JPH11103653A

JPH11103653A - 汎用コンバイン

Info

Publication number: JPH11103653A
Application number: JP27624397A
Authority: JP
Inventors: Kenji Hamada; 健二浜田; Masami Nakamura; 正美中村; Toshinori Kirihata; 俊紀桐畑; Atsushi Terajima; 淳寺島; Junichi Shono; 潤一正野; Yuichi Niifuku; 勇一新福
Original assignee: Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Current assignee: Yanmar Co Ltd
Priority date: 1997-10-08
Filing date: 1997-10-08
Publication date: 1999-04-20

Abstract

(57)【要約】【課題】スクリュー型のロータを具備する汎用コンバ
インにおいて、脱穀部への穀稈の取り込みと穀粒の収率
とを良くし、穀稈の詰まりを防止する。【解決手段】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、上記２個のロータを同一方向に回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、汎用コンバインに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自走可能の走行部に、刈取部と、
スクリュー羽根を外周に突設したスクリュー型のロータ
とその下方に受網を配置して構成した脱穀部とを配設し
て、圃場を走行しながら刈取部で刈取った穀稈を、上記
ロータの回転によって受網上を搬送しながら脱穀するよ
うにした汎用コンバインがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記汎用コ
ンバインでは、スクリュー型のロータに刈取部から供給
される穀稈を取り込むための取り込み羽根を設けてはい
るが、穀稈の搬送方向とロータの回転軸線方向とが平行
しているため脱穀部への取り込み難く、そのため、この
部分での詰まりが発生しやすいという不具合があった。

【０００４】また、ロータの長さに制限されて、刈取穀
稈を脱穀処理するための搬送長さを十分にとることがで
きないため、扱残しが発生しやすいという不具合があ
る。

【０００５】また、刈取部から送給される穀稈の量が増
大すると、受網上面を搬送される穀稈の層が厚くなりす
ぎて、受網に接する穀稈のみが脱穀され、ロータ側の穀
稈は脱穀されず、扱残しが発生するという不具合があ
る。

【０００６】また、単に脱穀部に複数のロータを配置し
たのでは、刈取穀稈を脱穀処理するための搬送長さを長
くしただけでは、脱穀に要する動力が大きくなるだけ
で、処理穀稈の量が増大した際の不具合等を解決でき
ず、各ロータ間の穀稈の受渡しが円滑を欠いた際の穀稈
の詰まりや、扱残し、ロータのメンテナンスが面倒にな
るなどの問題がある。

【０００７】更に、複数のロータを配設して脱穀部の占
有スペースが大きくなるため、グレンタンクの容量を大
きくできないという問題がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、脱
穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方
向に対して直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロ
ータを上記の順で前方から後方にかけて並設し、上記２
個のロータを同一方向に回転させることを特徴とする汎
用コンバインを提供せんとするものである。

【０００９】また、次のような特徴を併せ有するもので
ある。

【００１０】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、上記２個のロータを互いに反対方向に回転さ
せること。

【００１１】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、上記２個のロータの外径を異ならせたこと。

【００１２】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、各ロータの下方にそれぞれ第１・第２受網を
配置して脱穀処理路を形成し、第１受網の最下部を第２
受網の最下部よりも高位置に設定したこと。

【００１３】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、第２ロータに突設した第２スクリュー羽根の
突出量を、第１ロータに突設した第１スクリュー羽根の
突出量よりも大きくしたこと。

【００１４】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、上記各ロータの上方にグレンタンクを設け
て、各ロータ間の上方に形成される側面視略Ｖ字形状の
空間に、グレンタンク中の穀粒を排出する排出コンベア
を配置したこと。

【００１５】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、第２ロータの回転周速度を、第１ロータの回
転周速度よりも高速としたこと。

【００１６】脱穀部の内部に、それぞれ回転軸芯を水
平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリュー
型の第１・第２ロータを上記の順で前方から後方にかけ
て並設し、第１・第２ロータの下方にそれぞれ第１・第
２受網を配置し、これらの受網の網目の大きさを異なら
せたこと。

【００１７】脱穀部の前後部に、それぞれ左右方向に伸
延した前後スライドレールを架設し、同前後スライドレ
ールにてスライド枠体を左右摺動自在に支持し、同スラ
イド枠体の内部にロータを軸支したこと。

【００１８】

【発明の実施の形態】本実施例では、脱穀部に２個のス
クリュー型のロータを配設し、脱穀部に搬入された穀稈
を、これらのロータで順次脱穀処理することにより、扱
残しが発生しないようにしている。

【００１９】また、脱穀部の２個のロータの回転軸線
を、機体の進行方向、即ち、脱穀部への穀稈の搬送方向
に直交して配置して、脱穀部に搬入された穀稈が最初の
ロータ外周面のスクリュー羽根に直接圧接されるように
して、穀稈の取込み性を向上している。

【００２０】また、２個のロータの回転方向を異ならせ
て、ロータ間の穀稈受け渡しの際に穀稈の層を反転さ
せ、それまでロータに接して脱粒されなかった穀稈の層
を受網に圧接させることで、処理穀稈の量が増加しても
扱残しが発生しないようにしている。

【００２１】また、上記第１ロータの外径を大径とし、
第２ロータの外径を小径として、各ロータにそれぞれ別
途の役割を分担させる。即ち、第１ロータには主として
脱粒を行わせ、第２ロータには排藁の搬送を行わせるよ
うにして、消費動力の節減と、脱穀部の小型軽量化をは
かっている。

【００２２】また、第１受網最下部を後方の受網の最下
部よりも高位置に配置して、各ロータ間の穀稈の受渡し
を円滑にしている。

【００２３】また、第２ロータのスクリュー羽根の高さ
を、第１ロータのスクリュー羽根の高さよりも大きくし
て、第２ロータの穀稈処理スペースを拡大することで、
第２ロータでの穀稈のほぐれを良くして、刺さり粒等に
よる穀粒のロスを防止し、更に、各ロータ間の穀稈受渡
しの際の詰まりを防止するようにしている。

【００２４】また、第２ロータのロータの回転周速を、
第１ロータのロータの回転周速よりも速くし、第２ロー
タでの搬送速度を高めることで、処理穀稈の層を薄くし
て、刺さり粒等による穀粒のロスを防止し、更に、各ロ
ータ間の穀稈受渡しの際の詰まりを防止するようにして
いる。

【００２５】また、脱穀部に略矩形状のスライド枠体を
左右方向抜差し自在に配設し、同スライド枠体の内部に
ロータを軸支して、ロータをスライド枠体ごと機体の外
部に引出し可能としすることで、メンテナンスやロータ
の取付作業を容易にしている

【００２６】。

【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。

【００２７】図１は、本発明に係る汎用コンバインＡの
第１実施例を示しており、同汎用コンバインＡは、走行
部１の上方に、本機Ｂを搭載し、同本機Ｂの前方に刈取
部３と搬送部４とを昇降自在に突設している。

【００２８】走行部１は、左右一対の走行フレーム11の
前後端部に、それぞれ従動輪12と駆動輪13とを軸支し、
同走行フレーム11の下面に複数の転動輪14を軸支して、
これらの外周に履帯15を巻回して、クローラ式の走行部
１を構成している。

【００２９】また、本機Ｂと走行フレーム11との間に左
右傾動機構16を介設しており、同左右傾動機構16は、本
機Ｂの下面前後部にそれぞれ左右方向に伸延した枢軸1
7,17を架設し、各枢軸17,17 にそれぞれ略Ｌ字形状の昇
降アーム18,18 の屈折部を回動自在に枢着し、各昇降ア
ーム18,18 の前端部を走行フレーム11の前後部にそれぞ
れ回動自在に枢着し、更に、各昇降アーム18,18 の上端
部同志を連結杆19を介して連結して、本機Ｂに対し走行
部１を平行状態を保持したままで上下移動できるように
しており、各昇降アーム18,18 の上端部と本機Ｂとの間
に傾動用油圧シリンダ20を介装して、同傾動用油圧シリ
ンダ20の伸縮作動により、左右の走行フレーム11,11 を
個別に上下移動させて、一方の走行部１がぬかるみ等で
沈み込んでも、本機Ｂの水平を保持できるようにしてい
る。

【００３０】刈取部３は、プラットホーム30の前端縁に
刈刃装置31を配置し、同刈刃装置31の上方に昇降リンク
32を介して掻込みリール33を配置して、刈刃装置31が刈
取った穀稈をプラットホーム30中に掻込むようにしてい
る。また、プラットホーム30の内部に左右方向に伸延し
た横送りオーガ34を軸支し、同横送りオーガ34の回転に
よりプラットホーム30の中央からやや左よりの位置に刈
取穀稈を集積するようにしている。図中、21は分草板で
ある。

【００３１】搬送部４は、前記搬送部４後面の刈取穀稈
集積位置にフィーダハウス35の前端部を連通連結し、同
フィーダハウス35の後端部を後述する脱穀部５の穀稈入
口36に上下回動自在に連通連結しており、フィーダハウ
ス35の内部に配設した刈取穀稈コンベア37により、フィ
ーダハウス35中の刈取穀稈を脱穀部５に搬送するように
している。また、フィーダハウス35下面と本機Ｂとの間
に昇降用油圧シリンダ38を介設して、同昇降用油圧シリ
ンダ38の伸縮作動により、刈取部３と搬送部４とを昇降
させるようにしている。

【００３２】前記フィーダハウス35の上方には、内部に
運転席39や走行ハンドル40等を収納したキャビン41を配
置しており、同キャビンが本機Ｂの前中央上部に位置し
ているので視界が良好であり、特に、刈取部３前方の視
界が良好であるから、刈取状態の確認が容易である。

【００３３】キャビン41の後方には、脱穀部５が配設さ
れており、同脱穀部５は、図１及び図２で示すように、
大径の第１ロータ51と小径の第２ロータ52とを、軸芯を
水平、かつ、進行方向と直交させて軸支しており、各ロ
ータ51,52 の外周面にそれぞれ第１・第２スクリュー羽
根53,54 を突設しており、第１・第２ロータ51,52 の下
方には、それぞれ第１・第２スクリュー羽根53,54 から
所定間隙を保持して第１・第２受網55,56 を配設して第
１・第２扱室D1,D2 を構成し、上記第１・第２ロータ5
1,52 の間に仕切壁57を設け、第２ロータ52の後方に後
壁58を設け、上記仕切壁57の右側端部に連通口59を設
け、後壁58の左側端部に排藁排出口60を設けて脱穀処理
路61を形成している。

【００３４】そして、第１ロータ51の回転により、フィ
ーダハウス35から送給された刈取穀稈を第１受網55上に
引き込み、第１受網55上を右側方向に搬送しながら脱穀
処理し、連通口59を介して第２受網56上に送り込み、第
２ロータ52の回転により刈取穀稈を折り返し左側方向に
搬送しながら脱穀処理し、第１・第２受網55,56 を通過
した藁屑混じりの穀粒を後述する揺動選別部７に落下さ
せ、第１・第２受網55,56 上に残留した排藁を排藁排出
口60から機外に排出するようにしている。

【００３５】上記のように、脱穀部５に第１・第２ロー
タ51,52 を配設して、搬入された穀稈を順次脱穀処理す
るようにしているので、扱残し等による穀粒の損失を防
止することができる。また、第１・第２ロータ51,52 を
進行方向に対し直交して配置しているので、脱穀処理長
さを長くしたにもかかわらず機体の前後長を短くでき、
大径の第１ロータ51がフィーダハウス35からの刈取穀稈
の搬入方向と直交しているので、穀稈の脱穀部５への取
込みが良好になり、第２ロータ52を小径にしているの
で、刺さり粒等の未処理の部分まで完全に脱穀処理する
ことができ、排藁に混入して穀粒が排出されるのを防止
することができる。

【００３６】揺動選別部７は、脱穀部５の下方に配設さ
れており、同揺動選別部７は、図１で示すように、揺動
機構71により一体的に揺動する流殻板72やグレンシーブ
73やチャフシーブ74等と、流殻板72の下方に配設した唐
箕75とで構成されており、脱穀部５から流殻板72上に落
下した藁屑混じりの穀粒からグレンシーブ73により藁屑
と微塵混じりの穀粒とに分離し、藁屑を排藁排出口60か
ら機外に排出し、微塵混じりの穀粒を、グレンシーブ73
とチャフシーブ74との下面に沿って流れる唐箕75からの
選別風によって穀粒と微塵とに分離し、微塵を排藁排出
口60から機外に排出し、穀粒のうち１番物を１番樋76か
ら１番コンベア77と揚殻筒78とを介してグレンタンク79
に移送・貯溜し、２番物を２番樋80から還元コンベア81
を介して揺動選別部７の前部に環流させるようにしてい
る。

【００３７】グレンタンク79は、図１で示すように、側
面視略逆三角形状に形成され、第２ロータ52の前端上方
から揺動選別部７の後端上方にかけて配置されており、
同グレンタンク79の最下部に排出コンベア82を左右方向
に伸延させて配置し、同排出コンベア82の終端を排出オ
ーガ83の始端を回動自在に連通連結して、同排出オーガ
83の終端を任意の位置に移動できるようにして、グレン
タンク79中の穀粒をトラックの荷台等に移送する際の便
をはかっている。

【００３８】グレンタンク79の後方には、エンジン84を
配設しており、同エンジン84下方にミッションケース85
を配設している。

【００３９】次に、エンジン84からの動力伝達につい
て、図１を参照して説明する。エンジン84の左側面に突
出した出力軸86に多連プーリ87を嵌着し、同多連プーリ
87と第２ロータ52に連結した第２ロータプーリ91とを、
ベルト88と中継プーリ89とを介して連動連結し、第２ロ
ータプーリ91と第１ロータ51に連結した第１ロータプー
リ90とを、袈裟掛けしたベルト88を介して連動連結し、
第１ロータプーリ90をフィーダハウス35の後端部に軸支
した刈取部入力プーリ92にベルト88を介して連動連結し
て、第１・第２ロータ51,52 と、刈刃装置31、横送りオ
ーガ34及び刈取穀稈コンベア37とを駆動するようにして
いる。また、第２ロータプーリ91と１番コンベア77と還
元コンベア81とをベルト88を介して連動連結して、１番
コンベア77と還元コンベア81とを駆動するようにし、更
に、第１ロータプーリ90と揺動選別部７の選別部入力プ
ーリ93とベルト88を介して連動連結して、揺動選別部７
を駆動するようにしている。

【００４０】また、多連プーリ87とミッションケース85
の側面に突設した走行部入力プーリ94とをベルトを介し
て連動連結している。

【００４１】図中、95はテンションプーリ、96はテンシ
ョンクラッチであり、同テンションクラッチ96の断接に
より、汎用コンバインＡの走行作動と、刈取・脱穀・選
別作動と、穀粒排出作動とを個別に行わせたり、これら
を組合わせて行わせることができる。

【００４２】かかる汎用コンバインＡにおいて、本発明
の要旨となるのは、第１・第２ロータプーリ90,91 間の
ベルト88を袈裟掛けにして、第１・第２ロータ51,52 を
同一方向に回転させるようにしており、第１・第２ロー
タ51,52 を同一方向に回転させることで、刈取穀稈の第
１受網55上への取込みが良好になり、第１・第２ロータ
51,52 により、刈取穀稈が左右方向に往復移動する間
に、２段階に処理されて脱穀処理が完全に行われる。

【００４３】即ち、第１・第２ロータ51,52 の外径を異
ならせて脱穀処理の役割を分担させるようにし、例え
ば、第１ロータ51を大径として、穀稈の取込みと脱穀を
主として行わせ、第２ロータ52を小径として、排稈の搬
送を主として行わせるなどの役割分担を行わせて、脱穀
処理に要する動力を節減し、脱穀部５を小型軽量化し
て、汎用コンバインＡ全体のレイアウトをコンパクトに
まとめることができる。

【００４４】また、第２ロータ52を高速回転させて同第
２ロータ52の回転周速度を、第１ロータ51の回転周速度
よりも高速にして扱残しを減少させると共に、第２ロー
タ52の穀稈搬送速度を速くして搬送物の層を薄くし、刺
さり粒を解消している。

【００４５】なお、第１ロータ51の回転周速度を高速に
すると、脱ぷが発生して脱穀物の品質が低下するので、
第１ロータ51の回転周速度をあまり高速にできない。

【００４６】また、第１・第２スクリュー羽根53,54 の
外周には、図３及び図４で示すように、多数の扱歯53a
を突設して、穀稈を効果的に切断するようにしている。

【００４７】図５及び図６は、第２実施例を示してお
り、この実施例では、第２ロータプーリ91と第２ロータ
52とを逆転ギヤボックス100 を介し連動連結して、第１
・第２ロータ51,52 を逆方向に回転させるようにしてお
り、第１・第２ロータ51,52 を逆方向に回転させること
で、刈取穀稈の供給量が増加して第１ロータ51と第１受
網55間の穀稈の層が厚くなって、第１受網55に接した部
分だけが脱粒され、第１ロータ51に接する部分が脱粒さ
れない場合でも、第２ロータ52が逆回転しているので、
穀稈の層が反転して、それまで第１ロータ51に接してい
た部分が第２受網56に接するようになり、扱残しのない
完全な脱穀処理を行うことができる。

【００４８】図７は、第３実施例を示しており、この実
施例では、第１受網55の下面最下部を高位置に、第２受
網56の下面最下部を低位置に、高低差ｈを設けて設定す
ることで、第１ロータ51から第２ロータ52への穀稈の移
送を円滑にしている。

【００４９】図８は、第４実施例を示しており、この実
施例では、第２ロータ52の第２スクリュー羽根54の突出
量h2を、第１ロータ51の第１スクリュー羽根54の突出量
h1よりも高くし、第２ロータ52と第２受網56とで形成さ
れる空間を拡大して穀稈のほぐれを良くし、穀稈と穀粒
との分離を良くして、穀粒のロスを防止するようにして
いる。

【００５０】図９は、第５実施例を示しており、この実
施例では、グレンタンク79の前部を第１ロータ51の上方
まで延出させると共に、底壁110 を側面視略逆三角形状
に形成して、同底壁110 の最下部を第１・第２ロータ5
1,52 で形成された側面視略逆三角形状の空間に挿入し
て、グレンタンク79の容量を増大させている。

【００５１】図１０は、第６実施例を示しており、この
実施例では、第１受網55の網目を第２受網56の網目より
も細かくして、枝梗付きの穀粒が揺動選別部７に落下す
るのを防止すると共に、脱穀処理に要する動力を節減す
るようにしている。

【００５２】図１１〜図１３は、第７実施例を示してお
り、この実施例では、脱穀部５の前後部に、それぞれ内
側方向に開口した前後スライドレール121,122 を左右方
向に伸延させて架設し、前後スライドレール121,122 の
開口内部に、平面視略矩形状のスライド枠体123 の前後
枠124,125 を左右摺動自在に挿入し、同スライド枠体12
3 の左右枠126,127 の中央部にそれぞれ左右軸受128,12
9 を設けて、同左右軸受128,129 よりロータ130 の中心
を左右方向に挿通したロータ軸131 の左右端部を軸支す
るようにしており、同ロータ軸131 の入力プーリ132 側
端部と、入力プーリ132 の中心部から内側方向に延出し
た入力軸133 の内側端部とを、抜差し自在にスプライン
嵌合して、図１３で示すように、ロータ130 をスライド
枠体123と一緒に横方向に引出可能として、ロータ130
の取付作業やメンテナンス作業を容易にすることができ
る。図中、134 は入力軸133 を軸支するために左枠体12
6二設けた軸受、135 はロータ130 の下方に配置した受
網である。

【００５３】

【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得るこ
とができる。

【００５４】請求項１記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、上記２個のロータ
を同一方向に回転させることによって、脱穀部に搬入さ
れた穀稈を、２個のロータで順次脱穀処理して、扱残し
等による穀粒の損失を防止することができる。また、第
１・第２ロータを進行方向に対し直交して配置している
ので、脱穀処理長さを長くしたにもかかわらず機体の前
後長を短くでき、最初のロータが刈取穀稈の搬入方向と
直交しているので、穀稈の脱穀部への取込みが良好にな
る。

【００５５】請求項２記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、上記２個のロータ
を互いに反対方向に回転させることによって、脱穀部へ
の刈取穀稈の供給量が増加して、第１ロータと第１受網
間の穀稈の層が厚くなって、第１受網に接した部分だけ
が脱粒され、第１ロータに接する部分が脱粒されない場
合でも、第２ロータが逆回転しているので、穀稈の層が
反転して、それまで第１ロータに接していた部分が第２
受網に接するようになり、扱残しのない完全な脱穀処理
を行うことができる。

【００５６】請求項３記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、上記２個のロータ
の外径を異ならせたことによって、各ロータに脱穀処理
場の役割分担を行わせることができ、例えば、第１ロー
タを大径として、穀稈の取込みと脱穀を主として行わ
せ、第２ロータを小径として、排藁の搬送を主として行
わせることができ、脱穀処理に要する動力を節減し、脱
穀部を小型軽量化して、汎用コンバイン全体のレイアウ
トをコンパクトにまとめることができる。

【００５７】請求項４記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、各ロータの下方に
それぞれ第１・第２受網を配置して脱穀処理路を形成
し、第１受網の最下部を第２受網の最下部よりも高位置
に設定したことによって、第１ロータから第２ロータへ
の穀稈の移送を円滑にすることができる。

【００５８】請求項５記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、第２ロータに突設
した第２スクリュー羽根の突出量を、第１ロータに突設
した第１スクリュー羽根の突出量よりも大きくしたこと
によって、第２ロータと第２受網とで形成される脱穀処
理空間を拡大して穀稈のほぐれを良くし、穀稈と穀粒と
の分離を良くして、穀粒のロスを防止することができ
る。

【００５９】請求項６記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、上記各ロータの上
方にグレンタンクを設けて、各ロータ間の上方に形成さ
れる側面視略Ｖ字形状の空間に、グレンタンク中の穀粒
を排出する排出コンベアを配置したことによって、グレ
ンタンクの底壁を、第１・第２ロータで形成された側面
視略逆三角形状の空間に挿入して、同グレンタンクの容
量を増大することができる。

【００６０】請求項７記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、第２ロータの回転
周速度を、第１ロータの回転周速度よりも高速としたこ
とによって、脱ぷの発生による脱穀物の品質の低下を防
止しながら、扱残しを減少と、刺さり粒等が原因の穀粒
のロスを防止することができる。

【００６１】請求項８記載の発明では、脱穀部の内部
に、それぞれ回転軸芯を水平、かつ、進行方向に対して
直角方向としたスクリュー型の第１・第２ロータを上記
の順で前方から後方にかけて並設し、第１・第２ロータ
の下方にそれぞれ第１・第２受網を配置し、これらの受
網の網目の大きさを異ならせたことによって、枝梗付き
の穀粒が揺動選別部に落下するのを防止して、脱穀処理
効率を向上すると共に、脱穀処理に要する動力を節減す
ることができる。

【００６２】請求項９記載の発明では、脱穀部の前後部
に、それぞれ左右方向に伸延した前後スライドレールを
架設し、同前後スライドレールにてスライド枠体を左右
摺動自在に支持し、同スライド枠体の内部にロータを軸
支したことによって、ロータをスライド枠体と一緒に横
方向に引出可能となり、ロータの取付作業やメンテナン
ス作業を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る汎用コンバインの側面図（第１実
施例）。

【図２】刈取部及び脱穀部の平面図（第１実施例）。

【図３】ロータの正面図

【図４】ロータの側面図。

【図５】本発明に係る汎用コンバインの平面図（第２実
施例）。

【図６】本発明に係る汎用コンバインの側面図（第２実
施例）。

【図７】本発明に係る汎用コンバインの側面図（第３実
施例）。

【図８】刈取部及び脱穀部の平面図（第４実施例）。

【図９】本発明に係る汎用コンバインの側面図（第５実
施例）。

【図１０】受網の平面図（第６実施例）。

【図１１】ロータの側面図（第７実施例）。

【図１２】ロータの正面図（第７実施例）。

【図１３】ロータの正面図（第７実施例、ロータ引出し
状態）。

【符号の説明】Ａ汎用コンバインｈ高低差 h1 突出量 h2 突出量 51 第１ロータ 52 第２ロータ 53 第１スクリュー羽根 54 第２スクリュー羽根 55 第１受網 56 第２受網 61 脱穀処理路 79 グレンタンク 82 排出コンベア 121 前スライドレール 122 後スライドレール 123 スライド枠体 130 ロータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者寺島淳大阪府大阪市北区茶屋町１番32号ヤンマー農機株式会社内 (72)発明者正野潤一大阪府大阪市北区茶屋町１番32号ヤンマー農機株式会社内 (72)発明者新福勇一大阪府大阪市北区茶屋町１番32号ヤンマー農機株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、上記２個のロータ(51)(52)を同
一方向に回転させることを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項２】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、上記２個のロータ(51)(52)を互
いに反対方向に回転させることを特徴とする汎用コンバ
イン。
【請求項３】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、上記２個のロータ(51)(52)の外
径を異ならせたことを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項４】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、各ロータ(51)(52)の下方にそれ
ぞれ第１・第２受網(55)(56)を配置して脱穀処理路(61)
を形成し、第１受網(55)の最下部を第２受網(56)の最下
部よりも高位置に設定したことを特徴とする汎用コンバ
イン。
【請求項５】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、第２ロータ(52)に突設した第２
スクリュー羽根(54)の突出量(h2)を、第１ロータ(51)に
突設した第１スクリュー羽根(53)の突出量(h1)よりも大
きくしたことを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項６】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、上記各ロータ(51)(52)の上方に
グレンタンク(79)を設けて、各ロータ(51)(52)間の上方
に形成される側面視略Ｖ字形状の空間に、グレンタンク
(79)中の穀粒を排出する排出コンベア(82)を配置したこ
とを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項７】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、第２ロータ(52)の回転周速度
を、第１ロータ(51)の回転周速度よりも高速としたこと
を特徴とする汎用コンバイン。
【請求項８】脱穀部(5) の内部に、それぞれ回転軸芯
を水平、かつ、進行方向に対して直角方向としたスクリ
ュー型の第１・第２ロータ(51)(52)を上記の順で前方か
ら後方にかけて並設し、第１・第２ロータ(51)(52)の下
方にそれぞれ第１・第２受網(55)(56)を配置し、これら
の受網(55)(56)の網目の大きさを異ならせたことを特徴
とする汎用コンバイン。
【請求項９】脱穀部(5) の前後部に、それぞれ左右方
向に伸延した前後スライドレール(121)(122)を架設し、
同前後スライドレール(121)(122)にてスライド枠体(12
3) を左右摺動自在に支持し、同スライド枠体(123) の
内部にロータ(130) を軸支したことを特徴とする汎用コ
ンバイン。