JPH109298A - ブレーキキャリパ - Google Patents

ブレーキキャリパ

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JPH109298A
JPH109298A JP18541396A JP18541396A JPH109298A JP H109298 A JPH109298 A JP H109298A JP 18541396 A JP18541396 A JP 18541396A JP 18541396 A JP18541396 A JP 18541396A JP H109298 A JPH109298 A JP H109298A
Authority
JP
Japan
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caliper
metal
foam
ceramic
caliper body
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Withdrawn
Application number
JP18541396A
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English (en)
Inventor
Takehisa Inoue
武久 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP18541396A priority Critical patent/JPH109298A/ja
Publication of JPH109298A publication Critical patent/JPH109298A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D2055/0004Parts or details of disc brakes
    • F16D2055/0016Brake calipers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリパ形状を左右対象形状にしつつ、その
質量分布を任意に変更することにより、キャリパ固有振
動数を変え、もってブレーキノイズを低減する。 【解決手段】 ロータ回転方向で左右対称形状のディス
クブレーキのキャリパに対し、キャリパボディはセラミ
ックス材の体積含有率の異なる複数のプリフォームを接
合し、これに金属溶湯を含浸させて形成する。接合され
たプリフォームは左右対称としておき、内部の密度を部
分的に異なるようにする。あるいはキャリパの一部を発
泡スチロールのような高温焼失体により形成し、部分的
に金属マスとしその他を金属含浸プリフォームにより形
成するようにしてもよい。キャリパボディの前後若しく
は左右に密度の異なる部分を偏位配置することにより振
動ノイズを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスクブレーキに
用いられるキャリパに係り、特にロータ回転方向で対称
形状をなすキャリパの密度や剛性を前後左右において異
なるようにすることで、固有振動数を調整してブレーキ
ノイズを低減することができるブレーキキャリパに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキに用いられるキャリパ
は、通常インナ側に液圧シリンダを形成し、アウタ側に
キャリパ爪を形成しており、車体への固定部材であるサ
ポートに対してロータ軸方向に移動可能として、摩擦パ
ッドをロータに圧接させるようにしている。このような
キャリパはロータの回転方向に左右対称形状とされ、均
一の材料により形成されている。
【0003】ところで、このようなキャリパを備えたデ
ィスクブレーキでは、制動操作に伴って発生するノイズ
の低減対策が問題となっている。特公平7−74653
号公報には、キャリパのブリッジ部に対して、ロータ回
転方向の入口側と出口側のいずれか一方側に肉盛を付け
るとともに、他方側には窓を開口させることにより、入
口側と出口側でブリッジの剛性が異なるようにし、もっ
てキャリパの固有振動数を変えることによりブレーキ鳴
き現象を抑制しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法では、キャリパは左右非対象となり、車両への組み付
けに際して左右反転構成としなければならず、その取扱
い性が悪いという欠点があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、キ
ャリパ形状を左右対象形状にしつつ、その質量分布を任
意に変更することにより、キャリパ固有振動数を変え、
もってブレーキノイズを低減することができるブレーキ
キャリパを得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のような見地
から得られたものである。すなわち、従来のブレーキキ
ャリパは、一般的にキャリパボディが左右対称、均一材
料でできているため、各固有振動周波数をもっており、
各周波数にあった振動をしている。例えば、図8に示す
ように、斜線部が上方向挙動のとき、白地部は下方向挙
動を起こし、各々境界線は節となっている。2分割、3
分割と高次周波数になるほど、多数分割の市松模様にな
って挙動し、ノイズ発生の原因となっている。図8
(1)は10100Hzでの振動の挙動であり、図の右
半部と左半部とは相互に反対の挙動を示す。また、同図
(2)は6500Hzのものでありキャリパ前後で反対
の挙動を示し、同図(3)は2150Hzのときの振動
モードであってキャリパを4分割した状態で市松模様的
な複雑な振動の挙動を示している。
【0007】そこで、本発明に係るブレーキキャリパ
は、第1に、ロータ回転方向で左右対称形状に形成され
たディスクブレーキのキャリパにおいて、キャリパボデ
ィの左右若しくは前後において密度を異ならせた構造と
することを特徴としている。
【0008】第2には、ロータ回転方向で左右対称形状
に形成されたディスクブレーキのキャリパにおいて、キ
ャリパボディの左右若しくは前後において剛性を異なら
せたことを特徴とするものである。
【0009】また、第3には、ロータ回転方向で左右対
称形状に形成されたディスクブレーキのキャリパにおい
て、キャリパボディは金属をセラミックス材からなるプ
リフォーム体に含浸させて形成され、前記プリフォーム
体をキャリパ部分形状に対応して形成し、これをキャリ
パボディの前後若しくは左右に偏位配置することにより
キャリパボディの密度を前後若しくは左右で異ならせた
構成とした。
【0010】更に、第4には、ロータ回転方向で左右対
称形状に形成されたディスクブレーキのキャリパにおい
て、キャリパボディは金属をセラミックス材からなるプ
リフォーム体に含浸させて形成され、前記プリフォーム
体をキャリパ全体形状に合わせて形成し、このキャリパ
プリフォーム体の前後若しくは左右の密度を異ならせ、
これに金属を含浸させて偏位配置することによりキャリ
パボディの密度を前後若しくは左右で異ならせたことを
特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るブレーキキ
ャリパの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。
【0012】ブレーキキャリパは、図1に示すように、
液圧シリンダ機構が組み込まれてパッドをロータインナ
に押し付ける側のシリンダ部10、このシリンダ部10
の外縁部からロータ外縁を跨いで延長されるブリッジ部
12、ブリッジ部12の延長端でパッドをロータアウタ
に押し付ける側のキャリパ爪部14とから構成され、ま
た、サポートへの連結箇所であってキャリパをロータ軸
方向に案内するガイド機構が組み込まれるキャリパ腕部
16を備えている。
【0013】本発明は、解析した振動モードを抑制する
ように、例えばロータ軸に沿った平面で分割される左右
の部位の比重あるいは剛性を異なるように調整するもの
である。これは図1のキャリパボディの左半部18Lを
補強材であるセラミックスフォームに金属を含浸させた
金属マトリックス複合体(Metal Matrix
【0014】Composites:MMC)として構
成し、キャリパボディの右半部18Rは同じく金属マト
リックス複合体として構成するが、セラミックスフォー
ムにおけるセラミックスの配合割合を左半部のそれと異
なるようにすることとして金属を含浸させる構成とした
ものである。素材金属としてアルミニウムまたはその合
金を用いると、この比重よりセラミックスの比重は大き
いため、セラミックスフォームを成形する場合の空隙率
を変えることにより、含浸する金属の量は変るため、比
重と剛性とはセラミックスフォームの空隙率の調整によ
って任意に設定できる。そして、左右キャリパボディが
一体で形成されるように、比重の異なるセラミックスフ
ォームの接合面を波形とすること等により大きくし、金
属マトリックス結合性を高めるようにして両セラミック
スフォーム同志が金属マトリックスで一体接合させるよ
うにすればよいとの知見に基づいているのである。
【0015】これはボディの半部18R、18Lを構成
するセラミックスフォームの体積含有率が異なるように
プリフォームを形成しておき、これら体積含有率が異な
るプリフォーム同志を接合したキャリパフォームを形成
した上で、これらに金属を含浸するようにすればよいの
である。
【0016】このようなキャリパボディ半部18R、1
8Lに対応するセラミックスフォームはアルミナや炭化
珪素等のセラミックス材を用いてこれにバインダを混合
分散させて型に入れて押し固め、ボディ半部フォームを
作成するものとし、このフォームセラミックス材を補強
材として利用する。ボディ半部の一方のセラミックスフ
ォームの体積含有率は例えば30%とし、他方は40%
として設定する。この体積含有率の調整は、ボディ半部
の一方のフォーム成形に用いるセラミックス粒子の平均
相当直径と他方の平均相当直径を変えることにより可能
である。
【0017】フォーム成形はセラミックス粒子(繊維、
ウィスカ等を含む)中にバインダを混合分散させて型に
入れて押し固めて成形し、体積含有率の異なるフォーム
同志を接合してできたキャリパフォームの外周を金属遮
蔽材で被って、いわゆる型を形成し、内部にアルミニウ
ム金属あるいはその合金を充填させ、この溶融金属を前
記補強材フォーム内の空隙へ含浸させて金属マトリック
スを形成するのである。
【0018】ここで、セラミックスフォームの空隙への
金属含浸に際して、金属表面張力が含浸阻害の要因とな
るため、遠心または加圧押込みをなすようにしてもよい
が、セラミックスフォームを窒化マグネシウムでコーテ
ィングして表面張力緩和をなすようにすることが望まし
い。このため、セラミックスフォームの素材中にマグネ
シウム金属を1重量%程度混合し、アルミニウム溶融金
属含浸に際して窒素雰囲気中で作業を行わせるようにす
ればよい。もちろん、セラミックスフォームを構成して
いるセラミックス粒子や繊維等の表面に窒化マグネシウ
ムをCVDコーティングする等の手法を採用することも
できる。。
【0019】また、ボディ半部をセラミックスフォーム
で形成し、他方の半部が金属マスになるように構成する
ことによって同様の効果が得られる。すなわち、金属と
してアルミニウムもしくはその合金を用いた部分とMM
Cによる構成部分とを接合一体化することによっても強
度はもちろん密度も変えることができ、これによって固
有振動数をキャリパボディの分割面で変更することがで
きるのである。
【0020】この場合には、密度または剛性を高くする
側のボディ半部を、セラミックス材を用いてこれにバイ
ンダを混合分散させて型に入れて押し固め、セラミック
スフォームを作成するものとし、このフォームセラミッ
クス材を補強材として利用するようにしている。
【0021】一方、金属単体で構成する他のボディ半部
は発泡スチロール等の高温焼失材により、やはり実寸で
フォームを作成する。これを前記ヨーク部と接合一体化
することで、キャリパフォームとするのである。このと
きセラミックス補強ボディと金属ボディとの接合が良好
となるように接合面積を増大させるべく、いわゆるジグ
ザグの分割面を構成し、金属接合性が良好になるととも
に、製造されたキャリパの強度を確保するようにする。
【0022】そして、セラミックスフォームと発泡スチ
ロールフォームの接合体からなるキャリパフォームの外
周を金属遮蔽材で被って、いわゆる型を形成し、内部に
アルミニウム金属あるいはその合金を充填させ、この溶
融金属を前記補強材フォーム内の空隙へ含浸させて金属
マトリックスを形成するとともに、発泡スチロールを高
温により焼失させるとともにこの焼失空間に溶融金属を
充填し金属マスによるボディ半部を成形するのである。
【0023】キャリパボディの分割面の設定方法は上述
したロータ軸方向に沿う平面で左右に分割形式の他に、
ロータ面に平行な平面で分割する横分割方式、あるいは
ロータ軸を通る平面とロータと平行平面で同時に縦横に
分割する4分割方式等を採用することができる。
【0024】以下、本発明をブレーキキャリパの具体的
製法に基づいて説明する。
【0025】(1)体積含有率の異なるプリフォームの
接合により成形する第1の方法 これはキャリパ半部18R、18Lに相当するプリフォ
ームをそれぞれ補強材の体積含有率が相違するように作
製し、結合して金属溶湯を含浸させるようにしたもので
あり、図2にその工程のフローチャートを示す。
【0026】(A)セラミックスフォーム成形工程(ス
テップ100) キャリパボディの半部に相当するフォームは各々セラミ
ックス材料を用いて作成される。セラミックス材料とし
てはアルミナ(Al23)、炭化珪素(SiC)等の周
知の材料を1種若しくは2種以上用いればよい。このセ
ラミックス材料は繊維、ウィスカ、粒子等のいずれの形
態でもよいが、成形性の観点からは粒子を用いることが
望ましい。したがって、例えばアルミナ粉末を用い、こ
れにバインダを混合して分散させ、これをヨーク部形状
となるように実寸でフォーム成形する。
【0027】バインダとしてはケイ酸ソーダ、リン酸ア
ルミ、コロイダルシリカ等を用いればよい。このとき、
セラミックス材料の粒子径を適宜選定することにより、
任意に空孔率を調整することができ、セラミック材料の
体積含有率を調整することができる。
【0028】このため、キャリパボディの右半部はセラ
ミックスの体積含有率が大きくなるようにセラミックス
粒子の小さい材料を用い、これを第1の混合機にて体積
含有率が40%となるように設定する。他方、キャリパ
ボディの左半部は粒子径の大きな材料を用い、第2の混
合機にて体積含有率が30%となるように設定するので
ある。この設定の仕方は任意であるが、必要剛性と、キ
ャリパのように繰り返し応力を受ける場合に必要な高靱
性であることの観点からセラミックスフォームは体積含
有率が10〜60%の範囲であることが有効である。
【0029】フォーム成形に際しては、キャリパボディ
の半割形状に相当するキャビティが形成された型にバイ
ンダを分散させたセラミック材料を成形機にて、ブロー
イングマシンにより金型に入れて常温で最初に押し固め
て成形する。この成形品は後工程の乾燥工程で加熱しバ
インダを焼失させて、ボディ半部をセラミックスフォー
ムとして作成する。この加熱温度はバインダが焼失する
温度でよく、一般的には150℃程度が望ましい。すな
わち、セラミックス材料とバインダとの混合体が粉末状
態で結合接着される程度の温度まで加熱して成形し、フ
ォーム形状を実寸に保持させるのである。このとき、後
工程での供給される溶融アルミニウムがセラミックスフ
ォームの内部に含浸することができるように、すなわち
セラミックスへの金属濡れ性を改善するために、フォー
ム成形前にセラミックス材料中にマグネシウム金属を
0.5〜1.0重量%程度混合させる。
【0030】(B)キャリパボディプリフォーム形成工
程(ステップ120) 個々に作製されたセラミックスフォームの組合わせ接合
が良好に行われるように、ひいては接合面での金属マト
リックス同志の融和結合が確実に行われるように、セラ
ミックスフォーム同志の接合面には三角波形の接合面を
形成して、これらが嵌合結合させるようにしている。こ
れは図示のように、セラミックスフォームの突合せ面を
鋸刃状の波形とし、この波形部で互いに嵌合されるもの
としている。これらの接合面は接着剤により結合してお
けばよい。
【0031】(C)金属遮蔽材の塗布工程(ステップ1
30) キャリパボディと同様に接合されたセラミックスフォー
ム結合体の外周部に、塗布装置にて、金属遮蔽材を塗布
してコーティング層を形成する。この金属遮蔽材は後工
程のアルミニウム充填・含浸に際して、溶融アルミニウ
ムに対する不透過性があるが通気性を確保すればよく、
微細な鱗片状黒鉛をスラリー化剤を用いてスラリー状も
しくはペースト状として外表面に塗布し、これを乾燥し
て遮蔽被膜型を形成すればよい。
【0032】(D)キャリパボディ型形成工程(ステッ
プ140) 分割セラミックスフォームを組合わせたキャリパボディ
フォームを炉にて昇温し、バインダを焼失させる。これ
は上記金属遮蔽材を塗布後、常温下にあるキャリパボデ
ィフォームを乾燥炉に投入し、当該乾燥炉にて徐々に4
00℃まで加熱し、これによってセラミックスフォーム
内バインダを焼失させるようにしている。形成されたキ
ャリパボディ型はキャリパボディと同等寸法とされ、フ
ォーム内部にはセラミックスの含有率に対応する空隙が
形成され、金属マトリックス充填空間となる。
【0033】(E)金属含浸工程(ステップ150、1
60) その後、このキャリパボディ型を型保持部材に載置固定
し、これを窒素ガス雰囲気で満たされているとともに、
基材金属としてのアルミニウム溶融温度である約800
〜840℃に昇温されている含浸炉に投入するが、セラ
ミックスフォームでの熱衝撃によるクラックの発生を防
止するために、最初に予熱炉を通すようにしている。し
たがって、予熱炉では先の乾燥炉にて400℃程度まで
昇温させているので、400℃から徐々に加熱するよう
にしている。その間に窒素雰囲気中に晒される。予熱炉
を経て含浸炉内に導入されたセラミックスフォームに
は、窒素ガスが金属遮蔽材を通気してセラミックスフォ
ーム内に侵入し、フォーム内マグネシウム金属と化学結
合して窒化マグネシウムが生成され、これがセラミック
ス材料に対するアルミ合金の濡れ性を改善する。この結
果、含浸炉にてセラミックスフォームに対しアルミ合金
溶湯が毛細管現象によりフォーム内空隙に侵入し、いわ
ゆるマトリックス金属を形成する。セラミックスフォー
ム内へのアルミ合金が含浸して外表面の金属遮蔽材との
境界面に達するまで含浸炉内で処理される。
【0034】(F)冷却仕上げ工程(ステップ170) 含浸炉から排出される成形品は次いで金属基材が固化す
るまで冷却処理するため冷却装置に供給される。ここで
金属は常温まで冷却され、キャリパボディはセラミック
スフォームを内在した状態の金属基セラミックス組織と
なる。セラミックス間空隙に侵入した金属はいわゆる網
目状金属配置のマトリックス金属基であり、セラミック
スの体積含有率の異なるフォーム同志の境界面で融和結
合した構造をなしている。そして、作成されたキャリパ
ボディの左右の嵌合部は、分割面が波形形状の嵌合構造
をなしていることによりキャリパは強度的に保たれてい
るのである。その後は金属遮蔽材の除去、ブラスト処理
を行って仕上げ処理される。
【0035】このようにして製造されたキャリパの左右
結合部分の拡大模式図を図3に示している。左方ブロッ
クのセラミックス粒子の相当直径は大径であり、右方ブ
ロックの粒子は小径となっている。そして、これらの両
者の金属基が共通であり、相互に融和結合して強固とな
っている。
【0036】(2)セラミックスプリフォームと金属マ
スの結合により成形する方法 これはキャリパ半部18R、18Lの一方に相当するプ
リフォームをセラミックス材により作製し、他方は金属
基単体で作製するようにしたもので、これによって左右
の密度に相違を持たせて固有振動数を左右で変えようと
するものであり図4にその工程のフローチャートを示
す。
【0037】(A)セラミックスフォーム成形工程(ス
テップ200) キャリパボディの半部18Rに相当するフォームはセラ
ミックス材料を用いて作成される。上述の例と同様に、
セラミックス材料としてアルミナ(Al23)、炭化珪
素(SiC)等の材料を1種若しくは2種以上用いれば
よい。例えばアルミナ粉末を用い、これにバインダを混
合して分散させ、これをキャリパボディの右半部形状と
なるように実寸でフォーム成形する。
【0038】バインダとしてはケイ酸ソーダ、リン酸ア
ルミ、コロイダルシリカ等を用い、またセラミックス材
料の粒子径を適宜選定して、その体積含有率が10〜6
0%となるように設定する。
【0039】フォーム成形に際しては、キャリパボディ
の半割形状に相当するキャビティが形成された型にバイ
ンダを分散させたセラミック材料を入れて常温で最初に
押し固める。そしてこれを型に入れた状態で加熱し、ボ
ディ半部をセラミックスフォームとして作成する。この
加熱温度はバインダが焼失する150℃程度が望まし
い。これによりセラミックス材料とバインダとの混合体
が粉末状態で結合接着される程度の温度まで加熱して成
形し、フォーム形状を実寸に保持させるのである。
【0040】このとき、後工程での供給される溶融アル
ミニウムがセラミックスフォームの内部に含浸すること
ができるようにセラミックス材料中にマグネシウム金属
を0.5〜1.0重量%程度混合させておく。
【0041】(B)金属キャリパボディのフォーム成形
工程(ステップ210) 金属キャリパボディは発泡スチロール等の高温で焼失す
る材料を使用して成形する。すなわち、金属キャリパボ
ディに相当するキャビティを有する型に発泡材を充填し
てボディ左半部18Lと同一形状の発泡スチロールフォ
ームを形成する。この金属キャリパボディフォームは前
記セラミックスフォームと組合わせ接合した形態が所望
のブレーキキャリパと同一形態をなすように設定してい
る。
【0042】(C)キャリパボディプリフォーム形成工
程(ステップ220) この金属キャリパボディフォームと前記セラミックスフ
ォームとの組合わせ接合が良好に行われるように、ひい
ては金属同志の融和結合が良好に行われるように、金属
キャリパボディフォームとセラミックスフォームとの接
合面には三角波形の接合面を形成して、これらが嵌合結
合させるようにしている。これは図示のように、セラミ
ックスフォームの突合せ面に鋸刃状の波形とし、金属キ
ャリパボディフォームにはこれに適合する同様の鋸刃状
の波形を形成し、これらが嵌合されるものとしている。
これらの接合面は接着剤により結合しておけばよい。
【0043】(D)金属遮蔽材の塗布工程(ステップ2
30) セラミックスフォームと発泡スチロールフォームとを組
合わせ、外周部に金属遮蔽材を塗布してコーティング層
を形成する。この金属遮蔽材は後工程のアルミニウム充
填・含浸に際して、溶融アルミニウムに対する不透過性
があるが通気性を確保すればよく、微細な鱗片状黒鉛を
スラリー化剤を用いてスラリー状もしくはペースト状と
して外表面に塗布し、これを乾燥して遮蔽被膜型を形成
すればよい。
【0044】(E)キャリパボディ型形成工程(ステッ
プ240) 金属キャリパボディフォームとセラミックスフォームを
組合わせたキャリパを炉にて昇温し、セラミックスフォ
ームのバインダを焼失させ、また、金属フォームの発泡
スチロールを焼失させる。これは上記金属遮蔽材を塗布
後、キャリパボディフォームを乾燥炉に投入し、当該乾
燥炉にて徐々に400℃まで加熱し、これによってセラ
ミックスフォーム内バインダと発泡スチロールフォーム
を焼失させるようにしている。その間キャリパフォーム
は窒素雰囲気中に晒される。形成されたキャリパボディ
型はキャリパボディの左半部にセラミックスフォームが
残存し、右半部は空洞キャビティとなる。
【0045】(F)金属含浸工程(ステップ260、2
70) その後、このキャリパボディ型を型保持部材に載置固定
し、これを窒素ガス雰囲気で満たされているとともに、
基材金属としてのアルミニウム溶融温度である約750
〜850℃に昇温されている含浸炉に投入するが、セラ
ミックスフォームでの熱衝撃によるクラックの発生を防
止するために、最初に予熱炉を通すようにしている。し
たがって、予熱炉では先の乾燥炉にて400℃程度まで
昇温させているので、400℃から徐々に加熱するよう
にしている。キャリパボディ型には予熱炉から含浸炉に
移動する途中でアルミ合金を注湯し、金属マス側のボデ
ィ半部を溶湯で満たすとともに、セラミックスプリフォ
ーム内にアルミ合金を溶浸させることを考慮して、セラ
ミックスフォーム側の金属遮蔽材が炉内雰囲気に晒され
るように、キャリパボディ型の配置形態を設定してい
る。
【0046】含浸炉内では、窒素ガスが金属遮蔽材を通
気してセラミックスフォーム内に侵入し、フォーム内マ
グネシウム金属と化学結合して窒化マグネシウムが生成
され、これがセラミックス材料に対するアルミ合金の濡
れ性を改善する。この結果、セラミックスフォームに対
しアルミ合金溶湯がフォーム内の空隙に侵入し、いわゆ
るマトリックス金属を形成する。一方、発泡スチロール
焼失空間にはアルミ合金溶湯がそのまま充填され、当該
部分はいわゆる金属マス状態となってキャビティ形状そ
のままに形成されるのである。セラミックスフォーム内
へのアルミ合金が含浸して外表面の金属遮蔽材との境界
面に達するまで含浸炉内で処理される。
【0047】(G)冷却仕上げ工程(ステップ280) 含浸炉から排出される成形品は次いで金属基材が固化す
るまで冷却処理するため冷却装置に供給される。ここで
金属は常温まで冷却され、キャリパボディの半部ではセ
ラミックスフォームを内在した状態で金属基セラミック
ス組織となり、他の半部では同一金属マス構造となって
いる。セラミックス間空隙に侵入した金属はいわゆる網
目状金属配置のマトリックス金属基であり、金属マスと
はそれらの境界面で融和結合した構造をなしている。そ
して、作成されたキャリパボディの左右の嵌合部は、分
割面が波形形状の嵌合構造をなしていることによりキャ
リパは強度的に保たれている。
【0048】このように構成されたブレーキキャリパ
は、Al系の鋳物である各部分部分に強化材質違いや、
強化材の配合割合違いを組合わせることで重心の位置操
作(ジャダー対策)や減衰特性(ノイズ対策)を向上す
ることができるのである。
【0049】また、アルミニウム強化材(例えばAl2
3またはSiC)は比重が高いので、その配合割合が
高いと比重が高くなり、配合割合が低いと比重が低くな
るので、図5、図6に示したように前後2分割(図5)
したキャリパボディ半部18F、18Bの構成、あるい
は前後左右4分割(図6)したキャリパボディ分割体1
8RF、18RB、18LF、18LBを組合わせるこ
とで、キャリパをロータの回転方向で左右対称に形成し
つつ、前後若しくは左右に重量不均一、剛性不均一状態
を設定することができ、これにより図8に示しているよ
うな振動モードの発生を抑制することができて、ブレー
キノイズ防止につながる。従来の鋳ぐるみはアルミニウ
ムの融け込みがないため、熱膨張や応力ひずみでクラッ
クが発生し、このような対策ができなかったことと比較
して、本発明では強度を大幅に向上させつつ、ノイズの
低減効果を向上させることができるのである。
【0050】図7はキャリパ分割方式の他の例を示して
おり、前後2分割する場合、分割面を波形としてもよい
が、図7に示しているようにキャリパ爪およびブリッジ
部からなるヨーク部と、シリンダ部とに分離し、これら
を凹凸嵌合20A、20Bにより組合わせ結合するよう
にしてもよい。この場合、シリンダ部はセラミックス体
積含有率が低い構成とするか、発泡スチロール等の高温
焼失材により形成すればよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
キャリパボディの左右若しくは前後において密度を異な
らせ、あるいは、キャリパボディの左右若しくは前後に
おいて剛性を異ならせるようにし、これをキャリパボデ
ィは金属をセラミックス材からなるプリフォーム体に含
浸させて形成され、前記プリフォーム体をキャリパ部分
形状に対応して形成し、これをキャリパボディの前後若
しくは左右に偏位配置することによりキャリパボディの
密度を前後若しくは左右で異ならせ、若しくは、キャリ
パボディは金属をセラミックス材からなるプリフォーム
体に含浸させて形成され、前記プリフォーム体をキャリ
パ全体形状に合わせて形成し、このキャリパプリフォー
ム体の前後若しくは左右の密度を異ならせ、これに金属
を含浸させてに偏位配置することによりキャリパボディ
の密度を前後若しくは左右で異ならせるようにしたの
で、キャリパ形状の左右対称性を保持しつつ、密度や剛
性の分布を前後左右で異ならせてブレーキノイズを効果
的に抑制できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の左右で補強材の体積含有率の相違する
キャリパの正面図、平面図、および側面図である。
【図2】同キャリパの製造工程のフローチャートであ
る。
【図3】同キャリパの結合部の拡大模式図である。
【図4】第2の例のキャリパ製造工程のフローチャート
である。
【図5】キャリパを前後分割した例の正面図と平面図で
ある。
【図6】キャリパを前後左右に4分割した例の正面図と
平面図である。
【図7】キャリパを前後分割する場合の他の例を示す分
解斜視図である。
【図8】キャリパの振動モードの説明図である。
【符号の説明】
10 シリンダ部 12 ブリッジ部 14 キャリパ爪部 16 キャリパ腕部 18R、18L キャリパボディ半部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ回転方向で左右対称形状に形成さ
    れたディスクブレーキのキャリパにおいて、キャリパボ
    ディの左右若しくは前後において密度を異ならせたこと
    を特徴とするブレーキキャリパ。
  2. 【請求項2】 ロータ回転方向で左右対称形状に形成さ
    れたディスクブレーキのキャリパにおいて、キャリパボ
    ディの左右若しくは前後において剛性を異ならせたこと
    を特徴とするブレーキキャリパ。
  3. 【請求項3】 ロータ回転方向で左右対称形状に形成さ
    れたディスクブレーキのキャリパにおいて、キャリパボ
    ディは金属をセラミックス材からなるプリフォーム体に
    含浸させて形成され、前記プリフォーム体をキャリパ部
    分形状に対応して形成し、これをキャリパボディの前後
    若しくは左右に偏位配置することによりキャリパボディ
    の密度を前後若しくは左右で異ならせたことを特徴とす
    るブレーキキャリパ。
  4. 【請求項4】 ロータ回転方向で左右対称形状に形成さ
    れたディスクブレーキのキャリパにおいて、キャリパボ
    ディは金属をセラミックス材からなるプリフォーム体に
    含浸させて形成され、前記プリフォーム体をキャリパ全
    体形状に合わせて形成し、このプリフォーム体の前後若
    しくは左右の密度を異ならせ、これに金属を含浸させて
    偏位配置することによりキャリパボディの密度を前後若
    しくは左右で異ならせたことを特徴とするブレーキキャ
    リパ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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