JP2955737B2 - 加熱装置、射出成形同時加飾装置及びその方法 - Google Patents

加熱装置、射出成形同時加飾装置及びその方法

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JP2955737B2
JP2955737B2 JP6104386A JP10438694A JP2955737B2 JP 2955737 B2 JP2955737 B2 JP 2955737B2 JP 6104386 A JP6104386 A JP 6104386A JP 10438694 A JP10438694 A JP 10438694A JP 2955737 B2 JP2955737 B2 JP 2955737B2
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sheet
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形同時加飾方法
に関する。さらに詳しくは、加飾される模様の歪みを少
なくする射出成形同時加飾方法、およびそれに用いる加
熱装置及び射出成形同時加飾装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の成形と同時にその外
表面にシートの積層又は転写によって模様等を設ける射
出成形同時加飾方法が各種の態様で行われている。 特公昭50−19132号公報では、真空成形用の通
気孔を設けた雌型を利用して熱可塑性樹脂よりなる加飾
シートをヒーターで加熱軟化させて真空成形した後、型
締めを行って、溶融樹脂を金型内に射出して、成形品の
外表面に加飾シートを積層一体化させる方法が開示され
ている。このように射出成形同時加飾法は真空成形と射
出成形とを組合わせた方法であり、複雑な曲面形状に模
様付けがてきる。また、特公昭63−6339号公
報、特公平4−42172号公報では、平板状の熱盤
を用いて加飾シートを加熱軟化させた後、該加飾シート
を雌型にて真空成形することを開示している。このよう
な構成によって、真空成形に先立つ加飾シートの加熱軟
化を効率良く、且つ均一に行い得る。更に、特開平5
−96568号公報では、成形品の凹凸形状に対応させ
た温度分布で加飾シートの加熱を行うべく、特公平4−
42172号公報のような表面に通気孔を有する接触加
熱方式の熱盤の加熱面上に、通気性を有し、且つ熱盤と
は熱伝導率が異なるシートを断熱材として用い、成形品
形状に対応したパターンで貼着する発明が開示されてい
る。かかる工夫によって、真空成形時の加飾シートの変
位量の多い部分の加熱温度を変位量の少ない部分よりも
相対的に低温とする事により、加飾シートの真空成形時
の変位(歪み)を、金型形状に成形するという条件を満
たす範囲内に於いて、極力均一にすることが可能である
としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜のような従来の射出成形同時加飾方法では、成形品
の加飾されるべき外表面の凹凸が大きい、いわゆる絞り
の深い成形品では加飾シートの成形は出来たとしても、
加飾する模様によっては歪みが大きくなりすぎて、所望
の加飾が行えなかった。特に、文字や図形を有する加飾
シートでは歪みが目立ちやすく、また導電性を付与した
り金属蒸着層を付与する加飾シート等でも性能低下、あ
るいは金属蒸着層の亀裂が目立つ等、加飾シートが成形
時に受ける大きな伸びが、射出成形同時加飾方法の適用
に一定の限界を生じさせていた。このような問題は加飾
シートの加熱温度を低くして成形すれば、伸びが抑えら
れ歪み等が少なくなるが、一方、加飾シート全体の成形
性が低下するため、十分に成形品の凹凸形状に追従して
成形することができなくり、加飾シートが破断したりす
る不具合が発生する。従って、凹凸の少ない成形品に限
定されて、適用できる成形品形状が極めて限定され実用
的とは言えなかった。
【0004】ところで、加飾シートの成形は通常の真空
成形法と同じく絞りの深い部分の伸びは大きく、絞りの
浅い部分の伸びは少ない。しかし、加飾シートの全体を
均一に加熱している限り、加熱温度は絞りの深い部分を
基準に設定し、絞りの浅い部分の伸びはその加熱温度に
従属させることとなる。絞りの浅い部分でも不本意に伸
ばされてしまうことが発生する。すなわち、全面均一温
度に軟化した加飾シートを雌型の凹凸形状に成形しよう
とすると、シート変位量の多い部分に本来成形に必要な
量以上の変位が集中してしまうからである。特に、文字
等で加飾シートの歪みを少なくしたい部分が、必ずしも
絞りが深く伸びを大きくしたい部分にあるとは限らず、
伸ばすべき部分とそうでない部分とを別々の伸度で伸ば
して成形できる方法が、より優れた加飾成形品を得るた
めに切望されていた。また、前記の発明においても、
加飾シートを成形品の形状に対応した所望の温度分布に
加熱することは出来るが、加熱面に加飾シートが直接接
触する為、加熱面の温度の異なる領域の境界線が加飾シ
ートにも温度の不連続な段差となって現れる。さらに、
断熱材部分が周囲に比べて厚さに段差があると、その段
差が加飾シートの凹凸なってエンボスされてしまう。そ
の結果、真空成形した加飾シートに断熱材部分の痕跡が
残ってしまうという問題があった。さらに、加飾シート
が直接断熱材に接触するため、断熱材と加飾シートとの
離型性が十分でないと、真空成形時に加飾シートが部分
的に加熱面に引っ張られて、断熱材の形状の痕跡が付い
たり、甚しい場合は加飾シートが破断するという問題も
あった。そこで、本発明では、上記問題を解決し、加飾
シートの加熱を全面均一にではなく、成形品の形状や模
様に対応して不均一に、すなわち容易に所望の加熱温度
分布を実現して加飾シートを成形できる加熱装置、及び
それを備えた射出成形同時加飾装置、これらによる射出
成形同時加飾方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の加熱装置
では、通気孔を有する金型Aと射出孔を有する金型Bよ
りなる一対の金型の間に加飾シートを配置し、加飾シー
トに対面する加熱装置により加熱軟化させた後、通気孔
からの脱気による空気圧により加飾シートを金型Aのキ
ャビィティ面に密着させて成形し、その後、型締めを行
い溶融樹脂を金型内に射出し、加飾シートにより成形品
を加飾する射出成形同時加飾方法に使用する加熱装置で
あって、該加熱装置の熱盤面に輻射率が熱盤面とは異な
る加熱調整材を部分的に貼着し、熱盤面及び加熱調整材
により形成される加熱面が加飾シートに対して非接触と
なる位置に加熱装置を配置して加飾シートを非接触で
熱することで、加飾シートの加熱温度分布を成形品の形
状及び/又は加飾シートの模様に対応して制御できるよ
うに構成されていることを特徴とした加熱装置とするも
のである。あるいは、該加熱装置の熱盤が個別に温度制
御できる少なくとも2つ以上の部分加熱体の集合体によ
り構成されており、各部分加熱体の加熱温度を個別に制
御することで、成形品の形状及び/又は加飾シートの模
様に対応した加飾シートの加熱温度分布に制御できるよ
うに構成されていることを特徴とした加熱装置とするも
のである。
【0006】さらに、本発明の射出成形同時加飾装置
は、少なくとも上記のような加熱装置を備えたことを特
徴とする射出成形同時加飾装置とするものである。くわ
えて、本発明の射出成形同時加飾方法は、このような
出成形同時加飾装置を用いて、通気孔を有する金型Aと
射出孔を有する金型Bよりなる一対の金型の間に加飾シ
ートを配置する工程、加熱装置の加熱面が加飾シートに
対して非接触となる位置で加飾シートを非接触加熱で
熱軟化させる工程、加飾シートを空気圧により金型Aの
キャビィティ面に密着させて成形する工程、型締めを行
い溶融樹脂を金型内に射出する工程、型開きを行い加飾
シートにより加飾された成形品を得る工程、よりなる射
出成形同時加飾方法であって、該加熱装置による加飾シ
ートの加熱温度を不均一に制御することで、成形品の形
状及び/又は加飾シートの模様に対応して伸びを少なく
すべき部分を低温加熱とした加飾シートの加熱温度分布
に制御することを特徴とする射出成形同時加飾方法とす
るものである。
【0007】
【作用】本発明の加熱装置によれば、熱盤の熱盤面に輻
射率が熱盤面とは異なる加熱調整材を部分的に貼着した
上、熱盤面及び加熱調整材により形成される加熱面が加
飾シートに対して非接触となる位置に加熱装置を配置し
て加飾シートを加熱する為に、加飾シートを所望の加熱
温度分布を有するように不均一に加熱できる。その際、
加飾シートは加熱面に直接接触せず、そこから輻射され
る赤外線、及び加飾シートと加熱面との間の加熱雰囲気
とで加熱される為、加熱調整材の形状パターンの輪郭線
が目立たない。また、加熱調整材及び熱盤に非接触の
為、真空成形時の加熱面からの部分的離型不良も生じな
い。さらに、加熱調整材は容易に所望の形状のものを貼
着及び剥離できる為に、容易に成形品の形状及び/又は
加飾シートの模様に応じた所望の加飾シートの加熱温度
分布を実現できる。また、独立に温度制御できる部分加
熱体の集合体より加熱装置を構成し、非接触で加熱する
構造では、各部分の温度を制御するのみで、所望の加熱
温度分布を実現できる。このような加熱装置を備えた射
出成形同時加飾装置、あるいはこのような加熱装置を用
いた射出成形同時加飾方法によって、伸びを部分的に抑
え歪みの少ない模様等を設けた加飾が行われる。
【0008】
【実施例】以下、図面に従って本発明の加熱装置、射出
成形同時加飾装置、及び射出成形同時加飾方法の一実施
例を詳述する。図1は本発明の射出成形同時加飾装置の
一実施例を示す断面図である。本発明の射出成形同時加
飾装置は加熱装置に特徴があり、その他の部分について
は従来公知の射出成形同時加飾装置と特に変わりはな
い。図1によって説明すれば、通気孔を有する金型A1
1と射出孔を有する金型B12との間に加飾シート2
が、供給ロール31から送りロール32を経て連続的に
供給され、成形後の加飾シート2は巻取ロール33に巻
き取られる。加飾シート2には、図示はしない位置決め
用のセンサマーク(線分、直線、十字線等)が設けられ
ており、このセンサマークを光電管等の位置決めセンサ
34が検知して加飾シート2は金型A11に対して所望
の位置に配置される。なお、図示はしないが、センサマ
ークと位置決めセンサにより、加飾シートを送り方向に
対して平行方向以外に、必要に応じて直角方向にも位置
合わせする。もちろん、精密に加飾シートの装飾パター
ンと金型の凹凸形状とを位置合わせする必要のない場合
は、位置決めセンサとセンサマークは不要である。
【0009】なお、通常、同図で金型A11は凹なるキ
ャビィティ面を有している為に雌型と、金型B12は凸
なるキャビィティ面を有している為に雄型といわれる。
しかし、必ずしも金型Aが凹、金型Bが凸、なるキャビ
ィティ面を有す必要はなく、逆の場合もありうる。要
は、金型Aが少なくとも加飾シート成形用の通気孔を有
し、金型Bが少なくとも溶融樹脂を金型内に導入する射
出孔を有してることである。
【0010】射出成形同時加飾装置に装備される、本発
明の加熱装置には二種類の態様があり、第1の態様は熱
盤面と加飾シートの間に部分的に加熱調整材を配置した
構成とするものであり、図1がこれに相当する。第2の
態様は熱盤面自身が所望の温度分布を実現する手段を備
えたものであり、熱盤面が少なくとも2つ以上の小部分
から構成されており、それらの各部分が独立に温度制御
できる構成とするものであり、これについては追って説
明する。
【0011】図1では加飾シートに対面する熱盤面41
上の一部に、加熱調整材5を貼着することによって加飾
シートと加熱面との間に加熱調整材5配置するものであ
り、同図ではさらに加熱調整材5の上に、加熱調整材5
よりも小さい加熱調整材5aが貼着されている。このよ
うな構成により、同図の加熱装置の加熱面は熱盤面41
と加熱調整材5及び5aの露出している面により形成さ
れる。この結果、加熱調整材5及び加熱調整材5aに対
面する部分の加飾シートの加熱温度は他の部分よりも低
く制御され、加熱調整材5及び5aが積層されている部
分は、さらに低く制御される。但し、加熱面の温度分布
を高低2段階にパターン化すれば足りる場合は、同じ材
質の加熱調整材5を一枚重ねのみで用いればよい。
【0012】以上のような加熱装置を用いて加飾シート
の加熱を行うには、加飾シートをクランプ35で金型A
に固定し、加熱装置の加熱面が加飾シートに対面し且つ
非接触となる位置に加熱装置を配置することで、加飾シ
ートを所望の加熱温度分布に不均一に加熱し軟化させ
る。加熱装置を、その加熱面が加飾シートに対して非接
触になる位置に配置するには、図1で加熱装置を支持す
る可動支持具42が加熱装置の重量等を勘案して十分に
剛性があれば、可動支持具によって加熱装置を加飾シー
トに対して所定の対面する位置に配置するのみで、加飾
シートと加熱装置とを所定の距離だけ隔てた位置に配置
することができる。
【0013】その後、金型Aに設けられた、図示はしな
い真空源に接続された通気孔13により金型Aのキャビ
ィティ空間の脱気を行い、空気圧によって加飾シート2
を金型Aのキャビィティ面にそって密着させることで、
加飾シート2の成形が行われる。この時、必要に応じ、
熱盤側からも圧空吹出しを併用して加飾シートの金型A
への成形を行ってもよい。
【0014】加飾シート成形後は、型締めし、溶融樹脂
を金型内に射出する。なお、加熱装置4は、ピストン・
シリンダー等の可動支持具42によって型締め時には図
1では上方に移動し金型間から退避する。かくして、本
発明の加熱装置を備えた射出成形同時加飾装置を用いる
方法によって、目的とする加飾成形品が得られる。
【0015】本発明の加熱装置としては、平板状の熱盤
の中に電気ヒータ等の熱源を埋設し、さらに図2に例示
する如く熱盤45の加熱面41に圧空用の吹出孔46を
設けたものであってもかまわない(非接触加熱の場合で
も、圧空を後の加飾シートの成形に利用すこともあ
る)。図2の加熱装置では、熱盤45の熱盤面41上の
一部に加熱調整材5が貼着されている。熱盤45は、電
気ヒータ47を内部に有しており、熱盤45の裏面には
断熱部材51が設けられており裏面への無駄な放熱を防
止する。熱盤表面には、吹出孔46を設け、該吹出孔4
6は外部の圧空源へバルブを介して接続されている。熱
盤45はソレノイド48によって支持部材49に接続さ
れ、支持部材49はピストン・シリンダー等からなる可
動支持具42に固定されている。
【0016】図2に例示される加熱装置では、先ず、加
熱装置が支持具42によって、加熱すべき加飾シートに
対応する位置まで移動し、ソレノイド48によって熱盤
を加飾シート側に移動させ、周壁6と金型A11のパー
ティング面との間で加飾シートを挟んで、固定保持し、
加飾シートと加熱面とを所定の距離に保持した状態にし
て加飾シートを加熱する。この際、周壁6の熱盤面に対
する高さが熱盤面と加飾シートとの距離を一定に配置す
る作用をする。なお、このように周壁6により加飾シー
トを固定保持する機構を加熱装置に備える際は、前記し
た図1の加熱装置の場合のように、クランプ35によっ
て加飾シートを金型に固定保持する操作は省略できる。
次いで、加飾シートが加熱軟化されて真空成形する際
に、吹出孔からの圧空により、加飾シートを金型A側の
真空と、加熱装置側の圧空の両方による真空圧空成形を
行える様にしたものである。もちろん、金型Aからの真
空吸引のみで十分な場合は、加熱装置側からの圧空を省
略しても良い。その場合は吹出孔46は不要である。
【0017】また、熱盤として、樹脂製又は金属製のシ
ート状のいわゆる面状発熱体を用いる場合もある。この
ような面状発熱体は通常は、通気孔等は有さない。しか
し、面状発熱体の場合は、薄く、省スペースである利点
があり、且つ容易に変形、曲面化ができるため、加熱面
は必ずしも平面とは限らず、曲面で使用することもあ
り、この場合には加熱調整材もその曲面に追従するもの
が使用される。また、軽量であるため、図1のような可
動支持具のみ、あるいは簡単な追加的な保持具によっ
て、可動支持具で支持さている部分から遠い熱盤の一端
を保持するのみで、加飾シートと加熱装置の加熱面を所
定の距離にすることができる。
【0018】以上のような熱盤面に貼着する加熱調整材
としては、熱盤の加熱面を構成する表面材と輻射率εが
異なる薄板を所望の形状に切抜いたりしたものを用い
る。例えば、熱盤面が鉄(純鉄ないしは通常の炭素鋼)
の場合、セラミックス、マイカ、ステレス鋼、ステアタ
イト等、あるいはこのような物質の微粉末を配合した樹
脂プレート、あるいは柔軟なゴム状シート等が使用でき
る。曲面への貼着の場合は、シリコーンゴム等のゴム状
シート等が適している。また、所望の使用時間の間、加
熱温度に耐えうる耐熱性があれば、樹脂性のシートであ
っても構わない。この場合、網状構造を有する樹脂発泡
体、あるいは不織布等のような内部空隙を有する構造体
を使用すれば、内部空気が断熱作用を有する。あるい
は、輻射率を加減する手法として、加熱面の表面粗さを
パターン状に変えたり、白色又は黒色に塗装してもよ
い。また、加熱調整材の貼着は、図1に例示する様に加
熱調整材5の上に加熱調整材5aを重ねる等して、積層
して使用すれば、加飾シートの加熱温度分布をより複雑
に制御できる。ちなみに、温度輻射に関するシュテファ
ン−ボルツマンの放射法則によれば、加熱面の絶対温度
をT、ステファン・ボルツマン定数をσ、輻射率をεと
すれば、加熱面の単位表面積当たり単位時間に空間に
放射される輻射エネルギーEは、E=εσT4 で表され
る。よって、加熱面の輻射エネルギーEをパターン状に
する為には、少なくとも輻射率ε又は温度Tのどちらか
をパターン状にすれば良い。温度をパターン状にするに
は、加熱面の熱伝導率Kをパターン状にする。加飾シー
トを相対的に高温にすべき部分に対面する加熱面は、輻
射率をより高く(1に近づける)するか、あるいは熱伝
導率をより高くする。以上、加熱調整材としては、熱盤
の加熱面を構成する表面材と熱伝導率K、又は/及び輻
射率εが異なるものを用いることができるが、このうち
本発明では輻射率が異なるものを用いる。
【0019】加熱調整材を、熱盤面に貼着するには、予
め熱盤の上に設けたタップ孔等を利用して固定したり、
ネジ止め等により機械的に固定したり、あるいは、耐熱
性のある接着剤、例えば、エポキシ・フェノール系接着
剤、アルキッド系接着剤等が使用できる。加熱調整材は
加熱面に恒久的に固定するのでなく、成形品の形状、加
飾する模様に応じて加熱調整材を貼る替えることにより
加熱調整材の形状、断熱量を適宜調整できるようにする
ことが好ましい。このため、加熱調整材は加熱面に剥離
可能に熱盤上にボルトやネジ等で貼着されることが好ま
しい。
【0020】なお、加熱装置の熱盤面に加熱調整材を貼
着する場合は、熱盤面及び加熱調整材により形成される
加熱面を加飾シートに密着して加熱すると、加熱調整材
による段差が加飾シートに残るが、本発明の如く、加飾
シートと一定の距離を離して輻射加熱による非接触加熱
法を用いれば、このような危惧はない。それは熱輻射の
放射による広がり、及び加飾シートと周壁と加熱面とに
よる密閉空間内の加熱雰囲気により、熱盤表面の輻射エ
ネルギーEのパターンの輪郭がぼやけた形で加飾シート
の温度分布となるからである。
【0021】また、加熱面の輻射エネルギーEを一定の
まま、加飾シート表面に温度分布を作る方法としては、
加熱調整材は加飾シートと加熱装置の熱盤面との間に位
置すればよく、従って、熱盤面に直接貼着する方法以外
に、例えば、加飾シートと熱盤面との間に位置するよう
に配置した、少なくとも熱盤面よりも大きな金属等の耐
熱性の材質からなるネットあるいはすだれ状物等に加熱
調整材をボルトとナット等の固定手段で離脱可能に固定
して熱線遮蔽板としてもよい。熱線遮蔽板は少なくとも
加飾シートには非接触として配置される。
【0022】以上のようにして、加熱装置の加熱面から
の輻射熱量が、熱線遮蔽材によって部分的に遮断され、
熱線遮蔽材の形状、断熱特性及び厚みによって、所望の
加飾シートの加熱温度分布が実現されることとなる。
【0023】次に、加熱装置の第2の態様について説明
する。図4はその一実施例の断面図、図5はそれを前面
より見た図である。この場合、加熱装置は少なくとも2
つ以上の部分加熱体43の集合体を備えており、各々の
部分加熱体43は電気ヒータ等よりなり、図示はしない
温度制御装置により独立に加熱温度が制御される。部分
加熱体43は、それぞれの熱盤面41どうしが密に近接
するように支持台44上に配置されていることが好まし
い。離れていると、境界線部分で加熱温度が低下しやす
いからである。第1の態様と同様、周縁部の周壁6で加
飾シートを固定保持して部分加熱体43から加飾シート
を一定の距離だけ離して非接触で加熱する為に、部分加
熱体43の表面に加飾シートを密着加熱させる場合に生
じる部分加熱体43の境界線の跡を防止することができ
る。なお、支持体44には図示はしないが、各部分加熱
体43への電気配線等の配線スペースが確保されてい
る。また、支持台44は可動支持具42が接続され、加
熱装置4が型締め時に不要となる時は、金型間から退避
する構造となっている。各部分加熱体43を所望の温度
に制御する為、部分加熱体43中に熱電対等の温度セン
サを設置し、センサ出力を用い、フィードバック制御し
てもよい。なお、電気ヒータの出力加減は、バイメタル
によるon−off制御、スライダック等の変圧器、S
CR、トライアック、GTO等のサイリスタによる無段
階制御等の公知の電気加熱出力制御手段により行えばよ
い。部分加熱体43は、例えば図5の様に縦8×横6の
48分割と、なるべく分割数を大きくした方が、あらゆ
る成形品の形状及び加飾シートの模様に対応できる点で
好ましい。同図で、部分加熱体43に「H」又は「L」
とあるのは、それぞれ高温、低温に制御した状態を表わ
している。
【0024】以上の本発明の加熱装置を備えた射出成形
同時加飾装置としては、例えば図1に例示したような、
本発明の加熱装置による加熱手段と、加飾シートの連続
的に位置合わせしなが供給する加飾シート供給手段とを
備えた射出成形同時加飾装置がある。なお、この場合、
図示はしないが、加熱手段と加飾シート供給手段との連
係動作を制御するマイクロコンピュータ等を用いた公知
の手法による制御手段も通常は備えられる。また、当然
のことだが、射出成形同時加飾には空気圧差による加飾
シート成形用の通気孔が設けらた射出成形金型等も必要
である。但し、本発明の射出成形同時加飾装置は加熱装
置に特徴があり、従って図1に例示するような加飾シー
ト供給手段はなくてもよい。このような場合は、加飾シ
ートは、例えば枚葉で一枚毎に手によって所定の位置に
配置すればよく、このような方法をとる装置であって
も、本発明の加熱温度分布を制御することによる利点
は、何ら損なわれるものではない。手による加飾シート
の供給の際は、例えば、所定の位置に加飾シートを配置
して、クランプ35あるいは周壁6で固定すればよい。
クランプ35や周壁6の加飾シート固定手段は装置的に
備えられていることが好ましいが、仮固定用粘着テープ
でも目的は達成される。なお、手による加飾シートの供
給等では生産性に難点もありうるが、必ずしも生産性が
問題になるものではない。例えば、加飾シートがサイズ
が非常に大きく、しかも厚くて常温では腰のある場合に
は、ロール状での連続供給以外にも、このような枚葉に
よる供給が十分に意味を持つことになる。勿論、このよ
うな場合、図1に例示するようなのロール状での連続供
給手段ではなく、機械的に枚葉シートを断続的に供給す
る手段を備えても良い事はいうまでもない。以上のよう
に加飾シートの供給手段やその固定手段等は備えてなく
ても、本発明の加熱温度分布を制御することによる利点
は何ら損なわれるものではなく、本発明の射出成形同時
加飾装置の本質的部分ではない。本発明の射出成形同時
加飾装置は、最低限上記したような加熱温度分布を実現
できる加熱装置を備えたものであればよく、その他の手
段は、用途により公知の手段から随時選択すればよいも
のである。
【0025】以上の本発明の加熱装置、射出成形同時加
飾装置によって加熱される加飾シートの加熱温度、及び
加熱温度分布は、使用する加飾シートの材質、成形品の
凹凸形状、さらには射出成形で用いる樹脂によって異な
り、適宜選択される。例えば、加飾シートのシート基材
にポリエチレンテレフタレートを用いる場合、成形品の
形状が比較的平坦で平面に近ければ、加熱装置は全く不
要である。しかし、成形品形状に凹凸が大きくなって絞
りが深くなってくると加熱無しには成形は困難であり、
凹凸に応じて例えば80〜180℃の範囲、一例として
は120℃程度に加飾シートを加熱する。さらに、成形
品の凹凸がより大きければ、ポリエチレンテレフタレー
ト自身の成形適性により、加熱温度を高くしても、もは
や成形は困難となる。のように、成形性のみを考慮した
場合、加飾シートの加熱条件は、加熱無しの条件から、
使用するシート基材によって決まる最大の加熱温度まで
の範囲から適宜選択されることとなる。これに本発明で
目的とする加飾シートの伸びを抑える方法を適用する
と、伸びを抑えるべき部分は他よりも低温とするもので
あり、従って、当部のとりうるべき温度範囲は成形性の
みを考慮した温度範囲全域に及ぶものである。特に、伸
びを抑える程度が大きければ、上記したポリエチレンテ
レフタレートの場合には、当部の加熱温度が80℃未満
になるように温度分布を制御すると好ましい結果が得ら
れる。この加熱温度は、当然、基材シートによって異な
ることはいうまでもない。
【0026】次に、加熱温度を低くすべき部分と、成形
品の形状、加飾シートの模様との対応関係について説明
する。先ず、加飾シートの模様に対応して加飾シートの
加熱温度分布を制御する場合は、追って具体的な実施例
で挙げる図6に示される様な凸平面上に設けられる文字
部分のみに対応して加熱温度を抑える場合である。な
お、同図で(a)は成形品の斜視図、(b)はその成形
品をA−A’面で切断した縦断面である。図6の場合で
も、仮に平板に近い成形品でその凸平面上にある文字部
分ならば加飾シート全体の伸びは少なく略均一で、文字
部分の加熱温度を抑える必要はない。しかし、実際には
立上がり段差を周囲に有する成形品で、加飾シートが特
に四隅に引張られる為、伸びは不均一となる。そこで、
文字部分に対応した形状で加熱温度を抑え伸びを少なく
して均一化させる。但し、加熱温度を抑える部分の形状
(パターン)に類似のパターンは成形品形状には無く、
成形品形状との対応関係は希薄である。従って、加熱温
度分布の形状は加飾シートの模様に対応し、成形品形状
には対応しないこととなる。
【0027】次に加熱温度分布が成形品の形状に対応す
る一例には、御影石等の均質な石目模様を有する加飾シ
ートから成形品に均質な模様を付ける場合が挙げられ
る。加飾シート各部の伸びは成形品の形状に対応する。
しかし、このままでは、加飾シートの均質な模様が伸び
に対応して不均質化する。そこで、伸びが大きい部分を
低温加熱として、伸びを全体的に均質化させるのであ
る。この場合には、加飾シートは均質な模様であるか
ら、加飾シートに微小なパターンはあっても、全体とし
てパターンはない。従って、加飾シートの均質的な模様
を再現する為に、加熱温度分布を制御する点では関係す
るが、加熱温度分布は加飾シートの模様のパターンへの
対応は本質的にない。加熱温度分布は、成形品の形状に
対応したものである。
【0028】次に、加熱温度分布が成形品の形状と加飾
シートの模様との両方に対応する例としては、例えば、
上記の組み合わせの例が挙げられる。下地として均質な
石目模様等の上に文字が設けられた加飾シートである。
これを、凹凸段差の大きい成形品に加飾する場合は、文
字部分は相対的に低温とし、その他の部分は全面均一な
シート変形にすべく、凹凸の角部分を比較的低温に、平
坦に近い部分を比較的高温にする。以上、いずれの場合
でも、完全に理想的な加飾シートからの再現は難しい
が、実用上は、本発明の加熱温度分布を制御できる加熱
装置によって加飾シートを加熱することで、格段の再現
性の向上が実現する。
【0029】なお、本発明の射出成形同時加飾方法で使
用しうる加飾シートは、従来公知のものが使用でき特に
制限されるものではない。加飾シートには大別して積層
タイプと転写タイプの両方が使用できる。積層タイプと
は、加飾シートを成形品に積層一体化させるものであ
り、転写タイプとは加飾シートが少なくとも離型性のシ
ート基材と模様や機能を有する転写層とからなり、転写
層のみを成形品に積層させるものである。また、本発明
でいう「加飾」とは、単に絵柄や文字、図形等の目視可
能な模様を成形品に付与する以外に、硬質塗料、あるい
は導電性等の機能性層を付与すること包含する。
【0030】以下、さらに射出成形同時加飾方法による
具体的な実施例を挙げて本発明を詳述する。
【0031】《実施例》※加飾シートの準備 シート基材として厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムを用い、これに転写層として、
剥離層(アクリル樹脂系)を塗布量2g/m2、絵柄層(ア
クリル樹脂+塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の混合
系)を4色刷りで塗布量合計3g/m2、接着剤層(アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体系を塗布量2g/m2となる
ように、グラビア印刷で順次形成して、用いる転写タイ
プの加飾シートを得た。なお、加飾シートには位置決め
用のセンサマークを同時に印刷した。
【0032】※成形品及び加熱装置 シーズヒータを埋設した熱伝導率K=52W/(m・
K)、輻射率ε=0.95の鉄製の金属板を熱盤とする
図2の形態の加熱装置を備えた射出成形同時加飾装置に
より行った。金型は自動車のギヤボックス回りのパーツ
成形用のものを用いた。図6に実施例で用いた成形品の
形状の斜視図を示す。文字はおおよそ10mmの大きさ
である。一方、加熱装置の熱盤面には、前記文字に対応
する部分に文字部よりも5mm程大きい形状の2mm厚
の熱伝導率K=0.5W/(m・K)、輻射率ε=0.
75のマイカをアルキッド系接着剤によって貼着した。
図3は、この加熱面を前面(=加飾シート側)から見た
図である。
【0033】※射出成形同時加飾 先ず、図1の装置の加飾シートの送り装置を用いて位置
決めセンサでセンサマークを読取って、ロール状の加飾
シートを送りロールから雄雌金型間に所定ピッチだけ供
給して所望に位置で停止させた。なお、加飾シートは接
着剤層が射出孔を有する雄型に対面する様に配置する。
加熱装置の温度設定は、熱盤面上で加熱調整材が貼着さ
れてない部分が260℃とした。また、加熱調整材の貼
着部は190℃で平衡状態となった。この条件の加熱装
置を雌型(金型Aに相当)に押し付け、加飾シートを雌
型と熱盤の周壁とで挟んで固着保持し、加飾シートを熱
盤の加熱面から10mm離れた距離に配置し、非接触で
加飾シートを10秒間加熱した。加飾シートは加熱調整
材対応部分で70℃(図9のc部)、その周囲で100
℃(図9でb部)、その他の部分で120℃(図9でa
部)となった。b部は、周囲からの熱により70℃とは
ならずに、70℃と120℃との間の100℃となっ
た。なお、図9では代表的な温度を示しているが、各温
度の境界は連続的に滑らかに温度が変化している。次い
で、雌型を用いて加飾シートを真空成形を行った。加飾
シートは雌型のキャビィティ面にほとんど沿った状態で
あったが、一部コーナーでは成形しきれない部分もあっ
た。その後、加熱装置を金型間から退避させ、型締め、
射出成形を行い、得られた成形品から加飾シートのシー
ト基材を剥離し、転写層が転写された加飾成形品を得
た。
【0034】加飾成形品は、前記コーナー部も射出樹脂
の熱圧によって十分に伸ばされ、文字部及びその周囲の
加飾シートはあまり伸ばされずに、図8に示す如く文字
の歪みがない良好なものであった。
【0035】《比較例1》実施例1において、加熱装置
の熱盤面に加熱調整材を貼着するとなく、熱盤面(加熱
面)の前面を260℃に均一に加熱した条件で行った以
外は、実施例1と同様にして加飾成形品を製造した。こ
の時、加飾シートは全面が120℃に加熱された。得ら
れた加飾成形品は、文字の部分も伸びが大きく図7の如
く文字が歪んでしまった。
【0036】《比較例2》実施例1において、加飾シー
トの加熱、及び雌型により真空形成を省略した以外は、
実施例1と同様にして加飾成形品を製造した。得られた
加飾成形品は、加飾シートが型締め時に金型によって押
し切られて破断しており、満足な結果は得られなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の加熱装置は以上説明したように
構成されているので、加飾シートを所望の加熱温度分布
に加熱して成形できる。その結果、例えば、加飾シート
に文字や図形があれば、それらに対応した部分の加熱温
度を低めに加熱することができる。その結果、該加熱装
置を備えた射出成形同時加飾装置によって得られる加飾
成形品では、歪みのない文字や図形が得られるという顕
著な効果を奏する。また、導電性層や、金属蒸着層等の
過度に層が伸ばされると性能が得られない機能性層を加
飾シートによって成形品に形成する場合においても、所
望の部分の伸びを抑えることができるので、優れた機能
性を維持した成形品が得られる。あるいは、成形品の全
面に歪みの少ない絵柄を加飾する場合には、凹凸の角部
部の加熱温度を低めに設定することにより、凹凸部分か
ら平坦部分に至るまで均一な伸びで絵柄を加飾すること
ができ、角の部分に伸びが集中しして歪みが局所的に大
きくならないという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱装置、射出成形同時加飾装置の一
実施例の断面図
【図2】本発明の加熱装置の一実施例を前面から見た図
【図3】図2の加熱装置を前面から見た図
【図4】本発明の加熱装置の別の一実施例の断面図
【図5】図4の加熱装置を前面から見た図
【図6】加飾成形品の形状の一例
【図7】従来の加熱装置による加飾成形品を示す図
【図8】本発明の加熱装置による加飾成形品を示す図
【図9】加飾シートと、それに対応した加熱温度分布の
一例を示す図
【符号の説明】
11 金型A 12 金型B 13 通気孔 14 射出孔 2 加飾シート 31 供給ロール 32 送りロール 33 巻取ロール 34 位置決めセンサ 35 クランプ 4 加熱装置 41 熱盤面 42 可動支持具 43 部分加熱体 44 支持台 45 熱盤 46 吹出孔 47 電気ヒータ 48 ソレノイド 49 支持部材 5,5a 加熱調整材 51 断熱部材 6 周壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−96568(JP,A) 特開 平5−24068(JP,A) 特開 平5−318523(JP,A) 特開 平4−341811(JP,A) 特開 昭60−4025(JP,A) 特開 昭59−199206(JP,A) 特開 昭60−11332(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/00 - 33/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気孔を有する金型Aと射出孔を有する
    金型Bよりなる一対の金型の間に加飾シートを配置し、
    加飾シートに対面する加熱装置により加熱軟化させた
    後、通気孔からの脱気による空気圧により加飾シートを
    金型Aのキャビィティ面に密着させて成形し、その後、
    型締めを行い溶融樹脂を金型内に射出し、加飾シートに
    より成形品を加飾する射出成形同時加飾方法に使用する
    加熱装置であって、該加熱装置の熱盤面に輻射率が熱盤
    面とは異なる加熱調整材を部分的に貼着し、熱盤面及び
    加熱調整材により形成される加熱面が加飾シートに対し
    て非接触となる位置に加熱装置を配置して加飾シートを
    非接触で加熱することで、加飾シートの加熱温度分布を
    成形品の形状及び/又は加飾シートの模様に対応して制
    御できるように構成されていることを特徴とする加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 通気孔を有する金型Aと射出孔を有する
    金型Bよりなる一対の金型の間に加飾シートを配置し、
    加飾シートに対面する加熱装置により加熱軟化させた
    後、通気孔からの脱気による空気圧により加飾シートを
    金型Aのキャビィティ面に密着させて成形し、その後、
    型締めを行い溶融樹脂を金型内に射出し、加飾シートに
    より成形品を加飾する射出成形同時加飾方法に使用する
    加熱装置であって、熱盤が個別に温度制御できる少なく
    とも2つ以上の部分加熱体の集合体により構成されてお
    り、各部分加熱体の加熱温度を個別に制御し、熱盤の加
    熱面が加飾シートに対して非接触となる位置に加熱装置
    を配置して加飾シートを非接触で加熱することで、加飾
    シートの加熱温度分布を成形品の形状及び/又は加飾シ
    ートの模様に対応して制御できるように構成されている
    ことを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも請求項1又は2記載の加熱装
    置を備えたことを特徴とする射出成形同時加飾装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の射出成形同時加飾装置を
    用いて、通気孔を有する金型Aと射出孔を有する金型B
    よりなる一対の金型の間に加飾シートを配置する工程、
    加熱装置の加熱面が加飾シートに対して非接触となる位
    置で加飾シートを非接触加熱で加熱軟化させる工程、加
    飾シートを空気圧により金型Aのキャビィティ面に密着
    させて成形する工程、型締めを行い溶融樹脂を金型内に
    射出する工程、型開きを行い加飾シートにより加飾され
    た成形品を得る工程、よりなる射出成形同時加飾方法で
    あって、該加熱装置による加飾シートの加熱温度を不均
    一に制御することで、成形品の形状及び/又は加飾シー
    トの模様に対応して伸びを少なくすべき部分を低温加熱
    とした加飾シートの加熱温度分布に制御することを特徴
    とする射出成形同時加飾方法。
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