JP2003253308A - アルミニウム基複合材料の製造方法 - Google Patents
アルミニウム基複合材料の製造方法Info
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- JP2003253308A JP2003253308A JP2002060502A JP2002060502A JP2003253308A JP 2003253308 A JP2003253308 A JP 2003253308A JP 2002060502 A JP2002060502 A JP 2002060502A JP 2002060502 A JP2002060502 A JP 2002060502A JP 2003253308 A JP2003253308 A JP 2003253308A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】一つの成形方法で低いセラミックス体積含有率
(15%)から高いセラミックス体積含有率(70%)
まで広範囲にわたって複合させることができるアルミニ
ウム基複合材料の製造方法を提供すること。 【解決手段】セラミックス粉末とアルミニウム粉末とを
攪拌混合しバインダーを添加した後、押し固めてプリフ
ォーム体を成形し、該プリフォーム体にアルミニウム溶
融金属を含浸侵入させる。セラミックス粉末量に対する
アルミニウム粉末量を調整することによりアルミニウム
基複合材料のセラミックス体積含有率を可変とすること
ができる。
(15%)から高いセラミックス体積含有率(70%)
まで広範囲にわたって複合させることができるアルミニ
ウム基複合材料の製造方法を提供すること。 【解決手段】セラミックス粉末とアルミニウム粉末とを
攪拌混合しバインダーを添加した後、押し固めてプリフ
ォーム体を成形し、該プリフォーム体にアルミニウム溶
融金属を含浸侵入させる。セラミックス粉末量に対する
アルミニウム粉末量を調整することによりアルミニウム
基複合材料のセラミックス体積含有率を可変とすること
ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム基複
合材料の製造方法に係り、特にアルミニウム基材にセラ
ミックス強化材を任意の体積含有率で複合させたアルミ
ニウム基複合材料の製造方法に関する。
合材料の製造方法に係り、特にアルミニウム基材にセラ
ミックス強化材を任意の体積含有率で複合させたアルミ
ニウム基複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の軽量化や省エネルギー
の見地から、これに組み込まれる部品の軽量化が望まれ
ている。一方、かかる部品はその用途に応じて耐熱性、
耐摩耗性、加工性、耐久性等の各種の性能が要求され
る。そこで、かかる要求を満足すべく、アルミニウム基
材にセラミックス強化材を含有させたアルミニウム基複
合材料が開発されている。
の見地から、これに組み込まれる部品の軽量化が望まれ
ている。一方、かかる部品はその用途に応じて耐熱性、
耐摩耗性、加工性、耐久性等の各種の性能が要求され
る。そこで、かかる要求を満足すべく、アルミニウム基
材にセラミックス強化材を含有させたアルミニウム基複
合材料が開発されている。
【0003】そして、このようなセラミックス強化材を
含有させたアルミニウム基複合材料の製造方法として、
アルミニウム溶湯中にセラミックスの強化粒子を添加
し、これを製品形状になるように鋳造する方法、あるい
はアルミニウム粉末にセラミックス粉末を添加し、加圧
焼成して製品形状に仕上げる粉末焼成成形法が一般的に
知られている。また、金型内にセラミックスの予備成形
体(プリフォーム体)をセットしておき、溶融アルミを
用いて高圧で鋳造してプリフォーム体の含浸空隙にアル
ミニウムを浸透させる加圧鋳造法や、製品形状に合わせ
てセラミックス粉末プレス成形してプリフォーム体を製
作しておき、アルミニウムが溶融している含浸炉にプリ
フォーム体を投入しプリフォーム体の含浸空隙にアルミ
ニウムを浸透させる非加圧浸透法等も採用されている。
含有させたアルミニウム基複合材料の製造方法として、
アルミニウム溶湯中にセラミックスの強化粒子を添加
し、これを製品形状になるように鋳造する方法、あるい
はアルミニウム粉末にセラミックス粉末を添加し、加圧
焼成して製品形状に仕上げる粉末焼成成形法が一般的に
知られている。また、金型内にセラミックスの予備成形
体(プリフォーム体)をセットしておき、溶融アルミを
用いて高圧で鋳造してプリフォーム体の含浸空隙にアル
ミニウムを浸透させる加圧鋳造法や、製品形状に合わせ
てセラミックス粉末プレス成形してプリフォーム体を製
作しておき、アルミニウムが溶融している含浸炉にプリ
フォーム体を投入しプリフォーム体の含浸空隙にアルミ
ニウムを浸透させる非加圧浸透法等も採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来採
用されているセラミックス強化材を含有させたアルミニ
ウム基複合材料の製造方法のうち、アルミニウム溶湯中
にセラミックスの強化粒子を添加して製品を鋳造する方
法は、添加する強化粒子の比重がアルミニウムの比重
(2.7)と離れていると、添加粒子が均一に分散され
ず所期の性能を発揮する部品を得ることができず、添加
粒子の種類が制限されるという問題点があり、その上セ
ラミックス強化粒子の添加量を増やしてセラミックス含
有率を20%以上に上げようとすると、溶湯がシャーベ
ット状となり、鋳造できなくなる欠点を有していた。ま
た、粉末焼成成形法においては、加圧焼成する関係か
ら、平板とか丸棒等の単純形状の製品しか扱えなかっ
た。
用されているセラミックス強化材を含有させたアルミニ
ウム基複合材料の製造方法のうち、アルミニウム溶湯中
にセラミックスの強化粒子を添加して製品を鋳造する方
法は、添加する強化粒子の比重がアルミニウムの比重
(2.7)と離れていると、添加粒子が均一に分散され
ず所期の性能を発揮する部品を得ることができず、添加
粒子の種類が制限されるという問題点があり、その上セ
ラミックス強化粒子の添加量を増やしてセラミックス含
有率を20%以上に上げようとすると、溶湯がシャーベ
ット状となり、鋳造できなくなる欠点を有していた。ま
た、粉末焼成成形法においては、加圧焼成する関係か
ら、平板とか丸棒等の単純形状の製品しか扱えなかっ
た。
【0005】一方、浸透法のうち加圧鋳造法でアルミニ
ウム基複合材料を造る場合は、圧力をかけるので、セラ
ミックス含有量の高いプリフォーム体は鋳造時にクラッ
クの発生や変形が起こり易く、セラミックス体積含有率
の高いアルミニウム基複合材料を得ることができなかっ
た。更に、比較的厚肉のプリフォーム体では奥の方まで
完全にアルミニウムが浸透しない未浸透現象も生じる恐
れもあった。
ウム基複合材料を造る場合は、圧力をかけるので、セラ
ミックス含有量の高いプリフォーム体は鋳造時にクラッ
クの発生や変形が起こり易く、セラミックス体積含有率
の高いアルミニウム基複合材料を得ることができなかっ
た。更に、比較的厚肉のプリフォーム体では奥の方まで
完全にアルミニウムが浸透しない未浸透現象も生じる恐
れもあった。
【0006】また、非加圧浸透法においては、セラミッ
クス体積含有率が30%から70%程度のものまでは製
作することが可能であるが、セラミックス体積含有率が
30%以下のものを造ろうとすると、プリフォーム体の
強度が低下(3Kg/cm2以下となる)して形状保持
が困難となり、粒子径の大きな強化材を用いなくてはな
らず、複雑な形状のフォーム成形は無理であった。
クス体積含有率が30%から70%程度のものまでは製
作することが可能であるが、セラミックス体積含有率が
30%以下のものを造ろうとすると、プリフォーム体の
強度が低下(3Kg/cm2以下となる)して形状保持
が困難となり、粒子径の大きな強化材を用いなくてはな
らず、複雑な形状のフォーム成形は無理であった。
【0007】このようにセラミックス強化材を含有させ
たアルミニウム基複合材料の製造方法は種々あるが、広
範囲にわたってセラミックス体積含有率を複合させるア
ルミニウム基複合材料の製造方法はなく、部品の要求さ
れる性能に応じて最適な製造方法を選択するようにして
いた。
たアルミニウム基複合材料の製造方法は種々あるが、広
範囲にわたってセラミックス体積含有率を複合させるア
ルミニウム基複合材料の製造方法はなく、部品の要求さ
れる性能に応じて最適な製造方法を選択するようにして
いた。
【0008】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、一つの成形方法で低いセラミックス体積
含有率(15%)から高いセラミックス体積含有率(7
0%)まで広範囲にわたって複合させることができるア
ルミニウム基複合材料の製造方法を提供することを目的
とする。
されたもので、一つの成形方法で低いセラミックス体積
含有率(15%)から高いセラミックス体積含有率(7
0%)まで広範囲にわたって複合させることができるア
ルミニウム基複合材料の製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のアルミニウム基複合材料の製造方法は、セ
ラミックス粉末とアルミニウム粉末とを攪拌混合しバイ
ンダーを添加した後、押し固めてプリフォーム体を成形
し、該プリフォーム体にアルミニウム溶融金属を含浸侵
入させる方法にある。これによれば、セラミックス体積
含有率が30%以下のアルミニウム基複合材料を造る場
合でも、プリフォーム体の強度が低下することなく形状
保持がしっかりと保てるので、セラミックス強化材を広
範囲にわたって含有させることができる。
に、本発明のアルミニウム基複合材料の製造方法は、セ
ラミックス粉末とアルミニウム粉末とを攪拌混合しバイ
ンダーを添加した後、押し固めてプリフォーム体を成形
し、該プリフォーム体にアルミニウム溶融金属を含浸侵
入させる方法にある。これによれば、セラミックス体積
含有率が30%以下のアルミニウム基複合材料を造る場
合でも、プリフォーム体の強度が低下することなく形状
保持がしっかりと保てるので、セラミックス強化材を広
範囲にわたって含有させることができる。
【0010】本発明のアルミニウム基複合材料の製造方
法は、前記セラミックス粉末量に対するアルミニウム粉
末量を調整することによりアルミニウム基複合材料のセ
ラミックス体積含有率を可変とすることが好ましい。こ
のようにすれば、セラミックス体積含有率が異なる各種
のアルミニウム基複合材料を容易に得られる。
法は、前記セラミックス粉末量に対するアルミニウム粉
末量を調整することによりアルミニウム基複合材料のセ
ラミックス体積含有率を可変とすることが好ましい。こ
のようにすれば、セラミックス体積含有率が異なる各種
のアルミニウム基複合材料を容易に得られる。
【0011】本発明のアルミニウム基複合材料の製造方
法は、前記セラミックス粉末量に対する前記アルミニウ
ム粉末量の混合割合が異なる複数のプリフォーム体を組
合せた後、該複数のプリフォーム体にアルミニウム溶融
金属を含浸侵入させることが好ましい。このようにすれ
ば、一つの部品において、要求される性能が各部分で異
なる場合でも、その要求される性能を満足するようなセ
ラミックス体積含有が異なる部品を容易に製作すること
ができる。
法は、前記セラミックス粉末量に対する前記アルミニウ
ム粉末量の混合割合が異なる複数のプリフォーム体を組
合せた後、該複数のプリフォーム体にアルミニウム溶融
金属を含浸侵入させることが好ましい。このようにすれ
ば、一つの部品において、要求される性能が各部分で異
なる場合でも、その要求される性能を満足するようなセ
ラミックス体積含有が異なる部品を容易に製作すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は種々の製品に応用可能で
あるが、以下、ブレーキロータの具体的製法について図
1乃至図4に基づいて説明する。図1はブレーキロータ
の分解斜視図であり、図2は本発明のアルミニウム基複
合材料の製造方法の工程説明図であり、図3はブレーキ
ロータのプリフォーム体であり、図4は本発明のアルミ
ニウム基複合材料の製造過程における組織を模式的に表
したもので、(a)はプリフォーム形成時、(b)は溶
融アルミニウム侵入時、(c)アルミニウム複合材料製
造時を表している。
あるが、以下、ブレーキロータの具体的製法について図
1乃至図4に基づいて説明する。図1はブレーキロータ
の分解斜視図であり、図2は本発明のアルミニウム基複
合材料の製造方法の工程説明図であり、図3はブレーキ
ロータのプリフォーム体であり、図4は本発明のアルミ
ニウム基複合材料の製造過程における組織を模式的に表
したもので、(a)はプリフォーム形成時、(b)は溶
融アルミニウム侵入時、(c)アルミニウム複合材料製
造時を表している。
【0013】図1に示すように、ブレーキロータ1はパ
ッド摺動面部2とハット部3で構成され、パッド摺動面
部2はブレーキパッドにより頻繁に強圧されるので、耐
摩耗性や耐熱性が要求される。一方、ハット部3は車輪
への取付部となるので、加工性、割れ耐久性及び疲労強
度性が高いことが要求される。
ッド摺動面部2とハット部3で構成され、パッド摺動面
部2はブレーキパッドにより頻繁に強圧されるので、耐
摩耗性や耐熱性が要求される。一方、ハット部3は車輪
への取付部となるので、加工性、割れ耐久性及び疲労強
度性が高いことが要求される。
【0014】このため、図2の手順100aにおいて、
パッド摺動面部2は、その仕上げ時においてセラミック
ス体積含有率が40%程度になるように、セラミックス
粉末量を多くしてアルミニウム粉末と攪拌混合する。こ
れに対し手順100bにおいてハット部3は、仕上げ時
においてセラミックス体積含有率が15%程度になるよ
うに、アルミニウム粉末量に対しセラミックス粉末量を
少なくして攪拌混合する。
パッド摺動面部2は、その仕上げ時においてセラミック
ス体積含有率が40%程度になるように、セラミックス
粉末量を多くしてアルミニウム粉末と攪拌混合する。こ
れに対し手順100bにおいてハット部3は、仕上げ時
においてセラミックス体積含有率が15%程度になるよ
うに、アルミニウム粉末量に対しセラミックス粉末量を
少なくして攪拌混合する。
【0015】アルミニウム粉末量に対しセラミックス粉
末量をどの程度にすれば所要のセラミックス体積含有率
を有するアルミニウム基複合材料となるかは、アルミナ
とか炭化珪素といったセラミックス粉末の種類、セラミ
ックス粉末材とアルミニウム粉末材の粒径や粒度分布、
バインダーの比率及びプリフォーム体形成時の成型圧力
等により変わるので、予め製作した実験データに基づい
て決定している。
末量をどの程度にすれば所要のセラミックス体積含有率
を有するアルミニウム基複合材料となるかは、アルミナ
とか炭化珪素といったセラミックス粉末の種類、セラミ
ックス粉末材とアルミニウム粉末材の粒径や粒度分布、
バインダーの比率及びプリフォーム体形成時の成型圧力
等により変わるので、予め製作した実験データに基づい
て決定している。
【0016】次に図2の手順101aにて、攪拌混合し
たパッド摺動面部用の粉末にバインダー混入し、金型を
用いて図1で示したパッド摺動面部2となるようにプレ
ス成形したプリフォーム体を2つ製作する。同様に手順
101bにて、攪拌混合したハット部用の粉末にバイン
ダー混入し、金型を用いて図1で示したハット部3とな
るようにプレス成形したプリフォーム体を製作する。図
4(a)はセラミックス体積含有率を15%有するアル
ミニウム基複合材料を製造するときのハット部のプリフ
ォーム体の組織図であり、重量含有率でセラミックス粉
末53wt%、アルミニウム粉末(斜線部)45wt
%、バインダー2wt%とし、成形圧力を10Kgf/
cm2とした場合のものを模式的に表している。
たパッド摺動面部用の粉末にバインダー混入し、金型を
用いて図1で示したパッド摺動面部2となるようにプレ
ス成形したプリフォーム体を2つ製作する。同様に手順
101bにて、攪拌混合したハット部用の粉末にバイン
ダー混入し、金型を用いて図1で示したハット部3とな
るようにプレス成形したプリフォーム体を製作する。図
4(a)はセラミックス体積含有率を15%有するアル
ミニウム基複合材料を製造するときのハット部のプリフ
ォーム体の組織図であり、重量含有率でセラミックス粉
末53wt%、アルミニウム粉末(斜線部)45wt
%、バインダー2wt%とし、成形圧力を10Kgf/
cm2とした場合のものを模式的に表している。
【0017】この後、手順102に進んで、図3に示す
ように、パッド摺動面部のプリフォーム体2A,2Bと
ハット部のプリフォーム体3Aを組合せる。
ように、パッド摺動面部のプリフォーム体2A,2Bと
ハット部のプリフォーム体3Aを組合せる。
【0018】この組合わされたプリフォーム体を、窒素
ガス雰囲気中で型保持部材に載置固定して、基材金属と
してのアルミニウム溶融温度である約700℃から90
0℃に昇温されている含浸炉に投入する手順104の含
浸処理工程に進む前に、熱衝撃によるプリフォーム体の
クラック発生を防ぐために、手順103にて予備炉で徐
加熱をする。
ガス雰囲気中で型保持部材に載置固定して、基材金属と
してのアルミニウム溶融温度である約700℃から90
0℃に昇温されている含浸炉に投入する手順104の含
浸処理工程に進む前に、熱衝撃によるプリフォーム体の
クラック発生を防ぐために、手順103にて予備炉で徐
加熱をする。
【0019】手順104の含浸処理工程においては、ア
ルミニウム溶融金属が毛細管現象によりプリフォーム体
の含浸空隙に侵入し、図4(b)に示すような溶融アル
ミニウムとセラミックスとの複合組織が得られる。
ルミニウム溶融金属が毛細管現象によりプリフォーム体
の含浸空隙に侵入し、図4(b)に示すような溶融アル
ミニウムとセラミックスとの複合組織が得られる。
【0020】最後に、手順105で、含浸炉から取り出
された成型品は、金属基材が固化するまで冷却工程に供
給され、製品として仕上げられる。固化後の金属組織
は、図4(c)に示すようにマトリックス金属を形成す
る。
された成型品は、金属基材が固化するまで冷却工程に供
給され、製品として仕上げられる。固化後の金属組織
は、図4(c)に示すようにマトリックス金属を形成す
る。
【0021】このように、ブレーキロータにおいて、パ
ッド摺動面部はセラミックス体積含有率が40%となる
アルミニウム基複合材料として耐摩耗性や耐熱性の向上
を図り、ハット部はセラミックス体積含有率が15%と
なるアルミニウム基複合材料として加工性、割れ耐久性
及び疲労強度性の向上を図ったものを非加圧浸透法だけ
で製作することが可能となった。
ッド摺動面部はセラミックス体積含有率が40%となる
アルミニウム基複合材料として耐摩耗性や耐熱性の向上
を図り、ハット部はセラミックス体積含有率が15%と
なるアルミニウム基複合材料として加工性、割れ耐久性
及び疲労強度性の向上を図ったものを非加圧浸透法だけ
で製作することが可能となった。
【0022】上記実施例ではブレーキロータを例示して
説明してきたが、図5のブレーキキャリパの側断面図に
示すように、高剛性を必要とするキャリパ部10をセラ
ミックス体積含有率が50%となるアルミニウム基複合
材料で、そして加工性を要求されるシリンダ部12は、
セラミックス体積含有率が15%となるアルミニウム基
複合材料で一体に製作することも可能である。
説明してきたが、図5のブレーキキャリパの側断面図に
示すように、高剛性を必要とするキャリパ部10をセラ
ミックス体積含有率が50%となるアルミニウム基複合
材料で、そして加工性を要求されるシリンダ部12は、
セラミックス体積含有率が15%となるアルミニウム基
複合材料で一体に製作することも可能である。
【0023】図6(a)はセラミックス体積含有率(以
下Vfとする)が14.8%から37%まで変化すると
きの引っ張り強度と伸び率の実験データを示したグラフ
であり、図6(b)はそのときのセラミックス体積含有
率Vfが37%、33.8%、22.2%及び14.8
%の時のミクロ組織図の写真であり、黒色がセラミック
ス、白色がアルミニウムを表している。
下Vfとする)が14.8%から37%まで変化すると
きの引っ張り強度と伸び率の実験データを示したグラフ
であり、図6(b)はそのときのセラミックス体積含有
率Vfが37%、33.8%、22.2%及び14.8
%の時のミクロ組織図の写真であり、黒色がセラミック
ス、白色がアルミニウムを表している。
【0024】Vfが37%の場合は伸び率は低く、引っ
張り強度は230MPa程度あり比較的高い。ミクロ組
織はアルミニウムもセラミックスも細かい状態で均等に
分散されている。Vfが33.8%、22.2%となる
に従って、引っ張り強度は下がり伸び率が上昇してくる
のがわかる。ミクロ組織は、アルミニウムの分布割合が
増え、セラミックスの固まりに大小のばらつきが出てく
る。Vfが14.8%では、引っ張り強度は低下しない
が伸び率が大きくなるのがわかる。組織的にはアルミニ
ウムがセラミックスの間をマトリックス状に隈無く入り
込んでいる状態がわかる。
張り強度は230MPa程度あり比較的高い。ミクロ組
織はアルミニウムもセラミックスも細かい状態で均等に
分散されている。Vfが33.8%、22.2%となる
に従って、引っ張り強度は下がり伸び率が上昇してくる
のがわかる。ミクロ組織は、アルミニウムの分布割合が
増え、セラミックスの固まりに大小のばらつきが出てく
る。Vfが14.8%では、引っ張り強度は低下しない
が伸び率が大きくなるのがわかる。組織的にはアルミニ
ウムがセラミックスの間をマトリックス状に隈無く入り
込んでいる状態がわかる。
【0025】このように、アルミニウム粉末量とセラミ
ックス粉末量を調整することにより、要求される物品の
性能に見合ったセラミックス体積含有率を複合したアル
ミニウム基複合材料を非加圧浸透法で得ることができ
る。なお、本実施例では、混合割合の異なるプリフォー
ム体は、単に組合せた後に含浸されるアルミニウムによ
ってこれらが一体化されたが、それらのプリフォーム体
を接着剤により前もって結合しても良い。
ックス粉末量を調整することにより、要求される物品の
性能に見合ったセラミックス体積含有率を複合したアル
ミニウム基複合材料を非加圧浸透法で得ることができ
る。なお、本実施例では、混合割合の異なるプリフォー
ム体は、単に組合せた後に含浸されるアルミニウムによ
ってこれらが一体化されたが、それらのプリフォーム体
を接着剤により前もって結合しても良い。
【0026】
【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。
【0027】(a)請求項1項の発明によれば、セラミ
ックス体積含有率が30%以下のアルミニウム基複合材
料を造る場合でも、プリフォーム体の強度が低下するこ
となく形状保持がしっかりと保てるので、セラミックス
強化材を広範囲にわたって含有させることができる。
ックス体積含有率が30%以下のアルミニウム基複合材
料を造る場合でも、プリフォーム体の強度が低下するこ
となく形状保持がしっかりと保てるので、セラミックス
強化材を広範囲にわたって含有させることができる。
【0028】(b)請求項2項の発明によれば、セラミ
ックス体積含有率が異なる各種のアルミニウム基複合材
料を容易に得られる。
ックス体積含有率が異なる各種のアルミニウム基複合材
料を容易に得られる。
【0029】(c)請求項3項の発明によれば、一つの
部品において、要求される性能が各部分で異なる場合で
も、その要求される性能を満足するようなセラミックス
体積含有が異なる部品を容易に製作することができる。
部品において、要求される性能が各部分で異なる場合で
も、その要求される性能を満足するようなセラミックス
体積含有が異なる部品を容易に製作することができる。
【図1】ブレーキロータの分解斜視図である。
【図2】本発明のアルミニウム基複合材料の製造方法の
工程説明図である。
工程説明図である。
【図3】ブレーキロータのプリフォーム体である。
【図4】本発明のアルミニウム基複合材料の製造過程に
おける組織を模式的に表したもので、(a)はプリフォ
ーム形成時、(b)は溶融アルミニウム侵入時、(c)
はアルミニウム複合材料製造時を表している。
おける組織を模式的に表したもので、(a)はプリフォ
ーム形成時、(b)は溶融アルミニウム侵入時、(c)
はアルミニウム複合材料製造時を表している。
【図5】ブレーキキャリパの側断面図である。
【図6】(a)はセラミックス体積含有率が14.8%
から37%まで変化するときの引っ張り強度と伸び率の
実験データを示したグラフであり、(b)はそのときの
セラミックス体積含有率が37%、33.8%、22.
2%及び14.8%の時のミクロ組織図の写真である。
から37%まで変化するときの引っ張り強度と伸び率の
実験データを示したグラフであり、(b)はそのときの
セラミックス体積含有率が37%、33.8%、22.
2%及び14.8%の時のミクロ組織図の写真である。
1・・・ブレーキロータ
2・・・パッド摺動面部
2A、2B・・・パッド摺動面部のプリフォーム体
3・・・ハット部
3A・・・ハット部のプロフォーム体
10・・・キャリパ部
12・・・シリンダ部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
F16D 65/02 F16D 65/02 A
65/12 65/12 A
E
S
Claims (3)
- 【請求項1】セラミックス粉末とアルミニウム粉末とを
攪拌混合しバインダーを添加した後、押し固めてプリフ
ォーム体を成形し、該プリフォーム体にアルミニウム溶
融金属を含浸侵入させたアルミニウム基複合材料の製造
方法。 - 【請求項2】前記セラミックス粉末量に対するアルミニ
ウム粉末量を調整することによりアルミニウム基複合材
料のセラミックス体積含有率を可変とした請求項1記載
のアルミニウム基複合材料の製造方法。 - 【請求項3】前記セラミックス粉末量に対する前記アル
ミニウム粉末量の混合割合が異なる複数のプリフォーム
体を組合せた後、該複数のプリフォーム体にアルミニウ
ム溶融金属を含浸侵入させた請求項2記載のアルミニウ
ム基複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002060502A JP2003253308A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | アルミニウム基複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002060502A JP2003253308A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | アルミニウム基複合材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003253308A true JP2003253308A (ja) | 2003-09-10 |
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