JPH11106995A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH11106995A
JPH11106995A JP26743197A JP26743197A JPH11106995A JP H11106995 A JPH11106995 A JP H11106995A JP 26743197 A JP26743197 A JP 26743197A JP 26743197 A JP26743197 A JP 26743197A JP H11106995 A JPH11106995 A JP H11106995A
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JP
Japan
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amine
epoxy resin
resin
coating film
pigment
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JP26743197A
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English (en)
Inventor
Kazunaga Habara
千長 羽原
Motoi Tanimoto
基 谷本
Kenshichirou Shima
謙七郎 島
Yoshinobu Tamura
吉宣 田村
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Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 つきまわり性の優れ、かつ端面被覆性の優れ
たカチオン電着塗料を適用する必要のある袋形状の自動
車用サスペンションメンバーの塗膜形成方法を提供す
る。 【解決手段】 開口部を有する袋形状の部材、例えば、
自動車用サスペンションメンバーに、(1) アミン塩
基の30〜35重量%をモル比1/1の蟻酸と酢酸との
混合物で中和したアミン変性エポキシ樹脂およびアルコ
ールブロック脂肪族ポリイソシアネートからなるビヒク
ル樹脂、(2) 4級アミン変性エポキシ樹脂で顔料を
50〜80重量%の割合で分散した顔料ペースト、
(3) カチオン性微粒子を全樹脂固形分に対して5〜
10固形分重量%、(4) 顔料/全樹脂固形分=1/
2〜1/9(重量比)、の構成要件を具備する電着塗料
で電着塗装することを特徴とする塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開口部を有する袋
形状の物品、特に自動車のサスペンションの電着塗装に
好適な塗膜形成方法で、詳しくはサスペンションの内面
(袋部内面)に平均20μm以上、外面に30〜40μ
mの塗膜を形成することに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体や部品、および、その他の金
属製品に高防錆を目的に電着塗装を施すのは一般的であ
る。例えば、図1に示すような乗用車用サスペンション
メンバーも同様に塗装されているが、従来のカチオン電
着塗装では、図1(B)に示すように、その断面形状
が、特にサスペンションメンバーのようなモナカ型に設
計された被塗物は、袋状内部への塗料の侵入口として、
直径6〜20mm程度の穴が数個しかなく、また、形状
が複雑に折れ曲がり、電着槽内の対極(陽極)との距離
も内面部では遠くなっているため、内面の塗膜厚は外面
に比べて薄くなるのが一般的である。
【0003】例えば、従来型のカチオン電着塗料は、中
和剤として、乳酸や酢酸を使用しており、基体樹脂であ
るビスフェノールA型エポキシ樹脂とブロックポリイソ
シアネート樹脂の混合樹脂のアミン塩基に対して中和率
を35〜40重量%ものは、電着初期における塗膜の電
気抵抗が低く、サスペンションの袋部内面へのつきまわ
り性が遅れ、通常の3分間電着では電圧を高く(300
〜350V)しなければ内面の膜厚20μmの確保が難
しい。また、このとき、外面の膜厚が40〜50μmに
なるため塗膜外観もオレンジピール状の肌になり、極端
な場合は、気泡を含んだ破壊状塗膜になり、ネジ穴が塗
膜厚により狭くなり、結果的に組み立て時の作業性が劣
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】開口部を有する袋形状
の物品中、例えば、サスペンションメンバーは、車の重
要保安部品の1つであり、路面での過酷な腐食状況にさ
らされる。例えば、石はね(チッピング)による塗膜の
傷付きや、凍結道路にまく塩による塩害等、物理化学的
腐食環境に常にさらされるため、防錆機能は一般の部品
(足廻り部品以外)と比べて、より以上に強くなければ
ならない。したがって、外面の膜厚30〜40μm、好
ましくは30〜35μmを確保し、かつ、袋部の内面の
膜厚を20μm以上(20μm以上あれば塩害地でも内
面からの腐食の進行は防止できる。)、好ましくは20
〜35μmを確保するためには、つきまわり性の優れた
カチオン電着塗料を適用する必要がある。また、溶接ビ
ード部の凸部や切断部の鋭利な部分も塗膜でカバーされ
ていなければ、そこから錆が進行し部品の機能を早期に
劣化させるため、端面被覆性の優れた電着塗料を適用す
る必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、(I) 開口部を有する袋形状の部材に
下記(1)〜(4)の構成要件を具備する電着塗料で電
着塗装することを特徴とする塗膜形成方法である。
【0006】(1) アミン塩基の30〜35重量%を
モル比1/1の蟻酸と酢酸との混合物で中和したアミン
変性エポキシ樹脂およびアルコールブロック脂肪族ポリ
イソシアネートからなるビヒクル樹脂(A)、(2)
4級アミン変性エポキシ樹脂で顔料を50〜80重量%
の割合で分散した顔料ペースト(B)、(3) カチオ
ン性微粒子を全樹脂固形分に対して5〜10固形分重量
%、および、(4) 顔料/全樹脂固形分=1/2〜1
/9(重量比)。
【0007】また、本発明の他の目的は、(II) 塗装
焼き付け後の平均膜厚が袋形状の部材の内面で20〜2
5μmかつ外面で30〜40μmであることを特徴とす
る上記(I)に記載の塗膜形成方法により達成される。
【0008】また、本発明の他の目的は、(III) 塗
装焼き付けを被塗物表面温度の条件として、150〜1
70℃で10〜30分で行うことを特徴とする上記
(I)または(II)に記載の塗膜形成方法により達成さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる電着塗料は、
(1)アミン塩基の30〜35重量%をモル比1/1の
蟻酸と酢酸との混合物で中和したアミン変性エポキシ樹
脂およびアルコールブロック脂肪族ポリイソシアネート
からなるビヒクル樹脂(A)、(2)4級アミン変性エ
ポキシ樹脂で顔料を50〜80重量%の割合で分散した
顔料ペースト(B)、(3)全樹脂固形分に対して5〜
10固形分重量%を含有するカチオン性微粒子を必須成
分として有するものであって、(4)顔料/全樹脂固形
分=1/2〜1/9(重量比)の成分組成を満足するも
のである。
【0010】このうち、本発明に用いられる電着塗料を
構成するビヒクル樹脂(A)は、ポリアミン型の樹脂を
酸で中和して水溶性化したタイプ、すなわち、エポキシ
樹脂のグリシジル基に第2級アミンを付加させ開環させ
た後、モル比1/1の蟻酸と酢酸との混合物で中和して
水可溶化したタイプのアミン変性エポキシ樹脂に、さら
にアルコールでブロックした脂肪族ポリイソシアネート
を含む組成物である。特に、本発明では、アミン変性エ
ポキシ樹脂のアミン塩基の30〜35重量%をモル比1
/1の蟻酸と酢酸との混合物で中和することにより、従
来のカチオン系のエポキシ樹脂の持つ耐食性に優れる等
の性能に加え、従来のカチオン系ではアニオン系に比べ
て劣っていたつきまわり性にも優れた効果を発現するこ
とができることを見出したものである。
【0011】こうしたビヒクル樹脂(A)の組成成分で
あるいわゆる水可溶化したタイプのアミン変性エポキシ
樹脂は、蟻酸/酢酸=1/1(モル比)の蟻酸と酢酸と
の混合物(中和剤)により、アミン変性エポキシ樹脂の
アミン塩基の30〜35重量%を中和したものである。
該アミン変性エポキシ樹脂のアミン塩基が30重量%未
満しか中和されていない場合(中和率が低い場合)に
は、アミン変性エポキシ樹脂の水溶化が不充分となり塗
料の安定性に劣り、一方、35重量%を越えて中和され
ている場合(中和率が高い場合)には、電着初期におけ
る塗膜の電気抵抗が低く、被塗物である開口部を有する
袋形状の部材、例えば、サスペンションメンバーの袋形
状の内面部へのつきまわり性が遅れ、通常の電着条件
(時間及び電圧調整)では、袋形状被塗物の内面部と外
面部の双方において適正な平均膜厚を確保し難しいため
好ましくない。
【0012】また、本発明では、中和剤として、モル比
1/1の蟻酸と酢酸との混合物を用いることを特徴の1
つとするものである。すなわち、混合比率を蟻酸/酢酸
=1/1(モル比)とすることによって、はじめて従来
のカチオン系のエポキシ樹脂の持つ耐食性に優れる等の
性能に加え、従来のカチオン系ではアニオン系に比べつ
きまあわり性が劣るとした欠点を解消でき、サスペンシ
ョンメンバーのような袋形状の被塗物の内面部において
も優れたつきまわり性を発現することができるのであ
る。なお、中和剤の使用量は、適当な中和率、すなわ
ち、アミン変性エポキシ樹脂のアミン塩基の30〜35
重量%を中和することができるように、アミン変性エポ
キシ樹脂のアミン塩基量に応じて適宜決定されるもので
ある。
【0013】水可溶化に供することのできるアミン変性
エポキシ樹脂としては、数平均分子量1000〜300
0で、1分子当たり平均1個以上のエポキシ基を有する
ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびそれらのエステ
ル化物、エーテル化物、イミド化物と、1価の第2級ア
ミンとの反応生成物であるアミノ基含有ポリマー等を用
いることができる。このほかにも、公知のエポキシ樹脂
(例えば、高分子刊行会1973年発行、佐伯健作編
「エポキシ樹脂」に記載のグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、線状脂肪
族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂等)やこれらのエ
ポキシ樹脂をポリエーテルグリコール、ポリエステルグ
リコール、長鎖二塩基酸等で主鎖延長した1分子あたり
少なくとも1個以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂に
第2級アミンを付加したものなども用いることができ
る。
【0014】上記第2級アミンの例としては、ジエチル
アミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−メ
チルエタノールアミン等の他にケチミンブロック化第2
級アミン等が挙げられる。
【0015】また、上記ビヒクル樹脂(A)の組成成分
であるアルコールブロック脂肪族ポリイソシアネート
は、硬化剤として用いられるものであり、脂肪族ポリイ
ソシアネート化合物にブロック剤である活性水素を有す
るアルコール系化合物を反応させブロック化したもので
あればよい。
【0016】上記脂肪族ポリイソシアネート類として
は、特に制限されるものではなく、例えば、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トル
メチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0017】上記アルコール系化合物としては、特に制
限されるものではなく、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカービト
ール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フル
フリルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられ
る。
【0018】上記ビヒクル樹脂(A)の組成成分である
アミン変性エポキシ樹脂とアルコールブロック脂肪族ポ
リイソシアネートの組成比率は、アミン変性エポキシ樹
脂/アルコールブロック脂肪族ポリイソシアネート=6
/4〜8/2(重量比)の範囲が望ましい。アミン変性
エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネートとの組成比
率が上記範囲を外れる場合には、樹脂混合物の水溶化能
が劣るため、塗料の安定性が低下したり、架橋密度の低
下により塗膜硬度が下がり耐食性が低下するなどの理由
により好ましくない。
【0019】次に、本発明に用いられる電着塗料を構成
する、4級アミン変性エポキシ樹脂で顔料を50〜80
重量%の割合で分散した顔料ペースト(B)は、塗料経
時による顔料の沈降を抑制(経時安定性を向上)する観
点から必須成分とされるものである。
【0020】上記顔料としては、特に制限されるもので
はなく、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化
鉄、シアニンブルイー、シンカシャーレッド等の着色顔
料、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウ
ム等の体質顔料、クロム酸ストロンチウム、塩基性ケイ
酸鉛等の防錆顔料等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0021】また、上記4級アミン変性エポキシ樹脂に
は、顔料分散用樹脂として適用される従来公知のアミン
変性エポキシ樹脂(上記ビヒクル樹脂(A)で説明した
アミン変性エポキシ樹脂に限定されるものではない)を
用いることができ、該アミン変性エポキシ樹脂を、さら
に4級化剤と反応させて、4級アンモニウム基を有する
4級アミン変性エポキシ樹脂とするものである。よっ
て、水可溶化したタイプのアミン変性エポキシ樹脂とす
るために用いる中和剤も、特に限定されず、塩酸、硝
酸、リン酸、酢酸、蟻酸、乳酸などの無機酸および有機
酸、並びにこれらを適当に併用してなる混合物を用いる
ことができる。混合物とする場合には、任意の組み合わ
せが可能であり、かつそれぞれ適当な混合比率をとるこ
とができる。また、中和率に関しても限定されるもので
はないが、通常、エポキシ樹脂に4級化剤を反応させて
水溶化しており、4級化率が60〜80%であれば十分
に利用可能である。
【0022】上記4級化剤としては、例えば、特開昭5
9−51958号公報に記載の次の処方で作る有機第3
級アミン酸塩等が挙げられる; 成分 重量部 固形分 ・メチルエチルケトン希釈2−エチルヘキサノール 320.0 304.0 ハーフブロックトルエンジイソシアネート ・ジメチルエタノールアミン 87.2 87.2 ・乳酸水溶液 117.6 88.2 ・ブチルセロソルブ 39.2 − メチルエチルケトン希釈2−エチルヘキサノールハーフ
ブロックトルエンジイソシアネートを室温で適当な反応
容器中のジメチルエタノールアミンに加える。これを8
0℃で1時間撹拌する。乳酸水溶液を仕込み、ブチルセ
ロソルブを加える。反応混合物を65℃で約1時間撹拌
し所望の4級化剤を作る。
【0023】また、上記4級アミン変性エポキシ樹脂で
顔料を50〜80重量%の割合で分散した顔料ペースト
(B)では、当該顔料を50〜80重量%、好ましくは
55〜75重量%の割合で分散したものが用いられる。
該顔料の割合が50重量%未満の場合には、塗料中の顔
料分散樹脂量が増え、適当な膜厚が得られにくくなり、
また、該顔料の割合が80重量%を越える場合には、顔
料の分散安定性が下がり、塗料の安定性が低下するた
め、好ましくない。
【0024】次に、本発明に用いられる電着塗料を構成
するカチオン性微粒子は、端面被覆性を向上する観点か
ら必須成分とされるものである。
【0025】上記カチオン性微粒子は、例えば、下記
(1)または(2)に示す方法により製造されたものを
利用することができる。
【0026】(1)エチレン性不飽和単量体および/ま
たは架橋性の共重合単量体を水性媒体中でサスペンジョ
ン重合または乳化重合させてカチオン性微粒子分散液を
得る方法。
【0027】(2)脂肪族炭化水素系の低相溶性有機溶
媒あるいはエステル、ケトン、アルコール等の内の高相
溶性有機溶媒のようにモノマーは溶かすが重合体は溶解
しない非水性有機溶媒中でエチレン性不飽和単量体およ
び/または架橋性の共重合単量体を共重合させ、得られ
るカチオン性微粒子共重合体を分散するNAD法あるい
は沈澱析出法と称せられる方法。
【0028】上記エチレン性不飽和単量体としては、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルイミダゾール、(メタ)アクリル酸エス
テル類、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキル類、例えば、(メタ)アク
リル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル
等、スチレン系モノマー、例えば、スチレン、ビニルト
ルエン、2−メチルメチレン、クロルスチレン等、N−
置換(メタ)アクリル系モノンマー、例えば、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド等、エポキシ基含有モノマー、
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等、アクリロニ
トリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0029】上記架橋性の共重合単量体は、分子内に2
個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する単量体および/または相互に反応し得る基をそれぞ
れ担持する2種のエチレン性不飽和基を含有する単量体
を含む。
【0030】このうち、分子内に2個以上のラジカル重
合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体として
は、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エス
テル、多塩基酸の混合性不飽和アルコールエステル、お
よび2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物など
があり、それらの例としては以下のような化合物が例示
される。
【0031】エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロー
ルジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールアリロキシジメタクリレート、1,1,1−
トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレー
ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタ
クリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタ
ントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシ
メチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒ
ドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,1,1
−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、
1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタ
クリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテ
レフタレート、ジアリルフタレートおよびジビニルベン
ゼン。
【0032】また、相互に反応し得る基をそれぞれ担持
する2種のエチレン性不飽和基を含有する単量体として
は、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレートなどのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量
体と、アクリル酸、メタクロル酸、クロトン酸などのカ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が最も代表的
なものであるが、相互に反応性の基としてはこれらに限
定されるものではなく、例えば、アミンとカルボニル、
エポキシドとカルボン酸無水物、アルキレンイミンとカ
ルボニル、オルガノアルコキシシランとカルボキシル、
ヒドロキシルとイソシアナート等の種々のものが提案さ
れており、本発明は、これらを広く包含するものであ
る。
【0033】水性媒体または非水性有機媒体中で製造し
たカチオン性微粒子は、瀘過、スプレー乾燥、凍結乾燥
等の方法でカチオン性微粒子を単離し、そのままでもし
くはミル等を用いて適当な粒径に粉砕して用いることも
できるし、さらに合成した分散液をそのまま、または溶
媒置換により媒体を置換して用いることができる。
【0034】一般的に言って、得られるカチオン性微粒
子の粒径は、その重合法によってコントロールするのが
望ましい。粒径0.2〜0.6μmのカチオン性微粒子
を得るには乳化重合法、NAD法が、粒径0.2〜20
μmのカチオン性微粒子を得るには沈澱重合法が適して
いる。
【0035】上記カチオン性微粒子の軟化点は、モノマ
ー混合物組成、特に架橋性モノマーの割合、および重合
体の分子量によって制御することができる。一般に架橋
性モノマーの割合が多ければ多いほど、また重合後の分
子量が大きければ大きいほど軟化点の高いカチオン性微
粒子が得られる。
【0036】上記カチオン性微粒子は、塗料中および電
着浴中で安定な分散状態を保つため、本発明のカチオン
電着塗装法の場合、アミノ基や第4級アンモニウム基等
のカチオン性基を担持するものである。そのためには、
例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ビニルピリジン類等をカチオン性微粒子の合成に際して
単量体混合物へ添加するか、またはカチオン性微粒子の
合成に対し、カチオン性末端を与える開始剤を用いて単
量体混合物を混合する方法がある。
【0037】上記カチオン性微粒子は、前記エチレン性
不飽和単量体および/または架橋性の共重合単量体を溶
液重合または環状重合等によって重合し、得られた重合
体を粉砕した後、所定粒度に分級して得ることもでき
る。
【0038】さらに、別法として、エポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキド樹脂等のカチオン性微粒子の場合、
液状の樹脂を水中に乳化分散し、該乳化樹脂分散液を噴
霧乾燥して所定粒度のカチオン性微粒子を得ることもで
きるし、樹脂が個体の場合は、それを粉砕、分級し、所
定粒度のカチオン性微粒子とすることもできる。
【0039】本発明にあっては、上述したカチオン性微
粒子のなかでも、特に、アクリル系/ポリブタジエン系
=1/1の混合比(重量比)のものが好ましい。かかる
組み合わせで、かつ1/1の混合比に調整することによ
り、より耐候性を高めることができるためである。
【0040】本発明に用いられる電着塗料では、上記カ
チオン性微粒子を全樹脂固形分に対して5〜10固形分
重量%の範囲で含有させる必要がある。これは、カチオ
ン性微粒子を上記範囲で含有させることにより、電着塗
膜の熱流動性を抑制することができ、端面被覆性を向上
し得る電着塗料を提供でき、該電着塗料で電着塗装する
ことにより、被塗物の溶接ビード部の凸部や切断部の鋭
利な部分も塗膜でカバーされ、そこから錆が進行し部品
の機能を早期に劣化させるという従来の技術課題を解決
することができるからである。カチオン性微粒子が全樹
脂固形分に対して5固形分重量%未満の場合には、エッ
ジ防錆性に劣り、カチオン性微粒子が全樹脂固形分に対
して10固形分重量%を越える場合には、外面の塗膜肌
が極端に悪くなるため好ましくない。
【0041】また、上記カチオン性微粒子の適用によ
り、リン片状顔料の低減と全体的な顔料の低減も計れ、
塗膜光沢の向上ができる。すなわち、本発明に用いられ
る電着塗料にあっては、該塗料中の顔料と全樹脂固形分
の割合が、顔料/全樹脂固形分=1/2〜1/9(重量
比)、好ましくは1/3〜1/8(重量比)の範囲であ
る。該塗料中の顔料と全樹脂固形分の割合が、上記範囲
を外れる場合には、塗膜の外観異常が発生したり、エッ
ジ防錆性等の性能低下が発生するため好ましくない。
【0042】なお、上述した電着塗料には、さらに必要
に応じて、従来から使用されている界面活性剤、硬化促
進剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤な
どを使用することができる。これらの添加量は特に限定
されるものではない。
【0043】また、上記電着塗料には、樹脂の水溶化も
しくは水分散化を助けるため、あるいは平滑な塗膜外観
を得るために有機溶剤を使用できる。
【0044】上記有機溶剤は、必ずしも親水性である必
要がなく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプリピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキ
シルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテルなどのエチ
レングリコールモノエーテル類、キシレン、トルエンな
どの炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、イソホロンなどのケトン類などが挙げられ
る。これらの使用量は、特に限定的ではなく、通常塗料
固形分の10〜40重量%であればよい。
【0045】次に、被塗物である開口部を有する袋形状
の部材の好適な具体例としての自動車用サスペンション
メンバーに上述した(1)〜(4)の構成要件を具備す
る電着塗料で電着塗装する場合には、水性液中での固形
分5〜30%、好ましくは10〜20%、液温20〜3
5℃の条件下で、被塗物を陰極として陽極との間に50
〜400Vの塗装電圧を1〜5分以下するようにする。
塗装された被塗物は水洗後、焼付炉中で100〜200
℃で5〜60分間、好ましくは150〜170℃で10
〜30分間、塗装焼き付けし、乾燥塗膜を形成するもの
である。これにより、特に、塗装焼き付けを被塗物表面
温度の条件として、150〜170℃で10〜30分で
行うことで、目的とする耐候性、耐食性等に優れ、かつ
該被塗物の開口部を有する袋形状内外面のつきまわり性
にも優れた塗膜を得ることができる。
【0046】こうした本発明の塗膜形成方法では、塗装
焼き付け後の平均膜厚が開口部を有する袋形状の部材の
内面で通常20μm〜35μm、好ましくは20〜25
μmかつ外面で30〜40μ、好ましくは30〜35μ
mであることが望ましい。
【0047】上記袋形状の部材の内面の平均膜厚が20
μm未満では、特に塩害地において、内面からの腐食の
進行を招くおそれがある。また、上記袋形状の部材の内
面の平均膜厚が35μmを越える場合には、塩害地での
腐食に対して十分な防止効果が得られる膜厚であるが、
同時に形成される外面の平均膜厚が適正範囲を越えて厚
くなるため、塗膜外観もオレンジピール状の肌になり、
極端な場合は、気泡を含んだ破壊状塗膜になり、ネジ穴
が塗膜厚により狭くなり、結果的に組み立て時の作業性
が劣ることになる。
【0048】上記袋形状の部材の外面の膜厚が30μm
未満の場合には、車の重要保安部品の1つである被塗物
が過酷な腐食状況にさらされることから、防錆機能が一
般の部品(足廻り部品以外)と比べてより以上に強くな
ければならないとする要件を満足することができない。
また、上記袋形状の部材の外面の膜厚が40μmを越え
る場合には、塗膜外観もオレンジピール状の肌になり、
極端な場合は、気泡を含んだ破壊状塗膜になり、ネジ穴
が塗膜厚により狭くなり、結果的に組み立て時の作業性
が劣ることになる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施の形態に関し、
実施例を挙げてより詳細に説明する。
【0050】合成例1〜3および比較合成例1〜3;ビ
ヒクル樹脂(A)の合成 アミン変性エポキシ樹脂(中和未処理)の合成 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反
応容器を用意し、これにエピコート1001(油化シェ
ルエポキシ株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹
脂:エポキシ当量=475)99.8部、エピコート1
004(油化シェルエポキシ株式会社製のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂:エポキシ当量=950)850.
2部、ノニルフェノール55部、メチルイソブチルケト
ン193.3部およびベンジルジメチルアミン4.5を
加えた。これを140℃で4時間反応し、エポキシ当量
が1175の樹脂を得た。
【0051】この樹脂に、エチレングリコールn−ヘキ
シルエーテル69.1部、2−アミノエチルエタノール
アミンのメチルイソブチルケトンケミチン化物のメチル
イソブチルケトン溶液(固形分=78重量%)35.4
部、N−メチルエタノールアミン26.5部およびジエ
タノールアミン37.1部を加えた。これを120℃で
2時間反応させ、目的とするアミン変性エポキシ樹脂
(中和未処理)を得た。
【0052】アルコールブロック脂肪族ポリイソシア
ネート(架橋剤)の合成 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反
応容器を用意し、これにヘキサメチレンジイソシアヌレ
ート199.1部を仕込んだ。これにメチルイソブチル
ケトン31.6部を加えて希釈し、ジブチルスズジラウ
レート0.2部を加えた。これを50℃に昇温した後、
メタノール/エタノール(=1/1)87部を撹拌しな
がら乾燥窒素雰囲気中で滴下し、反応温度を50℃に維
持した。赤外線吸収スペクトルにおけるイソシアネート
基の吸収ピークが消失するまで70℃に保ち、その後、
メチルイソブチルケトン35.8部およびn−ブタノー
ル4.0部を加えて希釈し、目的とするアルコールブロ
ック脂肪族ポリイソシアネート(架橋剤)を得た。
【0053】ビヒクル樹脂(A)の合成 表1に示す組成比率となるように、上記アミン変性エポ
キシ樹脂(中和未処理)、中和剤、アルコールブロック
脂肪族ポリイソシアネート(架橋剤)および純水を用い
て、合成例1〜3および比較合成例1〜3の各ビヒクル
樹脂(A)を作成した。すなわち、上記アミン変性エポ
キシ樹脂(中和未処理)に、表1に示す組成成分の酸
(中和剤)を添加して中和し水可溶化したタイプのアミ
ン変性エポキシ樹脂を得た。得られた水可溶化したタイ
プのアミン変性エポキシ樹脂の水和率(中和未処理のア
ミン変性エポキシ樹脂のアミン塩基のうち酸で中和され
たアミン塩基の割合(重量%)をいう)を表1に示す。
該水可溶化したタイプのアミン変性エポキシ樹脂に、さ
らにアルコールブロック脂肪族ポリイソシアネート(架
橋剤)を加え、純水で樹脂固形分量(NV%)が36%
になるように希釈して合成例1〜3および比較合成例1
〜3の各ビヒクル樹脂(A)を合成した。
【0054】得られた合成例1〜3および比較合成例1
〜3の各ビヒクル樹脂(A)の各組成成分の配合量(重
量部)、アミン変性エポキシ樹脂の中和率、樹脂固形分
量(NV%)、ビヒクル樹脂(A)を構成する組成成分
の合計量を下記表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】合成例4;4級アミン変性エポキシ樹脂で
顔料を特定の割合で分散した顔料ペースト(B)(以
下、顔料分散ペースト(B)ともいう)の合成 4級アミン変性エポキシ樹脂(顔料分散用樹脂)の合
成 撹拌装置、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器を
用意し、これにトリレンジイシシアネート174.0部
を仕込んだ。これに、メチルイソブチルケトン33.9
部を加えて希釈し、さらにジブチルスズジラウレート
0.2部を加えた。これを50℃に昇温し、乾燥窒素雰
囲気で2−エチルヘキサノール131.5部を撹拌しな
がら2時間かけて滴下し反応させた。反応温度を50℃
に維持し、2−エチルヘキサノールハーフブロック化ト
リレンジイソシアネートを得た。
【0057】この2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化トリレンジイソシアネート320.0部(固形分量
=88.2部)を加え、さらにエチレングリコールモノ
ブチルエーテル39.2部を加えた。反応混合物を65
℃で約半時間撹拌し、4級化剤を得た。
【0058】次に、撹拌装置、冷却管および窒素導入管
を備えた反応容器を用意し、これにエボン828(シェ
ル化学株式会社製のエポキシ樹脂:エポキシ当量=19
0)681.2部およびビスフェノールA289.6部
を仕込んだ。これを窒素雰囲気下、150〜160℃で
約1時間反応させ、その後120℃に冷却して2−エチ
ルヘキサノールハーフブロック化トリレンジイソシアネ
ート406.4部(固形分量=386.1部)を加え
た。さらに、85〜95℃に冷却して均一化し、これ
に、先に製造した4級化剤496.3部(固形分量=4
21.9部)および脱イオン水71.2部を加えた。酸
価が1以下になるまで反応混合物を80〜85℃に保持
し、エチレングリコールモノブチルエーテル85.6部
を加えて希釈した。これにより、目的とする4級アンモ
ニウム基を有する4級アミン変性エポキシ樹脂(顔料分
散用樹脂)を得た。
【0059】顔料分散ペースト(B)の合成 顔料分散ペースト(B)の各組成成分につき、下記表2
に示す量をそれぞれ加えて、ディスパーで約30分撹拌
し、その後、SGミルで粒度15μm以下になるよう分
散して得られたものを顔料分散ペースト(B)とした。
【0060】
【表2】
【0061】実施例1〜5および比較例1〜6 電着塗装用容器に、下記表3に示す実施例1〜5および
比較例1〜6に示す各組成成分を有する塗料を、それぞ
れ建浴した。建浴方法では、純水、上記合成例1〜3ま
たは合成比較例1〜3により合成したビヒクル樹脂
(A)並びにアクリル系(日本ペイント株式会社製;A
ZE1350)/ポリブタジエン系(日本ペイント株式
会社製;EMMG P−1)=1/1(重量比)のカチ
オン性微粒子を10分間撹拌し、これに上記合成例4に
より合成した顔料分散ペースト(B)を添加し、16時
間撹拌を行って表1に示す実施例1〜5および比較例1
〜6の組成成分の電着塗料とした。
【0062】上記電着塗料を塗料温度26℃に保持し、
その中に、脱脂(サーフクリーナー53:日本ペイント
株式会社製)処理後、化成(サーフダインDP−400
0:日本ペイント株式会社製)処理した、図1に示すサ
ニー用フロントサスペンションメンバー(日産自動車株
式会社製)を浸漬してこれを陰極にし、対極との間に図
2に示す電圧印加条件、すなわち、60〜300Vまで
20秒かけて昇圧し、300Vで20〜220秒間での
200秒間保持した。
【0063】全通電時間220秒で電着塗装した前記被
塗物を、水道水で電着液の色がなくなるまで水洗し、そ
の後10〜20分間空中放置後、被塗物の焼付け条件と
して160℃で20分間焼き付けた。焼付け後の結果を
下記表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】上記表3において、塗膜つきまわり性は、
図1(B)に示す外板部分および内板部分での塗膜の膜
厚を「JIS K 5400−1990 3.5」に従
ってそれぞれ10カ所測定して得られた最大値および最
小値と、10カ所の測定データの平均値を表した。
【0066】また、表3において、塗膜の耐食性は、電
着塗装により塗膜形成した被塗物の試験片について、ク
ロスカット片側の傷を入れ、下記に示すCCT−I法に
より100サイクル実施し、その後に該試験片につい
て、外板部分および内板部分のそれぞれにつき、クロス
カット片側の傷を入れた部分における錆・フクレの幅
(複数の場合は平均を求めた)を測定するとともに、該
クロスカット片側の傷を入れた部分以外のエッジ部分や
その他の滑らかな部分における錆の生長を観察した。
【0067】CCT−I法とは、試験片を、塩水(5
%NaCl)噴霧を35℃で4時間行い、乾燥を50
℃で2時間行い、湿度95%の雰囲気下で2時間放置
するものであり、本実施例では、上記〜の工程を1
サイクルとして、合計100サイクル行った。
【0068】また、表3において、塗膜の塗面状態は、
外観(すなわち、外板部分)を目視により判定した。
【0069】上記表3の結果から、本発明の範囲を外れ
る場合には、開口部を有する袋形状の部材の自動車用サ
スペンションメンバーの電着塗膜に求められる被塗物の
内面部へのつきまわり性およびエッジ部等の端面被覆性
といった重要な塗膜性能に何らかの問題が残るが、本発
明の範囲内では、これらつきまわり性および端面被覆性
の双方に優れた結果を奏することが確認できた。なお、
比較例にみられるチリチリ肌の場合は、膜厚計測上のバ
ラツキがなくても均質な塗膜ではないために点錆が発生
するものである。
【0070】
【発明の効果】本発明の塗膜形成方法では、アミン塩基
の30〜35重量%をモル比1/1の蟻酸と酢酸との混
合物で中和したアミン変性エポキシ樹脂をビヒクル樹脂
の組成成分として含有するカチオン電着塗料を用いて電
着塗装するため、従来のカチオン系のエポキシ樹脂を含
有するカチオン電着塗料を用いて電着塗装により得られ
る塗膜が具備する耐食性等の優れた塗膜性能に加え、従
来のカチオン系の電着塗料による塗装ではアニオン系の
電着塗料による塗装に比べ、塗装による塗膜のつきまあ
わり性が劣るとした欠点を解消できる。そのため、本発
明の塗膜形成方法により得られる塗膜においては、重要
保安部品の1つであり、路面での過酷な腐食状況にさら
されるため、防錆機能が一般の部品(足廻り部品以外)
と比べて、より以上に強くなければならないとされる、
例えば、自動車用サスペンションメンバーの構造上の問
題点、すなわち、開口部を有する袋形状部材の内面部へ
の塗膜のつきまわり性が外面部に比して少なく、内面か
らの腐食の進行を生ずるとした技術課題を解決すること
ができ、こうした内面部においても優れたつきまわり性
を発現することができる。
【0071】さらに、本発明の塗膜形成方法では一定量
のカチオン性微粒子を含有するカチオン電着塗料を用い
て電着塗装するため、得られる塗膜において、優れた端
面被覆性を発現することができる。そのため、溶接ビー
ド部の凸部や切断部の鋭利な部分も本発明の塗膜形成方
法で得られる塗膜でカバーでき、そこから錆が進行し部
品の機能を早期に劣化させるとした技術課題も同時に解
消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は、乗用車用フロントサスペンシ
ョンメンバーの斜視図を表し、図1(B)は、図1
(A)のSA−SA線に沿った断面部の形状を模式的に
表した概略図である。
【図2】 実施例における電着塗装での電圧印加条件を
表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 謙七郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田村 吉宣 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する袋形状の部材に下記
    (1)〜(4)の構成要件を具備する電着塗料で電着塗
    装することを特徴とする塗膜形成方法; (1) アミン塩基の30〜35重量%をモル比1/1
    の蟻酸と酢酸との混合物で中和したアミン変性エポキシ
    樹脂およびアルコールブロック脂肪族ポリイソシアネー
    トからなるビヒクル樹脂(A)、 (2) 4級アミン変性エポキシ樹脂で顔料を50〜8
    0重量%の割合で分散した顔料ペースト(B)、 (3) カチオン性微粒子を全樹脂固形分に対して5〜
    10固形分重量%、および、 (4) 顔料/全樹脂固形分=1/2〜1/9(重量
    比)。
  2. 【請求項2】 塗装焼き付け後の平均膜厚が袋形状の部
    材の内面で20〜25μmかつ外面で30〜40μmで
    あることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 塗装焼き付けを被塗物表面温度の条件と
    して、150〜170℃で10〜30分で行うことを特
    徴とする請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
JP26743197A 1997-09-30 1997-09-30 塗膜形成方法 Withdrawn JPH11106995A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001106967A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物及びこの組成物を塗装した塗装物品
JP2002129105A (ja) * 2000-10-26 2002-05-09 Nippon Paint Co Ltd 電着塗料組成物
JP2006348076A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Nippon Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001106967A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物及びこの組成物を塗装した塗装物品
JP2002129105A (ja) * 2000-10-26 2002-05-09 Nippon Paint Co Ltd 電着塗料組成物
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