JP4473410B2 - スパッタリング装置及び成膜方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、LSI(大規模集積回路)等の製造の際に使用されるスパッタリング装置及び成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング装置は、対象物の表面に薄膜を作成する装置として産業の各分野で盛んに使用されている。特に、LSIを始めとする各種電子デバイスの製造では、各種導電膜や絶縁膜の作成にスパッタリング装置は多用されている。
【0003】
図7は、従来のスパッタリング装置の概略構成を示す断面図である。図7に示す装置は、排気系46を備えたスパッタチャンバー4と、スパッタチャンバー4内に所定のガスを導入するガス導入系45と、被スパッタ面がスパッタチャンバー4内に露出するようにして設けられたターゲット41と、ターゲット41の被スパッタ面を臨む空間に電界を設定してスパッタ放電を生じさせるスパッタ電源43と、スパッタ放電によってターゲット41から放出されたスパッタ粒子が到達するスパッタチャンバー4内の所定位置に基板9を保持する基板ホルダー44とから主に構成されている。
【0004】
上記装置において、ターゲット41から放出されるスパッタ粒子は、基板9の表面のみならず、スパッタチャンバー4内の露出面にも薄膜が堆積することが避けられない。この露出面への薄膜の堆積が重なると、内部応力や自重により薄膜が剥離することがある。剥離した薄膜は、ある程度の大きさの微粒子となって素スパッタチャンバー4内を浮遊する。この微粒子が、基板9に付着すると、作成される薄膜に微小な突起が形成される等の形状欠陥を生じさせる場合がある。また、基板9の表面に予め微細回路が形成されている場合、微粒子の付着により回路の断線や短絡等の重大な欠陥が生じる恐れがある。
【0005】
このような処理の品質を損なう微粒子は、一般的に「パーティクル」と呼ばれる。パーティクルの発生を防止するため、通常、スパッタチャンバー4内には、防着シールドと呼ばれる部材が設けられている。防着シールドは、基板9の表面以外の不必要な場所へのスパッタ粒子の付着を防止するものである。防着シールドにはスパッタ粒子が付着して薄膜が堆積することが避けられないが、防着シールドには、表面に微細な凹凸を形成する等、薄膜の剥離を防止する構成となっている。それでも、スパッタリングを数多く繰り返すと、薄膜の剥離が避けられないため、所定回数のスパッタリングの後、防着シールドは新品又は薄膜が除去されたものと交換される。
【0006】
図7に示す装置では、形状や配置位置の異なる複数の防着シールドが使用されている。まず、ターゲット41と基板ホルダー44との間の空間を取り囲むほぼ円筒状の防着シールド481が設けられている(以下、この防着シールドを主シールドと呼ぶ)。また、別の防着シールド482が、基板ホルダー44の基板保持面を取り囲むようにして基板ホルダー44に取り付けられている(以下、この防着シールドをホルダーシールドと呼ぶ)。さらに、基板ホルダー44に保持された基板9の周囲を取り囲むようにリング状の防着シールド483が設けられている(以下、この防着シールドをリングシールドと呼ぶ)。
【0007】
上記装置は、所定回数のスパッタリングを繰り返した後、定期メンテナンスを行う必要がある。定期メンテナンスにおける主な作業は、ターゲット41及び防着シールド481,482,483の交換である。スパッタリングは、ターゲット41を削って成膜するものであるから、スパッタリングを繰り返すうちにターゲット41は消耗する。従って、所定の回数のスパッタリングを繰り返した後、新品のものと交換する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
定期メンテナンスは、スパッタチャンバー4内を大気に開放して行う。ターゲット41及び防着シールド481,482,483の交換等の作業を行った後、スパッタチャンバー4内を排気系46によって高真空排気する。但し、この状態ですぐにスパッタリングを再開することはできず、以下のような成膜を行ってからスパッタリングを再開する(以下、この際の成膜を事前成膜と呼ぶ)。
【0009】
事前成膜は、基板9をスパッタチャンバー4内に搬入しない状態でターゲット41をスパッタするものである。事前成膜を行う理由としては、第一に新品のターゲット41の被スパッタ面の異物を取り除くためである。新品のターゲット41の被スパッタ面には塵埃等が付着していたり、表面に薄い酸化層が形成されていたりする。この状態のままターゲット41をスパッタして基板9の表面に成膜を行うと、塵埃や酸化物などの異物が薄膜中に混入したり、基板9の表面に形成されている回路に障害を与えたりする問題がある。このため、スパッタリングを再開する前に、ターゲット41の被スパッタ面を充分にスパッタし、異物を取り除く。
【0010】
事前成膜を行う第二の理由は、交換した防着シールド481,482,483からの異物の放出を抑えるためのである。防着シールド481,482,483は、表面が充分に清浄化されてスパッタチャンバー4内に持ち込まれて取り付けられるが、それでも防着シールド481,482,483の表面には僅かな塵埃等の異物が付着している場合がある。この状態でスパッタリングを再開すると、防着シールド481,482,483から放出された異物によりやはり基板9や成膜処理が汚損される問題がある。そこで、防着シールド481,482,483の表面に薄膜を堆積させて異物を閉じ込めるようにする。
【0011】
上記事前成膜の際、ターゲット41に対して基板ホルダー44の基板保持面が遮蔽される必要がある。遮蔽されていないと、ターゲット41から放出された異物やターゲット41の材料のスパッタ粒子が基板保持面に付着してしまう。この状態で、スパッタリングを行うため基板9が搬入されて基板ホルダー44に保持されると、異物やスパッタ粒子が基板9の裏面に付着したり、基板9の裏面を僅かに削ったりする問題がある。そして、スパッタリング後に基板9が基板ホルダー44から取り去られる際などに、異物やスパッタ粒子、削られた基板9の材料等がスパッタチャンバー4内に放出され、パーティクルとなる恐れがある。従って、事前成膜の際には、基板ホルダー44の基板保持面をターゲット41に対して遮蔽する必要がある。
【0012】
基板保持面の遮蔽のための例として、基板9と同様の寸法形状の部材(以下、ダミー基板と呼ぶ)を基板ホルダー44の基板保持面に配置する構成がある。ダミー基板は、通常の基板9と同様に大気側からスパッタチャンバー4に搬送されて基板保持面に配置され、ターゲット41に対して基板保持面を遮蔽する。基板保持面の遮蔽のための別の例としては、シャッター機構を設ける場合もある。図7には、この例の装置が示されている。図7に示すように、スパッタチャンバー4は、シャッター472を退避させるシャッター室471を有している。シャッター472は板状であり、回転軸473の上端に固定されている。回転軸473が回転すると、シャッター472は、基板ホルダー44の上側の位置と、シャッター室471内の位置との間を移動するようになっている。
【0013】
上記基板保持面を遮蔽する例のうち、ダミー基板を使用する構成では、生産性の向上の点から問題がある。スパッタチャンバー4は、大気に対して直接開放されることがないよう、ロードロックチャンバーを介して大気側につながっている。また、ロードロックチャンバーとスパッタチャンバー4との間には、搬送ロボットを備えた搬送チャンバーが設けられることがある。ダミー基板は、大気側、ロードロックチャンバー、搬送チャンバーをそれぞれ経由してスパッタチャンバー4に搬送され、そして、事前成膜後は、その逆の経路を辿って大気側に戻る。従って、ダミー基板の搬送には、相当程度長い時間を要する。
【0014】
また、ダミー基板の搬入のたびにロードロックチャンバーは高真空排気され、ダミー基板の搬出のたびにロードロックチャンバーはベント(大気圧開放)される。このような排気とベントにも、ある程度の時間を要する。
このような搬送、高真空排気及びベントは、基板9の成膜処理にも同様に行う動作であるが、ダミー基板については、本来の成膜処理のための動作ではない。このような本来的ではない動作に多くの時間を要することは、生産性の点から好ましいとは言えない。
【0015】
一方、シャッター472を使用する従来例についても、以下のような問題がある。
図7から解るように、シャッター472は、構造上、基板ホルダー44の基板保持面に接触させて遮蔽することができない。シャッター472は、基板保持面から少し離れた位置で遮蔽するようにせざるを得ない。この場合、ターゲット41からの異物やスパッタ粒子がシャッター472を回り込んで基板保持面に付着するのを防止する必要がある。このため、シャッター472は、基板保持面より少し大きなものとされる。
この場合、図7から解るように、シャッター472はホルダーシールド482を幾分遮蔽する状態となってしまう。このため、ホルダーシールド482にスパッタ粒子が充分到達せず、ホルダーシールド482への成膜が不充分となってしまう。この結果、ホルダーシールド482の表面に異物があった場合、この異物が放出されてパーティクルとなる問題がある。
【0016】
また、図7に示すように、主シールド481は、シャッター472の移動のための開口484を有している。従って、主シールド481は、ターゲット41の中心軸に対して軸対称ではない。主シールド481の形状は、スパッタ電源43がスパッタチャンバー4内に設定する電界に影響を与える。主シールド481が軸対称でないと、電界の軸対称性が崩れ易く、作成される薄膜の均一性が低下する問題がある。特に、スパッタ電源43が高周波電界を設定する場合、この問題は顕著である。
【0017】
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、事前成膜を行うスパッタリング装置において、生産性上の問題が無く、パーティクルの発生を効果的に抑えられ、成膜の均一性も阻害されないという技術的意義を有する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、排気系を有するスパッタチャンバーと、
被スパッタ面が前記スパッタチャンバー内に露出するようにして前記スパッタチャンバー内にターゲットが設けられてターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界が設定されスパッタ放電が生じた際、ターゲットから放出されたスパッタ粒子が到達する前記スパッタチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーとを備えており、
前記スパッタチャンバー又はこれに隣接する他の真空チャンバー内には、前記基板ホルダーの基板保持面を覆うことが可能な寸法形状を持つダミー基板を退避させる退避室が設けられており、前記退避室内の退避位置と、前記基板ホルダーの基板保持面上の位置との間でダミー基板を移動させるダミー用移動機構を備えており、
前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に基板を搬送する搬送ロボットが内部に設けられた搬送チャンバーが前記スパッタチャンバーに隣接して設けられており、前記退避室は、前記基板ホルダーに対して前記搬送チャンバーが設けられれた側とは反対側に設けられており、
前記スパッタチャンバー内には、前記ターゲットと前記基板ホルダーとの間の空間を取り囲むようにして円筒状の防着シールドが設けられており、
前記基板ホルダーには、前記基板ホルダーを移動させるホルダー用移動機構が設けられており、前記ホルダー用移動機構は、前記基板ホルダーの基板保持面が前記防着シールドの端部開口の付近となる第一の位置と基板保持面が前記防着シールドの端部開口から離れた状態となる第二の位置との間で前記基板ホルダーを移動させるものであり、
前記ダミー用移動機構は、前記基板ホルダーが第二の位置に位置した状態で前記基板保持面上の位置に前記ダミー基板を位置させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記退避室には、複数の前記ダミー基板を同時に係留できる係留具が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記退避室には、前記ダミー基板を加熱する加熱器が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記加熱器は輻射加熱を行うものであり、前記ダミー用移動機構は、前記ダミー基板を前記加熱器に接近させた位置に位置させることが可能なものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記ダミー基板の表面には、堆積した薄膜の剥離を防止する凹凸が形成されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記ダミー基板は、チタン又はモリブデン製である という構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6いずれかの構成において、前記第一の位置に前記基板ホルダーが位置した際に前記基板保持面を取り囲むように配置されたリング状防着シールドが設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至7いずれかの構成において、前記スパッタチャンバー内に設けられたターゲットと、ターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界を設定してスパッタ放電を生じさせるスパッタ電源とを備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、排気系を有するスパッタチャンバーと、被スパッタ面が前記スパッタチャンバー内に露出するようにして前記スパッタチャンバー内にターゲットが設けられてターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界が設定されスパッタ放電が生じた際、ターゲットから放出されたスパッタ粒子が到達する前記スパッタチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーとを備えており、
前記スパッタチャンバー又はこれに隣接する他の真空チャンバー内には、前記基板ホルダーの基板保持面を覆うことが可能な寸法形状を持つダミー基板を退避させる退避室が設けられており、前記退避室内の退避位置と、前記基板ホルダーの基板保持面上の位置との間でダミー基板を移動させるダミー用移動機構を備えており、
前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に基板を搬送する搬送ロボットが内部に設けられた搬送チャンバーが前記スパッタチャンバーに隣接して設けられており、
前記スパッタチャンバー内には、前記ターゲットと前記基板ホルダーとの間の空間を取り囲むようにして円筒状の防着シールドが設けられており、
前記基板ホルダーには、前記基板ホルダーを移動させるホルダー用移動機構が設けられており、前記ホルダー用移動機構は、前記基板ホルダーの基板保持面が前記防着シールドの端部開口の付近となる第一の位置と基板保持面が前記防着シールドの端部開口から離れた状態となる第二の位置との間で前記基板ホルダーを移動させるものであり、
前記ダミー用移動機構は、前記基板ホルダーが第二の位置に位置した状態で前記基板保持面上の位置に前記ダミー基板を位置させるものであるスパッタリング装置を用いた成膜方法であって、
前記搬送ロボットにより基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送した後、前記スパッタ放電を生じさせて基板に成膜処理を施す第1成膜工程と、
前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送した後、前記スパッタ放電を生じさせる事前成膜工程と、
前記事前成膜工程後、前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記退避位置に退避させる退避工程と、
前記退避工程後、前記搬送ロボットにより基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送し、スパッタ放電を生じさせて基板に成膜処理を施す第2成膜工程と
を含むという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項9の構成において、前記退避室には、前記ダミー基板を加熱する加熱器が設けられており、前記退避工程中に、前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記加熱器に接近させて加熱する加熱工程を含むという構成を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1は、本願発明の実施の形態であるスパッタリング装置の構成を説明する平面概略図である。
このスパッタリング装置は、マルチチャンバータイプの装置であり、中央に配置された搬送チャンバー1と、搬送チャンバー1の周囲に設けられた複数の処理チャンバー2,3,4,100及び二つのロードロックチャンバー5とからなるチャンバー配置になっている。各チャンバー1,2,3,4,5,100は、専用又は兼用の不図示の排気系を備えており、所定の圧力まで排気されるようになっている。各チャンバー1,2,3,4,5,100同士の接続箇所には、ゲートバルブ10が設けられている。
【0020】
ロードロックチャンバー5の外側には、オートローダ6が設けられている。オートローダ6は、大気側にある外部カセット61から基板9を一枚ずつ取り出し、ロードロックチャンバー5内のロック内カセット51に収容するようになっている。
また、搬送チャンバー1内には、搬送ロボット11が設けられている。この搬送ロボット11は多関節ロボットが使用されている。搬送ロボット11は、いずれか一方のロードロックチャンバー5から基板9を一枚ずつ取り出し、各処理チャンバー2、3,4に送って順次処理を行い、最後の処理を終了した後、いずれか一方のロードロックチャンバー5に戻すようになっている。搬送チャンバー1内は不図示の排気系によって常時10−4〜10−6Pa程度の真空圧力が維持される。従って、搬送ロボット11としてはこの真空圧力下で動作可能なものが採用される。
【0021】
複数の処理チャンバー2,3,4のうちの一つは、基板9の表面に所定の薄膜を作成するためのスパッタリングを行うスパッタチャンバー4である。この他は、スパッタリングの前に基板9の表面の自然酸化膜又は保護膜を除去するための前処理エッチングを行う前処理エッチングチャンバー2、スパッタリングの前に基板9を予備加熱するプリヒートチャンバー3である。
【0022】
まず、スパッタリング装置の主要部を成すスパッタチャンバー4の構成について図2を使用して説明する。図2は、図1に示すスパッタチャンバー4の断面概略図である。
本実施形態においても、スパッタチャンバー4は、排気系46を備えている。そして、スパッタチャンバー4内にガスを導入するガス導入系45と、スパッタチャンバー4内に被スパッタ面が露出するよう設けられたターゲット41と、ターゲット41の被スパッタ面を臨む空間に電界を設定してスパッタ放電を生じさせるスパッタ電源43と、ターゲット41の背後に設けられた磁石機構42と、スパッタ放電によってターゲット41から放出されたスパッタ粒子が到達するスパッタチャンバー4内の所定位置に基板9を保持する基板ホルダー44とが設けられている。
【0023】
スパッタチャンバー4は、ゲートバルブ10を介して搬送チャンバー1に気密に接続された真空チャンバーであり、電気的には接地されている。そして、スパッタチャンバー4内は、排気系46により常時10−4〜10−6Pa程度に排気されるよう構成されている。
尚、スパッタチャンバー4は、定期メンテナンスの際に開閉される不図示の開閉扉を備えている。開閉扉は、Oリングのような封止部材を介して気密に閉じられるようになっている。また、スパッタチャンバー4は、内部を大気に開放する際に開かれる不図示のベントバルブが設けられている。
【0024】
ガス導入系45は、アルゴン等のスパッタ率の高いガスを内部に所定の流量で導入するようになっている。具体的には、ガス導入系45は、アルゴン等のスパッタ放電用のガスを溜めたガスボンベ451と、スパッタチャンバー4とガスボンベ451とをつなぐ配管452と、配管452に設けられたバルブ453や流量調整器454とから主に構成されている。
【0025】
ターゲット41は、基板9の表面に作成しようとする薄膜の材料で形成されている。ターゲット41は、絶縁体411を介してスパッタチャンバー4上部の開口を気密に塞ぐようスパッタチャンバー4に取り付けられている。
スパッタ電源43は、例えば700Vの負の直流電圧を30kW程度の電力でターゲット41に印加するよう構成されている。ガス導入系45によって所定のガスが導入された状態でこのスパッタ電源43が動作すると、スパッタ放電が生じターゲット41がスパッタされるようになっている。また、このスパッタ電源43には、高周波電源が用いられることがある。
【0026】
磁石機構42は、中心磁石421と、この中心磁石421を取り囲む周辺磁石422と、中心磁石421及び周辺磁石422とを繋ぐ円盤状のヨーク423とから構成されている。磁石機構42は、上記スパッタ放電をマグネトロン放電にして効率のよいマグネトロンスパッタリングを行うために備えられている。即ち、磁石機構42により、ターゲット41の付近に磁場が形成され、この磁場の作用により電子がマグネトロン運動を行い、より密度の高いプラズマが形成される。この結果スパッタ放電の効率がよくなり、基板9への成膜の効率も良くなる。尚、磁石機構42の各磁石412,422は、いずれも永久磁石であるが、電磁石でこれらを構成することも可能である。
【0027】
基板ホルダー44は、絶縁材441を介してスパッタチャンバー4に気密に取り付けられている。基板ホルダー44は、台状で上面に基板9が載置されるようになっている。そして、基板ホルダー44は、ターゲット41に対して基板9が平行になるよう構成されている。尚、成膜中に基板9を加熱して成膜を効率的にする不図示の加熱機構が基板ホルダー44内に設けられる場合がある。基板ホルダー44によって基板9が保持された状態で上記スパッタ放電を生じさせると、ターゲット41から放出されたスパッタ粒子が基板9の表面に達し、この到達が重なって薄膜が作成される。
また、基板ホルダー44には、基板9の受け渡しのための複数のピン442が設けられている。各ピン442は、スパッタチャンバー4の底面に固定されて上方に延びる部材である。基板ホルダー44は、各ピン442が挿通される貫通孔を有する。
【0028】
また、基板ホルダー44を上下に移動させるホルダー用上下移動機構441が設けられている。基板9を基板ホルダー44に載置する場合には、ホルダー用上下移動機構441によって基板ホルダー44を第二の位置としての下限位置まで下げる。これにより、各ピン442の上端は、基板ホルダー44の基板保持面から突出した状態となる。尚、第二の位置としての下限位置は、図2に示すように、基板ホルダー44の基板保持面が防着シールド481の端部開口から離れた状態となる位置である。この状態で、基板9を保持した搬送ロボット11が基板9を各ピン442の上に載せる。搬送ロボット11がアームを後退させた後、ホルダー用上下移動機構441が動作して基板ホルダー44を第一の位置としての上限位置まで移動させる。この結果、基板9が基板ホルダー44の基板保持面の上に載置された状態となる。基板9を基板ホルダー44から取り去る場合には、これとは逆の動作となる。尚、第一の位置としての上限位置は、図2に示すように、基板ホルダー44の基板保持面が防着シールド481の端部開口の付近となる位置である。
【0029】
本実施形態の装置においても、同様に三つの防着シールド(主シールド481,ホルダーシールド482,リングシールド483)が設けられている。但し、シャッター機構を使用していないので、主シールド481に開口は無い。
【0030】
本実施形態の装置の大きな特徴点は、スパッタチャンバー4がダミー基板91の退避室40を有しており、ダミー基板91を、退避室40内の退避位置と基板ホルダー44の基板保持面上の位置との間で移動させるダミー用移動機構71を備えている点である。以下、この点を具体的に説明する。
図1に示すように、退避室40は、ゲートバルブ10を介して搬送チャンバー1が接続された側とは反対側に形成されている。排気系46は、この退避室40を構成するスパッタチャンバー4の底壁部に設けられた排気口から排気するようになっている。
【0031】
ダミー基板91は、通常の基板9と同様の寸法形状である。ダミー基板91の材料の選定には、堆積する薄膜の剥離防止の点を考慮すべきである。一般的に、下地と薄膜とが同一の材料である場合、薄膜の付着力は高くなる。従って、ダミー基板91の材料としては、ダミー基板91に堆積する薄膜の材料(即ち、基板9に作成する薄膜の材料)と同じ又は類似(共通の成分を有するなど)の材料とすることが好ましい。例えば、基板9に作成する膜がチタン又は窒化チタンである場合、ダミー基板9はチタン製とされる。
また、堆積する薄膜の剥離を防止するという意味では、数10μm程度の厚さまで多量に薄膜が堆積しても変形が生じないような高い剛性も重要である。従って、ダミー基板91としては、金属製であることが好ましい。また、事前成膜の際にダミー基板91がある程度加熱されることを考えると、熱膨張係数の小さい材料であることも重要である。このようなことを考慮すると、ダミー基板91の材料としては、前述したチタンの他、モリブデン等でも良い。
【0032】
また、ダミー基板91は、堆積する薄膜の剥離を防止するため、表面に細かな凹凸が形成されている。凹凸の形成は、砂等の粒状材を吹き付けるブラスト法や、アルミニウムのような金属を溶解(又は融解)させて吹き付ける溶射(又は融射)法による。
【0033】
また、ダミー用移動機構71は、本実施形態では、搬送ロボット11と同様のロボットが使用されている。ダミー用移動機構71は、ダミー基板91を保持したアーム711の伸縮(水平方向の移動)、アーム711の上下、アーム711の回転(垂直な回転軸の周りの回転)の各運動を行うようになっている。
【0034】
図3は、ダミー用移動機構71の動作について説明する断面概略図である。ダミー基板91を基板ホルダー44の基板保持面に配置する場合には、ホルダー用上下移動機構441によって基板ホルダー44を下限位置まで下降させる。ダミー用移動機構71は、ダミー基板91を保持したアーム711を、各ピン442の上端より少し高い高さに移動させる。次に、ダミー用移動機構71は、アーム711を回転させ、ダミー基板91を基板ホルダー44の基板保持面の真上に位置させる。ダミー用移動機構71は、この状態でアーム711を基板ホルダー44に衝突しない範囲で下降させる。この下降の際、図3に示すように、ダミー基板91が各ピン442の上に載る。その後、ダミー用移動機構71は、アーム711を後退させた後、回転し、元の姿勢に戻る。
【0035】
そして、ホルダー用上下移動機構441が駆動され、基板ホルダー44が上限位置に上昇する。この上昇の際、ダミー基板91が基板ホルダー44の基板保持面の上に載置される。尚、基板ホルダー44が位置する上限位置は、通常のスパッタリングを行う位置と同じ位置である。
【0036】
次に、図1に示す複数の処理チャンバーのうちの前処理エッチングチャンバー2について説明する。前処理エッチングチャンバー2は、高周波放電により基板9の表面をスパッタエッチングして自然酸化膜又は保護膜等を除去するようになっている。このような絶縁膜が形成されたままでスパッタチャンバー4で成膜を行うと、下地との密着性が悪くなったり、導電膜の場合には下地との導通性が低下したりする問題がある。このため、スパッタチャンバー4での成膜に先だって基板9の表面をエッチングするようにしている。
【0037】
前処理エッチングチャンバー2は、内部にアルゴン又は窒素等のガスを導入するガス導入系と、高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加して高周波放電を生じさせる高周波電源等を備えている。尚、高周波電極には、前処理エッチングチャンバー2内で基板9を保持する基板ホルダーが兼用されることが多く、基板9に自己バイアス電圧を生じさせるためのコンデンサを介して基板ホルダーに高周波電圧が印加されることが多い。
【0038】
また、プリヒートチャンバー3におけるプリヒート(予備加熱)は、基板9の吸蔵ガスを放出させる目的で行われる。この吸蔵ガスの放出を行わない場合、成膜時の熱により吸蔵ガスが放出され、発泡によって膜の表面が粗くなる問題がある。
プリヒートチャンバー3内には、所定の温度に加熱維持される不図示のヒートステージが設けられている。基板9は、このヒートステージに載置され、所定温度に加熱されることによりプリヒートされる。ヒートステージと基板9との間の熱伝導性を向上させるため、Heのような熱伝導性の良いガスがヒートステージと基板9との間に供給される場合もある。
【0039】
また、図1に示すように、セパレーションチャンバー1の周囲には、さらに別の真空チャンバー100が設けられている。これらの真空チャンバー100は、必要に応じて、スパッタチャンバー4と同一の構成として生産性を向上させたり、または異種薄膜を積層する場合には異種材料のターゲット41を備えたスパッタチャンバー4としたりする。もしくは、成膜処理の後、基板9を冷却する冷却チャンバーとされたりする場合もある。
【0040】
また、本実施形態の装置は、装置全体の動作を制御する不図示制御部を備えている。この制御部はマイクロコンピュータであり、各部の制御のためのプログラム等を記憶した不図示の記憶部や、装置の動作状態などの各種表示を行う不図示表示部が設けられている。
【0041】
次に、本実施形態のスパッタリング装置の全体の動作について説明する。
外部セット8に収容された基板9は、オートローダ6によってロードロックチャンバー5内のロック内カセット51に搬入される。ロック内カセット51に搬入された基板9は、セパレーションチャンバー1に設けられた搬送ロボット11により、まず前処理エッチングチャンバー2に搬入され、前処理エッチングが行われる。次に、基板9はプリヒートチャンバー3に搬送され、不図示のヒートステージに載置されて所定の温度に加熱される。これによって基板9はプリヒートされ、基板9中の吸蔵ガスが放出される。
【0042】
そして、基板9はスパッタチャンバー4に搬入され、第1成膜工程としてスパッタリングによる成膜処理が行われる。その後、基板9は搬送ロボット11によりスパッタチャンバー4から搬出され、ロック内カセット51に収容される。ロック内カセット51に収容された処理済みの基板9はオートローダ6によって外部カセット61に収容される。このような動作を繰り返して、多数の基板9に対して順次、枚葉処理を行う。
【0043】
そして、枚葉処理が所定の回数に達した時点で制御部は、定期メンテナンスの時期に達した旨を表示部に表示する。この表示がされると、オペレーターは、不図示のベントバルブを開けてスパッタチャンバー4内を大気圧に戻した後、不図示の開閉扉を開ける。そして、ターゲット41や防着シールド481,482,483の交換等の作業を行う。
【0044】
その後、開閉扉を閉め、ベントバルブも閉めて、排気系46によってスパッタチャンバー4内を再度高真空排気する。この状態で、前述したように、ダミー用移動機構71を動作させて、ダミー基板91を基板ホルダー44の基板保持面に配置する。そして、事前成膜工程を行う。即ち、スパッタ電源43を動作させ、交換されたターゲット41をスパッタして事前成膜を行う。この際、交換された防着シールド481,482,483の他、ダミー基板91の表面にも膜が堆積する。
【0045】
事前成膜工程を行った後、退避工程を行う。即ち、ダミー用移動機構71によってダミー基板91を退避室40内の退避位置に戻す。そして、スパッタチャンバー4内を再度高真空排気した後、次の基板9を搬入して、スパッタリングによる成膜処理を再開する。即ち、第2成膜工程を行う。
【0046】
また、制御部は、一つのダミー基板91を使用した事前成膜の回数を記憶する不図示の記憶部を有している。制御部は、一つのダミー基板91を使用した事前成膜の回数が所定の回数に達すると、ダミー基板91の交換の表示を表示部にするようになっている。この表示がされると、オペレーターは、定期メンテナンスの際、ダミー基板91も新しいものと交換する。このため、ダミー基板91に限度以上に薄膜が堆積して剥離することによるパーティクルの発生が未然に防止される。
【0047】
上記説明から解るように、本実施形態の装置によれば、ダミー基板91は、スパッタチャンバー4内に設定された退避位置と基板ホルダー44の基板保持面上の位置との間を移動するだけなので、移動のための時間は、大気側からロードロックチャンバー5及び搬送チャンバー1を経由して来る場合に比べて、格段に短い。また、ダミー基板91は、スパッタチャンバー4内という真空雰囲気に常に位置するので、ダミー基板91の搬入搬出のためにいちいち高真空排気とベントを繰り返すことも無い。従って、ダミー基板91を使用しつつも、事前成膜に要する全体の時間は格段に短くなっており、生産性の点で極めて好適なものとなっている。また、ダミー基板91が常に真空側に配置される構成は、ダミー基板91を介して大気側から塵埃等の異物や水等の不純ガスがスパッタチャンバー4に持ち込まれる問題が無いという長所も有する。
また、シャッター機構ではないので、主シールド481に開口を設ける必要が無い。このため、基板9の表面に作成される薄膜が、スパッタ放電の不均一性が原因で不均一になることがない。
【0048】
次に、本願発明の第二の実施の形態について説明する。図4は、第二の実施の形態のスパッタリング装置の主要部を示す図であり、図2と同様の断面概略図である。
図4に示す実施形態の装置の特徴点は、ダミー基板91を退避させる退避室40に、ダミー基板91を複数係留する係留具72が設けられている点である。係留具72は、退避室40を構成するスパッタチャンバー4の上壁部に取り付けられている。
【0049】
係留具72は、一対の側板と、一対の側板の内面に設けた複数の凸部とから成る構成である。一対の側板は、基板ホルダー44と退避室40とを結ぶ方向に沿って互いに平行である。凸部は、この方向に長いものであり、上下に所定間隔を置いて三つ設けられている。一対の側板における各凸部の配置位置は、同じ高さである。ダミー基板91は、同じ高さにある両側の凸部の上にその周縁を載せた状態で係留されるようになっている。従って、本実施形態では、三つのダミー基板91が同時に係留されるようになっている。
【0050】
図4に示す装置も、図1から図3に示す装置と基本的に同様に動作する。但し、制御部における制御が多少異なるので、以下に説明する。制御部は、係留具72に係留された三つのダミー基板91の使用回数を記憶部に記憶するようになっている。以下の説明では、三つのダミー基板91を、ダミー基板91A、ダミー基板91B、ダミー基板91Cとする。
【0051】
図5は、図4に示す装置における制御部に設けられた制御プログラムについて説明する図である。前述したように、所定回数のスパッタリング枚葉処理を繰り返した後、オペレーターは定期メンテナンスを行う。そして、オペレーターは、事前成膜を行うため、入力部から「事前成膜指令」の入力を行う。入力部から入力された「事前成膜指令」を受けると、制御部は、前回の事前成膜で使用したダミー基板91がどれであるかを記憶部から読み出す。また、そのダミー基板91を使用して前回までに何回の事前成膜を行ったかの回数である「使用回数」のデータも同様に記憶部から読み出す。
【0052】
そして、「使用回数」のデータを、一つのダミー基板91について使用できる限度回数として予め設定された「限度回数」のデータと比較する。例えば、前回使用したのがダミー基板91Aであるとすると、「使用回数」が「限度回数」以下であれば、そのまま「事前成膜実行」の指令を出す。これにより、前述したようにダミー用移動機構71が動作してダミー基板91がA基板ホルダー44の基板保持面に配置され、ターゲット41のスパッタにより事前成膜が行われる。この際に制御部25からダミー用移動機構71に送られる制御信号は、前回の事前成膜と同じダミー基板91Aを使用するよう制御する信号である。その後、「使用回数」に1を加え、プログラムは「スタート」に戻る。
【0053】
もし、「使用回数」が「限度回数」に達していたら、ダミー基板91Bに変更されるようダミー用移動機構71に送られる制御信号を変更する「ダミー基板91Bへ変更」の処理をする。その後、同様に「事前成膜実行」の指令を出し、スタートに戻る。
【0054】
前回に使用したダミー基板91がダミー基板91Bであって場合も同様であり、「使用回数」が「限度回数」未満であればそのまま事前成膜を行い、「限度回数」に達していれば、「ダミー基板91Cへ変更」の処理をする。そして、前回使用のダミー基板91がダミー基板91Cである場合において、「使用回数」が「限度回数」−1に達していれば、次回の定期メンテナンスの際にはダミー基板91の交換を行う必要がある旨の表示を表示部に行う「ダミー基板交換表示」の処理をする。この情報は、記憶部にも記憶され、次回の定期メンテナンスの際、表示部に自動的に表示される。
【0055】
上記説明から解るように、本実施形態では、三つのダミー基板91を順次使用しながら事前成膜を行うので、一つのダミー基板91を使用する場合に比べ、ダミー基板91の交換までに行える事前成膜の回数が多くなる。従って、定期メンテナンス時の作業量が減り、生産性が向上する。
【0056】
次に、本願発明の第三の実施の形態について説明する。図6は、第三の実施の形態のスパッタリング装置の主要部を示す図であり、図2と同様の断面概略図である。
図6に示す第三の実施の形態のスパッタリング装置の特徴点は、退避室40内でダミー基板91を加熱する加熱器73が設けられている点である。加熱器73は、ダミー基板91に堆積する薄膜の剥離を抑制する目的で設けられている。加熱器73がない場合、ダミー基板91は、事前成膜を行う前には常温である。そして、事前成膜の際には、スパッタ放電により形成されるプラズマに晒されるため、数百度(例えば約200℃)程度まで急激に昇温してしまう。そして、事前成膜終了後は、再び常温まで降温する。このように急減な昇温と降温とを繰り返すと、ダミー基板91に堆積した薄膜に熱歪みが生じて、薄膜の剥離が生じやすい。薄膜の剥離は、パーティクルの原因となる。
【0057】
そこで、本実施形態では、退避室40に退避している間、ダミー基板91を加熱してある程度温度上昇させておくようにしている。この加熱のため、急激な温度変化が抑えられ、薄膜の剥離によるパーティクルの発生が防止される。退避室40におけるダミー基板91の加熱温度は、例えば100℃〜200℃程度で良い。事前成膜の際の温度から、50℃程度以上温度差が無いようにする。
【0058】
加熱器73は、退避室40を構成するスパッタチャンバー4の上壁部に取り付けられている。加熱器73としては、赤外線ランプ等を使用したランプヒータ、又は、ジュール熱を発生させるシースヒータ等が使用できる。スパッタチャンバー4内は真空雰囲気であり、対流や伝導伝達による熱の移動があまり期待できないことを考慮すると、ランプヒータ(輻射加熱)が適している。但し、内部にヒータを設けた台状の部材を設け、これにダミー基板91を載置して加熱するようにする場合、伝導伝達によることも可能である。この場合には、ジュール熱方式のヒータも有効である。尚、前述した第一又は第二の実施の形態において、本実施形態のような加熱器73を設けることも、勿論可能である。
【0059】
上記各実施の形態では、退避室40はスパッタチャンバー4内に設けられたが、スパッタチャンバー4に隣接して接続された他の真空チャンバー内の空間を退避室40としても良い。この場合には、スパッタチャンバー4と他の真空チャンバーとの間にゲートバルブが設けられる。
【0060】
上記各実施の形態において、ダミー基板91は基板9と同様の寸法形状であったが、これは、スパッタリングの際に基板9が覆う基板保持面の領域(以下、保持領域)を同じように覆うようにするためである。ダミー基板91が基板9より小さいと、事前成膜の際に保持領域の一部に薄膜が堆積する。そして、スパッタリングの際にこの薄膜の上に基板9が載ってしまい、パーティクル発生の原因となることがある。ダミー基板91が基板9より大きい場合の問題は、それほど深刻ではないが、ダミー基板91がホルダーシールド482を遮蔽する程度まで大きくなってしまうと、ホルダーシールド482が部分的に事前成膜されなくなってしまう。この結果、異物放出等の恐れが発生する。
【0061】
尚、上記説明から解る通り、「基板と同様の寸法形状」とは、基板保持面に沿った面内での寸法形状の意味であり、板の厚さとしては同じでなくとも良い。但し、ダミー基板91があまり厚くなると、ダミー用移動機構71による移動に支障が出たり、事前成膜の際に厚さによってターゲット41からのスパッタ粒子を遮蔽してしまうことがあるので、注意を要する。但し、基板9と同様の寸法形状であることは、ダミー基板91にとって必須の条件ではない。問題とならない範囲で、基板9とは異なる寸法形状とされる場合もある。
【0062】
また、スパッタリング装置の中には、ターゲット41から放出されるスパッタ粒子のイオン化のみで放電を維持する自己維持スパッタを行うものがある。本願の発明は、この種の装置にも適用が可能である。
【0063】
【実施例】
次に、事前成膜の一例について説明する。事前成膜は、以下のような条件により行うことができる。尚、「スパッタ電力」とは、ターゲット41に印加した電圧とターゲット41を通して流れた電流の積である。
・ガス:アルゴン
・ガス流量:50cc/分
・圧力:0.23Pa
・スパッタ電力:2kW
・成膜時間:20分
上記条件で成膜処理を繰り返す場合、400回程度でダミー基板91の交換が必要になる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1記載の発明によれば、退避室と基板ホルダーの基板保持面上の位置との間でダミー基板を移動させるダミー用移動機構を備えているので、ダミー基板の移動等に要する時間が短く、事前成膜に要する全体の時間も短くなる。このため、生産性が向上する。ダミー基板が常に真空側に配置されるので、ダミー基板を介して大気側から塵埃等の異物や水等の不純ガスがスパッタチャンバーに持ち込まれる問題が無い。また、防着シールドにシャッター用の開口を設ける必要が無いので、スパッタ放電の不均一性が原因で成膜が不均一になることはない。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、複数のダミー基板が退避室で係留されて順次使用されるので、ダミー基板の交換のサイクルが長くなる。このため、さらに生産性が向上する。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、ダミー基板が退避室で加熱されるので、ダミー基板の急減な温度変化が抑制される。このため、ダミー基板に堆積した薄膜の剥離によるパーティクルの発生が抑制される。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、ダミー基板の表面に凹凸が形成されているので、堆積した薄膜の剥離によるパーティクルの発生がさらに抑制される。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、ダミー基板が金属製であるので、堆積した薄膜の剥離によるパーティクルの発生がさらに抑制される。
また、請求項9記載の発明によれば、第1成膜工程と第2成膜工程との間で事前成膜工程が行われるので、ターゲットを新品のものと交換した際にターゲットの被スパッタ面に異物が付着していた場合でも、異物は取り除かれ、異物による問題は生じない。また、防着シールドを交換した場合に防着シールドの表面に異物が付着していた場合でも、異物は薄膜により閉じ込められるので、異物による問題は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態であるスパッタリング装置の構成を説明する平面概略図である。
【図2】図1に示すスパッタチャンバー4の断面概略図である。
【図3】ダミー用移動機構71の動作について説明する断面概略図である。
【図4】第二の実施の形態のスパッタリング装置の主要部を示す図であり、図2と同様の断面概略図である。
【図5】図4に示す装置における制御部に設けられた制御プログラムについて説明する図である。
【図6】第三の実施の形態のスパッタリング装置の主要部を示す図であり、図2と同様の断面概略図である。
【図7】 シャッター機構を設けた例のスパッタリング装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 搬送チャンバー
11 搬送ロボット
4 スパッタチャンバー
40 退避室
41 ターゲット
42 磁石機構
43 スパッタ電源
44 基板ホルダー
45 ガス導入系
46 排気系
481 防着シールド
482 防着シールド
483 防着シールド
71 ダミー用移動機構
72 係留具
73 加熱器
9 基板
91 ダミー基板
Claims (10)
- 排気系を有するスパッタチャンバーと、
被スパッタ面が前記スパッタチャンバー内に露出するようにして前記スパッタチャンバー内にターゲットが設けられてターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界が設定されスパッタ放電が生じた際、ターゲットから放出されたスパッタ粒子が到達する前記スパッタチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーとを備えており、
前記スパッタチャンバー又はこれに隣接する他の真空チャンバー内には、前記基板ホルダーの基板保持面を覆うことが可能な寸法形状を持つダミー基板を退避させる退避室が設けられており、前記退避室内の退避位置と、前記基板ホルダーの基板保持面上の位置との間でダミー基板を移動させるダミー用移動機構を備えており、
前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に基板を搬送する搬送ロボットが内部に設けられた搬送チャンバーが前記スパッタチャンバーに隣接して設けられており、前記退避室は、前記基板ホルダーに対して前記搬送チャンバーが設けられれた側とは反対側に設けられており、
前記スパッタチャンバー内には、前記ターゲットと前記基板ホルダーとの間の空間を取り囲むようにして円筒状の防着シールドが設けられており、
前記基板ホルダーには、前記基板ホルダーを移動させるホルダー用移動機構が設けられており、前記ホルダー用移動機構は、前記基板ホルダーの基板保持面が前記防着シールドの端部開口の付近となる第一の位置と基板保持面が前記防着シールドの端部開口から離れた状態となる第二の位置との間で前記基板ホルダーを移動させるものであり、
前記ダミー用移動機構は、前記基板ホルダーが第二の位置に位置した状態で前記基板保持面上の位置に前記ダミー基板を位置させるものであることを特徴とするスパッタリング装置。 - 前記退避室には、複数の前記ダミー基板を同時に係留できる係留具が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
- 前記退避室には、前記ダミー基板を加熱する加熱器が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリング装置。
- 前記加熱器は輻射加熱を行うものであり、前記ダミー用移動機構は、前記ダミー基板を前記加熱器に接近させた位置に位置させることが可能なものであることを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
- 前記ダミー基板の表面には、堆積した薄膜の剥離を防止する凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスパッタリング装置。
- 前記ダミー基板は、チタン又はモリブデン製であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のスパッタリング装置。
- 前記第一の位置に前記基板ホルダーが位置した際に前記基板保持面を取り囲むように配置されたリング状防着シールドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のスパッタリング装置。
- 前記スパッタチャンバー内に設けられたターゲットと、ターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界を設定してスパッタ放電を生じさせるスパッタ電源とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスパッタリング装置。
- 排気系を有するスパッタチャンバーと、被スパッタ面がスパッタチャンバー内に露出するようにして前記スパッタチャンバー内にターゲットが設けられてターゲットの被スパッタ面を臨む空間に電界が設定されスパッタ放電が生じた際、ターゲットから放出されたスパッタ粒子が到達する前記スパッタチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーとを備えており、
前記スパッタチャンバー又はこれに隣接する他の真空チャンバー内には、前記基板ホルダーの基板保持面を覆うことが可能な寸法形状を持つダミー基板を退避させる退避室が設けられており、前記退避室内の退避位置と、前記基板ホルダーの基板保持面上の位置との間でダミー基板を移動させるダミー用移動機構を備えており、
前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に基板を搬送する搬送ロボットが内部に設けられた搬送チャンバーが前記スパッタチャンバーに隣接して設けられており、
前記スパッタチャンバー内には、前記ターゲットと前記基板ホルダーとの間の空間を取り囲むようにして円筒状の防着シールドが設けられており、
前記基板ホルダーには、前記基板ホルダーを移動させるホルダー用移動機構が設けられており、前記ホルダー用移動機構は、前記基板ホルダーの基板保持面が前記防着シールドの端部開口の付近となる第一の位置と基板保持面が前記防着シールドの端部開口から離れた状態となる第二の位置との間で前記基板ホルダーを移動させるものであり、
前記ダミー用移動機構は、前記基板ホルダーが第二の位置に位置した状態で前記基板保持面上の位置に前記ダミー基板を位置させるものであるスパッタリング装置を用いた成膜方法であって、
前記搬送ロボットにより基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送した後、前記スパッタ放電を生じさせて基板に成膜処理を施す第1成膜工程と、
前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送した後、前記スパッタ放電を生じさせる事前成膜工程と、
前記事前成膜工程後、前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記退避位置に退避させる退避工程と、
前記退避工程後、前記搬送ロボットにより基板を前記スパッタチャンバー内の前記基板ホルダーの基板保持面上の位置に搬送し、スパッタ放電を生じさせて基板に成膜処理を施す第2成膜工程と
を含むことを特徴とする成膜方法。 - 前記退避室には、前記ダミー基板を加熱する加熱器が設けられており、前記退避工程中に、前記ダミー用移動機構により前記ダミー基板を前記加熱器に接近させて加熱する加熱工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の成膜方法。
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