JP4429505B2 - 低体積分率金属基プリフォームの製造方法 - Google Patents

低体積分率金属基プリフォームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基複合物(metal matrix composite)の製造で使用されるプリフォームに関する。特に、本発明は、金属基複合物とりわけアルミニウム、マグネシウム、チタン及びそれらの合金といった軽金属の金属基複合物を製造する際に使用される低体積分率プリフォーム(low volume fraction preform)に関する。本発明のプリフォームは、減圧溶浸(pressureless infiltration)法及びスクイズキャスティング(squeeze casting)法において特に重要である。
【0002】
【従来の技術】
鋳造金属又は合金から、とりわけ、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの合金(しばしば、少量の他元素をいく種か含む)といったいわゆる軽金属の合金から、多くの物品が形成されている。
【0003】
なお、マグネシウムに対する典型的合金元素には、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、銅、リチウム、マンガン、希土類金属、ケイ素、銀、トリウム、亜鉛、ジルコニウム及びイットリウムが挙げられる。アルミニウムに対する典型的合金元素には、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、ニッケル、亜鉛、バナジウム、チタン及びガリウムが挙げられる。
【0004】
これらの合金は広く使用されているが、幾つかの欠点を有している。特に、徐々に昇温した場合であっても高温に対する耐性がないこと、、鉄合金といった金属に比べて固有強度が不足していること、及び、十分な耐摩耗性に欠けることは、重要である。
【0005】
とりわけ航空機産業や自動車産業による、軽量で高強度な部品の要求から、強化型金属基複合物が開発された。これらの金属基複合物では、強化相が金属基の中に分散されるため、金属単独での機械的、物理的及びその他の諸特性の不足が相殺される。分散相は粒子、ウィスカ、繊維の形とすることができ、また、炭素又はグラファイト繊維強化材の場合には短繊維(tow)としてもよい。強化材は、攪拌鋳造技術を用いて溶融金属の中に分散することができ、また、減圧溶浸又は約100MPaの圧力でのスクイズキャスティングを用いて溶融金属を溶浸するプリフォームとして強化材を作製することもできる。プリフォームを使用する場合、プリフォームは、ほぼ無傷で溶浸工程に耐えることができるものでなければならない。
【0006】
そのような複合物を製造する典型的な手順は、Lawrenceの米国特許第3,529,655号;Akiyama等の米国特許第4,548,774号;Tommis等の米国特許第4,715,422号;Corwinの米国特許第4,932,099号;Jolly等の米国特許第4,995,444号;Wongの米国特許第5,360,662号;Corbett等の米国特許第5,458,181号;Rohatgiの米国特許第5,711,362号;Maier等のカナダ国特許第2,040,499号;及びBrown等のカナダ国特許第2,238,520号に記載されている。
【0007】
金属基複合物において強化材として使用される典型的な材料には、繊維としては炭化ケイ素、グラファイト、炭素、アルミナ、アルミナ及びシリカの混合物、ウィスカとしては炭化ケイ素、短繊維としては炭素及びグラファイト、並びに、 微粒子としては炭化ケイ素、炭素、アルミナ、二ホウ化チタン、炭化ホウ素及び窒化ホウ素が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの金属基複合物は、類似の非強化金属製品が抱える多くの問題を確かに解決している。しかし、これら金属基複合物もまた、その利用を妨げる幾つかの欠点を抱えている。
【0009】
まず、特に炭化ケイ素のような材料のウィスカを用いる場合、使用される強化材が高価である。また、金属基複合物は機械加工が難しいことがおおく、多くの場合、ダイヤモンド切削工具が必要である。これもまた、製造コストが嵩む原因となる。
【0010】
さらに、この複合物では、比較的高い体積分率の強化材を使用すると、延性が著しく損なわれるか、又は、実質上失われてしまう。この延性特性は、軽金属を用いて押出成形等を行う場合に広く要求される特性である。
【0011】
更なる難題は、強化材が高い体積分率を占める金属基複合物に関して、構造体の設計に必要とされる、信頼のおけるエンジニアリングデータが不足していることである。なお、本明細書では、「体積分率」という用語は、金属基複合物の体積に占める強化材の割合を示す。例えば、強化材の体積分率が25%の場合、複合物の体積の4分の1を強化材が占め、金属は残り4分の3の中に含まれる。
【0012】
これらの難題は、2つの方策によってある程度まで解決できる。すなわち、理論的には、金属基のうち選択された一部(例えば、特に大きな応力に曝される領域)のみを強化することにより使用される強化材の量を減らすことができ、また、低体積分率の強化材を使用することによっても、強化材の量を減らすことができる。
【0013】
これら2つの技術のいずれか一方、又は、これらの組み合わせによって、主として金属からなり、選択された領域だけが強化材を含むか、又は、十分であるが比較的少量の強化材が金属基全体に分散している金属基複合物の製品を作製し、それによって金属基複合物に要求される特性を具備するようにすることは、いずれの場合も理論上可能である。
【0014】
このようにすれば、用いられる強化材のコストを削減することができ、従来の工具類による機械加工を行うことができるため、製造コストを低下させることができると考えられる。また、金属基複合物の構造上の諸特性は、金属基の各特性に類似しているため、金属基複合物に使用される金属及び合金の諸特性はよく知られていることから、設計過程を簡素化することができると思われる。
【0015】
しかし、特に難しい問題がまだ残っている。局部的応力又は摩擦に曝される点といった特定の箇所に選択的に使用する強化材、又は、金属基全体に均等に分散させる強化材として低体積分率の強化材を使用することができるようにするためには、強化材料をプリフォームとして使用する必要がある。なお、低体積分率の強化材料は、ウィスカ強化材の場合、一般に約8%未満が望ましく、一方、微粒子強化材の場合、約15%未満が望ましい。
【0016】
また、仕上がりプリフォームは、所要の低体積分率を実現することに加えて、取り扱いに十分であり、さらに金属溶浸方法(約100MPaの圧力で実施されるスクイズキャスティング法が用いられることが多い)に耐えるのに十分な構造的強度を持つことが必要である。
【0017】
現在、このような強化材が均等に分散された低体積分率の複合物に対応した、強化プリフォームを製造できる方法は開示されていない。金属基複合物内の強化材の不均等な分散や、部品の強化部分内の均等な分散は望ましくない。これには、金属基複合物又は比較的大きな部品における強化部分の諸特性が予測できず、しかもかなり不規則な形で変動することであるといったいくつかの理由が挙げられる。
【0018】
そこで本発明は、容易に取り扱うことができ、液体金属を溶浸するのに十分な強度を有する低体積分率プリフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明では、強化材がウィスカ、繊維又は微粒子のいずれかを含む低体積分率のプリフォームを製造可能な方法が提供される。得られたプリフォームは、容易に取り扱うことができ、約100MPaの圧力で実施されるスクイズキャスティング法などにより液体金属を溶浸するのに十分な強度を有する。
【0020】
本発明の方法では、バインダ材料及び犠牲(sacrificial)充填材について特定の選択を行い、これを用いてプリフォームを作り、これを特定の乾燥及び焼成工程によって固化させる。この本発明の方法には、おおまかに分けてつぎの4つの工程が含まれる。
【0021】
第1工程では、強化材とバインダとを混合し、これに犠牲充填材を混合して、キャスティング可能なスラリを得た後、このスラリを成形型に入れて素地プリフォームを得る。第2工程では、この素地成形体を乾燥して残っている僅かな水及び/又は溶媒をスラリから除去する。第3工程では、この素地プリフォームを比較的低い温度で焼成して犠牲充填材を焼き尽くす。第4工程では、バインダを焼結させて強化材を結合させるのに十分な高温で素地プリフォームを焼成する。第3及び第4工程では、特定の温度及び時間の組み合わせにより、犠牲充填材の分解を確実にし、続いてバインダを焼成して焼結させることで、素地プリフォームの崩壊又はクラックを発生させることなくプリフォームを結合させる。
【0022】
第1工程における適切な混合により、さらに、乾燥及び焼成工程の適切な制御により、適当な注意の下で取り扱うのに十分な機械的強度を持ち、実質上ニアネットシェイプのプリフォームを作製することができる。これらのプリフォームはスクイズキャスティングプロセスにおける応力にも耐えると考えられる。
【0023】
本発明の方法によれば、微粒子の場合には少なくとも15%まで、ウィスカの場合には少なくとも8%まで体積分率を低下させたプリフォームを作製することができる。従って、本発明の方法によれば、85%を超えるマトリクス金属を含む金属基複合物を作製することができ、断面厚さが少なくとも約5cmまで、長さ又は直径が約30cmまでの大きいプリフォームも作製することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
そこで第1の実施態様での本発明は、金属基複合物作製用の強化材から低体積分率のプリフォームを製造する方法であって、つぎの(a)〜(d)を含む。
(a)犠牲充填材、焼結可能なバインダ及び十分な液体の配合物と強化材とを混合して成形可能なスラリを得ること。
(b)この成形可能なスラリをプリフォーム成形型に入れること。
(c)乾燥素地プリフォームを得るのに十分な温度及び時間で、プリフォーム成形型中の成形可能なスラリを硬化させること。
(d)連続したシーケンスとしてつぎの▲1▼〜▲6▼に示した組み合わせの時間及び温度に制御された炉内でこの素地プリフォームを焼成して、焼成されたプリフォームを得ること。
▲1▼昇温速度約30℃/時間(好ましくは28〜32℃/時間)で、約50℃(好ましくは48〜52℃)から約210℃(好ましくは200〜220℃)まで昇温しつつ加熱した後、約210℃(好ましくは200〜220℃)で約30分間(好ましくは28〜32分間)保持する。
▲2▼昇温速度約20℃/時間(好ましくは18〜22℃/時間)の速度で約210℃(好ましくは200〜220℃)から約260℃(好ましくは240〜280℃)まで昇温しつつ加熱した後、約260℃(好ましくは240〜280℃)で約60分間(好ましくは55〜65分間)保持する。
▲3▼昇温速度約20℃/時間(好ましくは18〜22℃/時間)の速度で約260℃(好ましくは240〜280℃)から約500℃(好ましくは480〜520℃)まで昇温しつつ加熱した後、約500℃(好ましくは480〜520℃)で約30分間(好ましくは28〜32分間)保持する。
▲4▼昇温速度約10℃/時間(好ましくは8〜12℃/時間)の速度で約500℃(好ましくは480〜520℃)から約560℃(好ましくは540〜580℃)まで昇温しつつ加熱した後、約560℃(好ましくは540〜580℃)で約30分間(好ましくは28〜32分間)保持する。
▲5▼昇温速度約100℃/時間(好ましくは90〜110℃/時間)の速度で約560℃(好ましくは540〜580℃)から約1,100℃(好ましくは1,000〜1,200℃)まで昇温しつつ加熱した後、約1,100℃(好ましくは1,000〜1,200℃)で約4時間(好ましくは220〜260分)保持する。
▲6▼周囲の温度まで徐冷する。
【0025】
なお、工程(c)における初期硬化は、約50℃(好ましくは48〜52℃)で約18時間(好ましくは16〜20時間)実施する低速乾燥プロセス、又は、約150℃(好ましくは130〜170℃)で約2時間(好ましくは100〜140分)実施する短時間乾燥プロセスにより行うことが好ましい。
【0026】
また、最終冷却工程は、焼成されたプリフォームを炉内で放冷することによって実施することが好ましい。工程(d)の焼成時間及び温度の連続したシーケンスは、プログラム可能な炉において実施されることが好ましい。
【0027】
使用される強化材は、炭化ケイ素、炭素、グラファイト、炭化ホウ素、窒化ホウ素、二ホウ化チタン、シリカ、アルミナ、並びに、アルミナ及びシリカの混合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。また、使用される強化材の物理形状は、微粒子、繊維、短繊維、ウィスカ及びそれらの混合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
【0028】
犠牲充填材及びバインダは、本質的には、第1に、強化材及びバインダの両方が素地プリフォーム中で均等に分散することを、充填材が確実にすること、第2に、乾燥後の素地プリフォームが、妥当な程度の取り扱いに耐えるのに十分な機械的強度を持っていなければならないこと、第3に、少なくとも約560℃にまで達する焼成シーケンスの時間及び温度の組み合わせにより処理される際に、素地プリフォームが歪、つぶれ、クラック又はその他の崩壊を何等起こさせることなく、犠牲充填材が円滑かつ一様に分解すること、という3つの目標を達成するように選ばれる。
【0029】
犠牲充填材の具体例としては、セルロース系材料であるトウモロコシでんぷん、不活性プラスチック材料である粉末状ポリオレフィン(例えば粉末状ポリプロピレン)などが挙げられる。なお、トウモロコシでんぷんのようなセルロース系材料も、素地プリフォームのキャスティングに用いられるスラリの全体に固形強化材が均等に分散しやすくし、スラリの安定性を向上させる。
【0030】
犠牲バインダの具体例としては、公知の過酸化物触媒型ポリエステル樹脂のようなキャスティング可能なポリマーが挙げられる。
【0031】
また、焼結可能な非犠牲バインダの具体例としては、粉末シリカ、コロイダルシリカ、粉末アルミナ、コロイダルアルミナ、シリカ−アルミナ混合物(これら2成分を混合するか、又は、両成分を含む鉱物資源を使用することにより調製することができる)が挙げられる。その他の焼結可能な非犠牲バインダには、リン酸一マグネシウム、リン酸一アルミニウム及びフッ化マグネシウムが考えられる。
【0032】
プリフォームをキャスティングする工程において使用される成形型にも、幾つかの注意を払わなければならない。素地プリフォームを、ゆっくりとかつ均等に乾燥することで、変形やクラックを回避することができるように、成形型を設計すべきである。多孔質の成形型を使用することができれば好ましい。
【0033】
プリフォームは、キャスティングされた後、初期の比較的低温での乾燥工程により、当初のキャスティング可能な混合物を調製する際に使用された液体(主に水)が取り除かれる。ここでの乾燥条件は、クラック又は変形が起こることなくキャスティングされた素地プリフォームが均等かつ完全に乾燥するように選ばれる。液体の主成分が水であるキャスティング可能な混合物を用い、約50℃に保温された換気式低温炉で実施される低速乾燥プロセス、及び、約150℃の換気式炉で実施される短時間乾燥プロセスのいずれも、満足のいくものであることが判った。ただし、大型の素地プリフォームは、より長時間を必要とする場合がある。
【0034】
【実施例】
<実施例1>
強化材の体積分率が25%であるプリフォームをつぎの原材料から作製した:
炭化ケイ素粉末 100g
粉末状ポリプロピレン 15g
ポリエステル樹脂 6g
樹脂触媒 4g
トウモロコシでんぷん 15g
アルミナ粉末 5g
コロイダルシリカ 15g
ポリエステル樹脂及び触媒には、Ashland Chemicals社から入手できるいわゆるウォームボックスバインダ(warm box binder)及びウォームボックス触媒(warm box catalyst)を用いた。その他の過酸化物触媒型樹脂系は自由に入手できる。使用したコロイダルシリカは、水性懸濁液として自由に入手できる。
【0035】
これらの材料を混合し、プリフォーム多孔質成形体に成形することのできるウェットなペーストを得た。比較的複雑な成形体の形状では、成形型全体に充填しやすくするために、このウェットなペーストに振動又は圧力をかけてもよい。混合物によって確実にプリフォーム成形型の全てのキャビティー部が完全に充填されるよう、十分な液体を使用する。混合物の固形分濃度が所望の値になるように、使用するコロイダルシリカの量を変更したり、水を添加したりすることによって、液体の総量を調節することができる。また、成形型により2個以上のプリフォームを同時にキャスティングすることも考えられる。
【0036】
次に、混合物を含む多孔質成形体を、最初は150℃の低温炉の中で約2時間乾燥させた後、時間及び温度の組み合わせが特定のシーケンスになるようにプログラムされた炉内を焼成した。
【0037】
プログラムした炉の温度・時間シーケンスはつぎの通りである。
▲1▼昇温速度30℃/時間で約50℃から約210℃まで昇温させ、約210℃で約30分間保持する。
▲2▼昇温速度20℃/時間で約210℃から約260℃まで昇温させ、約260℃で60分間保持する。
▲3▼昇温速度20℃/時間で約260℃から約500℃まで昇温させ、約500℃で30分間保持する。
▲4▼昇温速度10℃/時間で約500℃から約560℃まで昇温させ、約560℃で30分間保持する。
▲5▼昇温速度100℃/時間で約560℃から約1,100℃まで昇温させ、約1,100℃で4時間保持する。
▲6▼周囲の温度まで徐冷する。
【0038】
以上により得られたプリフォームは、妥当な程度の取り扱いに耐えるのに十分な機械的強度を有し、溶融アルミニウム合金で溶浸してアルミニウム合金をベースとする金属基複合物を得るスクイズキャスティング工程にも耐えることが判った。
【0039】
<実施例2>
強化材の体積分率が10%に相当するウィスカプリフォームをつぎの原材料から作製した:
炭化ケイ素ウィスカ 100g
粉末ポリプロピレン 50g
トウモロコシでんぷん 50g
コロイダルシリカ 45g
これらの材料は一緒に混合してコロイダルシリカバインダで湿潤させ、多孔質プリフォームの成形型の全てのキャビティー部を充填することのできる、注型可能なスラリを得た。なお、この混合物の固形分濃度は、必要に応じて、コロイダルシリカの量を変更するか、又は水を加えることにより調節する。
【0040】
この混合物を含む多孔質成形体を50℃の低温炉内で約18時間乾燥させた後、得られた素地プリフォームを、時間及び温度の組み合わせが特定のシーケンスになるようにプログラムされた炉内で焼成した。
【0041】
以上により得られたプリフォームは、妥当な程度の取り扱いに耐えるのに十分な機械的強度を有し、溶融アルミニウム合金で溶浸してアルミニウム合金をベースとする金属基複合物を得るスクイズキャスティング工程にも耐えることが判った。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、強化材を含む低体積分率のプリフォームを得ることができる。本発明のプリフォームは、容易に取り扱うことができ、スクイズキャスティング法などにより液体金属を溶浸するのに十分な強度を有する。

Claims (10)

  1. 金属基複合物を製造するための低体積分率のプリフォームを強化材から製造する方法であって、
    (a)少なくとも微粒子を含む混合物である、上記強化材と、犠牲充填材、焼結可能なバインダ及び液体とを混合してスラリを得る工程、
    (b)上記スラリをプリフォーム成形型に導入する工程、
    (c)乾燥素地プリフォームを得るのに十分な温度及び時間で、上記プリフォーム成形型内の上記スラリを硬化させ、乾燥素地プリフォームを得る工程、及び、
    (d)連続したシーケンスとして下記(1)〜(6)に示した組み合わせの時間及び温度に制御された炉内で上記乾燥素地プリフォームを焼成し、プリフォームを得る工程を備えることを特徴とするプリフォーム製造方法。
    (1)昇温速度28〜32℃/時間で、48〜52℃から200〜220℃まで昇温した後、200〜220℃で28〜32分間保持する。
    (2)昇温速度18〜22℃/時間で200〜220℃から240〜280℃まで昇温した後、240〜280℃で55〜65分間保持する。
    (3)昇温速度18〜22℃/時間で240〜280℃から480〜520℃まで昇温した後、480〜520℃で28〜32分間保持する。
    (4)昇温速度8〜12℃/時間で480〜520℃から540〜580℃まで昇温した後、540〜580℃で28〜32分間保持する。
    (5)昇温速度90〜110℃/時間で540〜580℃から1,000〜1,200℃まで昇温した後、1,000〜1,200℃で220〜260分保持する。
    (6)周囲の温度まで徐冷する。
  2. 工程(c)における硬化は、48〜52℃での16〜20時間の加熱を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(c)における硬化は、130〜170℃での100〜140分間の加熱を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 工程(d)の(6)における冷却が、焼成した上記プリフォームを上記炉内で放冷することによって実施されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 工程(d)における時間及び温度のシーケンスが、プログラムされた炉内で実施されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  6. 上記強化材が、炭化ケイ素、炭素、グラファイト、炭化ホウ素、窒化ホウ素、二ホウ化チタン、シリカ、アルミナ、並びに、アルミナ及びシリカの混合物のうちから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  7. 上記強化材は、繊維、短繊維、ウィスカ、及び、それらの混合物のうちから選ばれる少なくとも1種と、前記微粒子と、の混合物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  8. 工程(b)における上記スラリの成形型内への導入を、振動させることによって促進することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  9. 工程(b)における上記スラリの成形型内への導入を、圧力を使用することにより促進することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  10. 上記犠牲充填材に、スターチを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の製造方法。
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