JP7345945B1 - 熱成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置ズレなどが起きにくい熱成形装置の提供。【解決手段】加熱手段110によって樹脂製シートSの加熱を行い、金型200を用いて樹脂製シートSの金型賦形する熱成形装置100において、加熱手段110は、複数のヒーター111が並べられてなり、金型200の凸部200aに対応するヒーター111が構成する第1エリアA1と第2エリアA2とを有し、加熱手段110には、第1エリアA1と第2エリアA2とで異なる出力制御を可能とする加熱制御手段を備え、加熱制御手段250により、第1加熱段階として、第1エリアA1と第2エリアA2とで同じ出力による樹脂製シートSへの加熱を行い、第2加熱段階として、樹脂製シートSと金型200を近接させて凸部200aに樹脂製シートSが当接した際に、第1エリアA1は出力を下げた第1温度で、第2エリアA2は第1温度より高い第2温度で加熱する、多段式加熱制御を可能とする。【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂製シート材の熱成形における技術に関し、具体的には樹脂製シート材を輻射式加熱装置で加熱して成形する際に、部位によって加熱状況を変化させることで成形精度を向上させる技術である。
熱成形機は、加熱して軟化した樹脂製シート材を成形し、食品容器やブリスターパックを作るのに用いられる。また、自動車部品や家電、工業用トレーなど様々なプラスチック製品を作るのに利用されている。そして近年、熱成形機を用いて模様を転写したり、成形基材に外表面に接着したりといった用途にも、位置精度を求められる成形にも使われている。
特許文献1には、加飾成形品の成型方法に関する技術が公開されている。樹脂製シート材を加熱した後に予備賦形を行い、さらに樹脂製シート材の再加熱を行った後に樹脂製シート材の真空成形を行っている。つまり、2段階で賦形することで、深絞り成形でかつ小さなR形状を賦形することが可能となる。
特開昭62-255119号
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、樹脂製シート材の成形において高精度な位置合わせを行うことは困難である。樹脂製シート材を加熱することで樹脂製シート材が軟化すると、シート自体の重量によってドローダウンが生じやすく、高精度な位置合わせが難しくなる。特許文献1に示すような、予備賦形を行った後に再加熱をして更に賦形をする方法を採った場合にも、高精度な位置合わせを実現するためには、樹脂製シート材を加熱する際に十分に軟化させる必要があるため、加熱時における樹脂製シート材の波打ちやドローダウンを避けられない。そうすると、成形品の樹脂製シート材の状態によっては位置ズレが発生したり、皺ができたりする問題の発生に繋がってしまう。
このため、従来は樹脂製シート材がドローダウンしない程度の低温で樹脂製シート材を加熱した上で、例えば3MPa以上の超高圧の圧空をかけて成形する手法が採られていた。ただし、低温加熱・超高圧で透明な樹脂製シート材を成形した場合に、成形品内部に残留応力が生じて材料の透明度に影響が出ることがあった。また、成形するにあたって超高圧の圧空を維持する必要があるために、成形装置本体が高価になり易く、成形に時間がかかるという問題があった。
そこで、樹脂製シート材を用いて加熱成形する場合に、比較的低圧環境下での成形であっても位置ズレなどが起きにくい熱成形装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様による熱成形装置は、以下のような特徴を有する。
(1)輻射式加熱手段によってシートの加熱を行い、金型を用いて前記シートの金型賦形又は基材への被覆接着する熱成形装置において、
前記輻射式加熱手段は、
複数のヒーターが並べられてなり、
前記金型の凸部に対応する前記ヒーターが構成する第1エリアと、
該第1エリアを含まない前記ヒーターが構成する第2エリアと、を有し、
前記輻射式加熱手段には、
前記第1エリアと前記第2エリアとで異なる出力制御を可能とする加熱制御手段を備え、
前記加熱制御手段により、
第1加熱段階として、
前記輻射式加熱手段による前記シートへの初期加熱を行い、
第2加熱段階として、
前記シートと前記金型を近接させて前記凸部に前記シートが当接した際に、
前記第1エリアは出力を下げた低温加熱を行い、
前記第2エリアは前記第1エリアより出力を高めた高温加熱を行う、多段式加熱制御を可能とすること、
を特徴とする。
上記(1)に記載の態様により、多段式加熱制御を行う熱成形装置を用いることで比較的低圧環境下での成形であってもより位置ズレなどが起きにくい精度の高い成形を実現することが可能となる。これは、第1加熱段階でドローダウンの生じない温度となるようにシートへの初期加熱を行い、金型の凸部分にシートが当接した後に第2加熱段階として第1エリアには出力を下げた低温加熱を行い、第2エリアにはより出力を高めた高温加熱をする方式を採用したためである。
第1加熱段階で輻射式加熱装置により加熱されたシートは、予熱された金型に当接した段階で当接部分において温度変化を生じる。金型とシートが直接接触することによる温度の変化を生じるからである。この結果、一様な加熱を続けると、必要以上に温度が上がる部分と、温度が不足する部分が出てきてしまう。これに対応するためにエリア分けして必要な加熱をすることで、加工したい部分をより加熱し、加工したくない部分の加熱を抑えて、シートを任意の形に成形し易くすることが出来る。
具体的には、第1エリアを例えば位置合わせが必要な伸ばしたくない箇所とすることで、最初に金型の凸部に当接した後は、第1エリアは低温となるように低温加熱をし、変形させる部分に対応する第2エリアをより高い出力で高温加熱するような成形が可能である。このように多段加熱制御を行い、加熱すべきエリアを切り分けることで、変形させたい部分を重点的に加熱してシートを変形させることが可能となる。その結果、より形状精度の高い成形を可能とする。
(2)(1)に記載の熱成形装置において、
前記第1エリアに対応する前記シートの部分が、成形品における位置合わせが必要な部分とすること、
が好ましい。
上記(2)に記載の態様により、第1エリアに対応するシートの部分は、金型の凸部に最初に当接し、第2加熱段階で低温加熱されることになるので、成形時に変形の影響を受けにくくなる。したがって成形品として位置合わせが必要な部分、例えば印刷がなされた部分や透明窓として使われる部分を第1エリアに対応させるシートの部分とすることで、成形時に生じるズレの影響を最小限に抑えることが可能である。
(3)(1)または(2)に記載の熱成形装置において、
前記加熱制御手段は、前記シートの温度を確認する為の温度確認手段を備え、該温度確認手段により測定して得た前記シートの温度データを用いて、前記多段式加熱制御を行うこと、
が好ましい。
上記(3)に記載の態様により、放射温度計によって被測定体となるシートの温度を把握することができ、加熱制御手段によるより正確な制御を行うことができるため、形状精度の高い成形を可能とする。
(4)(1)に記載の熱成形装置において、
前記シートは、上部に配置される第1チャンバと下部に配置される第2チャンバの間に保持され、
前記シートを成形する際に、圧力制御手段を用いて前記第1チャンバ又は前記第2チャンバの内圧を任意に制御して圧空成形を行うこと、
が好ましい。
上記(4)に記載の態様により、第1チャンバに圧力を供給してシートを圧空成形又は第2チャンバの減圧を行い真空成形することができる。圧空成形又は真空成形をするにあたって、低圧から加圧して徐々に圧力を高めるような多段階の圧力制御を用いて成形を行うことで、必要以上に変形させて肉厚が薄くなってしまうような問題を回避することが可能である。
(5)(4)に記載の熱成形装置において、
前記圧力制御手段は、
前記第1チャンバに接続される第1圧力制御バルブを制御して、前記第1チャンバ内の圧力を第1加圧状態と、該第1真空状態より内圧が高い第2加圧状態とに切り替える機能、
又は、前記第2チャンバに接続される第2圧力制御バルブを制御して、前記第2チャンバ内の圧力を第1真空状態と、該第1真空状態より真空度の高い第2真空状態とに切り替える機能と、を有し、
第1加圧段階として、
前記シートと前記金型を近接させて前記凸部に前記シートが当接した後に、前記第1チャンバ内の圧力を前記第1加圧状態となるように制御し、又は前記第2チャンバ内の圧力を前記第1真空状態となるように制御し、
第2加圧段階として、
前記シートの成形の途中で、前記第1チャンバ内の圧力を前記第2加圧状態となるように制御し、又は前記第2チャンバ内の圧力を前記第2真空状態となるように制御する、多段式圧力制御を可能とすること、
が好ましい。
上記(5)に記載の態様により、圧力制御手段を用いて多段に第1チャンバ内又は第2チャンバの圧力を変化させることができるので、第2加圧段階に移行した際にシートの加熱に応じた圧空成形又は真空成形をすることができ、シートの破れや厚みが不均一になるなどの問題が発生することを抑制することが可能である。
本実施形態の、熱成形装置の概略構成についての説明図である。 本実施形態の、熱成形装置に用いるヒーターの平面図である。 本実施形態の、成形の第3工程を示す説明図である。 本実施形態の、成形の第4工程を示す説明図である。 本実施形態の、成形の第5工程を示す説明図である。 本実施形態の、ヒーターの平面図で第3工程に対応している。 本実施形態の、ヒーターの平面図で第4工程に対応している。 本実施形態の、成形手順を示すタイムチャートである。 本実施形態の、熱成形装置のシステムの概略図である。
まず、本発明に係る実施形態の熱成形装置100の構成の概略について説明をする。図1は、本実施形態の、熱成形装置100の概略構成について説明する説明図である。熱成形装置100は、第1チャンバ101、第2チャンバ102、加熱手段110、及び金型200を有している。第1チャンバ101と第2チャンバ102で、成形対象となる樹脂製シートSを保持し、上側に配置された加熱手段110で加熱しながら成形をする構成の熱成形装置100である。
熱成形装置100の、第1チャンバ101及び第2チャンバ102には、それぞれ後述するコンプレッサーや真空ポンプが接続され、コンプレッサーや真空ポンプを作動させることで第1チャンバ101及び第2チャンバ102内の圧力調整を行うことができる。第1チャンバ101は下方に開口し、第2チャンバ102は上方に開口し、第1チャンバ101と第2チャンバ102を昇降させることで樹脂製シートSを挟み込むことのできる構造とすることで、樹脂製シートSを保持する。
第1チャンバ101には、図示しないコンプレッサーや加圧タンクが接続され、後述する第1バルブV1を第1配管P1の途中に備えることで、第1チャンバ101内部を任意の圧力に加圧することができる。第2チャンバ102には、図示しない真空ポンプが接続され、後述する第2バルブV2を第2配管P2の途中に備えることで、第2チャンバ102内部を任意の圧力に減圧することができる。第1チャンバ101及び第2チャンバ102は、樹脂製シートSの成形時に行う加圧・及び減圧した際に生じる内圧に耐えられる構造である。第1バルブV1及び第2バルブV2は、任意に圧力制御が可能な圧力制御バルブを用いている。
樹脂製シートSは、熱可塑性樹脂のポリカーボネートよりなり、厚さ300μm程度の矩形にカットされたシート材を採用している。この材質や厚みはあくまで一形態の例示である為、樹脂製シートSの材質や厚みはこれに限定されるものではないが、本発明は比較的薄手の樹脂シート加工における問題解決を目指すものである為、被加工物となる樹脂製シートSの厚みは250μm~500μm程度のシート材を用いることを想定している。なお、厚手の板材に用いることを妨げるものではなく、本発明を厚手の板材の成形に適用したとしても、有効な効果を奏することが期待できる。
図2に、熱成形装置100に用いているヒーターの平面図を示す。加熱手段110は、樹脂製シートSの上方に配置されて、樹脂製シートSを上面から加熱する目的で用いられる輻射式加熱を行うヒーター111群であり、図2に示すように、上側昇降装置120の下面にヒーター111がタイル状に並べられてなる。図2では、説明の為に4行8列に整列するように描いているが、必要に応じてこれを増減することを妨げない。行列を増やすことで、より細かい形状に対応できるようになる。
加熱手段110は、上側昇降装置120に保持されており、上側昇降装置120は後述する第1駆動装置121によって、第1チャンバ101内を任意の高さに加熱手段110を移動可能な構成となっている。また、それぞれのヒーター111は、後述する加熱制御手段250に接続されて任意に出力調整することができる。
上側昇降装置120の上部には、上側昇降装置120及び加熱手段110に設けられた隙間より、樹脂製シートSの表面を狙って温度を測定する温度計(S1、S2)が設けられている。第1温度計S1及び第2温度計S2は樹脂製シートSの温度を非接触で測定する放射温度計を用いている。なお、温度計は後述する理由から必要に応じた数を設置する。
金型200は、後述する第2駆動装置211によって任意の高さに昇降可能な下側昇降装置210に保持されており樹脂製シートSの成形に用いる。金型200には凸部200aが形成されている。凸部200aは樹脂製シートSより成形されて作られる成形品Mの、例えば模様が印刷されてズレが生じたら困る部分や、透明度が必要で内部歪みが生じたら困るような部分に対応する部分としている。便宜的に金型200の凸部200a以外の部分については、便宜的に低部200bと定義する。
そして、金型200の凸部200aは、図2に示す加熱手段110のうち第1エリアA1に対応している。第1エリアA1は図2において二点鎖線で囲まれた4枚のヒーター111が含まれる領域で、それ以外の領域を第2エリアA2としている。金型200は、凸部200aとそれ以外の低部200bよりなり、加熱手段110の第2エリアA2は、低部200b及びその周りに樹脂製シートSが当接する部分に対応する。なお、この加熱手段110の領域を2つより増やすことを妨げない。
図9に、熱成形装置のシステムの概略図を示す。加熱手段110は説明の都合で作図を省略しているが、ヒーター111がそれぞれ加熱制御手段250に接続されている。また、加熱制御手段250には、第1温度計S1及び第2温度計S2が接続され、ヒーター111の制御のトリガーに温度計(S1及びS2)のデータを用いている。第1温度計S1は第1エリアA1に対応するシートの部分を狙い、第2温度計S2は第2エリアA2に対応するシートの部分を狙うように設置されている。なお、温度計の数を必要に応じて増やすことを妨げない。加熱手段110を、第1エリアA1及び第2エリアA2に加えて更にエリアを増やした場合に、それに応じて温度計を増やし、加熱制御手段250に利用することが可能である。
上側昇降装置120を駆動させる第1駆動装置121と、下側昇降装置210を駆動させる第2駆動装置211は、駆動制御手段260に接続されている。第1チャンバ101及び第2チャンバ102は、図9には描いていないがそれぞれに接続する第1バルブV1及び第2バルブV2は圧力制御手段270に接続されている。そして、これら加熱制御手段250、駆動制御手段260及び圧力制御手段270は制御盤300に備えられている。
次に、樹脂製シートSの成形する手順について説明を行う。成形の様子は図1、図3乃至図5で示しており、成形は、図1、図3、図4、図5の順に行われる。図8に、成形時における各機能を制御するタイムチャートのイメージを示す。横軸には時間経過t1~t6を示し、工程を区切っている。以下に、第1工程Pr1乃至第6工程Pr6に分けて、図8に基づいてそれぞれの機器の動作について説明する。
まず、第1工程Pr1では、図1に示すように投入された樹脂製シートSを第1チャンバ101及び第2チャンバ102で挟持するように、第1チャンバ101及び第2チャンバ102が閉じられる。
次に、第2工程Pr2では、上側昇降装置120を降下させた位置に加熱手段110を保持し、樹脂製シートSに対して上側から加熱する(図1の状態)。加熱手段110は、ヒーター111を用いた初期加熱を行う。この際の加熱は、樹脂製シートSが少し軟化する程度とし、第1温度計S1及び第2温度計S2で設定温度に達することを確認するまで加熱を行う。本実施形態では樹脂製シートSをポリカーボネートとしており、その軟化温度は150度程度なので、この時点で第1加熱段階として、ポリカーボネートが熱変形を始める140度前後の温度まで加熱する。この際には、素早く樹脂製シートSの加熱を完了したいので、ヒーター111の点火率(出力)は100%に設定している。
次に、第3工程Pr3では、図3に示すように、上側昇降装置120を上昇させて加熱手段110を持ち上げる(図8では「ヒーター」と表記)と共に、下側昇降装置210によって金型200を上昇させて樹脂製シートSに当接させる(図8ではテーブルと表記)。この際に、金型200の凸部200aが、金型200の他の部分(低部200b)より先に樹脂製シートSに当接する。こうして、樹脂製シートSを加熱手段110で加熱しながら当接させることで、樹脂製シートSを変形させる。ここで、金型200の方が低め(120度程度)に加熱されているため、凸部200aが樹脂製シートSに当接することで、部分的に温度が下がる。
この際に、加熱制御手段250によって、図6に示すように、いずれのヒーター111も同じ出力での加熱を行う第1加熱段階から、図7に示すように、第2加熱段階として第1エリアA1と第2エリアA2とで温度設定を変えて加熱する状態に切り替える。ここで、図7に示す第1エリアA1は、加熱手段110の金型200の凸部200aと対応する位置であり、第2エリアA2はそれ以外の位置である。第1エリアA1に対応するヒーター111は、第3工程Pr3の時に引き続き点火率10%とし、第2エリアA2を含むそれ以外(第1エリアA1に対応するヒーター111を囲む位置に配置された)のヒーター111の点火率は50%としている。したがって、低部200bに当接させる樹脂製シートSの部分を積極的に加熱することになる。
次に、第4工程Pr4では、樹脂製シートSの表面温度が170度に到達したことをトリガーとして(第2温度計S2にて検出)、第1チャンバ101に加圧し、第2チャンバ102を減圧し始め、成形を開始する。第4工程Pr4は所定時間、経過時間t3から経過時間t4まで第1チャンバ101への加圧は第1バルブV1によって供給する圧縮空気の空気量を絞り(図8では「上微圧空」と表記)、第2チャンバ102の減圧は第2バルブV2によって排気する空気量を絞って(図8では「下微真空」と表記)低圧での成形を行う。第1バルブV1と第2バルブV2は圧力制御手段270によってその開度が制御される。具体的には、第1チャンバ101内の圧力は、0.1MPaとなるように制御され、第2チャンバ102内の圧力は、-0.05MPaとなるように制御されている。
次に、第5工程Pr5では、図5に示すように、第1チャンバ101への圧縮空気の供給量を増やし(図8では「上圧空」と表記)、第2チャンバ102からの排気する空気量を増やし(図8では「下本真空」と表記)て、つまり、第1バルブV1及び第2バルブV2を開放して、前の工程よりも高い圧力での成形を行う。ここで、図8に示すように、第1バルブV1の開放タイミングは、第2バルブV2の開放タイミングに遅れて制御されている。具体的には、第1チャンバ101内の圧力は0.7MPaとなるように制御され、第2チャンバ102内の圧力は-0.1MPaとなるように制御される。
最後に、第6工程Pr6では、第1チャンバ101及び第2チャンバ102の内圧を大気圧に戻す。その後、第1チャンバ101及び第2チャンバ102を開放して、樹脂製シートSを圧空成形した成形品Mの取り出しを行う。
本実施形態の熱成形装置100は上記構成であるため、以下に示すような作用及び効果を奏する。
まず、位置ズレなどが起きにくい、より高い精度の成形品Mの圧空成形が可能となる。これは、輻射式加熱装置(加熱手段110)によって樹脂製シートSの加熱を行い、金型200を用いて樹脂製シートSの金型賦形する熱成形装置100において、加熱手段110は、複数のヒーター111が並べられてなり、金型200の凸部200aに対応するヒーター111が構成する第1エリアA1と、第1エリアA1を含まないヒーター111が構成する第2エリアA2と、を有し、加熱手段110には、第1エリアA1と第2エリアA2とで異なる出力制御を可能とする加熱制御手段を備えている。
そして、加熱制御手段250により、第1加熱段階として、第1エリアA1と第2エリアA2とで同じ出力による樹脂製シートSへの加熱を行い、第2加熱段階として、樹脂製シートSと金型200を近接させて凸部200aに樹脂製シートSが当接した際に、第1エリアA1は出力を下げた第1温度で、第2エリアA2は第1温度より高い第2温度で加熱する、多段式加熱制御を可能とすることで精度の高い成形を実現する。
つまり、第1加熱段階で速やかに樹脂製シートSの加熱を、ドローダウンしない温度にまで加熱した段階で金型200を樹脂製シートSに接触させることで、樹脂製シートSのドローダウンを防ぐ事ができる。更に、加熱する箇所をエリア分けして、加熱手段110に低温で加熱する第1エリアA1と、第1エリアA1より高温で加熱する第2エリアA2を設けることで、変形させる必要のある樹脂製シートSの部分を第2エリアA2に必要な加熱をすることで、変形させることが可能となる。したがって、結果的に加熱制御手段250でヒーター111を制御しながら多段階加熱を行うことで、樹脂製シートSのドローダウンを防いで成形品Mの成形精度を高めることが可能となる。
この際に、第1エリアA1に対応する樹脂製シートSの部分に、位置合わせが必要な部分、例えば樹脂製シートSの表面に印刷がなされており、ズレを生じると成形品Mとして整形された時に製品の性能に影響が出る場合や、成形時に生じる歪の影響で透明度に影響が出るような部分とすることで、ズレを生じたり内部歪の影響で透明部分が透過しづらくなったりすることを防ぐことができる。第1エリアA1に対応する樹脂製シートSの部分は、金型200の凸部200aに成形するにあたって最初に当接する部分となる。そして、第1エリアA1は第2加熱段階にて出力を第2エリアA2より更に絞るので、加熱しすぎて樹脂製シートSを必要以上に変形させ、場合によっては皺が寄ったり破れたりすることを防ぎ、樹脂製シートSを狙った形状に成形することが可能である。
また、圧空成形は、図8に示すように多段階でのチャンバ内圧の制御をした成形を行っている。一番下に示す「真空圧力」のグラフは、経過時間t3から経過時間t4までは、第2チャンバ102内の圧力が低圧(-0.05MPa)で成形をしていることを示している。この時には、上述するように、第1チャンバ101には「上微圧空」の制御をONにして、内圧が0.1MPaとなるように圧力制御手段270によって第1配管P1からの圧縮空気を第1バルブV1で絞りながら供給し、第2チャンバ102には「下微真空」の制御をONにして、内圧が-0.05MPaとなるように圧力制御手段270によって第2配管P2からの排気を第2バルブV2で絞りながら行っている。これが第1加圧段階である。
次に、経過時間t4から経過時間t5まではより高圧(第1チャンバ101内は0.7Mpaで、第2チャンバ102内は-0.1MPaとなるように制御)で熱成形をする第2加圧段階に移る。このように多段階の加圧をすることで、精密な成形が可能になる。いきなり高圧の圧空を行うと樹脂製シートSが必要以上に薄くなったり破れたりするなどの問題に繋がりやすいので、多段階加圧をすることで成形品Mの厚みを均一する成形を実現している。
このように多段階加熱と多段階加圧を組み合わせて樹脂製シートSをチャンバ内圧の制御を行いながら熱成形することで、加熱時の樹脂製シートSのドローダウンを防ぎ、成形時に金型200にしっかりと樹脂製シートSを押し付けて形状精度の高い成形を実現することが可能となる。そして、従来のような低温加熱・超高圧を用いて樹脂製シートSを行う必要が無くなることで、装置校製を単純化でき、コストの低減にも期待ができる。
以上、本発明に係る熱成形装置100に関する説明をしたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、例示した材質や温度は、適宜変更することを妨げない。また、温度勾配をさらに付けたければ、第2加熱段階で加熱手段110を樹脂製シートSに近接させることで、より樹脂製シートS上での温度勾配をハッキリつけることができる。凹凸が多く複雑な形状に成形するためには、第2加熱段階でのヒーター111の移動は有効である。逆に、加熱手段110を樹脂製シートSから遠ざければ温度勾配は緩やかにすることができる。
また、多段階加熱として、第1加熱段階において、樹脂製シートSに対する初期加熱には、ヒーター111の点火率を100%にすると説明しているが、必要に応じて加熱手段110を第1エリアA1、第2エリアA2とは異なるエリア分けをして、或いは第1エリアA1、第2エリアA2のエリア分けに応じて点火率を変えて加熱することを妨げない。例えば、樹脂製シートSの周囲よりも中央部分の点火率を低く設定することで、樹脂製シートSの加熱を均一に行う様なことが考えられる。こうした第1加熱段階に求められるのは、樹脂製シートSへのスムーズな加熱とドローダウンなどの問題が生じないような工夫であるため、その後、第2加熱段階に求められる特定の部位の昇温を極力下げておきたいという目的とは異なる。本発明ではこうした第1加熱段階と第2加熱段階とで異なる加熱条件を設定した多段階加熱を行うことで、樹脂製シートSの高精度な成形を実現している。
また、本実施形態では金型200を用いた金型賦形の例を示しているが、基材に対して樹脂製シートSを被覆接着する熱成形に対しても本発明を用いることを妨げるものではない。本発明を金型賦形に用いる場合であっても、基材に対する樹脂製シートSの密着性を高めることができ、より精度の高い成形を実現することができる。また、本実施形態では第1加熱段階や第2加熱段階のトリガーに、第1温度計S1及び第2温度計S2より得たデータを用いている。しかしながら、温度データをトリガーにする方法とは別に、時間をトリガーにしたり、真空度を見てトリガーにしたりすることは考えられるので、適宜変更することを妨げない。
また、本実施形態では熱成形装置100の第1チャンバ101及び第2チャンバ102の内圧について例示し、図8でそのタイミングについて説明を行っている。しかしながら、第1加圧段階では低圧に、第2加圧段階ではより高圧にするという多段階の制御をすることが発明の要旨なので、樹脂製シートSの厚みや温度に合わせて適宜その数値を多少増減することを妨げない。
S 樹脂製シート
A1 第1エリア
A2 第2エリア
100 熱成形装置
110 加熱手段
111 ヒーター
250 加熱制御手段
200 金型
200a 凸部

Claims (4)

  1. 輻射式加熱手段によってシートの加熱を行い、金型を用いて前記シートの金型賦形又は基材への被覆接着する熱成形装置において、
    前記輻射式加熱手段は、
    複数のヒーターが並べられてなり、
    前記金型の凸部に対応する前記ヒーターが構成する第1エリアと、
    該第1エリアを含まない前記ヒーターが構成する第2エリアと、を有し、
    前記輻射式加熱手段には、
    前記第1エリアと前記第2エリアとで異なる出力制御を可能とする加熱制御手段を備え、
    前記加熱制御手段により、
    第1加熱段階として、
    前記輻射式加熱手段による前記シートへの初期加熱を行い、
    第2加熱段階として、
    前記シートと前記金型を近接させて前記凸部に前記シートが当接した際に、
    前記第1エリアは出力を下げた低温加熱を行い、
    前記第2エリアは前記第1エリアより出力を高めた高温加熱を行う、前記第1加熱段階と前記第2加熱段階とで異なる加熱条件を設定した多段式加熱制御を可能とすること、
    を特徴とする熱成形装置。
  2. 請求項1に記載の熱成形装置において、
    前記第1エリアに対応する前記シートの部分が、成形品における位置合わせが必要な部分とすること、
    を特徴とする熱成形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱成形装置において、
    前記加熱制御手段は、前記シートの温度を確認する為の温度確認手段を備え、該温度確認手段により測定して得た前記シートの温度データを用いて、前記多段式加熱制御を行うこと、
    を特徴とする熱成形装置。
  4. 請求項1に記載の熱成形装置において、
    前記シートは、上部に配置される第1チャンバと下部に配置される第2チャンバの間に保持され、
    前記シートを成形する際に、圧力制御手段を用いて前記第1チャンバ又は前記第2チャンバの内圧を任意に制御して圧空成形を行うこと、
    を特徴とする熱成形装置。
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