JPH109301A - ブレーキロータおよびその製造方法 - Google Patents

ブレーキロータおよびその製造方法

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JPH109301A
JPH109301A JP18541696A JP18541696A JPH109301A JP H109301 A JPH109301 A JP H109301A JP 18541696 A JP18541696 A JP 18541696A JP 18541696 A JP18541696 A JP 18541696A JP H109301 A JPH109301 A JP H109301A
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Japan
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rotor
preform
metal
brake rotor
brake
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JP18541696A
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Inventor
Takehisa Inoue
武久 井上
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/02Braking members; Mounting thereof
    • F16D65/12Discs; Drums for disc brakes
    • F16D65/128Discs; Drums for disc brakes characterised by means for cooling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータ振動を抑制することができる構造とし
たブレーキロータとその製造方法を得る。 【解決手段】 ロータ内部に放射状に通風路を形成した
ブレーキロータを対象としており、ロータを軽金属また
は金属基複合材により形成するとともに、円周方向の等
間隔位置に配置された複数の通風路隔壁の内、一部の通
風路隔壁にロータ本体と比重の異なる金属基複合材をバ
ランスして配置した。これは通風路形成用の中子に形成
された円周方向の等間隔位置における透孔部に強化材か
らなる埋め込みフォームをバランスして装着し、当該中
子を介して金属鋳造により、または中子を介してロータ
プリフォームを作製し、このロータプリフォームに金属
基を含浸させることにより製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレーキロータおよ
びその製造方法に係り、特に車輪とともに回転する際に
共振に伴う回転ノイズを低減できる構造のブレーキロー
タおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】自動車の制動に用いられているディスク
ブレーキ装置では、車輪にブレーキロータを取り付け、
これを一対の摩擦パッドで挟圧することで制動力を得る
ようにしている。ブレーキロータは材質の均一な材料を
用いて作製されているが、ブレーキロータが回転に伴っ
て振動することがあり、これがブレーキノイズの発生原
因となっていた。
【0003】すなわち、通常はブレーキロータは取り付
け中心に対して点対称に形成され円盤構造となっている
ため、取り付け中心を通る直径方向線の節を中心として
ロータ全体が振動板として作用し、共振してしまう問題
があった。例えば、図4に示しているように、ロータ平
面の一部が上方に他の一部が下方に向けて花びら状に振
動する挙動を生じ、同図(1)のように6節の振動モー
ドや同図(2)のように8節の振動モード等の挙動を示
してブレーキノイズを発生するのである。
【0004】このようなブレーキロータの振動防止の観
点から、ロータ肉厚を調整した構成も見られるが(実開
昭58−173840号公報)、実質的な振動抑制には
至っておらず、またロータの肉厚を調整することに伴う
パッド構造を変更しなけらばならないなどの別途な不具
合も生じていた。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、効
果的にロータ振動を抑制することができる構造としたブ
レーキロータとその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るブレーキロータは、第1に、ロータ内
部に放射状に通風路を形成したブレーキロータにおい
て、前記ロータ円周方向の等間隔位置に配置された複数
の通風路隔壁の内、一部の通風路隔壁に金属基複合材を
バランスさせて配置した構成とした。
【0007】第2には、ロータ内部に放射状に通風路を
形成したブレーキロータにおいて、前記ロータを金属基
複合材により形成するとともに、円周方向の等間隔位置
に配置された複数の通風路の内、一部の通風路隔壁に比
重の異なる金属基複合材をバランスさせて配置したこと
を特徴としている。
【0008】また、本発明に係るブレーキロータの製造
方法は、ロータ内部に放射状に通風路を形成したブレー
キロータの製造方法において、通風路形成用の中子に形
成された円周方向の等間隔位置における透孔部に強化材
からなる埋め込みフォームを装着し、当該中子を介して
ロータプリフォームを作製し、このロータプリフォーム
に金属基を含浸させることによりロータを製造するよう
にした。
【0009】
【作用】上記第1の構成によれば、ロータに放射状に形
成される通風路を区画している複数の通風路隔壁の内、
一部の通風路隔壁に金属基複合材をバランスさせて埋め
込み配置しており、この埋め込み位置の強度が変更され
るため、この内部抵抗によって正常なロータ振動の節を
基準とした振動運動を生起させることが抑制され、ノイ
ズの減衰率が高くなるのである。
【0010】第2の構成はロータを金属基複合材により
形成するが、この本体の金属基複合材と比重の異なる金
属基複合材を円周上の複数の位置に等間隔に配置された
複数の通風路隔壁の一部を選択して配置するため、ロー
タ全体の強度と振動の節と位置がずれている部分の強度
が異なるように設定でき、同様に振動抑制効果をもつも
のとなる。
【0011】そして、本願発明に係るブレーキロータの
製造方法によれば、ブレーキロータ用の中子に形成され
た通風路隔壁用の透孔部に、強化材からなる隔壁用フォ
ームを装着してロータプリフォームを作製し、このロー
タプリフォームに金属基を含浸させるようにしているた
め、比重の異なる隔壁を容易に形成でき、ロータ肉厚の
調整等が不要となる。すなわち、本発明に係るブレーキ
ロータの製造方法では、ロータをセラミックスフォーム
に金属を含浸させる構造とすべく、予めロータプリフォ
ームを成形するための予備成形時に、ロータ通風路隔壁
に相当する透孔が形成されている中子に対して、当該中
子の透孔にプリフォームを埋め込んでおき、この中子を
用いてロータプリフォームを作製し、埋め込みプリフォ
ーム付きで成形されたロータプリフォームに金属溶湯を
含浸させるようにしている。これにより、簡単にロータ
円周上の位置の放射状通風路の一部の強度を部分的に変
更することができる。部分的に強度が異なり、この位置
がロータ振動の節の生成位置と異なっていることで、花
びら状の振動抑制効果が得られ、ノイズ低減構造のブレ
ーキロータを簡単に成形することができるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るブレーキロ
ータおよびその製造方法の具体的実施の形態を図面を参
照して詳細に説明する。
【0013】図1は実施例に係るブレーキロータの構造
を示す平面図と側面図である。図示のように、このブレ
ーキロータ10はドーナツ盤状に中央を繰り抜いて形成
された一対の摩擦円板12、12を間隔を開けて対向さ
せ、両者の間に放射状に複数のフィン14を配列したも
ので、このフィン14が隔壁を構成し、これにより摩擦
円盤12、12間に多数の通風路16が放射状に形成さ
れている。いわゆるベンチレーテッドロータである。ま
た、円盤部分からなるロータ本体の中央部の片面側には
車輪への取り付け部とされるハット部20が形成されて
いる。
【0014】このようなブレーキロータ10において、
通風路隔壁をなすフィン14はロータ半径方向に沿って
形成され、これがロータ円周方向に一定間隔をあけて複
数設けられているが、この複数のフィン14の一部をロ
ータ基材の比重と異なるようにしている。この比重の異
なるフィン14Aは、図1においてハッチングで示して
おり、これは図示のように、円周方向に沿う等間隔位置
に配置された複数の通風路隔壁の一部を選択して配置し
ている。この配置位置をロータ固有振動節数と異ならせ
て配置するようにしている。すなわち、ロータ10は固
有振動数を有しており、共振する領域で図4に示したよ
うに6節あるいは8節の花びら状振動モードを示す。そ
こで、振動モードの節の部分を外すように、換言すれば
共振を防ぐように振動の節数と異なる数の異比重フィン
14Aが円周上等間隔となるように位置を選択して、当
該箇所を異比重フィン14A構造とするのである。
【0015】図1に示した例では、8箇所の等間隔とな
るフィン14Aを選択して、これを異比重構成としてい
る。このような例では、ロータ本体そのものはアルミニ
ウムやマグネシウム等の軽金属合金により形成し、フィ
ン14を部分的に選択して金属基複合材を配置するよう
にすれば、金属基中の強化材の存在によりロータ本体と
比重が異なる部分が形成され、振動防止効果が得られる
が、ロータ本体を金属基複合材により形成し、選択され
たフィンの金属基複合材の強化材配合割合をロータ本体
の配合と異なるようにしても同様に実現できる。この場
合には、ロータプリフォームを作製するとともに、選択
されたフィンのプリフォームを結合一体化し、金属溶湯
を含浸させればよい。プリフォームの強化材の配合割合
により比重が変るため、ロータプリフォームにおける強
化材配合率に対し、フィンに置かれるプリフォームの強
化材配合率を高く(比重が高い)、あるいは低く(比重
が低い)することで、所望の効果が得られる。
【0016】いま、ロータを金属基複合材により形成
し、フィンをこれとは異なる強化材配合割合とした金属
基複合材により形成する場合の、製造方法の詳細を以下
に説明する。
【0017】図2はロータプリフォームの成形工程の説
明図である。まず、フィンプリフォーム22を作製す
る。このフィンプリフォーム22はセラミックス材料を
用いて作成される。セラミックス材料としてはアルミナ
(Al23)、炭化珪素(SiC)等の周知の材料を1
種若しくは2種以上用いればよい。このセラミックス材
料は繊維、ウィスカ、粒子等のいずれの形態でもよい
が、成形性の観点からは粒子を用いることが望ましい。
したがって、例えば平均粒子径が30μmのアルミナ粉
末を用い、これを混合機でバインダを混合して分散さ
せ、これをフィン形状となるように、図示しない成形機
の金型にブローイングマシンで吹き込んでフィンプリフ
ォーム22を成形する。バインダとしてはケイ酸ソー
ダ、リン酸アルミ、コロイダルシリカ等を用いればよ
い。このとき、セラミックス材料の粒子径を適宜選定す
ることにより、任意に空孔率を調整することができ、セ
ラミック材料の体積含有率を調整することができる。こ
の体積含有率は後述するロータ本体のプリフォームの体
積含有率と異なるように設定し、高配合率あるいは逆に
低配合率とするようにしている。ブレーキロータに要求
される耐摩耗性と耐熱性の観点から、このフィンプリフ
ォーム22はセラミックス体積含有率が10〜60%の
範囲であって、ロータ本体のプリフォームと異なるよう
にすればよい。
【0018】このようなフィンプリフォーム22は1個
のブレーキロータ10に対して複数準備し、これがロー
タ円周方向に等間隔となるようにしている。図示の例で
は8個のフィンプリフォーム22を準備している。
【0019】一方、ブレーキロータ10の通風路16を
形成するための中子24が準備される。これは図2
(2)に示すように、輪切りれんこん状に形成された砂
型であり、摩擦円板12、12の間隔に相当する厚さを
有する円盤部24Cにフィン14を形成するための透孔
24Hを開口している。そして、この透孔24Hに対し
て前記フィンプリフォーム22を、等間隔となるよう
に、また形成されるブレーキロータ10の共振時の振動
の節数と異なる数だけ、装着するのである。図2(2)
はその装着状態を示し、ハッチング部がフィンプリフォ
ーム22の装着箇所である。
【0020】次に、ロータプリフォーム形成工程に移行
する。このロータプリフォーム成形のための金型26を
図2(3)に示している。これは上型26Aと下型26
Bとから構成され、内部にロータ形状に相当するキャビ
ティ26Cが形成されている。そして、このキャビティ
26Cに前記中子24を定位置に配置して固定し、上型
26Aに形成された吹き込み口26Dからプリフォーム
材料としてのセラミックスをブローイングマシンによっ
て吹き込み、所望のロータプリフォーム28を形成する
のである。用いられるセラミックス材料は上述したフィ
ンプリフォーム22と同様な材料である、アルミナ(A
23)、炭化珪素(SiC)等の周知の材料を1種若
しくは2種以上用いる。したがって、当該ロータプリフ
ォーム28にもアルミナ粉末を用い、これにバインダを
混合して分散させた材料を用い、これをキャビティ26
C内に吹き込み成形するのである。
【0021】成形されるロータプリフォーム28は、前
記フィンプリフォーム22におけるセラミックスの体積
含有率が異なるようにするものであり、これは本来的に
ロータ10に要求される剛性、耐熱性等によって任意に
定められる。セラミックス粒子の平均粒子径によって体
積含有率を変更することができ、フィンプリフォーム2
2に用いたセラミックス粒子の平均粒子径30μmより
大きくし、あるいは小さくすることで、最終的なブレー
キロータの部分比重をフィンプリフォーム22部分とロ
ータプリフォーム28部分とで異なるようにできる。ま
た、平均粒子径を同等とした場合には、例えばセラミッ
クス粒子中に発泡スチロール等の高温焼失材を添加する
ことによってセラミックス配合率を少なくするように調
整することも可能である。
【0022】このようにしてプリフォーム成形金型26
へのセラミックス材の吹き込み成形後に、金型26を分
離し、中子24を取り壊すことにより、ブレーキロータ
10と同等なロータプリフォーム28が完成するが、こ
れは図3に示すような形状となる。この完成したロータ
プリフォーム28は、全体としてそのプリフォーム成形
時に吹き込まれたセラミックス材料により決定される体
積含有率を有しているが、通風路16の隔壁に相当する
フィン相当フォームの一部(図3のハッチング部)は強
化材配合率の高い(あるいは低い)構成となっている。
すなわち、強化材の配合率がその部分だけ異なっている
のである。なお、上記フィンプリフォーム22とロータ
プリフォーム28の成形に際して、後工程での供給され
る溶融アルミニウムがセラミックスフォームの内部に含
浸することができるように、すなわちセラミックスへの
濡れ性を改善するために、フォーム成形前にセラミック
ス材料中にマグネシウム金属を0.5〜1.0重量%程
度混合させておくことが望ましい。
【0023】次いで、ロータプリフォーム28を炉にて
昇温し、ロータプリフォーム28内のバインダを焼失さ
せる。これは下記金属遮蔽材を塗布後、常温下にあるロ
ータプリフォーム28を乾燥炉に投入し、当該乾燥炉に
て徐々に昇温させることにより行うことができ、およそ
150℃にて焼失させることができる。ただ、後段の含
浸工程での温度に急激に昇温させることによってプリフ
ォーム28にクラックが入ることを防止すべく、徐々に
それ以上の温度まで加熱するようにしている。このよう
にして形成されたロータプリフォーム28の内部にはセ
ラミックスの含有率に対応する空隙が形成され、金属マ
トリックス充填空間となる。
【0024】このバインダ焼失後、前記フィンプリフォ
ーム22が一体に組み込まれて成形されたロータプリフ
ォーム28への金属溶湯の含浸操作を行う。この含浸操
作は従来の周知のMMC製造工程を用いることができる
が、この実施形態では、図3
【0025】(2)に示した遠心溶浸方式を用いるよう
にしている。これはロータプリフォーム28を回転さ
せ、遠心力により短時間で溶浸させるようにしたもので
ある。このため、回転駆動装置が設けられており、垂直
回転軸の上端部に固定した回転台30を有し、この回転
台30をモータ32により回転駆動可能としている。前
記ロータプリフォーム28を回転台30の上面部に載置
固定するようにしており、特にロータハット部の突出外
面を載置し、ハット部開口が上方に向けられるようにし
ている。このとき、ハット部の中心すなわちロータ中心
部を回転台30の回転中心に一致させている。
【0026】回転台30に設置されるロータプリフォー
ム28のハット部開口には、回転中心に沿ってハット部
内面に接合される注湯筒34が設けられている。この注
湯筒34はロータの金属基を構成するアルミニウム溶湯
の鋳込み部を形成するものであり、ハット部内径より充
分小径に形成された筒であり、ハット部開口面より上方
に立ち上げられている。そして、注湯筒34のプリフォ
ーム28への接合面がゲート部を構成するようにしてお
り、このため、接合面には金型剥離材の塗布層36を形
成させている。この剥離材からなるゲート部以外のプリ
フォーム28の外周面を金属遮蔽材38で被って、いわ
ゆる型を形成し、内部にアルミニウム金属あるいはその
合金を充填させた場合にこの遮蔽材38を到達最終障壁
面となるようにしている。この金属遮蔽材38は後工程
のアルミニウム充填・含浸に際して、溶融アルミニウム
に対する不透過性と通気性とが確保されればよく、微細
な鱗片状黒鉛をスラリー化剤を用いてスラリー状もしく
はペースト状として外表面に塗布し、これを乾燥して遮
蔽被膜を形成すればよい。
【0027】その後、このロータプリフォーム28を回
転台30に載置固定し、これを窒素ガス雰囲気で満たさ
れているとともに、基材金属としてのアルミニウム溶融
温度である約750〜850℃に昇温されている含浸炉
に投入するが、セラミックスフォームでの熱衝撃による
クラックの発生を防止するために、乾燥炉から徐々に昇
温させているので、これに引き続き上記溶浸温度まで徐
々に加熱するようにしている。その間に窒素雰囲気中に
晒される。余熱炉を経て含浸炉内に導入されたセラミッ
クフォーム28には、窒素ガスが金属遮蔽材38を通気
してセラミックスフォーム28内に侵入し、フォーム内
マグネシウム金属と化学結合して窒化マグネシウムが生
成され、これがセラミックス材料に対するアルミ合金の
濡れ性を改善する。
【0028】予熱炉から含浸炉に移行する段階で、セラ
ミックスフォーム28に接続された注湯筒34に対しア
ルミ合金溶湯を充填しつつ、回転台30を回転駆動す
る。これによりアルミ合金溶湯は遠心力作用によりフォ
ーム内空隙に侵入し、いわゆるマトリックス金属を形成
する。セラミックスフォームは常に回転状態にあるの
で、内部空隙へアルミ合金が迅速に含浸し、外表面の金
属遮蔽材との境界面に達して含浸が完了する。
【0029】以後は、含浸炉から排出される成形品を冷
却処理することにより、形成されたブレーキロータ10
はセラミックスフォーム28を内在した状態の金属基セ
ラミックス組織となる。セラミックス間空隙に侵入した
金属はいわゆる網目状金属配置のマトリックス金属基の
構造をなしている。冷却によって注湯筒内に残留してい
る固化金属はプリフォームとの界面部に剥離層36が塗
布されているため、アルミの熱収縮と相俟って簡単に分
離できる。
【0030】このような製造方法によって製造されたブ
レーキロータ10は、ロータ本体部分のプリフォームの
セラミックス配合率と、通風炉隔壁を構成するフィンの
内の円周方向に等間隔をおいて間歇的に配置されたフィ
ンプリフォームのセラミックス配合率が異なっているた
め、その部分での比重が異なっている。この結果、ブレ
ーキロータが共振した場合でも、その振動の節数と比重
相違部分の数とが異なっているため、これが振動抵抗と
なってロータの正常な振動を起こさせず、ノイズの発生
を抑制することができるのである。
【0031】また、図4(1)の振動モードの場合に
は、フィンあるいは通風路に配置する比重の異なるプリ
フォームの配置は、ロータ直径に対して線対称に図1〜
2に示すように配置することにより振動抑制効果が高
く、図4(2)に示す振動モードの場合には、ロータ円
周方向に120度の角度間隔で3ヵ所に奇数配置するこ
とが有効である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ロータ
内部に放射状に通風路を形成したブレーキロータにおい
て、前記ロータ円周方向の等間隔位置に配置された複数
の通風路隔壁の内、一部の通風路隔壁に金属基複合材を
バランスさせて配置した構造とし、また、ロータ内部に
放射状に通風路を形成したブレーキロータの製造方法に
おいて、通風路形成用の中子に形成された円周方向の等
間隔位置における透孔部に強化材からなる埋め込みフォ
ームを装着し、当該中子を介してロータプリフォームを
作製し、このロータプリフォームに金属基を含浸させる
ことによりロータを製造するようにしたので、ブレーキ
ロータの花びら状の振動に対する減衰効果を得ることが
でき、もってロータ振動に伴うノイズ発生を抑制するこ
とができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るブレーキロータの平面図および側
面図である。
【図2】ロータプリフォームの作製過程の説明図であ
る。
【図3】ロータプリフォームの斜視図およびロータプリ
フォームへの金属含浸工程の説明図である。
【図4】ロータの振動モードの説明図である。
【符号の説明】
10 ブレーキロータ 12 摩擦円板 14 フィン 14A 金属基複合材フィン 16 通風路 20 ハット部 22 フィンプリフォーム 24 中子 26 ロータプリフォーム成形金型 28 ロータプリフォーム 30 回転台 32 モータ 34 注湯筒 36 剥離材塗布層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ内部に放射状に通風路を形成した
    ブレーキロータにおいて、前記ロータ円周方向の等間隔
    位置に配置された複数の通風路隔壁の内、一部の通風路
    隔壁に金属基複合材をバランスさせて配置したことを特
    徴とするブレーキロータ。
  2. 【請求項2】 ロータ内部に放射状に通風路を形成した
    ブレーキロータにおいて、前記ロータを金属基複合材に
    より形成するとともに、円周方向の等間隔位置に配置さ
    れた複数の通風路の内、一部の通風路隔壁に比重の異な
    る金属基複合材をバランスさせて配置したことを特徴と
    するブレーキロータ。
  3. 【請求項3】 ロータ内部に放射状に通風路を形成した
    ブレーキロータの製造方法において、通風路形成用の中
    子に形成された円周方向の等間隔位置における透孔部に
    強化材からなる埋め込みフォームを装着し、当該中子を
    介してロータプリフォームを作製し、このロータプリフ
    ォームに金属基を含浸させることによりロータを製造す
    ることを特徴とするブレーキロータの製造方法。
JP18541696A 1996-06-26 1996-06-26 ブレーキロータおよびその製造方法 Withdrawn JPH109301A (ja)

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Cited By (7)

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