JPH11100665A - スパッタリング装置 - Google Patents
スパッタリング装置Info
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- JPH11100665A JPH11100665A JP21503398A JP21503398A JPH11100665A JP H11100665 A JPH11100665 A JP H11100665A JP 21503398 A JP21503398 A JP 21503398A JP 21503398 A JP21503398 A JP 21503398A JP H11100665 A JPH11100665 A JP H11100665A
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- sputtering apparatus
- shield
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- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、スパッタリング中にカソードシー
ルドからのターゲット素材の堆積膜が剥離するのを防止
することができるスパッタリング装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明のスパッタリング装置では、カソ
ードシールドが、母材(15)とこの母材(15)の上
に形成された金属を素材とする多層の膜(16,17)
から構成される。母材(15)と多層の膜(16,1
7)の素材は、このカソードシールドの表面に近づくほ
どそれぞれの熱膨張係数が増加するように選択される。
最上層の膜(17)の素材は、その熱膨張係数がターゲ
ットの素材の熱膨張係数よりも小さな値となるように選
択される。
ルドからのターゲット素材の堆積膜が剥離するのを防止
することができるスパッタリング装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明のスパッタリング装置では、カソ
ードシールドが、母材(15)とこの母材(15)の上
に形成された金属を素材とする多層の膜(16,17)
から構成される。母材(15)と多層の膜(16,1
7)の素材は、このカソードシールドの表面に近づくほ
どそれぞれの熱膨張係数が増加するように選択される。
最上層の膜(17)の素材は、その熱膨張係数がターゲ
ットの素材の熱膨張係数よりも小さな値となるように選
択される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置や光デ
ィスクなどの物品の加工に利用されるスパッタリング装
置に関するもので、特に、シールド上に堆積したターゲ
ット素材がスパッタの際に剥離して製品の品質を劣化さ
せるのを防止することができるスパッタリング装置に関
する。
ィスクなどの物品の加工に利用されるスパッタリング装
置に関するもので、特に、シールド上に堆積したターゲ
ット素材がスパッタの際に剥離して製品の品質を劣化さ
せるのを防止することができるスパッタリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置や光ディスクなどの物
品の加工装置として、スパッタリング装置が使用されて
いる。このスパッタリング装置は、アルゴンなどの不活
性ガスを充填した密封容器内に、カソードを兼ねたター
ゲットとアノードを兼ねた半導体基板などの被加工物品
とが対向して配置されている。カソードとアノード間に
直流電圧を印加すると、両電極間の放電によって発生し
た不活性ガスのイオンがターゲットに衝突し、ターゲッ
トから飛び出したターゲットの素材の原子等がアノード
を兼ねた被加工物品に衝突し、その物品の表面に堆積す
る。
品の加工装置として、スパッタリング装置が使用されて
いる。このスパッタリング装置は、アルゴンなどの不活
性ガスを充填した密封容器内に、カソードを兼ねたター
ゲットとアノードを兼ねた半導体基板などの被加工物品
とが対向して配置されている。カソードとアノード間に
直流電圧を印加すると、両電極間の放電によって発生し
た不活性ガスのイオンがターゲットに衝突し、ターゲッ
トから飛び出したターゲットの素材の原子等がアノード
を兼ねた被加工物品に衝突し、その物品の表面に堆積す
る。
【0003】上記スパッタリング装置では、ターゲット
の周囲部にはカソードシールドが、また被加工物品の周
辺にはアノードシールドが設置される。これに伴い、シ
ールドの表面にターゲットの素材が付着して堆積膜が形
成される。このシールドとその表面に形成された堆積膜
は、放電時の荷電粒子の衝突や輻射熱などによって加熱
され、その表面温度は150℃程度にも達する。また、
放電を停止するとシールドとその表面の堆積膜は熱伝導
などにより冷却され定常状態の50℃程度になる。この
ように、堆積膜が加熱と冷却を繰り返し受けながらシー
ルドの表面に成長していく。この場合の温度変動幅は5
0〜150℃となる。
の周囲部にはカソードシールドが、また被加工物品の周
辺にはアノードシールドが設置される。これに伴い、シ
ールドの表面にターゲットの素材が付着して堆積膜が形
成される。このシールドとその表面に形成された堆積膜
は、放電時の荷電粒子の衝突や輻射熱などによって加熱
され、その表面温度は150℃程度にも達する。また、
放電を停止するとシールドとその表面の堆積膜は熱伝導
などにより冷却され定常状態の50℃程度になる。この
ように、堆積膜が加熱と冷却を繰り返し受けながらシー
ルドの表面に成長していく。この場合の温度変動幅は5
0〜150℃となる。
【0004】シールドとその表面に堆積される堆積膜の
温度変動幅が上記のように大きいと、両者の間の熱膨張
係数の差により両者の境界面に大きな熱応力が発生す
る。この熱応力により、堆積膜に局部的な亀裂や剥離が
生じ、堆積膜がシールド表面から脱落する。シールドか
ら脱落した堆積膜の小片や微粉がスパッタリング中の半
導体ウエハなどの被加工物品の表面に取り込まれると、
製品不良(歩留まり低下)の原因となる。従って、堆積
膜のシールドからの剥離を防止するための対策が必要に
なる。
温度変動幅が上記のように大きいと、両者の間の熱膨張
係数の差により両者の境界面に大きな熱応力が発生す
る。この熱応力により、堆積膜に局部的な亀裂や剥離が
生じ、堆積膜がシールド表面から脱落する。シールドか
ら脱落した堆積膜の小片や微粉がスパッタリング中の半
導体ウエハなどの被加工物品の表面に取り込まれると、
製品不良(歩留まり低下)の原因となる。従って、堆積
膜のシールドからの剥離を防止するための対策が必要に
なる。
【0005】堆積膜の剥離を防止する対策の一つとし
て、堆積膜のシールドへの密着性の向上を図ることが考
えられている。例えばAl(アルミニウム)系のターゲ
ットを使用する場合には、シールドの母材をステンレス
鋼(SUS)とし、この母材の表面にブラストショット
を施して表面粗さを高めることにより、堆積膜の密着性
が確保される。また、高融点のTiWなどのターゲット
を使用する場合には、シールドの母材をSUSとし、こ
の母材の表面に単層のA1溶射膜を形成することによ
り、堆積膜の密着性が確保される。
て、堆積膜のシールドへの密着性の向上を図ることが考
えられている。例えばAl(アルミニウム)系のターゲ
ットを使用する場合には、シールドの母材をステンレス
鋼(SUS)とし、この母材の表面にブラストショット
を施して表面粗さを高めることにより、堆積膜の密着性
が確保される。また、高融点のTiWなどのターゲット
を使用する場合には、シールドの母材をSUSとし、こ
の母材の表面に単層のA1溶射膜を形成することによ
り、堆積膜の密着性が確保される。
【0006】シールドとその表面に形成されるターゲッ
トの素材の堆積膜との間に発生する熱応力を低減するた
めの他の解決手段として、上記の温度変動幅を小さくす
ることも有効である。例えば、特開平8−74, 047
号公報には、カソードシールドの素材をアルミニウムや
無酸化銅などの高い熱伝導率(2W/ cm.deg以上)の素
材で構成することにより、カソードシールドが高温にな
るのを抑制し、温度変動幅を小さくすることが記載され
ている。
トの素材の堆積膜との間に発生する熱応力を低減するた
めの他の解決手段として、上記の温度変動幅を小さくす
ることも有効である。例えば、特開平8−74, 047
号公報には、カソードシールドの素材をアルミニウムや
無酸化銅などの高い熱伝導率(2W/ cm.deg以上)の素
材で構成することにより、カソードシールドが高温にな
るのを抑制し、温度変動幅を小さくすることが記載され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のスパッ
タリング装置で講じられてきたシールドからの堆積膜の
剥離を防止するための対策だけでは不十分であり、この
ため、堆積膜の剥離に伴う製品の品質の劣化を十分に防
止できないという問題がある。
タリング装置で講じられてきたシールドからの堆積膜の
剥離を防止するための対策だけでは不十分であり、この
ため、堆積膜の剥離に伴う製品の品質の劣化を十分に防
止できないという問題がある。
【0008】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、シールドからの堆積膜の剥離を十分に防止で
きるスパッタリング装置を提供することを目的とするも
のである。
のであり、シールドからの堆積膜の剥離を十分に防止で
きるスパッタリング装置を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決する本発明のスパッタリング装置は、半導体基板その
他の加工対象の物品との間に放電を生じ得るように配置
されたターゲットと、このターゲットの周縁部及び被加
工物品の周囲に配置されたシールドとを備えたスパッタ
リング装置において、前記シールドは、母材とこの母材
の表面に形成された金属を素材とする多層の膜から成る
ことを特徴とするものである。
決する本発明のスパッタリング装置は、半導体基板その
他の加工対象の物品との間に放電を生じ得るように配置
されたターゲットと、このターゲットの周縁部及び被加
工物品の周囲に配置されたシールドとを備えたスパッタ
リング装置において、前記シールドは、母材とこの母材
の表面に形成された金属を素材とする多層の膜から成る
ことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のスパッタリング装置は、上
記シールドを構成する母材と多層の膜のそれぞれの熱膨
張係数が、表面に近づくほど増加するように選択されて
いることを特徴とするものである。
記シールドを構成する母材と多層の膜のそれぞれの熱膨
張係数が、表面に近づくほど増加するように選択されて
いることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のスパッタリング装置は、前
記シールドを形成する多層の膜のうち最上層の膜の素材
の熱膨張係数が前記ターゲットの素材の熱膨張係数と同
じか或いはその熱膨張係数よりも小さな値となるように
選択されたことを特徴とするものである。
記シールドを形成する多層の膜のうち最上層の膜の素材
の熱膨張係数が前記ターゲットの素材の熱膨張係数と同
じか或いはその熱膨張係数よりも小さな値となるように
選択されたことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のスパッタリング装置は、上
記多層の膜のそれぞれが、溶射によって形成されている
ことを特徴とするものである。上層膜と下層膜とを溶射
することにより、粗い表面が形成される。下層膜の粗い
表面によってその上に形成される上層膜との密着性が向
上し、上層膜の粗い表面によってその上に形成されるタ
ーゲット素材の薄膜との密着性が向上する。
記多層の膜のそれぞれが、溶射によって形成されている
ことを特徴とするものである。上層膜と下層膜とを溶射
することにより、粗い表面が形成される。下層膜の粗い
表面によってその上に形成される上層膜との密着性が向
上し、上層膜の粗い表面によってその上に形成されるタ
ーゲット素材の薄膜との密着性が向上する。
【0013】また、本発明のスパッタリング装置は、前
記多層の膜のそれぞれの表面粗さが80Rz.μm〜1
50Rz.μmであることを特徴とするものである。
記多層の膜のそれぞれの表面粗さが80Rz.μm〜1
50Rz.μmであることを特徴とするものである。
【0014】また、本発明のスパッタリング装置は、タ
ーゲットの素材がTiWであり、前記母材がステンレス
鋼又はアルミニウム合金であり、上記多層の膜が、厚さ
50μm〜300μmの銅の溶射膜から成る下層膜と、
厚さ100μm 〜300μmの銅とアルミニウムの溶射
膜から成る上層膜とから構成されることを特徴とするも
のである。
ーゲットの素材がTiWであり、前記母材がステンレス
鋼又はアルミニウム合金であり、上記多層の膜が、厚さ
50μm〜300μmの銅の溶射膜から成る下層膜と、
厚さ100μm 〜300μmの銅とアルミニウムの溶射
膜から成る上層膜とから構成されることを特徴とするも
のである。
【0015】また、本発明のスパッタリング装置は、堆
積膜の剥離を防止できるようにターゲット材料に応じて
前記銅とアルミニウムの合金の比率が設定されているこ
とを特徴とするものである。
積膜の剥離を防止できるようにターゲット材料に応じて
前記銅とアルミニウムの合金の比率が設定されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、本発明のスパッタリング装置は、前
記シールドが、使用後のシールドを、ブラストショット
により表面に堆積した薄膜と前記銅とアルミニウムとの
合金の溶射膜とを除去し、また酸性溶液により前記銅の
溶射膜を除去して、再利用したものであることを特徴と
するものである。
記シールドが、使用後のシールドを、ブラストショット
により表面に堆積した薄膜と前記銅とアルミニウムとの
合金の溶射膜とを除去し、また酸性溶液により前記銅の
溶射膜を除去して、再利用したものであることを特徴と
するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。図3は、本発明の一実施
形態のスパッタリング装置の構成を示す概略図である。
このスパッタリング装置は、成膜室である真空チャンバ
ー1と、この真空チャンバー1内の真空状態を制御する
真空制御部2と、プラズマ放電用のDC高圧電源3と、
このDC高圧電源3と電源ライン4で接続されているス
パッタリング・カソード部5と、このスパッタリング・
カソード5と所定間隔を保ってかつこれに対向して配置
されているアノード6と、スパッタガスであるAr(ア
ルゴン)などを真空チャンバー1内に供給するためのス
パッタガス供給部7とから構成されている。
実施の形態について説明する。図3は、本発明の一実施
形態のスパッタリング装置の構成を示す概略図である。
このスパッタリング装置は、成膜室である真空チャンバ
ー1と、この真空チャンバー1内の真空状態を制御する
真空制御部2と、プラズマ放電用のDC高圧電源3と、
このDC高圧電源3と電源ライン4で接続されているス
パッタリング・カソード部5と、このスパッタリング・
カソード5と所定間隔を保ってかつこれに対向して配置
されているアノード6と、スパッタガスであるAr(ア
ルゴン)などを真空チャンバー1内に供給するためのス
パッタガス供給部7とから構成されている。
【0018】スパッタリング・カソード部5のバッキン
グプレート12上にはターゲット板11が配置される。
このターゲット板11に対向するアノード6上には、ス
パッタリング・カソード部5と対向して被加工物品(被
成膜体)の半導体ウエハ8が保持されている。
グプレート12上にはターゲット板11が配置される。
このターゲット板11に対向するアノード6上には、ス
パッタリング・カソード部5と対向して被加工物品(被
成膜体)の半導体ウエハ8が保持されている。
【0019】図2は、図3のスパッタリング・カソード
部5の構成を更に詳細に示す図である。このスパッタリ
ング・カソード部5は、カソードを兼ねたMoSiやT
iWのターゲット材料から成るターゲット板11と、こ
のターゲット板11が載置固定されるバッキングプレー
ト12と、このバッキングプレート12の背後に配置さ
れる磁石系13と、ターゲット板11の外周部にこのタ
ーゲット板11に近接して配置されたカソードシールド
14とから構成されている。
部5の構成を更に詳細に示す図である。このスパッタリ
ング・カソード部5は、カソードを兼ねたMoSiやT
iWのターゲット材料から成るターゲット板11と、こ
のターゲット板11が載置固定されるバッキングプレー
ト12と、このバッキングプレート12の背後に配置さ
れる磁石系13と、ターゲット板11の外周部にこのタ
ーゲット板11に近接して配置されたカソードシールド
14とから構成されている。
【0020】カソードシールド14は、ターゲット板1
1の周縁からわずかに離間して配置されている。このカ
ソードシールド14は、円盤形状のターゲット板11を
包囲できるようほぼリング形状を呈している。
1の周縁からわずかに離間して配置されている。このカ
ソードシールド14は、円盤形状のターゲット板11を
包囲できるようほぼリング形状を呈している。
【0021】真空チャンバー1内を真空制御部2により
十分良好な真空状態とした後、スパッタガス供給部7か
らスパッタガスであるAr等を所要の圧力となるまで導
入する。この状態で、DC高圧電源3からバッキングプ
レート12、ターゲット板11に所定の負電位を印加す
ると、電極対を形成するバッキングプレート12とアノ
ード6間に電界が発生し、電極対間にグロー放電が生じ
る。このグロー放電によってイオン化したArガスがタ
ーゲット板11をスパッタリングする。
十分良好な真空状態とした後、スパッタガス供給部7か
らスパッタガスであるAr等を所要の圧力となるまで導
入する。この状態で、DC高圧電源3からバッキングプ
レート12、ターゲット板11に所定の負電位を印加す
ると、電極対を形成するバッキングプレート12とアノ
ード6間に電界が発生し、電極対間にグロー放電が生じ
る。このグロー放電によってイオン化したArガスがタ
ーゲット板11をスパッタリングする。
【0022】その結果、ターゲット板11からターゲッ
トの素材が原子などの状態で叩き出され、アノード6の
表面に配置された半導体ウエハ8の表面に衝突し、ここ
に堆積されてターゲット素材の薄膜が形成される。この
ターゲット素材の薄膜は、同時にカソードシールド14
及びアノードシールドの表面にも堆積する。
トの素材が原子などの状態で叩き出され、アノード6の
表面に配置された半導体ウエハ8の表面に衝突し、ここ
に堆積されてターゲット素材の薄膜が形成される。この
ターゲット素材の薄膜は、同時にカソードシールド14
及びアノードシールドの表面にも堆積する。
【0023】このカソードシールド14及びアノードシ
ールドは、グロー放電が開始した後に輻射熱や電子・荷
電粒子の衝突によって加熱され、グロー放電の中止後に
熱伝導及び熱拡散により冷却される。この加熱・冷却の
反復に伴い、カソードシールド14及びアノードシール
ドの温度は80℃から250℃の範囲を変動し、平均温
度は200℃前後となる。
ールドは、グロー放電が開始した後に輻射熱や電子・荷
電粒子の衝突によって加熱され、グロー放電の中止後に
熱伝導及び熱拡散により冷却される。この加熱・冷却の
反復に伴い、カソードシールド14及びアノードシール
ドの温度は80℃から250℃の範囲を変動し、平均温
度は200℃前後となる。
【0024】図1は、本発明によるカソードシールド1
4の構造の一例を示す図である。カソードシールド14
は、母材15の上に厚さ50μm 〜300μm のCu
(銅)の溶射膜16、このCuの溶射膜の上に厚さ10
0μm 〜300μm のCuとAl(アルミニウム)の合
金の溶射膜17が形成されている。母材15として、ス
テンレススチール(鋼)やアルミニウムを用いる。ステ
ンレススチールは、導電性を有し高温での耐久性が最も
優れている。アルミニウムは、高温における耐久性はス
テンレススチールに比べて劣るが、熱伝導に関してはス
テンレススチールよりも優れている。
4の構造の一例を示す図である。カソードシールド14
は、母材15の上に厚さ50μm 〜300μm のCu
(銅)の溶射膜16、このCuの溶射膜の上に厚さ10
0μm 〜300μm のCuとAl(アルミニウム)の合
金の溶射膜17が形成されている。母材15として、ス
テンレススチール(鋼)やアルミニウムを用いる。ステ
ンレススチールは、導電性を有し高温での耐久性が最も
優れている。アルミニウムは、高温における耐久性はス
テンレススチールに比べて劣るが、熱伝導に関してはス
テンレススチールよりも優れている。
【0025】カソードシールドの母材15表面へのCu
の溶射膜16や、CuとAlの合金の溶射膜17の形成
方法は、アルゴンとヘリウムとの雰囲気中で、Cuや、
CuとAlの合金の粉末をプラズマ状態で100℃〜2
00℃で溶射するものである。Cuの溶射膜16、Cu
とAlの合金の溶射膜17は、各々、プラズマ状態で溶
射することにより表面粗さが80Rz.μm 〜150R
z.μm となる。
の溶射膜16や、CuとAlの合金の溶射膜17の形成
方法は、アルゴンとヘリウムとの雰囲気中で、Cuや、
CuとAlの合金の粉末をプラズマ状態で100℃〜2
00℃で溶射するものである。Cuの溶射膜16、Cu
とAlの合金の溶射膜17は、各々、プラズマ状態で溶
射することにより表面粗さが80Rz.μm 〜150R
z.μm となる。
【0026】この溶射膜の表面粗さによって、Cuの溶
射膜16と、CuとAlの合金の溶射膜17との密着性
が良好になると共に、CuとAlの合金の溶射膜17
と、その表面に堆積するターゲットの素材であるMoS
iやTiWなどの薄膜との密着性も良好になる。Cuと
Alの合金の溶射膜17とMoSiやTiWなどの薄膜
との密着性が良好なことから、CuとAlの合金の溶射
膜17の表面が滑面の状態に比べて、MoSiやTiW
などの薄膜が溶射膜17から剥離・脱落し難くなる。M
oSiやTiWなどの薄膜が剥離・脱落し難くなると、
半導体ウエハ8に薄膜を形成する過程においてMoSi
やTiWなどの薄膜の断片や微粉の発生が抑制され、ス
パッタリング装置のカソードシールド14の寿命は5倍
〜10倍程度に延びる。
射膜16と、CuとAlの合金の溶射膜17との密着性
が良好になると共に、CuとAlの合金の溶射膜17
と、その表面に堆積するターゲットの素材であるMoS
iやTiWなどの薄膜との密着性も良好になる。Cuと
Alの合金の溶射膜17とMoSiやTiWなどの薄膜
との密着性が良好なことから、CuとAlの合金の溶射
膜17の表面が滑面の状態に比べて、MoSiやTiW
などの薄膜が溶射膜17から剥離・脱落し難くなる。M
oSiやTiWなどの薄膜が剥離・脱落し難くなると、
半導体ウエハ8に薄膜を形成する過程においてMoSi
やTiWなどの薄膜の断片や微粉の発生が抑制され、ス
パッタリング装置のカソードシールド14の寿命は5倍
〜10倍程度に延びる。
【0027】本実施形態のカソードシールド14は、従
来技術とは異なり多層構造を呈している。多層構造を採
用した第1の理由は、カソードシールド14の再利用に
際しての利点があるからである。第2の理由は、カソー
ドシールド14とその表面に堆積しているMoSiやT
iWなどの薄膜の表面から内部にかけて亀裂や剥離が生
じるのを防ぎ、堆積したMoSiやTiWなどの薄膜の
断片や微粉をスパッタリング中の半導体ウエハ8が取り
込んで製品が不良となるのを(歩留落ち)防ぐためであ
る。
来技術とは異なり多層構造を呈している。多層構造を採
用した第1の理由は、カソードシールド14の再利用に
際しての利点があるからである。第2の理由は、カソー
ドシールド14とその表面に堆積しているMoSiやT
iWなどの薄膜の表面から内部にかけて亀裂や剥離が生
じるのを防ぎ、堆積したMoSiやTiWなどの薄膜の
断片や微粉をスパッタリング中の半導体ウエハ8が取り
込んで製品が不良となるのを(歩留落ち)防ぐためであ
る。
【0028】次に、多層構造のカソードシールド14の
再利用に際しての利点について詳述する。カソードシー
ルド14の表面に堆積したMoSiやTiWなどの薄膜
が、ターゲット板11の周縁に達するまでに成長する
と、カソードシールド14を新品と交換する必要があ
る。交換した古いカソードシールド14の表面から、ブ
ラストショットによってMoSiやTiWなどの薄膜と
CuとAlの合金の溶射膜17とが除去される。
再利用に際しての利点について詳述する。カソードシー
ルド14の表面に堆積したMoSiやTiWなどの薄膜
が、ターゲット板11の周縁に達するまでに成長する
と、カソードシールド14を新品と交換する必要があ
る。交換した古いカソードシールド14の表面から、ブ
ラストショットによってMoSiやTiWなどの薄膜と
CuとAlの合金の溶射膜17とが除去される。
【0029】続いて、カソードシールドが酸性薬液に浸
され、Cuの溶射膜16が除去される。酸性薬液として
は、Cu溶射膜16を溶解し易く、母材15を溶解しに
くいものを用いるのが望ましい。しかしながら、Cu溶
射膜16と母材15の色彩が異なる場合には、溶解中に
目視で境界面を判別できるので、薬液としてCu溶射膜
16だけでなくカソードシールドの母材15をも溶解す
るものを使用することができる。このように、多層構造
のカソードシールド14に対してブラストショットと溶
解という異なる除去方法を適用することにより、シール
ドの母材15の損傷を最小限に留めながらカソードシー
ルドを何回も再利用できる。
され、Cuの溶射膜16が除去される。酸性薬液として
は、Cu溶射膜16を溶解し易く、母材15を溶解しに
くいものを用いるのが望ましい。しかしながら、Cu溶
射膜16と母材15の色彩が異なる場合には、溶解中に
目視で境界面を判別できるので、薬液としてCu溶射膜
16だけでなくカソードシールドの母材15をも溶解す
るものを使用することができる。このように、多層構造
のカソードシールド14に対してブラストショットと溶
解という異なる除去方法を適用することにより、シール
ドの母材15の損傷を最小限に留めながらカソードシー
ルドを何回も再利用できる。
【0030】さらに、本実施形態のカソードシールド1
4は、熱膨張係数の異なる層が積層された特殊な多層構
造を呈している。このカソードシールドの母材15がス
テンレス鋼の場合には、母材15、Cu溶射膜16及び
CuAlの合金の溶射膜17のそれぞれの線熱膨張係数
は同順に、16.4×10-6/℃、20.0×10-6/
℃、20.0〜29.0×10-6/℃と表層に向かって
順に増加する。
4は、熱膨張係数の異なる層が積層された特殊な多層構
造を呈している。このカソードシールドの母材15がス
テンレス鋼の場合には、母材15、Cu溶射膜16及び
CuAlの合金の溶射膜17のそれぞれの線熱膨張係数
は同順に、16.4×10-6/℃、20.0×10-6/
℃、20.0〜29.0×10-6/℃と表層に向かって
順に増加する。
【0031】前述したように、カソードシールド14の
温度は、グロー放電の開始や中断に伴って50℃から1
50℃の幅を変動する。このように、温度変動幅が大き
いため、カソードシールド14と、その表面に堆積した
MoSiやTiWなどの薄膜との熱膨張係数の差異によ
り、それぞれの境界面に大きな熱応力が発生する。従来
技術では、上記熱応力によってMoSiやTiWなどの
薄膜の表面から内部にかけて亀裂が生じたり、その薄膜
が剥離したりして、MoSiやTiWなどの薄膜の断片
や微粉が発生した。本実施形態の特徴は、カソードシー
ルド14が熱膨張係数の異なる多層構造となっていて、
しかも熱膨張率はカソードシールド14の表面に向かっ
て順に増加する点である。
温度は、グロー放電の開始や中断に伴って50℃から1
50℃の幅を変動する。このように、温度変動幅が大き
いため、カソードシールド14と、その表面に堆積した
MoSiやTiWなどの薄膜との熱膨張係数の差異によ
り、それぞれの境界面に大きな熱応力が発生する。従来
技術では、上記熱応力によってMoSiやTiWなどの
薄膜の表面から内部にかけて亀裂が生じたり、その薄膜
が剥離したりして、MoSiやTiWなどの薄膜の断片
や微粉が発生した。本実施形態の特徴は、カソードシー
ルド14が熱膨張係数の異なる多層構造となっていて、
しかも熱膨張率はカソードシールド14の表面に向かっ
て順に増加する点である。
【0032】この実施形態によれば、温度変動幅が50
℃から150℃と大きい場合でも、CuAlの合金の溶
射膜17の温度変動による伸縮が、溶射膜17よりも小
さな熱膨張係数のCu溶射膜16によって緩衝される。
さらに、Cu溶射膜16の温度変動による伸縮は、溶射
膜16よりも熱膨張係数が小さな母材15によって抑制
される。TiWのターゲット材料の場合、TiWの薄膜
がカソードシールド14の表面、すなわちCuAlの合
金の溶射膜17上に堆積することになる。この場合、C
uAlの合金の溶射膜17の熱膨張係数をTiWの熱膨
張係数よりも若干小さな値とするために、合金の組成が
Cu10%とAl90%に設定される。このように、カ
ソードシールド14の各層の熱膨張係数が表面に向かっ
て順に大きくなるように構成することにより、温度変動
による伸縮を緩衝し、さらに、付着・堆積するMoSi
やTiWなどの薄膜の熱膨張係数に比べて、最上層のC
uAl合金の溶射膜17の熱膨張係数を同一又は若干小
さくすることにより、CuAlの合金の溶射膜17とM
oSiやTiWなどとの間の熱応力が大幅に緩和され、
MoSiやTiWなどのカソードシールドへの密着性が
向上する。この密着性の向上に伴い、ターゲット材料の
薄膜の亀裂やカソードシールド14からの剥離が生じな
くなる。
℃から150℃と大きい場合でも、CuAlの合金の溶
射膜17の温度変動による伸縮が、溶射膜17よりも小
さな熱膨張係数のCu溶射膜16によって緩衝される。
さらに、Cu溶射膜16の温度変動による伸縮は、溶射
膜16よりも熱膨張係数が小さな母材15によって抑制
される。TiWのターゲット材料の場合、TiWの薄膜
がカソードシールド14の表面、すなわちCuAlの合
金の溶射膜17上に堆積することになる。この場合、C
uAlの合金の溶射膜17の熱膨張係数をTiWの熱膨
張係数よりも若干小さな値とするために、合金の組成が
Cu10%とAl90%に設定される。このように、カ
ソードシールド14の各層の熱膨張係数が表面に向かっ
て順に大きくなるように構成することにより、温度変動
による伸縮を緩衝し、さらに、付着・堆積するMoSi
やTiWなどの薄膜の熱膨張係数に比べて、最上層のC
uAl合金の溶射膜17の熱膨張係数を同一又は若干小
さくすることにより、CuAlの合金の溶射膜17とM
oSiやTiWなどとの間の熱応力が大幅に緩和され、
MoSiやTiWなどのカソードシールドへの密着性が
向上する。この密着性の向上に伴い、ターゲット材料の
薄膜の亀裂やカソードシールド14からの剥離が生じな
くなる。
【0033】なお、CuAlの溶射膜17の厚みを10
0μm 〜300μm としたのは、次の理由による。ま
ず、この厚みが100μm 未満であると、カソードシー
ルド14を再利用する際にブラストショットによって溶
射膜17の厚み以上に除去されてシールド母材15の表
面が必要以上に凹凸状態になるという不利な点がある。
次に、300μm よりも大きいと、温度変動による伸縮
が熱膨張係数の低いCu溶射膜16によって干渉するこ
とができなくなり、MoSiやTiWなどの薄膜に亀裂
が生じたり、カソードシールド14から剥離したりする
からである。
0μm 〜300μm としたのは、次の理由による。ま
ず、この厚みが100μm 未満であると、カソードシー
ルド14を再利用する際にブラストショットによって溶
射膜17の厚み以上に除去されてシールド母材15の表
面が必要以上に凹凸状態になるという不利な点がある。
次に、300μm よりも大きいと、温度変動による伸縮
が熱膨張係数の低いCu溶射膜16によって干渉するこ
とができなくなり、MoSiやTiWなどの薄膜に亀裂
が生じたり、カソードシールド14から剥離したりする
からである。
【0034】また、Cu溶射膜16の厚みを50μm 〜
300μm としたのは次の理由による。まず、その厚み
が50μm 未満であると、カソードシールド14の再利
用のためにブラストショットによって溶射膜17を除去
する際に、母材15が凹凸になるのを防止できない。逆
に、その厚みが300μm よりも大きいと、各層の熱膨
張係数の差異による熱歪みを干渉できなくなり、MoS
iやTiWなどの薄膜に亀裂が生じたり、薄膜がカソー
ドシールド14から剥離したりするからである。
300μm としたのは次の理由による。まず、その厚み
が50μm 未満であると、カソードシールド14の再利
用のためにブラストショットによって溶射膜17を除去
する際に、母材15が凹凸になるのを防止できない。逆
に、その厚みが300μm よりも大きいと、各層の熱膨
張係数の差異による熱歪みを干渉できなくなり、MoS
iやTiWなどの薄膜に亀裂が生じたり、薄膜がカソー
ドシールド14から剥離したりするからである。
【0035】なお、本発明は、上記の実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内において、種々の
変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、ター
ゲットの素材としてMoSiやTiWなどを使用する場
合を例にとって本発明を説明した。しかしながら、本発
明は、ターゲットがこのような材料に限定されず、ター
ゲットが適宜な他の材料、例えば各種の金属等であって
もよい。また、上記の実施形態では、電極間に直流電圧
を印加する場合について説明したが、電極間に高周波電
圧を印加するようにしてもよい。
れるものではなく、その要旨の範囲内において、種々の
変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、ター
ゲットの素材としてMoSiやTiWなどを使用する場
合を例にとって本発明を説明した。しかしながら、本発
明は、ターゲットがこのような材料に限定されず、ター
ゲットが適宜な他の材料、例えば各種の金属等であって
もよい。また、上記の実施形態では、電極間に直流電圧
を印加する場合について説明したが、電極間に高周波電
圧を印加するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のス
パッタリング装置によれば、従来と比較して、シールド
からのターゲット材料の堆積膜の剥離・脱落が生じにく
くなり、半導体ウエハなどの被加工物品に対するスパッ
タリング中の製品不良や歩留りの低下を抑制できる。
パッタリング装置によれば、従来と比較して、シールド
からのターゲット材料の堆積膜の剥離・脱落が生じにく
くなり、半導体ウエハなどの被加工物品に対するスパッ
タリング中の製品不良や歩留りの低下を抑制できる。
【図1】本発明の一実施形態のスパッタリング装置のシ
ールドの構造を示す断面図である。
ールドの構造を示す断面図である。
【図2】上記実施形態のスパッタリング装置のカソード
及びアノード部の構成を示す断面図である。
及びアノード部の構成を示す断面図である。
【図3】上記実施形態のスパッタリング装置の全体の構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
1 真空チャンバー 2 真空制御部 3 DC高圧電源 4 電源ライン 5 スパッタリング・カソード部 6 アノード 7 スパッタガス供給部 8 半導体ウエハ 11 ターゲット板 12 バッキングプレート 13 磁石系 14 カソードシールド 15 母材 16 Cuの溶射膜 17 CuとAlの合金の溶射膜
Claims (16)
- 【請求項1】 加工対象物との間で放電を生じるように
配置されたターゲットと、母材及びこの母材の表面に形
成された複数の金属の多層膜からなり前記ターゲットの
周囲部に配置されているカソードシールドと、を具備す
ることを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記カソードシールドを構成する母材と多層の膜の素材
は、表面に近づくほどそれぞれの熱膨張係数が増加する
ように選択したことを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項3】 請求項1において、 前記カソードシールドを形成する多層の膜のうち最上層
の膜の素材は、その熱膨張係数が前記ターゲットの素材
の熱膨張係数と同じか或いはその熱膨張係数よりも小さ
な値となるように選択されたことを特徴とするスパッタ
リング装置。 - 【請求項4】 請求項1において、 前記多層の膜のそれぞれは、溶射によって形成されたこ
とを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項5】 請求項1において、 前記多層の膜のそれぞれは、表面粗さが80Rz.μm
〜150Rz.μmであることを特徴とするスパッタリ
ング装置。 - 【請求項6】 請求項1において、 前記ターゲットの素材はTiWであり、前記母材はステ
ンレス鋼又はアルミニウム合金であり、前記多層の膜
は、厚さ50μm 〜300μm の銅の溶射膜から成る下
層膜と、厚さ100μm 〜300μm の銅とアルミニウ
ムの合金の溶射膜から成る上層膜とから構成されること
を特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項7】 請求項6において、 前記銅とアルミニウムの合金の組成は、前記カソードシ
ールド上の堆積膜の剥離を防止できるようにターゲット
材料に応じて前記銅とアルミニウムの合金の比率が設定
されていることを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項8】 請求項1において、 前記カソードシールドは、使用後のカソードシールド
を、ブラストショットにより表面に堆積した薄膜と前記
銅とアルミニウムとの合金の溶射膜とを除去し、また酸
性溶液により前記銅の溶射膜を除去して、再利用したも
のであることを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項9】 加工対象物との間で放電を生じるように
配置されたターゲットと、母材及びこの母材の表面に形
成された複数の金属の多層膜からなり前記加工対象物の
周囲部に配置されているアノードシールドと、を具備す
ることを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項10】 請求項9において、 前記アノードシールドを構成する母材と多層の膜の素材
は、表面に近づくほどそれぞれの熱膨張係数が増加する
ように選択したことを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項11】 請求項9において、 前記アノードシールドを形成する多層の膜のうち最上層
の膜の素材は、その熱膨張係数が前記ターゲットの素材
の熱膨張係数と同じか或いはその熱膨張係数よりも小さ
な値となるように選択されたことを特徴とするスパッタ
リング装置。 - 【請求項12】 請求項9において、 前記多層の膜のそれぞれは、溶射によって形成されたこ
とを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項13】 請求項9において、 前記多層の膜のそれぞれは、表面粗さが80Rz.μm
〜150Rz.μmであることを特徴とするスパッタリ
ング装置。 - 【請求項14】 請求項9において、 前記ターゲットの素材はTiWであり、前記母材はステ
ンレス鋼又はアルミニウム合金であり、前記多層の膜
は、厚さ50μm 〜300μm の銅の溶射膜から成る下
層膜と、厚さ100μm 〜300μm の銅とアルミニウ
ムの合金の溶射膜から成る上層膜とから構成されること
を特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項15】 請求項14において、 前記銅とアルミニウムの合金の組成は、前記アノードシ
ールド上の堆積膜の剥離を防止できるようにターゲット
材料に応じて前記銅とアルミニウムの合金の比率が設定
されていることを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項16】 請求項9において、 前記アノードシールドは、使用後のアノードシールド
を、ブラストショットにより表面に堆積した薄膜と前記
銅とアルミニウムとの合金の溶射膜とを除去し、また酸
性溶液により前記銅の溶射膜を除去して、再利用したも
のであることを特徴とするスパッタリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21503398A JPH11100665A (ja) | 1997-07-31 | 1998-07-30 | スパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22023197 | 1997-07-31 | ||
JP9-220231 | 1997-07-31 | ||
JP21503398A JPH11100665A (ja) | 1997-07-31 | 1998-07-30 | スパッタリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100665A true JPH11100665A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=26520649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21503398A Pending JPH11100665A (ja) | 1997-07-31 | 1998-07-30 | スパッタリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11100665A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356765A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Toshiba Corp | 真空成膜装置用部品とそれを用いた真空成膜装置 |
EP1295780A2 (en) | 2001-09-25 | 2003-03-26 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Rotational angle detecting device, torque detecting device and steering apparatus |
KR100591433B1 (ko) | 2004-12-29 | 2006-06-22 | 동부일렉트로닉스 주식회사 | 질화 티타늄(TiN) 스퍼터링 공정용 실드 및 코팅방법 |
WO2008035508A1 (fr) * | 2006-09-20 | 2008-03-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | Composant pour appareil de traitement, appareil de traitement, procédé pour fabriquer un composant pour appareil de traitement et procédé pour fabriquer cet appareil de traitement |
JP2011179124A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-09-15 | Toshiba Corp | 真空成膜装置用部品の製造方法 |
US10378097B2 (en) | 2016-08-10 | 2019-08-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Film forming apparatus |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP21503398A patent/JPH11100665A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356765A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Toshiba Corp | 真空成膜装置用部品とそれを用いた真空成膜装置 |
EP1295780A2 (en) | 2001-09-25 | 2003-03-26 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Rotational angle detecting device, torque detecting device and steering apparatus |
KR100591433B1 (ko) | 2004-12-29 | 2006-06-22 | 동부일렉트로닉스 주식회사 | 질화 티타늄(TiN) 스퍼터링 공정용 실드 및 코팅방법 |
WO2008035508A1 (fr) * | 2006-09-20 | 2008-03-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | Composant pour appareil de traitement, appareil de traitement, procédé pour fabriquer un composant pour appareil de traitement et procédé pour fabriquer cet appareil de traitement |
JP2011179124A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-09-15 | Toshiba Corp | 真空成膜装置用部品の製造方法 |
US10378097B2 (en) | 2016-08-10 | 2019-08-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Film forming apparatus |
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