JP3907421B2 - 研磨用ワーク保持盤および研磨装置ならびに研磨方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエーハ等のワークの表面を精密研磨する際に使用する研磨用ワーク保持盤および研磨装置ならびにワークの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエーハの加工方法として、単結晶インゴットから薄板(ウエーハ)を切り出すスライス工程、ウエーハの外周の欠けを防止するための面取り工程、ウエーハの厚さのバラツキをなくすためのラッピング工程、加工歪みや汚染物を除去するためのエッチング工程、ウエーハの面取り部および主表面を鏡面化する研磨工程等を順次に行うことが一般的である。
【0003】
従来、研磨加工においては、剛性材料であるガラス、金属、セラミックス等の板をワーク保持盤とし、その表面にワックス等の接着剤でワークを貼り付けたり、通気性のある多孔質材料や表面に多数の貫通孔を設けたワーク保持盤表面に真空吸着等でワークを保持する方法が行われている。
【0004】
しかし、金属やセラミックス等のワーク保持盤の表面に直接ワークを保持すると、ワーク表面に汚れが発生したり、保持盤がワークよりも硬質な場合には傷が発生する。そこでワーク裏面の傷や汚れを防止し、良好な平坦度を有するワークを得ること等を目的として、例えばアクリルやポリカーボネート、エポキシ等の樹脂膜でワーク保持盤表面を被覆することがある。そして、ワークを研磨する前にワーク保持面に被覆した樹脂を直接研磨布で研磨して樹脂の表面状態を研磨布の表面状態に合わせ込んだ後、このワーク保持盤にワークを保持し研磨するいわゆる倣い研磨という方法が行われている。
【0005】
ここで従来の研磨用ワーク保持盤の一例を図5(a)、(b)に示す。
この研磨用ワーク保持盤1は、ワーク保持面15と多数の真空吸着用の貫通孔4をもつワーク保持盤本体2および該本体の背面側に配置されるワーク保持盤裏板5とから構成され、貫通孔4はワーク保持盤本体2とワーク保持盤裏板5の間にある空間部6を経てバキューム路7から不図示の真空装置につながり、真空の発生によってワーク保持面15にワークを吸着保持するようになっている。ワーク保持盤本体2のワーク保持面15は、貫通孔4を有する樹脂皮膜3で被覆されたものとなっている。
【0006】
そしてウエーハの研磨に際しては、研磨用ワーク保持盤1のワーク保持面15に真空吸着等によりワークを保持し、回転軸をもつ研磨ヘッド(不図示)に装着し、研磨ヘッドにより回転されると同時に所定の荷重で回転する定盤上に貼り付けた研磨布にワークを押し付ける。研磨剤の供給はノズルから所定の流量で研磨布上に供給し、この研磨剤がワークと研磨布の間に供給されることによりワークが研磨される。
【0007】
このような研磨を行なうと研磨中に発熱する。特に図5に示したような形態のワーク保持盤を用い研磨を行うと、ワーク研磨中の発熱は、ワーク、ワーク保持面(樹脂皮膜部分)およびワーク保持盤本体の順番に熱が徐々に伝わる。そして研磨を繰り返すことで熱が蓄積されてしまう。
しかし、ワークの保持面は、研磨加工直前に表面の汚れを落すために洗浄液を供給しつつブラシによる洗浄等が行われるため、この段階で表面が冷却される。一方、ワーク保持盤本体、特に背面側(裏板5側)は徐々に熱が蓄積された状態になる。このためワーク保持盤本体の表裏により蓄熱量および放熱量が異なるため、研磨加工の工数(研磨加工バッチ数)の増加によりワーク保持面とワーク保持盤本体背面側との間に温度差が生じはじめ、ワーク保持盤本体全体に熱変形が発生してしまう。このようなワーク保持盤本体全体の変形が生じてしまうと、結果的にこれに保持されて研磨されるワークの平坦度は悪化するという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するために、従来はワーク保持盤本体に低熱膨張材を用いることもあったが、超高平坦度のワークが求められている現在では、これだけではいまだに不十分な点も多い。
【0009】
研磨においては熱膨張特性だけでなく研磨圧力に耐える剛性も求められる。またこれら熱膨張および剛性を考慮し、さらにコスト的な面を考えるとこれら全ての要求を満たす研磨用ワーク保持盤を得ることは現状では難しい。
【0010】
また、前記したようにワークヘの傷や汚れを防止し、良好な平坦度のワークを得ることを目的として、例えばアクリルやポリカーボネート、エポキシ等の樹脂でワーク保持盤表面を被覆した場合、樹脂の熱特性(熱膨張率および熱伝導率)はワーク保持盤本体に使用されている材質(例えばSiC等のセラミックス)と大きく異なるため、研磨発熱による熱変形が顕著に表われ易く、高平坦度を得ることは困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、前記のような形態のワーク保持盤を用いた研磨において、ワークを研磨する際に、研磨工数(研磨加工バッチ数)が増えても、ワーク保持盤本体の熱変形やワーク保持面に被覆された樹脂膜の変形を抑え、これに保持されたワークの平坦度を悪化させることなく、良好な平坦度と魔鏡像を有するワークを得ることができる研磨用ワーク保持盤および研磨装置ならびに研磨方法を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る研磨用ワーク保持盤は、少なくともワークを真空吸着保持する多数の貫通孔を有するワーク保持盤本体と該本体の背面側に配置される裏板とを具備した研磨用ワーク保持盤において、前記保持盤本体の温度制御手段または冷却手段を設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】
このような温度制御手段または冷却手段によれば、ワーク保持盤本体のワーク保持面と裏面との間の温度差およびワーク保持盤本体中心部と外周部との間の温度差が解消されてワーク保持盤本体全体の温度がほぼ均一になり、ワーク保持盤本体およびワークの熱変形が殆ど起こらないので高平坦度を有するワークを得ることができる。また、このような冷却手段を用いることによって、研磨による発熱が除去されてワークおよびワーク保持盤本体の熱膨張が抑制され、良好な平坦度のワークならびに良好な魔鏡像レベルのワークを作製することができる。また、ワーク保持面の保護や倣い研磨を目的として、ワーク保持盤本体のワーク保持面を樹脂皮膜で被覆する場合も前記と同様の効果を挙げることができる。ここで得られる高平坦度を有するワーク、特にワークが半導体ウエーハの場合は、高集積デバイス工程での各種膜厚不良を低減することが可能であり、高集積デバイスの歩留りの向上を図ることができる。
【0014】
この場合、温度制御手段または冷却手段が、研磨用ワーク保持盤の真空系流路内に温度制御された液体または気体を流す機構とすることができる。
温度制御手段または冷却手段としてこのような機構を設けると、既存の装置を利用して容易に構成出来るし、ワーク保持盤本体、樹脂膜およびワークの温度制御も冷却も極めて容易に行うことができる。
【0015】
そしてこの場合、温度制御手段または冷却手段が、ワーク保持盤本体に設けた流体ジャケットとすることができる。
この流体ジャケットは、ワーク保持盤本体の内部および外周部に設けることができ、流体ジャケット内に温度制御された液体または気体を流すことによって、ワーク保持盤本体およびワークの温度制御も冷却も極めて容易に行うことができる。また、研磨中にも冷却することが可能であるので、研磨中のワーク保持盤本体およびワークをほぼ一定温度に保持することができ、一層高平坦度を有するワークに仕上げることができる。
【0016】
さらにこの場合、温度制御手段または冷却手段が、研磨用ワーク保持盤を構成するワーク保持盤本体と裏板の間に設けた放熱板とすることができる。
このようにすると、研磨中に発生する熱はワーク、樹脂膜、ワーク保持盤本体、放熱板を経て研磨用ワーク保持盤の外に排出させることができ、ワーク保持盤本体とワークの温度上昇を抑制することができるので、保持盤本体の変形やワークの熱膨張を抑え、良好な平坦度を有するワークに研磨することができる。
【0017】
そして研磨用ワーク保持盤の裏板の材質が放熱材であることが望ましい。
このように、研磨用ワーク保持盤の裏板の材質も熱伝導率の高い放熱材とすれば、前記放熱板と同様により一層除熱効率を高めることができる。
【0018】
本発明に係るワークの研磨装置は、少なくとも研磨布を貼着した回転テーブルと研磨布表面に研磨剤を供給する手段とワークを研磨布表面に強制的に圧接させる研磨用ワーク保持盤を具備した研磨装置において、研磨用ワーク保持盤が、前記したものであることを特徴とするものである。
このように、ワーク保持盤本体に温度制御手段または冷却手段を設けた研磨用ワーク保持盤を具備した研磨装置を用いれば、高平坦度を有するワーク加工が可能になる。
【0019】
そして本発明に係るワークの研磨方法は、前記ワークの研磨装置を使用してワークを研磨することを特徴としている。
このように、ワーク保持盤本体に温度制御手段または冷却手段を設けた研磨用ワーク保持盤を具備した研磨装置を用いて行う研磨方法によれば、高精度でワークを保持することができるので、高平坦度を有するワーク加工が可能になる。また、本発明の研磨方法は、アクリル、ポリカーボネートまたはエポキシ等の樹脂皮膜でワーク保持面を被覆し、ワークを研磨する前に樹脂膜を直接研磨布で研磨して樹脂膜の表面状態を研磨布の表面形状に合わせ込んだ後にワークを研磨する、いわゆる倣い研磨にも適用することができ、高い平坦度と良好な魔鏡像を確保することができる。
【0020】
この場合、1バッチの研磨終了毎に前記温度制御手段または冷却手段を用いてワーク保持盤本体の温度を調整することができる。
このように、1バッチ毎にワーク保持盤本体の温度を所定の温度に調整してからワークを真空吸着により保持し、研磨を開始すれば、熱の蓄積が防止され、各バッチ間で平坦度のバラツキが殆どないワークを得ることができ、歩留と生産性の向上を図ることができる。
【0021】
そしてこの場合、複数バッチのワークを研磨する時に、研磨開始時のワーク保持盤本体のバッチ毎の温度差を±1℃以内に調整して研磨することができる。
これは許容される平坦度の範囲にもよるが、近年の高平坦度ウエーハの要求に対しては5℃以内、好ましくは各バッチ毎の研磨開始時のワーク保持盤本体、特にワーク保持盤本体の内部または背面側の温度差を±1℃以内に調整して研磨すれば、各バッチ間に平坦度のバラツキが殆どない高精度のワークを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記したように、従来の研磨用ワーク保持盤を用い研磨を続けると、ワーク保持盤本体に蓄熱が生じワーク保持盤本体が徐々に熱変形したり、ワーク保持面に被覆された樹脂の熱変形とワーク保持盤本体の熱変形の差により平坦度が劣化することがあった。
【0023】
そこで、本発明者等は、これらの問題点を解決するために、ワークを研磨用ワーク保持盤に保持して片面を研磨する研磨装置において、ワーク保持盤本体を冷却または蓄熱を防止する機構を付加することにより、研磨工数の増加に関係なく良好な平坦度を維持できる研磨方法および研磨装置を完成させた。
【0024】
先ず、本発明の研磨装置を図面に基づき説明する。ここで図1は本発明の一例として研磨装置を構成する研磨用ワーク保持盤の構成概要を説明するための概略説明図である。また、図2は(a)が研磨用ワーク保持盤を装着した研磨ヘッド、(b)が研磨ヘッドを具備した研磨装置の構成概要を説明するための説明図である。
【0025】
本発明の研磨装置は、ワーク例えば半導体ウエーハの片面を研磨する装置として構成され、図2(b)に示すように、研磨装置20は、回転する定盤(回転テーブル)21と研磨ヘツド10に装着された研磨用ワーク保持盤1と研磨剤供給ノズル23から成っている。定盤21の上面には研磨布22が貼着されている。定盤21は回転軸により所定の回転速度で回転される。
【0026】
そして、研磨用ワーク保持盤1は、真空吸着等によりそのワーク保持面15にワーク(ウエーハ)Wを保持し、回転軸を持つ研磨ヘッド10に装着され、研磨ヘッド10により回転されると同時に所定の荷重で研磨布22にワークWを押し付ける。研磨剤24がワークWと研磨布22の間に供給されることによりワークWが研磨される。
【0027】
さらに、図1および図2(a)に示したように、本発明の研磨装置に用いられる研磨用ワーク保持盤1は、ワーク保持面15に複数の真空吸着用の貫通孔4をもつワーク保持盤本体2および該本体の背面側に配置されるワーク保持盤裏板5とから構成され、貫通孔4は、ワーク保持盤本体2とワーク保持盤裏板5の間にある空間部6を経て、バキューム路7から不図示の真空発生装置につながり、真空の発生によってワーク保持面15にワークWを吸着保持するようになっている。また、ワーク保持盤本体2のワーク保持面15は、樹脂被覆材料3で被覆したものとなっている。
【0028】
本発明ではさらに、このワーク保持盤本体2の表裏で熱分布が生じないように、例えば研磨終了後、ワーク保持盤本体2を温度制御する手段、特に冷却する手段を設けている。
【0029】
この温度制御手段の一例としては、真空系の流路内に、ワーク保持盤本体2を冷却または温度制御するための手段を設けている。すなわち、バキューム路7の途中に切替弁9を設けて温度制御流体路8を経て温度制御流体タンク16に接続し、真空系流路内に温度制御された流体(気体または液体)を供給するように構成されている。
【0030】
別の形態としては、図3に示したように、ワーク保持盤本体2の内部に温度制御用あるいは冷却用の流体ジャケット17を設置し、温度制御流体路8aを経て温度制御流体タンク(不図示)から温度制御流体を送り込み、ワーク保持盤本体2に蓄熱される熱を冷却し、熱変形を少なくしようとするものである。この流体ジャケットはワーク保持盤本体2の外周部に設けても良い。この場合、温度制御流体を研磨中にも流すことができるという長所がある。
【0031】
また、他の形態として図4に示したように、ワーク保持盤本体2と該本体の背面側に配置されるワーク保持盤裏板5の間に熱を放散するための放熱板18を設ける。あるいは、ワーク保持盤裏板5の材質を熱伝導率の高い放熱材とし、熱の放散を良くする。こうすることによりワーク保持盤本体2に蓄熱される熱を冷却し、熱変形を少なくすることができる。この例では、放熱板と共に、真空系流路内に流体を流す機構を具備した例を示してある。放熱板18の材質は、熱伝導率の良い材質のものが好ましく、SiC、高圧相の立方晶の窒化ホウ素(c−BN)や低圧相の六方晶の窒化ホウ素(h−BN)等の熱伝導率の高いものが好ましい。また、放熱板18の形状は、単なるシート状または外周部に放熱フィンを設けた形状であることが好ましい。
【0032】
裏板5の材質は、従来ウレタン樹脂等が用いられていたが、ウレタン樹脂より熱伝導の良い金属またはワーク保持盤本体2の材質より熱伝導率の良い材質のものが好ましく、ワーク保持盤本体にSiCを用いた場合には、裏板もSiCにしたり、さらに高圧相の立方晶の窒化ホウ素(c−BN)や低圧相の六方晶の窒化ホウ素(h−BN)等の熱伝導率の高いものが好ましい。また裏板の保持盤本体と接する面と反対側の面に放熱フィンを設けても良い。この場合、熱の放散をさらに効率良く行うことができる。
【0033】
そして研磨ヘッド10は、その回転ホルダ11の内部に加圧空間部13を設け、弾性体リング12を介してワーク保持盤1を気密に保持している。加圧空間部13は加圧路14を経て空気圧縮機(不図示)につながっている。そしてワーク保持面15の被覆樹脂3の表面に真空吸着保持しているワークWに、ワーク保持盤1の回転あるいは揺動を与えると同時にワーク保持盤1の背面を空気により加圧して、ワークWを保持したワーク保持盤1を研磨布22に押し付けるようになっている。
【0034】
以上のように構成された本発明の研磨装置を用いて研磨することで、研磨を繰り返し行なっても、ワーク保持盤本体の温度差が大きくなることはなく、ワーク保持盤本体の変形が少なくなるように制御でき、研磨後のワ一クの魔鏡像も良好なものが得られ、高平坦度のワークを得ることができる。
【0035】
このように本発明の研磨装置には、ワーク保持盤本体の温度制御機構、特に冷却機構を持たせ、ワーク保持盤本体に蓄熱する熱を除去することを特徴としている。
【0036】
研磨方法としては、上記温度制御機構を有する研磨用ワーク保持盤を使用して研磨する。
【0037】
特に真空系内の流路内に、ワーク保持盤本体を冷却または温度制御するための手段を設けた装置では、ワーク保持盤本体の温度制御あるいは冷却をするため、研磨(バッチ)終了毎に真空系流路内に温度制御された液体または気体を流すことにより好適な温度制御ができる。
【0038】
また、複数バッチを連続して研磨する時には、1バッチ毎に研磨開始時のワーク保持盤本体の温度差を±1℃以内に調整してから研磨するのが好ましい。特に常に一定にしてから研磨を開始する方がより好ましい。
【0039】
さらに、研磨は研磨開始時のワーク保持盤本体の温度と研磨終了時のワーク保持盤本体の温度との差が5℃以内であるように制御し研磨することが好ましい。勿論温度差がなく、同一であることがより望ましい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すようなバキューム路7内に、ワーク保持盤本体2を冷却または温度制御する手段を設けた装置、つまりバキューム路内に温度制御された流体を供給するように構成されている装置を用いて連続研磨を行なった。
ワーク保持盤本体2の材質はSiC(炭化けい素)セラミックスおよび被覆樹脂3はエポキシ樹脂、ワーク保持盤裏板はウレタン樹脂で作られている。
【0041】
被加工物として、CZ法で成長させた単結晶インゴットからウエーハをスライスし、面取り、ラッピングおよびエッチングした厚さ735μmのP型、<100>、200mm直径のエッチドウエーハWを用いた。
【0042】
このウエーハWを図2(a)、(b)に示すようなワーク保持盤本体2のワーク保持面15に真空吸着により吸着し研磨した。初めに被覆樹脂3のワーク保持面15の形状を研磨布22の形状とマッチングさせるための倣い研磨を行い、次に被加工物をワーク保持面15に真空吸着して研磨した。
【0043】
研磨条件は不織布タイプの研磨布(アスカーC硬度で80)22、研磨剤24としてコロイダルシリカ研磨剤(pH:10.5)、研磨荷重300g/cm2 、研磨取り代10μmでおこなった。
【0044】
研磨終了後、真空吸着を解除し、切替弁9を切替え、バキューム路7に温度制御流体路8を連結し、温度制御された流体(ここでは23℃に温度コントロールされた純水を使用)を流した。これにより、保持盤本体の温度を初めの研磨開始時の温度とほぼ同じ温度になるようにした。
【0045】
この方法では、温度制御流体は貫通孔4等から流出するため、ワーク保持盤本体2の裏板側から表面側まで全体的に冷却できて好ましい。
【0046】
ワーク保持盤本体2が十分に冷却されて、研磨開始時の温度になったら、次のウエーハWを研磨し連続20バッチの研磨を行なった。
【0047】
(比較例1)
図5に示したような従来の研磨用ワーク保持盤を用い、連続研磨した。被研磨サンプル、研磨条件は実施例1と同等である。
【0048】
以上の研磨試験の結果、実施例1では工数(加工バッチ数)に関係なくワークの平坦度は安定していた。しかし比較例1では加工当初では、実施例1と変りなく平坦なウエーハを得ることができるが、工数が増加するに従い平坦度が悪化してくる。特に工数が増加するとワークの形状が凸傾向に進行していた。
【0049】
研磨1バッチ目および20バッチ目終了後のワーク保持盤本体の表裏の温度差を測定すると、実施例1では、バッチ数に関係なくワーク保持盤本体の表裏の温度差は3〜4℃と安定していた。
【0050】
比較例1では、1 バッチ目のワーク保持盤本体表裏の温度差は実施例1と同様に小さかったが、20バッチ目ではワーク保持盤本体の表裏の差が大きくなっていた。特にワーク保持盤本体裏面の温度が1バッチ目のワーク保持盤本体裏面の温度より16℃程度高くなっていた。このようにワーク保持盤本体の表裏の温度差が大きくなると、ワーク保持盤本体に熱変形が生じ、研磨布の形状とワーク保持盤表面の形状とのマッチングが崩れ、結果的にワークの平坦度が悪化した。
【0051】
なおワーク保持盤本体の温度設定値および流体の供給量などは、被加工物や研磨条件により任意の値に変更する必要がある。
特に研磨布の形状とワーク保持面のマッチングが良好な研磨条件を見出し、この時のワーク保持盤本体の温度に常に設定するように、連続加工することが好ましく、本発明の装置および方法で可能となつた。
【0052】
次に、実施例1および比較例1のワークの魔鏡像を観察した。図6に示したように比較例1(図6(b))では魔鏡像で観察できるレベルの大変小さな凹凸の悪化も見られた。研磨後のワークを魔鏡像により観察した結果、比較例1では1バッチ目におけるワークの魔鏡像は比較的きれいであるが、バッチ加工数が増加するに伴い、特に6から7バッチ目程度からうっすらとした白点が格子状に確認されるようになった。この白点の位置は、ワーク保持面に開いている吸着孔(真空吸着用の貫通孔)の位置に一致しており、ワークが部分的に凹になっていることを示す。この現象はワーク保持盤の熱変形が、ワークに傷が付かないようにワーク保持盤の表面に被覆された樹脂に対しても影響を及ぼしていることがわかる。
【0053】
一方、実施例1では加工バッチ数が増加しても、吸着孔付近のワークの魔鏡像は悪化する傾向は見られなかった(図6(a))。実施例1では特に吸着孔(真空吸着の貫通孔)にも温度制御をした流体が流されていることにより、吸着孔付近の温度差もなくなり、加工バツチ数が増加してもワークの魔鏡像は悪化する傾向は見られなかったものと考えられる。このようにワーク保持盤の表面に樹脂皮膜されている形態の研磨方式において、特に本発明の方法は有効であることがわかる。
【0054】
(実施例2)
ワーク保持盤本体内部に温度制御用(冷却用)ジャケットを設けた研磨装置を用い、冷媒として25℃の純水をジャケットに流して研磨中も蓄熱を防止した以外は実施例1と同様の条件で10バッチ研磨した。これにより保持盤の温度を初めの研磨開始時の温度26℃にほぼ一定に保持することができ、実施例1と同様に平坦度および魔鏡像の良好なワークに加工することができた。
1バッチ目から10バッチ目の平坦度は、セルサイズ25mm×25mmのSFQRmax (Site front least−squares range)で、ほぼ0.16μmであった。比較例1では、1バッチから6バッチまでは、ほぼ0.16μmであったが、温度差がある範囲を超えると平坦度は悪化し、10バッチ目で0.25μm程度に悪化しており、本発明により研磨工数の影響もなく、安定したウエーハ品質が得られることが判る。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、ワークを研磨するに際し、研磨工数が増えても、ワークの平坦度を悪化させることなく、ワーク保持盤本体の熱変形、ワーク保持面に皮膜された樹脂の変形を抑え、良好な平坦度が得られるのみならず、良好な魔鏡像レベルのワークを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨用ワーク保持盤の一例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の研磨用ワーク保持盤を装着した研磨ヘッドおよび研磨ヘッドを具備した研磨装置の概略説明図である。(a)研磨ヘッド、(b)ワークの研磨装置。
【図3】本発明の研磨用ワーク保持盤の別の例(流体ジャケットを具備)を示す説明図である。
【図4】研磨用ワーク保持盤の他の例(放熱板を具備)を示す説明図である。
【図5】従来の研磨用ワーク保持盤の一例を示す概略説明図である。(a)縦断面図、(b)ワーク保持面の正面図。
【図6】本発明の研磨方法と従来の研磨方法によるワークの魔鏡像の研磨工数による変化の状態を比較した説明図である。(a)本発明の研磨方法による、(b)従来の研磨方法による。
【符号の説明】
1…研磨用ワーク保持盤、 2…ワーク保持盤本体、 3…被覆材料(樹脂)、
4…真空吸着用貫通孔、 5…ワーク保持盤裏板、 6…空間部、
7…バキューム路、 8、8a…温度制御流体路、 9…切替弁、
10…研磨ヘッド、 11…回転ホルダ、 12…弾性体リング、
13…加圧空間部、 14…加圧路、 15…ワーク保持面、
16…温度制御流体タンク、 17…流体ジャケット、 18…放熱板、
20…研磨装置、 21…定盤、 22…研磨布、 23…ノズル、
24…研磨剤。
W…ワーク(ウェーハ)。

Claims (8)

  1. 少なくともワークを真空吸着保持する多数の貫通孔を有するワーク保持盤本体と該本体の背面側に配置される裏板とを具備した研磨用ワーク保持盤において、前記保持盤本体の温度制御手段または冷却手段を設けて成り、該温度制御手段または冷却手段が、研磨用ワーク保持盤を構成するワーク保持盤本体と裏板の間に設けた放熱板であることを特徴とする研磨用ワーク保持盤。
  2. 前記温度制御手段または冷却手段として、さらに、研磨用ワーク保持盤の真空系流路内に温度制御された液体または気体を流す機構を具備することを特徴とする請求項1に記載した研磨用ワーク保持盤。
  3. 前記温度制御手段または冷却手段として、さらに、ワーク保持盤本体に設けた流体ジャケットを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した研磨用ワーク保持盤。
  4. 前記研磨用ワーク保持盤の裏板の材質が放熱材であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した研磨用ワーク保持盤。
  5. 少なくとも研磨布を貼着した回転テーブルと研磨布表面に研磨剤を供給する手段とワークを研磨布表面に強制的に圧接させる研磨用ワーク保持盤を具備した研磨装置において、研磨用ワーク保持盤が、前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したものであることを特徴とするワークの研磨装置。
  6. 前記請求項5に記載したワークの研磨装置を使用してワークを研磨することを特徴とするワークの研磨方法。
  7. 前記請求項6に記載したワークの研磨方法において、1バッチの研磨終了毎に前記温度制御手段または冷却手段を用いてワーク保持盤本体の温度を調整することを特徴とするワークの研磨方法。
  8. 前記請求項6に記載したワークの研磨方法において、複数バッチのワークを研磨する時に、研磨開始時のワーク保持盤本体のバッチ毎の温度差を±1℃以内に調整してから研磨することを特徴とするワークの研磨方法。
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