JPH1095204A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH1095204A
JPH1095204A JP8252911A JP25291196A JPH1095204A JP H1095204 A JPH1095204 A JP H1095204A JP 8252911 A JP8252911 A JP 8252911A JP 25291196 A JP25291196 A JP 25291196A JP H1095204 A JPH1095204 A JP H1095204A
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tread
silica
weight
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group
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JP8252911A
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Inventor
Masaaki Harada
昌明 原田
Chikashi Yatsuyanagi
史 八柳
Kazunori Ishikawa
和憲 石川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ配合空気入りタイヤにおけるシリカ配
合補強性を増大させると共に、その発熱レベルを抑え、
耐摩耗性を改良する。 【解決手段】 タイヤトレッド部がベーストレッドとキ
ャップトレッドの少なくとも2層以上からなる層構造と
し、ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ5〜4
0重量部、カーボンブラック10〜60重量部、下記ア
ルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基
(II)を含有する平均重合度が3〜10,000のポリ
シロキサンをシリカ配合量の1〜40重量%配合したゴ
ム組成物をベーストレッドに用いた空気入りタイヤ。 ≡Si−OR1 (I) , ≡Si−OCOR2 (II) (R1 :C1-18の置換もしくは非置換の1価炭化水素
基、またはエーテル結合含有有機基;R2 :H、または
1-18の炭化水素基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
関し、更に詳しくは、アンダートレッドにシリカを配合
して耐摩耗性および耐発熱性の両立を図ったタイヤトレ
ッドを備えた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】トラック、バス用の重荷重用空気入りタ
イヤについては、従来よりキャップゴムに比較的粒子径
の細かいカーボンブラックを配合し、耐摩耗性の向上を
図る試みがなされている。しかしながら、小粒径のカー
ボンブラックを多量に配合すると、トレッドゴムの発熱
が大きくなり、タイヤの高速耐久性が低下するという問
題が生じる。
【0003】特開平3−7602号公報には、キャップ
トレッドより発熱の小さい、シリカを配合したベースト
レッドを用いることにより、耐摩耗性と耐発熱性を両立
させたタイヤが提案されているが、多量にシリカを配合
した場合には、未加硫ゴムの粘度上昇、加硫遅延、並び
にその混合加工性が悪化するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、キャップトレッドに耐摩耗性向上のため、小粒子径
のカーボンを配合しつつ、シリカを比較的大量に配合し
て低発熱化を図ったベーストレッドを一定割合の体積比
率にて設置することによってタイヤトレッド部の全体の
発熱レベルを抑え、シリカの多量配合にて悪化するベー
ストレッドの加工性を特定のポリシロキサンを配合する
ことによって良好な状態に保つこと、を目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、タイヤ
トレッド部が、ベーストレッドとキャップトレッドの少
なくとも2層以上からなる層構造とし、ジエン系ゴム1
00重量部に対して、シリカ5〜40重量部、カーボン
ブラック10〜60重量部、下記アルコキシシリル基
(I)またはアシルオキシシリル基(II)を含有する平
均重合度が3〜10,000のポリシロキサンをシリカ
配合量の1〜40重量%配合してなるゴム組成物をベー
ストレッドに用いてなる空気入りタイヤ ≡Si−OR1 (I) ≡Si−OCOR2 (II) (R1 は、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の1価
の炭化水素基またはエーテル結合含有有機基であり、R
2 は、水素もしくは炭素数1〜18の炭化水素基であ
る。)が提供される。
【0006】本発明の好ましい態様によれば、前記ベー
ストレッドに、更にシランカップリング剤をシリカ配合
量の1〜20重量%を配合した空気入りタイヤが提供さ
れる。
【0007】更に、本発明の好ましい態様によれば、前
記キャップトレッドに、ジエン系ゴム100重量部に対
してN2 SA:120m2 /g以上、DBP吸油量:1
10ml/100g以上のカーボンブラックを40〜70
重量部配合し、かつ、キャップトレッドとベーストレッ
ドの60℃で測定した損失正接をそれぞれtanδc
よびtanδb とした時に、次式(1): tanδc >tanδb …(1) を満足し、また、トレッド全体の体積(Va )に占める
前記ベーストレッドの体積分率(Vb /Va )が、次式
(2) 10≦(Vb /Va )≦60 …(2) を満足してなる空気入りタイヤが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成及び作用効
果について詳しく説明する。前述の如く、シリカをベー
ストレッド中に多量に配合したタイヤトレッドの加硫物
性は、特に、耐摩耗性と耐発熱性を図る上で良好である
が、未加硫時の加工性に劣るという欠点があった。本発
明者らの知見によれば、これは、シリカ表面に存在する
シラノール基(≡Si−OH)に起因し、シラノール基
の凝集力によりゴム組成物中で構造体が生成して粘度が
上昇したり、シラノール基の極性により加硫促進剤など
が吸着されて加硫が遅延したり、非極性ゴムとの相溶性
が十分でないために混合のまとまりが低下したりする現
象のために未加硫組成物の加工性が低下する。更に、シ
リカ配合ゴム組成物には、ゴムへの補強のために、シラ
ンカップリング剤が併用されることが多いが、シリカ粒
子の内腔にもシラノール基が存在し、これがシランカッ
プリング剤と反応してシランカップリング剤を損失さ
せ、補強効果が低下するため多量のシランカップリング
剤を配合しなければならないという問題があった。
【0009】しかるに、本発明に従えば、前記(I)の
アルコキシシリル基または(II)のアシルオキシシリル
基を含有するポリシロキサンをベーストレッド中に配合
するので、これらの基がシリカのシラノール基と反応し
てシリカ表面をポリシロキサンが覆うことになり、その
結果として従来技術の問題点を悉く解決して、シリカの
シラノール基の凝集力や極性によって生ずる粘度上昇
や、加硫促進剤などの極性添加剤およびシランカップリ
ング剤などの無駄な消費を効果的に抑えることができ
る。
【0010】本発明に従ってベーストレッド中に配合す
るアルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル
基(II)を含有するポリシロキサンは、前述の如く、シ
リカのシラノール基と反応するアルコキシシリル基
(I)又はアシルオキシシリル基(II)を有し、シリカ
粒子の表面を覆って潤滑効果を示す大きさ、即ち、平均
重合度が3〜10,000、好ましくは10〜1,00
0のポリマー(又はオリゴマー)である必要がある。従
って、本発明のポリシロキサンにおいては、≡Si−O
−R1 基又は≡Si−OCOR2 基の存在が必須であ
り、これらの基は主鎖、側鎖、末端のいずれにあっても
よい。さらに、水素基や他の有機基があってもよい。さ
らに、これらの基に含まれるOR1 基を1分子中に6個
以上、またはアシルオキシ基を1分子中に2個以上含有
させることによって、充填剤と強固に結合させることが
できるので、本発明で用いるポリシロキサンは、Si原
子に直接結合したアルコキシ基が1分子中に6個以上、
またはアシルオキシ基が1分子中に2個以上存在するの
が好ましい。なお、本発明において使用する前記ポリシ
ロキサンは、その分子中にSi原子に直接結合した炭化
水素基、好ましくはアルキル基を少なくとも1個有する
ものがゴム成分との親和性の観点から好ましい。かかる
ポリシロキサンは公知物質であり、例えば、一般的に
は、以下のようにして製造することができる。
【0011】アルコキシシリルまたはアシルオキシシリ
ル基を含有するポリシロキサンは、Si−H基含有ポリ
シロキサンとアルコール又はカルボン酸とを触媒の存在
下に反応させることによって合成される。
【0012】前記≡Si−H基含有ポリシロキサンとし
ては、以下のものを例示できる。
【化1】
【0013】前記アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、
ヘプタノール、オクタノール、オクタデカノール、フェ
ノール、ベンジルアルコールの他に、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルなど酸素原子を有するアルコールを例示する
ことができる。また、前記カルボン酸としては、酢酸、
プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチ
ン酸などを例示することができる。更に、前記触媒とし
ては、塩化白金酸、白金−エーテル錯体、白金−オレフ
ィン錯体、PdCl2(PPh3)2 ,RhCl2(PPh3)
2 が使用できる。
【0014】有機基を導入する方法としては、≡Si−
Hと二重結合を有する有機化合物を、上記触媒を用いて
反応させることにより容易に導入される。二重結合を有
する化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
リモネン、ビニルシクロヘキセン等がある。
【0015】別の方法としては、相当する≡Si−H基
含有ポリシロキサンと、以下に示すような二重結合含有
アルコキシシランとを、前記した触媒の存在下に反応さ
せることにより合成することができる。
【化2】
【0016】更に別の方法として、本発明において使用
するポリシロキサンは、シラノール末端ポリシロキサン
とアルコキシシランとを2価のスズ化合物などの触媒の
存在下に反応させることにより合成することができる。
このようなシラノール末端ポリシロキサンとしては、以
下のものを例示することができる。
【化3】
【0017】前記アルコキシシランとしては、以下のア
ルコキシシランを挙げることができ、更に、表Iに示す
シランカップリング剤を挙げることができる。
【化4】
【0018】
【表1】
【0019】本発明において使用するポリシロキサン
は、更に、反応性の官能基を側鎖又は末端に有するポリ
シロキサンと前記表Iのシランカップリング剤との反応
により合成することができる。反応性の官能基を有する
ポリシロキサンとしては、エポキシ基、アミノ基、メル
カプト基、カルボキシル基等を有するものを例示するこ
とができる。なお、本発明において使用するポリシロキ
サンは、前述の通り、その末端基及び側鎖は特に限定は
なく、製造時に使用した原料の種類によって定まるもの
であり、例えば、トリメチルシリル基、メチルジフェニ
ルシリル基、トリフェニルシリル基の他、有機基であっ
てもよい。
【0020】本発明において使用されるポリシロキサン
の配合量は、ベーストレッド中のシリカ重量に対し1〜
40重量%、好ましくは2〜20重量%、最も好ましく
は5〜10重量%である。ポリシロキサンの配合量が少
な過ぎると所望の効果が得られず、逆に多過ぎるとシリ
カと結合しない該物質が加硫物からしみ出す場合がある
ので好ましくない。
【0021】本発明の空気入りタイヤを構成するベース
トレッドのジエン系ゴムとしては、従来から使用されて
いる任意のゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソ
プレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)などが使用され
る。これらのジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンド
として使用することができる。なお、これらのジエン系
ゴムは、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR,E
PDM)などとブレンドして使用することもできる。
【0022】本発明で用いるベーストレッドに配合する
充填剤としてのシリカおよびカーボンブラックについて
は、本発明では、ジエン系ゴム100重量部に対して、
シリカ5〜40重量部およびカーボンブラック10〜6
0重量部を配合しなければならない。シリカが5重量部
未満であると、充分な低発熱化が図れず、また、40重
量部超であると、補強剤配合量が多い割りには耐摩耗性
が悪く、摩耗後期にベーストレッドが露出した際の耐摩
耗性が大きく低下する。更に、カーボンが10重量部未
満であると、摩耗後期にベーストレッドが露出した際の
耐摩耗性が大きく低下し、また、60重量部超である
と、ベーストレッドの充分な低発熱化が図れない。した
がって、上記シリカおよびカーボンブラックの配合比率
は、ベーストレッドの低発熱化と耐摩耗性をバランス良
く図る上で必要である。
【0023】本発明の好ましい態様に係るベーストレッ
ドは、更にシランカップリング剤を含むことができる。
本発明において使用されるシランカップリング剤は、従
来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリ
ング剤とすることができ、典型例としては、前記表Iに
示したものを挙げることができる。このうち、ビス−
〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕テトラスル
フィドが加工性の面から最も好ましい。更に、表IIに示
した、加硫時にゴムと反応する特殊なシランカップリン
グ剤も好適に使用することができる。
【0024】
【表2】
【0025】本発明に係るベーストレッド中にシランカ
ップリング剤を配合すると、耐摩耗性を更に改良するこ
とができる。本発明におけるシランカップリング剤の好
ましい使用量は、組成物中のシリカの配合量に対し、1
〜20重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。
シランカップリング剤の配合量が少な過ぎると、所望の
効果が得られず、逆に多過ぎると、混合や押出工程での
焼け(スコーチ)が生じやすくなるので好ましくない。
【0026】また、本発明の好ましい態様に係るタイヤ
トレッド部のキャップトレッドにおけるジエン系ゴムに
は、前記したベーストレッドと同じジエン系ゴムが使用
されるが、こゝでは、特に該ジエン系ゴム100重量部
に対して、小粒径のカーボンブラック、即ち、N2
A:120m2 /g以上、DBP吸油量:110ml/1
00g以上のカーボンブラックを40〜70重量部配合
する。このカーボンブラックの特性が上記未満のもので
は、耐摩耗性の向上が不充分であり、更に、その配合量
が40重量部未満では、耐摩耗性の向上効果が不充分
で、また70重量部超では、発熱が高くなり過ぎて好ま
しくない。
【0027】更に、キャップトレッドとベーストレッド
の60℃で測定した損失正接tanδc およびtanδ
b の間では、tanδc >tanδb であることが必要
であり、また、ベーストレッドの体積分率(Vb
a )は、10〜60であることが好ましい。前者の条
件は、キャップトレッドより発熱の小さい、シリカを配
合したベーストレッドを用いることで、耐摩耗性と耐発
熱性を両立させたタイヤが得られ、また、後者の条件
は、これが10未満では、低発熱化効果が不充分であ
り、60超では、摩耗中期にベーストレッドが露出し、
結果的にタイヤの寿命が低下する。
【0028】本発明に係るタイヤトレッド部のベースト
レッドおよびキャップトレッドを構成するゴム組成物に
は、前記した必須成分に加えて、通常の加硫又は架橋
剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、補
強剤、充填剤、可塑性剤、軟化剤などのタイヤ用に一般
的に配合されている各種添加剤を配合することができ、
かかる配合物は、一般的な方法で混練、加硫して組成物
とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。こ
れらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限
り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例に従って本発明を更
に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実
施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0030】以下の従来例、実施例及び比較例の配合に
用いたポリシロキサンは、次の一般的な方法で合成し
た。ポリシロキサン ポリメチルハイドロジェンシロキサン(KF99、信越
化学工業社製)100g、エタノール72gを混ぜ、塩
化白金酸1%イソプロピルアルコール溶液40μlを添
加、80℃で10時間反応させ合成した。この化合物の
推定構造は以下の通りである。
【化5】
【0031】以下の従来例、実施例及び比較例の各例の
配合に用いた他の配合成分は、次の市販品を用いた。 シリカ:日本シリカ(株)製“ニップシールAQ” シリコンオイル:信越化学工業(株)製“KF99” カップリング剤:ビス−[3−(トリエトキシシリル)
−プロピル]テトラスルフィド(デグッサ製“Si6
9”) 老化防止剤:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチ
ル)−p−フェニレンジアミン(住友化学工業(株)製
“アンチゲン6C”) 加硫促進剤:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリル−
スルフェンアミド(大内新興化学(株)製“ノクセラー
NS−F”) CB−1:東海カーボン(株)製“SEAST KH”
(N2 SA:93,DBP吸油量:119) CB−2:旭カーボンブラック(株)製“旭#80”
(N2 SA:115,DBP吸油量:113) CB−3:三菱化成(株)製“DIA BLACK
A”(N2 SA:142,DBP吸油量:116) (注)上記各CB(カーボンブラック)のN2 SA及び
DBP吸油量は、それぞれASTM−D3037−93
およびJIS K 6221により測定した。 WAX:大内新興化学(株)製“サンノック”
【0032】サンプルの調製 加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型
ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したと
きに放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8イ
ンチのオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。得
られたゴム組成物の未加硫物性を測定した。次に、この
組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で2
0分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)
を調製し、加硫物性を評価した。
【0033】各例において得られた組成物の未加硫物性
及び加硫物性の試験方法は以下の通りである。未加硫物性 1)ミキサーでのまとまり:ミキサー放出時のマスター
バッチのまとまりで評価した。 ◎…一かたまりにまとまっており、ゴムに取りこまれて
いない粉はほとんどない。 ○…一かたまりにまとまっているが、ゴムに取りこまれ
ていない粉が散見される。 ×…粉が付着している遊離したゴムの小片が見られる。 2)ムーニー粘度:JIS K 6300に基づき10
0℃にて測定した。
【0034】加硫物性 1)カーボン/シリカ分散状態:加硫ゴムを鋭利な刃物
で切り、その表面について目視及び光学顕微鏡(×10
0,400)で確認し、評価した。 ◎…カーボン及びシリカの不良分散塊(数100μm
径)が殆どなく、均等に分散している。 ○…カーボン及びシリカの不良分散塊が数個散見される
が、それ以外はある程度分散している。 △…カーボン及びシリカの不良分散塊が数十個見受けら
れるが、それ以外はある程度分散している。 ×…切りだした表面から粉らしきものが見えるのが確認
でき、カーボン及びシリカの不良分散塊が無数に見受け
られる。 2)300%MOD(変形応力)、破断強度:JIS
K 6251(ダンベル状3号形)に準拠して測定 3)硬度:JIS K 6253に準拠して測定 4)tanδ:東洋精機製作所製粘弾性装置レオログラ
フソリッドにて20Hz、初期伸長10%動歪み2%で測
定(試料幅5mm、温度60℃で測定) 5)耐摩耗性:ランボーン型試験機で測定し、摩耗減量
を指数表示 耐摩耗性(指数)=〔(参照試験片での減量)/(各試
験片での減量)〕×100 但し、参照試験片は、表III 〜表IVにおいてそれぞれ従
来例、比較例2として算出した。
【0035】実施例I:ベーストレッド配合物性 この実施例Iは、シリカ及びカーボンブラックを含むベ
ーストレッド配合物におけるポリシロキサン、シランカ
ップリング剤の評価結果を示すものである。結果を表II
I に示す。
【0036】
【表3】
【0037】この表III の結果より、次のことが理解で
きる。比較例−1のように、ポリシロキサンを配合しな
いものは、混合のまとまり及び分散性が劣り、それによ
り変形応力及び耐摩耗性が劣っていることを示してい
る。また、比較例−2では、シリコンオイルを配合した
が、比較例−1と同様に混合まとまり及び分散性が劣
り、それによって変形応力及び耐摩耗性が悪いことがわ
かる。比較例−3のように、ポリシロキサンを配合して
も、そのシリカ配合量が少ないと発熱低減効果が小さく
(tanδの低下が小さい)、また比較例−4のよう
に、そのシリカ配合量が多すぎると耐摩耗性が大きく劣
ることを示している。更に、比較例−5のように、カー
ボン配合量が少ないと耐摩耗性が大きく劣り、また、比
較例−6のように、カーボン配合量が多いと発熱低減効
果が小さく、粘度上昇も大きいことを示している。これ
ら比較例のものに対して、本発明で規定する要件を満足
する配合を採った実施例−1及び2のものでは、いずれ
も所定の作用効果を達成していることがわかる。
【0038】実施例II:キャップトレッド配合物性 この実施例IIは、異なるカーボンを配合した場合におけ
るキャップトレッド配合物の評価結果を示すものであ
る。結果を表IVに示す。
【0039】
【表4】
【0040】この表IVの結果より、次のことが理解でき
る。比較例−1,2のように、カーボン特性が規定範囲
外(いずれも、N2 SA値が規定値より小さい)のもの
では、耐摩耗性向上効果が不充分であることを示してい
る。更に、比較例−3のように、カーボン特性が規定内
のものでも、その配合量が少ないと耐摩耗性向上効果が
不充分であり、また、比較例−4のように、その配合量
が多すぎる場合には、耐摩耗性が向上しているものの粘
度上昇が大きく、発熱も大きいことを示している。これ
ら比較例のものに対して、本発明で規定する範囲内のカ
ーボン特性及び配合量を採る実施例−1のものは、所定
の作用効果を達成していることがわかる。
【0041】実施例III :ベーストレッドの体積分率に
よるタイヤ評価 この実施例III は、前記のキャップトレッドおよびベー
ストレッドに係る評価結果より選定したキャップゴム
(C−4)およびベースゴム(B−3)よりなるタイヤ
トレッドにおいて、そのベーストレッドの体積分率によ
るタイヤの評価結果を示すものである。
【0042】この評価のために用いたタイヤ及びその試
験方法は、次のとおりである。 1)試作タイヤ:1000R20 14PRのトラック
用タイヤ 2)室内ドラム発熱試験:タイヤを室内ドラムにて走行
させ、走行後のタイヤトレッドの4番ベルト上の温度を
測定し、従来例を100とした指数で表示(数値大程低
発熱) 3)タイヤ寿命:タイヤ実車走行にて全摩耗までの走行
距離を従来例を100として指数表示(数値大程摩耗寿
命が長い)
【0043】結果を表Vに示す。
【表5】
【0044】この表Vの結果より、次のことが理解でき
る。比較例−1のものは、ベースゴムに従来例(B−
1)のものを使用したので発熱が大きいことを示してい
る。更に、キャップゴム及びベースゴムとして良好なも
の同士を組み合わせても、比較例−2のように、ベース
ゴムの体積分率(vol.比)が小さいと発熱が大き
く、また、比較例−3のように、ベースゴムの体積分率
が大きすぎても、発熱は小さいものの摩耗後期にベース
トレッドが露出して寿命が劣ることを示している。これ
らに比して、実施例−1のように、ベースゴムの体積分
率が本発明の所定範囲にある場合は、発熱および摩耗の
バランスがとれ、良好なタイヤを得ることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に従えば、
キャップトレッドに、耐摩耗性向上のため小粒子のカー
ボンを配合する一方、シリカを比較的大量に配合して低
発熱化を図ったベーストレッドを一定割合の体積分率に
て設置することで、タイヤトレッド部全体の発熱レベル
を抑え、シリカの多量配合にて悪化するベーストレッド
の加工性を前記のポリシロキサンを配合することによっ
て良好な状態に保った、トラック・バス用の重荷重用空
気入りタイヤを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 9/00 83:06)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤトレッド部が、ベーストレッドと
    キャップトレッドの少なくとも2層以上からなる層構造
    とし、ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ5〜
    40重量部、カーボンブラック10〜60重量部、下記
    アルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基
    (II)を含有する平均重合度が3〜10,000のポリ
    シロキサンをシリカ配合量の1〜40重量%配合してな
    るゴム組成物をベーストレッドに用いてなる空気入りタ
    イヤ。 ≡Si−OR1 (I) ≡Si−OCOR2 (II) (R1 は、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の1価
    の炭化水素基またはエーテル結合含有有機基であり、R
    2 は、水素もしくは炭素数1〜18の炭化水素基であ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記ベーストレッドに、更にシランカッ
    プリング剤をシリカ配合量の1〜20重量%配合した請
    求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記キャップトレッドに、ジエン系ゴム
    100重量部に対してN2 SA:120m2 /g以上、
    DBP吸油量:110ml/100g以上のカーボンブラ
    ックを40〜70重量部配合し、かつ、キャップトレッ
    ドとベーストレッドの60℃で測定した損失正接をそれ
    ぞれtanδc およびtanδb とした時に、次式
    (1): tanδc >tanδb …(1) を満足してなる請求項1および請求項2に記載の空気入
    りタイヤ。
  4. 【請求項4】 トレッド全体の体積(Va ) に占める前
    記ベーストレッドの体積分率(Vb /Va )が、次式
    (2) 10≦(Vb /Va )≦60 …(2) を満足してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空
    気入りタイヤ。
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