定し
うる事項である。一般的には、低融点セグメント/高融
点セグメント=20〜80/80〜20(重量部)であ
る。低融点セグメントの量が20重量部未満になると、
低融点セグメントに由来する低融点割繊長繊維の量が少
なくなり、従って、感熱接着性繊維として機能する長繊
維の量が少なくなって、割繊長繊維間の結合が不十分に
なり、不織シートに所望の耐水圧を与えにくくなる傾向
が生じる。一方、低融点セグメントの量が80重量部を
超えると、相対的に高融点セグメントの量が少なくな
り、不織シート中において繊維形態を維持している割繊
長繊維の割合が少なくなって、不織シートに所望の引裂
強力を与えにくくなる傾向が生じる。
【0015】分割型複合長繊維の繊度は、任意に決定し
うる事項であるが、一般的には2〜12デニールである
のが好ましい。複合溶融紡糸法によって、繊度が2デニ
ール未満の分割型複合長繊維を得るのは、一般的に困難
である。また、繊度が12デニールを超えると、自ず
と、低融点及び高融点セグメントに由来する割繊長繊維
の繊度が太くなる傾向が生じる。しかし、繊度が12デ
ニールを超えても、各セグメント、特に高融点セグメン
トの数を多くして、割繊長繊維の繊度を細くすることが
できる。高融点セグメントに由来する高融点割繊長繊維
の繊度は、0.02〜0.8デニール程度であるのが好
ましい。高融点割繊長繊維の繊度を0.02デニール未
満とするのは、分割型複合長繊維を複合溶融紡糸法で得
る限り、現実的には困難である。また、高融点割繊長繊
維の繊度が0.8デニールを超えると、高融点割繊長繊
維相互間の間隙が大きくなり、耐水圧が低下する傾向が
生じる。一方、低融点セグメントに由来する低融点割繊
長繊維の繊度は、0.05〜2.0デニール程度である
のが好ましい。低融点割繊長繊維は0.05デニール以
上であれば十分であり、これ以上細くする必要性はあま
り無い。また、低融点割繊長繊維の繊度が2.0デニー
ルを超えると、高融点割繊長繊維との繊度の差が大きく
なり、不織シート全体としての均一性が低下する傾向が
生じる。即ち、低融点割繊長繊維の存在によって、高融
点割繊長繊維相互間の間隙が大きくなる箇所や、低融点
割繊長繊維の隣りに存在する多数の高融点割繊長繊維を
まとめて結合させてしまいフィルム状となった箇所が生
じ、耐水圧が低下したり、或いは引裂強力が低下すると
いう恐れがある。
【0016】不織シート中において、高融点割繊長繊維
相互間は、低融点割繊長繊維の溶融又は軟化によって結
合されている。高融点割繊長繊維と低融点割繊長繊維と
は、いずれも、分割型複合長繊維中に存在していた高融
点セグメントと低融点セグメントとの接合が剥離して発
現したものである。従って、高融点割繊長繊維の隣りに
は低融点割繊長繊維が存在することが多く、高融点割繊
長繊維は隣り合う低融点割繊長繊維によって、効率良く
結合されることになる。依って、本発明に係る不織シー
トは、比較的繊度の細い高融点割繊長繊維相互間が、隣
り合う低融点割繊長繊維によって結合されているため、
結合不良の箇所が少なく、耐水圧に優れるのである。な
お、この結合は、不織シートの表裏面のみに偏在してい
ても良いし、不織シートの厚み方向に亙って均一に存在
していても良い。
【0017】このような不織シートは、通気度が0.1
0cc/cm2/sec以上、耐水圧が300mmH2
以上、且つ透湿度が100g/m2/hr以上でなけれ
ばならない。この不織シートは、高融点割繊長繊維と低
融点割繊長繊維とが集積されてなるものであるため、長
繊維相互間には多数の間隙が生じている。従って、低融
点割繊長繊維を軟化又は溶融させて、高融点割繊長繊維
間を結合させる際に、この間隙が完全に塞ぐような軟化
又は溶融状態を引き起こさなければ、通気度を0.10
cc/cm2/sec以上とすること、及び透湿度を1
00g/m2/hr以上とすることは容易である。ま
た、耐水圧についても、分割型複合長繊維を用い、適度
の繊度の高融点割繊長繊維と低融点割繊長繊維を発現さ
せれば、300mmH2O以上の耐水圧とすることは容
易である。
【0018】不織シートの通気度が0.10cc/cm
2/sec未満の場合には、空気や炭酸ガス等の通気が
不十分となり、農業用シートとした場合には、作物の生
育に悪影響を及ぼすので好ましくない。また、建築用シ
ートとした場合にも、建物の中に人が居るときには、換
気が不十分となり、人体に悪影響を与える。また、不織
シートの耐水圧が300mmH2O未満であると、建築
用シート又は農業用シートとして、建物や農作物等を覆
っていても、雨水がシートを通して、建物や農作物等に
降りかかるので、好ましくない。更に、不織シートの透
湿度が100g/m2/hr未満であると、水蒸気が不
織シートを通して透過しにくくなり、建築用シート又は
農業用シートとして、建物や耕土乃至は農作物等を覆う
と、建物等や耕土等に結露が生じるので、好ましくな
い。なお、通気度はJIS L 1906に記載のフラ
ジール法に準拠して測定し、耐水圧はJIS L 10
92A法(低水圧法)に記載の方法に準拠して測定し、
透湿度はJIS L 1099 A−1法に記載の方法
に準拠して測定するものである。
【0019】不織シートの目付は、任意に決定しうる事
項であるが、一般的には50〜200g/m2の範囲で
あるのが好ましい。不織シートの目付が50g/m2
満になると、高融点割繊長繊維及び低融点割繊長繊維の
単位面積当たりの集積量が少なくなって、割繊長繊維相
互間の間隙の大きくなる傾向が生じ、耐水圧が低下する
傾向が生じる。また、不織シートの目付が200g/m
2を超えると、高融点割繊長繊維等の単位面積当たりの
集積量が多すぎて、割繊長繊維相互間の間隙が過度に小
さくなる傾向が生じ、通気度や透湿度が若干低下する傾
向が生じる。以上説明した不織シートは、所定の寸法に
裁断されて、建築物,農作物又は耕土等を被覆するため
に用いられ、建築用シート又は農業用シートとして好適
に使用しうるものである。
【0020】次に、本発明に係る建築用又は農業用不織
シートの好適な製造方法の一例について説明する。ま
ず、本製法においては、分割型複合長繊維を複合溶融紡
糸法で製造する。即ち、繊維形成性低融点重合体と、こ
の低融点重合体よりも融点が30〜180℃高く、且つ
低融点重合体に対し非相溶性の繊維形成性高融点重合体
とを準備する。そして、両重合体を、複合紡糸ノズル孔
を備えた溶融紡糸装置に、別々に導入し、従来公知の複
合溶融紡糸法によって、分割型複合長繊維を得る。複合
溶融紡糸法は、低融点重合体の紡糸と高融点重合体の紡
糸とを同時に行なうのであるが、この際、各々の重合体
の各融点よりも、20〜60℃高い温度に加熱して行な
う。従って、高融点重合体の融点が低融点重合体の融点
よりも180℃を超えて高くなると、溶融状態の高融点
重合体の熱的影響を受けて、低融点重合体がその融点を
はるかに超えた高い温度に加熱されることになり、低融
点重合体が分解したり劣化する恐れがある。このような
ことからも、高融点重合体と低融点重合体との融点差
は、180℃以下であるのが好ましいのである。また、
両重合体の融点差を30℃以上としたのは、前述したよ
うに、低融点重合体を後に感熱接着性繊維として機能さ
せ、高融点重合体は、感熱接着性繊維を軟化又は溶融さ
せる温度では変質したり軟化したりしにくくするためで
ある。更に、低融点重合体と高融点重合体とが相互に非
相溶性である理由も、前述したように、後に低融点セグ
メントと高融点セグメントとの接合を剥離しやすくする
ためである。
【0021】このようにして得られた分割型複合長繊維
は、少なくとも一以上の低融点セグメントと少なくとも
一以上の高融点セグメントとが接合されてなるものであ
る。そして、この分割型複合長繊維を集積して不織ウェ
ブを得る。分割型複合長繊維を集積するには、複合溶融
紡糸法によって紡糸された分割型複合長繊維群を、紡糸
装置の下方に設置されたエアーサッカー等に導入し、延
伸又は搬送して、移動するコンベア上に集積すれば良
い。また、集積を均一化するために、エアーサッカー等
の出口で、分割型複合長繊維群をコロナ放電法や摩擦帯
電法等で開繊させ、コンベア上に集積するのが好まし
い。
【0022】次いで、この不織ウェブに分割割繊処理を
施すことによって、分割型複合長繊維の各セグメント間
の接合を概ね剥離して、低融点セグメント由来の低融点
割繊長繊維と高融点セグメント由来の高融点割繊長繊維
とを発現させて不織フリースを得る。なお、この際、両
セグメントの接合が十分に剥離されていないものも一部
残存する場合もあることは、前述したとおりである。分
割割繊処理の代表例としては、不織ウェブに高圧水柱流
を噴射して、高圧水柱流の衝撃力によって、低融点セグ
メントと高融点セグメントとの接合を剥離する方法、又
は不織ウェブに揉み加工を施して、低融点セグメントと
高融点セグメントとの接合を剥離する方法が挙げられ
る。高圧水柱流は、孔径0.05〜1.0mm、特に
0.1〜0.4mm程度の噴射孔を通して、水(温水を
含む)を高圧で噴射することによって得られるものであ
る。噴射圧力は、5〜150kg/cm2G程度であ
り、また噴射孔と不織ウェブとの距離は1〜15cm程
度である。これによって、分割型複合長繊維中の低融点
セグメントと高融点セグメントとの接合が概ね剥離し、
低融点割繊長繊維と高融点割繊長繊維が発現するのであ
る。
【0023】また、揉み加工としては、不織ウェブを一
対のロール間に導入する際、導入速度を導出速度よりも
速くして、導出後に不織ウェブを屈曲させる座屈圧縮法
を採用するのが一般的である。このような座屈圧縮法
は、マイクレックス社製のマイクロクレーパー機や上野
山機工社製のカムフィット機等を用いて、容易に実施す
ることができる。この座屈圧縮法による揉み加工は、前
記した高圧水流流による方法に比べて、分割型複合長繊
維相互間があまり交絡せずに、その接合が概ね剥離され
るため、交絡の程度の少ない高融点割繊長繊維と低融点
割繊長繊維とからなる不織フリースを得ることができ
る。また、染色加工で一般的に用いられている高圧液流
染色機を採用して、液流による揉み加工を施すこともで
きる。
【0024】なお、以上の説明においては、得られた不
織ウェブに、そのまま分割割繊処理を施す例を挙げた
が、分割割繊処理を施す前に、不織ウェブに点融着を施
しても良い。即ち、加熱された凹凸ロールと平滑ロール
とよりなるエンボスロールに、不織ウェブを通して、凹
凸ロールの凸部が当接した不織ウェブの区域において、
分割型複合長繊維相互間を融着しても良い。この点融着
を施すことによって、不織ウェブに分割割繊処理を施す
とき、分割型複合長繊維が移動しにくくなり、分割型複
合長繊維、ひいては各割繊長繊維の分布の均一性が損な
われにくくなるため、好ましいことである。特に、高圧
水柱流による分割割繊処理の際には、分割型複合長繊維
等の移動を伴うことが多いので、不織ウェブに点融着を
施しておいて、分割型複合長繊維をある程度固定してお
くのが好ましい。
【0025】不織フリースを得た後、この不織フリース
全体を、厚み方向に加圧すると共に加熱して、高融点割
繊長繊維相互間を、溶融又は軟化した低融点割繊長繊維
によって結合する。加圧は、主として不織フリースを厚
み方向に押し潰して、高融点割繊長繊維間の間隙を小さ
くするためである。また、加熱は、不織フリース中の低
融点割繊長繊維を溶融又は軟化させるためである。従っ
て、高融点割繊長繊維相互間の間隙が小さくなると共
に、高融点割繊長繊維相互間が低融点割繊長繊維によっ
て結合され、耐水圧に優れた不織シートが得られるので
ある。この加圧及び加熱は、例えば、加熱された一対の
平滑ロール間に不織フリースを通すことによって、又は
加熱された平滑ロールと、この平滑ロールの周面に密着
しながら走行するベルトとの間に不織フリースを通すこ
とによって、施される。特に、加圧力を高めたい場合に
は、一対の平滑ロールを用いて、加圧及び加熱を施すの
が好ましい。加圧及び加熱の程度は、低融点割繊長繊維
を構成する低融点重合体の種類、高融点割繊長繊維を構
成する高融点重合体の種類、及び不織フリースの厚み等
によって、適宜決定すれば良い。例えば、加圧について
は線圧で10〜300kg/cm程度の範囲内で適宜決
定すれば良く、また加熱については80〜200℃程度
の範囲内で適宜決定すれば良い。そして、この加圧及び
加熱を適宜調整することによって、不織シートの通気度
が0.10cc/cm2/sec以上、耐水圧が300
mmH2O以上、且つ透湿度が100g/m2/hr以上
となるようにするのである。
【0026】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明の範囲はこの実施例に限られるもので
はない。本発明は、分割型複合長繊維の分割割繊により
発現した比較的繊度の細い高融点割繊長繊維と低融点割
繊長繊維とは、両者が隣り合って配置されやすいという
状態を利用することによって、高融点割繊長繊維の固定
が万遍無く均一に行なえ、その結果、優れた耐水圧,通
気度,透湿度及び引裂強力を持つ不織シートが得られ、
建築用又は農業用不織シートとして適しているという知
見に基づくものであるとして解釈されるべきである。
【0027】
【実施例】
実施例1 繊維形成性低融点重合体として、融点が130℃でメル
トインデックス値(ASTM D 1238(E)に記
載の方法に準拠して測定)が20g/10分である高密
度ポリエチレンを準備した。一方、繊維形成性高融点重
合体として、融点が258℃で、テトラクロルエタンと
フェノールとの等量混合溶媒で溶解したときの20℃に
おける相対粘度が1.38であるポリエチレンテレフタ
レートを準備した。そして、両重合体を用いて、複合溶
融紡糸を行なった。この際、紡糸ノズル孔は、図1に示
す如き横断面を持つ複合繊維が紡糸される形態のものを
用いた。
【0028】複合溶融紡糸した後、多数の紡糸ノズル孔
の下方に設置したエアーサッカーに導入して、分割型複
合長繊維群を延伸及び搬送し、移動するコンベア上に集
積して、目付90g/m2の不織ウェブを得た。不織ウ
ェブ中の分割型複合長繊維はその繊度が約2.5デニー
ルであり、繊維形成性低融点重合体よりなる一の低融点
セグメントと、この低融点セグメントの周囲にほぼ等間
隔で配置されると共に接合された六の高融点セグメント
とよりなるものであった。この不織ウェブを、120℃
に加熱された凹凸ロールと120℃に加熱された平滑ロ
ールの間に通した。この結果、凹凸ロールの凸部が当接
した不織ウェブの区域において、分割型複合長繊維中の
低融点セグメントが軟化又は溶融し、分割型複合長繊維
相互間が融着された。この不織ウェブは、点融着区域が
散点状に配置されてなり、点融着区域の総面積は、不織
ウェブ全表面積の14%であった。
【0029】この不織ウェブに、高圧水柱流を噴射し
て、分割型複合長繊維に分割割繊処理を施した。高圧水
柱流は、噴射孔径0.12mm,噴射孔数600,噴射
孔間ピッチ0.6mm,噴射孔群の列数3よりなる装置
を用いて、噴射圧力(噴射水圧)80kg/cm2で、
不織ウェブと噴射孔の距離を80mmとして、不織ウェ
ブに施した。この結果、分割型複合長繊維中の低融点セ
グメントと高融点セグメントとの接合が概ね剥離し、低
融点セグメントに由来する低融点割繊長繊維と、高融点
セグメントに由来する高融点割繊長繊維とが発現し、両
割繊長繊維が集積されてなる不織フリースが得られた。
この不織フリース中において、高融点割繊長繊維の繊度
は約0.17デニールであり、低融点割繊長繊維の繊度
は約1.4デニールであった。
【0030】この後、130℃に加熱された一対の金属
製平滑ロール間に、線圧60kg/cmで不織フリース
を通した。この結果、不織フリースは厚み方向に圧縮さ
れると共に、高融点割繊長繊維相互間が、低融点割繊長
繊維の軟化又は溶融によって結合され、ある程度緻密化
されると共に引張強力等の機械的物性の向上した不織シ
ートが得られた。この不織シートの各種物性を測定した
ところ、表1に示したとおりであった。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 高圧水柱流の噴射処理に代えて、揉み加工による処理を
施した他は、実施例1と同様にして不織シートを得た。
揉み加工による処理は、以下のとおりである。即ち、マ
イクレックス社製のマイクロクレーパーIIなる装置を用
いて、この装置に不織ウェブを通すことによって、揉み
加工を施した。マイクロクレーパーIIは、上下一対の平
滑ロールと、この一対の平滑ロールの導出側に配置され
た上下一対のリターダーとよりなるものである。不織ウ
ェブは、一対の平滑ロール間に一定速度で導入される。
その後、不織ウェブは一対の平滑ロール間から一定速度
で導出するが、導出後にこの速度が低減される。そし
て、不織ウェブは、一対のリターダー間で折り畳まれ、
座屈圧縮による揉み加工が施されるのである。なお、一
対の平滑ロールは50℃に加温されている。以上の方法
によって得られた不織シートの各種物性を測定したとこ
ろ、表1に示したとおりであった。
【0033】実施例3 紡糸ノズル孔として、図2に示す如き横断面を持つ複合
繊維が紡糸される形態のものを採用する他は、実施例1
と同様にして不織シートを得た。なお、不織ウェブ中の
分割型複合長繊維の繊度は約3デニールであり、不織フ
リース中の高融点及び低融点割繊長繊維の繊度は約0.
08デニールであった。この不織シートの各種物性を測
定したところ、表1に示したとおりであった。
【0034】実施例4 実施例1と同一の方法で不織フリースを得た後、この不
織フリースを、140℃に加熱された金属製平滑ロール
と、この平滑ロールの周面に密着して走行する織物製ベ
ルトとの間に通した。この結果、不織フリースは、ロー
ルとベルトとの間で厚み方向に加圧されて圧縮されると
共に、高融点割繊長繊維相互間が、低融点割繊長繊維の
軟化又は溶融によって結合され、ある程度緻密化される
と共に引張強力等の機械的物性の向上した不織シートが
得られた。この不織シートの各種物性を測定したとこ
ろ、表1に示したとおりであった。
【0035】実施例5 実施例3と同一の方法で不織フリースを得た後、この不
織フリースを、140℃に加熱された金属製平滑ロール
と、この平滑ロールの周面に密着して走行する織物製ベ
ルトとの間に通した。このようにして得られた不織シー
トの各種物性を測定したところ、表1に示したとおりで
あった。
【0036】比較例1 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートのみを用
い、これを溶融紡糸して単相型ポリエステル長繊維(繊
度約2.5デニール)を集積して不織ウェブを得た他
は、実施例1と同様にして不織シートを得た。なお、単
相型ポリエステル長繊維は分割型長繊維ではないので、
高圧水柱流による分割割繊処理を施さなかったことは、
言うまでもない。この不織シートの各種物性を測定した
ところ、表1に示したとおりであった。
【0037】比較例2 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートとポリエ
チレンとを用い、これを複合溶融紡糸して芯鞘型複合長
繊維(繊度約3.0デニール)を得た。この芯鞘型複合
長繊維は、芯がポリエチレンテレフタレートで、鞘がポ
リエチレンよりなるもので、芯が完全に鞘で覆われてい
るため、非分割型複合長繊維である。この複合長繊維を
集積して不織ウェブを得た他は、実施例1と同様にして
不織シートを得た。なお、この芯鞘型複合長繊維は分割
型長繊維ではないので、高圧水柱流による分割割繊処理
を施さなかったことは、言うまでもない。この不織シー
トの各種物性を測定したところ、表1に示したとおりで
あった。
【0038】実施例1〜5に係る不織シートと、比較例
1及び2に係る不織シートとを対比すれば明らかなとお
り、実施例に係る不織シートは、比較例に係る不織シー
トに比べて、耐水圧に優れていることが分かる。これ
は、実施例に係る不織シートは、繊度の細い割繊長繊維
群が集積されると共に、この割繊長繊維相互間が均一に
固定されているため、割繊長繊維間の間隙が小さく、水
を透過しにくいからである。
【0039】
【作用及び発明の効果】本発明に係る建築用又は農業用
不織シートは、分割型複合長繊維中の高融点セグメント
に由来する高融点割繊長繊維、及び低融点セグメントに
由来する低融点割繊長繊維が集積されてなる。即ち、各
割繊長繊維は、分割型複合長繊維から由来して発現して
いるため、高融点割繊長繊維と低融点割繊長繊維とは、
隣り合う位置に、存在していることが多い。そして、こ
の状態で、低融点割繊長繊維の軟化又は溶融によって、
高融点割繊長繊維相互間が結合されている。従って、高
融点割繊長繊維相互間の結合が均一で、割繊長繊維相互
間の間隙が大きくなる箇所が少なくなる。更に、各割繊
長繊維は、分割型複合長繊維中の各セグメントの接合が
剥離して生じたものであるため、その繊度を比較的細く
することが可能である。従って、割繊長繊維相互間の間
隙も、本来的に小さくなっている。以上のとおり、本発
明に係る建築用又は農業用不織シートは、集積された割
繊長繊維相互間の間隙が、全体に均一に小さくなってい
るので、耐水圧に優れるという効果を奏する。
【0040】また、本発明に係る建築用又は農業用不織
シートは、割繊長繊維相互間に、小さいけれども多数の
間隙が設けられているため、通気度及び透湿度にも優れ
るという効果を奏する。更に、本発明に係る建築用又は
農業用不織シートは、割繊長繊維が集積されてなるもの
であるため、合成樹脂製透湿性フィルムに比べて、引裂
強力も高いという効果を奏する。
【0041】依って、本発明に係る建築用又は農業用不
織シートを用いて、建築物,農作物乃至は耕土等を被覆
すれば、耐水圧に優れているので雨水等に濡れにくく、
また通気度及び透湿度に優れているので結露が生じにく
く、建築物の保全や農作物の生育に悪影響を与えること
が少ないという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。
【図2】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。
【図3】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。
【図4】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。
【図5】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。
【図6】本発明に用いる分割型複合長繊維の一例に係る
横断面である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性低融点重合体よりなる少なく
    とも一以上の低融点セグメントと、該低融点重合体に対
    し非相溶性で且つ該低融点重合体の融点よりも30〜1
    80℃高い融点を有する繊維形成性高融点重合体よりな
    る少なくとも一以上の高融点セグメントとが接合されて
    なる分割型複合長繊維の、 該接合が剥離して発現する、低融点セグメント由来の低
    融点割繊長繊維と高融点セグメント由来の高融点割繊長
    繊維とが集積されてなり、 該高融点割繊長繊維相互間は、該低融点割繊長繊維の溶
    融又は軟化によって結合されてなる不織シートであっ
    て、 該不織シートの通気度が0.10cc/cm2/sec
    以上、耐水圧が300mmH2O以上、且つ透湿度が1
    00g/m2/hr以上であることを特徴とする建築用
    又は農業用不織シート。
  2. 【請求項2】 繊維形成性低融点重合体よりなる少なく
    とも一以上の低融点セグメントと、該低融点重合体に対
    し非相溶性で且つ該低融点重合体の融点よりも30〜1
    80℃高い融点を有する繊維形成性高融点重合体よりな
    る少なくとも一以上の高融点セグメントとが接合されて
    なる分割型複合長繊維を集積した不織ウェブに、 分割割繊処理を施すことによって、該低融点セグメント
    と該高融点セグメントとの接合を剥離させ、該低融点セ
    グメント由来の低融点割繊長繊維と該高融点セグメント
    由来の高融点割繊長繊維とを発現させて不織フリースを
    得た後、 該不織フリース全体を、厚み方向に加圧すると共に加熱
    して、該高融点割繊長繊維相互間を、溶融又は軟化した
    該低融点割繊長繊維によって結合することを特徴とする
    請求項1記載の建築用又は農業用不織シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 不織ウェブに高圧水柱流を噴射して、該
    高圧水柱流の衝撃力によって、低融点セグメントと高融
    点セグメントとの接合を剥離する請求項2記載の建築用
    又は農業用不織シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 不織ウェブに揉み加工を施して、低融点
    セグメントと高融点セグメントとの接合を剥離する請求
    項2記載の建築用又は農業用不織シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 一対の加熱ロール間に通すことによっ
    て、不織フリース全体を厚み方向に加圧すると共に加熱
    する請求項2記載の建築用又は農業用不織シートの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002331617A (ja) * 2001-05-09 2002-11-19 Unitika Ltd マルチ資材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002331617A (ja) * 2001-05-09 2002-11-19 Unitika Ltd マルチ資材
JP4596676B2 (ja) * 2001-05-09 2010-12-08 ユニチカ株式会社 マルチ資材

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