JPH1096872A

JPH1096872A - 偏向走査装置

Info

Publication number: JPH1096872A
Application number: JP26932596A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Suzuki; 康夫鈴木
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1996-09-19
Filing date: 1996-09-19
Publication date: 1998-04-14

Abstract

(57)【要約】【課題】回転多面鏡の駆動部を簡単にする。【解決手段】回転多面鏡７は、軸３と一体であるロー
タ４の基準面４ｃに直接当接され、押えバネ８によって
押圧されてロータ４と一体化される。ロータ４は切削性
の良好なプラスチック製のマグネットであり、回転多面
鏡７を組み付ける前に基準面４ｃを切削して平坦度を向
上させることができる。回転多面鏡とロータの間にフラ
ンジ等を介在させる必要がないため、組立部品点数や組
立工程数を大幅に削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられ
る偏向走査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザプリンタやレーザファクシミリ等
の画像形成装置に用いられる偏向走査装置は、図２に示
すように、図示しない半導体レーザから発生する光束を
シリンドリカルレンズによって線状に集光して、回転多
面鏡１０８の複数の鏡面からなる反射面に照射する。回
転多面鏡１０８の回転によって偏向走査された光束の大
部分は結像レンズＦによって回転ドラムＤ上の感光体に
結像される。感光体に結像する光束は、回転多面鏡１０
８の回転による主走査、および回転ドラムＤの回転によ
る副走査によって感光体に静電潜像を形成する。

【０００３】回転多面鏡１０８を回転させる駆動装置
は、ハウジング１０１に保持された一対の軸受（ボール
ベアリング）１０２ａ，１０２ｂと、これらに回転自在
に支承された軸１０３を有し、軸１０３はフランジ１０
４を介してヨーク１０５ａおよび駆動用マグネット１０
５ｂからなるロータ１０５に一体的に結合されており、
ロータ１０５はハウジング１０１に固定されたモータ基
板１０６上の駆動用コイルからなるステータ１０７とと
もにモータＭ₀ を形成する。回転多面鏡１０８はバネ１
０９ａおよび止め金１０９ｂによってフランジ１０４に
押圧され、これによって軸１０３およびロータ１０５と
一体的に結合され、前記モータＭ₀ の駆動によって回転
する。

【０００４】回転多面鏡１０８の反射面の振れ（傾斜）
は、回転多面鏡１０８の走査光の光軸を傾斜させ、この
ために、回転ドラムＤ上の結像点がずれてピッチむら等
の画質劣化を招く。そこで、ロータ１０５の鉄製のヨー
ク１０５ａと比べて切削性にすぐれた黄銅等を材料とす
るフランジ１０４を回転多面鏡１０８とロータ１０５の
間に介在させ、フランジ１０４の上面を切削して平坦度
の高い基準面を形成し、これに回転多面鏡１０８を当接
してバネ１０９ａおよび止め金１０９ｂによってフラン
ジ１０４に組み付ける。フランジ１０４とロータ１０５
のヨーク１０５ａ、およびフランジ１０４と軸１０３の
間は接着等の公知の方法で一体的に結合される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように、回転多面鏡とロータの
間に介在するフランジのために装置の組立部品点数が増
えて、組立工程も複雑になる。また、このように組立部
品点数が多いと、回転多面鏡とロータを含む回転体の初
期バランスを修正する作業も複雑化する。加えて、フラ
ンジが金属製であるために前記回転体全体のイナーシャ
が増大し、このために、モータＭ₀ の立ち上がり時間が
長いという不都合もある。

【０００６】さらに、フランジがロータのヨークや軸に
接着されている場合は、偏向走査装置の運転中にモータ
の発熱等によってロータ等が昇温すると、接着剤が軟化
してロータや軸に対するフランジの相対位置が変化す
る。このようにフランジが偏心すると、回転多面鏡とロ
ータを含む回転体に初期のバランス修正時と異なる新た
な質量の不均衡が発生し、装置全体が著しく振動する等
のトラブルを生じる。

【０００７】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、回転多面鏡の駆動
部の構成を簡単にするとともに、回転多面鏡の回転性能
等を大幅に向上できる偏向走査装置を提供することを目
的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の偏向走査装置は、軸受手段によって回転自
在に支持された回転部材と、該回転部材と一体であるプ
ラスチック製のマグネットからなるロータを有するモー
タと、前記ロータに当接された回転多面鏡と、該回転多
面鏡を前記ロータに押圧する押圧手段を有することを特
徴とする。

【０００９】ロータが、切削によって仕上げられた基準
面を有し、該基準面に回転多面鏡が当接されているとよ
い。

【００１０】また、ロータが、回転部材と一体的に成形
されているとよい。

【００１１】

【作用】回転多面鏡を回転させるモータのロータに、プ
ラスチック製のマグネットを用いて、これに回転多面鏡
を直接組み付ける。プラスチック製のマグネットは切削
性が良好であるから、回転多面鏡を当接する基準面を切
削によって高い平坦度に仕上げることができる。

【００１２】鉄製のヨーク等を有するモータを用いた場
合のように回転多面鏡とロータの間に特に切削性の良い
黄銅等のフランジを介在させる必要がないため、装置の
組立部品点数の削減と組立工程の簡略化を促進し、偏向
走査装置の製造コストの低減に大きく貢献できる。

【００１３】また、フランジを省略することで回転多面
鏡とロータを含む回転体全体のイナーシャが低減され、
これによってモータの立ち上り時間を大幅に短縮でき
る。さらに、接着等によって固着する部位も少なくなる
ため、回転多面鏡の回転中にモータの発熱によって接着
剤が軟化し、このために前記回転体に質量の不均衡を生
じる等のトラブルも軽減される。その結果、回転多面鏡
の回転性能が大きく向上する。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【００１５】図１は一実施例による偏向走査装置の主要
部を示すもので、これは、ハウジング１に保持された軸
受手段である軸受装置２に回転自在に支承された回転部
材である軸３を有し、軸３はロータ４に一体的に結合さ
れており、ロータ４はハウジング１に固定されたモータ
基板５上のステータ６とともにモータＭ₁ を構成する。
回転多面鏡７は軸３を嵌挿させる軸穴である中心穴を有
し、軸３の上端に装着された押圧手段である皿型の押え
バネ８によってロータ４に押圧され、これと一体的に結
合される。ステータ６に電流が供給されるとモータＭ₁
が駆動され、ロータ４とともに回転多面鏡７が回転す
る。

【００１６】ステータ６は、モータ基板５と一体である
コア６ａと、これに巻き付けたコイル６ｂを有する。ロ
ータ４は、一体成形されたプラスチック製のマグネット
であり、軸３に接着されている。ロータ４は、ステータ
６のコイル６ｂを包囲する筒状部分４ａと、回転多面鏡
７を載置する円板部分４ｂを有し、円板部分４ｂの上面
には、高い面精度に仕上げられた基準面４ｃが形成され
ている。

【００１７】図示しない光源から回転多面鏡７の反射面
７ａに照射されたレーザ光は、回転多面鏡７の回転によ
って所定の方向（走査方向）に走査され、図示しない結
像レンズによって回転ドラム上の感光体に結像される。
回転ドラム上の感光体に結像する走査光は、回転多面鏡
７の回転による主走査と、回転ドラムの回転による副走
査に伴なって静電潜像を形成する。

【００１８】回転多面鏡７が軸３に対して垂直に組み付
けられてないと、回転多面鏡７の反射面７ａの振れ（傾
斜）によって走査光の光軸が傾いて、いわゆるピッチむ
ら等を生じ、その結果、著しい画質劣化を招く。そこ
で、前述のように、回転多面鏡７を載置するロータ４の
上面に平坦度の高い基準面４ｃを設け、これに回転多面
鏡７を当接して、押えバネ８によって組み付けるように
構成されている。

【００１９】回転多面鏡７を当接するロータ４の基準面
４ｃの振れは、例えば、５μｍ以下に厳しく管理する必
要がある。そこで、ロータ４を軸３に対して接着する工
程で、ロータ４の基準面４ｃの振れを計測し、その計測
値が例えば５μｍの許容値以下になるように調節する
か、あるいは、ロータ４を軸３に接着したのちに、改め
てロータ４の基準面４ｃの振れを計測し、計測値が上記
の許容値を越えていればロータ４の基準面４ｃを切削し
てその平坦度を改善する。

【００２０】このようにロータ４の基準面４ｃを高い平
坦度に調節したうえで、回転多面鏡７の組み付けを行な
う。これによって、走査光の光軸の振れに起因するピッ
チむら等のトラブルのない極めて高性能な偏向走査装置
を製作することができる。ロータ４は、前述のように、
プラスチック製のマグネットであるから、これを一体成
形する工程で上面に平坦度の高い基準面４ｃを形成する
のは比較的簡単であり、また、ロータ４を軸３に組み付
けた後に基準面４ｃを切削加工するのも極めて容易であ
る。従って、従来例のように、ロータと回転多面鏡の間
にフランジを介在させる必要はない。

【００２１】本実施例によれば、回転多面鏡を回転させ
るモータのロータが、一体成形されたプラスチック製の
マグネットであり、その上面に直接回転多面鏡を載置す
る基準面を形成したものであり、従来例のように切削性
のよい材料で作られたフランジをロータと回転多面鏡の
間に介在させる必要がない。このように、フランジを省
略することで装置の組立部品点数や組立工程数を削減
し、偏向走査装置の製造コストを大幅に低減できる。ま
た、フランジを省略することで、回転多面鏡とロータを
含む回転体全体のイナーシャが低減され、初期のバラン
ス修正も簡単になる。

【００２２】加えて、モータの立ち上り時間が短縮され
るうえに、接着等によって固着する部位が少なくなるた
め、回転多面鏡の回転中にモータの発熱のために接着剤
が軟化して、新たな動的不均衡を生じる等のトラブルも
軽減できる。これによって、回転多面鏡の回転性能が安
定するという利点もある。

【００２３】その結果、極めて安価で、しかも高性能な
偏向走査装置を実現できる。

【００２４】なお、ロータを軸に接着することで両者を
一体化する替わりに、プラスチック製のマグネットであ
るロータを一体成形する工程において、軸をコア型とし
てロータと一体的に成形するいわゆるアウトサート成形
を採用してもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。

【００２６】回転多面鏡の駆動部の構成を簡単にすると
ともに、回転多面鏡の回転性能等を大きく向上できる。
これによって、偏向走査装置の製造コストの低減と高性
能化に大きく貢献できる。このような偏向走査装置を用
いることで、安価でしかも高性能な画像形成装置を実現
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例による偏向走査装置の主要部を示す模
式断面図である。

【図２】一従来例による偏向走査装置を示す模式断面図
である。

【符号の説明】

１ハウジング２軸受装置３軸４ロータ４ｃ基準面５モータ基板６ステータ７回転多面鏡８押えバネ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】軸受手段によって回転自在に支持された
回転部材と、該回転部材と一体であるプラスチック製の
マグネットからなるロータを有するモータと、前記ロー
タに当接された回転多面鏡と、該回転多面鏡を前記ロー
タに押圧する押圧手段を有する偏向走査装置。
【請求項２】ロータが、切削によって仕上げられた基
準面を有し、該基準面に回転多面鏡が当接されているこ
とを特徴とする請求項１記載の偏向走査装置。
【請求項３】ロータが、回転部材と一体的に成形され
ていることを特徴とする請求項１または２記載の偏向走
査装置。