JPH1097852A - 封口体及びその製造方法 - Google Patents

封口体及びその製造方法

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JPH1097852A
JPH1097852A JP8271595A JP27159596A JPH1097852A JP H1097852 A JPH1097852 A JP H1097852A JP 8271595 A JP8271595 A JP 8271595A JP 27159596 A JP27159596 A JP 27159596A JP H1097852 A JPH1097852 A JP H1097852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装に適した電気二重層コンデンサ、リ
チウム電池、ポリアセン電池など、金属容器を電極と
し、液体または固体の電解質をその内部に封入してなる
素子の開口部を密封するための封口体を提供すること。 【解決手段】 310℃、剪断速度1200/秒で測定
した溶融粘度が40〜600Pa・sのポリフェニレン
スルフィド80〜100重量%とガラス繊維0〜20重
量%とを含有する樹脂材料を成形してなり、200℃に
おける収縮率が0.1%以下であることを特徴とする封
口体。前記ポリフェニレンスルフィド80〜100重量
%とガラス繊維0〜20重量%とを含有する樹脂材料を
封口体の形状に成形後、200〜280℃の温度で1分
間〜72時間熱処理することを特徴とする封口体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィド製の封口体に関し、更に詳しくは、電気二重層
コンデンサ、リチウムイオン電池、ポリアセン電池な
ど、金属容器を電極とし、液体または固体の電解質をそ
の内部に封入してなる素子の開口部を密封するための封
口体、及びその製造方法に関する。本発明の封口体は、
これらの素子のなかでも、特に表面実装用素子に好適で
ある。
【0002】
【従来技術】電子機器の小型化、携帯通信機器の発達に
伴い、電気二重層コンデンサなどの電荷蓄積を行う素子
や、リチウムイオン電池、ポリアセン電池などの電池
(電源素子)は、小型化の要求に加えて、表面実装化へ
の対応が求められるようになった。表面実装化に当って
は、これらの素子を基板に半田付けするため、封口体に
も半田耐熱性が要求される。従来、これらの素子は、対
向電極または正負の電極を構成する2つの部分からなる
金属容器、その内部に封入された液体または固体の電解
質、及び各電極である金属容器の2つの部分の間に介在
し、電気的絶縁とともに内部の電解質を封入する封口体
とからなっている。封口体は、非導電性ガスケットまた
は絶縁パッキングとも呼ばれる。
【0003】リチウムイオン電池を例に取って、図1を
参照しながら説明する。図1に、ボタン型(偏平型)の
リチウム−二酸化マンガン電池の一例を示す。このリチ
ウムイオン電池は、正極1(MnO2)、負極2(L
i)、及びこれらの間に有機電解液を含浸させたセパレ
ータ3を有している。正極1、負極2、及びセパレータ
3は、皿状の金属ケース5(正極缶)と金属蓋6(負極
キャップ)の間に封入され、負極2と金属蓋6との間に
は、集電層4が配置されている。金属ケース5の開口部
は、封口体7を介して金属蓋6で密封されている。電池
の種類によって、その内部構造や使用する極材料などが
異なるが、金属ケースの開口部が封口体を介して金属蓋
で密封されている点では、ほぼ共通した構造を有してい
る。電気二重層コンデンサは、一対の分極性電極、
一対の分極性電極間に介在させたセパレータ、各分極
性電極とセパレータに含浸させた電解液、及び一対の
分極性電極と皿状の金属ケース及び金属蓋との間にそれ
ぞれ配置した集電層を有し、皿状の金属ケースの開口部
が封口体を介して金属蓋で密封されている構造を有して
いる。
【0004】従来より、封口体の材質としては、ポリプ
ロピレンが使用されているが、耐熱性が充分ではなく、
160℃以上の高温に曝されると、瞬間的な応力緩和に
よって封口体が変形し、電解液が漏れるという問題があ
った。素子の表面実装化の際に、240℃程度の高温で
の半田付け工程が必要となるが、ポリプロピレン製封口
体は、半田耐熱性に劣るため、半田付け工程で密封が破
れて漏液したり、その後の使用中に衝撃を受けて漏液す
ることがある。
【0005】この問題を解決するために、特開平8−6
4484号公報では、電気二重層コンデンサの封口体と
して、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアミドイミド、ポリイミド、液晶ポリマーのいずれ
か1種により構成することが提案されている。これらの
中でも、ポリフェニレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品
性、耐湿性、難燃性、電気特性などに優れているため、
特に好ましいものである。しかしながら、単にポリフェ
ニレンスルフィドを用いて封口体を形成しても、表面実
装の際に高温に曝された素子は、使用を続けると電解液
の漏洩が発生する場合があった。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
実装に適した電気二重層コンデンサ、リチウム電池、ポ
リアセン電池など、金属容器を電極とし、液体または固
体の電解質をその内部に封入してなる素子の開口部を密
封するための封口体を提供することにある。本発明の他
の目的は、素子の表面実装の際に高温での半田付け工程
を経ても、漏液を生じることがない封口体の製造方法を
提供することにある。
【0007】本発明者は、ポリフェニレンスルフィド製
の封口体の漏液問題を解決すべく鋭意研究した結果、特
定の溶融粘度のポリフェニレンスルフィドを使用し、か
つ、封口体に成形後、高温で熱処理を行うことにより、
従来品に比べて収縮率が極めて小さく、引張伸度も適度
の範囲にある封口体の得られることを見いだした。封口
体の射出成形時に、金型温度を高温に保持することによ
っても、収縮率を小さくすることができる。また、ポリ
フェニレンスルフィドにガラス繊維を特定割合で配合し
た樹脂材料を使用することにより、引張伸度を下げすぎ
ることなく、収縮率を更に小さくすることができる。本
発明の封口体は、200℃における収縮率が0.1%以
下と極めて小さく、該封口体を配置した素子は、表面実
装の際に高温での半田付け工程を経ても、漏液を生じる
ことがない。本発明は、これらの知見に基づいて完成す
るに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、310
℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度が40〜
600Pa・sのポリフェニレンスルフィド80〜10
0重量%とガラス繊維0〜20重量%とを含有する樹脂
材料を成形してなり、200℃における収縮率が0.1
%以下であることを特徴とする封口体が提供される。ま
た、本発明によれば、310℃、剪断速度1200/秒
で測定した溶融粘度が40〜600Pa・sポリフェニ
レンスルフィド80〜100重量%とガラス繊維0〜2
0重量%とを含有する樹脂材料を封口体の形状に成形
後、200〜280℃の温度で1分間〜72時間熱処理
することを特徴とする封口体の製造方法が提供される。
なお、本発明において、200℃における収縮率とは、
封口体を200℃まで昇温した後、室温(23℃)にま
で戻したときの収縮率を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリフェニレン
スルフィド(以下、PPSと略記)は、直鎖状ポリマー
であることが好ましい。直鎖状PPSとは、一般に、酢
酸ナトリウムや水などの重合助剤の存在下に、二官能性
モノマーを主体とするモノマーを重合して得られた実質
的に直鎖状のポリマーである。これに対して、架橋タイ
プのPPSは、一般に、重合助剤を使用することなく重
合され、得られた低重合度のポリマーを酸化架橋して増
粘(キュアリング)させたものであるが、そのような架
橋タイプのPPSは、可撓性や剛性、強度などに劣るた
め好ましくない。
【0010】本発明で用いるPPSは、例えば、特公昭
63−33775号公報、特公昭53−25589号公
報等に開示された公知の方法により得ることができる。
例えば、特公昭63−33775号公報に開示されてい
るように、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物と
をN−メチルピロリドンなどの極性溶媒中で、水の存在
下に、特定の二段階昇温重合させることにより好適に得
ることができる。アルカリ金属硫化物としては、例え
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウムなどを挙げることができ
る。反応系でNaSHとNaOHを反応させることによ
り生成させた硫化ナトリウムなども使用することができ
る。
【0011】ジハロ芳香族化合物としては、例えば、p
−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、2,5−
ジクロルトルエン、p−ジブロムベンゼン、2,6−ジ
クロルナフタリン、1−メトキシ−2,5−ジクロルベ
ンゼン、4,4′−ジクロルビフェニル、3,5−ジク
ロル安息香酸、p,p′−ジクロルジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジクロルジフェニルスルホン、4,4′
−ジクロルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロ
ルジフェニルケトン、及びこれらの2種以上の混合物な
どを挙げることができる。
【0012】本発明で使用するPPSとしては、p−フ
ェニレンスルフィド単位を50重量%以上、好ましくは
70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有す
るものが好ましく、特に、ポリ(p−フェニレンスルフ
ィド)、及びm−フェニレンスルフィド単位を少量成分
として含むポリ(p−フェニレンスルフィド/m−フェ
ニレンスルフィド)共重合体が好ましい。p−フェニレ
ンスルフィド単位が少なすぎるPPSを用いると、高温
時の封口体の物性が低下する場合がある。本発明で使用
する直鎖状PPSは、実質的に直鎖状であれば、多少の
分岐構造または架橋構造などを含むものであってもよ
く、より具体的には、例えば、重合時に1,3,5−ト
リクロロベンゼン等の1分子当たり3個以上のハロゲン
置換基を有する芳香族ハロゲン化合物を少量存在させる
ことにより、若干の分岐構造を導入したものであっても
よい。
【0013】本発明で使用するPPSは、310℃、剪
断速度1200/秒で測定した溶融粘度が40〜600
Pa・sの範囲内にあるものである。PPSの溶融粘度
が小さすぎると、封口体の強度や引張伸度が低くなり、
封口体を金属容器に装着する工程で、例えば、皿状の金
属ケースの端部をかしめる際に割れ等の問題が起こるた
め好ましくない。PPSの溶融粘度が高すぎると、薄肉
部を有する封口体の成形が困難となるため好ましくな
い。PPSの溶融粘度は、好ましくは100〜300P
a・sである。
【0014】本発明では、樹脂材料として、PPSを単
独で使用することができるが、収縮率をより小さくする
ために、PPSにガラス繊維を配合した樹脂組成物を使
用することができる。ガラス繊維としては、特に限定さ
れず、一般に充填材として使用されている短繊維を用い
ることができるが、直径15μm以下のものが伸度発現
の点から好ましい。ガラス繊維は、各種表面処理剤で表
面処理したものであってもよい。ガラス繊維の表面に、
酸化防止剤を表面処理することもできる。
【0015】樹脂材料中のPPSとガラス繊維の割合
は、PPS80〜100重量%とガラス繊維0〜20重
量%である。ガラス繊維を配合することにより、封口体
の収縮率をより小さくすることができるが、ガラス繊維
の配合割合が大きすぎると、封口体の引張伸度が低下し
すぎる。封口体の引張伸度が小さすぎると、封口体を金
属容器に装着する工程で、金属容器の端部を曲げて、封
口体をかしめる際に割れが発生したり、金属容器との密
着性が低下して、漏液の原因となる。ガラス繊維の配合
割合は、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましく
は5〜15重量%である。
【0016】本発明で使用する樹脂材料には、ガラス繊
維以外に、所望に応じて、その他の充填材、離型剤、着
色剤、熱安定剤、紫外線安定剤、防錆剤、難燃剤、滑
剤、カップリング剤等の添加剤を配合することができ
る。また、樹脂材料には、本発明の目的を阻害しない範
囲内において、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルエテルケトン、ポリエーテルケトン、
ポリアリーレン、ポリエーテルニトリル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマ
ー等の樹脂;ポリオレフィン系ゴム、スチレン系ゴム、
フッ素ゴム、シリコンゴム等のエラストマー:等を配合
することができる。ただし、これらの配合剤は、樹脂材
料(PPS+ガラス繊維)100重量部を基準として、
通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の小割
合で使用することが望ましい。樹脂材料は、そのままで
成形加工機械に供給してもよいし、予め押出機を用いて
溶融混練し、取り扱いやすいペレット状にしてから成形
加工機械に供給してもよい。樹脂材料は、各種の成形加
工機械に供給され、所望の封口体の形状に成形される。
通常は、射出成形により封口体を成形することが望まし
い。
【0017】樹脂材料を封口体の形状に成形した後、2
00〜280℃の温度(乾熱条件)で1分間〜72時間
熱処理を行う。この熱処理によって、200℃における
収縮率が0.1%以下という低収縮率の封口体を得るこ
とができる。射出成形時に、金型温度を高温に保持する
ことによっても、低収縮率の封口体を得ることができる
が、成形時間を短くし、樹脂材料の成形時の劣化を防
ぎ、さらには、熱処理効果を高めるには、例えば、12
0〜160℃程度の温度に保持した金型に溶融した樹脂
材料を射出し、得られた成形物を200〜280℃の温
度で1分間以上72時間以下の時間、熱処理を行うこと
が好ましい。一般に、熱処理温度が低いほど熱処理時間
を長くし、熱処理温度が高いほど熱処理時間を短くする
ことが望ましい。ただし、熱処理時間が短すぎると、充
分に収縮率を下げることが困難となり、逆に、72時間
を超えると、工業的、経済的に所望の封口体を得ること
が困難となるため好ましくない。熱処理温度は、低すぎ
ると充分な効果を得ることが困難となり、高すぎると変
形したり溶融し始めるので、いずれも好ましくない。2
20〜260℃の温度で、30分間〜2時間程度の範囲
内で熱処理することが好ましい。
【0018】本発明の封口体は、200℃における収縮
率が0.1%以下と極めて小さく、かつ、引張伸度が通
常2%以上であるため、表面実装に適している。本発明
者の検討によると、240℃程度の温度で半田リフロー
を行う際、素子の内部は200℃程度まで上昇する。こ
のため、封口体を構成するPPSの結晶化が進み、その
結果、収縮が起こり、金属容器面との密着性が損なわれ
る。高温条件下では、熱膨張のため内部の電解液の漏洩
を防ぐことができるものの、室温付近に戻して使用する
と内部の電解液が漏洩する不良を発生する。これに対し
て、本発明の封口体を使用すると、半田付けという高温
での熱履歴を受けても、収縮率が小さいため、使用中に
液漏れを生じることがない素子を得ることができる。
【0019】本発明の封口体は、引張伸度が2%以上で
あることが好ましい。封口体は、金属容器に装着した
後、金属容器の一部を曲げ、封口体をかしめる工程を経
る。この際、封口体の伸度が低いと金属との密着性が低
下すると共に封口体本体が割れる等の問題を引き起こ
す。このため、本発明では引張伸度が2%以上であるこ
とが好ましい。なお、本発明でいう引張伸度とは、同一
の組成物から得た引張試験用の試料を用いて、封口体を
得る工程と同様の熱履歴を加えた後、測定して得られる
引張伸度をいう。本発明の封口体は、金属容器を電極と
し、液体または固体の電解質をその内部に封入してなる
素子の開口部を密封するための封口体として有用であ
る。このような素子としては、電気二重層コンデンサな
どの電荷蓄積を行う素子、あるいはリチウムイオン電
池、ポリアセン電池などの電池(電源素子)などを挙げ
ることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定
されるものではない。
【0021】[実施例1]ポリフェニレンスルフィド
(呉羽化学工業製;310℃、剪断速度1200/秒に
おける溶融粘度が210Pa・s)を、280〜310
℃のシリンダー温度に調整した二軸押出機へ供給して、
ペレットを作製した。得られたペレットを射出成型機
(日精樹脂工業製、PS−10E)へ供給し、金型温度
150℃、シリンダー温度280〜300℃にて、外径
19.4mm、内径17mm、高さ1.1mmの封口体
を成形した。このようにして得られた封口体を240℃
で1時間熱処理した後、室温(23℃)まで冷却した。収縮率の測定 上記得られた封口体を200℃まで昇温した後、室温に
まで戻したときの収縮率を測定したところ、0.08%
であった。引張伸度の測定 前記で得られたペレットから引張試験(JIS K71
13)用の試験片を成形し、240℃に1時間置き、室
温まで戻してから引張伸度を測定したところ、8.0%
であった。漏液試験 得られた封口体を金属容器に装着し、プロピレンカーボ
ネートにLiClO4を溶解させた電解液を用いたリチ
ウムイオン電池を10個作成した。作成したリチウムイ
オン電池の裏面に半田ペーストを塗り、180℃に予熱
後、240℃まで昇温して、ガラスエポキシ製基板に半
田付けを行った。半田付け後、室温に7日間置き電解液
の漏液の有無を観察した。1個の試料中、漏液が見られ
た試料は無かった。
【0022】[実施例2]実施例1と同じPPS9kg
とガラス繊維(日本電子硝子製、直径13μm)1kg
を混合し、280〜310℃のシリンダー温度に調整し
た二軸押出機へ供給し、ペレットを作製した。得られた
ペレットを射出成型機(日精樹脂工業製、PS−10
E)へ供給し、金型温度150℃、シリンダー温度28
0〜300℃にて、外径19.4mm、内径17mm、
高さ1.1mmの封口体を成形した。得られた封口体を
240℃に1時間置いて熱処理を行った後、室温にまで
冷却した。収縮率の測定 得られた封口体を200℃まで昇温し、室温まで戻した
ときの収縮率を測定したところ、0.04%であった。引張伸度の測定 前記得られたペレットから引張試験片を成形し、240
℃に1時間置き、室温まで戻してから引張伸度を測定し
たところ、3.2%であった。漏液試験 得られた封口体を金属容器に装着し、プロピレンカーボ
ネートにLiClO4を溶解させた電解液を用いたリチ
ウムイオン電池を10個作成した。作成したリチウムイ
オン電池の裏面に半田ペーストを塗り、180℃に予熱
後、240℃まで昇温して、カラスエポキシ製基板に半
田付けを行った。半田付け後、室温に7日間置き電解液
の漏液の有無を観察した。1個の試料中、漏液が見られ
た試料は無かった。
【0023】[実施例3]PPS8.5kgとガラス繊
維1.5kgを混合した他は、実施例2と同様の操作を
行った。結果を表1に示す。
【0024】[比較例1]得られた封口体を熱処理しな
かった他は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表
1に示す。
【0025】[比較例2]得られた封口体を熱処理しな
かった他は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表
1に示す。
【0026】[比較例3]PPS7kgとガラス繊維3
kgを使用した他は、実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
【0027】[実施例4]溶融粘度210Pa・sのP
PSをPPS(呉羽化学工業製;310℃、剪断速度1
200/秒における溶融粘度120Pa・s)に代えた
こと以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表
1に示す。
【0028】[比較例4]溶融粘度210Pa・sのP
PSをPPS(呉羽化学工業製;310℃、剪断速度1
200/秒における溶融粘度が20Pa・s)に代えた
こと以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表
1に示す。
【0029】
【表1】 (脚注) PPS(1):溶融粘度(310℃、剪断速度1200
/秒)210Pa・s PPS(2):溶融粘度(310℃、剪断速度1200
/秒)120Pa・s PPS(3):溶融粘度(310℃、剪断速度1200
/秒)20Pa・s
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、半田耐熱性に優れたP
PS製の封口体が提供される。本発明の封口体は、収縮
率が小さく、かつ、適度な引張伸度を有しているため、
電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池、ポリアセ
ン電池など、電荷蓄積を行う素子や電源素子などであっ
て、特に表面実装用の素子に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、リチウムイオン電池の一例の構造を示
す断面図である。
【符号の説明】
1:正極(MnO2) 2:負極(Li) 3:有機電解液を含浸させたセパレータ 4:集電層 5:皿状の金属ケース(正極缶) 6:金属蓋(負極キャップ) 7:封口体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 310℃、剪断速度1200/秒で測定
    した溶融粘度が40〜600Pa・sのポリフェニレン
    スルフィド80〜100重量%とガラス繊維0〜20重
    量%とを含有する樹脂材料を成形してなり、200℃に
    おける収縮率が0.1%以下であることを特徴とする封
    口体。
  2. 【請求項2】 成形後、200〜280℃の温度で熱処
    理されたものである請求項1記載の封口体。
  3. 【請求項3】 引張伸度が2%以上である請求項1また
    は2記載の封口体。
  4. 【請求項4】 310℃、剪断速度1200/秒で測定
    した溶融粘度が40〜600Pa・sポリフェニレンス
    ルフィド80〜100重量%とガラス繊維0〜20重量
    %とを含有する樹脂材料を封口体の形状に成形後、20
    0〜280℃の温度で1分間〜72時間熱処理すること
    を特徴とする封口体の製造方法。
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