JPH1097086A - 調整可能な画像形成素子およびその作製方法 - Google Patents
調整可能な画像形成素子およびその作製方法Info
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- JPH1097086A JPH1097086A JP9196148A JP19614897A JPH1097086A JP H1097086 A JPH1097086 A JP H1097086A JP 9196148 A JP9196148 A JP 9196148A JP 19614897 A JP19614897 A JP 19614897A JP H1097086 A JPH1097086 A JP H1097086A
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- G03G5/00—Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
- G03G5/02—Charge-receiving layers
- G03G5/04—Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
- G03G5/043—Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure
- G03G5/047—Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure characterised by the charge-generation layers or charge transport layers
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 用途毎に調製可能な電気応答特性を各層の化
学成分を変えることなく、簡単かつ安定に得られる電子
写真用光受容体およびその作製方法を提供する。 【解決手段】 電子写真用光受容体の形成方法は、
(a)光受容体用に必要な所望の感度域と所望の光強度
とを選択する工程と、(b)支持基板と光発電層とを含
み、前記所望の感度域と所望の光強度をもつ前記光受容
体を形成し、前記光発電層が電荷発生材料を含み、前記
支持基板上への前記光発電層の塗布によって形成される
工程とからなり、前記電荷発生材料は、光発電材料を所
定時間分散粉砕することを含む方法によって作製され、
これにより前記光受容体が前記所望の感度域と所望の光
強度とをもつように調整され、該所定時間は前記所望の
感度域と所望の光強度に応じて選択されるものであるこ
とを特徴とする電子写真用光受容体の形成方法である。
学成分を変えることなく、簡単かつ安定に得られる電子
写真用光受容体およびその作製方法を提供する。 【解決手段】 電子写真用光受容体の形成方法は、
(a)光受容体用に必要な所望の感度域と所望の光強度
とを選択する工程と、(b)支持基板と光発電層とを含
み、前記所望の感度域と所望の光強度をもつ前記光受容
体を形成し、前記光発電層が電荷発生材料を含み、前記
支持基板上への前記光発電層の塗布によって形成される
工程とからなり、前記電荷発生材料は、光発電材料を所
定時間分散粉砕することを含む方法によって作製され、
これにより前記光受容体が前記所望の感度域と所望の光
強度とをもつように調整され、該所定時間は前記所望の
感度域と所望の光強度に応じて選択されるものであるこ
とを特徴とする電子写真用光受容体の形成方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は調整可能な電気応答
特性をもつ画像形成素子と光受容体およびその製造方法
に関し、特に調整可能な感度と光誘起放電曲線をもつベ
ンゾイミダゾールペリレン含有の光受容体の製造方法に
関する。
特性をもつ画像形成素子と光受容体およびその製造方法
に関し、特に調整可能な感度と光誘起放電曲線をもつベ
ンゾイミダゾールペリレン含有の光受容体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】単層または多層構造の画像形成素子は従
来から周知のものである。例えば積層形の画像形成素子
として、米国特許第4,265,990号(本出願明細
書の参考文献)に記載されているような電荷発生層と電
荷輸送層とを分離した構成のものがある。他の方式の画
像形成素子として米国特許第4,251,612号(本
出願明細書の参考文献)記載のオーバーコート式感光部
材がある。同部材はホール輸送層でオーバーコートされ
たホール注入層、続いての光発電層のオーバーコート、
および絶縁性有機樹脂でのトップコートを含むものであ
る。これらの特許で開示された光発電層材料には三方晶
セレンやフタロシアニンなどがあり、輸送層材料にはア
リルジアミン類などがある。
来から周知のものである。例えば積層形の画像形成素子
として、米国特許第4,265,990号(本出願明細
書の参考文献)に記載されているような電荷発生層と電
荷輸送層とを分離した構成のものがある。他の方式の画
像形成素子として米国特許第4,251,612号(本
出願明細書の参考文献)記載のオーバーコート式感光部
材がある。同部材はホール輸送層でオーバーコートされ
たホール注入層、続いての光発電層のオーバーコート、
および絶縁性有機樹脂でのトップコートを含むものであ
る。これらの特許で開示された光発電層材料には三方晶
セレンやフタロシアニンなどがあり、輸送層材料にはア
リルジアミン類などがある。
【0003】ベンゾイミダゾールペリレン顔料は画像形
成素子用材料としてよく知られている。例えば米国特許
第4,587,189号および5,225,307号
(いずれも本出願明細書の参考文献)にベンゾイミダゾ
ールペリレン顔料についての開示がある。さらに、米国
特許第5,484,674号(本出願明細書の参考文
献)には特定のベンゾイミダゾールペリレンからなる積
層式の光導電性画像形成素子が開示されている。同特定
のベンゾイミダゾールペリレンにおいては、シクロヘキ
サンなどの有機溶剤との接触により感光性と分散性を改
良したペリレンが生成されている。
成素子用材料としてよく知られている。例えば米国特許
第4,587,189号および5,225,307号
(いずれも本出願明細書の参考文献)にベンゾイミダゾ
ールペリレン顔料についての開示がある。さらに、米国
特許第5,484,674号(本出願明細書の参考文
献)には特定のベンゾイミダゾールペリレンからなる積
層式の光導電性画像形成素子が開示されている。同特定
のベンゾイミダゾールペリレンにおいては、シクロヘキ
サンなどの有機溶剤との接触により感光性と分散性を改
良したペリレンが生成されている。
【0004】また、ある特定のペリレン顔料を光導電性
物質として使用することも周知である。例えばヘキスト
のヨーロッパ特許出願公告0040402、DE301
9326には、N,N’−2置換ペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボキシルジイミド顔料の光導電性
物質への適用についての記載がある。特に同出願公告
は、400nmから700nmの波長域での分光応答特
性を向上した、N,N′−ビス(3−メトキシプロピ
ル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシル
ジイミドからなる二層式負充電形光受容体の例を開示し
ている。また米国特許第3,871,882号にも特別
なペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸誘導
体染料からなる光導電性物質が開示されている。同特許
の開示によれば、該光導電層は色素成分の真空蒸着によ
り好適に形成される。また同特許では特に、ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド誘導体を
用いた二層式光受容体で400nmから600nmの波
長範囲に分光応答性をもつものが開示されている。
物質として使用することも周知である。例えばヘキスト
のヨーロッパ特許出願公告0040402、DE301
9326には、N,N’−2置換ペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボキシルジイミド顔料の光導電性
物質への適用についての記載がある。特に同出願公告
は、400nmから700nmの波長域での分光応答特
性を向上した、N,N′−ビス(3−メトキシプロピ
ル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシル
ジイミドからなる二層式負充電形光受容体の例を開示し
ている。また米国特許第3,871,882号にも特別
なペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸誘導
体染料からなる光導電性物質が開示されている。同特許
の開示によれば、該光導電層は色素成分の真空蒸着によ
り好適に形成される。また同特許では特に、ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド誘導体を
用いた二層式光受容体で400nmから600nmの波
長範囲に分光応答性をもつものが開示されている。
【0005】さらに米国特許第4,419,427号に
二層式光導電層をもつ電子写真記録媒体が開示されてい
る。同光導電層は、電荷担体であるペリレンジイミド色
素を含む第1の層と、露光時に電荷輸送材料となるひと
つまたはふたつ以上の化合物をもつ第2の層で構成され
たものである。
二層式光導電層をもつ電子写真記録媒体が開示されてい
る。同光導電層は、電荷担体であるペリレンジイミド色
素を含む第1の層と、露光時に電荷輸送材料となるひと
つまたはふたつ以上の化合物をもつ第2の層で構成され
たものである。
【0006】対称並びに非対称構造をもつ種々のタイプ
のペリレン顔料が一般によく知られている。該ペリレン
類は通常ペリレンテトラカルボン酸2無水化物と一級ア
ミンとの反応、または同無水化物とアリール、アルキ
ル、ピリジルジアミンとの反応、あるいはナフチル化合
物との反応によって作製される。特に、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸2無水化物から得られ
る光導電性ペリレン顔料の光導電体への適用について米
国特許第3,871,882号および3,904,40
7号(いずれも本出願明細書の参考文献)に開示があ
る。米国特許第3,871,882号には、電荷輸送層
を被覆した光導電性素子中の真空蒸着製薄膜電荷発生層
へのペリレン2無水化物およびビスイミドの適用につい
ての例示がある。前記ビスイミドにおいてRは一般に
H、C1〜C4 の低級アルキル、アリール、アリル置換
物、アルキルアリール、ヘテロ環群あるいはNHR′群
(R′はフェニル、フェニル置換物またはベンゾイル)
である。米国特許第3,904,407号では、Rがク
ロロフェニルあるいはメトキシフェニルである適当な顔
料を含んだ一般のビスイミド化合物(Rはアルキル、ア
リール、アルキルアリール、アルコキシルまたはハロゲ
ンあるいはヘテロ環置換基)を用いた例が示されてい
る。またペリレンとその製造方法について米国特許第
5,019,473号および5,225,307号(い
ずれも本出願明細書の参考文献)に開示がある。
のペリレン顔料が一般によく知られている。該ペリレン
類は通常ペリレンテトラカルボン酸2無水化物と一級ア
ミンとの反応、または同無水化物とアリール、アルキ
ル、ピリジルジアミンとの反応、あるいはナフチル化合
物との反応によって作製される。特に、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸2無水化物から得られ
る光導電性ペリレン顔料の光導電体への適用について米
国特許第3,871,882号および3,904,40
7号(いずれも本出願明細書の参考文献)に開示があ
る。米国特許第3,871,882号には、電荷輸送層
を被覆した光導電性素子中の真空蒸着製薄膜電荷発生層
へのペリレン2無水化物およびビスイミドの適用につい
ての例示がある。前記ビスイミドにおいてRは一般に
H、C1〜C4 の低級アルキル、アリール、アリル置換
物、アルキルアリール、ヘテロ環群あるいはNHR′群
(R′はフェニル、フェニル置換物またはベンゾイル)
である。米国特許第3,904,407号では、Rがク
ロロフェニルあるいはメトキシフェニルである適当な顔
料を含んだ一般のビスイミド化合物(Rはアルキル、ア
リール、アルキルアリール、アルコキシルまたはハロゲ
ンあるいはヘテロ環置換基)を用いた例が示されてい
る。またペリレンとその製造方法について米国特許第
5,019,473号および5,225,307号(い
ずれも本出願明細書の参考文献)に開示がある。
【0007】画像形成素子や光受容体などの感光性素子
は一般に均質な電荷発生材料層を含んでいる。電荷発生
材料は通常光発電性の顔料微粒子で形成される。したが
って様々な微粒子顔料の作製方法が開発されており、最
終的に発電層塗膜が優れた分散性と調整可能な電気的性
質並びに印刷性をもつようにされている。しかしなが
ら、多くの文献に記載された従来技術による光導電性ペ
リレンを含む光受容体とその製造方法にはいくつかの難
点がある。例えば米国特許第4,587,189号およ
び4,578,333号記載の方法では、真空塗布法を
用いてサブミクロン厚さの光受容体用電荷発生層が作製
されている。同層は一般に薄膜であり、本質的に耐摩耗
性に乏しく、取扱い時のこすれやひっかきによって簡単
に損傷を受ける。このことは光受容体中の欠陥量を著し
く増加させ、後に印刷欠陥発生の原因になる。
は一般に均質な電荷発生材料層を含んでいる。電荷発生
材料は通常光発電性の顔料微粒子で形成される。したが
って様々な微粒子顔料の作製方法が開発されており、最
終的に発電層塗膜が優れた分散性と調整可能な電気的性
質並びに印刷性をもつようにされている。しかしなが
ら、多くの文献に記載された従来技術による光導電性ペ
リレンを含む光受容体とその製造方法にはいくつかの難
点がある。例えば米国特許第4,587,189号およ
び4,578,333号記載の方法では、真空塗布法を
用いてサブミクロン厚さの光受容体用電荷発生層が作製
されている。同層は一般に薄膜であり、本質的に耐摩耗
性に乏しく、取扱い時のこすれやひっかきによって簡単
に損傷を受ける。このことは光受容体中の欠陥量を著し
く増加させ、後に印刷欠陥発生の原因になる。
【0008】他の方法においては、未精製の合成原料か
ら有害不純物を除去するために昇華法によるペリレン顔
料の高純度化処理が行われている。この処理については
米国特許第5,225,307号に開示例がある。前記
高純度化処理後、該従来方法にしたがって顔料、バイン
ダおよび溶剤がかき混ぜ練られ、特定の高分子バインダ
中ペリレンが分散されたペリレン分散体が作製される。
しかしながら、この分散体を用いて作製した光受容体に
はかなりの感光性のロスが生じる。さらに混練(mil
ling)工程が長引くことは様々な弊害が生じる恐れ
がある。例えば高分子バインダが微小な破片に分解し、
このために本来高分子がもたらす安定化効果が失われ、
分散体の不安定化と電荷発生層塗膜の均一性の低下を招
く恐れがある。
ら有害不純物を除去するために昇華法によるペリレン顔
料の高純度化処理が行われている。この処理については
米国特許第5,225,307号に開示例がある。前記
高純度化処理後、該従来方法にしたがって顔料、バイン
ダおよび溶剤がかき混ぜ練られ、特定の高分子バインダ
中ペリレンが分散されたペリレン分散体が作製される。
しかしながら、この分散体を用いて作製した光受容体に
はかなりの感光性のロスが生じる。さらに混練(mil
ling)工程が長引くことは様々な弊害が生じる恐れ
がある。例えば高分子バインダが微小な破片に分解し、
このために本来高分子がもたらす安定化効果が失われ、
分散体の不安定化と電荷発生層塗膜の均一性の低下を招
く恐れがある。
【0009】また顔料および塗料工業で行われている予
備粉砕(premilling)処理も粒径減少法とし
てよく用いられる。一般に、この予備粉砕処理では、ジ
ャーミル、振動ミルあるいはアトライタ中で粉砕媒体を
用いて顔料の乾式粉砕が行われる。粉砕媒体として鋼
球、セラミックボールあるいはガラスビーズなどがあ
る。また粉砕効率を高めるためにハロゲン化アルカリ
塩、炭酸塩、硫酸塩あるいはリン酸塩などの無機塩類が
粉砕用混合物に添加される。粉砕動作により高い剪断力
と衝撃力とが発生し、これにより顔料の凝集が解かれて
微細化が行われる。例えば米国特許第5,019,47
3号に、ペリレン顔料を電荷発生性分散体の作製に使用
する前に乾式予備粉砕処理により同顔料の粒径を減少さ
せた例が開示されている。ただし塩類がもたらす不純物
は完全に洗浄、除去あるいは顔料から分離することが必
要である。さもなければ光受容体の電気特性および印刷
性が最終的に多大な悪影響を被る。粉砕、洗浄、分離お
よび乾燥を含むこの多段処理工程は製造価格を高騰させ
ると共に工程を複雑にする。さらにペリレン顔料には接
着性が高くて、顔料同士の粘着による粗大な凝集物が生
成しやすいものがある。この場合は米国特許第5,01
9,473号に記載されているような乾式粉砕法は粒径
減少に対して効果的でない。また顔料の処理に用いた調
製容器の壁に堆積して残る分の材料損失が無視できな
い。また大きな粒径分布のばらつきも認められる。
備粉砕(premilling)処理も粒径減少法とし
てよく用いられる。一般に、この予備粉砕処理では、ジ
ャーミル、振動ミルあるいはアトライタ中で粉砕媒体を
用いて顔料の乾式粉砕が行われる。粉砕媒体として鋼
球、セラミックボールあるいはガラスビーズなどがあ
る。また粉砕効率を高めるためにハロゲン化アルカリ
塩、炭酸塩、硫酸塩あるいはリン酸塩などの無機塩類が
粉砕用混合物に添加される。粉砕動作により高い剪断力
と衝撃力とが発生し、これにより顔料の凝集が解かれて
微細化が行われる。例えば米国特許第5,019,47
3号に、ペリレン顔料を電荷発生性分散体の作製に使用
する前に乾式予備粉砕処理により同顔料の粒径を減少さ
せた例が開示されている。ただし塩類がもたらす不純物
は完全に洗浄、除去あるいは顔料から分離することが必
要である。さもなければ光受容体の電気特性および印刷
性が最終的に多大な悪影響を被る。粉砕、洗浄、分離お
よび乾燥を含むこの多段処理工程は製造価格を高騰させ
ると共に工程を複雑にする。さらにペリレン顔料には接
着性が高くて、顔料同士の粘着による粗大な凝集物が生
成しやすいものがある。この場合は米国特許第5,01
9,473号に記載されているような乾式粉砕法は粒径
減少に対して効果的でない。また顔料の処理に用いた調
製容器の壁に堆積して残る分の材料損失が無視できな
い。また大きな粒径分布のばらつきも認められる。
【0010】また顔料粒径を減少させる上で酸ペースト
法も周知のものである。例えば米国特許第4,557,
868号には、濃硫酸に溶解したフタロシアニンによる
酸性混合物の作製および同混合物の水中希釈によるフタ
ロシアニン微粒子の作製についての開示がある。該作製
した微粒子は電子写真用光受容体の電荷発生層の形成に
使用されている。これまでの報告によれば、VOPc、
TiOPc、H2PcおよびCuPcなど多くのフタロ
シアニン系顔料がこの方法で処理されている。不幸なこ
とに、ペリレンを含む各種顔料は酸との反応により化学
的な劣化を来し、スルホン化物を生成する。このため結
果的に電荷発生層の充電特性が悪化する。したがって、
高品質の光導電性ペリレン顔料を作製する上で酸ペース
ト法は特に適したものではない。
法も周知のものである。例えば米国特許第4,557,
868号には、濃硫酸に溶解したフタロシアニンによる
酸性混合物の作製および同混合物の水中希釈によるフタ
ロシアニン微粒子の作製についての開示がある。該作製
した微粒子は電子写真用光受容体の電荷発生層の形成に
使用されている。これまでの報告によれば、VOPc、
TiOPc、H2PcおよびCuPcなど多くのフタロ
シアニン系顔料がこの方法で処理されている。不幸なこ
とに、ペリレンを含む各種顔料は酸との反応により化学
的な劣化を来し、スルホン化物を生成する。このため結
果的に電荷発生層の充電特性が悪化する。したがって、
高品質の光導電性ペリレン顔料を作製する上で酸ペース
ト法は特に適したものではない。
【0011】また別種の顔料および他の材料用の分散粉
砕処理も周知のものである。例えば米国特許第5,08
4,100号および4,469,523号(いずれも本
出願明細書の参考文献)には、キナクリドンの粒径を減
少させるための分散粉砕処理についての開示がある。米
国特許第5,084,100号開示の分散粉砕処理の例
では、キナクリドンの粉砕が硫酸アルミニウム水和物お
よび結晶化溶媒としてのC2−C10の二塩基カルボン酸
の低級アルキルエステルとの混在下で行われている。一
般にこの処理はミル中で通常2から10時間キナクリド
ンと溶剤を粉砕させることで行われる。ミルとして適当
な粉砕媒体を備えたボールミル等があり、粉砕媒体とし
て鋼ショット品、鉄釘またはスパイク、あるいはセラミ
ックビーズなどがある。米国特許第4,469,523
号開示の分散粉砕処理では、未精製のキナクリドンをボ
ールまたはロッドミルで顔料サイズの粒材に粉砕するこ
とでキナクリドンの粉砕を行っている。該未精製のキナ
クリドンは顔料に対する重量比で3から10部のほう酸
ナトリウム5水和物と、5から40%の一水酸基アルコ
ールと、を含み、同アルコールは分子量150から60
0の4から8炭素原子からなるポリエチレングリコール
を含むものである。しかしながら、これらの文献には粉
砕処理による光受容体の電気応答特性の制御については
開示されていない。
砕処理も周知のものである。例えば米国特許第5,08
4,100号および4,469,523号(いずれも本
出願明細書の参考文献)には、キナクリドンの粒径を減
少させるための分散粉砕処理についての開示がある。米
国特許第5,084,100号開示の分散粉砕処理の例
では、キナクリドンの粉砕が硫酸アルミニウム水和物お
よび結晶化溶媒としてのC2−C10の二塩基カルボン酸
の低級アルキルエステルとの混在下で行われている。一
般にこの処理はミル中で通常2から10時間キナクリド
ンと溶剤を粉砕させることで行われる。ミルとして適当
な粉砕媒体を備えたボールミル等があり、粉砕媒体とし
て鋼ショット品、鉄釘またはスパイク、あるいはセラミ
ックビーズなどがある。米国特許第4,469,523
号開示の分散粉砕処理では、未精製のキナクリドンをボ
ールまたはロッドミルで顔料サイズの粒材に粉砕するこ
とでキナクリドンの粉砕を行っている。該未精製のキナ
クリドンは顔料に対する重量比で3から10部のほう酸
ナトリウム5水和物と、5から40%の一水酸基アルコ
ールと、を含み、同アルコールは分子量150から60
0の4から8炭素原子からなるポリエチレングリコール
を含むものである。しかしながら、これらの文献には粉
砕処理による光受容体の電気応答特性の制御については
開示されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】電気応答特性が簡単か
つ安定に得られるような光受容体用の材料とその作製方
法が継続的に必要である。例えば、特定の感度と光誘起
放電曲線をもち、これによって高品質の画像が得られる
ような光受容体が必要である。あるいはまた、光受容体
の構造全体の再設計および(あるいは)光受容体の各層
の化学成分を変えることなく電気応答特性を用途毎に調
整できる方法が必要である。
つ安定に得られるような光受容体用の材料とその作製方
法が継続的に必要である。例えば、特定の感度と光誘起
放電曲線をもち、これによって高品質の画像が得られる
ような光受容体が必要である。あるいはまた、光受容体
の構造全体の再設計および(あるいは)光受容体の各層
の化学成分を変えることなく電気応答特性を用途毎に調
整できる方法が必要である。
【0013】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、電子写真用光受容体の形成方法
を提供することである。
のであり、その目的は、電子写真用光受容体の形成方法
を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明の電子写真用光受容体の形成方法は、
(a)光受容体に必要な所望の感度域と所望の光強度の
選択、および(b)支持基板と光発電層とを含む前記所
望の感度域と所望の光強度をもつ前記光受容体の形成、
を含む。また前記光発電層は電荷発生材料を含む光発電
層を含み、該支持基板上への光発電層の塗布によって形
成されるものである。
ため、本発明の電子写真用光受容体の形成方法は、
(a)光受容体に必要な所望の感度域と所望の光強度の
選択、および(b)支持基板と光発電層とを含む前記所
望の感度域と所望の光強度をもつ前記光受容体の形成、
を含む。また前記光発電層は電荷発生材料を含む光発電
層を含み、該支持基板上への光発電層の塗布によって形
成されるものである。
【0015】この形成方法において、前記電荷発生材料
は光発電材料を分散粉砕することを含む方法で作製され
る。同粉砕は前記所望の感度域と所望の光強度に応じて
選択された所定時間で行われ、これによって前記光受容
体が前記所望の感度域と所望の光強度をもつように調整
される。
は光発電材料を分散粉砕することを含む方法で作製され
る。同粉砕は前記所望の感度域と所望の光強度に応じて
選択された所定時間で行われ、これによって前記光受容
体が前記所望の感度域と所望の光強度をもつように調整
される。
【0016】したがって本発明は、用途毎に電気応答特
性の調整が可能な画像形成素子(とりわけ光受容体)お
よびその製造方法を提供するものである。すなわち本発
明によって一組の材料から多彩な製品群を開発すること
が可能になり、これにより開発費と材料投資額が節約さ
れると共に特注の光受容体製品を迅速に配達することが
できる。
性の調整が可能な画像形成素子(とりわけ光受容体)お
よびその製造方法を提供するものである。すなわち本発
明によって一組の材料から多彩な製品群を開発すること
が可能になり、これにより開発費と材料投資額が節約さ
れると共に特注の光受容体製品を迅速に配達することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法を用いることによ
り、用途に応じて電気応答特性を選択し得る光受容体の
製造が可能になる。一般に光受容体の形成は、ブロック
層、電荷発生層および電荷輸送層を基板表面に塗布する
ことで行われる。また必要に応じて、高接着性アンダー
コート、オーバーコートおよびカール防止層が任意に設
けられる。あるいは単層の光導電層を基板に塗布しても
よい。希望に応じて、多層構造の光受容体の塗膜形成順
序を変えることができる。つまり電荷発生層の形成前に
電荷輸送層を塗布してもよいし、電荷輸送層の形成前に
電荷発生層を塗布してもよい。一般に光導電性塗膜は均
質であり、かつ膜形成用バインダに分散した粒子を含ん
でいる。この均質な光導電層は有機系または無機系のい
ずれでもよく、層中の分散粒子も有機系または無機系の
いずれの光導電性粒子であってもよい。
り、用途に応じて電気応答特性を選択し得る光受容体の
製造が可能になる。一般に光受容体の形成は、ブロック
層、電荷発生層および電荷輸送層を基板表面に塗布する
ことで行われる。また必要に応じて、高接着性アンダー
コート、オーバーコートおよびカール防止層が任意に設
けられる。あるいは単層の光導電層を基板に塗布しても
よい。希望に応じて、多層構造の光受容体の塗膜形成順
序を変えることができる。つまり電荷発生層の形成前に
電荷輸送層を塗布してもよいし、電荷輸送層の形成前に
電荷発生層を塗布してもよい。一般に光導電性塗膜は均
質であり、かつ膜形成用バインダに分散した粒子を含ん
でいる。この均質な光導電層は有機系または無機系のい
ずれでもよく、層中の分散粒子も有機系または無機系の
いずれの光導電性粒子であってもよい。
【0018】本発明の光受容体において電荷発生層はベ
ンゾイミダゾールペリレン系電荷発生材料を用いて形成
される。同材料は一般にベンゾイミダゾールペリレン系
顔料といわれるものである。既存の光受容体用ベンゾイ
ミダゾールペリレン系電荷発生材料はすべて本発明の光
受容体に適用できる。例えば適当なベンゾイミダゾール
ペリレン系電荷発生材料として米国特許第4,587,
189号および5,225,307号(いずれも本出願
明細書の参考文献)に開示のものがある。本発明に特に
適するものの例として、ベンゾイミダゾ(2,1−a:
1′,2′−b′)アントラ(2,1,9−def:
6,5,10−d′e′f′)ジイソキノリン−6,1
1−ジオーネおよびビスベンゾイミダゾ(2,1−a:
2′,1′−a′)アントラ(2,1,9−def:
6,5,10−d′e′f′)ジイソキノリン−10,
21−ジオーネの構造式をもつベンゾイミダゾールペリ
レンのシスおよびトランス異性体がある。
ンゾイミダゾールペリレン系電荷発生材料を用いて形成
される。同材料は一般にベンゾイミダゾールペリレン系
顔料といわれるものである。既存の光受容体用ベンゾイ
ミダゾールペリレン系電荷発生材料はすべて本発明の光
受容体に適用できる。例えば適当なベンゾイミダゾール
ペリレン系電荷発生材料として米国特許第4,587,
189号および5,225,307号(いずれも本出願
明細書の参考文献)に開示のものがある。本発明に特に
適するものの例として、ベンゾイミダゾ(2,1−a:
1′,2′−b′)アントラ(2,1,9−def:
6,5,10−d′e′f′)ジイソキノリン−6,1
1−ジオーネおよびビスベンゾイミダゾ(2,1−a:
2′,1′−a′)アントラ(2,1,9−def:
6,5,10−d′e′f′)ジイソキノリン−10,
21−ジオーネの構造式をもつベンゾイミダゾールペリ
レンのシスおよびトランス異性体がある。
【0019】後述のベンゾイミダゾールペリレンの処理
後、得られた粒子は好ましくは約0.03から0.2μ
mの平均粒子サイズ(平均粒径)である。より好適には
同粒子は約0.05から0.15μmの平均粒径をも
ち、さらに好適には約0.05から0.1μmの平均粒
径をもつ。
後、得られた粒子は好ましくは約0.03から0.2μ
mの平均粒子サイズ(平均粒径)である。より好適には
同粒子は約0.05から0.15μmの平均粒径をも
ち、さらに好適には約0.05から0.1μmの平均粒
径をもつ。
【0020】本発明におけるベンゾイミダゾールペリレ
ンの処理は、作製後の光受容体に要求される所望の電気
応答特性に応じて行われる。つまり本発明者達は、粒子
の処理パラメータの調整により特定のベンゾイミダゾー
ルペリレンが得られること、並びにこのことを応用して
標準材料で光受容体の作製を行った場合に所望の感度域
や光強度などの電気応答特性が得られることを見いだし
た。かかる性質により、用途毎に調整された光誘起放電
曲線をもつ光受容体が単にベンゾイミダゾールペリレン
の処理条件を変えるだけで得られる。この場合光受容体
の構造および電荷発生材料並びに電荷輸送層材料を再設
計する必要はない。
ンの処理は、作製後の光受容体に要求される所望の電気
応答特性に応じて行われる。つまり本発明者達は、粒子
の処理パラメータの調整により特定のベンゾイミダゾー
ルペリレンが得られること、並びにこのことを応用して
標準材料で光受容体の作製を行った場合に所望の感度域
や光強度などの電気応答特性が得られることを見いだし
た。かかる性質により、用途毎に調整された光誘起放電
曲線をもつ光受容体が単にベンゾイミダゾールペリレン
の処理条件を変えるだけで得られる。この場合光受容体
の構造および電荷発生材料並びに電荷輸送層材料を再設
計する必要はない。
【0021】本発明においては、バルク状のベンゾイミ
ダゾールペリレンが所定時間の分散粉砕によって処理さ
れる。とりわけ、分散粉砕時間が変化しても減衰電圧あ
るいは電圧/電荷密度の挙動には変化がみられないこと
が発見されている。言い換えると、ベンゾイミダゾール
ペリレンの処理条件によって光受容体の電気応答特性を
変化させることができるが、この処理条件の違いは光受
容体への印加電圧と光受容体表面の電荷密度との関係に
対しては有意な影響を及ぼさない。
ダゾールペリレンが所定時間の分散粉砕によって処理さ
れる。とりわけ、分散粉砕時間が変化しても減衰電圧あ
るいは電圧/電荷密度の挙動には変化がみられないこと
が発見されている。言い換えると、ベンゾイミダゾール
ペリレンの処理条件によって光受容体の電気応答特性を
変化させることができるが、この処理条件の違いは光受
容体への印加電圧と光受容体表面の電荷密度との関係に
対しては有意な影響を及ぼさない。
【0022】本発明の実施形態において、粗大なベンゾ
イミダゾールペリレンは約2から100時間の分散粉砕
を施される。当然のことながら、粉砕時間の長さは該粒
子材料を組み込む光受容体に必要な所望の電気応答特性
に基づく。また、この処理時間は他の要因によっても影
響を受ける。例えば粉砕装置の型式、粉砕装置に用いた
粉砕媒体、ベンゾイミダゾールペリレン出発原料の物理
的性質(寸法など)等の影響である。本発明の実施形態
における粉砕時間は約3から75時間が好適であり、特
に好適には約4から65時間である。しかしながらこの
範囲外の粉砕時間も適宜使用可能であり、状況に応じ従
来技術を用いて同時間の調整を行なうことができる。
イミダゾールペリレンは約2から100時間の分散粉砕
を施される。当然のことながら、粉砕時間の長さは該粒
子材料を組み込む光受容体に必要な所望の電気応答特性
に基づく。また、この処理時間は他の要因によっても影
響を受ける。例えば粉砕装置の型式、粉砕装置に用いた
粉砕媒体、ベンゾイミダゾールペリレン出発原料の物理
的性質(寸法など)等の影響である。本発明の実施形態
における粉砕時間は約3から75時間が好適であり、特
に好適には約4から65時間である。しかしながらこの
範囲外の粉砕時間も適宜使用可能であり、状況に応じ従
来技術を用いて同時間の調整を行なうことができる。
【0023】本発明から明らかなように、光受容体の電
気応答特性は構造等の諸要因が一定であればベンゾイミ
ダゾールペリレンの粉砕時間にほぼ正比例する。すなわ
ち、粉砕時間が増加するにしたがい感度(dV/dX、
600VのVddpでのV-cm2/ergを測定した)が
高まることが判明している。同様に、粉砕時間が増すに
したがい光強度(X、100Vでのerg/cm2を測
定した)が減少することが判明している。またこれと同
時に、粉砕時間が増加するにしたがい、ベンゾイミダゾ
ールペリレンの平均粒径の減少が生じる。したがって所
望の感度と光強度に基づいた適当な粉砕時間を選択する
ことにより、所望の特定の光誘起放電曲線をもつ所望の
光受容体が得られる。
気応答特性は構造等の諸要因が一定であればベンゾイミ
ダゾールペリレンの粉砕時間にほぼ正比例する。すなわ
ち、粉砕時間が増加するにしたがい感度(dV/dX、
600VのVddpでのV-cm2/ergを測定した)が
高まることが判明している。同様に、粉砕時間が増すに
したがい光強度(X、100Vでのerg/cm2を測
定した)が減少することが判明している。またこれと同
時に、粉砕時間が増加するにしたがい、ベンゾイミダゾ
ールペリレンの平均粒径の減少が生じる。したがって所
望の感度と光強度に基づいた適当な粉砕時間を選択する
ことにより、所望の特定の光誘起放電曲線をもつ所望の
光受容体が得られる。
【0024】本発明の実施形態において、光受容体は好
ましくは、所望の感度と所望の光強度をもち、これによ
り同受容体を標準の電子写真画像形成工程に適用し得
る。具体的には光受容体が600VのVddpで約40か
ら90V-cm2/ergの感度をもつことが好適であ
り、さらに好適には約50から80V-cm2/ergの
感度をもつ。光受容体は、好ましくは100Vで約7か
ら約25erg/cm2の光強度を有し、さらに好まし
くは約10から約20erg/cm2の光強度を有す
る。本発明によればこれらの電気応答特性は、前記同特
性と分散粉砕時間との相関により簡単に得ることができ
る。
ましくは、所望の感度と所望の光強度をもち、これによ
り同受容体を標準の電子写真画像形成工程に適用し得
る。具体的には光受容体が600VのVddpで約40か
ら90V-cm2/ergの感度をもつことが好適であ
り、さらに好適には約50から80V-cm2/ergの
感度をもつ。光受容体は、好ましくは100Vで約7か
ら約25erg/cm2の光強度を有し、さらに好まし
くは約10から約20erg/cm2の光強度を有す
る。本発明によればこれらの電気応答特性は、前記同特
性と分散粉砕時間との相関により簡単に得ることができ
る。
【0025】分散粉砕は各種の適当な粉砕装置を用いて
行われる。例えば、ジャーミル、ボールミル、アトライ
タ、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノ(dyn
o)ミルまたはドラムタンブラー(drum tuml
er)などの装置で同粉砕が行われる。これらの装置は
適当な粉砕媒体を含み、同粉砕媒体として丸もしくは球
状あるいは筒状の鋼球製粉砕ビーズ、筒状セラミックビ
ーズ、ガラス球、球状のメノー玉または小石などがあ
る。また本実施形態においては、粉砕装置はシクロヘキ
サンなどの溶剤を一定量含んでおり、これにより電荷発
生層の塗布に用いる塗膜用分散体を作製できる。各種の
適当な溶剤が同様に使用でき、同溶剤量の調整により粘
度の適正化および適正な粉砕が行える。
行われる。例えば、ジャーミル、ボールミル、アトライ
タ、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノ(dyn
o)ミルまたはドラムタンブラー(drum tuml
er)などの装置で同粉砕が行われる。これらの装置は
適当な粉砕媒体を含み、同粉砕媒体として丸もしくは球
状あるいは筒状の鋼球製粉砕ビーズ、筒状セラミックビ
ーズ、ガラス球、球状のメノー玉または小石などがあ
る。また本実施形態においては、粉砕装置はシクロヘキ
サンなどの溶剤を一定量含んでおり、これにより電荷発
生層の塗布に用いる塗膜用分散体を作製できる。各種の
適当な溶剤が同様に使用でき、同溶剤量の調整により粘
度の適正化および適正な粉砕が行える。
【0026】また、あらゆる既存の粉砕操作および装置
を本発明の実施形態に使用することができる。粉砕時間
の適正範囲は、採用した粉砕操作の種類や該装置で用い
た粉砕媒体の種類等の諸要因に基づいて変化する。すな
わち所望の電気応答特性を得るための適当な粉砕時間は
各種の粉砕操作との関連の上で適宜選択される。
を本発明の実施形態に使用することができる。粉砕時間
の適正範囲は、採用した粉砕操作の種類や該装置で用い
た粉砕媒体の種類等の諸要因に基づいて変化する。すな
わち所望の電気応答特性を得るための適当な粉砕時間は
各種の粉砕操作との関連の上で適宜選択される。
【0027】このように本発明の光受容体はベンゾイミ
ダゾールペリレン粒子を含んでおり、同粒子により所望
の電気応答特性をもつ光受容体が得られる。同粒子は光
受容体の感光性を高めるだけでなく、電荷発生層中の欠
陥の低減をもたらす。一般に合成法あるいは精製法にお
いては粒径10から15μm以上等の巨大な電荷発生材
料粒子が形成される。例えば米国特許第5,225,3
07号記載のペリレン顔料の精製に使用されている昇華
精製法では長さ数mmのペリレン粒子が生じる。光受容
体において、厚さ0.2から1μmといった薄膜電荷発
生層を塗布するためには微粒子の寸法はサブミクロン域
(好ましくは0.2μm以下)が望ましい。さらに粒子
の形状と形態とが塗布層の均一性に影響を与える。例え
ば長針状の粒子は巨大な団粒に凝集する傾向があり、こ
のために電荷発生性粒子の微視的に不均一な堆積をひき
起こし、結果的に光受容体中に点状欠陥を発生させる。
一般に電荷発生材料の巨大凝集物が偏在した領域では放
電電流が増加し、同材料の希薄な領域では同電流が減少
する。この均一性の欠如は、解像度、画質、一様性およ
び背景画質等の光受容体の印刷品質に著しい悪影響を与
える。
ダゾールペリレン粒子を含んでおり、同粒子により所望
の電気応答特性をもつ光受容体が得られる。同粒子は光
受容体の感光性を高めるだけでなく、電荷発生層中の欠
陥の低減をもたらす。一般に合成法あるいは精製法にお
いては粒径10から15μm以上等の巨大な電荷発生材
料粒子が形成される。例えば米国特許第5,225,3
07号記載のペリレン顔料の精製に使用されている昇華
精製法では長さ数mmのペリレン粒子が生じる。光受容
体において、厚さ0.2から1μmといった薄膜電荷発
生層を塗布するためには微粒子の寸法はサブミクロン域
(好ましくは0.2μm以下)が望ましい。さらに粒子
の形状と形態とが塗布層の均一性に影響を与える。例え
ば長針状の粒子は巨大な団粒に凝集する傾向があり、こ
のために電荷発生性粒子の微視的に不均一な堆積をひき
起こし、結果的に光受容体中に点状欠陥を発生させる。
一般に電荷発生材料の巨大凝集物が偏在した領域では放
電電流が増加し、同材料の希薄な領域では同電流が減少
する。この均一性の欠如は、解像度、画質、一様性およ
び背景画質等の光受容体の印刷品質に著しい悪影響を与
える。
【0028】このようにして作製した粒子状のベンゾイ
ミダゾールペリレンを用いて従来方法による各種仕様の
光受容体の形成を行なうことができる。
ミダゾールペリレンを用いて従来方法による各種仕様の
光受容体の形成を行なうことができる。
【0029】本発明の実施形態により作製したベンゾイ
ミダゾールペリレン粒子はそのまま光受容体の電荷発生
層の形成に使用することも可能である。一般的には、薄
膜発電層の塗布性を改良しかつ優れた機械的性質を得る
ために、作製したベンゾイミダゾールペリレン粒子を高
分子溶液中に再分散することが好ましい。限定するもの
ではないが適当な高分子溶液の例として、ポリカーボネ
ートのトルエンまたはテトラヒドロフラン溶液、あるい
はポリスチレン−b−ビニルピリジンのトルエン溶液が
ある。一般に該高分子溶液は約0.01から1重量部の
高分子と10重量部の溶剤を含む。通常、高分子溶液に
分散したベンゾイミダゾールペリレンの量は最終的に約
5から95重量%の範囲にあり、好適には全溶液中の約
30から80重量%の範囲にある。本発明の該電荷発生
層を含む光受容体により感光性や分散の均一性等の品質
が向上することが実証される。例えば本発明の方法で得
られたベンゾイミダゾールペリレン粒子は、分散粉砕後
光受容体中でより良好な感光性とすぐれた分散性とを有
する。
ミダゾールペリレン粒子はそのまま光受容体の電荷発生
層の形成に使用することも可能である。一般的には、薄
膜発電層の塗布性を改良しかつ優れた機械的性質を得る
ために、作製したベンゾイミダゾールペリレン粒子を高
分子溶液中に再分散することが好ましい。限定するもの
ではないが適当な高分子溶液の例として、ポリカーボネ
ートのトルエンまたはテトラヒドロフラン溶液、あるい
はポリスチレン−b−ビニルピリジンのトルエン溶液が
ある。一般に該高分子溶液は約0.01から1重量部の
高分子と10重量部の溶剤を含む。通常、高分子溶液に
分散したベンゾイミダゾールペリレンの量は最終的に約
5から95重量%の範囲にあり、好適には全溶液中の約
30から80重量%の範囲にある。本発明の該電荷発生
層を含む光受容体により感光性や分散の均一性等の品質
が向上することが実証される。例えば本発明の方法で得
られたベンゾイミダゾールペリレン粒子は、分散粉砕後
光受容体中でより良好な感光性とすぐれた分散性とを有
する。
【0030】光受容体の基板は導電性材料で同基板全体
が形成される、あるいは導電性の表面をもつ絶縁性材料
で同基板を形成してもよい。基板の有効厚さは一般に約
100ミル未満であり、好適には約1から50ミルであ
る。ただし所望によりこの範囲外の厚さでもよい。基板
層の厚さは経済性や構造上の問題等を含めた多くの要因
に基づくものである。したがって悪影響がない限り、基
板層の実際の厚さは100ミル以上あるいは極薄であっ
てもよい。特に好適な実施形態における基板層の厚さは
約3から10ミルである。基板は不透明または実質的に
透明のいずれでもよい。また所望の機械的性質をもつ多
数の適当な材料で基板を構成することもできる。
が形成される、あるいは導電性の表面をもつ絶縁性材料
で同基板を形成してもよい。基板の有効厚さは一般に約
100ミル未満であり、好適には約1から50ミルであ
る。ただし所望によりこの範囲外の厚さでもよい。基板
層の厚さは経済性や構造上の問題等を含めた多くの要因
に基づくものである。したがって悪影響がない限り、基
板層の実際の厚さは100ミル以上あるいは極薄であっ
てもよい。特に好適な実施形態における基板層の厚さは
約3から10ミルである。基板は不透明または実質的に
透明のいずれでもよい。また所望の機械的性質をもつ多
数の適当な材料で基板を構成することもできる。
【0031】導電性の表面と同一の材料で基板全体を構
成してもよい、あるいは導電性の表面が単に基板上の塗
膜であってもよい。該導電性塗膜表面用として各種の適
当な導電性材料が使用できる。代表的な導電性材料とし
て、銅、真ちゅう、ニッケル、亜鉛、クロム、ステンレ
ス鋼、導電性プラスチックおよびゴム、アルミニウム、
半透明アルミニウム、鋼、カドミウム、チタン、銀、
金、導電性付与紙、インジウム、錫、錫酸化物およびイ
ンジウム−錫酸化物を含む金属酸化物等がある。前記紙
への導電性の付与は、紙中に導電性付与に適した材料を
含有させるかあるいは高湿雰囲気中での処理によって行
う。この高湿雰囲気は導電性を付与するのに十分な水分
を含むものである。基板層の厚さは光受容体の用途に応
じて広い範囲で変化する。一般に導電層の厚さは約50
オングストロームから数cmの範囲にある。ただし要求
次第でこの範囲外の厚さでもよい。フレキシブルな光受
容体が希望される場合は一般に同厚さは約100から7
50オングストロームの範囲にされる。
成してもよい、あるいは導電性の表面が単に基板上の塗
膜であってもよい。該導電性塗膜表面用として各種の適
当な導電性材料が使用できる。代表的な導電性材料とし
て、銅、真ちゅう、ニッケル、亜鉛、クロム、ステンレ
ス鋼、導電性プラスチックおよびゴム、アルミニウム、
半透明アルミニウム、鋼、カドミウム、チタン、銀、
金、導電性付与紙、インジウム、錫、錫酸化物およびイ
ンジウム−錫酸化物を含む金属酸化物等がある。前記紙
への導電性の付与は、紙中に導電性付与に適した材料を
含有させるかあるいは高湿雰囲気中での処理によって行
う。この高湿雰囲気は導電性を付与するのに十分な水分
を含むものである。基板層の厚さは光受容体の用途に応
じて広い範囲で変化する。一般に導電層の厚さは約50
オングストロームから数cmの範囲にある。ただし要求
次第でこの範囲外の厚さでもよい。フレキシブルな光受
容体が希望される場合は一般に同厚さは約100から7
50オングストロームの範囲にされる。
【0032】この他に、従来からある各種の有機および
無機材料で基板を構成することもできる。代表的な基板
材料として知られるものに各種樹脂などの非導電性絶縁
材料がある。限定するものではないが同絶縁材料とし
て、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、
紙、ガラス、プラスチック、および(E.I.DuPo
nt提供の)MYLARTMまたは(ICI Ameri
cans,Inc.提供の)MELINEXTMなどのポ
リエステル等がある。必要に応じて導電性材料を絶縁性
基板上に塗布してもよい。さらに、チタンまたはアルミ
ニウム処理されたMYLARTMなどのメタライズ化プラ
スチックで基板を構成することもできる。この場合メタ
ライズされた表面は光発電層または基板と光発電層間に
位置した別の層と接触している。この塗布形あるいは無
塗布形基板は柔軟あるいは強直のいずれにもできると共
に、平板状、円筒状、巻物状、エンドレスのフレキシブ
ルベルト状等の様々な形状にすることができる。基板の
外面は酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化チタン等
の金属酸化物で好適に形成される。
無機材料で基板を構成することもできる。代表的な基板
材料として知られるものに各種樹脂などの非導電性絶縁
材料がある。限定するものではないが同絶縁材料とし
て、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、
紙、ガラス、プラスチック、および(E.I.DuPo
nt提供の)MYLARTMまたは(ICI Ameri
cans,Inc.提供の)MELINEXTMなどのポ
リエステル等がある。必要に応じて導電性材料を絶縁性
基板上に塗布してもよい。さらに、チタンまたはアルミ
ニウム処理されたMYLARTMなどのメタライズ化プラ
スチックで基板を構成することもできる。この場合メタ
ライズされた表面は光発電層または基板と光発電層間に
位置した別の層と接触している。この塗布形あるいは無
塗布形基板は柔軟あるいは強直のいずれにもできると共
に、平板状、円筒状、巻物状、エンドレスのフレキシブ
ルベルト状等の様々な形状にすることができる。基板の
外面は酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化チタン等
の金属酸化物で好適に形成される。
【0033】本実施形態では基板と基板上の塗布層との
間に中間接着層を介在させることが接着性向上のために
望ましい。該接着層を用いた場合、同層の厚みは好適に
は乾燥後で約0.1から5μmである。ただしこの範囲
外の厚みも可能である。代表的な接着層として、ポリエ
ステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリメチルメタ
クリレート並びにこれらの混合物等の高分子膜がある。
基板表面は金属酸化物層あるいは接着層のいずれでもよ
く、このため「基板」とは接着層を設置したもしくは設
置しない金属酸化物層を含むものとする。
間に中間接着層を介在させることが接着性向上のために
望ましい。該接着層を用いた場合、同層の厚みは好適に
は乾燥後で約0.1から5μmである。ただしこの範囲
外の厚みも可能である。代表的な接着層として、ポリエ
ステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリメチルメタ
クリレート並びにこれらの混合物等の高分子膜がある。
基板表面は金属酸化物層あるいは接着層のいずれでもよ
く、このため「基板」とは接着層を設置したもしくは設
置しない金属酸化物層を含むものとする。
【0034】光発電層の有効厚さは、一例として約0.
05から10μmもしくはそれ以上であり、本実施形態
における同層の厚みは約0.2から2μmである。同層
の厚みは基本的に層中の電荷発生材料濃度に依存してお
り、通常同濃度は層中の重量比で約5から100%の範
囲で変動する。多くの場合100%の値は、光発電層の
形成が光受容体上への電荷発生層の真空蒸着、または同
材料の無バインダ分散体の塗布によって行われた時に生
じる。本発明の方法で作製したベンゾイミダゾールペリ
レンは無バインダ系の材料用として特に適するものの例
である。光発電物質がバインダ材と混在している時は、
同物質はバインダ中に約20から95重量%の範囲で好
適に含まれ、特に好適には約50から80重量%の範囲
で含まれる。一般にこの層は約90から95%もしくは
それ以上の入射光線を十分吸収できる厚みをもつことが
望ましい。同入射光線は像形成時あるいは印刷の露光工
程時に該層に照射されるものである。基本的に同層の最
大厚さは構造上の問題等の要因に依存している。前記構
造上の問題として、選択された光発電性合成物の種類、
他の層の厚み、およびフレキシブルな光受容体が要求さ
れているかどうかなどがある。好適には本実施形態にお
けるベンゾイミダゾールペリレン電荷発生材料は樹脂系
バインダ中に分散せずに使用される。
05から10μmもしくはそれ以上であり、本実施形態
における同層の厚みは約0.2から2μmである。同層
の厚みは基本的に層中の電荷発生材料濃度に依存してお
り、通常同濃度は層中の重量比で約5から100%の範
囲で変動する。多くの場合100%の値は、光発電層の
形成が光受容体上への電荷発生層の真空蒸着、または同
材料の無バインダ分散体の塗布によって行われた時に生
じる。本発明の方法で作製したベンゾイミダゾールペリ
レンは無バインダ系の材料用として特に適するものの例
である。光発電物質がバインダ材と混在している時は、
同物質はバインダ中に約20から95重量%の範囲で好
適に含まれ、特に好適には約50から80重量%の範囲
で含まれる。一般にこの層は約90から95%もしくは
それ以上の入射光線を十分吸収できる厚みをもつことが
望ましい。同入射光線は像形成時あるいは印刷の露光工
程時に該層に照射されるものである。基本的に同層の最
大厚さは構造上の問題等の要因に依存している。前記構
造上の問題として、選択された光発電性合成物の種類、
他の層の厚み、およびフレキシブルな光受容体が要求さ
れているかどうかなどがある。好適には本実施形態にお
けるベンゾイミダゾールペリレン電荷発生材料は樹脂系
バインダ中に分散せずに使用される。
【0035】本発明の光受容体に使用される代表的な電
荷輸送層の例として、米国特許第4,265,990
号、4,609,605号、4,297,424号およ
び4,921,773号(いずれも本出願明細書の参考
文献)記載のものがある。また有機系の電荷輸送材料も
使用可能である。
荷輸送層の例として、米国特許第4,265,990
号、4,609,605号、4,297,424号およ
び4,921,773号(いずれも本出願明細書の参考
文献)記載のものがある。また有機系の電荷輸送材料も
使用可能である。
【0036】代表的な電荷輸送材料、とりわけホール輸
送材料として(限定するものではないが)米国特許第
4,306,008号、4,304,829号、4,2
33,384号、4,115,116号、4,299,
897号、4,081,274号および5,139,9
10号(いずれも本出願明細書の参考文献)に記載され
た各タイプのホール輸送性分子があり、これらの材料を
本発明の光受容体用として適宜選択することができる。
代表的なジアミン系ホール輸送材料として、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−メチルフェニ
ル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチ
ルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−
ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3
−エチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,
4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(4−エチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)
−4,4′−ジミアン、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−(1,1′−
ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス(3−クロロフェニル)−(1,
1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(4−クロロフェニル)−
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(フェニルメチル)
−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、
N,N,N′,N′−テトラフェニル−[2,2′−ジ
メチル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラ−(4−メチルフェニ
ル)−[2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(4−メチルフェニル)−[2,2′−ジメ
チル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン、
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチルフ
ェニル)−[2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[2,2′−
ジメチル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)−ピレニル−1,6−ジアミン等がある。
送材料として(限定するものではないが)米国特許第
4,306,008号、4,304,829号、4,2
33,384号、4,115,116号、4,299,
897号、4,081,274号および5,139,9
10号(いずれも本出願明細書の参考文献)に記載され
た各タイプのホール輸送性分子があり、これらの材料を
本発明の光受容体用として適宜選択することができる。
代表的なジアミン系ホール輸送材料として、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−メチルフェニ
ル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチ
ルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−
ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3
−エチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,
4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(4−エチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)
−4,4′−ジミアン、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−(1,1′−
ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス(3−クロロフェニル)−(1,
1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(4−クロロフェニル)−
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(フェニルメチル)
−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン、
N,N,N′,N′−テトラフェニル−[2,2′−ジ
メチル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラ−(4−メチルフェニ
ル)−[2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(4−メチルフェニル)−[2,2′−ジメ
チル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン、
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチルフ
ェニル)−[2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[2,2′−
ジメチル−1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)−ピレニル−1,6−ジアミン等がある。
【0037】本発明の実施形態における好適なホール輸
送層はきわめて効率のよい電荷輸送を行なうことができ
るものであり、次の一般式で表される(あるいは基本構
成が表される)アリルジアミン成分からなる。
送層はきわめて効率のよい電荷輸送を行なうことができ
るものであり、次の一般式で表される(あるいは基本構
成が表される)アリルジアミン成分からなる。
【0038】
【化1】 式中、X、YおよびZは、水素、例として1から約25
の炭素原子をもつアルキル群、およびハロゲン(好まし
くは塩素)からなる群から選択される。またX、Yおよ
びZの少なくともひとつは単独で存在するアルキル群の
一種または塩素である。YおよびZが水素である場合
は、電荷輸送性分子はN,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(アルキルフェニル)−(1,1′−ビフェニ
ル)−4,4′−ジアミンあるいはN,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス(クロロフェニル)−(1,1′−
ビフェニル)−4,4′−ジアミンである。前記アルキ
ルフェニルにおけるアルキルとしては、メチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル等がある。
の炭素原子をもつアルキル群、およびハロゲン(好まし
くは塩素)からなる群から選択される。またX、Yおよ
びZの少なくともひとつは単独で存在するアルキル群の
一種または塩素である。YおよびZが水素である場合
は、電荷輸送性分子はN,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(アルキルフェニル)−(1,1′−ビフェニ
ル)−4,4′−ジアミンあるいはN,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス(クロロフェニル)−(1,1′−
ビフェニル)−4,4′−ジアミンである。前記アルキ
ルフェニルにおけるアルキルとしては、メチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル等がある。
【0039】前記電荷輸送性材料は電荷輸送層中に一定
の有効量存在する。同有効量は一般に約5から90重量
%であり、好適には約20から75重量%、特に好適に
は約30から60重量%である。
の有効量存在する。同有効量は一般に約5から90重量
%であり、好適には約20から75重量%、特に好適に
は約30から60重量%である。
【0040】前記輸送層に用いる高絶縁性の透明樹脂成
分あるいは不活性のバインダ樹脂材料の例として(限定
するものではないが)、米国特許第3,121,006
号(本出願明細書の参考文献)記載の材料等がある。特
に適当な有機樹脂材料の例として(限定するものではな
いが)、ポリカーボネート、高分子アクリレート、高分
子ビニル、高分子セルロース、ポリエステル、ポリシロ
キサン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、並びに
これら樹脂のブロック共重合体、ランダム共重合体また
は交互共重合体、およびこれらの混合等がある。電気的
に不活性なバインダ材料として好適なものに平均分子量
が約20,000から100,000のポリカーボネー
ト樹脂があり、特に平均分子量約50,000から10
0,000の範囲のものがより好適である。一般に樹脂
バインダは約5から90重量%、好適には約20から7
5重量%の活性物質を含んでいる。
分あるいは不活性のバインダ樹脂材料の例として(限定
するものではないが)、米国特許第3,121,006
号(本出願明細書の参考文献)記載の材料等がある。特
に適当な有機樹脂材料の例として(限定するものではな
いが)、ポリカーボネート、高分子アクリレート、高分
子ビニル、高分子セルロース、ポリエステル、ポリシロ
キサン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、並びに
これら樹脂のブロック共重合体、ランダム共重合体また
は交互共重合体、およびこれらの混合等がある。電気的
に不活性なバインダ材料として好適なものに平均分子量
が約20,000から100,000のポリカーボネー
ト樹脂があり、特に平均分子量約50,000から10
0,000の範囲のものがより好適である。一般に樹脂
バインダは約5から90重量%、好適には約20から7
5重量%の活性物質を含んでいる。
【0041】状況に応じて類似のバインダ材を光発電層
用として選択することができる。同バインダ材として
(限定するものではないが)、ポリエステル、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリカーボネ
ート、ポリビニルホルマル、ポリビニルアセテートおよ
び米国特許第3,121,006号(本出願明細書の参
考文献)開示のバインダ類がある。
用として選択することができる。同バインダ材として
(限定するものではないが)、ポリエステル、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリカーボネ
ート、ポリビニルホルマル、ポリビニルアセテートおよ
び米国特許第3,121,006号(本出願明細書の参
考文献)開示のバインダ類がある。
【0042】状況に応じて任意に、該光導電性光受容体
の導電性基板と光発電層との間に電荷ブロック層を介在
させてもよい。同ブロック層は酸化アルミニウム等の金
属酸化物あるいはシランやナイロンなどの材料で形成さ
れる。さらにこの層に適した材料の例として(限定する
ものではないが)、ポリイソブチルメタクリレート、ス
チレン/n−ブチルメタクリレートなどのスチレン−ア
クリル共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、
ポリカーボネート、アルキル置換型ポリスチレン、スチ
レン−オレフィン共重合体、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリテルペン、シリコンエラストマおよびこれらの
混合物並びに共重合物等がある。この電荷ブロック層の
主な目的は充電時および充電後の基材からの電荷注入を
防止することである。この層は適当な有効厚さを有して
おり、同厚さは好適には約50オングストローム以下か
ら約10μm、より好適には約2μm未満である。
の導電性基板と光発電層との間に電荷ブロック層を介在
させてもよい。同ブロック層は酸化アルミニウム等の金
属酸化物あるいはシランやナイロンなどの材料で形成さ
れる。さらにこの層に適した材料の例として(限定する
ものではないが)、ポリイソブチルメタクリレート、ス
チレン/n−ブチルメタクリレートなどのスチレン−ア
クリル共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、
ポリカーボネート、アルキル置換型ポリスチレン、スチ
レン−オレフィン共重合体、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリテルペン、シリコンエラストマおよびこれらの
混合物並びに共重合物等がある。この電荷ブロック層の
主な目的は充電時および充電後の基材からの電荷注入を
防止することである。この層は適当な有効厚さを有して
おり、同厚さは好適には約50オングストローム以下か
ら約10μm、より好適には約2μm未満である。
【0043】さらに状況に応じて任意に、光受容体のホ
ールブロック層と光発電層間に接着性の中間層を介在さ
せてもよい。同中間層は、ポリエステル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン等の高分子材料からな
り、一般に厚さは約0.6μm以下である。
ールブロック層と光発電層間に接着性の中間層を介在さ
せてもよい。同中間層は、ポリエステル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン等の高分子材料からな
り、一般に厚さは約0.6μm以下である。
【0044】本実施形態において、本発明のベンゾイミ
ダゾールペリレン電荷発生性合成物は可視波長域での感
光性を向上させる機能をもつ。特に約400nmから8
00nmの波長域に感光性をもつ画像形成素子が本発明
の実施形態で提供されており、これにより該画像形成素
子はカラー複写、画像表示および印刷等の用途に対して
特に有用なものになっている。この場合の印刷は一般に
約600nmから800nmでの感度を必要とする赤色
LEDやダイオードレーザ印刷法などを指す。
ダゾールペリレン電荷発生性合成物は可視波長域での感
光性を向上させる機能をもつ。特に約400nmから8
00nmの波長域に感光性をもつ画像形成素子が本発明
の実施形態で提供されており、これにより該画像形成素
子はカラー複写、画像表示および印刷等の用途に対して
特に有用なものになっている。この場合の印刷は一般に
約600nmから800nmでの感度を必要とする赤色
LEDやダイオードレーザ印刷法などを指す。
【0045】また本発明は本明細書開示の光受容体を用
いた画像形成方法も含む。同方法は、本発明の光受容体
上への静電潜像の生成、樹脂やカーボンブラックなどの
顔料および電荷付与剤からなるトナーによる該潜像の現
像、および該現像した静電像の基板への転写の各工程か
らなる。必要に応じて任意に前記転写像を基板に定着す
ることもできる。同現像は、カスケード、タッチダウ
ン、パウダークラウド(powder cloud)お
よび磁気ブラシ等の多くの既存の現像法によって行われ
る。現像後の像の基板への転写はコロトロン(coro
tron)やバイアスロールの利用を含む各種の適当な
方法を用いて行なわれる。定着処理は、フラッシュ溶
融、熱溶融、加圧溶融、蒸気溶融等の各種の適当な方法
を用いて行なわれる。基板としては、紙およびOHP用
紙などの静電複写や静電印刷で一般に使用される各種材
料が使用できる。また従来技術を用いてこれらの現像方
法に変形を加えることができることは明らかである。
いた画像形成方法も含む。同方法は、本発明の光受容体
上への静電潜像の生成、樹脂やカーボンブラックなどの
顔料および電荷付与剤からなるトナーによる該潜像の現
像、および該現像した静電像の基板への転写の各工程か
らなる。必要に応じて任意に前記転写像を基板に定着す
ることもできる。同現像は、カスケード、タッチダウ
ン、パウダークラウド(powder cloud)お
よび磁気ブラシ等の多くの既存の現像法によって行われ
る。現像後の像の基板への転写はコロトロン(coro
tron)やバイアスロールの利用を含む各種の適当な
方法を用いて行なわれる。定着処理は、フラッシュ溶
融、熱溶融、加圧溶融、蒸気溶融等の各種の適当な方法
を用いて行なわれる。基板としては、紙およびOHP用
紙などの静電複写や静電印刷で一般に使用される各種材
料が使用できる。また従来技術を用いてこれらの現像方
法に変形を加えることができることは明らかである。
【0046】また本発明の方法がベンゾイミダゾールペ
リレンを電荷発生材料に用いた光受容体に限定されない
こともきわめて明白である。むしろ本発明の分散粉砕法
は、光受容体における特定の光誘起放電曲線と電気応答
特性とを電荷発生材料の粉砕時間によってのみ選択でき
るようにするものであり、他材料の処理にも難なく適用
できる。本発明の実施形態に使用できる他の適当な電荷
発生材料の例として、非晶質セレン、三方晶セレンおよ
びセレン−テルル、セレン−テルル−ひ素およびセレン
ひ化物などのセレン合金などの無機光導電性粒子;米国
特許第3,357,989号記載のX形無金属フタロシ
アニン、バナジルフタロシアニンおよび銅フタロシアニ
ンなどの金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;
ジブロモアントロン;スクァリリウム;キナクリドン;
米国特許第3,442,781号記載の2,4−ジアミ
ノ−トリアジン置換のジブロモアントロン顔料;All
ied Chemical社提供の商標Indofas
t Double Scarlet、Indofast
Violet Lake B、IndofastBr
illiant ScarletおよびIndofas
t Orange等の多環式キノン等がある。
リレンを電荷発生材料に用いた光受容体に限定されない
こともきわめて明白である。むしろ本発明の分散粉砕法
は、光受容体における特定の光誘起放電曲線と電気応答
特性とを電荷発生材料の粉砕時間によってのみ選択でき
るようにするものであり、他材料の処理にも難なく適用
できる。本発明の実施形態に使用できる他の適当な電荷
発生材料の例として、非晶質セレン、三方晶セレンおよ
びセレン−テルル、セレン−テルル−ひ素およびセレン
ひ化物などのセレン合金などの無機光導電性粒子;米国
特許第3,357,989号記載のX形無金属フタロシ
アニン、バナジルフタロシアニンおよび銅フタロシアニ
ンなどの金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;
ジブロモアントロン;スクァリリウム;キナクリドン;
米国特許第3,442,781号記載の2,4−ジアミ
ノ−トリアジン置換のジブロモアントロン顔料;All
ied Chemical社提供の商標Indofas
t Double Scarlet、Indofast
Violet Lake B、IndofastBr
illiant ScarletおよびIndofas
t Orange等の多環式キノン等がある。
【0047】次に好適な一実施例にしたがって発明の詳
細な説明を行なう。部およびパーセントは表示がない限
りすべて重量比である。
細な説明を行なう。部およびパーセントは表示がない限
りすべて重量比である。
【0048】
【実施例】実施例1: アルミニウム基板、ブロック層、電荷発生層
および電荷輸送層をもつ多層構造の光受容体を形成す
る。本実施例において光受容体は600VのVddpで約
44V-cm2/ergの感度(dV/dX)および10
0Vで約24erg/cm2の光強度をもつことを要求
される。
および電荷輸送層をもつ多層構造の光受容体を形成す
る。本実施例において光受容体は600VのVddpで約
44V-cm2/ergの感度(dV/dX)および10
0Vで約24erg/cm2の光強度をもつことを要求
される。
【0049】光受容体の形成に用いる基板はホーニング
されたアルミニウム基板である。このアルミニウム基板
上にブロック層を塗布する。ブロック層はLuckam
ide(ダイニッポンインク社製のポリアミノアミド樹
脂)を用いて1.5μm厚さに形成する。このブロック
層の形成は、該Luckamideを適当な溶剤と混合
して基板上に浸漬塗布することで行なう。後続の処理を
行なう前に同Luckamideブロック層の乾燥を行
なう。ただしこの乾燥処理は必ずしも必要なものではな
い。
されたアルミニウム基板である。このアルミニウム基板
上にブロック層を塗布する。ブロック層はLuckam
ide(ダイニッポンインク社製のポリアミノアミド樹
脂)を用いて1.5μm厚さに形成する。このブロック
層の形成は、該Luckamideを適当な溶剤と混合
して基板上に浸漬塗布することで行なう。後続の処理を
行なう前に同Luckamideブロック層の乾燥を行
なう。ただしこの乾燥処理は必ずしも必要なものではな
い。
【0050】ブロック層の塗布後、電荷発生層の塗布を
行なう。同電荷発生層は350mm/minの速度で
0.5μm厚さに塗布する。この電荷発生層の塗布は浸
漬塗布法により行い、同層が1.0以上の光学濃度をも
つようにする。該電荷発生層の形成用材料としてベンゾ
イミダゾールペリレンとPVB B79(Monsan
to製ポリビニルブチラール樹脂)の溶液を用いる。同
溶液におけるP:B比(高分子バインダ(ポリビニルブ
チラール)に対するポリベンゾイミダゾールペリレンの
比)は68:32とする。このベンゾイミダゾールペリ
レンとPVBB79とをn−ブチルアセテート中に分散
して、固形分重量比が7%の分散体を作製する。
行なう。同電荷発生層は350mm/minの速度で
0.5μm厚さに塗布する。この電荷発生層の塗布は浸
漬塗布法により行い、同層が1.0以上の光学濃度をも
つようにする。該電荷発生層の形成用材料としてベンゾ
イミダゾールペリレンとPVB B79(Monsan
to製ポリビニルブチラール樹脂)の溶液を用いる。同
溶液におけるP:B比(高分子バインダ(ポリビニルブ
チラール)に対するポリベンゾイミダゾールペリレンの
比)は68:32とする。このベンゾイミダゾールペリ
レンとPVBB79とをn−ブチルアセテート中に分散
して、固形分重量比が7%の分散体を作製する。
【0051】本実施例における前記ベンゾイミダゾール
ペリレンの作製はバルク状のベンゾイミダゾールペリレ
ンを原料にして行なう。同作製において該原料を本発明
の方法で適当な粒径まで粉砕し、これにより所望の電気
応答特性を得るようにする。該ベンゾイミダゾールペリ
レンは再循環モードに設定されたダイノミル(0.6L
容器)中で分散粉砕を施される。同ミルで使用される粉
砕媒体は粒径450μmの酸化ジルコニウム粒子であ
る。また同ミルの駆動は2000rpmの速度と150
ml/minの流量で行われる。バッチ寸法は5Lに設
定する。本受容体の電荷発生層に用いるためにベンゾイ
ミダゾールペリレンに4時間の粉砕を施し、粒径を0.
14μmにする。本実施例における粒径の測定はHor
iba CAPA 700遠心分離装置を用いて行な
う。
ペリレンの作製はバルク状のベンゾイミダゾールペリレ
ンを原料にして行なう。同作製において該原料を本発明
の方法で適当な粒径まで粉砕し、これにより所望の電気
応答特性を得るようにする。該ベンゾイミダゾールペリ
レンは再循環モードに設定されたダイノミル(0.6L
容器)中で分散粉砕を施される。同ミルで使用される粉
砕媒体は粒径450μmの酸化ジルコニウム粒子であ
る。また同ミルの駆動は2000rpmの速度と150
ml/minの流量で行われる。バッチ寸法は5Lに設
定する。本受容体の電荷発生層に用いるためにベンゾイ
ミダゾールペリレンに4時間の粉砕を施し、粒径を0.
14μmにする。本実施例における粒径の測定はHor
iba CAPA 700遠心分離装置を用いて行な
う。
【0052】電荷発生層が乾燥しない間に、電荷発生層
上に電荷輸送層を塗布する。電荷輸送層の作製は、60
重量部のPCZ−400(ミツビシガスケミカル社提供
のポリカーボネート樹脂)と40重量部のN,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス[3−メチルプロピル]−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミンとの溶液
を電荷発生層上に24μmの層厚で塗布して行なう。こ
の電荷輸送層の塗布は浸漬塗布法によって行なう。
上に電荷輸送層を塗布する。電荷輸送層の作製は、60
重量部のPCZ−400(ミツビシガスケミカル社提供
のポリカーボネート樹脂)と40重量部のN,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス[3−メチルプロピル]−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミンとの溶液
を電荷発生層上に24μmの層厚で塗布して行なう。こ
の電荷輸送層の塗布は浸漬塗布法によって行なう。
【0053】次にAdvanced Products
Concepts and Technologie
s製エリアスキャナを用いて光受容体の電気応答特性の
評価を行なう。この光受容体は600VのVddpで44
V-cm2/ergという所望の感度dV/dXと100
Vで24erg/cm2という所望の光強度を備えてい
る。
Concepts and Technologie
s製エリアスキャナを用いて光受容体の電気応答特性の
評価を行なう。この光受容体は600VのVddpで44
V-cm2/ergという所望の感度dV/dXと100
Vで24erg/cm2という所望の光強度を備えてい
る。
【0054】実施例2〜10:実施例1と同一の手順に
したがい、かつ同一の材料を用いて複数の多層構造光受
容体を作製する。ただし実施例2〜10ではベンゾイミ
ダゾールペリレンの粉砕をそれぞれ別々の時間で行い、
作製後の光受容体がそれぞれ別々の所望感度域と光強度
をもつようにする。実施例2〜10における粉砕時間、
粉砕後のベンゾイミダゾールペリレンの粒径、感度域、
および光強度を表1に示す。
したがい、かつ同一の材料を用いて複数の多層構造光受
容体を作製する。ただし実施例2〜10ではベンゾイミ
ダゾールペリレンの粉砕をそれぞれ別々の時間で行い、
作製後の光受容体がそれぞれ別々の所望感度域と光強度
をもつようにする。実施例2〜10における粉砕時間、
粉砕後のベンゾイミダゾールペリレンの粒径、感度域、
および光強度を表1に示す。
【0055】実施例1〜10の各光受容体はそれぞれの
所望の各現像条件下ですぐれた画質を示す。これらの実
施例は、本発明の方法を用いることにより同一材料を使
用しつつ光受容体の電気応答特性を所望の各値に調製で
きることを示している。
所望の各現像条件下ですぐれた画質を示す。これらの実
施例は、本発明の方法を用いることにより同一材料を使
用しつつ光受容体の電気応答特性を所望の各値に調製で
きることを示している。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、用途に応じて粉砕時間
を調整し、光受容体の所望感度域と光強度を調節するこ
とができる。
を調整し、光受容体の所望感度域と光強度を調節するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒューイ−ジェン ユー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード フォール メドウ ドライブ 31
Claims (1)
- 【請求項1】 電子写真用光受容体の形成方法は、
(a)光受容体用に必要な所望の感度域と所望の光強度
とを選択する工程と、(b)支持基板と光発電層とを含
み、前記所望の感度域と所望の光強度をもつ前記光受容
体を形成し、前記光発電層が電荷発生材料を含み、前記
支持基板上への前記光発電層の塗布によって形成される
工程と、からなり、 前記電荷発生材料は、光発電材料を所定時間分散粉砕す
ることを含む方法によって作製され、これにより前記光
受容体が前記所望の感度域と所望の光強度とをもつよう
に調整され、該所定時間は前記所望の感度域と所望の光
強度に応じて選択されるものであることを特徴とする電
子写真用光受容体の形成方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/691,064 | 1996-07-31 | ||
US08/691,064 US5686213A (en) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | Tunable imaging members and process for making |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1097086A true JPH1097086A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=24775021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9196148A Withdrawn JPH1097086A (ja) | 1996-07-31 | 1997-07-22 | 調整可能な画像形成素子およびその作製方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5686213A (ja) |
JP (1) | JPH1097086A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6057075A (en) * | 1998-08-12 | 2000-05-02 | Xerox Corporation | Photoreceptor fabrication method involving a tunable charge generating dispersion |
US6066427A (en) * | 1999-07-26 | 2000-05-23 | Lexmark International, Inc. | Methods for making a charge generating layers comprising type I polymorph of titanyl phthalocyanine with reduced photosensitivity and photoconductors including the same |
JP2005075868A (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Fujitsu Ltd | 蛍光材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ |
US8043784B2 (en) * | 2008-01-31 | 2011-10-25 | Xerox Corporation | Imaging member and methods of forming the same |
US9732224B2 (en) * | 2012-05-18 | 2017-08-15 | Pbi Performance Products, Inc. | Polybenzimidazole/polyvinylbutyral mixtures |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3904407A (en) * | 1970-12-01 | 1975-09-09 | Xerox Corp | Xerographic plate containing photoinjecting perylene pigments |
DE2237539C3 (de) * | 1972-07-31 | 1981-05-21 | Hoechst Ag, 6000 Frankfurt | Elektrophotographisches Aufzeichnungsmaterial |
US4265990A (en) * | 1977-05-04 | 1981-05-05 | Xerox Corporation | Imaging system with a diamine charge transport material in a polycarbonate resin |
US4251612A (en) * | 1978-05-12 | 1981-02-17 | Xerox Corporation | Dielectric overcoated photoresponsive imaging member |
DE3019326C2 (de) * | 1980-05-21 | 1983-03-03 | Hoechst Ag, 6000 Frankfurt | Elektrophotographisches Aufzeichnungsmaterial |
DE3110955A1 (de) * | 1981-03-20 | 1982-09-30 | Basf Ag, 6700 Ludwigshafen | Elektrophotographisches aufzeichnungsmaterial |
US4578333A (en) * | 1983-05-16 | 1986-03-25 | Eastman Kodak Company | Multilayer photoconductive elements having an acrylonitrile copolymer interlayer |
US4469523A (en) * | 1983-07-11 | 1984-09-04 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Borax dispersion milling of quinacridones |
US4557868A (en) * | 1984-06-26 | 1985-12-10 | Xerox Corporation | Process for preparing a phthalocyanine |
US4587189A (en) * | 1985-05-24 | 1986-05-06 | Xerox Corporation | Photoconductive imaging members with perylene pigment compositions |
US5019473A (en) * | 1990-02-23 | 1991-05-28 | Eastman Kodak Company | Electrophotographic recording elements containing photoconductive perylene pigments |
US5084100A (en) * | 1990-12-20 | 1992-01-28 | Ciba-Geigy Corporation | Quinacridone dispersion milling process |
US5225307A (en) * | 1992-01-31 | 1993-07-06 | Xerox Corporation | Processes for the preparation of photogenerating compositions |
US5484674A (en) * | 1994-10-31 | 1996-01-16 | Xerox Corporation | Benzimidazole perylene imaging members and processes thereof |
-
1996
- 1996-07-31 US US08/691,064 patent/US5686213A/en not_active Expired - Lifetime
-
1997
- 1997-07-22 JP JP9196148A patent/JPH1097086A/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5686213A (en) | 1997-11-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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