JPH1094957A - 研磨定盤およびそれを用いた研磨装置 - Google Patents

研磨定盤およびそれを用いた研磨装置

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JPH1094957A
JPH1094957A JP25301896A JP25301896A JPH1094957A JP H1094957 A JPH1094957 A JP H1094957A JP 25301896 A JP25301896 A JP 25301896A JP 25301896 A JP25301896 A JP 25301896A JP H1094957 A JPH1094957 A JP H1094957A
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JP
Japan
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polishing
surface plate
shape
platen
adjusting
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JP25301896A
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English (en)
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Takanobu Nishimura
隆宣 西村
Riichiro Aoki
利一郎 青木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨定盤の曲面形状の割り出し作業や形状修
正作業等を容易に実施することを可能にすることによっ
て、精度の高い研磨作業を実現すると共に、研磨定盤の
形状調節に要する時間やコストを低減する。 【解決手段】 研磨面を提供する円盤状の上部定盤2
と、この上部定盤2を固定支持する下部定盤3とで研磨
定盤1を構成する。下部定盤3は、その外周部と中央部
と半径方向中間付近にそれぞれ支持部4、5、6を有
し、例えばこれら複数の支持部のうち少なくとも 1つの
支持部(4、6)と、上部定盤2との間隙を変化させる
ことにより、上部定盤2を弾性限界内で変形させて上部
定盤2の形状、すなわち研磨面形状を調節する手段を有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、各
種レンズ等の研磨に用いられる研磨定盤、およびそれを
用いた研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体ウエハ、レーザ用レン
ズや光学用レンズ等の各種レンズ、さらには各種ガラス
板や金属板等を精密研磨する方法として、遊離砥粒を用
いたポリッシングやラッピングが使用されている。
【0003】研磨装置の代表例として、片面ポリッシン
グの場合で説明すると、回転駆動される研磨定盤の表面
に張付けられた研磨クロスに、別の回転駆動する平板に
取付けられた被研磨物を摺接させ、これら研磨クロスと
被研磨物との間に供給される研磨液(研磨粒子とポリッ
シング液とのスラリー)によって研磨が行われる。この
ような研磨作業においては、被研磨物の研磨面の形状は
概ね研磨定盤の形状を反映したものとなることが経験的
に知られている。
【0004】ところで、例えば半導体ウエハのポリッシ
ングの場合、半導体ウエハの表面を面内均一に研磨する
ことが要求される。研磨前の半導体ウエハが平坦であれ
ば、平坦な研磨定盤が用いられるが、研磨前の半導体ウ
エハが平坦でない場合には、できるだけ半導体ウエハの
形状に沿った研磨面を有する研磨定盤を使用することが
望ましい。
【0005】実際に、熱処理後の半導体ウエハは多少の
反りを有しており、また平板による半導体ウエハの押さ
え方によっても、半導体ウエハの形状は変化する。この
ような半導体ウエハを、面内均一に研磨するのに適した
研磨定盤の形状を割り出すために、従来は一々各種形状
の定盤を作製して、経験的にデータを積み上げるという
非常に困難な工程を実施しており、作業工程および作業
工数上問題となっている。さらに、被研磨物の種類や研
磨条件を変更する場合には、研磨定盤の形状を修正加工
する必要が多々あり、より作業性等を低下させている。
【0006】また、ラッピング作業やポリッシング作業
において、平坦な研磨面を得るためにも研磨定盤の形状
調節が重要である。その理由は、定常な研磨条件に到達
した時点で研磨定盤が平坦であるためには、当初の研磨
定盤の形状を研磨熱による定盤の熱変形を考慮した曲面
形状とすることがあるためである。例えば、メカノケミ
カルポリッシングを採用した半導体ウエハの鏡面研磨で
は、研磨の定常条件である研磨面の温度が313K程度のと
きに研磨定盤が平坦となるように、室温では上側に凹の
曲面となるように加工する場合がある。この曲面の度合
いは、時間の経過と共に定盤の残留歪みの解放等により
変化するため、随時修正加工が必要であるが、従来の研
磨定盤を実際に加工して修正する方法は作業性が非常に
悪く、研磨作業の工数およびコストを大幅に増大させて
いる。
【0007】一方、曲面を有する種々のレンズの研磨に
おいても、研磨定盤の曲面の精度が非常に重要であるこ
とは言うまでもないことである。ラッピングの場合に
は、研磨定盤そのものが直接遊離砥粒と接するため、研
磨時間の進行に伴って研磨定盤の形状が変化する。この
ため、たえず研磨定盤の形状を修正加工する必要があ
る。また、研磨定盤の曲面形状の修正は、研磨装置から
取り外して外部の加工機で行っても、再び研磨装置に取
り付けると精度が狂ってしまうために、研磨装置に取り
付けた状態で時間をかけて修正作業を行っており、この
ために費やされる多大の時間とコストが問題となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、半導
体ウエハや各種レンズ等の研磨作業において、精密研磨
を行うためには、研磨定盤の最適な曲面形状の割り出し
作業や定盤形状の修正作業が必須であるが、従来の最適
な曲面形状の割り出し作業は各種形状の定盤を実際に作
製して行っており、また定盤形状の修正作業は研磨装置
に取り付けた状態で時間をかけて加工を施しており、い
ずれも多大な時間とコストが必要であることから、研磨
作業の効率等の低下要因となっている。このようなこと
から、従来の研磨定盤においては、曲面形状の割り出し
作業や定盤形状の修正作業等を容易に実施することを可
能にすることが課題とされている。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、研磨定盤の形状調節を容易に実施す
ることを可能にすることによって、精度の高い研磨作業
を実現すると共に、研磨定盤の形状調節に要する時間や
コストを大幅に低減することを可能にした研磨定盤、お
よびそれを用いた研磨装置を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の研磨定盤は、請
求項1に記載したように、研磨面を提供する円盤状の上
部定盤と、前記上部定盤を固定支持する下部定盤と、前
記上部定盤を弾性限界内で変形させ、前記上部定盤の形
状を調節する形状調節手段とを具備することを特徴とし
ている。
【0011】本発明の研磨定盤は、より具体的には請求
項2に記載したように、前記下部定盤は、その外周部と
中央部と半径方向中間付近に設けられ、前記上部定盤を
それぞれ円周方向に支持する複数の支持部を有し、かつ
前記形状調節手段は、前記複数の支持部のうち少なくと
も 1つの支持部と前記上部定盤との間隙を変化させるこ
とにより、前記上部定盤の弾性限界内での変形度合いを
調整する機構を有することを特徴としている。
【0012】さらに、本発明の研磨定盤は、請求項3に
記載したように、少なくとも前記上部定盤は熱膨張係数
が 8×10-6/K以下の金属材料により構成されていること
を、あるいは請求項4に記載したように、前記上部定盤
の直下に設けられた水冷ジャケットを有することを特徴
としている。
【0013】本発明の研磨装置は、請求項5に記載した
ように、上述した本発明の研磨定盤と、前記研磨定盤に
接続された駆動軸を介して、前記研磨定盤を回転駆動さ
せる駆動系と、前記研磨定盤の上部定盤上に研磨液を供
給する研磨液供給手段とを具備することを特徴としてい
る。また、本発明の研磨装置は、請求項6に記載したよ
うに、前記上部定盤の上面形状を測定する器具が取付け
可能とされていることを特徴としている。
【0014】本発明の研磨定盤は、上部定盤を弾性限界
内で変形させて、その形状を調節する形状調節手段を具
備するため、研磨面を提供する上部定盤の形状、すなわ
ち研磨面形状を任意の曲率を有する曲面形状に容易に調
節することができる。また、平坦度やうねり等を調節す
ることもできる。これらによって、従来の研磨定盤を実
際に加工して実施していた形状割出しや修正等に要して
いた時間およびコストを、大幅に低減することが可能と
なる。また、このような研磨定盤を用いた本発明の研磨
装置においては、研磨作業を高精度にかつ高稼働率で実
施することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0016】図1および図2は、本発明の研磨定盤の一
実施形態の構成を示す図であり、図1(a)はこの実施
形態の研磨定盤の概略構成を示す断面図、図1(b)は
その平面図、図2は図1(a)のA部を拡大して示す断
面図である。これらの図に示す研磨定盤1は、研磨面を
提供する円盤状の上部定盤2と、この上部定盤2を一体
回転可能なように固定支持する下部定盤3とを有してい
る。
【0017】下部定盤3には、その外周部と中央部と半
径方向中間付近に、それぞれ上部定盤2を円周方向に支
持する支持部4、5、6が設けられている。これら支持
部4、5、6は、後述する締付けボルト7や調節ボルト
9等と共に、上部定盤2の形状調節手段を構成するもの
である。
【0018】上述した複数の支持部4、5、6のうち、
下部定盤3の外周部に設けられた支持部(外周側支持
部)4は、図2に拡大して示すように、円周方向に連続
したリング状の凸形状を有すると共に、締付けボルト7
が捩込まれる捩子穴4aと外周部用のOリング8を収容
する溝4bとを有している。
【0019】また、下部定盤3の半径方向中間付近に設
けられた支持部(中間支持部)5は外周側支持部4と同
様に、円周方向に連続したリング状の凸形状を有してお
り、この凸状の中間支持部5の高さは、上部定盤2をそ
の弾性限界内で変形させ、上部定盤2の形状が上に凸の
曲面形状となるように、外周側支持部4より高さh1
け高く設定されている。また、中間支持部5は上部定盤
2を適度な曲面形状に弾性変形させるように、適度な幅
wを有していると共に、その半径方向外側が高さh2
だけ若干外側下方に傾斜している。
【0020】下部定盤3の中央部に設けられた円柱状の
支持部(中央部支持部)6は、調節ボルト9が捩込まれ
る捩子穴6aと中央部用のOリング10を収容する溝6
bとを有している。また、中央部支持部6の高さは、中
間支持部5と同一もしくは若干高く設定されている。
【0021】上述したような支持部4、5、6を有する
下部定盤3上には、外周部用および中央部用のOリング
8、10を介して、研磨面を提供する円盤状の上部定盤
2が配置され、この上部定盤2はまずその外周部がOリ
ング8を介して複数の締付けボルト7で下部定盤3の外
周側支持部4に固定される。この際、中間支持部5の高
さは、外周側支持部4より高さh1 だけ高く設定されて
いるため、下部定盤3上に上部定盤2を静置した状態で
は、上部定盤2の下面と外周側支持部4との間に間隙が
生じる。
【0022】上記した間隙は締付けボルト7で調整可能
とされており、例えば締付けボルト7で上部定盤2の外
周部が外周側支持部4と密着するように固定すると、中
間支持部5を支点として、上部定盤2はその弾性限界内
で上に凸の曲面形状となるように変形する。また、締付
けボルト7の締付け量(捩込み量)を適宜設定すること
により、すなわち静置状態で上部定盤2の下面と外周側
支持部4との間に生じる間隙を変化させることによっ
て、上部定盤2の弾性限界内での変形度合いを調整する
ことができる。このように、締付けボルト7は上部定盤
2の弾性限界内での変形度合いを調整する第1の機構と
しての機能を有している。
【0023】また、上部定盤2の中央部はOリング10
を介して、複数の調節ボルト9で下部定盤3の中央部支
持部6に固定されているが、上部定盤2の下面と中央部
支持部6との間隙は、調節ボルト9の捩込み量により調
整可能とされている。すなわち、例えば締付けボルト7
で上部定盤2の外周部を外周側支持部4と密着するよう
に固定した状態で、調節ボルト9の捩込み量を多くし
て、上部定盤2の下面と中央部支持部6との間隙を狭く
すると、上部定盤2の変形度合いが増す。すなわち、上
部定盤2は曲率が小さな曲面形状となる。言い換える
と、上部定盤2の曲面形状の上に凸の度合いが大きくな
る。ただし、調節ボルト9による上部定盤2の変形度合
いの調整は、上部定盤2の弾性限界内とされている。こ
のように、調節ボルト9は上部定盤2の弾性限界内での
変形度合いを調整する第2の機構としての機能を有して
いる。
【0024】上述したように、締付けボルト7により静
置状態での上部定盤2の下面と外周側支持部4との間に
生じる間隙を調整すると共に、調節ボルト9により上部
定盤2の下面と中央部支持部6との間隙を調整すること
によって、上部定盤2の弾性限界内での変形度合い、す
なわち上部定盤2の曲面形状(もしくは平坦度)を調節
することができる。
【0025】これら支持部4、5、6、締付けボルト
7、調節ボルト9等からなる上部定盤2の形状調節手段
によれば、従来の研磨定盤を実際に加工して実施してい
た形状調節に比べて、締付けボルト7および調節ボルト
9の捩込み量を調整するだけで上部定盤2の形状を容易
に調節することができるため、例えば研磨定盤の最適な
曲面形状の割り出し作業や定盤形状の修正作業等に要す
る時間およびコストを大幅に低減することが可能とな
る。上記した形状調節手段による上部定盤2の形状調節
は、上部定盤2により提供される研磨面の曲面形状の調
整のみならず、研磨面の平坦度やうねり等の調整にも適
用することができる。
【0026】ここで、上述した上部定盤2の変形は、研
磨面形状を高精度に保つ上で、形状調節手段としての締
付けボルト7や調節ボルト9の捩込みによる機械的な変
形のみとし、研磨作業中に発生する研磨熱による熱変形
を極力小さくすることが望ましい。実際の半導体ウエハ
等のポリッシングでは、 50K以上の温度上昇が経験され
ているが、この温度上昇によりオーストナイトステンレ
ス鋼等からなる研磨定盤ではかなりの研磨面形状の変化
が発生する。このような熱変形は、形状調節手段で調節
した研磨面形状の精度低下をもたらす。
【0027】上述した熱変形の抑制対策として、少なく
とも上部定盤2は熱膨張係数が 8×10-6/K以下の金属材
料により構成することが好ましい。また、下部定盤3に
も上部定盤2から研磨熱が伝わって熱変形し、この下部
定盤3の熱変形が上部定盤2による研磨面形状に悪影響
を及ぼすおそれがあるため、下部定盤3も同様に熱膨張
係数が 8×10-6/K以下の金属材料により構成することが
好ましい。このような熱膨張係数が 8×10-6/K以下の金
属材料としては、 0.6〜 1.5重量% のC、 0.3重量% 以
下のSi、28〜30重量% のNi、 2〜 6重量% のCoを
含有する低膨張鋳鉄、35〜39重量% のNiを含有するF
e−Ni系合金(インバー合金)、30〜31重量% のNi
と 4〜 6重量% のCoを含有するFe−Ni−Co系合
金(スーパーインバー合金)等が挙げられる。
【0028】また、上部定盤2の熱変形を抑制する他の
対策として、図3に示すように、上部定盤2と下部定盤
3との間の空間を冷却ジャケット11として利用するこ
とも有効である。すなわち、上部定盤2と下部定盤3と
の間の空間に、冷却水の流入管11aと流出管11bを
接続し、上部定盤2の直下に冷却ジャケット11を設け
ることによって、上部定盤2の熱変形を抑制することが
できる。これらによって、形状調節手段で曲面形状や平
坦度等を調節した上部定盤2の形状、すなわち研磨面形
状を有効に利用し、精度の高い研磨作業を実現すること
が可能となる。図4は、上述した実施形態の形状調節可
能な研磨定盤1を片面研磨方式の研磨装置に搭載した一
構成例、すなわち本発明の研磨装置を片面研磨方式に適
用した一実施形態の構成を示す図である。
【0029】上述した上部定盤2と下部定盤3とで構成
した形状調節可能な研磨定盤1の下側、具体的には下部
定盤3の下側には駆動軸12が固着されている。この駆
動軸12は、駆動系としての例えばモータ13と駆動ベ
ルト14を介して接続されており、この駆動系により研
磨定盤1は所定の回転速度で回転駆動される。
【0030】上部定盤2の上面側には、研磨クロス15
が貼り付けられており、この研磨クロス15が実際の研
磨面として使用される。このような場合にも、研磨面形
状は上部定盤2の形状により維持される。ただし、この
研磨クロス15は必要に応じて上部定盤2上に貼り付け
られ、例えばラッピング作業等の場合には上部定盤2の
上面を直接研磨面として使用する場合もある。
【0031】上記した研磨クロス15上には、平板(ト
ップリング)16に固定された被研磨物17、例えば半
導体ウエハがセットされ、トップリング16は回転シャ
フト18を介して図示を省略した別の駆動装置により回
転駆動される。また、研磨クロス15上には、図示を省
略した研磨液供給装置から研磨液供給管19を介して、
研磨粒子とポリッシング液との混合スラリー等からなる
研磨液20が供給される。そして、上記研磨液20を供
給しつつ研磨定盤1を回転させると共に、被研磨物17
を所定の圧力で研磨クロス15に押圧した状態で、研磨
定盤1とは同方向あるいは逆方向に自転させながら研磨
定盤1上を回転移動させる。このようにして被研磨物1
7の研磨作業が行われる。
【0032】また、上述した研磨装置は、図5に示すよ
うに、着脱可能な上部定盤2の上面形状測定器具21を
備えている。この上面形状測定器具21は、トップリン
グ16の回転シャフト18に、取付け治具22を介して
取り付けられた測定器具固定バー23を有しており、こ
の測定器具固定バー23には測定器具としてダイヤルゲ
ージ24が、測定器具固定バー23に沿ってスライド可
能に取り付けられている。また、測定器具固定バー23
の取付け治具22も、回転シャフト18に沿って上下に
位置調節可能とされている。
【0033】上述した上面形状測定器具21において、
ダイヤルゲージ24を測定器具固定バー23に沿ってス
ライドさせることにより、上部定盤2の回転軸に対して
半径方向の高さ変動、すなわち上部定盤2の曲面形状ま
たは平坦度を測定することができる。また、ダイヤルゲ
ージ24を測定器具固定バー23の任意の位置に固定
し、研磨定盤1をゆっくり回転させることによって、上
部定盤2の回転方向のうねり等を測定することができ
る。
【0034】このような上面形状測定器具21で上部定
盤2の形状を測定しながら、上部定盤2の形状を形状調
節手段で調節することによって、高精度に上部定盤2の
形状を目的形状に調節することができる。
【0035】上述した実施形態の研磨装置においては、
被研磨物17の種類や研磨条件を変更する際、また研磨
時間の経過と共に研磨定盤1(具体的には上部定盤2)
の残留歪みの解放等により形状が変化した際に、研磨定
盤1の形状調節を行う必要が生じるが、このような研磨
定盤1の形状調節は前述したように、形状調節手段具体
的には締付けボルト7や調節ボルト9の捩込み量の調整
で、研磨面を提供する上部定盤2の形状を容易に調節で
きるため、研磨定盤1の形状調節に要する時間やコスト
を大幅に削減することが可能となる。
【0036】また、半導体ウエハ等の被研磨物17が多
少の反りを有している場合等において、この被研磨物1
7の形状に応じた研磨定盤1の形状を割り出す際におい
ても、研磨面を提供する上部定盤2の形状を容易に調節
できることから、研磨定盤1の形状割り出し作業に要す
る時間やコストを大幅に削減することが可能となる。従
って、研磨作業効率の向上および研磨作業に要するコス
トの削減を図ることができる。
【0037】さらに、上部定盤2の形状調節は、前述し
た形状調節手段で高精細に実施できると共に、調節後の
形状を上面形状測定器具21で容易に確認できることか
ら、高精度の研磨作業を実現することが可能となる。
【0038】上記実施形態の研磨装置は、半導体ウエハ
等のポリッシングやラッピング等に限らず、曲面を有す
る各種レンズの研磨に対しても有効であり、各種レンズ
の曲面形状に応じて研磨定盤1の形状を容易に調節する
ことができるため、各種レンズの研磨作業効率の向上お
よび研磨作業に要するコストの削減を図ることが可能と
なる。
【0039】なお、上記実施形態においては、本発明を
片面研磨方式の研磨装置に適用した場合について説明し
たが、本発明はこれに限られるものではなく、両面研磨
方式の研磨装置に適用することも可能である。
【0040】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0041】実施例1 まず、直径 600mmの円盤状の上部定盤2を、下記の表1
に組成を示す低膨張鋳鉄で作製した。この低膨張鋳鉄の
室温から473Kの範囲の熱膨張係数は 1.0×10-6/Kであ
り、その他の特性は下記の表2に示す通りである。
【0042】また、下部定盤3も同様な低膨張鋳鉄で作
製し、全体厚が約 250mmの研磨定盤1とした。上部定盤
2は図1に示したように、下部定盤3に締付けボルト7
や調節ボルト9で固定し、それらの捩込み量を調整する
ことで上部定盤2の形状調節を行った。このような研磨
定盤1を用いて、図4に示したような研磨装置を構成し
た。
【0043】
【表1】
【表2】 上述した研磨装置を用いて、Siウエハの研磨作業を実
施したところ、研磨作業中に約6Kの温度上昇が観測され
たが、上部定盤2の曲率の変化とうねりの発生はほとん
ど計測されなかった。また、熱処理により反りが生じて
いるSiウエハに対しても容易に対処することができ、
さらに研磨作業中の研磨定盤の形状修正作業も容易にか
つ短時間で実施でき、作業効率および研磨精度を大幅に
向上させることができた。
【0044】実施例2 直径 600mmの円盤状の上部定盤2に36重量% Ni−Fe
組成のインバー合金材を用いると共に、この上部定盤2
と同材質の下部定盤3との間に、図3に示したような冷
却ジャケット11を設けた研磨定盤1を用いる以外は、
実施例1と同様にして研磨装置を構成した。
【0045】上述した研磨装置を用いて、Siウエハの
研磨作業を実施しつつ研磨面温度を測定した。研磨作業
前に291Kであった研磨面温度は、水冷しない条件では約
6K上昇したが、約290Kの純粋を 6〜 12L/minの流量で流
したところ、研磨面温度の上昇は2Kに制御することがで
きた。また、熱処理により反りが生じたSiウエハに対
する対応や研磨作業中の研磨定盤の形状修正作業につい
ては、実施例1と同様であり、作業効率および研磨精度
を大幅に向上させることができた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の研磨定盤
によれば、研磨面形状を容易に調節することができるこ
とから、精度の高い研磨作業が実現することが可能であ
ると共に、研磨定盤の形状調節に要する時間やコストを
大幅に低減することができる。このような研磨定盤を用
いた本発明の研磨装置によれば、各種被加工物の研磨作
業を高精度にかつ効率よく実施することができ、研磨作
業の低コスト化等を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の研磨定盤の構成を示す
断面図である。
【図2】 図1に示す研磨定盤の要部を拡大して示す図
である。
【図3】 図1に示す研磨定盤の変形例を示す断面図で
ある。
【図4】 図1に示す研磨定盤を用いた本発明の一実施
形態の研磨装置の概略構成を示す図である。
【図5】 図4に示す研磨装置に上部定盤の上面形状測
定器具を取付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1……研磨定盤 2……上部定盤 3……下部定盤 4、5、6……保持部 7……締付けボルト 9……調節ボルト 11……水冷ジャケット 12……駆動軸 13……モータ 14……駆動ベルト 16……トップリング 17……被研磨物 19……研磨液供給管 20……研磨液 21……上部定盤の上面形状測定器具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨面を提供する円盤状の上部定盤と、 前記上部定盤を固定支持する下部定盤と、 前記上部定盤を弾性限界内で変形させ、前記上部定盤の
    形状を調節する形状調節手段とを具備することを特徴と
    する研磨定盤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の研磨定盤において、 前記下部定盤は、その外周部と中央部と半径方向中間付
    近に設けられ、前記上部定盤をそれぞれ円周方向に支持
    する複数の支持部を有し、 かつ前記形状調節手段は、前記複数の支持部のうち少な
    くとも 1つの支持部と前記上部定盤との間隙を変化させ
    ることにより、前記上部定盤の弾性限界内での変形度合
    いを調整する機構を有することを特徴とする研磨定盤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の研磨定盤
    において、 少なくとも前記上部定盤は、熱膨張係数が 8×10-6/K以
    下の金属材料により構成されていることを特徴とする研
    磨定盤。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の研磨定盤
    において、 前記上部定盤の直下に設けられた水冷ジャケットを有す
    ることを特徴とする研磨定盤。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の研磨定盤
    と、 前記研磨定盤に接続された駆動軸を介して、前記研磨定
    盤を回転駆動させる駆動系と、 前記研磨定盤の上部定盤上に研磨液を供給する研磨液供
    給手段とを具備することを特徴とする研磨装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の研磨装置において、 さらに、着脱可能な前記上部定盤の上面形状測定器具を
    有することを特徴とする研磨装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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