JPH11105066A - 射出成形同時絵付け装置 - Google Patents

射出成形同時絵付け装置

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JPH11105066A
JPH11105066A JP9289233A JP28923397A JPH11105066A JP H11105066 A JPH11105066 A JP H11105066A JP 9289233 A JP9289233 A JP 9289233A JP 28923397 A JP28923397 A JP 28923397A JP H11105066 A JPH11105066 A JP H11105066A
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mold
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heating
painted
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Hiroyuki Atake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形同時絵付け方法において、射出成形
型で絵付シートを予備成形する為に熱盤で非接触加熱す
る際に、絵付シートが膨れて熱盤側に接近するのを抑制
し、安定的な加熱ができる装置とする。 【解決手段】 通気孔を有する型Bのキャビティ3が絵
付シートSによって密閉空間となる様に、型Bに対して
位置固定された絵付シートを、非接触加熱する熱盤10
について、その加熱面11の中央部12の輻射率が周縁
部の輻射率よりも相対的に低い材料から構成する。絵付
シート中央部は周囲よりも低温に加熱され、キャビティ
3内の空気が熱膨張しても、絵付シート全体が膨らむ様
になり、絵付シートが中央部が膨らんで熱盤に接近して
異常加熱されるのを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形型で絵付
シートの予備成形も行う形態の射出成形同時絵付け方法
に用いる射出成形同時絵付け装置に関する。特に、絵付
シートの加熱を安定的に行える射出成形同時絵付け装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の成形と同時にその外
表面に模様等を設ける射出成形同時絵付け方法及びその
装置に関する技術が、各種の態様で行われている。特公
昭50−19132号公報では、真空成形用の通気孔を
設けた雌型を利用して熱可塑性樹脂よりなる絵付シート
を雌型キャビティ面に沿う様に真空成形で予備成形した
後、雌雄両型を型締めし、溶融樹脂を両型で形成される
キャビティに射出して、成形品の外表面に絵付シートを
一体化させる方法が開示されている。この様な、絵付シ
ートの真空成形と射出成形とを組合わせた態様は、複雑
な曲面形状に模様付けができる射出成形同時絵付け技術
である。また、例えば特開平6−315950号公報で
は、ロールから巻き出した連続帯状の絵付シートを、型
開き状態にある雌雄両型からなる一対の型の間に送り、
雌型のパーティング面にシートクランプ(シート押さえ
フレーム)で周囲を固定する様に絵付シートを両型間に
供給した後に、熱盤を型外の退避位置から両型間に移動
させ、熱盤を両型間に供給された絵付シートに対向させ
て絵付シートを非接触で加熱軟化させて、絵付シートを
射出成形型で予備成形して雌型のキャビティ面に沿わ
せ、その後、熱盤を両型の間から型外部の退避位置に退
避させた後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビ
ティに溶融樹脂を射出し、成形と同時に絵付シートによ
り成形品表面を絵付けする射出成形同時絵付け技術を開
示している。この様に射出成形同時絵付け技術の中で
も、射出成形型を絵付シートの予備成形型と兼用し、射
出成形機上で、絵付シートの真空成形(又は真空圧空成
形、以下、両者を含めて真空成形ということにする)に
よる予備成形と、射出成形とを同時に行う形態の射出成
形同時絵付け技術は、樹脂成形と同時に凹凸の大きな面
へも絵付けが出来る優れた技術として、各種物品の製造
に使用されている。
【0003】ところで、射出成形型で絵付シートの予備
成形も行う際は、例えば、図10に例示する様に、予備
成形用の通気孔4を有する型Bの例えばパーティング面
1に、絵付シートSをシート固定手段としてのクランプ
2等で押圧する等して固定して、型Bに対して絵付シー
トを位置固定しておいて、絵付シートを加熱軟化する事
が行われる。また、クランプ2による絵付シートの型B
への押圧は、真空成形に備えて型Bのキャビティ3の四
方全周囲で行い、絵付シートでキャビティ3を密閉空間
にする様にしている(図2及び図9参照)。一方、絵付
シートの加熱を接触加熱で行うと、熱盤の加熱面に絵付
シートが融着したり、或いは加熱面に絵付シートが接触
し剥離する際にシワが発生することがある。そこで、絵
付シートの加熱は、図10の様に熱盤10の加熱面11
を絵付シートSに接触させないで加熱する非接触加熱に
することが良く行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
様な技術によって、絵付シートを非接触加熱すると、図
11の断面図(通気孔、真空源等は図示略)に示す如
く、型Bに対して位置固定した絵付シートSが、熱盤1
0側に膨らみ、ひどい時には熱盤の加熱面11に接触し
て不良となってしまう事があった。それは、図10に示
す如く、型Bのキャビティ3は通気孔4から弁5を介し
て真空源6に連結しているが、真空成形開始前の絵付シ
ート加熱軟化時では、キャビティ3内を減圧にしない様
に、キャビティ3と真空源6とは弁5で遮断しておくか
らである。従って、絵付シートSによって密閉されるキ
ャビティ3は完全な密閉空間を形成する。この為、絵付
シートSによって密閉されるキャビティ3内に存在する
空気が、絵付シートの加熱に連れて加熱され膨張して
も、その逃げ場は無く、その結果、加熱軟化した絵付シ
ートを大気側(雄型側)に風船の様に、膨らませるので
あった。
【0005】この様に、加熱軟化時に絵付シートが膨ら
む現象は、成形品サイズが小さい内は問題は起きなかっ
たが、射出成形同時絵付け技術が普及し、より大きな成
形品に対しても試みる様になり、顕在化してきた。特
に、大きな凹凸面を絵付けすべく、縦横奥行き共に大き
い広い面積の絵付シートを十分に加熱軟化させる場合に
顕著であった。絵付シートが膨らむと、図11の様に絵
付シートの中央部が熱盤に最接近する。また、たとえ絵
付シートが熱盤に接触しなくとも、接近する事によって
特にその中央部はより高温に加熱される傾向となり、こ
の結果、絵付シートの中央部は更に加熱軟化され、より
接近するという悪循環が発生するからである。しかも、
絵付シートの温度も予想できない加熱温度分布になる。
これは、熱盤を小区分に分割して各区分毎に温度調整す
るのとは訳が異なり、絵付シートの膨らみ具合が制御不
可能な事から、前記加熱温度分布は一定せず不安定な予
測不可能な温度分布となるからである。この為、絵付シ
ートが予備成形される時に、各部の伸び量を各々で一定
に制御できず、絵付けされる模様形状寸法がロット毎に
ばらついて不安定になったり、真空成形時に絵付シート
にシワが入ったりする等の問題もあった。
【0006】そこで、本発明は、絵付シートを熱盤で非
接触加熱する時に、絵付シートが膨れて熱盤側に接近す
るのを抑制し、安定的な絵付シートの加熱ができる熱盤
を備えた射出成形同時絵付け装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
べく、本発明の射出成形同時絵付け装置では、射出成形
型として、型Aと、通気孔を有し絵付シートの予備成形
型を兼用する型Bとからなる一対の成形型を用い、両型
の間に絵付シートを供給して、型Bのキャビティが絵付
シートによって密閉空間となる様に、絵付シートを型B
に対して位置固定し、該位置固定された絵付シートを、
加熱面を該絵付シートに非接触状態に対向させた熱盤で
加熱軟化させ、前記通気孔から吸気して、絵付シートを
型Bのキャビティ面に沿う様に成形し、次いで、熱盤を
両型の間から外部に退避させた後、両型を型締めし、両
型で形成されるキャビティに樹脂を射出し、成形と同時
に絵付シートにより成形品表面を絵付けする射出成形同
時絵付け方法に用いる射出成形同時絵付け装置におい
て、加熱面の中央部の輻射率が周縁部の輻射率よりも相
対的に低い材料から構成されている熱盤を少なくとも備
えた構成として、通気孔を有する型Bに対して位置固定
された絵付シートを、該熱盤で非接触加熱する事によ
り、位置固定された絵付シートの中央部をその周囲より
も低温に加熱し、前記密閉空間内に存在する空気の熱膨
張により、位置固定された絵付シートの中央部が、熱盤
側に膨らみ接近する事を抑制しながら加熱できる、射出
成形同時絵付け装置とした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の射出成形同時絵付け装置の実施の形態を説明する。
【0009】先ず、図1は、熱盤10の加熱面11の輻
射率の高低分布と、この熱盤で絵付シートを非接触加熱
する様子を概念的に示す説明図である。図1(A)は熱
盤10を加熱面11側から見た正面図、図1(B)は予
備成形型となる型Bにクランプ2で位置固定された絵付
シートSに対して、熱盤10で非接触加熱して加熱軟化
させる様子を示す側面から見た断面図、図1(C)は、
熱盤の加熱面11の中央部を通る上下又は左右方向で見
た場合の、輻射率の高低の分布を示すグラフである。な
お、型Bの通気孔等は図示を略してある。また、図2
に、予備成形型となる型Bに位置固定された絵付シート
Sを正面から見た正面図を示す。
【0010】本発明では、絵付シートSの加熱手段であ
る熱盤10について、図1(A)に示す如く、その加熱
面11の中央部12の輻射率が周縁部13の輻射率より
も相対的に低い材料から構成する。そして、射出成形同
時絵付けを行う際は、図1(B)に示す如く、この様な
熱盤10を用いて絵付シートSを輻射熱によって非接触
加熱する。なお、図1(B)において、絵付シートを型
Bへ位置固定するクランプ2は、図2(或いは図9)に
示す如く通常は枠状の長方形形状で、絵付シートSはそ
の全周囲を、型Bのキャビティ3の周囲に存在するパー
ティング面1に押圧する。そして、図1(B)及び
(C)に示す如く、型Bにクランプ2等で位置固定され
た時の、位置固定された固定部分に対する絵付シートS
の中央部に対して、熱盤の加熱面11の輻射率が相対的
に低い中央部12を対向させる。この結果、クランプ2
等によって型Bに位置固定された絵付シートSの中央部
Ctを、その周囲よりも低温に加熱する事ができる。
【0011】なお、絵付シートの中央部の加熱を低温と
させる度合いは、絵付シート中央部の低温部と周囲の高
温部とが同一温度であった場合に、加熱中に絵付シート
が膨らみ熱盤の加熱面に接近する程度により、熱盤と絵
付シートとの距離、熱盤加熱面の輻射率に高低を付与す
る材料等で適宜調整する。なお、膨らみ具合は、絵付シ
ートの軟化の度合い、位置固定された絵付シートの大き
さ、キャビティ3の容積、型Bの型温、熱盤加熱面の温
度、絵付シートと熱盤加熱面との距離等によって変化す
る。以上の結果、密閉空間となるキャビティ3内の空気
が熱膨張して絵付シートが熱盤側に膨れたとしても、最
も膨れやすい部分は中央部では無く、その周囲となる。
その結果、図1(B)に例示する様に、同じ膨張体積で
も従来より平面的に、より全体的に膨れることになり、
熱盤の加熱面への接近が抑制される。従って、熱盤の加
熱面と絵付シートとの距離の均一性も向上し、より安定
的な加熱が可能となる。
【0012】ところで、本発明の射出成形同時絵付け装
置によって、絵付シートの中央部を周囲よりも低温に加
熱するのは、絵付シートを真空成形する際に絞り(乃至
は伸び)の大きい部分と小さい部分とで、絵付シートの
加熱に温度差を付けるのとは、本質的に異なる。ちなみ
に、図3(A)の型Bは、キャビティ3の中央部が絞り
が大きい形状で、その周囲は絞りが小さい形状の場合で
ある。このような場合でも、キャビティ3内の空気が熱
膨張して、絵付シートSが膨らむ時は、その膨らむ形状
はキャビティ3の容積には関係しても、キャビティ3の
形状には関係無いからである。そして、このような絞り
の大小、或いは絵柄の伸び縮みの意識的な調整等に応じ
て、絵付シートの加熱に温度分布を設ける場合は、図3
(B)の様な加熱面の(従って、絵付シートの)温度分
布となる。この様な温度分布の形成法は特開平7−29
0501号公報等で公知の技術である。なお、本発明の
一態様として、図3(B)の如き温度分布に対応した輻
射率分布〔高低の部分が図3(B)の温度分布の高低と
類似した分布となる〕と図1(C)の如き輻射率分布と
が重畳した図3(C)の如き輻射率分布〔周縁部にも輻
射率の低い部分があるが、中央部の輻射率が最も低い〕
とする加熱面の材料構成とすることも出来る。
【0013】熱盤の加熱面の中央部12の輻射率を、周
縁部13の輻射率よりも相対的に低い材料から構成する
為の材料、及びその為の熱盤の構造は、加熱手段として
の耐熱性、強度等が備わっていれば特に限定されない。
或る2種類の材料のうち輻射率の低い方の材料で加熱面
の中央部を造り、輻射率の高い方の材料で加熱面の周縁
部を造ればよい。輻射率差の大きな材料を使えば、輻射
率の高低差がハッキリした熱盤ができる。輻射率差は、
絵付シートの加熱軟化で要求される加熱温度差に応じた
ものとすれば良い。なお、輻射率は表面材料に依存する
ので、加熱面の内部、つまり熱盤の内部は輻射率を考慮
した材料で構成する必要は無い。輻射率、つまり熱輻射
率の高低(大小)は、当然の事ながら、熱線つまり赤外
線領域(含む遠赤外線領域)に於ける輻射率の高低で選
ぶと良い。ここに、各種材料の輻射率を挙げてみれば、
銀は0.07、銅は0.11、アルミニウムは0.1
3、ニッケルは0.36、鉄は0.40、炭素は0.8
5、アルミナは0.30、ニクロムは0.95(600
℃)、酸化クロムは0.80、酸化ニッケルは0.96
(800℃)、ポースレンは0.92、硝子は0.8
8、雲母は0.75、耐火煉瓦は0.85等である。こ
の様に、高低の輻射率の材料を組み合わる場合、相対的
に低い輻射率の材料としては、鉄、ステンレス鋼等の金
属、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂等が使える。
また、相対的に高い輻射率の材料としては、セラミック
ス等が使える。セラミックスとしては、コーディエライ
ト、β−スポジュメン、チタン酸アルミニウム、ジルコ
ニア、ジルコン、アルミナ、チタニア等を用いて焼結し
たもの等である。例えば高低の輻射率材料の組み合わせ
の具体例としては、輻射率が相対的に高い材料としてセ
ラミックスを加熱面の周縁部に用い、輻射率が相対的に
低い材料としてステンレス鋼を加熱面の中央部に用いる
構成がある。ステンレス鋼の様に熱伝導率が比較的良く
ても輻射率が相対的に低い材料を用いれば良い結果が得
られる。
【0014】熱盤の加熱面の中央部の輻射率を周縁部の
輻射率よりも相対的に低い材料(以下、低輻射率材料と
いう)から構成し、従って、周縁部の輻射率は中央部の
輻射率よりも相対的に高い材料(以下、高輻射率材料と
いう)から構成する為の構造の各種例を図4に示す。但
し、本発明は、これに限定されるものではない。図4
(A)は、元の加熱面全体が高輻射率材料13で構成さ
れた平面であり、この平面の中央部に板状の低輻射率材
料12を取り付けた構造で、低輻射率材料の厚みの分だ
け中央部は凸形状を成す加熱面となる。また、図4
(B)は図4(A)に対して高輻射率材料13の中央部
が凹部を成しこの凹部に低輻射率材料12を埋設して、
最終的な加熱面が平面となる様にした構造である。次
に、図4(C)は、低輻射率材料12の中央部を露出す
る様に残して周縁部に高輻射率材料13を取り付けた構
造であり、中央部の低輻射率材料12の部分が凹部を成
す加熱面となる。また、図4(D)は、中央部を凸形状
とした低輻射率材料12の周縁部に高輻射率材料13を
取り付けて、低輻射率材料12及び高輻射率材料13か
らなる最終的な加熱面が平面となる様にした構造であ
る。次に、図4(E)は、電熱ヒータ等が埋設された加
熱ベース14の平面の中央部には低輻射率材料12を取
り付け、周縁部には高輻射率材料13を取り付けて、低
輻射率材料12及び高輻射率材料13からなる最終的な
加熱面が平面となる様にした構造である。図4(A)及
び(B)では高輻射率材料13を電熱ヒータ等を埋設す
る等の熱源となる加熱ベースとして使え、図4(C)及
び(D)では低輻射率材料12を加熱ベースとして使え
る。或いは、これら図4(A)〜(D)のそれぞれで、
背面に加熱ベースを設ければ良い。なお、熱盤の加熱面
には、絵付シートを真空圧空成形するための圧空を吹き
出す通気孔を設けても良い。
【0015】なお、熱盤全体としては、上述の様にして
中央部で相対的に低い輻射率とする以外は、射出成形同
時絵付け装置で用いている従来公知の構造で良い。例え
ば、加熱ベース14としては、金属又はセラミックス製
のブロック中に電熱ヒータを埋設したものや、或いは耐
熱樹脂製又は金属製のシート状のいわゆる面状発熱体で
も構わない。また、電熱ヒータによって加熱ベースの温
度(発熱量)を調整する手段としては、サイリスタ、ス
ライド変圧器等公知の電力制御手段を用いれば良い。ま
た、加熱ベースの温度を計測し確認する手段としては、
熱電対等公知の温度センサを用いれば良い。
【0016】また、本発明は、熱盤加熱面の中央部を相
対的に低輻射率とする事で、位置固定された絵付シート
の中央部を低めに加熱できる様にするものであり、その
為に熱盤加熱面を例えば碁盤目状に複数のブロックに区
画して、各ブロック毎に加熱すべき温度パターンに合わ
せて独立の温度調整制御をする必要はない。熱盤加熱面
に対する温度調整は、全面を一体的に一つのものとして
行えば良い。従って、熱盤の発熱体自体には加熱面の面
的温度分布の調整機構が無いもので良い。全面を一体と
した温度調整でも、加熱面の輻射率の高低によって所望
の目的を達することが出来る。もちろん、ブロック毎に
設定可能な既存の熱盤の加熱面に対して、図4で例示し
た様にして、中央部を低輻射率とした構造の熱盤として
も良い。もちろん、この場合、ブロック毎に温度設定を
変える必要は無い。
【0017】また、加熱時にクランプ等で位置固定され
る絵付シートは、図1〜図11の例では加熱面が平面の
板形状の場合を図示しているが、本発明ではその態様に
は限定されず、特開平7−227877号公報等に開示
される様に、固定された絵付シートの断面が曲線や折れ
線、或いは湾曲形状等の二次曲面からなる非平板形状の
場合でも、本発明は適用できる。この場合は、熱盤も絵
付シートの固定形状に概ね沿った曲面形状とする。或い
は、複数の剛直平板からなる部分加熱体が屈曲自在に連
結してなる熱盤等でも良い。
【0018】また、図1(A)に示す様な熱盤の加熱面
の中央部12の形状は、好ましくは、絵付シートで考え
るべき中央部Ctの形状と同一又は類似の形状が良い。
即ち、熱盤加熱面の輻射率の高低分布は図1(C)、或
いは図3(C)のパターンに一致するパターンとする。
例えば、図2では絵付シートの中央部Ctは縦長の楕円
形の為、熱盤の中央部12も近似形状として、例えば図
1(A)の様に長方形とする。もちろん、熱盤の中央部
12の形状は、図2の中央部Ctに対して相似形の楕円
形で良い。なお、概念図である図2では中央部Ctは縦
長の楕円形状としてあるが、これはクランプ2の形状
(絵付シートの位置固定形状)が縦長の長方形だからで
ある。正方形ならば、低温とする中央部も円形と、絵付
シートの周囲固定形状に応じて考えれば良い。ただし、
これらは、中央部の形状まで考える場合のより好ましい
対応についてであり、図2の縦長楕円形状に対して図1
(A)の縦長長方形等と、単に中央部とその周囲とで捉
えて対応するだけでも、本発明の基本的な効果は得られ
る。なお、位置固定された絵付シートと熱盤との位置関
係によっては、絵付シートの中央部が熱盤の加熱面の中
央部に正確に対応するとは限らない。しかし、多少ずれ
る事があっても、相応の効果は得られる。また、絵付シ
ートの型Bに対する位置固定とは、図1の様に、絵付シ
ートSが型Bに接する様に直接に型Bに固定する方法だ
けではない。型Bのキャビティが絵付シートによって密
閉空間となって、絵付シートと型Bとの相対的位置関係
が固定されればいずれの方法でも良い。例えば、クラン
プ2を絵付シートの表裏に各一つ合計2つ用いて、一対
のクランプで絵付シートを表裏から挟持して、他方のク
ランプを型Bに接触固定する方法などである。また、型
Bの側にはクランプを設けずに代わりに熱盤の加熱面の
外周に絵付シート側に突出した土手状の枠を設け、この
枠で熱盤の接近とともに絵付シートを型Bに位置固定す
る方法などでも良い。
【0019】本発明の射出成形同時絵付け装置として
は、上述した熱盤を少なくとも備える装置であるが、そ
の装置構成には各種の態様がある。すなわち、射出成形
型を絵付シートの予備成形型と兼用し、射出成形機上で
絵付シートの真空成形による予備成形と射出成形とを同
時に行う形態に於ける、従来からの射出成形同時絵付け
装置と同様である。つまり、一般的に射出成形同時絵付
け装置としては、熱盤を主体としたシート加熱装置と、
絵付シートを供給するシート送り装置、それに絵付シー
トを真空成形する為に真空吸引する真空吸引装置等の処
理に必要な装置を一体とした構成もあるが、シート加熱
装置(シート加熱手段)やシート送り装置(シート供給
手段)等は、機械的に分離独立した別個の装置とするこ
ともある。これら単機能的な装置は、射出成形機の大き
さ等に応じて組み合わせて、全ての機能を有する射出成
形同時絵付け装置を構成する等の使い方をする。ただ、
これら単機能的な装置は射出成形同時絵付けに専用の装
置であり、機能限定された射出成形同時絵付け装置と言
える。但し、本発明の射出成形同時絵付け装置では、少
なくとも上述した熱盤を備える装置であるので、単機能
的なこれら装置のうちシート送り装置は該当せず、シー
ト加熱装置が該当する。また、本発明の射出成形同時絵
付け装置では、前記真空吸引装置は付属装置として備え
た構成でも良いし、備えていない構成でも良い。真空吸
引装置(真空吸引手段)は、少なくとも真空ポンプから
なり、それに通常は真空タンク等を備える。
【0020】そして、以上の様な各種態様をとり得る本
発明の射出成形同時絵付け装置は、上述の熱盤を少なく
とも備える装置であれば、その他の構成部分について
は、従来公知の射出成形同時絵付け装置に於ける各種技
術を適用できるものである。例えば、シート加熱装置の
場合は、通常その構成として、上述した熱盤及び温度調
整機構の他に、熱盤を両型間と型外部の退避位置とを往
復動作させる機構、両型間に熱盤が移動後に更に絵付シ
ートに対して前進後退する機構等を有する。これらの動
作機構としては流体圧シリンダ等の従来公知の機構が用
いられる。また、シート送り装置の部分が扱う絵付シー
トの使用形態は、従来同様に、元々枚葉のシートを使用
する形態、連続帯状のシートを1ショット分に切断して
から加熱軟化する形態、連続帯状のシートを加熱軟化し
てから1ショット分に切断する形態、連続帯状のシート
を加熱軟化して射出成形した後、連続帯状のシートとし
て回収する形態(転写の場合)等があるが、任意であ
る。また、絵付シートの位置固定をするクランプ等のシ
ート固定手段は、熱盤等からなるシート加熱装置側に設
けることもある。シート加熱装置の熱盤を、絵付シート
に接近させる時に、絵付シートを(予備成形型となる型
の)パーティング面等に押圧して固定する形態である。
具体的には例えば熱盤の外周の枠を熱盤加熱面よりも突
出している枠として、この枠で絵付シートを押圧するこ
とで、非接触加熱とする形態である。
【0021】次に、上述した様な熱盤を少なくとも備え
た射出成形同時絵付け装置によって行われ得る射出成形
同時絵付け方法について説明する。説明は、絵付シート
に連続帯状の物を用いて連続生産する例を、絵付シート
の供給から、加熱軟化、予備成形、射出成形の順に、図
5〜図8を参照しながら一通り説明する。なお、これら
の図では、装置を構成するシート送り装置部分は、シー
ト固定手段としてのクランプ2、シート搬送手段として
の搬送チャック7及び受取チャック8等を備える。ま
た、これら図において、斜線は仮想的切断面であり、予
備成形型となる型Bの通気孔、真空源等の図示は省略し
てある。
【0022】先ず、最初は、絵付シート供給前の状態が
図5である。前述した熱盤10は同図では図示していな
いが、両型外部の退避位置にある。一方、ロールRから
巻きだされた連続帯状の絵付シートSの先端は、搬送チ
ャック7で表裏から把持された状態である。そして、こ
の状態から絵付シートを型開き状態にある型A及びBの
両型間に供給して、図6の絵付シート供給後の状態にす
る。すなわち、ACサーボモータや流体圧シリンダ等に
よって上下往復動作する搬送チャック7が絵付シートS
を把持したまま下方に移動して、型Bの型外部下方に位
置する受取チャック8が絵付シートの先端を把持できる
位置まで、絵付シートを搬送する。エアシリンダ等で駆
動される受取チャック8が、絵付シート先端の把持を完
了すると、搬送チャック7は絵付シートの把持を解除し
て、型外部上方に移動して元の位置まで戻り、次のショ
ットの準備として絵付シートを把持する。次いで、型間
に常時位置するクランプ2が、エアシリンダ等の駆動機
構により型B側に前進移動(図面左側方向)して、絵付
シートを型Bのパーティング面に押圧して、固定する。
この結果、絵付シートの型間への供給が完了する。な
お、シート固定手段であるクランプ2は、例えば図2の
様な四角形の枠形状で、具体例としては図9に例示する
様な枠形状の枠体24で、型Bのキャビティ3の周囲の
四方を囲繞する様に、絵付シートSを型Bのパーティン
グ面に対して押圧する。枠体24の内側は通常は同図の
様に略四角形をしている。枠体24の四隅には摺動ロッ
ド25が連結され、摺動ロッドは型Bに摺動自在に嵌挿
され、型Bのパーティング面より後方に設けた空気等に
よる流体圧シリンダ等の駆動源(不図示)に連結され駆
動される。そして、熱盤10が、型外部の退避位置から
型間に移動し、加熱すべき絵付シートに対向する位置ま
で移動する。この状態が図6である。なお、図6及び図
7では、図1及び図4で図示した加熱面中央部で輻射率
が周縁部の輻射率よりも相対的に低い材料から構成され
る構造は、図示を省略してある。
【0023】次は図7の如く、絵付シートSの加熱軟化
である。熱盤10が前進し(図面左側方向)、クランプ
2に当接する位置まで移動する。そして、絵付シートに
対して熱盤の加熱面は所定の距離隔てて、絵付シートを
非接触で輻射加熱する。この際、図1(C)の如く、熱
盤の加熱面の中央部では、輻射率が周縁部の輻射率より
も相対的に低い材料から構成されているので、絵付シー
トは中央部を周囲よりも低温にして加熱される。従っ
て、型Bのキャビティ3内の空気が熱膨張しても、絵付
シートの中央部が最も膨らみ熱盤10の加熱面11に最
も接近する傾向が抑制される。絵付シートはより平面的
に熱盤側に膨らむ。なお、熱盤が加熱位置に移動すると
同時に、同図では、熱盤上方に張り渡したニクロム線等
の加熱線条、或いは刃物からなる切断手段21が絵付シ
ートに接触して、絵付シートを切断し、今回のショット
で成形すべき絵付シート部分を次のショット以降の成形
に用いるべき上流側から分断する。加熱線条の場合は加
熱溶融による切断である。なお、型Bのパーティング面
には切断手段の邪魔をしない様に受け溝22を切断手段
21と対向する面部分に設けてある。
【0024】そして、絵付シートの加熱軟化完了後、ま
たは加熱軟化開始後ある程度経過した後、真空ポンプ及
び真空タンク等からなる真空吸引装置により型Bに設け
た通気孔(図示せず。図10を参照)から吸気して、型
Bのキャビティ3内の空気を排気して、絵付シートを真
空成形して型Bのキャビティ面に沿う様に、絵付シート
の予備成形を行う。予備成形後に、熱盤10は両型間か
ら型外部の退避位置に移動・退避させる。その後、両型
A、Bを型締めする。図8がこの絵付シートの予備成
形、型締後の状態である。なお、図8の如く、型Aのパ
ーティング面には、クランプ2が型締めを邪魔しない様
にクランプを収納できる凹部となる受け溝23をクラン
プと対向する面部分に設けてある。また、通常は型Aの
側に射出ノズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口
(ゲート)を設け(図示略)、これらを通じて流動状態
の樹脂を両型で形成されるキャビティ内に射出する様に
構成する。そして、両型で形成されるキャビティに樹脂
を射出し充填して固化した後、型開きすれば、成形と同
時に絵付シートにより表面が絵付けされた成形品が得ら
れる。なお、転写の場合は転写層と基材とからなる絵付
シートの基材のみを、型開きと同時又は型開き後に剥離
する。
【0025】なお、本発明の射出成形同時絵付け装置で
使用し得る絵付シートとしては、射出成形同時絵付け技
術に於ける従来公知のものが使用でき特に制限されるも
のではない。また、絵付シートはラミネートシートでも
転写シートでも、どちらでも良い。例えば、絵付シート
の基材としては成形性の有る樹脂シートが用いられる。
該樹脂シートとしては例えば、塩化ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体)、ポアミド樹脂、ポリプロピレン、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、熱可塑性エ
ラストマー等のシートの単層又は2層以上の積層体が用
いられる。また、成形樹脂も射出成形同時絵付け技術に
於ける従来公知のものが使用でき特に制限されるもので
はない。例えば、熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体)樹脂、スチレン樹脂、A
S(アクリロニトリル−スチレン共重合体)樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等があり、硬化性樹脂であれば、不飽
和ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、2液硬化型
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等がある。
【0026】また、本発明でいう「絵付け」とは、単に
絵柄や文字、図形等の目視可能な模様を成形品に付与す
る以外に、目視不可能な模様、あるいは硬質塗膜、導電
性等の機能性層を付与することも包含する。目視可能な
模様としては、印刷等により形成したインキ層、真空蒸
着等により形成した金属薄膜など公知のものが、また、
目視不可能な模様としては、可視光に対しては無色透明
で紫外線照射により可視光を発光する蛍光インキで印刷
した絵柄等が用いられる。なお、本発明でいう射出成形
とは、通常一般の射出成形で用いる「熱溶融した熱可塑
性樹脂」を射出する以外に、「室温で溶融状態にある熱
硬化又は2液反応硬化型樹脂の未硬化物」を射出する事
も包含する。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び参照例により本発明を更に
詳述する。
【0028】射出する成形品は、図12に示す様な略箱
型の形状で、縦600mm、横400mm、高さ40m
mの大きさの物で試験した。図12(B)は、図12
(A)の斜視図に於けるA−A線での要部断面図であ
る。成形樹脂には耐熱ABS樹脂を用いて、射出樹脂温
度240℃、金型温度60℃で射出成形同時絵付けを行
った。また、用いる絵付シートとしては、125μm厚
の透明なアクリル系樹脂フィルムからなる基材の内側
(成形品側)となる面に、アクリル樹脂と塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体との1:1重量比の混合物系のバイ
ンダーに弁柄等を主成分とする着色顔料を添加してなる
インキで、木目柄を3色のグラビア印刷で形成した上
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の接着剤を4μm
厚にグラビア塗工した連続帯状のシートを用意した。
【0029】(参照例)先ず、参照例として従来装置に
よる試験を行った結果を説明する。熱盤としては、図1
3に示す様な、縦800mm、横500mmの大きさの
平面の加熱面を一体的に温度調整するセラミックパネル
ヒータからなる熱盤10を用いた。そして、上記絵付シ
ートを用いて、図5〜図8で例示した様な装置及び手順
で射出成形同時絵付けを行った。先ず、型A及び型Bの
一対の型のうちの予備成形型となる型Bのパーティング
面上に絵付シートSを搬送チャック7と受取チャック8
を用いて供給した。その後、絵付シートを型Bのキャビ
ティ3の周囲四方でクランプ2により固定した(図2、
図9参照)。次いで、熱盤10を型外の退避位置から型
開き状態の両型間に挿入した。更に熱盤を、絵付シート
と所定の距離を隔てた位置まで両型間で型Bの方へ前進
させて、非接触の輻射加熱による絵付シートの加熱軟化
を開始した(図7)。なお、熱盤温度は350℃であっ
た。真空吸引は加熱軟化開始後3秒後に開始た。そし
て、真空吸引開始後5秒後(加熱軟化開始後8秒後)
に、熱盤を型Bから後退させて両型外に退避させて、両
型を型締めした。その後、熔融樹脂を射出し、樹脂が冷
却して固化した後に、型開きした。その結果、絵付シー
トが表面に積層された絵付け成形品を得た。しかし、得
られた成形品は、加熱軟化時に絵付シートが中央部で熱
盤に接近し加熱され過ぎたため、シートが余計に伸ばさ
れ、成形品中央部で絵付シートに皺が発生し不良品とな
った。ちなみに、絵付シート加熱軟化時の熱盤加熱面と
絵付シートとの間の距離は、加熱軟化開始時は30mm
あったが、真空吸引開始直前(加熱軟化開始3秒後)で
は、絵付シートが熱盤側に膨らんで、その中央部で5m
m程度となっていた。
【0030】(実施例)熱盤としては、加熱面を一体的
に温度調整する参照例と同じ熱盤に対して、図14に示
す様に、縦800mm、横500mmの大きさの平面の
加熱面の中央に、縦500mm、横300mm、厚さ
0.3mmの大きさのステンレス鋼からなる金属板を取
り付けた構成の物とした。従って、この金属板が低輻射
率材料12の面となり、元のセラミックパネルヒータの
加熱面が高輻射率材料13の面となる〔図4(A)参
照〕。そして、熱盤が異なる以外は参照例と同様にし
て、射出成形同時絵付けを行った。得られた絵付け成形
品、表面に積層された絵付シートに皺が無かった。ちな
みに、真空吸引開始直前(加熱軟化開始3秒後)にて、
絵付シート中央部は、熱盤側に膨らむこと無く、当初の
約30mmの距離を保っていた。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、絵付シートを熱盤で非
接触加熱する時に、熱盤の温度を加熱面を分割して温度
調整せずに一体的に温度調整しても、絵付シートの中央
部を周囲よりも比較的低温に加熱できるので、絵付シー
トが膨れて、その中央部のみが特に熱盤側に接近するの
が抑制される。その結果、絵付シートが熱盤の加熱面に
接触して不良となる事が無い。また、絵付シート中央部
が熱盤に接近してその周囲よりも高温に加熱される事が
抑制されるので、安定的な、意図した通りの加熱温度分
布で絵付シートの加熱ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形同時絵付け装置にて、熱盤の
加熱面の中央部を相対的に低輻射率とする説明図。
(A)は熱盤加熱面の正面図、(B)は絵付シート加熱
軟化時の断面図、(C)は熱盤加熱面の輻射率の高低
と、加熱された絵付シートの温度の高低の説明図。
【図2】加熱される絵付シートを正面から見た正面図。
【図3】絵付シートの加熱方法とキャビティ形状との関
係の説明図。
【図4】熱盤加熱面の中央部を相対的に低輻射率とする
各種態様を説明する断面図。
【図5】本発明の射出成形同時絵付け装置の一形態によ
る射出成形同時絵付け方法の手順を説明する概念図(そ
の1:絵付シート供給前)。
【図6】同、概念図(その2:絵付シート供給後)。
【図7】同、概念図(その3:絵付シート加熱軟化
中)。
【図8】同、概念図(その4:絵付シート予備成形、型
締後)。
【図9】クランプの形状例を示す説明図。
【図10】従来の技術により型上で絵付シートが加熱さ
れる様子を示す説明図。
【図11】従来の加熱方法にて、絵付シートが膨れる不
具合を示す説明図。
【図12】絵付け成形品の形状の一例を示す説明図。
【図13】従来の技術により熱盤の加熱面の温度の高低
の設定例を示す正面図。
【図14】本発明による熱盤の加熱面の輻射率の高低の
設定例を示す正面図。
【符号の説明】
1 (型Bの)パーティング面 2 クランプ 3 (型Bの)キャビティ 4 通気孔 5 弁 6 真空源 7 搬送チャック 8 受取チャック 10 熱盤 11 加熱面 12 中央部、又は低輻射率材料 13 周縁部、又は高輻射率材料 14 加熱ベース 21 切断手段(加熱線条など) 22 受け溝 23 受け溝 24 枠体 25 摺動ロッド A 型(雌型) B 型(雄型) Ct 絵付シートの中央部 R ロール S 絵付シート W 絵付け成形品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型Aと、通気孔を有し絵付シートの予備
    成形型を兼用する型Bとからなる一対の成形型を用い、
    両型の間に絵付シートを供給して、型Bのキャビティが
    絵付シートによって密閉空間となる様に、絵付シートを
    型Bに対して位置固定し、該位置固定された絵付シート
    を、加熱面を該絵付シートに非接触状態に対向させた熱
    盤で加熱軟化させ、前記通気孔から吸気して、絵付シー
    トを型Bのキャビティ面に沿う様に成形し、次いで、熱
    盤を両型の間から外部に退避させた後、両型を型締め
    し、両型で形成されるキャビティに樹脂を射出し、成形
    と同時に絵付シートにより成形品表面を絵付けする射出
    成形同時絵付け方法に用いる射出成形同時絵付け装置に
    おいて、 加熱面の中央部の輻射率が周縁部の輻射率よりも相対的
    に低い材料から構成されている熱盤を少なくとも備え、 通気孔を有する型Bに対して位置固定された絵付シート
    を、該熱盤で非接触加熱する事により、位置固定された
    絵付シートの中央部をその周囲よりも低温に加熱し、前
    記密閉空間内に存在する空気の熱膨張により、位置固定
    された絵付シートの中央部が、熱盤側に膨らみ接近する
    事を抑制しながら加熱する、射出成形同時絵付け装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101958827B1 (ko) * 2018-09-16 2019-03-15 주식회사 지에스아이 U 가이드를 갖는 비접촉식 필름부착장치 및 이를 이용한 필름부착방법
CN111993637A (zh) * 2020-08-04 2020-11-27 苏州呈润电子有限公司 一种显示器支架金属嵌入式注塑成型方法及其模具

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