JPH11106743A - 親水性部材及びその製造方法 - Google Patents

親水性部材及びその製造方法

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JPH11106743A
JPH11106743A JP28773997A JP28773997A JPH11106743A JP H11106743 A JPH11106743 A JP H11106743A JP 28773997 A JP28773997 A JP 28773997A JP 28773997 A JP28773997 A JP 28773997A JP H11106743 A JPH11106743 A JP H11106743A
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JP
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compound
thin film
organic compound
substrate
hydrophilic
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JP28773997A
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Koichi Hayashi
浩一 林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人に優しく、かつ実用上有用な親水性部材を
提供することを目的とする。 【解決手段】 基材表面に透明な親水性薄膜を形成する
ことにより、薄膜表面の水膜を均一にして基材表面の親
水性効果が均質になる。また、薄膜を有機性化合物によ
り形成することにより、人に優しい用途に適用可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材に親水性機能
を付加するものであり、これにより防曇・防霜・防汚効
果を奏することが可能である。本発明の基材は特に限定
されるものではなく、金属・ガラス・陶磁器・プラスチ
ック・木材・食品等が挙げられる。例えば、用途とし
て、食器、タイル、鏡、ゴーグル、調理器具、玩具、窓
ガラス、カメラ等のファインダー等種々の用途に適用で
きる。
【0002】
【従来の技術】親水性に着目し、熱交換機のフィン材に
用いるポリビニル、アルコールと水分散性シリカとメタ
珪酸リチウムを含有した「親水化処理剤」の提案として
は、特開平5ー202313号がある。
【0003】また、水溶性の高分子であるポリスルホン
膜上に親水性ポリフェノールを付着させたものが、特開
平7ー185280号、特開平5ー301036号とし
て提案されており、これらの親水性ポリフェノールとし
てのタンニンは、普通五倍子または没食子由来のもので
加水分解型のものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の従来技術は L
i等の金属を用いているため、人に優しい用途に用いよ
うとすると、望ましくない場合があった。一方後者の従
来技術では、各種用途に適用しようとする場合、実用的
に確立した技術とは言い難かった。
【0005】本発明は、上記従来技術に鑑みなされたも
のであって、人に優しい用途に適用可能であり、かつ実
用上有用な親水性部材を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決する手段およびその作用・効果】本発明に
従う親水性部材は、基材表面に、透明で緻密な有機化合
物からなる薄膜を均一に形成し、基材に親水性機能を付
加したことを特徴としている。
【0007】すなわち、均一な薄膜を基材上に形成する
ことにより、薄膜表面の水膜を均一にすることが可能と
なり、基材表面において親水性効果が均質になる。ま
た、このような薄膜を透明で緻密な有機化合物により形
成しているため、人に優しい各種用途にも適用範囲を広
げることができる。
【0008】本発明に従う親水性部材は、また、基材表
面に、透明で緻密な有機化合物からなる薄膜を形成し、
基材に親水性機能を付加することにより、前記薄膜と水
の接触角を、25℃において10°以下、好ましくは5
°以下としたことを特徴としており、これによって、基
材表面における親水性効果の均質化と、人に優しい各種
用途への適用が可能となる。
【0009】本発明は、また、基材表面に、透明で緻密
な縮合型有機化合物を付着させ、基材に親水性機能を付
加した親水性部材である点にも特徴を有している。
【0010】以上示した本発明においては、有機化合物
を緻密にすることにより、水膜と基材とを隔離すること
が可能となり、例えば、水による基材の腐食、基材物質
の水への溶出等が防止できる。
【0011】有機化合物の好適な特性としては、人に優
しい特性が望ましく、植物抽出の化合物が好適である。
また、好適な実施形態としては、ポリフェノール化合物
が挙げられるが、さらには主成分をタンニン化合物とす
ることが望ましい。
【0012】ここで、タンニン化合物としては、加水分
解型と縮合型とがあるが(文献;西岡五夫著、「化学と
生物」第24巻、7号、1986年。428〜439頁
参照)、縮合型は、加水分解型よりも親水性、つまり水
との接触角が小さく、縮合型=5°以下、加水分解型=
10°程度である。
【0013】また、縮合型は、熱的、化学的に安定であ
り(90℃までの熱水に耐久性あり)、その親水性を半
永久的に持続できるばかりか、加水分解型のように水溶
性高分子を伴わないので、親水性部材表面の透明性を阻
害することがない。このような縮合型タンニン化合物を
多く含むものとしては、カキ渋などが挙げられる。
【0014】以上示した本発明において、有機化合物表
層に、前記有機化合物の一部が分解することにより生成
する抗菌物質を備えることにより、親水性機能のみなら
ず抗菌機能も奏することができる。好適な実施形態とし
ては、有機化合物がタンニン化合物である場合には、抗
菌物質としてカテキンを採ることができる。
【0015】また、以上示した薄膜は、可視光に対して
透明であることにより基材の質感を損なわないことがで
き、10μm以下にすることにより光の干渉模様を作る
ことがない。
【0016】本発明に従う親水性部材の製造方法は、基
材表面に対して、親水性機能を有する有機化合物溶液、
好ましくは植物から抽出したタンニン化合物含有溶液
を、常温で、スプレー、浸漬、ロール、塗布等の手段に
より付着させ、前記基材表面上に前記有機化合物の薄膜
を形成させることができるため、製膜に熱処理等の複雑
な工程を含まず、簡単に製膜できる。
【0017】また、基材表面に予めシラノール基を形成
し、その後、親水性機能を有する有機化合物、好ましく
は植物から抽出したタンニン化合物を付着させ、前記基
材表面上に前記有機化合物の薄膜を形成させる製造方法
であれば、基材と薄膜の結合を強固にすることができ
る。基材表面に予めシラノール基を形成しない実施形態
の場合には、押圧力による圧着の他、ファンデスワール
ス力により基材と薄膜を結合させることが可能である。
尚、薄膜は基材との結合により水に難溶(不溶)とな
り、溶出等により膜に欠陥を生じることがない。さらに
結合が強固になるほどその性質は高まるため、薄膜と基
材の結合は、可能な限り強固にすることが望ましい。
【0018】以上示した親水性部材は、親水性に起因し
て着氷温度をー7℃以下に抑えるため、防霜にも効果が
ある。
【0019】また、水膜を越えて薄膜に付着した汚れ
(脂質や菌)は次亜塩素酸ナトリウム+水酸化ナトリウ
ム+界面活性剤の混合液、(市販品)などで分解除去で
き、薄膜の親水性はその時点で再び回復することができ
るのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態として、ポ
リフェノール化合物の一例の縮合型タンニンの抽出方法
を以下に述べるが、本発明は、これらに限定されること
はない。
【0021】まず、縮合型タンニンを多く含む植物の果
実あるいは葉等を所定量秤量し、これと同量の純水でミ
キサーにかけ粉砕する。得られた粗液から不要な成分を
除去するために遠心分離器により遠心分離、精製を繰り
返す。最後に溶液中の固形物を取り除くため、メンブレ
ンろ紙で濾過し、透明な液を得る。本溶液はエバポレー
タで濃縮し、水または水-エタノール(20:80)等
で再溶解した。得られた溶液を鏡等に塗布したところ、
透明性を阻害することなく緻密な薄膜によって覆われ
た。(以下、この溶液を抽出液と記す。)
【0022】縮合型タンニンは一般的に、酸を加え加熱
すると赤色を呈する。抽出液に1Nの塩酸を加え、沸騰
加熱すると赤色を呈した。一方、市販の加水分解型タンニン
(関東化学社製、タンニン酸)に1Nの塩酸を加え同様
に操作を行ったが、赤色を呈することはなかった。
【0023】(実施例1)ソーダライムシリカガラスの
表面を溶剤で脱脂後、抽出液と加水分解型タンニンを各
々塗布し約20分放置した。その後いったん純水で水洗
いし、過剰のタンニンを取り除いた。乾燥の後、接触角をコ
ンタクトアングルメータ(CA−D)で測定した。更に
水膜の状態を室温(湿度60%)で観察し、その持続性
も調べた。 ・ 本発明.........接触角5θ゜以下、水膜持続時間2〜4h ・ 加水分解型タンニン...接触角10θ゜以下、水膜持続時間0.5〜1h ・ 未処理.........接触角28θ゜以下、水膜持続時間0h
【0024】(実施例2)薄膜の主成分の分子量をゲル
過法で測定したところ800〜1500であった。ま
た、その吸収端を分光光度計測定したところ270nm
近傍に大きな吸収があったが、可視の範囲にはこのよう
な吸収はなかった。
【0025】(実施例3)実施例1の試料を90℃の熱
水に5分×10回浸した後、初期と同様の親水性を確認
した。
【0026】(実施例4)防曇鏡の性能を調べるために
浴室鏡に抽出液をスプレー塗布した。通常の使用環境で
60日間の暴露試験を試みた。初期の水への接触角は5
°で、10日後のそれは6°であった。目視観察によれ
ば防汚効果も(水アカがつかない状態)持続していた。
この防曇、防汚の効果は前述次亜塩素酸ナトリウム+水
酸化ナトリウム+界面活性剤の混合液(市販品)でこま
めに洗浄すれば60日後でも観察された。
【0027】(実施例5)生物学的検定法(バイオアッ
セイ)に従い、いくつかの菌の繁殖具合を観察した。特
に黄色ブドウ球菌に抗菌作用が現れた。
【0028】(実施例6)溶液の粘性を変えることで鏡
表面の膜厚を増やしたところ、膜厚が10μmを越えた
ところで鏡と薄膜の屈折率の違いから光の干渉模様が観
察された。
【0029】(実施例7)FC(鉄)のディスク表面を
研磨後、脱脂し抽出液を一部に塗布した後、40℃の純
水に60時間浸した。その結果塗布箇所にのみ錆が見ら
れなかった。
【0030】(実施例8)Pb含有のガラス球を抽出液
に4hr浸せきし、薄膜を形成させた。この球を60℃
の純水中で5日間放置した。その残液をICPで測定し
たところPbイオンは検出されなかった。
【0031】(実施例9)実施例1の試料表面に純水か
らなる水膜を張り、これを徐々に冷却し水膜氷結時の潜
熱を精密温度トレ−サ−で測定したところー7℃であっ
た。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、透明な有機化合物からなる
    薄膜を均一に形成し、基材に親水性機能を付加したこと
    を特徴とする親水性部材。
  2. 【請求項2】 基材表面に、透明な有機化合物からなる
    薄膜を形成し、基材に親水性機能を付加することによ
    り、前記薄膜と水の接触角を、25℃において10°以
    下、好ましくは5°以下としたことを特徴とする親水性
    部材。
  3. 【請求項3】 基材表面に、透明な有機化合物からなる
    薄膜を形成するとともに、その薄膜は、その表面に均一
    な水膜を形成させるような親水性機能を有していること
    を特徴とする親水性部材。
  4. 【請求項4】 基材表面に、透明な縮合型有機化合物を
    付着させ、基材に親水性機能を付加したことを特徴とす
    る親水性部材。
  5. 【請求項5】 前記有機化合物が、植物抽出の化合物で
    あることを特徴とする請求項1〜4記載の部材。
  6. 【請求項6】 前記有機化合物が、ポリフェノール化合
    物であることを特徴とする請求項1〜5記載の親水性部
    材。
  7. 【請求項7】 前記ポリフェノール化合物が、主成分を
    タンニン化合物とすることを特徴とする請求項1〜6記
    載の親水性部材。
  8. 【請求項8】 前記タンニン化合物が、主成分を縮合型
    タンニン化合物とすることを特徴とする請求項7記載の
    親水性部材。
  9. 【請求項9】 前記有機化合物表層には、前記有機化合
    物の一部が分解することにより生成する抗菌物質を備え
    たことを特徴とする請求項1〜8記載の親水性部材。
  10. 【請求項10】 前記有機化合物がタンニン化合物であ
    って、前記抗菌物質がカテキン類であることを特徴とす
    る請求項9記載の親水性部材。
  11. 【請求項11】 前記薄膜は、可視光に対して透明であ
    ることにより基材の質感を損なわないことを特徴とする
    請求項1〜3、5〜10記載の親水性部材。
  12. 【請求項12】 前記薄膜は、10μm以下であること
    を特徴とする請求項1〜3、5〜11記載の親水性部
    材。
  13. 【請求項13】 基材表面に対して、親水性機能を有す
    る有機化合物溶液、好ましくは植物から抽出したタンニ
    ン化合物含有溶液を、常温で、スプレー、浸漬、ロー
    ル、塗布等の手段により付着させ、前記基材表面上に前
    記有機化合物の薄膜を形成させることを特徴とする親水
    性部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 基材表面に予めシラノール基を形成
    し、その後、親水性機能を有する有機化合物、好ましく
    は植物から抽出したタンニン化合物を付着させ、前記基
    材表面上に前記有機化合物の薄膜を形成させることを特
    徴とする親水性部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005213328A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 天然系防曇剤、防曇剤組成物及び曇り防止方法
CN112322161A (zh) * 2020-09-22 2021-02-05 山东大学 一种基于阳离子-π作用的超亲水自清洁涂层的制备方法

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