JPH1099058A - 固形物入り液状飲食品 - Google Patents

固形物入り液状飲食品

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JPH1099058A
JPH1099058A JP8276975A JP27697596A JPH1099058A JP H1099058 A JPH1099058 A JP H1099058A JP 8276975 A JP8276975 A JP 8276975A JP 27697596 A JP27697596 A JP 27697596A JP H1099058 A JPH1099058 A JP H1099058A
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和慶 伊藤
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修治 西尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮遊分散した飲食可能な固形物を含有する液
状飲食品を提供する。 【解決手段】 浮遊分散した飲食可能な固形物を含有す
る液状飲食品において、飲食品調合液100重量部に対
してジェランガムを0.03超〜0.05未満重量部、
タマリンドシードガムを0.002超〜0.05重量
部、及びカルシウム及び/又はマグネシウム換算で0.
001〜0.010未満重量部の可溶性の、カルシウム
塩及び/又はマグネシウム塩を含有する固形物入り液状
飲食品。 【効果】 固形物が口に残ること無く、流動性が良く、
のどごし感も良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼリー片や果実の
組織等の飲食可能な固形物を含有させた液状飲食品に関
し、飲食品調合液が固形物の浮遊分散安定性に優れるこ
とにより固形物が飲食品調合液部と一体となり飲用でき
かつ、全体に滑らかな飲み心地である、飲食品としての
触感の向上した固形物入り液状飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】固形物入り液状飲食品において飲食品調
合液の固形物分散安定性を向上させることにより固形物
を飲食品調合液部と一体として飲用可能とするために従
来例えば、耐熱性及び耐酸性のある増粘多糖類の使用が
考えられている。そして、例えば固形物としてゼリー
粒、柑橘果実さのうやパルプ分の分散状態を保つため
に、食品即席固形飲料(特開昭62−130671
号)、粘稠食品(特開昭62−151148号)、粒状
食品入り飲料の製造法(特開平5−3773号)が知ら
れている。しかしながら、特開昭62−130671号
及び特開昭62−151148号では、ジェランガム単
独の使用のみの検討であり、また、特開平5−3773
号では、ジェランガム単独又はジェランガムとκ−カラ
ギナンの組合せが、試験した他の多糖類より好適である
ことを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固形物入り液状飲食品
において、飲食品調合液と固形物が一体となり固形物の
浮遊分散性の向上した外観上の美しさのみならず嗜好品
としての飲み心地等の触感を向上させた飲食品が要望さ
れていた。しかしながら、そのような飲食品はいまだ開
発されていない。本発明の目的は、上記のような課題を
解決した、浮遊分散した飲食可能な固形物を含有する液
状飲食品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は固形物入り液状飲食品に関する発明であって、浮
遊分散した飲食可能な固形物を含有する液状飲食品にお
いて、飲食品調合液100重量部に対してジェランガム
を0.03超〜0.05未満重量部、タマリンドシード
ガムを0.002超〜0.05重量部、及びカルシウム
及び/又はマグネシウム換算で0.001〜0.010
未満重量部の可溶性の、カルシウム塩及び/又はマグネ
シウム塩を含有することを特徴とする。
【0005】本発明者らは、浮遊分散した飲食可能な固
形物を含有する液状飲食品において、上記した構成要件
を選択することにより、当該固形物の浮遊分散性が向上
しかつ触感の向上した飲食品を得ることが可能となり本
発明の完成に至った。本発明者らは、固形物入り液状飲
食品の飲食品調合液と固形物が一体として飲用できる
(液部と固形物はそれぞれに分離可能であるが、飲用時
に瓶又は口内に固形物のみが残ることなく液部と同時に
飲用することが可能である)のみならず飲用時の滑らか
さ等の触感の向上に着目し飲食品調合液の物性に関して
鋭意検討を行った。この結果、飲食品調合液部に特定量
のジェランガム及びタマリンドシードガムを固化しない
範囲で組合せ使用し、溶解後に少量の可溶性のカルシウ
ム塩及び/又はマグネシウム塩を添加し混合冷却を行う
ことにより、飲食品としての触感の向上した飲食品調合
液を得ることが可能となった。更に該飲食品調合液はジ
ェランガム及びタマリンドシードガムがゲル化剤ではな
く増粘安定剤として機能しており固形物の浮遊分散性に
効果を発揮し、飲用時に飲食品調合液と固形物とが一体
として飲用できるという優れた性質も兼備していた。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明でいう固形物入り液状飲食品とは固形物部と
飲食品調合液部に分離可能であり飲用可能なものをい
う。そして、本発明でいう液状とは、製品である飲食品
が、流動性を保持し、かつ、その内容物である固形物が
浮遊分散できる状態にあることを意味する。また、本発
明でいう浮遊分散とは、静置状態における、製品である
液状飲食品中の固形物の分布が、容器の上中下部におい
て、見掛け上均一に近い状態にあることを意味する。
【0007】本発明でいう飲食品調合液とは、水、果汁
飲料、果肉飲料、清涼飲料、乳飲料、豆乳飲料、茶飲
料、紅茶飲料、栄養飲料、野菜ジュース、めんつゆ、ラ
ーメンスープ、液体ドレッシング、スープ、味噌汁等外
観上液体の形態をとるものを示すが、飲用可能であれば
これらに限定されるものではない。これら飲食品調合液
を調製する際に、原材料の一部としてジェランガム、タ
マリンドシードガム及び可溶性のカルシウム塩及び/又
はマグネシウム塩を飲食品調合液の流動性が失われない
範囲で含有させる。本発明でいう飲食品調合液部の製造
には従来より採用されている技術を使用することが可能
であり、具体的には、その原材料として、ジェランガ
ム、タマリンドシードガム、可溶性のカルシウム塩及び
/又はマグネシウム塩以外に、果糖ぶどう糖液糖、上白
糖、グラニュー糖、果糖、ぶどう糖、オリゴ糖等の糖質
及び/又はアスパルテーム、ステビア、フコース、ミラ
クリン、ラカンカ等の甘味料及び/又は赤キャベツ、ア
ナトー、カロチノイド、フラボノイド、アントシアニン
等の着色料及び/又はレンギョウ抽出物等の保存料及び
/又は米糠抽出物等の酸化防止剤及び/又はカフェイン
等の苦味料及び/又はクエン酸、クエン酸ナトリウム、
リンゴ酸、乳酸、リン酸、酒石酸、フィチン酸等の酸味
料及び/又はグルタミン酸、タウリン、アルギニン、ア
スパラギン、イノシン酸ナトリウム、乳精ミネラル等の
調味料及び/又はグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤
及び/又はビタミンA、カロチン、ビタミンB1、ビタ
ミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミン
C、ビタミンD、ビタミンE、葉酸等の強化剤及び/又
はシリコーン等の製造用剤及び/又は香料等の食品素材
や食品添加物等の飲食可能な物質が使用可能であり、更
に必要により内容物の沈殿が生じない範囲でアルコール
を含有させることも可能である。
【0008】本発明でいう飲食品調合液を用いた飲食品
製品のpHは通常の飲食品の取る範囲で選択することが
可能でありpH2.5〜7.0の範囲を取ることができ
る。好ましくはpH3.0〜4.5の範囲であり、更に
好ましくはpH3.4〜3.8の範囲である。
【0009】本発明でいう固形物においては、飲食可能
なものの内、ゼリー、柑橘類さのう、柑橘類パルプ、リ
ンゴピューレ、リンゴパルプ、パイナップル果肉、桃果
肉、ぶどう果肉、いちご果肉、人参ピューレ、小豆、大
豆、胡麻、野菜類細断物、野菜類パルプ、畜肉等の動植
物組織や乳酸菌等の食用可能な菌、酵母、米麹等のか
び、しいたけ等のきのこ類等の微生物組織が好適であ
る。
【0010】本発明において、固形物がゼリーである場
合のゼリーの製造には従来より採用されている技術を使
用することが可能であり、具体的には、その原材料とし
て、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンド
シードガム、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガ
ム、ペクチン、結晶セルロース、カルボキシメチルセル
ロース、コンニャクマンナン、寒天、アルギン酸ナトリ
ウム、キチン、グルコサミン等を単独又は組合せて使用
することが可能である。ゼリー中には、果糖ぶどう糖液
糖、上白糖、グラニュー糖、果糖、ぶどう糖、オリゴ糖
等の糖質及び/又はアスパルテーム、ステビア、フコー
ス、ミラクリン、ラカンカ等の甘味料及び/又は赤キャ
ベツ、アナトー、カロチノイド、フラボノイド、アント
シアニン等の着色料及び/又はレンギョウ抽出物等の保
存料及び/又は米糠抽出物等の酸化防止剤及び/又はカ
フェイン等の苦味料及び/又はクエン酸、クエン酸ナト
リウム、リンゴ酸、乳酸、リン酸、酒石酸、フィチン酸
等の酸味料及び/又はグルタミン酸、タウリン、アルギ
ニン、アスパラギン、イノシン酸ナトリウム、乳精ミネ
ラル等の調味料及び/又はグリセリン脂肪酸エステル等
の乳化剤及び/又はビタミンA、カロチン、ビタミンB
1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビ
タミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、乳酸カルシ
ウム、塩化カルシウム等の強化剤及び/又はシリコーン
等の製造用剤及び/又は香料等の食品素材や食品添加物
等の飲食可能な物質が使用可能である。これらの原材料
を溶解混合及びpH調整したものを殺菌冷却し固化を行
う。この固化したゼリーをダイスカッター、ミンチ機等
の成形機を用いて小片化を行うことが可能である。これ
以外の方法で例えば、ジェランガムを主成分とするゼリ
ーでは、カルシウム及び/又はマグネシウムイオン含有
成分以外の原材料を脱イオン水に加温溶解したものを、
別の容器に準備した、例えば冷却した乳酸カルシウム溶
液中に滴下して球状やさのう状のゼリーを調製すること
も可能である。しかし、適当な固さが得られれば、ゼリ
ーの成形には任意の工程が選択可能である。特に酸性に
調製された飲食品に使用する場合、ゼリー100重量部
に対してジェランガムを主体として0.1〜0.5重量
部配合し、必要によりキサンタンガム、グアーガム、ロ
ーカストビーンガムを配合し、更に5〜15重量部のグ
ラニュー糖、0.05〜0.5重量部のクエン酸ナトリ
ウム、更に必要により酸味料、ビタミン類、着色料、香
料を添加したゼリーを使用することが可能である。
【0011】本発明において、固形物の形状は、立方
体、直方体、多面体、球形、楕円状、さのう状等をとる
ことができるがこれらに限定されるものではなく、更に
組合せ使用及び組合せた形状をとることも可能である。
また、固形物の大きさとしては一辺10mmのメッシュ
を通過するものが使用可能であり、好ましくは一辺0.
3mmのメッシュを通過せず一辺8mmのメッシュを通
過するものが触感の上から好ましく、更には一辺1mm
のメッシュを通過せず一辺5mmのメッシュを通過する
のものが最も好ましい。本発明における固形物の飲食品
調合液部への添加量は、飲食品調合液100重量部に対
して0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、
更に好ましくは外観上から2〜20重量部である。
【0012】本発明でいうジェランガムとは、食品添加
物として認められているジェランガムのことをいう。
【0013】本発明でいうタマリンドシードガムとは、
食品添加物として認められているタマリンドシードガム
のことをいう。
【0014】本発明でいう可溶性の、カルシウム塩及び
/又はマグネシウム塩とは食品添加物及び食品素材等の
飲食可能な物質の内、水溶液部にカチオンとして存在可
能なものをいい、例えば、グルタミン酸カルシウム、乳
酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、
グルコン酸カルシウム、焼成カルシウム、未焼成カルシ
ウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム等の食品添加物や、ミルクカ
ルシウム、にがり、海水等の食品素材が使用できこれら
の単独又は組合せで使用できるがこれらの種類は限定さ
れるものではない。飲食品調合液に使用する際の良好な
溶解性及び飲食品としての触感の良さの点から乳酸カル
シウムの使用が好ましい。
【0015】本発明の固形物入り液状飲食品の製造方法
の代表例は以下のとおりであるが、これに限定されるも
のではない。脱イオン水でジェランガム、タマリンドシ
ードガム、及び必要に応じてクエン酸ナトリウムを必要
量溶解し、この溶解液を別に用意しておいた糖質溶解液
と混合する。この混合液に別に用意しておいた可溶性の
カルシウム塩、例えば乳酸カルシウム溶液を混合した
後、冷却して全体の液温を40℃以下とする。更にこの
混合液に果汁、ビタミンC、クエン酸、香料等を添加
後、脱イオン水を加え、必要に応じて再度クエン酸等を
添加して所要量の100%重量及び所定のpHとした。
なおすべての工程において緩やかなかくはんを行い成分
の均質化を行った。本方法により製造された飲食品調合
液は固化(ゲル化)せず成分中の多糖類は増粘安定剤と
して機能していた。これとは別に固形物として直径約3
mmのゼリー球を常法により作成した。これらを用い
て、加温した飲食品調合液にゼリー球を添加し均一にか
くはん後、熱ショックで破損しないようにあらかじめ加
温した瓶に充てん後打栓した。これを徐々に冷却又は8
5℃の温水中に15分間保持した後、冷却を行い液状飲
食品製品とした。
【0016】固形物と飲食品調合液の飲用時の触感及び
固形物の飲食品調合液中での浮遊分散性を向上させるた
めには、飲食品調合液100重量部中のジェランガムの
使用量は0.03超〜0.05未満重量部及びタマリン
ドシードガムの使用量は0.002超〜0.05重量
部、及びカルシウム及び/又はマグネシウム換算として
0.001〜0.010未満重量部の範囲での可溶性
の、カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩の使用が可
能であり、固形物の種類や比重により又は触感を調整す
るために使用量を上記の範囲内で調節することが可能で
ある。特に飲食品調合液の触感は固形物と共に飲食品を
口に含んだときの粘性のみならず付着性、流動性等の物
性、すなわちジェランガムとタマリンドシードガムとの
相乗効果により得られる触感が官能的に大きく影響を及
ぼすためそれらの総合的な評価が必要となる。
【0017】なお、本発明でいう触感とは飲食品調合液
飲用時の滑らかさ、粘稠性、流動性、舌への付着性等の
舌ざわりや固形物と飲食品調合液が一体となって口に入
る感覚、等の官能的感覚のことを総合的にいう。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 固形物入り液状飲食品の触感及び該飲食品における固形
物の浮遊分散性の評価を行うために飲食品調合液中のジ
ェランガム、タマリンドシードガム及びカルシウム又は
マグネシウム源としての乳酸カルシウム・5水和物又は
硫酸マグネシウムの混合割合を変化させて飲食品調合液
を調製した。飲食品調合液の調製は、80℃の脱イオン
水で表1に示すジェランガム、タマリンドシードガムの
各試験区の配合量及びクエン酸ナトリウム0.008
g、乳糖0.04gを高速かくはん機を用いて溶解しこ
の溶解液を別に用意しておいたグラニュー糖9gを脱イ
オン水に溶解した溶解液と混合する。この混合液に別に
用意しておいた各試験区の可溶性カルシウム量又は可溶
性マグネシウム量に対応した乳酸カルシウム・5水和物
又は硫酸マグネシウムを溶解した溶液を混合した後、2
0℃に冷却しておいた脱イオン水を適量混合して全体の
液温を40℃以下とする。更にこの混合液にレモン果汁
0.6g、ビタミンC0.065g、無水クエン酸0.
05g、香料0.1gを添加後、20℃に冷却しておい
た脱イオン水を加え、必要に応じてpH3.6となるよ
うに再度クエン酸を添加して全量を100gとした。な
おすべての工程において緩やかなかくはんを行い成分の
均質化を行った。これとは別に固形物として直径約3m
mのゼリー球を常法により調製した。すなわち、80℃
の脱イオン水700gにグラニュー糖90g、ジェラン
ガム4g、グアーガム0.01g、キサンタンガム0.
01g、ローカストビーンガム0.01g、クエン酸ナ
トリウム1g、乳糖4.6gを均一に溶解後、25℃ま
で冷却し、ビタミンA乳剤3g、ビタミンE乳剤5g、
カロチノイド色素2g、香料1gを順次添加混合し、更
に脱イオン水を適量加え全量を1000gの溶液Aを得
た。また別容器に脱イオン水700gを入れ、これにグ
ラニュー糖90g、塩化カルシウム・2水和物10g、
香料1gを順次混合し、更に脱イオン水を適量加え全量
を1000gとして溶液Bを得た。この溶液Bを約20
℃に保温し、緩やかなかくはんを行いながら溶液Aを滴
下し、直径約3mmのゼリー球を得た。更に、95℃に
加温した各飲食品調合液96.5重量部にゼリー球3.
5重量部を添加し均一にかくはん後あらかじめ60℃に
加温した190ml容瓶に充てん後打栓した。全重量は
300gであった。これを85℃の温水中に15分間保
持し殺菌した後20℃まで冷却を行い飲料製品とした。
【0020】各試験区の飲料製品についてそれぞれ固形
物の浮遊分散安定性の比較及び官能検査を行った。官能
検査は10名のパネラーで行い、触感についての比較を
行った。 固形物の浮遊分散安定性の比較は、各試験区
の飲料製品を充分かくはんした後、瓶口を紐でくくり、
紐の長さ半径50cmの振り子として、垂直に対して±
30度の角度で30秒間振幅させ、固形物の沈降状態を
比較した。結果は表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】*1 −:浮遊分散状態を保っていた固
形物が30%以上 ±:浮遊分散状態を保っていた固形物が30%未満 +:ほぼすべての固形物が沈降 *2 ビスコメーター(B型粘度計)、20℃
【0023】試験区1、2の比較によりタマリンドシー
ドガムがジェランガムと相乗的に働き固形物の浮遊分散
性に効果があり更に試験区1の方が触感が良好であるこ
とが明らかである。試験区3〜6、16の比較により、
飲食品調合液100重量部に対して、ジェランガム濃度
は0.030重量部ではゼリー球と飲食品調合液の一体
感が不足し、0.052重量部では飲食品調合液部がゼ
リー化してしまい使用不能である。したがって、ジェラ
ンガムの使用濃度は0.030超〜0.050未満重量
部が適しており、特に0.035〜0.045重量部が
適している。試験区1、7、8、9、10、11の比較
及びその他を勘案することによりタマリンドシードガム
濃度は0.002超〜0.050重量部が適しており、
特に0.003〜0.030重量部が適している。ま
た、試験区12、13よりカルシウムが0.001重量
部未満では逆に液の流動性がなくなり飲料としては不適
当となる。試験区12、13、14、15からの結果、
可溶性カルシウムは0.001〜0.010未満重量部
が適していた。
【0024】可溶性カルシウムの代替として可溶性のマ
グネシウムの添加においてはカルシウムを使用した場合
の結果と同様の結果が得られた。これらは直鎖構造を持
つジェランガムと2価のカルシウム、マグネシウムイオ
ンの反応及び側鎖構造をもったタマリンドシードガムと
の組合せにより、飲食品調合液の固形物浮遊分散性安定
や特に触感に相乗的に効果があったものと推定される。
【0025】以上より、ジェランガムの最適濃度は0.
030超〜0.05未満重量部、タマリンドシードガム
は0.002超〜0.050重量部、カルシウム及び/
又はマグネシウムとしては0.001〜0.010未満
重量部で流動性が保たれていた。また、実験区と別にジ
ェランガム0.025g、カルシウム換算0.0229
gの場合、振子処理後±の結果であった。
【0026】実施例2 リンゴピューレを固形物とした固形物入り液状飲食品を
表2の配合で常法により調製した。
【0027】
【表2】 表2 リンゴピューレ入り飲料 ───────────────────────────── 果糖ぶどう糖液糖 100.0g 1/5リンゴ透明果汁 20.0g リンゴピューレ 200.0g クエン酸 1.0g クエン酸ナトリウム 1.0g 香料 1.0g リンゴ酸 0.5g ジェランガム 0.4g ビタミンC 0.2g 乳酸カルシウム・5水和物 0.07g タマリンドシードガム 0.03g 脱イオン水 残 量 ───────────────────────────── 合 計 1000.0g
【0028】上記配合により得られたリンゴピューレ入
れ飲料は透明感、流動性、触感共に良好であり、なおか
つ固形物の浮遊分散安定性に優れており、6ヵ月の保存
試験後にもリンゴピューレは均一に浮遊分散していた。
これと同様に、ジェランガム及びタマリンドシードガム
を混合しない飲料を調製したが、この系ではリンゴピュ
ーレは10分以内に90%量が沈降し、触感も一体感の
無いものであった。
【0029】実施例3 実施例2のリンゴピューレの代替として(A)3mm角
の桃果肉、(B)オレンジさのう、(C)クラッシュぶ
どう果肉を用いてジェランガム及びタマリンドシードガ
ムの効果を比較した。ジェランガム及びタマリンドシー
ドガムを含有する系では(A)、(B)、(C)共に触
感は良好であり、更に6ヵ月の保存試験後にも固形物は
均一に浮遊分散していた。しかし、ジェランガム及びタ
マリンドシードガムを含有しない系では(A)、(C)
では固形物は沈降し、(B)では固形物は浮上してお
り、触感も一体感の無いものであった。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による固形物
入り液状飲食品は、触感が良好でかつ固形物の浮遊分散
安定に優れており、口に含んだとき飲食品調合液と固形
物が一体となって飲み込め、のどごし感が良好である。
また、外観的にも大部分の固形物が浮遊しており見栄え
のする製品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清藤 幸一 東京都中央区日本橋2丁目15番10号 寳酒 造株式会社東京事務所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮遊分散した飲食可能な固形物を含有す
    る液状飲食品において、飲食品調合液100重量部に対
    してジェランガムを0.03超〜0.05未満重量部、
    タマリンドシードガムを0.002超〜0.05重量
    部、及びカルシウム及び/又はマグネシウム換算で0.
    001〜0.010未満重量部の可溶性の、カルシウム
    塩及び/又はマグネシウム塩を含有することを特徴とす
    る固形物入り液状飲食品。
JP27697596A 1996-09-30 1996-09-30 固形物入り液状飲食品 Expired - Lifetime JP3620757B2 (ja)

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