JPH109805A - 位置測定方法及び装置 - Google Patents

位置測定方法及び装置

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JPH109805A
JPH109805A JP9081354A JP8135497A JPH109805A JP H109805 A JPH109805 A JP H109805A JP 9081354 A JP9081354 A JP 9081354A JP 8135497 A JP8135497 A JP 8135497A JP H109805 A JPH109805 A JP H109805A
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spatial waveform
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンコーダ電極の空間波形をディジタル的に
操作し、電極ピッチより小さい空間波形分解能を得るこ
とを可能とした位置測定装置を提供する。 【解決手段】 トランスジューサ110は、送信電極1
30上の合成空間波形を表す信号を受信し、受信電極1
60にスライド112とスケール114の相対位置を表
す信号を出力する。合成空間波形は、排他的ORゲート
462により発生される。ゲート462ではオシレータ
450からの出力にROM470からの係数が掛け合わ
せる。マイクロプロセッサ400は、トランスジューサ
110を通して結合された空間波形の位相シフト量を示
す信号Vfを受信し、合成空間波形をシフトして信号V
fをゼロにするに必要な係数を選択すべく、ROM47
0にアドレスを出力する。複数のアドレスは、合成空間
波形の位相シフト量が個々のアドレスに対応する個々の
空間波形の位相シフト量の平均になるように、設定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子的位置エン
コーダの複数の電極に与えられ或いは複数の電極から受
信される信号(波形)を合成し或いはフィルタリングし
て、電極ピッチより十分小さい増加分で電極に対する波
形の空間位置を調整するための装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】容量式位置エンコーダが開発され、種々
の分野で用いられている。その様な容量式エンコーダの
例は、メイヤー(Meyer)の米国特許第3,857,0
92号や、アンデルモ(Andermo)の米国特許第4,4
20,754号,第4,878013号,第4,87
9,508号,第5,023,559号等に開示されて
いる。アンデルモの’754特許に示された容量式位置
エンコーダは、静止した長いスケール上に摺動可能に搭
載されたスライドを用いる。スライドは、スケール上に
搭載されてスケールの長手方向に移動可能とされてい
る。スライドとスケールは例えばノギス等の位置測定部
材に、位置測定部材間の相対位置がスケール上のスライ
ド位置に対応するように、機械的に結合される。
【0003】スケールとスライドはそれぞれ、長手方向
に沿って形成された電極アレイを有する。スライドは例
えば、数セットの送信電極を有する。各セット内のそれ
ぞれ位置決めされた送信電極は互いに共通接続される。
そして、スライダ或いはスケールのいずれかで形成され
る正弦波或いは矩形波のような周期信号の複数位相のそ
れぞれに対応する電圧が各セットの対応する送信電極に
与えられる。
【0004】例えば、80個の送信電極がスライダ上に
形成され、これが5つのサブセットに分けられる。各サ
ブセットは従って16電極からなる。V0sin(N2
π/16)(但し、N=1,2,…,16)なる大きさ
の電圧信号が送信電極に与えられる。特に、各セットの
N番目の電極は同じ電圧信号を受ける。これにより例え
ば、0.707V0なる電圧が各セットの2番目の電極
(送信電極2,18,34,50及び66)に与えられ
る。或いは、第1の電圧信号が各セット16個のうちm
個の送信電極に与えられ、第2の電圧信号が各セットの
残りの16−m個の送信電極に与えられるようにするこ
ともできる。この様にして方形波が送信電極に与えられ
る。
【0005】送信電極のセットに与えられる電圧信号
は、“空間波形”を作る。即ち、電気的波形は、送信電
極の各セットに占有される空間上に延びる。隣接する送
信電極上の対応点の間の距離は、電極の“空間ピッチ”
である。隣接するセットの対応する送信電極間の距離
は、送信電極の“空間波長”である。空間波形は、それ
ぞれ電圧信号が与えられる電極位置に基づいて、送信電
極のセットに関連する位置或いは位相を有する。
【0006】例えば上に概略を述べた方形波の場合、空
間波形の位相は、各セットの第1の8送信電極が第1の
電圧信号を受信し、第2の8送信電極が第2の電圧信号
を受信するときを0°として定義される。空間波形の位
相は、第1の電圧信号が各セットの送信電極2−9上に
位置し、第2の電圧信号が各セットの送信電極1,10
−16上に位置することにより、22.5°シフトす
る。しかしながら、各セットの送信電極の数は、空間波
形がシフトできる最小の位相角増加分を決定している。
同様に、送信電極のピッチは、空間波形がシフトできる
最小の位置増加分を決定している。従って、空間波形の
シフトできる最小の位相角は上述の例では、22.5°
である。より一般的にいえば、各セットの送信電極の数
をNとして、最小位相角は、360°/Nとなる。
【0007】送信電極に電圧信号が与えられると、その
電圧信号はスケール上の第1の受信電極に容量結合す
る。第2の送信電極は電気的に第1の受信電極に接続さ
れている。従って、第1の受信電極に容量結合した電圧
信号は、第2の送信電極に与えられる。第2の送信電極
に与えられた電圧信号は更に、スライド上の1乃至2以
上の第2の受信電極に容量結合により戻される。スケー
ル上の電極は、送信電極から受信した電圧信号の振幅
を、スケールに対するスライドの相対位置に基づいて変
えるように(或いは、空間波形の位相をシフトするよう
に)、型どられている。これにより、スライド上の第1
の受信電極に受信される合成電圧信号の大きさ(或いは
位相シフト量)は、スライドとスケールの間の相対位置
を示すことになる。
【0008】第2の受信電極に接続される適当な電気回
路、及び第1の送信電極に与えられる電圧信号の信号源
は、合成される受信電圧信号の大きさ、従ってスケール
上のスライドの位置を決定する。第1の送信電極のため
の信号源は、第1の送信電極のセットに与えられる空間
波形の位相を、スケールに沿ってスライドが移動するの
と同様にシフトさせる。スライドとスケール上の電極配
置は逆転させて、第1の送信電極と第2の受信電極がス
ケール上に、第1の受信電極と第2の送信電極がスライ
ド上に配置されるようにしてもよい。
【0009】アナログ信号の補間度合いが与えられてい
るとして、供給された空間波形の空間位相を漸次増大さ
せるようにした従来の容量式位置エンコーダの変位測定
の分解能は、空間波形が展開される各組の送信電極の密
度とピッチの関数である。より細い送信電極をより近接
して配置する程、より短距離で空間位相シフトが生じる
から、より高い分解能が得られる。例えば、1の空間波
長の電極の数を8から16に増やせば、1電極ピッチの
変位での“選択可能な”角度位相シフト量は45°から
22.5°に減少し、最小の選択可能な空間増加分は半
分になる。或いは、1空間波長内の送信電極数を一定、
例えば16に保ち、空間波長を1から1/2に減少させ
れば、22.5℃の位相シフト量での変位量は1/8か
ら1/16に減少する。
【0010】しかし、小さいピッチの電極を加工するに
は限界があり、これにより容量式位置エンコーダの分解
能が制限される。もし、隣接電極間の選択可能な角度位
相シフト量が2π/N(または360°/N)(Nは1
空間波長の電極数)より小さくできれば、容量式位置エ
ンコーダの分解能は改善できる。特に、分解能は電極ピ
ッチを増すことなく、或いはアナログ信号補間の度合い
を増すことなく改善できる。従来の容量式位置エンコー
ダにおいては、最小の純粋にディジタル的な空間位相増
加分は、送信電極のピッチに制限される。しかし、アナ
ログ信号を用いることにより、送信電極ピッチより小さ
い位相増加分を実現したエンコーダはよく知られてい
る。例えば、アンデルモの米国特許第4,420,75
4号は、アナログ入力信を用いて送信電極ピッチより細
かい分解能を得ることを可能とする二つの解決法を示し
ている。
【0011】第1の方法は、送信電極に正弦波状信号を
与える方法である。同時に送信電極自体正弦波状にパタ
ーン形成される。入力信号に対する出力信号の瞬時の位
相シフト量はアナログ回路により測定される。しかしこ
のアプローチは、送信電極ピッチと要求される分解能の
間の差が大きい場合には、高精度のアナログ内挿回路を
必要とする。その結果、望ましい空間内挿の度合いを実
現しようとすると、高感度で高コストのアナログ回路、
例えば高精度のA/Dコンバータが要求される。
【0012】’754特許に示された第2の方法は、送
信電極に均一電圧を与える方法である。パルスのタイミ
ングは時間的位相コントローラにより調整される。これ
は、送信電極に与えられる空間波形の位相を調整するも
のである。これにより、第2の受信電極に容量結合され
る全信号の瞬間的な位相が例えば0°のような所定の瞬
間的な位相を有する。時間的位相コントローラは、増大
する送信信号の時間的位相を隣接電極間の空間位相シフ
ト量より小さくすることができる。従って、受信電極上
でのゼロ位相シフト量を維持するに必要な位相調整量の
大きさが、スライドとスケール間の高分解能の相対位置
を示すことになる。
【0013】メイヤーの米国特許第4,841,225
号は、ディジタル的に空間波形の位相を選択することに
より、送信電極ピッチより小さい位相増加を得る方法を
示している。この’225特許においては、各セットの
対応する送信電極に同じ電圧を与えるのではなく、各セ
ットの対応する送信電極に異なる電圧を与える。ある1
組の送信電極に与えられる空間波形の位相は、他の組の
送信電極に与えられる空間波形の位相と異なる。
【0014】この様に、各組の送信電極に与えられる電
圧の位相を異ならせて、各組の送信電極に与えられる空
間波形の位相はトランスジューサにより空間的に平均化
される。与えられた空間位相シフト量をもつ電圧信号が
ある組の送信電極に与えられたとすると、平均空間位相
シフト量は、送信電極の組の数により分割された位相シ
フト分に等しくなる。従って、平均化空間波形は、送信
電極のピッチより小さい距離だけシフトすることができ
る。即ち平均位相シフト量は、各組の送信電極数をNと
して、360°/N以下になる。より一般的には、N個
の送信電極がM組として、幅Ptのピッチ数Pだけ1グ
ループ内の空間位相がシフトし、Pt×P/Mなる位相
シフト量の範囲内の空間波形変位が生じる。しかしなが
ら、この’225特許は、各送信電極に独立に異なる電
圧を印加するために、多数のスイッチ接続を必要とす
る。
【0015】容量式位置エンコーダを作るには、最も一
般的には、比較的低コストのプリント配線ボードエンコ
ーダ技術が用いられる。多数のスイッチ(即ち、Nスイ
ッチ×M組)と、送信電極を支持する部材に要求される
長さとが、’225特許をプリント配線ボードエンコー
ダ技術を用いて物理的かつ経済的に実現することとを困
難にしている。要求される多数のスイッチは電極アレイ
スイッチングネットワーク用の集積回路製造技術を用い
て作ることができる。しかしこれは、多くの場合望まし
い技術ではない。
【0016】アンデルモの米国特許第4,878,01
3号は、送信電極の物理的ピッチより小さい空間位相シ
フト量をディジタル的に選択する他のアプローチを示し
ている。この’013特許では、送信電極と受信電極の
特定の間隙を送信電極に与えられる駆動信号に関して特
定の対応関係に結び付けて、送信電極ピッチより小さい
分解能の増加分を選択する。“合成的”空間ピッチは、
複数組の送信電極と適当な間隔を設けたスケール電極と
により作られる。’013特許における有効な送信電極
の合成的空間ピッチは、実際の物理的ピッチに比べて十
分小さい。これにより、空間波形信号がディジタル的に
シフトされ得る増加分は、より小さくなる。しかしなが
らこれは、先の問題の電気的解決というよりは、幾何学
的解決である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の容
量式位置エンコーダにおいて、送信電極ピッチより小さ
い分解能を電気的に実現しようとすると、アナログ回路
を利用する方法では高精度のアナログ回路が必要にな
り、ディジタル的に実現しようとすると多数のスイッチ
を必要とする、といった問題がある。
【0018】この発明は、位置エンコーダの電極の空間
波形をディジタル的に操作することにより、電極ピッチ
より小さい有効な空間波形分解能を得ることを可能とし
た方法と装置することを目的としている。この発明はま
た、多数のスイッチを用いることなく送信電極ピッチよ
り小さい有効な分解能を得るようにした容量式位置エン
コーダを提供することを目的とする。この発明は更に、
比較的少ない送信電極の組を用いて、送信電極ピッチよ
り小さい有効な分解能を得るようにした容量式位置エン
コーダを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明のシステムは、
インクリメンタル型或いはアブソリュート型の容量式位
置エンコーダに関して空間波形を合成する。その様な容
量式位置エンコーダは、測定軸方向に互いに相対移動す
る第1及び第2の部材(基板)を有する。第1の部材に
は送信電極が形成され、この送信電極には空間波形を生
成する電圧信号が与えられる。第1の部材には、少なく
とも一つの他の電極が形成される。この他の電極は、第
2の部材に形成された電極を介して前記送信電極に容量
結合される。前記送信電極と他の電極の間で転送される
電圧信号の変化の大きさ(振幅或いは位相)は、前記第
1及び第2の部材の測定軸に沿う相対位置に依存する。
望ましい精度を得るために、トランスジューサを介して
伝搬される電圧信号は、例えば方形波のような、或いは
好ましくは正弦波のような連続的な周期的信号とする。
この連続的で周期的な波形構造は、各位置測定毎に複数
のディジタル空間波形要素を与えることにより得られ
る。これにより、エンコーダに与えられるディジタル空
間波形要素を空間的に加算した位相に対応する空間位相
をもつ合成空間波形を得ることができる。
【0020】この発明のシステムは、動作において先
ず、スライド上の受信電極により受信される信号の大き
さを決定し、次に、適当なディジタル空間波形要素を選
択して受信された合成空間波形の空間位相を調整して所
定の出力値を得る。受信された合成空間波形の空間位相
は、少なくともいくつかのディジタル空間波形要素を変
更することにより、調整する。通常の動作においては、
システムは上述の動作を、所定の出力値が要求されるマ
ージン内に維持されるように繰り返し実行する。この通
常動作の間、前記所定の出力値を得るように選択された
ディジタル空間波形要素の唯一の形状に基づいて、シス
テムは、測定軸に沿った第1及び第2の部材の相対位置
を1スケール波長の範囲内で決定する。第1及び第2の
部材の相対位置を決定するために、システムは上述した
動作を、移動したスケール波長数を累算しながら繰り返
し実行する。
【0021】この発明のシステムは、各空間波形毎にア
レイの各電極に電圧を供給し或いは各電極から電圧を受
信する。これにより、各位置測定毎に、複数の電圧信号
が送信電極に複数回与えられる。各組の各電極に同じ電
圧信号が与えられると、システムは各タイミングでパル
スを複数の係数をもって変調する。複数の係数のそれぞ
れは、電極の各組におけるある電極に対応する。この結
果、各測定の間それぞれの電極に複数の変調パルスが与
えられる。各組の変調パルスは、与えられた係数の組に
対応してある空間形状をもつ空間波形を形成する。も
し、異なる電圧信号が送信電極のそれぞれに与えられれ
ば、有効な空間位相は合成空間波形から決定できること
になる。
【0022】電子位置エンコーダは、上と逆に、少なく
とも一つの他の電極が空間波形を送信し、送信電極がこ
の空間波形を受信するように構成することができる。こ
の場合、電圧信号が送信電極により受信される時、複数
のパルスが各測定の間前記少なくとも一つの他の電極に
与えられる。このシステムは好ましくは、対応する複数
組の係数をもつ複数のパルスの間、送信電極の各組毎に
接続の存在及び接続極性をコントロールすることにな
る。一つの組の各係数はそれぞれ、各組の一つの送信電
極に対応する。従って各組のパルスは、係数の組により
決まる空間形状をもつ選択可能な空間フィルタにより空
間的に変調され、フィルタリングされる。この結果、複
数のパルスは各測定毎に、各電極の組を通して変調され
フィルタリングされる。これらの或いは他の特長及び効
果は、次の好ましい実施例の中で説明され、明らかにな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】好ましい実施例においては、この
発明の電極アレイを用いた空間波形合成の方法は、図1
に示すような容量式一エンコーダに適用される。図1に
示すように、エンコーダ100は、基本的に米国特許第
4,979,013号に対応する容量式位置トランスジ
ューサ110を有する。トランスジューサ110は、ス
ケール114とこれに近接配置されたスライダ112を
有する。スライダ112は、スケール114に対して測
定軸116に沿って相対移動する。この容量式位置エン
コーダ100はまた、電子回路120を有する。電子回
路120は、信号発生器122と信号プロセッサ124
を含む。第1の送信電極130のアレイは、スライド1
12上に搭載されている。図1では、第1の送信電極1
30として二つの組132と134がスライド112上
に形成されているが、他の適当な数の組を搭載すること
ができる。
【0024】送信電極130は信号発生器122に接続
されている。特に、第1の組132の第1送信電極13
2aと、第2の組134の第1送信電極134aはそれ
ぞれ信号発生器122の同じ出力に接続されている。同
様に、第1の組132の第2以下の電極132b−13
2hと、第2の組134の第2以下の電極134b−1
34hは、それぞれ信号発生器122の同じ信号出力線
126b−126hに接続されている。第1の組132
の第1送信電極132aの左エッジと、第2の組134
の第1送信電極13aの左エッジの間の間隔は、送信電
極130のアレイの空間波長λFである。送信電極13
0のピッチ136は、送信電極130の任意の点とこれ
に連接する送信電極130の対応する点との間の間隔で
ある。
【0025】スライダ112はスケール114に近接配
置されて、第1の送信電極130がスケール114上に
一列に配列された第1の受信電極140に容量結合する
ようになっている。各受信電極140は、配線142に
より第2の送信電極150に接続されている。第2の送
信電極150も一列に配列されている。第1の受信電極
140に容量結合される電圧信号は、配線142を介し
て第2の送信電極150に供給される。第2の送信電極
150に供給される電圧信号は、スライド112上の第
2の受信電極160に容量結合される。第2の受信電極
160は信号プロセッサ124に接続されている。第2
の受信電極160により受信される電圧信号はスケール
114に対するスライド112の位置の関数である。第
2の受信電極160は信号線127により信号プロセッ
サ124に接続されている。信号発生器122と信号プ
ロセッサ124は信号線129により互いに接続されて
いる。
【0026】第1及び第2の組132及び134の電極
130には、信号発生器122から、周期的波形に対応
する電圧信号が与えられる。例えば、周期的波形が方形
波であるとすれば、第1及び第2の組132及び134
の最初の4電極132a−132d及び134a−13
4dが同じ第1の電圧信号(例えば、+5V信号)が与
えられる。残りの4電極132e−132h及び134
e−134hには、同じ第2の電圧信号(例えば、−5
V信号)が与えられる。これにより時間的に周期的な波
形ではなく、空間的に周期的な波形が測定軸116に沿
って形成される。即ち、周期的波形は、“空間波形”で
ある。
【0027】この空間波形の位相は、それぞれ第1及び
第2の組132及び134の中で第1の電圧(+5V)
から第2の電圧(−5V)に代わる位置を変えることに
より、漸次シフトする。即ち、空間波形位置は、各組1
32,134における第2−第4送信電極123b−1
32e,134b−134eに第1の電圧(+5V)を
与えることにより、上の例からピッチ136だけシフト
する。このとき同時に、第2の電圧(−5V)が、各組
132,134において、第1及び第6−第8送信電極
132a,132f−132h及び134a,134f
−134hに与えられる。1ピッチ136の位置シフト
は、空間位相シフト45°に対応する。即ち、各組の送
信電極数をNとして、位相シフト360°/Nが得られ
る。上に述べた例では、第1及び第2の組132及び1
34はそれぞれ8個の送信電極130を有するから、位
相シフト量は、360°/8=45°である。
【0028】第2の受信電極160が受信する電圧信号
の振幅は、スライド112とスケール114の相対位置
及び、第1の送信電極130上の信号の空間波形の関数
である。第2の受信電極160が受信する電圧信号は、
第1の送信電極130から第1の受信電極140及び第
2の送信電極150を介して結合される全電圧信号の合
計である。スライド112とスケール114のある相対
位置について、第2の受信電極160は、第1の受信電
極140に対して同程度に結合する送信電極130の適
当な対に相補的な電圧が与えられたときに、0Vとなる
信号を受信する。そして、スライド112がスケール1
14に沿って移動するにつれて、送信電極130と受信
電極140の間の幾何学的関係は変化する。これによ
り、1極性の電圧信号が与えられる送信電極130への
容量結合は、他の極性の電圧信号が与えられる送信電極
への容量結合より大きくなる。従って、第2の受信電極
160上の電圧信号は、スライド112のスケール11
4に対する相対移動の方向に応じて、正または負信号と
なる。
【0029】スライド112のスケール114に対する
相対移動に伴って、信号発生器122は、送信電極13
0に与えられる空間波形の位置を各組132,134の
第1の送信電極132a−132h,134a−134
hに対して相対的に増大させることにより、第2の受信
電極160により受信される電圧信号の振幅を実質的に
0Vの一定値に保つようになっている。これにより、各
組132,134の第1の送信電極132a−132
h,134a−134hに対する空間波形の位置は、ス
ライド112及びスケール114上のトランスジューサ
要素の相対位置に対応する。各組132,134の送信
電極に対する空間波形の相対位置を用いることにより、
信号プロセッサ124は、測定軸116に沿ったスケー
ル113上のスライド112の相対位置を、送信電極の
数(或いは位相)Nによりスケール波長λFを除した距
離の範囲で決定する。
【0030】電子回路120は、λF/Nなる移動距離
の正味の数を累算する間、上述の動作を行うことによ
り、スライド112のスケール114に対する相対位置
を決定する。しかしながら、空間波形が連続的でかつ周
期的であり、電子回路が上に述べた例におけるように単
に二つの信号電圧(即ち+5Vと−5V)のみをもつ通
常のディジタル回路であり、かつ各測定サイクルで一つ
の空間波形しか用いないものとすると、送信電極130
に与えられる空間波形の位置は、距離λF/Nだけしか
変化できない。従って、図1に示すエンコーダ100の
ディジタル分解能は、トランスジューサ110が通常の
電子回路120に接続された場合は基本的に、λF/N
に制限される。
【0031】この発明の空間波形合成法の好ましい実施
例は、各測定の間送信電極130に与えられる空間波形
を複数個とすることにより、送信電極130のピッチ1
36より小さい分解能を実現することを可能としてい
る。各測定サイクルの間、送信電極130に与えられる
空間波形の少なくとも一つの形は、同じ測定サイクルで
送信電極130に与えられる他の空間波形の形と異なら
せることができる(但し、異ならせる必要はない)。こ
れにより、1測定サイクルの間送信電極130に与えら
れる全空間波形の合計により作られる合成空間波形の位
置が、送信電極130に与えられる全空間波形要素の空
間的累算の位置となる。
【0032】例えば、1測定サイクルは、4つの空間波
形要素を含むものとする。一つの空間波形要素が他の空
間波形要素に対して送信電極130のピッチ136分だ
けずれたとすると、4つのサブサイクルで累算された合
成空間波形の位置は、一つの波形要素を繰り返し用いる
ことにより形成される基準合成空間波形に対して、ピッ
チ136の1/4ずれることになる。従って、空間波形
要素の少なくとも一つの位置を変えることにより、1測
定サイクルを構成する全波形を累算した合成空間波形の
位置は、基準合成空間波形に対して、送信電極130の
ピッチ136の1小部分だけシフトすることになる。合
成空間波形の位置を送信電極130のピッチ136より
小さい増加分で効果的に変えることができるということ
は即ち、低コストで高精度のディジタル回路を用いて高
精細分解能を実現できることになる。
【0033】図2(a)は、第1の送信電極130の第
1の組132の電極132a−132hを模式的に示
し、図2(b)は異なる4つのタイミングt1−t4で
4つのディジタル空間波形要素を形成するために電極1
32a−132hに与えられる電圧信号の相対的な電圧
振幅を示している。タイミングt1において、最初の3
電極132a−132cに第1の極性の電圧信号(例え
ば、+5V)が与えられる。同時に電極132e−13
2gには、同じ振幅で逆極性の電圧信号(例えば、−5
v)が与えられる。
【0034】電極132a−132cに正の電圧を与え
ると、実質的に電極132aの左エッジから電極132
cの右エッジまで延びる単一の正電極が形成される(電
極130の間隔を無視して)。同様に、電極132e−
132gに負の電圧を与えると、実質的に電極132e
の左エッジから電極13gの右エッジまで延びる単一の
負電極が形成される。図2(b)に示した空間波形要素
について、中心(center)或いは重心(centroid)(こ
れが空間位相または空間位置を表す)はそれぞれ、P1
−P4にある。特に図2(b)の空間波形要素について
は、重心P1−P4はそれぞれ電極132dの中央位置
にある。
【0035】図2(c)は、タイミングt1−t4の間
に電極132a−132hに与えられた電圧の合計から
得られる合成空間波形を示している。図示のように、合
成空間波形は、電極132a−132cに占有される範
囲で+4単位(即ち、電極132a−132cに与えら
れる電圧の+4倍)の電圧振幅を持ち、電極132b上
では0Vの振幅を持ち、電極132e−132gに占有
される範囲では、−4単位の電圧振幅を持ち、電極13
2h上では0Vの振幅を持つ。合成空間波形の中心また
は重心(これが空間位相または空間位置を表す)は、P
5であり、これは4つの空間波形要素の重心P1−P4
と同じ位置、即ち電極132dの中央位置である。
【0036】この発明による空間波形合成の方法は、4
つのタイミングt1−t4の間、電極132a−132
hに与えられるディジタル空間波形要素を累算して、得
られる合成空間波形の位置に基づいて位置測定を行うこ
とにある。累算された合成空間波形は、電極132a−
132hのそれぞれについての図2(c)に示す個別の
電圧信号を、それぞれ対応する送信電極132a−13
2hに単位時間与えたと等価の効果をもたらす。図2
(c)に示す合成波形は、タイミングt1−t4の間に
送信電極132a−132hに与えられた合成空間波形
の位置を示している。
【0037】図3は、送信電極132a−132hに別
の電圧信号の組を与えた場合を示している。図3(b)
に示すように、タイミングt1′,t2′及びt4′の
間電極132a−132hに与えられた電圧信号は、図
2のタイミングt1,t2及びt4のそれと同じであ
る。タイミングt1′,t2′及びt4′での空間波形
要素の重心は、P1′,P2′及びP4′であり、これ
らは電極132dの中央位置である。しかし、タイミン
グt3′では、電極132d上にも正の電圧信号が与え
られ、また電極132h上に負の電圧信号が与えられて
いる。この結果、タイミングt3′での空間波形要素の
重心は、電極130のピッチ136の半分だけ右にシフ
トし、P3′となる。波形要素は自由に変えることがで
き、システムが認めないであろう空間波形を作ることも
できる。
【0038】一般にシステムの精度上は、合成波形が全
ての位置でほぼ一定の形状を持つこと、それが空間的に
連続でかつ周期的であること、更にそれが好ましくは正
弦波状であることが要求される。波形要素は独立にはこ
れらの要求される特性を満たさないし、またその必要も
ない。即ち、波形要素の位置的な動きは、単に、合成波
形の位置制御を行うこの発明の方法にとって一つの補助
手段に過ぎない。図3(c)は、タイミングt1′−t
4′の間電極132a−132hに与えられる電圧の合
計である合成波形を示している。
【0039】図3(c)に示すように、合成波形は+4
単位の振幅を持つ。この振幅は、電極132a−132
cに占有される領域に展開される。なぜなら、タイミン
グt1′−t4′の間電極132a−132cに1単位
の正電圧が与えられるからである。しかし、電極132
dに占有される領域の空間波形部分は、タイミングt
3′に1単位の正電圧が与えられるのみであるから、こ
の部分の合成波形振幅は、+1となる。同様に、電極1
32e−132g上の合成空間波形の振幅は、−4単位
となり、電極132h上では合成空間波形の振幅は、−
1となる。
【0040】タイミングt1′,t2′及びt4′での
空間波形要素の重心P1′,P2′及びP4′から、タ
イミングt3′での重心P3′へのシフトにより、合成
空間波形の重心P5′へのシフト量は、電極130のピ
ッチ136より小さい値になる。タイミングt3′での
空間波形要素の右方向へのシフトにより、合成空間波形
の重心P5′は右方向にシフトする。そのシフト量の大
きさは、それぞれ空間波形要素がシフトするタイミング
t1′−t4′の数と、それぞれのシフト量との関数で
ある。
【0041】例えば、電極132a−132hがタイミ
ングt3″で図4に示すように電圧信号を受けたとする
と、空間波形要素の重心は、ピッチ136だけシフトし
て、P3″となる。P3からP3″へのシフト量は、P
3からP3′へのシフト量の2倍である。タイミングt
3″で図4(b)のような電圧信号が電極132a−1
32hに与えられた時、合成空間波形は図4(c)のよ
うになる。図4(c)の合成空間波形の重心P5″は、
図3(c)の場合の合成空間波形の重心P5′より右に
シフトしている。全測定の正の部分の基準点は、図3
(c),図4(c)に示すように、電極132bと13
2cの中間点Xである。空間波形の負の部分について
は、基準点は電極132fと132gの中間点である。
【0042】全空間波形の重心P5は、波形の正部分と
負部分の重心の合成点である。この重心は、電極132
bと132cの中間点である基準点から決定される。即
ち、全空間波形の基準点は、図3(b)に示す点P3′
と同じ位置になる。全空間波形の重心は、図3(c)に
示される空間波形のように、図3(b)に示す重心P
1′−P4′の合成として表される。図2(c),図3
(c)及び図4(c)に示される空間波形の正と負の部
分は相補的であるから、正の部分の重心のシフト量は、
負の部分の重心のシフト量と同じ方向に同じだけであ
り、また全体の合成波形の重心のシフト量と同じ方向に
同じだけである。例えば、波形の正の部分について求め
られる重心位置−1は、電極132aと132bの中間
点にある。空間波形の負の部分について求められる重心
位置−1は、電極132eと132fの中間点にある。
同様に、合成空間波形について求められる重心位置は、
基準点からシフトした電極132cと132dの中間点
にある。
【0043】空間波形の正の部分の重心は、各電極上の
電圧振幅と、その電極の中点と基準点の間の距離との積
に基づいて求められる。これら各電極上の電圧と距離の
積の合計は、電極上の個々の電圧の合計により除され
る。この例の場合、基準点Xは二つの隣接電極の間にあ
るから、どの電極の中点と基準点Xとの間の距離も、ハ
ーフピッチ上にある。図4(c)の場合、電極132a
の中心は、基準点Xから、−1.5ピッチの距離にあ
る。タイミングt1″−t4″の間、電極132aに与
えられる電圧信号の合計は、+3単位である。従って電
極132aにより与えられる寄与分は、−4.5(=−
1.5×3)である。電極132b−132dによる寄
与分の詳細説明は省略するが、図4(c)の空間波形の
正の部分の重心は、下記式で表される。
【0044】
【数1】
【0045】この様に求められる重心P5″のシフト量
は、−0.25である。これは、重心P5″が電極13
0のピッチ136の1/4だけ基準点Xの左にシフトし
たことを意味する。同様にして、図2(c)の空間波形
について求められる重心P5のシフト量は、−0.5と
なる。従って、図4(c)に示す空間波形の重心は、図
2(c)の空間波形の重心の右に電極130のピッチ1
36の1/4だけシフトした位置になる。
【0046】また、図4(c)の空間波形の重心は、図
4(b)に示すように、タイミングt1″−t4″で生
成される空間波形の重心P1″−P4″の平均に等し
い。特に、図4(b)におけるタイミングt1″,t
2″及びt4″の各空間波形の重心は、−0.5であ
る。またタイミングt3″における空間波形の重心は、
+0.5である。即ち、正の部分について、この空間波
形の重心は、基準点Xの右にピッチ136の1/4シフ
トした点にある。各タイミングでの電圧単位数が同数で
ある場合(即ち、図4(b)に示すように、3つの
“+”電圧単位と、3つの“−”電圧単位である場合)
を仮定すると、合成空間波形の重心は、個々の空間波形
の4つの重心の合計(−0.5×3+0.5=−1)
を、重心の数4で除した値、即ち−0.25となる。
【0047】この様な理由から、この発明の好ましい実
施例の動作は、種々の方法でビジュルアル化することが
できる。個々の空間波形は、合成空間波形が個々の空間
波形の位置の平均値に対応する位置を持つようにビジュ
ルアル化できる。或いは、各電極上の電圧信号の振幅
は、図2(c),図3(c)或いは図4(c)に示すよ
うに、合計されて合成波形を表わし、その合成波形が電
圧波形の中心に対応する重心を持つように、ビジュルア
ル化できる。
【0048】第1の送信電極130に与えられる電圧振
幅要素の他の組み合わせによって、同様の合成空間波形
を得ることも可能である。例えば、図5(c)の電圧波
形により表される合成空間波形は、図6(c)に示され
た合成空間波形と同じである。しかし、図6(c)の合
成空間波形は、図6(b)に示すように、タイミングt
3,t4でピッチ136だけシフトした空間波形を持つ
正極性の3個の電極と負極性の3個の電極の駆動により
作られる。これに対し、図5(c)の合成空間波形は、
図5(b)に示すように、タイミングt1及びt3で相
補的となる全8電極132a−132hの駆動と、タイ
ミングt2及びt4で相補的となる4電極のみの駆動と
により作られる。にも拘らず、図5(b)の電圧の合成
は、図6(b)の電圧の合成と同じ合成空間波形を形成
する。
【0049】最後に、1空間波形の位置シフトによる合
成空間波形の位置シフトは、そのシフトの大きさの関数
であるのみならず、シフトされる空間波形を作り出すた
めに駆動される電極の数の関数でもある。例えば、図7
(a)〜(c)の場合、タイミングt1,t2及びt4
で作られる空間波形は、図3(b)に示すタイミングt
1′,t2′及びt4′で作られる空間波形と同じであ
る。更に、図7(b)のタイミングt3での空間波形の
重心は、図5(b)のタイミングt3′でのそれと同じ
である。しかし、図3(b)のタイミングt3′で作ら
れる空間波形は、全8電極132a−132hの駆動に
よるのに対し、図7(b)のタイミングt3で作られる
空間波形は、4電極132b,132c,132f及び
132gの駆動によるものである。
【0050】この結果、図3(c)に示す電圧波形は、
図7(c)に示す電圧波形と異なったものとなる。図3
(c)の合成空間波形の正の部分の重心は、基準点Xか
ら、−0.346(=−4.5/13)だけシフトして
いる。従って、全合成空間波形の重心は、基準点から−
0.346シフトした電極132dと132eの中間点
である。一方、図7(c)の合成空間波形の重心は、−
0.409(=−4.5/11)だけシフトしている。
この様に、個々の空間波形のシフト量の合成空間波形の
シフト量に対する寄与の度合いは、シフトの大きさだけ
でなく、駆動される電極の数に依存し、これが個々の空
間波形の“重み”になる。
【0051】図8は、この発明の好ましい実施例に用い
られる1組の電圧波形を示している。各電圧波形は、4
つのタイミングt1−t4について、8電極132a−
132hのそれぞれに正または負の電圧を選択的に与え
ることにより作られる。この結果、合成空間波形は、4
つのディジタル空間波形要素のそれぞれにおける4つの
個別電圧の振幅の合成である合成振幅を持つ。合成空間
波形の電圧振幅は、1単位ずつ+4単位と−4単位の間
に広がる。
【0052】図8に示す好ましい実施例において、電圧
信号は送信電極130に与えられて、8個の異なる空間
波形φ0 −φ7 が作られる。これにより得られる各合成
空間波形の重心Pは、一つの電極の左エッジの位置を
0.00Ptとして、図8の波形φ0 における位置−
0.5Ptから、右方向に波形φ7 における位置+0.
346Ptまでシフトする。下記表1は、Ptが電極1
30のピッチ136である場合に、上述の重心の電極の
左エッジからのシフト量を決定する計算を示す。特に表
1は、合成波形が送信電極130に対して相対的に位置
する時の各波形φ0 −φ7 について、正の部分について
重心が漸次シフトする様子、従って全波形がシフトする
様子を示している。即ち、図8の波形の最左端の電極が
第1或いは第2の組132,134の第1電極132
a,134aである必要はなく、電極132a−132
h或いは134a−134hの任意の電極であってよ
い。
【0053】
【表1】 {(-1.5)(4)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(0)}/12 = -0.500 Pt {(-1.5)(4)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(1)}/13 = -0.346 Pt {(-1.5)(3)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(1)}/12 = -0.250 Pt {(-1.5)(3)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(2)}/13 = -0.115 Pt {(-1.5)(2)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(2)}/12 = 0.000 Pt {(-1.5)(2)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(3)}/13 = 0.115 Pt {(-1.5)(1)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(3)}/12 = 0.250 Pt {(-1.5)(1)+(-0.5)(4)+(0.5)(4)+(1.5)(4)}/13 = 0.346 Pt
【0054】しかしながら、別の空間波形要素を用いれ
ば、電極130のピッチ136の範囲内でより大きな或
いはより小さな増分を示す合成空間波形を作ることがで
きることを理解すべきである。例えば、3,4,4,
0,−3,−4,−4,0なる電圧単位振幅を持つ合成
空間波形は、波形φ0 についての重心−0.5Ptと波
形φ1 についての重心−0.346の間にある重心−
0.409を持たせることができる。
【0055】上述の例は、理解を容易にするために、ト
ランスジューサ110について線形伝達関数を用いて単
純化したものである。より好ましい実施例においては、
トランスジューサ110は正弦波伝達関数を持つ。その
場合は、重心の計算はより数理的になる。正弦波伝達関
数を持つ場合には、重心はベクトル微積分を利用するこ
とにより簡単に計算することができる。各相電極につい
て合成振幅をそれぞれ、A0 −A7 としたとき、合成ベ
クトルVTは、各相nのベクトルをVn として、次の数
2で表される。
【0056】
【数2】
【0057】8相のシステムの場合、合成ベクトルVT
の振幅と角度は、次の数3で計算される。
【0058】
【数3】Re(VT)=(A0 +A3 −A4 −A7 )cos
67.5°+(A1 +A2 −A5 −A6 )cos 22.
5° Im(VT)=(A0 −A3 −A4 +A7 )sin 67.
5°+(A1 −A2 −A5 +A6 )sin 22.5° Amplitude(VT)={[Re(VT)]2+[Im
(VT)]21/2 Angle(VT)=arctan{Im(VT)/Re(VT)}
【0059】次の表2は、この様な式を用いて計算され
た合成ベクトルVTの振幅と角度を示している。要素ベ
クトルは、物理的な各位相についての人為的な8位相の
均等分布においてベストの振幅と角度精度となるように
選択されている。
【0060】
【表2】
【0061】名目位置ステップは、物理位相ステップの
1/8、即ちスケール波長の1/64である。相対振幅
は計算された振幅であり、上述のように決定された、表
2の全名目位置についての平均振幅で除して得られたも
のである。表2に示すように、合成ベクトルVTの振幅
は平均振幅の±3%内に収まり、また人為的位相位置の
均等分配に対する相対角度誤差は位相間隔の1%を越え
ることはなく、波長の1/800未満に収まっている。
【0062】パルスが容量式位置トランスジューサ11
0を介してどの様に結合するかを理解することは、重要
である。上に述べたように、送信電極130に与えられ
る電圧パルスは、第1の受信電極140に容量結合され
る。そのパルスは更に導電的に第1の受信電極140か
ら第2の送信電極150に伝送される。第2の送信電極
150からは、パルスは容量結合により第2の受信電極
160に送信される。電極が容量的に結合するから、ト
ランスジューサ110を介して結合される唯一の信号形
式は、時間的に変化する信号である。従って、図9に示
すパルス200のようなパルス信号が容量式位置トラン
スジューサ110を通して結合されるが、スタティック
な電圧信号は容量式位置トランスジューサ110を通し
て結合されない。図9に示すパルス200は、前端20
2と後端206、及びパルス電圧振幅204を有する。
【0063】電圧信号の振幅は、信号発生器122によ
り第1の送信電極130に与えられるパルス200の振
幅204に対応するものと仮定している。パルス振幅2
04は前端202或いは後端206の高さに対応する。
更に、パルス振幅204の極性(正または負)は、前端
202が正であるか負であるかに対応する。図9に示す
正パルスは第1の送信電極130のいずれにも供給する
ことができる。図10に示すような負パルス210が引
き続く正パルス200もまた、電極130に与えること
ができる。しかし、二つの隣接パルス200または20
1は、図10に示すように、それらが異なる値と極性で
ある場合にのみ、容量式エンコーダを介して結合でき
る。もし隣接する二つのパルスが同じ振幅であれば、2
番目のパルスは単に、同じパルス振幅を維持するための
電圧レベルを与えるだけになり、容量式エンコーダを介
して結合されるべき2つの時間変化要素とはならない。
【0064】従って、送信電極130に与えられる電圧
信号は、図11に示すように、次のパルスの前に“リセ
ット”されねばならない。即ち、各パルス200,23
0及び240は、リセット期間250をおいて続く。パ
ルス200あるいは210は、リセット期間250が終
了するまで与えることができないから、リセット期間2
50の長さは、測定の速度を必要的に低減させる。しか
しながら、パルス200の大きさと極性の検出は、パル
ス200の大きさとパルス遷移のタイミングを検出する
事により行われ、この検出のためにはパルス200の間
に挿入されるリセット期間250を必要としない。
【0065】図12は、等間隔のタイミングマーク31
0のもとに発生されるパルス列300を示している。タ
イミングマーク310は、交互に正(“+”)のタイミ
ングマーク312と負(“−”)のタイミングマーク3
14として指定されている。各タイミングマーク310
において、パルス列300内のパルス遷移の有無が検出
される。正のタイミングマーク312で生じる立上りエ
ッジ302は、正パルス322として定義される。同様
に、負のタイミングマーク314で生じる立下がりエッ
ジ304は、正パルスの後端に対応する遷移であるか
ら、正パルス322として定義される。
【0066】逆に、負のタイミングマーク314で生じ
る立上りエッジ302は、負パルスの後端に対応する正
への遷移であるから、負パルス324として定義され
る。同様に、正のタイミングマーク312で生じる立下
がりエッジ304は、負パルスの前端に対応する遷移で
あるから、負パルス324として定義される。最後に、
タイミングマーク310においてパルス遷移がないとこ
ろは、正パルスでも負パルスでもないヌルパルス326
として定義される。この様にして、図12に示すパルス
列300は、図12に示す有効なパルス列320として
デコードされることになる。
【0067】パルス遷移がないことを、正パルスでも負
パルスでもないヌルパルスとして定義することは、ディ
ジタルエンコーダシステムにとって非常に有効となる。
2個の可能な電圧振幅レベルのみを持つディジタルシス
テムにおいて、可能な入力としてヌルパルスを用いるこ
とは、2個の電圧レベルを用いて3個のロジック入力、
即ち立上りエッジ、立下がりエッジ及びヌルパルスのロ
ジック入力を可能とするからである。そしてこのこと
は、通常のディジタル型システムの分解能を、通常のフ
ルピッチインクリメントからハーフピッチインクリメン
トへと、2倍にすることを可能にする。位置トランスジ
ューサを介して結合されるパルスの方向と遷移のタイミ
ングを検出することにより、図11に示すリセット期間
250はもはや必要なくなる。従って測定は、より高速
で行うことが可能になる。
【0068】上述のように、好ましい実施例において合
成波形は、+4単位と−4単位の間で1単位ずつ増加す
る振幅を持つ。図13は、その様な合成波形を得るため
に送信電極130のそれぞれに与えられる1組の信号
(a−i)を示している。図示のように、パルス遷移は
タイミングマーク3101−3104で生じる。タイミン
グマーク3101−3104の極性も図13に示してあ
る。タイミングマーク3101と3103は、負のタイミ
ングマーク312であり、タイミングマーク3102
3104は正のタイミングマーク314である。ロジッ
クレベル“0”,“1”の間の遷移を分かりやすくする
ために、これらのレベルの中間線を各信号(a)−
(i)上に示している。
【0069】信号(a)は、ロジックレベル“1”のス
タティック電圧を用いることにより“0”の合成振幅を
作る。“0”の合成振幅は、ロジックレベル“0”のス
タティック電圧を用いることによっても作られる。信号
(b)に示すように、“+1”の合成振幅は、正のタイ
ミングマーク3102での立上りエッジで作られる。同
じ合成振幅は、正のタイミングマーク3104での立上
りエッジ、或いは負のタイミングマーク3101,31
3での立下がりエッジでも作られる。信号(c)に示
すように、“+2”の合成振幅は正のタイミングマーク
3102での立上りエッジ、及び負のタイミングマーク
3103の立下がりエッジで作られる。同じ合成振幅
は、他のタイミングで生じる他のパルス遷移によっても
作られる。例えば、負のタイミングマーク3101また
は3103の一方での立下がりエッジと、正のタイミン
グマーク3102または3104の一方での立上がりエッ
ジとの組み合わせにより、合成振幅“+2”を作ること
ができる。
【0070】信号(d)に示すように、“+3”の合成
振幅は、負のタイミングマーク3101及び3103での
立下がりエッジと、正のタイミングマーク3102での
立上りエッジにより作ることができる。最後に、信号
(e)に示すように、“+4”の合成振幅は、正のタイ
ミングマーク3102及び3104での立上がりエッジ
と、負のタイミングマーク3101及び3103での立下
がりエッジにより作ることができる。−1から−4まで
の負の合成振幅も、図13の信号(f)−(i)に示す
ように、同様の方法で作ることできる。例えば、タイミ
ングマーク3101−3104の間にまたがる測定期間電
極132aに−3の合成電圧振幅を与えるには、負のタ
イミングマーク3101及び3103で電極132aにパ
ルスの立上りエッジを与え、かつ正のタイミングマーク
3102で電極132aにパルスの立下がりエッジを与
える必要がある。
【0071】各パルス遷移の図1に示す容量式位置トラ
ンスジューサ110を介しての結合は、電子回路120
内の検出回路により累算される。図13に示す、“+
4”の合成振幅を作るに必要な4個のパルス遷移は、実
際に送信電極130の上に4単位の振幅を与える訳では
ない。検出回路による4個のパルス遷移の累算は、送信
電極130に“+4”単位の振幅を持つパルスが与えら
れたと同じ効果を持つ。
【0072】図14は、図1に示す容量式位置エンコー
ダ100における電子回路120の一実施例を示す。分
かりやすくするため、第1の送信電極130の第1の組
132と第2の受信電極160への配線のみを示してい
る。同様の配線が送信電極の他の組134等にも与えら
れる。第1の送信電極132a−132hに与えられる
信号は、信号発生器122により発生される。信号発生
器122は、クロックパルスを発生してこれを変調器4
60の1組の排他的ORゲート462a−462hに与
えるオシレータ450を有する。排他的ORゲート46
2a−462hの出力はそれぞれ信号線126a−12
6hを介して、第1の組の電極132a−132hにそ
れぞれ与えられる。
【0073】排他的ORゲート462a−462hは、
リードオンリーメモリ(ROM)470に記憶されたデ
ータにより個別に活性化される。ROM470は、図1
3に示す信号(a)−(i)に対応する係数を記憶する
ルックアップテーブルを有する。ROM470に記憶さ
れた係数は、オシレータ450からのパルスを変調し、
信号線126a−126hのそれぞれの上に信号(a)
−(i)の一つを与える。信号(a)−(i)は組み合
わせによって、9個の異なる合成振幅を電極130上に
生成し、図8に示す各位置毎に合成空間波形を形成す
る。
【0074】ROM470のアドレスは、マイクロプロ
セッサ400により発生される。マイクロプロセッサ4
00はまたオシレータ450の出力にも接続されてい
る。これによりマイクロプロセッサ400は、発振信号
のタイミングと極性を決定して、排他的ORゲート46
2a−462hのそれぞれへの入力を最適選択できるよ
うになっている。トランスジューサ110の第2の受信
電極160は信号線127を介して信号プロセッサ12
4の増幅器410に接続されている。増幅器410は、
信号線418上のマイクロプロセッサ400からの制御
信号をも受信して、第2の受信電極160から受信する
信号を増幅する。増幅された信号は復調器420に送ら
れる。復調器420は、マイクロプロセッサ400から
信号線422,424,426上に出力される3つの制
御信号により制御される。
【0075】復調器420による復調信号は、マイクロ
プロセッサ400から信号線436,438上に出力さ
れる2つの制御信号により制御される積分器430に供
給される。積分器430は、4つのタイミングマーク3
101−3104の各組上で第2の受信電極から受信する
波形を積分する。信号線432または433のいずれか
に出る積分器430からのアナログ信号出力は、A/D
コンバータ440によりディジタル信号に変換される。
A/Dコンバータ440からのディジタル信号はマイク
ロプロセッサ400に取り込まれる。
【0076】ROM470の各アドレスは、1組の係数
を持つ。各係数は、一つのタイミングマーク310用と
して、図13の信号(a)−(i)の一つのあるロジッ
クレベルの存在と極性に対応する。更にROM470
は、図8に示す空間波形の位相または位置φ1 −φ7 を
発生するために、組み合わせにより図13に示す各信号
(a)−(i)を形成することができる係数の組を有す
る。具体的に例えば、マイクロプロセッサ400は、排
他的ORゲート462aの出力がタイミングマーク31
1と3103での立下がりエッジ、タイミングマーク3
102と3104での立上がりエッジ、及びタイミングマ
ーク3104でのヌルパルス(遷移なし)を持つという
ように、排他的ORゲート462aのための適当な係数
を持つROMアドレスを選択することにより、送信電極
132a上に+3単位の合成振幅レベルを作る。こうし
て第1の送信電極132aは+3の合成電圧レベルを受
信する。
【0077】同様に、マイクロプロセッサ400により
選択されるROMアドレスは、電極132b及び132
c上に+4単位の合成振幅を与え、電極132e上に+
1単位の合成振幅を与え、電極132fと132g上に
−4単位の合成振幅を与え、電極132h上に−1単位
の合成振幅を与えるように、排他的ORゲート462a
−462hのための適当な係数を有する。これらの振幅
を電極132a−132hに与えることにより、マイク
ロプロセッサ400はトランスジューサ110上に図8
のφ2の位相または位置を持つ空間波形を発生する。従
って、ROM470は、各ビットが電極132a−13
2hの一つに対応するような8ビット×32ワードを記
憶することが必要である。更に各アドレスは、8個の異
なる空間位相のそれぞれ、或いは電極130の二つの隣
接電極の間の位置に関しての、タイミングマーク310
1−3104の一つでの遷移の有無に対応する。
【0078】図1を参照して説明したように、第1の送
信電極130に与えられる電圧の第1の受信電極140
への結合の大きさは、スライド112とスケール114
の相対位置により変わる。もし、入力波形が変わらない
場合、第2の受信電極160により受信される電圧は、
スライド112がスケール114に対して第1の送信電
極130のフルサイクル或いは波長Wtに等しい距離相
対移動する毎に、正及び負電圧のフルレンジを繰り返
す。第2の受信電極160により受信される電圧の大き
さは、スライド112とスケール114の相対位置の関
数である。
【0079】しかしながら、高価で高精度のA/Dコン
バータを必要とする、第2の受信電極160に結合され
る信号電圧のフルレンジの測定を行う方式と異なり、こ
の発明による容量式位置エンコーダ100の測定システ
ムは、第2の受信電極160に結合される電圧を0Vに
近い値に保持するように、第1の送信電極130に与え
られる空間波形の位相或いは位置を調整する。OVでは
ない他の電圧も、フル電圧レンジを測定する場合に要求
されるようなレンジや精度を必要としないA/Dコンバ
ータを用いて測定することができる。
【0080】第2の受信電極160上でヌル電圧信号を
保持するに必要な空間波形の位相シフト量を見失わない
ようにすることで、マイクロプロセッサ400は、予め
定められた増分でスライド112のスケール114に対
する相対位置を決定する。この発明による容量式位置エ
ンコーダ100の測定システムは、この機能を、図8に
示すように第1の送信電極130に与えられる空間波形
の位相を各ピッチ136内の8インクリメントでシフト
することができるから、第1の送信電極130のピッチ
136より小さい分解能を持って実行する。マイクロプ
ロセッサ400は空間波形の位置を、A/Dコンバータ
440により制御される積分器430からの電圧出力の
極性に基づいて、増加または減少させる。勿論この発明
の容量式位置エンコーダ100の測定システムは、スラ
イド112のスケール114に沿う位置をピッチ136
の複数倍で決定することができる。
【0081】’013特許に述べられたトランスジュー
サ構造及び方法をここで述べた容量式位置エンコーダ1
00の測定システムに利用することも有効であり、これ
により空間波形の位相がシフトする増分を減らし、測定
システムの分解能を上げることができる。しかしなが
ら、’013特許に述べられた容量式位置エンコーダの
構造と方法をここでの測定システムに組み込む場合に
は、’013特許で述べられた全ての前提に注意を払う
必要がある。特に、各組132及び134の電極が駆動
される順序について、’013特許で述べられた前提は
注意しなければならない。
【0082】第2の受信電極160からの出力は信号線
127を介して増幅器410に接続される。信号線12
7上の出力信号の振幅は、変調器460からトランスジ
ューサ110に出力された、各位相チャンネルについて
の実際の位置において伝達関数で増倍された入力パルス
の振幅(極性を含む)の合計であり、次の数4で表され
る。
【0083】
【数4】
【0084】ここで、Vn(t)は、タイミングtにお
ける位相チャンネルnでのパルスの入力振幅であり、T
n(x)は、位相チャンネルnについてのスライドのス
ケールに対する実際の位置xでの伝達関数であり、S
127(t)は、タイミングtでの信号線127上の出力
信号の振幅である。
【0085】増幅器410は、マイクロプロセッサ40
0により選択的に制御されて、オシレータ450からの
出力パルスの立上りまたは立下がりエッジを取りまく期
間、第2の受信電極160からの信号を増幅する。増幅
器410はそのようなエッジの遷移期間はディスエーブ
ルとされる。増幅器410の出力線412の信号は、第
1の送信電極130に与えられて第2の受信電極160
に結合される各パルス遷移毎に発生されるパルスであ
る。増幅器410の出力パルスの振幅は、各パルス遷移
での信号線127上の信号の振幅に比例する。
【0086】増幅器410の出力パルスは、復調器42
0に入力される。上述のように、パルスの極性の補間
は、遷移の極性のみならず、遷移のタイミングにも依存
する。復調器420は従って、タイミングマーク310
2または3104で増幅器410により出力されるパルス
の立上りエッジ、或いはタイミングマーク3101また
は3103で増幅器410により出力されるパルスの立
下がりエッジに応じて、出力線428上に正の振幅パル
スを発生する。これと逆に、復調器420は、タイミン
グマーク3102または3104で増幅器410により出
力されるパルスの立下がりエッジ、或いはタイミングマ
ーク3101または3103で増幅器410により出力さ
れるパルスの立上がりエッジに応じて、出力線428上
に負の振幅パルスを発生する。
【0087】積分器430は復調器420からのパルス
を累算してパルス振幅の合計に相当する信号を得て、こ
れがA/Dコンバータ440に入力される。これによ
り、積分器430から出力される電圧の大きさと極性
は、スライド112に与えられた合成空間波形の位相ま
たは位置と、スケール114の位置との間のオフセット
の測定値となる。
【0088】A/Dコンバータ440の出力値に基づい
て、マイクロプロセッサ400は、空間波形が積分器4
30により累算されるパルス遷移の大きさを減ずる方向
にシフトするように、その大きさと方向を決定する。マ
イクロプロセッサ400は、合成空間波形の位置を記録
し、これにA/Dコンバータ440の出力から決定され
る補正を加える。マイクロプロセッサ400はまた、通
過した波長をカウントして、スケール114に対するス
ライド112の位置を決定する。マイクロプロセッサ4
00は、通常のディスプレイ128を駆動して、測定さ
れた位置を可視表示させる。
【0089】信号プロセッサ124はA/Dコンバータ
440を用いているが、位置測定の精度は、従来のシス
テムにおけるようにA/Dコンバータの精度に強くは依
存しないことは注意すべきである。A/Dコンバータ4
40は、フルレンジではなく、制限されたレンジでの僅
かな電圧の大きさと極性を決定するためにのみ用いられ
ているから、その相対精度は危急のものではない。電圧
がゼロでない場合に、A/Dコンバータ440の出力は
単純に、合成空間波形の位置をヌルポイントに向けてシ
フトさせるために用いられる。従って、フル電圧レンジ
を希望する精度で測定する際に必要な高価で広レンジの
高精度A/Dコンバータは、この信号プロセッサ124
には必要ない。
【0090】例えば、トランスジューサ110の波長が
5.12mmであり、かつ各組が8個の送信電極130
を持つものとする。トランスジューサ110に要求され
る分解能が10μm であるとすると、512インクリメ
ントが波長5.12mm上に必要である。1波長当たり
8電極があるから、従来システムを用いたとき、A/D
コンバータにより隣接電極間の間隔を64インクリメン
ト(512/8)に分割可能としなければならない。各
ピッチ間に64インクリメントを内挿するためには、6
ビット(26=64)のA/Dコンバータが必要とな
る。
【0091】実施例で述べたパルス内挿と空間波形合成
の方法とシステムを適用すれば、各ピッチ間隔そのもの
が、その空間波形合成の方法とシステムの機能により、
8個のサブ間隔に分割される。従って、トランスジュー
サの各波長内に64間隔(8ピッチ×8間隔/ピッチ)
があるから、各間隔内で8インクリメント(512/6
4)をA/Dコンバータにより内挿するだけでよい。従
って,3ビット(23=8)のA/Dコンバータで十分
である。3ビットのA/Dコンバータはより多ビットの
A/Dコンバータに比べてはるかに低電力でよい。この
様に簡単なA/Dコンバータが用いられることは、特に
単一の低電圧バッテリーで駆動されるディジタルノギス
等のデバイスに有効である。
【0092】図15は、送信電極130に与えられる合
成空間波形の位相と、スケール電極140(第1の受信
電極)の位置の関係を示している。図15では電極14
0の形状を方形波としているが、好ましくは、図1に示
したように半正弦波状とする。但し次の例に関しては、
図15の近似で十分である。図15では、図8の合成電
圧波形φ0 −φ7 を示している。合成電圧波形φ0−φ7
に重ねて、スケール電極140が、8個の合成電圧波
形φ0 −φ7 のそれぞれについてヌル条件を得るに必要
な位置(即ち、ゼロパルス遷移が結合される位置)に示
されている。
【0093】図15の合成空間波形φ0 に示されるよう
に、スケール電極140に結合される累算されたパルス
遷移は、スケール電極140の横方向の中心162が重
心z、即ち送信電極132dの中心に一致する時にゼロ
となる。スライド112がスケール114に対して相対
移動すると、スケール電極140に結合する累算パルス
遷移は、スライド112の動いた方向によって、正また
は負になる。マイクロプロセッサ400は、信号発生器
122を制御して合成空間波形の重心zが再びスケール
電極140の横方向中心162に一致するように重心z
をシフトさせる。
【0094】こうして図15に示すように、スライド1
12がスケール114に対して相対移動するにつれて、
合成空間波形の位置はその重心zがスケール電極140
の横方向中心162に追従保持されるようにシフトされ
ねばならない。上述のように、図15は、8個の合成空
間波形φ0 −φ7 に対応して、送信電極130のピッチ
136に等しい距離をカバーする8インクリメントにお
ける合成空間波形の位相シフトを示している。
【0095】図16は、増幅器410,復調器420及
び積分器430のより具体的な構成を示している。図1
7(a)〜(c)は、これらの要素の動作波形である。
図16に示すように、トランスジューサ110から信号
線127に出力されるパルス信号は、増幅器416及び
増幅器410のスイッチ414に入力される。増幅器4
16は、出力から反転入力端子への帰還インピーダンス
となるキャパシタCを持つ差動増幅器である。端子12
7でのトランスジューサ110の出力インピーダンスが
値C127のキャパシタンスであるとき、増幅率はC127/
Cである。スイッチ414が閉じている時、増幅率はゼ
ロであり、入力端子へのDCリークはゼロである(即
ち、入力端子は、Vbiasにリセットされる)。スイッチ
414はマイクロプロセッサ400から信号線418に
出力される信号で制御され、信号線418の信号が
“H”のとき閉じられる。
【0096】増幅器416の出力は、信号線412を通
って復調器420の第1のスイッチ423a及び第3の
スイッチ425bに入力される。第2のスイッチ425
b及び第4のスイッチ423bは、バイアス電圧Vbias
に接続されている。第1のスイッチ423aと第4のス
イッチ423bは、マイクロプロセッサ400からの制
御線422に接続されている。同様に、第2のスイッチ
425aと第3のスイッチ425bは、マイクロプロセ
ッサ400からの制御線424に接続されている。マイ
クロプロセッサ400は、スイッチ423aと423b
が閉じられ、またはスイッチ425aと425bが閉じ
られるかのいずれかになり、これらが同時に閉じられる
ことはないように、スイッチ423a,423b,42
5aおよび425bを制御する。
【0097】スイッチ423aと423bが閉じられて
いるとき、増幅器416の出力はキャパシタ421のノ
ード421aに接続され、キャパシタ421のノード4
21bにはバイアス電圧Vbiasが接続される。これはキ
ャパシタ421への“非反転”接続である。一方、スイ
ッチ425aと425bが閉じられているとき、増幅器
416の出力はキャパシタ421のノード421bに接
続され、バイアス電圧Vbiasがノード421aに接続さ
れる。これはキャパシタ421への“反転”接続であ
る。
【0098】スイッチ427aおよび427bの対は、
キャパシタ421のノード421a及び421bをそれ
ぞれ、信号線428を介して積分器430の演算増幅器
434の反転入力端子及び非反転入力端子に接続する。
スイッチ427aおよび427bはマイクロプロセッサ
400からの制御線426に接続されて、制御線426
が“H”のとき閉じられる。信号線431は、演算増幅
器434の出力に接続されている。キャパシタ435及
びスイッチ437は、演算増幅器434の反転入力端子
と信号線431の間に接続されている。スイッチ437
は、マイクロプロセッサ400からの制御線436に接
続されている。
【0099】種々の望ましくない製造条件や動作条件が
容量式位置トランスジューサ110の伝達関数レベルに
影響を与える。従って、基準信号がA/Dコンバータ4
40によるフルスケール基準値として用いられるべきで
ある。このシステムにおいては、基準信号は、独立した
基準サイクルにおいて得られる。このサイクルも、図1
5,16及び17で説明したと同様に行われる。具体的
に基準サイクルにおいては、空間波形は90°シフトさ
れる。加えて、少ない数の電極が駆動され、少ないサイ
クル数について積分される。これは、基準信号の振幅が
測定される信号を変換するに必要な予定された電圧レン
ジにほぼ等しくなることを保証する。この基準信号に要
求される精度は、A/Dコンバータ440の低分解能の
故に、かなり低い。
【0100】図15に示すように、空間波形φ0 −φ7
の各々について、もし右方向に送信電極130の二つ分
だけシフトしたとすると(これは、90°シフトと等価
である)、スケール電極140は、ゼロに近い信号では
なく、最大値に近い信号を受信はずである。これが基準
サイクルでなされることである。望ましくない製造上の
或いは動作上のパラメータは、トランスジューサ110
の実際の位置に拘らず、システムにより作られる信号の
大きさ全体に影響を与えるから、通常の測定サイクルの
信号の大きさの相対的な意味はこの基準信号なしには明
瞭にならない。そこで信号線431は、スイッチ439
によって選択的に、基準信号線432または測定信号線
433に接続されるようになっている。スイッチ439
は、マイクロプロセッサ400からの制御線438に接
続されている。基準信号線432は、A/Dコンバータ
440をセットアップするためにこれに基準信号を送
る。A/Dコンバータ440は一度セットアップされる
と、測定信号線433が用いられて測定された信号がA
/Dコンバータ440に送られることになる。
【0101】図17(a)は、マイクロプロセッサ40
0から出力され、制御線418,427,424,42
6,436を介して増幅器410,復調器420及び積
分器430に送られる制御信号を示している。図17
(b)(c)は、増幅器410の出力信号、ノード42
1a,421b上の電圧、及び積分器430からトラン
スジューサ110からの異なる二つの出力信号に対応す
る積分器430の出力信号を示している。
【0102】図17(a)に示すように、マイクロプロ
セッサ400は信号線418に、各タイミングマーク3
101−3104に先行する短時間の間、“H”電圧パル
スを出力し、これによりスイッチ414が閉じ、増幅器
416がリセットされる。マイクロプロセッサ400
は、信号線422に“H”電圧パルスを出力し、タイミ
ングマーク3102及び3104の期間スイッチ423a
および423bを閉じる(但し、タイミングマーク31
1及び3103の期間はオープンに保つ)。またマイク
ロプロセッサ400は、信号線424に“H”電圧パル
スを出力し、タイミングマーク3101及び3103の期
間スイッチ425aおよび425bを閉じる(但し、タ
イミングマーク3102及び3104の期間はオープンに
保つ)。更にマイクロプロセッサ400は、信号線42
6にパルス列を出力して、スイッチ427aおよび42
7bを制御する。スイッチ427a及び427bは、ス
イッチ423a,423b,425a,425bのいず
れかが閉じているときオープンとなり、スイッチ423
a,423b,425a,425bの全てがオープンの
ときのみ閉じられる。
【0103】マイクロプロセッサ400は、信号線43
6に“L”電圧パルスを出力し、積分器430のスイッ
チ437を、タイミングマーク3101の直前からタイ
ミングマーク3104の直後まで開く。更に、電流測定
サイクルのタイミングマーク3104の後、及び次の電
流測定サイクルのタイミングマーク3101の前に、マ
イクロプロセッサ400はスイッチ437を閉じて、演
算増幅器434の出力をリセットする。
【0104】図17(b)に示すように、第2の受信電
極160からの信号線127上の信号は、負のタイミン
グマーク3101及び3103で立上りエッジを持ち、正
のタイミングマーク3102及び3104で立下りエッジ
を持つ。上に述べたように、タイミングマーク3101
及び3103での立上りエッジと、タイミングマーク3
102及び3104での立下りエッジは、負パルスの遷移
として定義される。従って、図17(b)の信号線12
7上の信号は、トランスジューサ110を介して容量結
合した4つの負パルスに対応している。
【0105】増幅器416の出力線412上の信号は、
タイミングマーク3101での信号線127の信号の立
上りエッジに同期して、その初期に短期間だけ“H”レ
ベルになる。増幅器416はその後、信号線418上の
“H”電圧パルスによりスイッチ414が閉じられた
時、バイアスレベルにリセットされる。増幅器416の
出力線412上の信号は更に、タイミングマーク310
2での信号線127の信号の立下りエッジに同期して、
その初期に短期間だけ“L”レベルになる。増幅器41
6は、信号線418上の“H”電圧パルスによりスイッ
チ414が閉じられると再びバイアスレベルにリセット
される。
【0106】出力線412上の信号は再び、タイミング
マーク313での信号線127の信号の立上りエッジに
同期して、その初期に“H”レベルになり、信号線41
8上の“H”電圧パルスによりスイッチ414が閉じら
れた時、バイアスレベルにリセットされる。増幅器41
6の出力線412上の信号は更に、タイミングマーク3
104での信号線127の信号の立下りエッジに同期し
て、“H”になり、信号線418上の“H”電圧パルス
によりスイッチ414が閉じられると再びバイアスレベ
ルにリセットされる。以上のように増幅器416は、タ
イミングマーク3102,3104で負パルスを出力し、
タイミングマーク3101,3103で正パルスを出力す
る。
【0107】図17(a)に示すように、スイッチ42
3a及び423bは、タイミングマーク3102及び3
104を取り囲む時間帯で閉じられる。これにより、出
力線412とバイアス電圧Vbiasとがキャパシタ421
に非反転極性で接続される。同様に、スイッチ425a
及び425bは、タイミングマーク3101及び3103
を取り囲む時間帯で閉じられ、これにより出力線412
とバイアス電圧Vbiasがキャパシタ421に反転極性で
接続される。
【0108】従って、図17(b)に示すように、タイ
ミングマーク3101及び3103で信号線412の正パ
ルスがキャパシタ421に反転極性で入力される。その
信号は、図17(b)に示すように、ノード421a及
び421bに現れる。即ち、タイミングマーク3101
及び3103において、信号線424上の信号は“H”
になり、ノード421aに閉じられたスイッチ425a
を介してバイアス電圧Vbiasが接続され、一方信号線4
12からの正パルスは閉じられたスイッチ425bを介
してノード421bに接続される。その後信号線424
の信号が“L”になり、スイッチ425a,425bを
開く。
【0109】次に、信号線426上の“H”信号により
スイッチ427bが閉じられ、ノード421bが積分器
430の演算増幅器434の非反転入力端子即ち、バイ
アス電圧Vbiasにつながった基準端子に接続される。ス
イッチ427aも同様に、信号線426上の“H”信号
により閉じられ、ノード421aが演算増幅器434の
反転入力端子に接続される。この様にスイッチ427
a,427bが閉じると、ノード421bは速やかにバ
イアス電圧Vbiasとなり、ノード421aはキャパシタ
421を通して与えられた電圧により上昇する。この結
果、キャパシタ421の電荷は、出力線431と演算増
幅器434の反転入力端子の間に接続されたキャパシタ
435に転送される。演算増幅器434とキャパシタ4
35は積分器として動作し、キャパシタ421から受け
とった電荷を累算する。これにより、演算増幅器434
の信号線431への出力は漸次減少する。
【0110】タイミングマーク3102と3104におけ
る信号線412上の負パルスは、復調器420と積分器
430において少し異なる仕方で処理される。図17
(b)に示すように、タイミングマーク3102と31
4において、信号線412上の負パルスは、キャパシ
タ421に非反転極性で入力される。即ち、タイミング
マーク3102と3104において、信号線422の信号
が“H”になるとき、ノード421bは閉じられたスイ
ッチ423bを介してバイアス電圧Vbiasに接続され
る。信号線412の負パルスは閉じられたスイッチ42
3aを介してノード421aに供給される。その後信号
線422の信号は“L”になり、スイッチ423a,4
23bがオープンになる。
【0111】次に、スイッチ427a,427bが信号
線426の“H”信号により再度閉じられる。これによ
り、ノード421aは演算増幅器434の反転入力端子
に、ノード421bは演算増幅器434の非反転入力端
子にそれぞれ接続される。ノード421aはバイアス電
圧Vbiasに保持されているから、ノード421bの電圧
は信号線412のパルス振幅により上昇する。この結
果、キャパシタ421の電荷はまたキャパシタ424に
転送され、演算増幅器434の出力は信号線431上で
漸次減少する。
【0112】以上により、図17(b)に示すように、
タイミングマーク3101及び3103で生じる正パルス
と、タイミングマーク3102及び3104で生じる負パ
ルスは、反転増幅器434の出力を漸次減少させる。信
号線127上の信号は4つのパルス遷移に対応するか
ら、反転増幅器434の出力はそれら4つのパルスの振
幅の合計に比例し減少する。これらのパルスの振幅は、
入力極性とそれらが通った位相チャンネルの伝達関数に
依存する。測定期間の終点では、積分器430からの出
力がA/Dコンバータ440により処理された後、マイ
クロプロセッサ400が信号線436上に“H”信号を
出す。これによりスイッチ437が閉じて、キャパシタ
437が放電され、積分器430がリセットされる。
【0113】図17(c)において、トランスジューサ
110からの信号線127への信号は、図17(b)と
は逆になっている。従って、増幅器410は、タイミン
グマーク3101及び3103において信号線412に負
パルスを発生し、タイミングマーク3102及び3104
では正パルスを発生する。この場合、タイミングマーク
3101及び3103での負パルスは、スイッチ425
a,425bが閉じているから、キャパシタ421に反
転極性で入力される。その後、スイッチ427a,42
7bが信号線426の“H”信号により閉じられると、
ノード421bはバイアス電圧Vbiasに接続され、ノー
ド421aの電圧は、キャパシタ421に蓄えられた信
号線412の負パルス振幅により引き下げられる。キャ
パシタ421の電荷はその後、キャパシタ435に転送
される。これにより、反転増幅器434の出力は漸次増
加する。またタイミングマーク3102及び3104で信
号線412上に生じる正パルスは同様に、キャパシタ4
21に入力される。これにより、スイッチ427a,4
27bが閉じたときに、キャパシタ421の電荷はキャ
パシタ435に転送され、反転増幅器435の出力の漸
次増加をもたらす。
【0114】要約すると、増幅器410,復調器420
及び積分器430はA/Dコンバータ440にアナログ
電圧を供給する。このアナログ電圧は、トランスジュー
サ110から出力されるパルス遷移の大きさと極性によ
り決まる大きさと極性を有する。従ってこのアナログ電
圧は、図15に示したように、受信電極140の中心と
合成空間波形の重心との間のオフセットの大きさと極性
を表す。言い換えれば、A/Dコンバータ440により
受信される信号の大きさと極性は、送信電極130に与
えられた合成空間波形を、その重心が受信電極140の
中心近くになるようにシフトしなければならない大きさ
と方向を示す。
【0115】図1に示すトランスジューサ110は、ス
ライド112の漸次移動を見失うことなく、スライド1
12とスケール114の相対位置を決定する。この発明
による空間波形合成の方法と装置は、米国特許第5,0
23,559号に開示されたアブソリュート形の容量式
位置エンコーダにも適用することができる。このアブソ
リュート形エンコーダは、2またはそれ以上のスケール
を用いる点を除いて、図1のインクリメンタル形と同様
だからである。この様なアブソリュート形エンコーダに
この発明を適用するにあたって必要なことは、選択制御
ロジック付きの信号プロセッサ124を用いることが全
てである。この選択制御ロジックは、トランスジューサ
信号が与えられ、かつ出力信号が読み出されるスケール
を選択するためのものである。この様な選択制御ロジッ
クは当業者に知られているものでよく、これ以上説明し
ない。
【0116】図1に示したエンコーダ100を用いた測
定システムにおいては、第1の送信電極130は合成空
間波形を形成する信号を受信する。合成空間波形はスラ
イド112からスケール114に結合され、更にスライ
ド112上の少なくとも一つの第2の受信電極160に
戻される。第2の受信電極160で受信された合成空間
波形は、スライド112とスケール114の相対位置を
示す電圧を発生する。しかしながら、’559特許にお
いて述べられているように、容量式位置エンコーダは、
“逆”方向にも動作可能である。
【0117】図18は、順方向及び逆方向の双方に適用
できる一般的な形式でこの発明による測定システムを示
している。図示のように、マイクロプロセッサ400
は、位置トランスジューサ110を通して結合された空
間波形の位相シフト量を示す信号Vfを受信する。マイ
クロプロセッサ400はその後、合成空間波形をシフト
して帰還電圧Vfをゼロにするに必要な係数を選択すべ
く、ROM470にアドレスを出力する。合成空間波形
の位相調整に基づいて、マイクロプロセッサ400はデ
ィスプレイ128上にスライド112のスケール114
に対する相対位置を表示させる。更にマイクロプロセッ
サ400は、合成空間波形の位相シフト量が、個々のア
ドレスに対応する個々の空間波形の位相シフト量の平均
になるように、複数のアドレスを与える。
【0118】例えば図19に示すように、トランスジュ
ーサ110は、第1の送信電極130上の合成空間波形
を表す信号を受信し、第2の受信電極160にスライド
112とスケール114の相対位置を表す信号を出力す
る。合成空間波形は、変調器460の1組の排他的OR
ゲート462により発生される。排他的ORゲート46
2では、オシレータ450からの出力にROM470か
ら出力される各係数C0 −C7 が掛け合わされる。係数
C0 −C7 の各組は、タイミングマーク3101−31
4の一つで与えられる個別の空間祖波形の特定の位相
にそれぞれ対応させてROM470の各アドレスに記憶
されている。これにより、変調器460の排他的ORゲ
ート462は、ROM470からの係数C0 −C7 と共
にオシレータ450からのパルスを変調する。
【0119】タイミングマーク3101−3104におい
てトランスジューサ110に空間波形が与えられると、
第2の受信電極160に得られる電圧はアキュムレータ
490で累算される。アキュムレータ490は、図14
に示した、増幅器410,復調器420,積分器430
及びA/Dコンバータ440を含む。測定サイクルの終
わりでアキュムレータ490から出力される電圧Vf
は、その大きさを減ずるように合成空間波形をシフトさ
せるべき方向と大きさを示す。
【0120】図20は、図19と実質的に同じ仕方で、
トランスジューサ110を逆に駆動する例を示してい
る。オシレータ450は、図19におけると同様に、タ
イミングマーク3101−4104でそれぞれ一つずつ、
計4つのパルスを発生する。これらのパルスは、第2の
受信電極160に与えられ、第2の受信電極160から
電極140に容量結合され、更に電極132a−132
h(8チャンネル)に容量結合される。これら8個の送
信チャンネルは、スライド112のスケール114に対
する相対位置に依存する伝達関数を有する。
【0121】電極130の信号は、ROM470から1
組の係数C0 −C7 を受信するマルチプライヤ460′
に送られ、多重化される。係数C0 −C7 のそれぞれ
は、+1,0または−1の値を持つ。係数C0 −C7
は、電極130に受信された信号を多重化することによ
り、合成空間フィルタの位相調整を行うことになる。こ
れにより、電極130の感度プロファイルを空間的にフ
ィルタリングする。マルチプライヤ460′により得ら
れる8チャンネルの出力の合計は、アキュムレータ49
0′に送られて、測定期間の終わりに電圧を出力する。
この電圧は、A/Dコンバータ440によりディジタル
信号に変換され、マイクロプロセッサ400に送られ
る。マイクロプロセッサ400は、電極130に受信さ
れる合成空間波形の位相をシフトするように、ROM4
70から新しい組の係数C0 −C7 を選択する。以上に
よりマイクロプロセッサ400は、スケール114に対
するスライド112の相対位置を決定する。
【0122】図19及び図20のいずれにおいても、マ
イクロプロセッサ400は、ROM470に位相信号を
与えて、ROM470は、帰還電Vfを最小化するよう
に合成空間伝達関数の位相を調整する係数C0 −C7 を
出力するようにしている。そして、その位相調整信号に
基づいて、マイクロプロセッサ400はスライド112
とスケール114の相対位置を決定している。
【0123】図19の場合のトランスジューサ110,
オシレータ450及び変調器460、また図20の場合
のトランスジューサ110,オシレータ450及びマル
チプライヤ460′は、伝達関数デバイスを構成してい
る。この伝達関数デバイスの伝達関数Tfは、スライド
112とスケール114の相対位置と、測定サイクルの
間マイクロプロセッサ400により出力されるアドレス
の組に対応する合成空間波形の位相とに基づいて、電圧
Vfを出力する。この伝達関数Tfは、電子位置エンコ
ーダが、図1に示すインクリメンタル形の容量式位置エ
ンコーダ100であるか、アブソリュート形のエンコー
ダであるか、或いは別のタイプのエンコーダであるかに
拘らず、存在する。更にこの伝達関数Tfは、エンコー
ダ100が1或いは2以上の受信電極上に空間波形を受
信するか、複数の送信電極上に空間波形を形成するかに
依らず、存在する。いずれの場合も、マイクロプロセッ
サ400は、各測定の間複数のアドレスを出力し、ある
測定サイクルで生じる全ての位相信号から得られる合成
空間波形が送信電極130のピッチより小さい増分で位
相シフトするように制御する。
【0124】マイクロプロセッサ400は、プログラム
されたマイクロプロセッサやマイクロコントローラ(周
辺集積回路を含む),ASICや他の集積回路,個別部
品を用いて組み立てた電子回路やロジック回路,PL
D,PLA,PAL当のプログラマブルロジックデバイ
ス等を用いて構成することができる。ROM470は好
ましくはROMを用いるが、PROM,EPROM,E
EPROM,フラッシュメモリ,手動配線のロジック回
路等を用いることもできる。その他この発明は、その趣
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0125】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、位
置エンコーダの電極の空間波形をディジタル的に操作す
ることにより、電極ピッチより小さい有効な空間波形分
解能を得ることを可能とした位置測定方法と方法と装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空間波形合成システムに用いられ
る容量式位置エンコーダの好ましい実施例を示す。
【図2】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の第1の配列を示す。
【図3】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の例を示す。
【図4】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の例を示す。
【図5】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の例を示す。
【図6】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の例を示す。
【図7】 図1のエンコーダの送信電極に与える電圧と
波形の例を示す。
【図8】 図1のエンコーダの電極の1ピッチ内での空
間波形の位相変化を示す。
【図9】 実施例に用いられるパルスを示す。
【図10】 実施例に用いられる他のパルスを示す。
【図11】 従来のエンコーダに用いられるパルスを示
す。
【図12】 実施例に用いられるタイミングマークとデ
ィジタル波形を示す。
【図13】 実施例における合成電圧レベルを入力する
ためのディジタル波形を示す。
【図14】 実施例における信号発生及処理装置の構成
を示す。
【図15】 実施例における送信電極1ピッチ内の空間
波形変調の様子を示す。
【図16】 図14の増幅器,復調器及び積分器の具体
構成を示す。
【図17】 図14の回路における各部信号波形を示
す。
【図18】 実施例の装置を一般化した構成を示す。
【図19】 図18の装置を具体化した構成を示す。
【図20】 図18の装置を具体化した他の構成を示
す。
【符号の説明】
100…容量式位置エンコーダ、110…容量式位置ト
ランスジューサ、112…スライド、130…第1の送
信電極、132…第1の組、134…第2の組、160
…第2の受信電極、114…スケール、140…第1の
受信電極、150…第2の送信電極、122…信号発生
器、124…信号プロセッサ、400…マイクロプロセ
ッサ、410…増幅器、420…復調器、430…積分
器、440…A/Dコンバータ、128…ディスプレ
イ、450…オシレータ、460…変調器、470…R
OM。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)測定軸に沿って相対移動可能に配
    置された第1の部材及び第2の部材と、 前記第1の部材に形成され、各電極に所望の空間波形を
    形成するように電圧が与えられる電極アレイと、 前記第1の部材に前記第2の部材を介して前記電極アレ
    イに容量結合するように形成され、前記電極アレイとの
    間の空間波形の結合を決定する伝達関数に基づいて、前
    記第1及び第2の部材の前記測定軸に沿った相対位置及
    び前記電極アレイ上の前記空間波形の位置と形状に応じ
    て異なる信号を前記電極アレイとの間で伝送する少なく
    とも一つの他の電極と、 前記電極アレイに接続されて、空間波形の位置を、その
    空間波形のシフト量が前記第1及び第2の部材の前記測
    定軸に沿った相対位置に対応するように、制御信号の関
    数として所定距離の整数倍に対応する距離内で前記電極
    アレイに沿ってシフトさせる空間波形シフト手段とを有
    する容量式位置エンコーダと、 (b)前記容量式位置エンコーダの前記他の電極と前記
    空間波形シフト手段に接続されて、各位置測定毎に前記
    空間波形シフト手段に前記制御信号を供給し、 前記制御信号により、複数の空間波形が前記所定距離の
    整数倍内で、少なくともそのひとつの前記空間波形シフ
    ト手段によるシフト量が少なくとも他の一つのシフト量
    とは異なるようなシフト量をもって、各位置測定の間に
    前記空間波形シフト手段及び前記容量式位置エンコーダ
    を介して結合され、これにより各位置測定の間に前記空
    間波形シフト手段を介して結合された前記複数の空間波
    形の平均シフト量が前記所定距離の1部分となるように
    すると共に、 各位置測定の間前記空間波形シフト手段と前記容量式位
    置エンコーダを介して結合される前記複数の空間波形の
    平均シフト量に対応して前記容量式位置エンコーダから
    の帰還信号を受信し、引き続く位置測定のために帰還量
    を減ずるべく前記帰還信号の関数として前記制御信号を
    発生する制御手段と、 (c)前記制御手段からの前記制御信号を受信して前記
    第1の部材の前記第2の部材に対する相対位置を前記制
    御信号の関数として決定する位置決定手段とを備えたこ
    とを特徴とする位置測定装置。
  2. 【請求項2】 前記空間波形シフト手段は、前記電極ア
    レイの電極にそれぞれ電圧を供給することにより、ある
    空間波形を前記電極アレイ上に与えるものであり、かつ
    各測定毎に前記電極アレイに供給される前記複数の空間
    波形の結果として各空間波形に対応する電圧が前記他の
    電極で生成されるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の位置測定装置。
  3. 【請求項3】 前記空間波形シフト手段は、 複数のパルスを発生するクロックと、 各組がそれぞれ前記電極アレイのピッチを整数倍した距
    離内での前記複数の空間波形の各シフト量に対応するよ
    うな複数組の係数を記憶して、前記制御信号によりアド
    レス指定されて所定の係数の組を出力するメモリと、 各位置測定毎に前記クロックからの複数のパルスと前記
    メモリからの対応する複数の係数を受信して、前記電極
    アレイの電極に前記各パルス毎に前記係数の組に対応す
    る位相をもつ空間波形を形成するような電圧を供給する
    変調手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の位
    置測定装置。
  4. 【請求項4】 前記空間波形シフト手段は、 複数のパルスを発生するクロックと、 各組がそれぞれ前記電極アレイのピッチを整数倍した距
    離内での前記複数の空間波形のシフト量に対応するよう
    な複数組の係数を記憶して、前記制御信号によりアドレ
    ス指定されて所定の係数の組を出力するメモリと、 各位置測定毎に前記クロックからの複数のパルスと前記
    メモリからの対応する複数の係数を受信して、前記電極
    アレイの電極に前記各パルス毎に前記係数の組に対応す
    る位相をもつ空間波形を形成するような電圧を供給する
    ものであって、各論理ゲートが前記クロックからのパル
    スと前記メモリからの対応する係数とを受信して前記電
    極アレイの対応する電極に接続される出力を出すように
    した1組の論理ゲートを有する変調手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項2記載の位置測定装置。
  5. 【請求項5】 複数のパルスが各測定毎に前記他の電極
    に順次供給されるようにし、前記空間波形シフト手段
    は、各測定毎に前記複数のパルスのそれぞれが前記他の
    電極に供給された結果である前記電極アレイの電極から
    の電圧を受信するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の位置測定装置。
  6. 【請求項6】 前記空間波形シフト手段は、 各組がそれぞれ前記電極アレイのピッチを整数倍した距
    離内での前記複数の空間波形のシフト量に対応するよう
    な複数組の係数を記憶して、前記制御信号によりアドレ
    ス指定されて所定の係数の組を出力するメモリと、 各測定毎に前記電極アレイの電極からの1組の電圧にそ
    れぞれ対応する複数の空間波形と、前記メモリからの対
    応する複数組の係数とを受信して、前記電極アレイから
    受信した前記空間波形のそれぞれから、ある空間波形の
    位相と前記係数のある組に対応する値をもつ電圧を生成
    する復調手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載
    の位置測定装置。
  7. 【請求項7】 前記空間波形シフト手段は、 各組がそれぞれ前記電極アレイのピッチを整数倍した距
    離内での前記複数の空間波形のシフト量に対応するよう
    な複数組の係数を記憶して、前記制御信号によりアドレ
    ス指定されて所定の係数の組を出力するメモリと、 各測定毎に前記電極アレイの電極からの1組の電圧にそ
    れぞれ対応する複数の空間波形と前記メモリからの対応
    する複数組の係数とを受信して、前記電極アレイから受
    信した前記空間波形のそれぞれから、ある空間波形の位
    相と前記係数のある組に対応する値をもつ電圧を生成す
    るものであり、各論理ゲートが前記電極アレイの電極か
    らの電圧と前記メモリからの係数とを受信して前記帰還
    信号となる合成出力を出す1組の論理ゲートを有する復
    調手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載の位置
    測定装置。
  8. 【請求項8】 前記容量式位置エンコーダは、インクリ
    メンタル型の容量式位置エンコーダであることを特徴と
    する請求項1記載の位置測定装置。
  9. 【請求項9】 前記容量式位置エンコーダは、アブソリ
    ュート型の容量式位置エンコーダであることを特徴とす
    る請求項1記載の位置測定装置。
  10. 【請求項10】 前記所定距離は前記電極アレイのピッ
    チであり、これにより前記空間波形シフト手段を介して
    結合される前記複数の空間波形の平均シフト量が前記電
    極アレイのピッチの1部分になることを特徴とする請求
    項1記載の位置測定装置。
  11. 【請求項11】 容量式の位置測定装置であって、 (a)測定軸に沿って相対移動可能に配置された第1の
    部材及び第2の部材と、 前記第1の部材に形成された、空間波形に対応して各電
    極に電圧が与えられる電極アレイと、前記第1の部材に
    形成されて、前記測定軸に沿った前記第1及び第2の部
    材の相対位置に対応する位相をもって前記第2の部材を
    介して前記電極アレイに容量結合する少なくとも一つの
    他の電極とを有する容量式位置エンコーダと、 (b)前記電極アレイに接続されて、各測定毎に前記電
    極アレイの各電極に個別の複数組の電圧を供給し、前記
    各電極に与えられる電圧の平均値が制御信号により選択
    的となる前記電極アレイに対する相対位置をもつ空間波
    形となり、前記個別の電圧の各組が前記他の電極で生成
    されるところの、前記電極アレイに対する前記空間波形
    の相対位置により決まる大きさと極性及び前記電極アレ
    イから前記他の電極への前記空間波形の容量結合の位相
    をもつ各出力信号となる信号発生手段と、 (c)前記他の電極に接続されて、各測定の間発生され
    る前記複数の出力信号の値を示す電圧値を生成するアキ
    ュムレータと、 (d)前記信号発生手段とアキュムレータに接続され
    て、前記個別の電圧の各組毎に前記信号発生手段に前の
    測定の間発生される電圧帰還信号の関数となる制御信号
    を供給して、前記電極アレイに与えられる空間波形の位
    置が前記前の測定の間発生される前記電圧帰還信号の大
    きさを減衰させる方向に変化するようにすると共に、前
    記電圧帰還信号から前記第1及び第2の部材の前記測定
    軸に沿った相対位置を決定するプロセッサとを備えたこ
    とを特徴とする位置測定装置。
  12. 【請求項12】 前記信号発生手段は、 複数のパルスを発生するクロックと、 複数組の係数をその各組がそれぞれ前記個別の電圧のあ
    る組に対応するように記憶し、前記制御信号によりアド
    レス指定されて所定の係数の組を出力するメモリと、 前記クロックからのパルスと前記メモリからの係数とを
    それぞれ受信して前記アレイ電極の対応する電極に接続
    される出力を出す1組の論理ゲートとを有することを特
    徴とする請求項11記載の位置測定装置。
  13. 【請求項13】 前記信号発生手段は、各測定期間に前
    記電極アレイの各電極に対して、各波形におけるロジッ
    クレベル遷移の極性とタイミングとが前記個別の電圧の
    それぞれの極性を決定することになるディジタル波形を
    供給するものであることを特徴とする請求項11記載の
    位置測定装置。
  14. 【請求項14】 前記信号発生手段は、各測定期間に前
    記電極アレイの各電極に対して、各波形におけるロジッ
    クレベル遷移の数と極性及びタイミングが前記空間波形
    の各成分の大きさと極性を決定するディジタル波形を供
    給するものであり、前記アキュムレータは前記電極アレ
    イから前記他の電極への結合の後の前記遷移の数とタイ
    ミング及び極性を累算し、前記遷移の数とタイミング及
    び極性の関数としての前記電圧帰還信号を発生するもの
    であることを特徴とする請求項11記載の位置測定装
    置。
  15. 【請求項15】 前記信号発生手段は、各測定期間に前
    記電極アレイの各電極に対して、各波形におけるロジッ
    クレベル遷移の数と極性及びタイミングが前記空間波形
    の各成分の大きさと極性を決定するディジタル波形を供
    給するものであり、前記アキュムレータは前記電極アレ
    イから前記他の電極への結合の後の前記遷移の数とタイ
    ミング及び極性を累算し、前記遷移の数とタイミング及
    び極性の関数としての前記電圧帰還信号を発生するもの
    であり、かつ前記アキュムレータは、各遷移毎に前記遷
    移の極性とタイミングにより決まる極性をもつパルスを
    発生する復調手段と、発生されたパルスを合計してそれ
    に対応する積分出力を出す積分器と、前記積分出力を受
    けて前記プロセッサにディジタルワードを供給するA/
    Dコンバータとを有することを特徴とする請求項11記
    載の位置測定装置。
  16. 【請求項16】 空間波形の位相シフト量が測定軸に沿
    った第1及び第2の部材の相対位置に対応するような容
    量式位置エンコーダにおける前記第1及び第2の部材の
    相対位置を測定する方法であって、 (a)各位置測定毎に、前記エンコーダに対して、それ
    ぞれが前記エンコーダを介して前記空間波形に結合され
    るべき空間波形を生じさせると共に合成空間波形を作
    り、かつ前記エンコーダを通った後の前記合成空間波形
    の位相が前記空間波形の位相と前記エンコーダを通った
    前記合成空間波形の位相シフト量の平均に対応するよう
    に、複数の信号を結合させるステップと、 (b)前記エンコーダを通して結合された後の前記合成
    空間波形の位相シフト量を決定するステップと、 (c)前記エンコーダを通して結合された後の前記合成
    空間波形の位相を、前記エンコーダを通ることによる前
    記空間波形の位相シフト量とは別に、少なくとも前記空
    間波形のいくつかの位相を変えることにより所定値に向
    けて調整するステップと、 (d)測定軸に沿った前記第1及び第2の部材の相対変
    位を前記合成空間波形の位相の関数として決定するステ
    ップと、 (e)前記第1及び第2の部材の相対変位を記録しなが
    ら、前記(a)−(d)のステップを繰り返して、前記
    測定軸に沿った前記第1及び第2の部材の間の相対位置
    を求めるステップとを有することを特徴とする位置測定
    方法。
  17. 【請求項17】 前記容量式位置エンコーダは、前記第
    1の部材に形成されて空間波形に対応する電圧が印加さ
    れる電極アレイと、前記第1の部材に形成されて、測定
    軸に沿った前記第1及び第2の部材の相対位置に応じて
    変化する前記電極アレイとの間の前記空間波形の位相シ
    フト量と共に前記第2の部材を介して前記電極アレイに
    容量結合する少なくとも一つの他の電極とを有し、 前記エンコーダに複数の信号を結合するステップは、各
    位置測定毎に前記電極アレイに複数組の電圧が印加され
    るように前記電極アレイの各電極にそれぞれ空間波形の
    ために電圧を印加するものであることを特徴とする請求
    項16記載の位置測定方法。
  18. 【請求項18】 前記容量式位置エンコーダは、前記第
    1の部材に形成されて空間波形に対応する電圧が印加さ
    れる電極アレイと、前記第1の部材に形成されて、測定
    軸に沿った前記第1及び第2の部材の相対位置に応じて
    変化する前記電極アレイとの間の前記空間波形の位相シ
    フト量と共に前記第2の部材を介して前記電極アレイに
    容量結合する少なくとも一つの他の電極とを有し、 前記エンコーダに複数の信号を結合するステップは、メ
    モリからのそれぞれ前記電極アレイの電極に対応する複
    数組の係数をもつ複数のパルスを変調することにより、
    変調パルスの各組が前記係数の組に対応する位相をもつ
    空間波形を形成するように複数の変調パルスを各測定毎
    に各電極に与えるものであることを特徴とする請求項1
    6記載の位置測定方法。
  19. 【請求項19】 前記容量式位置エンコーダは、前記第
    1の部材に形成されて空間波形に対応する電圧が印加さ
    れる電極アレイと、前記第1の部材に形成されて、測定
    軸に沿った前記第1及び第2の部材の相対位置に応じて
    変化する前記電極アレイとの間の前記空間波形の位相シ
    フト量と共に前記第2の部材を介して前記電極アレイに
    容量結合する少なくとも一つの他の電極とを有し、 前記エンコーダに複数の信号を結合するステップは、そ
    れぞれ前記電極アレイの電極に対応する複数組の係数を
    もつ複数のパルスを変調することにより、変調パルスの
    各組が前記係数の組に対応する位相をもつ空間波形を形
    成するように複数の変調パルスを各測定毎に各電極に与
    えるステップを有し、 前記合成空間波形の位相を調整するステップは、前記電
    極アレイに与えられる電圧の組について前記電極アレイ
    から前記他の電極に結合される各信号電圧の平均値を決
    定するステップ、及び前記電極アレイの電極に与えられ
    る電圧の少なくともいくつかを前記他の電極に結合され
    る値の平均値の関数として変更するステップを有するこ
    とを特徴とする請求項16記載の位置測定方法。
  20. 【請求項20】 前記容量式位置エンコーダは、前記第
    1の部材に形成されて空間波形に対応する電圧が印加さ
    れる電極アレイと、前記第1の部材に形成されて、測定
    軸に沿った前記第1及び第2の部材の相対位置に応じて
    変化する前記電極アレイとの間の前記空間波形の位相シ
    フト量と共に前記第2の部材を介して前記電極アレイに
    容量結合する少なくとも一つの他の電極とを有し、 前記エンコーダに複数の信号を結合するステップは、そ
    れぞれ前記電極アレイの電極に対応する複数組の係数を
    もつ複数のパルスを変調することにより、変調パルスの
    各組が前記係数の組に対応する位相をもつ空間波形を形
    成するように複数の変調パルスを各測定毎に各電極に与
    えるステップを有し、 前記エンコーダを介して結合された後の前記合成空間波
    形の位相シフト量を決定するステップは、前記電極アレ
    イに与えられる電圧の組について前記電極アレイから前
    記他の電極に結合される各信号の平均値を決定するステ
    ップを有することを特徴とする請求項16記載の位置測
    定方法。
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