JPH105978A - 軽合金複合材の製造方法 - Google Patents

軽合金複合材の製造方法

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JPH105978A
JPH105978A JP18541596A JP18541596A JPH105978A JP H105978 A JPH105978 A JP H105978A JP 18541596 A JP18541596 A JP 18541596A JP 18541596 A JP18541596 A JP 18541596A JP H105978 A JPH105978 A JP H105978A
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preform
metal
pouring cylinder
furnace
molten metal
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Hisao Uei
久雄 上井
Takehisa Inoue
武久 井上
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無加圧浸透法による高強度複合材を製造する
に際して、プリフォームへの溶湯浸透時間を大幅に短縮
することができ、もって生産効率を向上させる。 【解決手段】 セラミックス材によりプリフォームを形
成し、このプリフォームを回転可能に支持しておき、前
記プリフォームの回転中心部に注湯筒を剥離材を介して
接続する。注湯筒との接続部を除くプリフォーム外周面
に金属遮蔽材の被膜層を形成し、当該プリフォームを回
転して注湯筒から軽金属溶湯を充填させ、プリフォーム
内に金属マトリックスを遠心力を利用して浸透促進して
形成する。また、プリフォームを回転枠内の回転円周上
に複数配置し、回転中心に鋳込み部を配置して、当該鋳
込み部から前記プリフォームに至るゲート部に高温焼失
材を形成し、前記プリフォームおよび高温焼失材の周囲
を囲むように回転枠内部にバックアップ材を充填して押
し固め、これらを高温雰囲気中において前記高温焼失材
を焼失させた後、前記回転枠を回転させて鋳込み部から
軽金属溶湯を充填させるようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽合金複合材の製造
方法に係り、特にアルミニウム等の軽合金を主体として
セラミックス強化材を複合させた軽合金複合材を短時間
で製造することができるようにした製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に各種機械部品には所望の剛性が要
求されると同時に、軽量化も要求されることが多い。こ
のような要求から例えば車両用のブレーキ部品としてア
ルミニウム若しくはその合金が用いられるようになって
いる。また、最近では軽合金にセラミックスからなる強
化材を複合した部品も見られ、特に耐摩耗性や耐熱性に
有効であることから有望視されている。
【0003】このような軽合金複合材を製造するため
に、従来から各種方法が提案されている。主な製造方法
として3種提案されており、第1はプリフォームを作成
しておき、これを高圧下で軽合金溶湯を含浸させる方法
であり、第2は溶湯の中に強化材を添加して鋳造する方
法、第3はプリフォームに無加圧で溶湯を浸透させる方
法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の方法は
高圧力のためにプリフォームに変形を生じやすく、強化
材の体積含有率を高くすることが困難であるという問題
がある。第2の方法は強化材の体積含有率を30%程度
以上に高くすると湯流れ性が極端に悪化し、鋳造が困難
となるため、高強度複合材を製造することが困難であ
る。第3の無加圧浸透法は、強化材の体積含有率には基
本的制限がなく、したがって高強度の複合材を製造する
ことができるが、プリフォームに溶湯が浸透するまでに
数時間を要して生産効率が悪いという問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、特
に無加圧浸透法による高強度複合材を製造するに際し
て、プリフォームへの溶湯浸透時間を大幅に短縮するこ
とができ、もって生産効率を向上させることができるよ
うにした軽合金複合材の製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る軽合金複合材の製造方法は、第1にセ
ラミックス材によりプリフォームを形成し、プリフォー
ムの回転中心部に注湯筒を剥離材を介して接続するとと
もに、注湯筒との接続部を除くプリフォーム外周面に金
属遮蔽材の被膜層を形成し、当該プリフォームを回転さ
せて前記注湯筒から軽金属溶湯を充填させ、プリフォー
ム内に金属マトリックスを浸透形成することを特徴とす
るものである。
【0007】また、第2に係る軽合金複合材の製造方法
は、セラミックス材によりプリフォームを形成し、この
プリフォームを回転枠内の回転円周上に複数配置し、回
転中心に鋳込み部を配置して、当該鋳込み部から前記プ
リフォームに至るゲート部に高温焼失材を形成し、前記
プリフォームおよび高温焼失材の周囲を囲むように回転
枠内部にバックアップ材を充填して押し固め、これらを
高温雰囲気中において前記高温焼失材を焼失させた後、
前記回転枠を回転させて鋳込み部から軽金属溶湯を充填
させ、プリフォーム内に金属マトリックスを浸透形成す
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上記第1の構成によれば、セラミックスプリフ
ォームを直接回転可能に支持しておき、プリフォームを
回転させつつプリフォームの回転中心部に立てた注湯筒
から溶湯が供給される。溶湯は回転遠心力によりプリフ
ォームとの接続面から溶浸され、プリフォーム前端に迅
速に含浸される。プリフォームは注湯筒の接続部以外は
金属遮蔽材により覆われており、一方注湯筒の立設接続
面は剥離材層が形成されているので、溶湯は剥離材を通
じてプリフォーム内に溶浸され、プリフォーム外周面を
区画している金属遮蔽材に達する全体に含浸されること
になる。これにより製品形状が複雑な場合でも金属マト
リックスは短時間で全体に均一に行き渡り、製造時間を
大幅に短縮することができる。
【0009】また、第2の構成によれば、回転枠内の回
転円周上に複数配置されたプリフォームの外周囲をバッ
クアップ材で保持しつつ、回転中心部に開口され前記プ
リフォームに至る注湯路を通じて溶湯を供給し、回転枠
を回転駆動しつつ遠心力により溶浸させることができ
る。これにより多数個取りが可能となるとともに、プリ
フォームの遠心力による割れ防止を図りつつ、金属マト
リックスの形成時間すなわち溶浸完了までの製造時間を
大幅に短縮することができる。これは特に薄肉製品の製
造に好適なものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る軽合金複合
材の製造方法の具体的実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。
【0011】本発明は種々の製品に応用可能であるが、
第1の実施形態としてディスクブレーキのロータを製造
する場合について図1を参照して説明する。アルミニウ
ム複合材ロータ(以下、アルミロータという)10は、
自動車の足廻りに組み込まれてディスクブレーキ装置を
構成しており、図1(1)に示しているように、摺動摩
擦板部12を有し、また車輪への取り付け部となるハッ
ト部14が設けられている。摺動摩擦板部12はブレー
キパッドにより頻繁に挟圧されるため、耐摩耗性、耐熱
性が要求される。このような観点から、ブレーキロータ
の実寸に相当するプリフォーム16をセラミックス材料
により形成しておき、これにアルミ合金を含浸させた金
属基マトリックス複合体(Metal Matrix
Composites:MMC)により製造する。
【0012】プリフォーム16はロータに対応する金型
を準備しておき、これにバインダ等を添加したセラミッ
クスをブローイングマシンで金型に吹き込むことにより
ロータ実寸でプリフォーム16を成形する。このプリフ
ォーム16におけるセラミックスの体積含有量は10〜
60%となるようにすればよい。セラミックスとして
は、SiC、Al23等のセラミックスの粒子、ウィス
カ、短繊維からなり、バインダで固めてプリフォームと
して成形する。プリフォームの空隙への金属含浸に際し
て、金属表面張力が含浸侵害の要因となるため、ヨーク
部フォームを窒化マグネシウムでコーティングして金属
溶湯の表面張力緩和をなすようにすることが望ましい。
このため、プリフォームの素材中にマグネシウム金属を
1重量%程度混合し、金属基としてのアルミニウム溶融
金属含浸に際して窒素雰囲気中で作業を行わせるように
すればよい。もちろん、プリフォームのセラミックス粒
子や繊維等の表面に窒化マグネシウムをCVDコーティ
ングする等の手法を採用することもできる。
【0013】このようにして作製されたプリフォーム1
6へのアルミニウム溶湯の含浸のために、プリフォーム
16を回転させ、遠心力により短時間で溶浸させるよう
にしている。このため、回転駆動装置18が設けられて
おり、垂直回転軸20の上端部に固定した回転台22を
有し、この回転台22をモータ24により回転駆動可能
としている。前記プリフォーム16を回転台22の上面
部に載置固定するようにしており、特にハット部14の
突出外面を載置し、ハット部開口が上方に向けられるよ
うにしている。このとき、ハット部14の中心すなわち
ロータ中心部を回転駆動装置18の回転中心に一致させ
ている。
【0014】このように設置されるプリフォーム16の
ハット部開口には、回転中心にハット部内面に接合され
る注湯筒26が設けられている。この注湯筒26はロー
タの金属基を構成するアルミニウム溶湯の鋳込み部を形
成するものであり、ハット部内径より充分小径に形成さ
れた筒であり、ハット部開口面より上方に立ち上げられ
ている。そして、注湯筒26のプリフォーム16への接
合面がゲート部を構成するようにしており、このため、
接合面には金型剥離材の塗布層28を形成させている。
この剥離材からなるゲート部以外のプリフォーム16の
外周面を金属遮蔽材30で被って、いわゆる型を形成
し、内部にアルミニウム金属あるいはその合金を充填さ
せた場合にこの遮蔽材30を到達最終障壁面となるよう
にしている。
【0015】このような製造手段を用いてアルミロータ
10を製造する方法を図2の製造工程フローチャートを
参照して具体的手順にしたがって説明する。
【0016】(A)プリフォーム成形工程(ステップ1
00) ロータ形状に相当するプリフォーム16はセラミックス
材料を用いて作成される。セラミックス材料としてはア
ルミナ(Al23)、炭化珪素(SiC)等の周知の材
料を1種若しくは2種以上用いればよい。このセラミッ
クス材料は繊維、ウィスカ、粒子等のいずれの形態でも
よいが、成形性の観点からは粒子を用いることが望まし
い。したがって、例えばアルミナ粉末を用い、これにバ
インダを混合して混合機にて混合分散させ、これを成形
機にてロータ形状となるように実寸でフォーム成形す
る。
【0017】バインダとしてはケイ酸ソーダ、リン酸ア
ルミ、コロイダルシリカ等を用いればよい。このとき、
セラミックス材料の粒子径を適宜選定することにより、
任意に空孔率を調整することができ、セラミック材料の
体積含有率を調整することができる。この体積含有率が
大きければ剛性や耐熱性は増すが、加工性も確保する必
要があるため靱性も必要である。このため、プリフォー
ム16は体積含有率が10〜60%が有効である。
【0018】フォーム成形に際しては、ロータ形状に相
当するキャビティが形成された型にバインダを分散させ
たセラミック材料をブローイングマシンにより金型に吹
き込むことにより充填して押し固める。そしてこれを型
に入れた状態で徐々に100〜400℃まで加熱し、プ
リフォーム16として作成する。この加熱温度はバイン
ダが焼失する温度でよく、一般的には150℃程度が望
ましい。すなわち、セラミックス材料とバインダとの混
合体が粉末状態で結合接着される程度の温度まで加熱し
て成形し、フォーム形状を実寸に保持させるのである。
このとき、後工程での溶融アルミニウムがプリフォーム
の素材表面への濡れ性を改善するために、フォーム成形
前にセラミックス材料中にマグネシウム金属を0.5〜
1.0重量%程度混合させる。
【0019】(B)金属遮蔽材の塗布工程(ステップ1
10) 注湯筒26の立設箇所を除き、プリフォーム16の外周
部に金属遮蔽材30を塗布してコーティング層を形成す
る。この金属遮蔽材30は後工程のアルミニウム充填・
含浸に際して、溶融アルミニウムに対する不透過性と通
気性とが確保されればよく、微細な鱗片状黒鉛をスラリ
ー化剤を用いてスラリー状もしくはペースト状として外
表面に塗布し、これを乾燥して遮蔽被膜を形成すればよ
い。そして、同時にプリフォーム16のハット部内面の
回転中心部に相当する箇所に剥離層28を塗布してお
く。
【0020】(C)注湯筒の接続工程(ステップ12
0) プリフォーム16のハット部内面に注湯筒26を立設す
る。この注湯筒26は鋳込み部としてプリフォーム16
に接続されるが、接続部は金型剥離材の塗布層28とす
るものである。そして、この注湯筒26の内容積はプリ
フォーム16への含浸量より多くなるように設定し、溶
浸不足となることがないようにしている。
【0021】(D)乾燥工程(ステップ130) プリフォーム16を炉にて昇温し、プリフォーム16内
のバインダを焼失させる。これは上記金属遮蔽材を塗布
後、常温下にあるプリフォーム16を乾燥炉に投入し、
当該乾燥炉にて徐々に昇温させることにより行われる
が、およそ150℃にて焼失させることができる。た
だ、後段の含浸工程での温度に急激に昇温させることに
よってプリフォーム16にクラックが入ることを防止す
べく、この乾燥炉では400℃まで徐々に加熱するよう
にしている。すなわち、この乾燥炉の移動中にセラミッ
クスフォーム内バインダを焼失させるようにしている。
形成されたプリフォーム16はロータと同等寸法とさ
れ、フォーム内部にはセラミックスの含有率に対応する
空隙が形成され、金属マトリックス充填空間となる。
【0022】(E)金属含浸工程(ステップ140) その後、このプリフォーム16を回転台22に載置固定
し、これを窒素ガス雰囲気で満たされているとともに、
基材金属としてのアルミニウム溶融温度である約750
〜850℃に昇温されている含浸炉に投入するが、セラ
ミックスフォームでの熱衝撃によるクラックの発生を防
止するために、最初に予熱炉を通すようにしている。し
たがって、予熱炉では先の乾燥炉にて400℃程度まで
昇温させているので、400℃から徐々に加熱するよう
にしている。その間に窒素雰囲気中に晒される。予熱炉
を経て含浸炉内に導入されたプリフォーム16には、窒
素ガスが金属遮蔽材30を通気してプリフォーム16内
に侵入し、フォーム内マグネシウム金属と化学結合して
窒化マグネシウムが生成され、これがセラミックス材料
に対するアルミ合金の濡れ性を改善する。
【0023】予熱炉から含浸炉に移行する段階で、プリ
フォーム16に接続された注湯筒26に対しアルミ合金
溶湯を充填しつつ、回転台22を回転駆動する。これに
よりアルミ合金溶湯は遠心力作用によりプリフォーム1
6内空隙に侵入し、いわゆるマトリックス金属を形成す
る。プリフォーム16は常に回転状態にあるので、内部
空隙へアルミ合金が迅速に含浸し、外表面の金属遮蔽材
との境界面に達して含浸が完了する。
【0024】(F)冷却仕上げ工程(ステップ150) 含浸炉から排出される成形品は次いで金属基材が固化す
るまで冷却処理するため冷却装置に供給される。ここで
金属は常温まで冷却され、ロータはプリフォーム16を
内在した状態の金属基セラミックス組織となる。セラミ
ックス間空隙に侵入した金属はいわゆる網目状金属配置
のマトリックス金属基の構造をなしている。冷却によっ
て注湯筒内に残留している固化金属はプリフォーム16
との界面部に剥離層28が塗布されているため、アルミ
の熱収縮と相俟って簡単に分離できる。
【0025】このような製造方法によれば、セラミック
スプリフォームに無加圧で軽合金溶湯を溶浸させるに際
して、プリフォームを回転支持し、回転中心に剥離材を
介して接続された注湯筒から遠心力で溶浸させるため、
溶浸時間が大幅に短縮でき、これによりプリフォームへ
の溶湯重量による遠心荷重負荷によるフォーム破壊を防
止しつつ、生産時間の短縮によるコスト低減を実現する
ことができる。
【0026】次に、軽合金複合材の多数個取りを本発明
により実現する方法を説明する。図3〜4はその説明図
である。
【0027】(A)プリフォーム成形工程 同一形状の部品に相当するプリフォーム44はロータプ
リフォームと同様にアルミナ(Al23)、炭化珪素
(SiC)等の周知の材料を1種若しくは2種以上のセ
ラミックス材料を用いて作成される。例えば、アルミナ
粉末を用い、これにケイ酸ソーダ、リン酸アルミ、コロ
イダルシリカ等のバインダを混合して分散させ、これを
製造部品形状となるように実寸で複数(実施例では4
個)のフォーム成形する。このとき、後工程での供給さ
れる溶融アルミニウムがセラミックスフォームの内部に
含浸することができるように、すなわちセラミックスへ
の金属濡れ性を改善するために、フォーム成形前にセラ
ミックス材料中にマグネシウム金属を0.5〜1.0重
量%程度混合させる。
【0028】(B)鋳込み部およびゲート部フォーム形
成工程 複数作製されたプリフォームを同一円周上に位置するよ
うに配置し、配置円の中心部に鋳込み部が、またこの鋳
込み部から放射状に伸びて各プリフォームに接続される
ゲート部を発泡スチロールやワックス等の高温で揮発す
る材料で成形する。これは図3(1)に示すように、鋳
込み部発泡スチロール46と、この下部にて放射上に伸
びる4本のゲート部発泡スチロール48とを一体に形成
する。ゲート部発泡スチロール48の先端部に製品プリ
フォーム44とゲート部発泡スチロール48をバインダ
で接合した後、外周部に浸透を止める金属遮蔽材50の
コーティング材を塗布する。この金属遮蔽材50は後工
程のアルミニウム充填・含浸に際して、溶融アルミニウ
ムに対する不透過性があるが通気性を確保すればよく、
微細な鱗片状黒鉛をスラリー化剤を用いてスラリー状も
しくはペースト状として外表面に塗布し、これを乾燥し
て遮蔽被膜型を形成すればよい。
【0029】(D)回転枠への据付け工程 回転台22に設置される回転枠52の内部にてプリフォ
ームおよび高温焼失材からなる一体物を配置し、その周
囲をバックアップ材54により保持する。バックアップ
材54は通気性を考慮し、ケイ砂等1000℃前後の温
度でも耐えられる材料を使用する。その粒径は0.5〜
3mm程度が良好である。
【0030】(E)乾燥工程 次に、内部にセットされた回転枠52を常温から400
℃まで徐々に上昇させて、プリフォームを乾燥、すなわ
ち水分を除去するとともに、ゲート部及び鋳込み部を揮
発させる。すなわち、プリフォームと高温焼失材を組合
わせたフォームを炉にて昇温し、バインダを焼失させ
る。これは上記金属遮蔽材を塗布後、常温下にあるキャ
リパボディフォームを乾燥炉に投入し、当該乾燥炉にて
徐々に400℃まで加熱し、これによってプリフォーム
内バインダを焼失させるようにしている。これによっ
て、図3(2)に示すように、鋳込み部56とゲート部
58が開口通路となり、バックアップ材54の内部に配
置されたプリフォーム44内部にはセラミックスの含有
率に対応する空隙が形成され、金属マトリックス充填空
間となる。
【0031】(E)金属含浸工程 その後、図4(2)に示すように、このセラミックスプ
リフォームを内蔵した回転枠52を回転台22に載置固
定し、これを窒素ガス雰囲気で満たされているととも
に、基材金属としてのアルミニウム溶融温度である約7
00〜800℃に昇温されている含浸炉に投入するが、
プリフォームでの熱衝撃によるクラックの発生を防止す
るために、最初に予熱炉を通すようにしている。したが
って、予熱炉では先の乾燥炉にて400℃程度まで昇温
させているので、400℃から徐々に加熱するようにし
ている。その間に窒素雰囲気中に晒される。
【0032】予熱炉から含浸炉に移行する段階で、プリ
フォームに接続された鋳込み部56に対しアルミ合金溶
湯を充填しつつ、回転台22を回転駆動する。ここでの
加熱温度は鋳造合金によって異なるが、JIS合金AC
4Cを鋳込む場合、鋳造温度は700〜730℃であ
る。この時、回転枠22の加熱温度は750〜780℃
が適当である。つまり回転枠の加熱温度は合金の鋳造温
度より20℃〜80℃高いことが好ましい。これにより
アルミ合金溶湯は遠心力作用によりフォーム内空隙に侵
入し、いわゆるマトリックス金属を形成する。プリフォ
ームは常に回転状態にあるので、内部空隙へアルミ合金
が迅速に含浸し、外表面の金属遮蔽材との境界面に達し
て含浸が完了する。回転鋳造する際、回転枠52を最初
は50RPM程度で回転させ、徐々に回転数を上昇させ
る。最終回転数は製品の形状により異なるが、製品肉厚
30mm、重量1kg程度の物で4個取りとした場合、
250RPMが適当であった。
【0033】(F)冷却仕上げ工程 含浸炉から排出される成形品は次いで金属基材が固化す
るまで冷却処理するため冷却装置に供給される。ここで
金属は常温まで冷却され、製造された部品はプリフォー
ムを内在した状態の金属基セラミックス組織となる。セ
ラミックス間空隙に侵入した金属はいわゆる網目状金属
配置のマトリックス金属基である。
【0034】このように、鋳造後遠心力を与えることに
より、浸透時間が短縮され、経済的にも有効であり、コ
ストダウンが図れる。なお、鋳造合金はアルミミウム、
マグネシウム、銅、チタン等の金属を対象とすることが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る軽合
金複合材の製造方法によれば、セラミックスプリフォー
ムに軽金属を溶浸させてMMC製品を製造するに際し
て、直接プリフォームを回転させ、あるいはバックアッ
プ材を用いた回転枠に複数配置して回転させつつ、溶湯
を遠心溶浸させるようにしているため、浸透時間が大幅
に短縮され、製造コストの大幅低減を可能にできる効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキロータの斜視図と含浸工程を示す断面
図である。
【図2】製造工程のフローチャートである。
【図3】第2の実施形態における鋳込み部・ゲート部と
製品プリフォームの関係を示す斜視図、および回転枠へ
の装着状態の断面図である。
【図4】第2の実施形態の含浸工程を示す平面図と断面
図である。
【符号の説明】
10 ロータ 12 摺動摩擦板部 14 ハット部 16 プリフォーム 18 回転駆動装置 20 垂直回転軸 22 回転台 24 モータ 26 注湯筒 28 剥離材塗布層 30 金属遮蔽材 44 製品プリフォーム 46 鋳込み部発泡スチロール 48 ゲート部発泡スチロール 50 金属遮蔽材 52 回転枠 54 バックアップ材 56 鋳込み部 58 ゲート部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス材によりプリフォームを形
    成し、プリフォームの回転中心部に注湯筒を剥離材を介
    して接続するとともに、注湯筒との接続部を除くプリフ
    ォーム外周面に金属遮蔽材の被膜層を形成し、当該プリ
    フォームを回転させて前記注湯筒から軽金属溶湯を充填
    させ、プリフォーム内に金属マトリックスを浸透形成す
    ることを特徴とする軽合金複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス材によりプリフォームを形
    成し、このプリフォームを回転枠内の回転円周上に複数
    配置し、回転中心に鋳込み部を配置して、当該鋳込み部
    から前記プリフォームに至るゲート部に高温焼失材を形
    成し、前記プリフォームおよび高温焼失材の周囲を囲む
    ように回転枠内部にバックアップ材を充填して押し固
    め、これらを高温雰囲気中において前記高温焼失材を焼
    失させた後、前記回転枠を回転させて鋳込み部から軽金
    属溶湯を充填させ、プリフォーム内に金属マトリックス
    を浸透形成することを特徴とする軽合金複合材の製造方
    法。
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