JPH1096136A - 空気抵抗の大きいスポーツ用品用基布 - Google Patents

空気抵抗の大きいスポーツ用品用基布

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JPH1096136A
JPH1096136A JP8252625A JP25262596A JPH1096136A JP H1096136 A JPH1096136 A JP H1096136A JP 8252625 A JP8252625 A JP 8252625A JP 25262596 A JP25262596 A JP 25262596A JP H1096136 A JPH1096136 A JP H1096136A
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JP
Japan
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shape
cross
yarn
flat
sectional
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JP8252625A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Akamatsu
哲也 赤松
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、コンパクト性、空気遮断性に優れた
スポーツ用品用基布を提供する。 【解決手段】 熱可塑性重合体からなる合成繊維を製織
してなるスポーツ用品用基布であって、該合成繊維の単
糸は、その断面形状が偏平形状であり、その偏平形状
は、長手方向に丸断面単糸の3〜6個が連続して融着し
たような形状を有していることを特徴とする空気抵抗の
大きいスポーツ用品用基布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、コンパク
ト性および空気遮断性に優れたスポーツ用品用基布に関
する。さらに詳しくは、ヨット、ウインドサーフィン、
ハングライダー、パラセーリング、熱気球およびカイト
等の空気や風を利用して楽しむスポーツ用品に用いるた
めの基布に関する。これらスポーツ用品は、空気や風を
利用するために、それに使用される基布は、空気遮断性
のみならず、柔軟性やコンパクト性が要求される。
【0002】
【従来の技術】近年、余暇の増大に伴いスポーツを趣味
とする傾向が増大している。その内容も多種多様化し、
最近ではマリンスポーツが盛んとなってきており、公営
のマリーナの建設も各地で進み、ヨットセーリングやウ
インドサーフィンを楽しむ人口も増加している。特に、
ヨットは主たる動力は風をセールで受けることで得てい
る。そのため、ヨットには代表的な物にメインセール、
ジブセールと追い風時に用いるスピンネーカー等のセー
ルクロスが使われ、その素材として多くの繊維製品が用
いられている。従来、これらの用途には、主として綿、
ナイロン繊維が使用されてきたが、軽量性、強さ、外観
が優れていると言う点で近年ではナイロン繊維が一般的
に用いられている。しかし、ナイロン繊維は一般的に耐
候性および寸法安定性に劣るため、これらの特性に優れ
たポリエステル繊維の活用が注目されている。。
【0003】これらのセールクロスのうち、セーリング
中、メインセールは常時揚げているが、ジブセールはタ
ッキング毎に操作し右舷から左舷へ、又はその逆と張り
替える必要がある。さらに追い風時には、ジブセールを
収納しスピンネーカーに張り替える。このスピンネーカ
ーは通常はスピンバックに収納されているが、追い風に
転じると一気に帆を揚げ、追い風から向かい風に転じる
と同時に降ろし、次の追い風時に使用できるようスピン
バックに収納する。これらの一連の操作をスムースに行
うためにこれらのセールに用いられている布帛はソフト
かつコンパクトに収納できることが好ましい。さらに、
ヨットはセールをデッキの面より高く揚げているため、
セールの重量を軽量化することは船体のヒール(風を受
けて傾くこと)を抑え、帆走時の安定化を計ることがで
きる。
【0004】これらのセールクロスは風を受けその力を
推進力として利用する物である性格上、空気遮断性に優
れていることが必要なのは明白である。しかし、空気遮
断性を向上するためには布帛の織密度を高くする必要が
あるが、織密度を高くすれば、重量の増大を招きかつ布
帛厚みが増えるため、剛直なセールクロスとなることは
明白である。
【0005】前記したヨットの他に、空気や風を利用す
るスポーツとして、ウインドサーフィン、パラグライダ
ー、パラセーリング、熱気球およびカイト等がある。こ
れらは、ヨットと同様に帆や形態保持するための布帛が
使用され、その基布は空気遮断性が必要であり、その上
に柔軟性、軽量性が要求され、さらに非使用時の折り畳
み収納性やコンパクト性が要望される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性、コ
ンパクト性および空気遮断性に優れたスポーツ用品用基
布を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究によれ
ば、前記本発明の目的は、熱可塑性重合体からなる合成
繊維を製織してなるスポーツ用品用基布であって、該合
成繊維の単糸は、その断面形状が偏平形状であり、その
偏平形状は、長手方向に丸断面単糸の3〜6個が連続し
て融着したような形状を有していることを特徴とする空
気抵抗の大きいスポーツ用品用基布によって達成され
る。
【0008】次に、本発明についてさらに詳しく説明す
る。本発明の基布を構成している合成繊維は、熱可塑性
重合体から形成されるものであり、具体的には、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド繊維やポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル繊維が
あるが、耐候性、寸法安定性、コストの面からポリエチ
レンテレフタレート繊維であることが好ましい。さら
に、耐候性を向上させるために各種顔料、紫外線吸収剤
等の添加剤を適宜組合せてしようすることが好ましい。
【0009】本発明の基布を構成する合成繊維の単糸
は、その長さ方向に対する直角横断面が、偏平形状であ
って、その偏平形状は長手方向に丸断面単糸が3〜6個
が連続して融着したような形状を有している。この“連
続して融着したような形状”とは、現実にその溶融紡糸
の状態から見て、通常の断面形状が丸形(円)の単糸を
3〜6個融着したものでなく、結果として融着させたよ
うな形態をしているという意味である。現実の紡糸で
は、全体が一緒に結合した状態、紡糸され、融着によっ
て偏平形状が形成されるわけではない。
【0010】本発明の合成繊維の断面形状を図1により
説明する。図1(a)〜図1(h)は、繊維の断面形状
を模式的に示したものであり、図1(d)〜図1(g)
が本発明に属する断面形状であり、図1(d)は3個、
図1(e)は4個、図1(f)は5個および図1(g)
は6個の丸形断面単糸が融着したような形状を示してい
る。
【0011】すなわち、本発明の単糸の断面形状は、偏
平形状であり、長手方向(図1では横方向)に丸断面単
糸が連続して融着したような形状であり、また横方向の
中心線を軸として山と山(凸部と凸部)、谷と谷(凹部
と凹部)が対称に互いに重なり合う形をしている。図1
(d)〜図1(g)に示されるように、山(凸部)の数
は3〜6個である。
【0012】この山(凸部)を3〜6ケ有する偏平糸と
することにより丸断面の糸に比べて、原糸段階での曲げ
特性が向上する。その結果、得られた布帛は柔軟性に富
んだ物となる。また、偏平の単糸を製織することによ
り、織密度を低くしても単繊維の長軸側が布帛の面方向
に配列しやすくそのため、空気遮蔽性(気密性)に優れ
た軽量の基布とすることができる。
【0013】断面形状におけるこの凸部が2ケ以下の場
合は偏平形状の長手方向の長さ(長軸)と幅(短軸)の
比が2/1以下となるため目的とする柔軟性が得られな
いばかりか、製織したさいに単繊維の長軸が布帛の面方
向に配列することなく単糸の太さが1/2で単糸数が2
倍のマルチフィラメントを製織した時に類似した形状と
なり、かつ単繊維太さが従来の丸断面と同じであること
より、単繊維の短軸が布帛面方向に配列した場合は、む
しろ布帛は硬く、空気遮蔽性に劣るものとなる。一方、
凸部の数が7ケを越えると、断面形状は凸部の無い偏平
形状糸に近くなり、紡糸時の冷却斑が発生するため紡糸
時の糸曲がりや糸揺れが発生し製糸時の糸切れとなり製
造が困難となる。
【0014】本発明のスポーツ用品用基布における繊維
は、断面の偏平形状の長手方向の長さ(長軸)と幅(短
軸)の比が2/1〜5/1であることが望ましい。この
長軸と短軸の比が5/1を越えると偏平糸に近くなり製
造時の冷却斑等が発生しやすく製糸性が悪くなる。ま
た、2/1を下回ると単糸の形状は丸断面に近くなり原
糸の曲げ特性が悪くなるため得られた布帛は、コンパク
ト性、ソフト性、空気遮蔽性に劣る。本発明の繊維の単
繊維繊度は収納時や使用時に受ける摩擦により毛羽立た
ないよう1d(デニール)以上であることが好ましく、
また、得られる布帛の柔軟性を向上する意味から、10
d以下である。好ましくは2d〜6dの範囲から選択さ
れる。
【0015】本発明のスポーツ用品用基布は、前記断面
形状を有する繊維を製織することにより得ることができ
る。例えば製織は、平織、二重織、綾織等があるが、平
織が好ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明のスポーツ用品用基布は、特定の
偏平断面形状の繊維を製織したものであり、丸断面から
の基布に比べて柔軟性、コンパクト性、空気遮断性に優
れ、また製糸性が良く、強度、伸度、品位も優れてい
る。従って、空気や風を利用するスポーツ用製品の基布
として極めて好適である。殊にヨットセール、スピネー
カーに適している。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、固有粘度、S−S曲線、布帛の通気性、コンパクト
性、柔軟性、長軸/短軸の比は下記の方法にて測定され
た。 (i)「固有粘度」;o−クロロフェノール溶液中35
℃の温度において測定した。 (ii)「S−S曲線」;インストロン型の測定器を用い
試料長20cm、引っ張り速度10cm/分で測定を行
った。 (iii)「通気性」;JIS L−1096−79−6.
27 通気性A法に準拠し、フラジール型通気量測定器
を用いて測定した。 (iv)「コンパクト性」;布帛を幅5cm、長さ50c
mの大きさでサンプリングし20℃、65%RHの部屋
で8折りにし、上下をアルミ板ではさみ、1kgの過重
を24時間放置後除重し布帛の厚みを測定した。
【0018】(v)「柔軟性」;触感による官能評価を
行い、下記のように評価した。 ◎;柔軟で極めて良好 ○;良好 ×;粗硬感あり不良 (vi)「長軸/短軸の比」;得られた繊維を100〜2
00倍で断面を写真にとり長軸、短軸の長さを測定し
た。 (vii)「製糸性」;紡糸、延伸工程において1日当り
の断糸、単糸巻き付き回数が、0〜1回を◎、2〜4回
を○、5〜8回を△、9回以上を×とした。
【0019】実施例1〜4および比較例1〜6 固有粘度1.0のポリエチレンテレフタレートをエクス
トルーダー型押し出し機で紡糸温度295℃で紡出し
た。図1(a)〜図1(h)に示す断面形状となる紡糸
孔を有する紡糸口金からそれぞれ紡糸した糸条に油剤を
付与し800m/分の速度で紡糸し一旦巻き取った後
に、延伸機で延伸し表1に記載の品質を得た。得た糸条
を110本/2.54cmの織密度で製織した。得られ
た織物生機にシリコーン系の熱可塑性樹脂を3g/m2
の目付でコーティングした。その評価結果を同じく表1
に示す。
【0020】
【表1】
【0021】前記表1の結果から下記のことが理解され
る。 (1)実施例1〜4は製糸性もよく、得られた基布の通
気性も低く空気遮断性に優れ、かつ柔軟性もよくコンパ
クトに折り畳め、取り込む時の作業性の向上が期待でき
る。さらに、空気遮蔽性に優れていることから、例えば
打ち込み本数を落し、織物の目付を少なくしても従来の
丸断面の糸条の織物と同程度の空気遮蔽性を選られるこ
とは明白であり、それにより、コスト低減を図ることが
可能である。また、目付を少なくすることにより、ヨッ
トのセール部の重量を低減し帆走の安定化を計ることも
可能である。 (2)一方、比較例1は製糸性が極めて悪く、紡糸段階
において、ノズル直下での糸曲がり、糸揺れによる防糸
糸条の糸あたりの発生が見られた。そのため、延伸工程
においても糸切れ多発し、得られた糸条も毛羽の発生が
多く、製織も困難であった。 (3)また、比較例6は、比較例1より製糸性はややよ
かったが、糸切れ、毛羽共に発生大であった。 (4)比較例2〜4は丸断面であり製糸性、強度共に優
れていたが、得られた布帛の柔軟性、コンパクト性に劣
るものであった。 (5)比較例5は長軸と短軸の比が2/1以下のため、
得られた基布の柔軟性、コンパクト性に劣るものであっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維の長さ方向に対する直角断面図の模式図を
示すものであり、図1(a)〜図1(h)はそれぞれ下
記のことを示している。 (a) 偏平断面糸の断面図 (b) 丸断面糸の断面図 (c) 2つの山を有する偏平糸の断面図 (d) 本発明を構成する単糸の断面図である。 (e) 本発明を構成する単糸の断面図である。 (f) 本発明を構成する単糸の断面図である。 (g) 本発明を構成する単糸の断面図である。 (h) 7つの山を有する偏平糸の断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体からなる合成繊維を製織
    してなるスポーツ用品用基布であって、該合成繊維の単
    糸は、その断面形状が偏平形状であり、その偏平形状
    は、長手方向に丸断面単糸の3〜6個が連続して融着し
    たような形状を有していることを特徴とする空気抵抗の
    大きいスポーツ用品用基布。
  2. 【請求項2】 単糸の断面形状が長手方向の長さ(長
    軸)/幅(短軸)の比が2/1〜5/1の範囲である請
    求項1記載の空気抵抗の大きいスポーツ用品用基布。
JP8252625A 1996-09-25 1996-09-25 空気抵抗の大きいスポーツ用品用基布 Pending JPH1096136A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274479A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Teijin Fibers Ltd スポーツ用品用基布

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274479A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Teijin Fibers Ltd スポーツ用品用基布

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