JPH1094595A - 新規な医療用粘着剤及び製剤 - Google Patents

新規な医療用粘着剤及び製剤

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JPH1094595A
JPH1094595A JP8252908A JP25290896A JPH1094595A JP H1094595 A JPH1094595 A JP H1094595A JP 8252908 A JP8252908 A JP 8252908A JP 25290896 A JP25290896 A JP 25290896A JP H1094595 A JPH1094595 A JP H1094595A
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polymer
sensitive adhesive
group
pressure
adhesive
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JP8252908A
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Susumu Maruo
享 丸尾
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚面への適度な粘着力と、剥離容易性を有
する貼付剤用ゲル状粘着剤等を提供する。 【解決手段】 酸性基またはその塩を含有するポリマー
(A)、塩基性基またはその塩を有するポリマー
(B)、および該ポリマー(A)、該ポリマー(B)と
相溶しうる液体成分(C)とからなり、該ポリマー
(A)、該ポリマー(B)および該液体成分(C)と
が、該液体成分(C)がしみ出さない程度の割合で混合
された粘着剤、及び該粘着剤と支持体とからなる貼付
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な粘着剤およ
び貼付剤に関する。更に詳細には、本発明は皮膚面の保
護などに用いることのできる医療用粘着剤及び皮膚表面
に貼付して薬剤を経皮吸収させるための貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚面を通して生体内に投
与するための経皮吸収テープ剤が各種開発されている。
通常、こうしたテープ剤には、皮膚接着面からの脱着を
防ぐために必要な粘着力を有すると共に、使用後の剥離
時に皮膚表面(角質層)を損傷しない程度の剥離容易性
を有することが望まれている。このような特性を満足す
るテープ剤として、特開平3-220120号公報には、アクリ
ル酸エステル系ポリマーおよび該ポリマーと相溶する液
体成分とを含むゲル層が、支持体の少なくとも片面に形
成されてなるアクリル系ゲル状粘着剤が提案されてい
る。ゲル状粘着剤は、多量の液体成分を含有できるため
に、従来の非架橋粘着剤に比べて粘着力と剥離容易性を
バランスでき、角質層剥離も少ないとされている。しか
しながら、上記提案のゲル状粘着剤においては、液体成
分を含むゲル層を形成するために、アクリル酸エステル
系ポリマー中に含まれるアクリル酸単位を、Al3+やチ
タンなどの多価金属アルコラートや三官能イソシアネー
トなどの低分子架橋剤を用いて化学反応により架橋する
必要がある。一般に高分子反応において、100%の反
応率を達成することはきわめて困難であり、通常は未反
応の試薬が系に残存する。従って、こうした架橋剤を用
いて化学反応により得たゲル状粘着剤においては、架橋
用触媒や架橋剤が粘着剤中に残存し、経皮的に血液中に
吸収される危険性がある。その結果、皮膚刺激やかぶれ
を誘発する恐れがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力
を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷し
ない程度の剥離容易性を有する粘着剤を提供することに
ある。更に本発明の目的は、皮膚接着面からの脱着を防
ぐために必要な粘着力を有するとともに、使用後の剥離
時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有し、か
つ糊残りの少ない粘着剤を提供することにある。また更
に本発明の目的は、皮膚接着面からの脱着を防ぐために
必要な粘着力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚
表面を損傷しない程度の剥離容易性を有し、糊残りが少
なく、かつ皮膚刺激やかぶれを誘発する恐れのない粘着
剤を提供することにある。
【0004】また本発明の目的は、かかる粘着剤を用い
た、皮膚の保護などに用いることのできる、あるいはか
かる粘着剤中に薬物を含有せしめた薬物を十分に経皮吸
収させることのできる貼付剤を提供することにある。本
発明者らは、このような目的を達成するために鋭意研究
した結果、上記のような架橋剤を用いることなく、化学
反応による架橋の代わりに酸性基またはその塩を含有す
るポリマーと、塩基性基またはその塩を含有するポリマ
ー、および液体成分とを混合することにより、液体成分
の沁みだしのないゲル状粘着剤が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酸
性基またはその塩を有するポリマー(A)、塩基性基ま
たはその塩を有するポリマー(B)、および該ポリマー
(A)、(B)と相溶しうる液体成分(C)とからな
り、該ポリマー(A)、該ポリマー(B)及び該液体成
分(C)とが、該液体成分(C)がしみ出さない程度の
割合で混合された粘着剤、およびかかる粘着剤と支持体
からなる貼付剤を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる酸性基または
その塩を有するポリマー(A)の酸性基としては、例え
ばフェノール基、カルボキシル基、ニトロ基、および/
またはスルホキシル基を挙げることができる。またその
塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩などの無機塩や、例えばアンモニウム塩、ピリジニウ
ム塩などの有機塩を挙げることができる。これらのう
ち、本発明のポリマー(B)の塩基性基との相互作用の
強さや粘着剤としての凝集性の点から、カルボキシル
基、スルホキシル基および/またはそれらの塩を好まし
いものとして挙げることができる。該ポリマー(A)と
しては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエーテ
ルなどの縮合系ポリマーや、例えばポリオレフィン、ポ
リスチレンなどのビニル系ポリマーが挙げられるが、粘
着タック特性からビニル系ポリマーが好ましい。
【0007】従って本発明のポリマー(A)としては、
上記のような各種酸性基またはその塩を有するビニル系
ポリマーが好ましく、なかでもカルボキシル基、スルホ
キシル基および/またはそれらの塩を有するビニル系ポ
リマーが好ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、
スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリ
レートなどのビニルモノマーを含む共重合体が挙げられ
る。その他の共重合体成分としては、例えばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘプチル(メタクリレート)、2ーエチルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10
のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルア
ミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、Nーブチルア
クリルアミド、Nービニルー2ーピロリドン、ビニルピ
リジン、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
酢酸ビニルなどを挙げることができるが、特に粘着性や
剥離容易性の点から炭素数1〜10のアルキル(メタ)
アクリレートおよび/または酢酸ビニルを共重合体成分
として用いることが好ましい。また、上記共重合体成分
は単独でもまたは2種以上のものでも使用できる。
【0008】すなわち本発明のポリマー(A)として
は、カルボキシル基、スルホキシル基および/またはそ
れらの塩を有するビニル系ポリマーを好ましいものとし
てあげることができ、なかでもアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、ス
ルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレ
ートなどのビニルモノマーを含む共重合体を挙げること
ができる。該ポリマー(A)における酸性基またはその
塩の含有率は、モノマーユニットの重量で1〜70wt
(重量)%が好ましく、特に5〜50wt%が好まし
い。酸性基またはその塩の含有率が70wt%を超える
と粘着剤ドープの均質溶解性が損なわれ、また含有率が
1wt%未満では、粘着剤剥離時に糊残りが生じやすく
なる。
【0009】本発明に用いられる塩基性基またはその塩
を有するポリマー(B)の塩基性基としては、例えばア
ミノ基、アルキルアミノ基、ピロリドン基、ピリジン
基、イミダゾール基、ピリミジン基、ピペラジン基、お
よび/またはリジン基及が挙げられる。またその塩とし
ては、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩や、
例えば酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機塩を挙げるこ
とができる。これらのうち、本発明のポリマー(A)の
酸性基との相互作用の強さ、粘着剤の凝集性や原料コス
トの点から、アミノ基、アルキルアミノ基、ピロリドン
基、ピリジン基、イミダゾール基および/またはそれら
の塩を好ましいものとして挙げることができる。
【0010】該ポリマー(B)としては、例えばポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエーテルなどの縮合系ポリマ
ーや、例えばポリオレフィン、ポリスチレンなどのビニ
ル系ポリマーが挙げられるが、粘着タック特性からビニ
ル系ポリマーが好ましい。
【0011】従って本発明のポリマー(B)としては、
上記のような各種塩基性基またはその塩を有するビニル
系ポリマーが好ましく、なかでもアミノ基、アルキルア
ミノ基、ピロリドン基、ピリジン基、イミダゾール基お
よび/またはそれらの塩を有するビニル系ポリマーが好
ましく、具体的には、例えばアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレー
トクロライド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートなどの炭素
数1〜4のモノまたはジアルキルアミノ(メタ)アクリ
レート;例えばビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビ
ニルイミダゾールなどのビニルモノマーを含む共重合体
が挙げられる。その他の共重合体成分としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、ヘプチル(メタクリレート)、2ーエチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、ノニル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜1
0のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル
アミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、Nーブチル
アクリルアミド、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、酢酸ビニルなどを挙げることができるが、特に
粘着性や剥離容易性の点から炭素数1〜10のアルキル
(メタ)アクリレートおよび/または酢酸ビニルを共重
合体成分として用いることが好ましい。また、上記共重
合体成分は単独でもまたは2種以上のものでも使用でき
る。
【0012】該ポリマー(B)における塩基性基または
その塩の含有率は、モノマーユニットの重量で1〜70
wt%が好ましく、特に5〜50wt%が好ましい。塩
基性基またはその塩の含有率が70wt%を超えると粘
着剤ドープの均質溶解性が損なわれ、また含有率が1w
t%未満では、ゲル状粘着剤剥離時に糊残りが生じやす
くなる。該ポリマー(A)および/または該ポリマー
(B)における酸性基若しくはその塩および/または塩
基性基若しくはその塩の含有率は、各ポリマーを構成す
るモノマーユニットに対して、モノマーユニットの重量
で1〜70wt%であればよい。
【0013】本発明において用いられる液体成分(C)
としては、本発明の酸性基またはその塩を含有するポリ
マー(A)および塩基性基またはその塩を有するポリマ
ー(B)と相溶性を有するものであれば特に制限はな
く、常温で液体のものが好ましく、具体的には、例えば
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリ(オキシエチレンーオキシ
プロピレン)などのグリコール類;例えばオリーブ油、
ヒマシ油のような油脂類;例えばミリスチン酸イソプロ
ピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸エチル、
セバシン酸ジエチルなどの高級脂肪酸エステル;例えば
リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、カプリン酸など
の高級脂肪酸;フタル酸ジエチル、アジピン酸ジイソプ
ロピルなどの芳香族脂肪酸エステル;例えばジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、Nーメチルピロリドンなどの非プロトン性極性有
機物;例えばラウリルアミド、ジメチルドデシルスルホ
キシド、ドデシルピロリドン、モノカプリル酸ソルビタ
ンなどの液状界面活性剤および例えば流動パラフィンな
どの炭化水素類などがあげられる。これらは単独でも、
1種または2種以上の混合系でも使用できる。
【0014】これらのなかでも、本発明の液体成分
(C)としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソオクチル、オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸
エステルや、例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン
酸などの高級脂肪酸が粘着剤の粘着力、剥離容易性およ
び薬物の経皮吸収性の向上の点から特に好ましい。すな
わち、本発明のポリマー(A)、ポリマー(B)および
液体成分(C)の好ましい組み合わせとしては、ポリマ
ー(A)が、カルボキシル基、スルホキシル基および/
またはそれらの塩を有するビニル系ポリマーであって、
ポリマー(B)が、アミノ基、アルキルアミノ基、ピロ
リドン基、ピリジン基、イミダゾール基および/または
それらの塩を有するビニル系ポリマーであって、液体成
分(C)が、高級脂肪酸エステルまたは高級脂肪酸であ
る場合、なかでもポリマー(A)が、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンスルホン
酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタ
クリレートなどのビニルモノマーを含む共重合体該ポリ
マーであって、ポリマー(B)が、炭素数1〜4のモノ
またはジアルキルアミノ(メタ)アクリレート、ビニル
ピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールなど
のビニルモノマーを含む共重合体であって、液体成分
(C)が、高級脂肪酸エステルまたは高級脂肪酸である
場合を挙げることができる。さらにこれらの好適な組み
合わせの場合において、(A)および/または該ポリマ
ー(B)における酸性基若しくはその塩および/または
塩基性基若しくはその塩の含有率は、各ポリマーを構成
するモノマーユニットに対して、モノマーユニットの重
量で1〜70wt%であればよい。
【0015】本発明において、前記ポリマー(A)、ポ
リマー(B)および液体成分(C)は、液体成分(C)
がしみ出さない程度の割合で混合される。このような適
度な配合割合のとき、皮膚接着面からの脱着を防ぐため
に必要な適度な粘着力と使用後の剥離時に皮膚表面を損
傷しない程度の剥離容易性とを有し、糊残りの少ない安
全な粘着剤が得られる。ここで、液体成分(C)がしみ
出さない程度の粘着剤を形成するとは、後述する180
度剥離試験において、剥離後ベークライト板に液成分が
付着しない程度のことをいい、ポリマー(A)、ポリマ
ー(B)および液体成分(C)の組み合わせによって、
これらの混合割合を適宜選択することによってそのよう
な粘着剤を形成させることができるが、好適な粘着剤を
与える該ポリマー(A)と該ポリマー(B)の混合重量
比は、ポリマーの共重合体比率によって変化するため一
概に規定できないが、粘着剤のpHが3〜10となるよ
うな該ポリマー(A)と該ポリマー(B)の重量比が好
ましい。該ポリマー(A)と該ポリマー(B)の重量混
合比がこのpH範囲を超える条件では、皮膚刺激が生じ
やすくなり好ましくない。また、該ポリマー(A)及び
該ポリマー(B)の合計含有量と該液体(C)の含有量
の重量比が、1.0:0.20〜1.0:2.0であるのが好まし
い。液体成分(C)の含有量が0.20以下では、粘着剤使
用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性
が発現されにくくなり、また、液体成分(C)の含有量
が2.0以上では、粘着剤の剥離時に糊残りが生じやすく
なる。本発明の粘着剤は、上記ポリマー(A)、ポリマ
ー(B)および液体成分(C)を例えば前項記載の混合
割合で、共通溶剤中にて混合溶解したのち、基板または
離型材の片面に塗布し、その後、乾燥処理により溶媒を
除去して、粘着剤層とすることができる。出来上がりの
粘着剤層の厚みは、例えば粘着剤に薬物を含有させる場
合には、用いる薬剤にもよるが、通常20μm〜100
μm、好ましくは30μm〜80μm程度が好適である。
【0016】本発明の貼付剤は、上記のようにして得ら
れた本発明の粘着剤からなる粘着剤層と本発明の支持体
とを直接・間接に積層して得るか、あるいはまた、かか
る支持体上に直接本発明の粘着剤を例えばコーター等を
用いて塗布するか、支持体上に粘着剤層を転着するなど
従来公知の方法により得ることができる。本発明に用い
られる支持体としては、上記粘着剤層が形成でき、自己
保持性があって、皮膚表面に貼付して薬剤を経皮吸収に
より透過させるための貼付剤および皮膚面の保護などに
用いる製剤とすることができる基材、離型材であれば特
に制限はなく、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロ
ースエステルなどのポリマーフィルム;ポリエステル、
ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリウレタン、
ポリアミド等からなる織物・編物・不織布;紙、ポリエ
ステル、ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリウ
レタン、ポリアミド等からなる多孔性膜;表面にシリコ
ーン、フッ素などの剥離剤をコーティングしたポリエス
テル、ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリアミ
ド等のフィルムの1種または2種以上の組み合わせから
なる積層体などが使用できる。これらの支持体の厚み
は、貼付剤の種類にもよるが基材の場合、通常50μm
〜300μm、好ましくは、70μm〜200μmに設定
され、離型材の場合、3μm 〜100μm 、好ましくは
5μm 〜50μmに設定される。本発明の粘着剤には、
薬物が含有され得る。含有される薬物としては、特に限
定はないが、本発明の粘着剤に溶解可能な薬物が好まし
い。具体的には、消炎鎮痛剤、ステロイド類、降圧利尿
剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍剤、抗高血圧剤、
抗鬱剤、ホルモン剤、脂溶性ビタミンなどがあげられ
る。これらは、粘着剤中に3-40重量%、好ましくは、5-
30重量%添加される。また、薬物を含有させる方法とし
ては、溶液状の粘着剤に薬物溶液をあらかじめ混合して
薬物含有粘着剤層とするか、あるいは含浸、転着、スプ
レー等の方法で薬物を含有しないか又は薬物を十分には
含有しない粘着剤層に薬物を経皮吸収に十分な量含有さ
せる等、含有させようとする薬物の物性等に応じて従来
公知の方法を採用することができる。
【0017】
【発明の効果】上述したように、本発明の粘着剤は、化
学架橋反応を用いることなく、ゲル化でき、かつ多量の
液体成分を含有できるために、皮膚刺激性がなく、剥離
時の角質層剥離が少ない。また、含有させる液体成分の
種類によって、経皮吸収を促進することも可能である。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中、部および%は重量部および重量%を意味
する。また、実施例中の「粘着力」および「糊残り」は
以下の方法で測定した。 (1)粘着力 ベークライト板に幅12mm、長さ50mmに切断した
サンプルを貼付し、荷重850gのローラーを1往復さ
せた後、37℃の恒温装置に30分静置させた後、30
0mm/min.の速度で180度方向に剥離し、その
ときの剥離力を粘着力とした。 (2)糊残り 上記(1)の方法で粘着力を測定した後に、粘着剤がベ
ークライト板上に残るか否かを目視にて判定を行った。
【0019】[実施例1] (1)メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチ
ルを12wt%含むアクリルアルキルエステル共重合体
(オイドラギットRS、樋口商会)10wt%クロロホ
ルム溶液10g、アクリル酸を5wt%、ブチルアクリ
レート2wt%、2ーエチルヘキシルアクリレート93
wt%共重合体10wt%酢酸エチル溶液90gにミリ
スチン酸イソプロピル3.2g、ポリプロリレングリコ
ールーポリエチレングリコール共重合体(分子量150
0、三洋化成製)1.0gを加えた後、この混合溶液を
シリコーンコートした離型フィルムの上に乾燥後の粘着
剤層の厚みが50μmとなるように塗工し85℃で20
分乾燥し、粘着剤層として用いることのできる粘着剤を
得た。 (2)得られた粘着剤層の片面に支持体として3.5μ
mのPETフィルムを貼りあわせて粘着テープを得た。
このようにして得られたテープを12mm×50mmに
切断し、粘着力を測定したところ、粘着力は120gと
良好であり、かつ糊残りは見られなかった。この結果か
ら、本発明のゲル状粘着剤を用いて得られたゲル状製剤
が、適度な粘着力を有し、かつ皮膚表面を損傷しない程
度の剥離容易性を有する貼付剤としての特徴を有してい
ることが判る。
【0020】[実施例2] (1)実施例1において、アクリル酸を5wt%、ブチ
ルアクリレート2wt%、2ーエチルヘキシルアクリレ
ート93wt%共重合体のかわりにアクリル酸5wt
%、酢酸ビニル共重合体70wt%、2ーエチルヘキシ
ルアクリレート25wt%共重合体を用いた以外は実施
例1と同様にして粘着剤を得た。 (2)得られたゲル状粘着剤からなる粘着剤層に実施例
1と同様にして支持体を貼りあわせて粘着テープを得た
後、粘着力を測定したところ、粘着力は81gと良好で
あり、かつ糊残りは見られなかった。
【0021】[比較例1] (1)アクリル酸を5wt%、ブチルアクリレート2w
t%、2ーエチルヘキシルアクリレート93wt%共重
合体10wt%酢酸エチル溶液100gにミリスチン酸
イソプロピル3.2g、ポリプロリレングリコールーポ
リエチレングリコール共重合体(分子量1500)1.
0gを加えた後、この混合溶液をシリコーンコートした
離型フィルムの上に乾燥後の粘着剤層の厚みが50μm
となるように塗工し85℃で20分乾燥し、ゲル状粘着
剤を得た。 (2)得られたゲル状粘着剤からなる粘着剤層に実施例
1と同様にして支持体を貼りあわせて粘着テープを得た
後、粘着力を測定したところ、糊残りがみられた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性基またはその塩を含有するポリマー
    (A)、塩基性基またはその塩を有するポリマー
    (B)、および該ポリマー(A)、該ポリマー(B)と
    相溶しうる液体成分(C)とからなり、該ポリマー
    (A)、該ポリマー(B)および該液体成分(C)と
    が、該液体成分(C)がしみ出さない程度の割合で混合
    された粘着剤。
  2. 【請求項2】 該ポリマー(A)及び該ポリマー(B)
    の合計含有量と該液体成分(C)の含有量の重量比が、
    1.0:0.20〜1.0:2.0である請求項1記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】 該酸性基が、カルボキシル基および/ま
    たはスルホキシル基である請求項1または2記載の粘着
    剤。
  4. 【請求項4】 該塩基性基が、アミノ基、アルキルアミ
    ノ基、ピロリドン基、ピリジン基、および/またはイミ
    ダゾール基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    粘着剤。
  5. 【請求項5】 該ポリマー(A)および/または該ポリ
    マー(B)が、アクリル酸エステルおよび/または酢酸
    ビニル共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の粘着剤。
  6. 【請求項6】 該ポリマー(A)および/または該ポリ
    マー(B)における酸性基若しくはその塩および/また
    は塩基性基若しくはその塩の含有率が、モノマーユニッ
    トの重量で1〜70wt%である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の粘着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘
    着剤と支持体とからなる貼付剤。
  8. 【請求項8】 該粘着剤中に薬物が含有されてなる請求
    項7記載の貼付剤。
JP8252908A 1996-09-25 1996-09-25 新規な医療用粘着剤及び製剤 Pending JPH1094595A (ja)

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