JPH1090543A - 半導体偏波回転素子 - Google Patents

半導体偏波回転素子

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JPH1090543A
JPH1090543A JP24625296A JP24625296A JPH1090543A JP H1090543 A JPH1090543 A JP H1090543A JP 24625296 A JP24625296 A JP 24625296A JP 24625296 A JP24625296 A JP 24625296A JP H1090543 A JPH1090543 A JP H1090543A
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ridge
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克明 曲
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卓夫 廣野
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ウェイン ルイ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TE偏波成分とTM偏波成分の結合効率の高
い短い素子長の偏波回転素子を提供する。また、製造歩
留りの向上を図る。 【解決手段】 半導体基板の上面の曲がり導波路を滑ら
かに繋げて蛇行導波路とした半導体偏波回転素子であっ
て、前記蛇行導波路に沿いかつ少なくとも界分布の染み
出しが生じる側の半導体基板部分に溝が設けられてい
る。前記蛇行導波路は両端部分がS字型導波路の一部で
構成されその間はS字型導波路で構成されている。前記
曲がり導波路の曲率半径は一定である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信,光交換,
光情報処理等に用いる半導体偏波回転素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光通信,光交換,光情報処理といった光
を利用したシステムの構築を考えると、光ファイバや光
導波路,光スイッチ,光受光器,光増幅器等の光素子が
必要不可欠になる。しかしこれらの素子は、光ファイバ
と結合したり、集積化を行うことで実用的部品にする必
要がある。特に集積化することは、ミクロン精度で必要
とされる光ファイバと半導体素子との光軸合わせを省く
ことが出来るので、堅牢となり信頼性の増加が予想でき
る。
【0003】ところで通常の光ファイバにおいては、光
源からの偏波面を維持する機能は有しておらず、半導体
光スイッチや半導体レーザ型光増幅器といった光機能素
子に入力されるときには、環境の変化に応じて信号光の
偏波状態が変動する可能性がある。
【0004】しかしながら前記のような半導体デバイス
の導波路構造は、一般に導波層または活性層が等方的で
なく、幅が数ミクロンあるのに対して厚みがサブミクロ
ンオーダであることや、導波層のスイッチング特性また
は活性層の増幅特性が偏波状態によって異なる。そのた
め入力信号光の偏波状態によって出力特性が大きく変動
する。
【0005】そこで偏波依存性を解消する方法として、
偏波ダイバーシティの例(H.Heidrich,F.Fidorra,M.Ham
acher,K.Kaiser,K.Li,D.Trommer,and G.Unterborrsch:"
Monolithically Integrated Heterodyne Receivers bas
ed on InP",20th European Conference on Optical Com
munication(ECOC'94),pp.77-80,1994)が報告されてい
る。ここではTE成分で発振する局発光源の出力にTM
成分を持たせるため偏波回転素子を集積化している。
【0006】偏波回転素子としては、たとえば図9に示
すように、左右非対称な導波路が、その左右を反転させ
た導波路と特定の周期を持って交互に並べられた構造の
ものが知られている。
【0007】偏波回転素子は、InP基板11の主面上
に、バンドギャップ波長が1.1μm帯のInGaAs
P導波層12,InPサイドクラッド層13,InPリ
ッジ層14が順次積層形成された構造となっている。最
上層の前記InPリッジ層14は、その名称でもわかる
ように所定幅を有するリッジ構造(突条構造)となって
いる。
【0008】前記InPリッジ層14の上面は、その中
央線を隔て、左右の面の高さ(幅員における高さ)が非
対称な面、すなわち、高い面1と低い面2となってい
る。前記高い面1と低い面2は、InPリッジ層14の
長手方向に沿って特定の周期で現れるようにもなってい
る。図10では高い面1は左側に現れるとともに低い面
2は右側に現れ、図11では高い面1は右側に現れると
ともに低い面2は左側に現れている。
【0009】一般的にTE偏波成分はX方向に、TM偏
波成分はy方向(x方向から見て90°の方向)に電界
を有しているので通常は直交しており、結合成分を有し
ていない。
【0010】そこで図9乃至図11に示されるように、
前記InGaAsP導波層12上のInPリッジ層14
を左右非対称にする構造を採ることで界分布にも非対称
性が生じ、境界部の接続条件でx方向とy方向の電界成
分が結合を起こすため、TE偏波成分とTM偏波成分の
結合が生じる。この結合、成分がTE偏波成分とTM偏
波成分との間で界分布の移行をもたらし、偏波面に対す
る回転成分を生じさせる。
【0011】図10で示す構造とその反転した図11の
構造を1ブロックとして直線偏波光を入射した場合、こ
の1ブロックを通過後は入射状態から角度θだけ回転さ
れた直線偏波光に変換される。そこで図9の様に多段に
ブロック(たとえばn個)を並べることでnθという大
きな回転角を得ることが出来る。
【0012】図12は別の偏波回転素子の報告例による
断面構造で、TE偏波成分とTM偏波成分との間の結合
をもたらすために、導波路の一部分をエッチングによっ
て段差を設け、導波路に斜めになった部分を持たせてい
る。それに伴い界分布の一番強い導波路部分で斜め成分
を有するため、TE偏波成分とTM偏波成分の結合効率
を高めることが出来る。
【0013】すなわち、この構造では、導波路に斜めに
なった部分を持たせるために、InP基板11に段差を
設け、このInP基板11上に順次所定の厚さのバンド
ギャップ波長1.1μm帯のInGaAsP導波層1
2,InPサイドクラッド層13,InPリッジ層14
を積層した構造になっている。
【0014】図13は別の偏波回転素子の報告例(C.va
n Dam,L.H.Spiekman,F.P.G.M.van Ham,F.H.Groen,J.J.
G.M.vander Tol,I.Moerman,W.W.Pascher,M.Hamacher,H.
Heidrich,C.M.Weinert,and M.K.Smit:"Novel compact I
nP-based polarization converters using ultra short
bends",Integrated Photonics Research(IPR'96),pp.4
68-471,1996)による斜視図である。
【0015】すなわち、この構造では、InP基板21
の上にバンドギャップ波長1.1μm帯のInGaAs
P導波層22,InPサイドクラッド層23を順次所定
の厚さに形成するとともに、前記InPサイドクラッド
層23上に左右に繰り返して蛇行したInPリッジ層2
4を設けた構造になっている。すなわち、曲がり導波路
の一つの形状であるS字型導波路(所定の曲率半径をも
つ曲がり導波路を滑らかに繋げてS字状とした導波路)
を複数反復延在させた蛇行形状になっている。
【0016】この構造では、二つの円弧を滑らかに繋げ
た構成となっており、一方の導波路中を光が反時計回り
に伝搬するとすれば、他方の導波路では時計回りに伝搬
することになる。曲がり導波路では外周方向に界分布が
染み出していくことを摂動として取り扱えるので、二つ
の円弧状の導波路が前記のブロックを構成すると考えら
れる。
【0017】また、図14は前記InP基板21上に、
曲がり導波路としてInPリッジ層24,バンドギャッ
プ波長1.3μm帯のInGaAsP導波層25および
InPサイドクラッド層26を順次積層形成した例で、
同様の効果を得ることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の偏波回転素子に
おいて、図9の構造ではTE偏波成分とTM偏波成分の
結合効率が非常に小さいので直線偏波光の回転角度θも
小さくなり、偏波回転素子の素子長が長くなってしま
う。
【0019】図12の導波路に斜めになった部分を設け
た構造では、導波路の斜めになった部分の角度を制御よ
く形成できないため、製造歩留りを高くすることができ
ないという問題が生じていた。
【0020】図13および図14の二つの円弧状導波路
を滑らかに繋げた構造では、閉じ込められている界分布
を変形するために導波路の外周方向に界分布を染み出さ
せているので、過剰損失が大きくなることが予想され
る。
【0021】本発明の目的は、TE偏波成分とTM偏波
成分の結合効率の高い短い素子長の偏波回転素子を提供
することにある。
【0022】本発明の他の目的は、製造歩留りを高くす
ることができる偏波回転素子を提供することにある。
【0023】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0025】(1)半導体基板の上面にリッジ型光導波
路からなる曲がり導波路を滑らかに繋げて蛇行導波路と
した半導体偏波回転素子であって、前記蛇行導波路に沿
いかつ少なくとも界分布の染み出しが生じる側の半導体
基板部分に溝(トレンチ)が設けられている。前記蛇行
導波路は両端部分がS字型導波路の一部で構成されその
間はS字型導波路で構成されている。前記曲がり導波路
の曲率半径は一定である。
【0026】(2)前記手段(1)の構成において、前
記蛇行導波路の両側に沿って前記溝が設けられている。
【0027】(3)前記手段(1)または(2)の構成
において、前記半導体基板の下面と前記曲がり導波路の
表面には前記曲がり導波路の導波層の屈折率を調整する
ための電圧を印加する電極が設けられている。
【0028】前記(1)の手段によれば、曲がり導波路
に沿ってかつ近傍に溝(トレンチ)が設けられているた
め、トレンチの影響で界分布はリッジ近傍に良く閉じ込
められ、過剰損失を低減することが出来る。
【0029】すなわち、蛇行導波路構造の採用によっ
て、xy断面のいずれの方向に対しても界分布を非対称
にすることが出来る。また、曲率の小さな導波路とする
ことで界分布の染み出しが生じるが、スラブ導波路があ
るために大きな損失を受けずに伝搬させることが出来
る。
【0030】また、トレンチが特定周期長を有すること
でx軸方向に対して周期的摂動を付加することが可能で
あり、曲がり導波路だけの場合に比べ大きな界分布の変
形が生じる。このため導波路の界分布に大きな非対称性
を発生できることになり、TE偏波成分とTM偏波成分
との結合効果が増加し、短い素子長で効率よく偏波を回
転することが出来、高い偏波回転角度を得ることが出来
る。
【0031】また、蛇行導波路は、共に確立されたフォ
トリソグラフィ技術とフォトエッチング技術によって高
精度にかつ再現性良く形成できるため製造歩留りの向上
が図れる。
【0032】前記(2)の手段によれば、前記手段
(1)の構成において、前記蛇行導波路の両側に沿って
前記溝が設けられていることから、前記手段(1)と同
様にトレンチの影響で界分布はリッジ近傍に良く閉じ込
められ、過剰損失を低減することが出来る。
【0033】前記(3)の手段によれば、前記手段
(1)または(2)の構成において、前記半導体基板の
下面と前記曲がり導波路の表面には前記曲がり導波路の
導波層の屈折率を調整するための電圧を印加する電極が
設けられていることから、導波層の屈折率の調整が可能
になり、短い素子長で高い偏波回転角度を得ることがで
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0035】なお、実施形態を説明するための全図にお
いて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰
り返しの説明は省略する。
【0036】(実施形態1)図1乃至図4は本発明の実
施形態1の半導体偏波回転素子に係わる図であって、図
1は半導体偏波回転素子の概略を示す斜視図、図2は導
波路の形状を示す模式的平面図、図3は図1のA−A線
に沿う模式的断面図、図4は図1のB−B線に沿う模式
的断面図である。
【0037】本実施形態1の半導体偏波回転素子は、従
来の蛇行導波路構造の半導体偏波回転素子において、導
波路の左右両側に周期的に溝を設けてTE偏波成分とT
M偏波成分との結合部分での過剰損失を低減する構成に
なっている。
【0038】本実施形態1の半導体偏波回転素子は、図
1に示すように、細長矩形状のInP基板21の上面
に、バンドギャップ波長1.1μm帯のInGaAsP
導波層22,InPサイドクラッド層23,InPリッ
ジ層24が順次積層形成されている。たとえば、前記I
nGaAsP導波層22は厚さが0.3μmであり、I
nPサイドクラッド層23は厚さが0.2μmであり、
InPリッジ層24は厚さが1.5μm,幅Wが2.0
μmである。
【0039】前記InPリッジ層24は細いリッジとな
り、前記InP基板21の長手方向に沿って左右に繰り
返して蛇行した構造になっている。たとえば、曲がり導
波路の一つの形状であるS字型導波路、すなわち、図2
に示すように、所定の曲率半径Rをもつ曲がり導波路を
滑らかに繋げてS字状とした導波路を複数反復延在させ
た蛇行形状になっている。
【0040】中心角α(0°<α<90°)を有する曲
がり導波路を二つ円弧状に滑らかに繋げて半円状の曲が
り導波路(たとえば、2α=165°)とし、この半円
状の曲がり導波路に反転状態の半円状の曲がり導波路を
滑らかに接続することによって、図2に示すようにS字
型導波路が形成できる。
【0041】このS字型導波路における一方の半円状の
曲がり導波路をXとし、他方の半円状の曲がり導波路を
Yとすると、半円状の曲がり導波路Xは二つの曲がり導
波路、すなわち曲がり導波路X1と曲がり導波路X2で形
成され、半円状の曲がり導波路Yは二つの曲がり導波
路、すなわち曲がり導波路Y1と曲がり導波路Y2で形成
される。
【0042】そして、図1に示す蛇行導波路は、前記曲
がり導波路X1,曲がり導波路X2,曲がり導波路Y1
よび曲がり導波路Y2の組み合わせによって形成され
る。すなわち、前記蛇行導波路は両端部分がS字型導波
路の一部で構成されその間はS字型導波路で構成されて
いる。図1では、蛇行導波路は手前から奥に向かって曲
がり導波路は、X2,Y1,Y2,X1,X2,Y1,Y2
1の成分が連続して繋がる状態になっている。
【0043】一方、本実施形態1では、図1に示すよう
に、少なくとも界分布の染み出しが生じる側の半導体基
板部分に溝(トレンチ)31が設けられている。したが
って、前記溝31は導波路(InPリッジ層24)の左
右両側に周期的に設けられている。すなわち、曲がり導
波路のX2からY1にかけては、図3にも示すようにIn
Pリッジ層24の左側に設けられ、曲がり導波路のY2
からX1にかけては、図4にも示すようにInPリッジ
層24の右側に設けられている。
【0044】前記溝31は、その幅が2.0μmであ
り、垂直に掘られ深さが1.0μmである。また、この
溝31とInPリッジ層24との間隔は0.5μmとな
っている。
【0045】本実施形態1の構造では、二つの円弧(半
円状の曲がり導波路X,Y)を交互に滑らかに繋げた構
成となっており、一方の導波路(半円状の曲がり導波路
X)中を光が反時計回りに伝搬するとすれば、他方の導
波路(半円状の曲がり導波路Y)では時計回りに伝搬す
ることになる。そして、曲がり導波路における外周方向
への界分布の染み出しを、前記溝31によって抑止す
る。
【0046】また、本実施形態1の構成では、導波路の
曲率Rが小さくなり、界分布の染み出しが生じるが、I
nPリッジ層24の下層部分はスラブ導波路を構成して
いることから、大きな損失を受けずに伝搬させることが
出来る。
【0047】本実施形態1では、InPリッジ層24の
曲率半径Rは90μmであり、中心角αは70°であ
る。曲がり導波路のX成分とY成分の連結部分、すなわ
ち、X2からY1またはY2からX1を一つのブロックとし
た場合、4つのブロックを配列することにより、素子長
680μmで80°の偏波回転を実現することができ
た。
【0048】本実施形態1においては、蛇行導波路は、
共に確立されたフォトリソグラフィ技術とフォトエッチ
ング技術によって高精度にかつ再現性良く形成できるた
め製造歩留りの向上が図れる。
【0049】(実施形態2)図5は本発明の実施形態2
である半導体偏波回転素子の一部を示す模式的断面図で
ある。
【0050】本実施形態2の半導体偏波回転素子は、I
nP基板21の上にInPリッジ層24,InGaAs
P導波層25,InPサイドクラッド層26を順次積層
形成して蛇行導波路を形成した構造である。
【0051】前記InPリッジ層24は0.2μmの厚
さとなり、幅は2.0μmである。前記InGaAsP
導波層25はバンドギャップ波長が1.3μm帯のIn
GaAsP層からなり、厚さが0.3μmである。ま
た、前記InPサイドクラッド層26は厚さ1.0μm
となっている。
【0052】本実施形態2では、前記実施形態1と同様
にリッジ導波路から0.5μm離れた左右両側に溝31
を周期的に設けた。溝31は深さ1.0μm程度で幅
2.0μmにわたり垂直に掘られている。
【0053】本実施形態2では、曲がり導波路の曲率半
径Rは80μmであり、中心角αは70°である。6つ
のブロックを配列することにより、素子長900μmで
75°の偏波回転を実現することができた。
【0054】(実施形態3)図6は本発明の実施形態3
である半導体偏波回転素子の一部を示す模式的断面図で
ある。
【0055】本実施形態3の半導体偏波回転素子は、図
6に示すように、InP基板21の上面に、バンドギャ
ップ波長1.1μm帯のInGaAsP導波層22,I
nPサイドクラッド層23,InPリッジ層24,バン
ドギャップ波長が1.3μm帯のInGaAsP導波層
25,InPサイドクラッド層26が順次積層形成され
た構造になっている。
【0056】前記InPリッジ層24,InGaAsP
導波層25およびInPサイドクラッド層26は、幅
2.0μmのリッジを形成し、前記実施形態1と同様に
蛇行している。
【0057】前記InGaAsP導波層22は厚さが
0.3μmであり、InPサイドクラッド層23は厚さ
が0.1μmであり、InPリッジ層24は厚さ1.0
μm,InGaAsP導波層25は厚さが0.3μm,
InPサイドクラッド層26は厚さが1.1μmであ
る。
【0058】本実施形態3では、前記実施形態1と同様
にリッジ導波路から0.5μm離れた左右両側に溝31
を周期的に設けた。溝31は深さ1.0μm程度で幅
2.0μmにわたり垂直に掘られている。
【0059】本実施形態3では、曲がり導波路の曲率半
径Rは75μmであり、中心角αは60°である。4つ
のブロックを配列することにより、素子長520μmで
78°の偏波回転を実現することができた。
【0060】(実施形態4)図7は本発明の実施形態4
である半導体偏波回転素子の一部を示す模式的断面図で
ある。
【0061】本実施形態4は前記実施形態3の構造の半
導体偏波回転素子において、導波層の屈折率の調整機能
を付与した例である。
【0062】すなわち、前記実施形態3の半導体偏波回
転素子において、前記InP基板(半導体基板)21の
下面に電極32を設けるとともに、前記InPサイドク
ラッド層26の上面に電極33を設けた構造となってい
る。
【0063】本実施形態4の半導体偏波回転素子では、
前記電極32および電極33間に電圧や電流を印加する
ことで、導波層の屈折率を変化させることが出来るた
め、溝31による周期的摂動に対して微調整を行うこと
が可能である。そのため、素子長520μmで電流40
mA流すことにより、85°の偏波回転を実現すること
ができた。
【0064】(実施形態5)図8は本発明の実施形態5
である半導体偏波回転素子の概略を示す斜視図である。
【0065】本実施形態5は、前記実施形態1におい
て、InPリッジ層24の両側に、InPリッジ層24
に沿って溝31を設けた例である。溝31はInPリッ
ジ層24から0.5μm離れて形成されている。
【0066】本実施形態5の場合も素子長の短縮化と偏
波回転角度の増大を図ることができる。
【0067】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない、たとえ
ば、前記実施形態においては、InP基板上のInGa
AsP材料系について記述したが、他の材料系を用いる
ことによっても同様の効果を得ることができる。材料系
等を選ぶことにより、任意の動作波長に設定することが
可能である。
【0068】また、本発明において、製造の都合上エッ
チングストップ層としてのInPやInGaAsPの薄
層を用いることも可能である。
【0069】また、導波層の位置もリッジ構造の中のど
の位置(たとえば最上部,中段,最下部など)に配する
ことも可能であるし、ストリップロード構造の中に複数
の導波層を持たせることも可能である。
【0070】導波路の幾何学的形状についても、導波路
幅や溝幅は2.0μmに限定されるものではない。ま
た、溝深さも1.0μmに限定されるものではない。さ
らに、導波路と溝の距離についても、本実施形態のよう
にサブミクロンの場合だけではなく、1μm以上の場合
についても、本発明の作用は有効である。
【0071】また、リッジ部に対して複数の導波層を有
する場合や各導波層の組成が異なっていても、また全て
の導波層が同一組成であっても構わない。
【0072】また、実施形態4では電極を付けた例を示
したが、この手法が他の実施形態においても有効となる
ことは言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0074】(1)本発明によれば、リッジ型光導波路
を蛇行導波路とした半導体偏波回転素子において、前記
蛇行導波路に沿って所定部分に溝を設けてあるため、閉
じ込められている界分布を変形するために導波路の外周
方向に界分布が染み出るが、前記溝によって過剰損失の
低減が図れる結果、短い素子長で高い偏波回転を得るこ
とができる。
【0075】(2)本発明によれば、蛇行導波路および
溝は、共に確立されたフォトリソグラフィ技術とフォト
エッチング技術によって高精度にかつ再現性良く形成で
きるため半導体偏波回転素子の製造歩留りの向上が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である半導体偏波回転素子
の概略を示す斜視図である。
【図2】本実施形態1の半導体偏波回転素子の導波路の
形状を示す模式的平面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う模式的断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う模式的断面図である。
【図5】本発明の実施形態2である半導体偏波回転素子
の一部を示す模式的断面図である。
【図6】本発明の実施形態3である半導体偏波回転素子
の一部を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の実施形態4である半導体偏波回転素子
の一部を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の実施形態5である半導体偏波回転素子
の概略を示す斜視図である。
【図9】従来の半導体偏波回転素子の概略を示す斜視図
である。
【図10】図9のA−A線に沿う模式的断面図である。
【図11】図9のB−B線に沿う模式的断面図である。
【図12】従来の他の半導体偏波回転素子の概略を示す
模式的断面図である。
【図13】従来の他の半導体偏波回転素子の概略を示す
斜視図である。
【図14】図13に示す半導体偏波回転素子の一部の模
式的断面図である。
【符号の説明】
1…高い面、2…低い面、11,21…InP基板、1
2,22…InGaAsP導波層、13,23…InP
サイドクラッド層、14,24…InPリッジ層、25
…InGaAsP導波層、26…InPサイドクラッド
層、31…溝、32,33…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 直人 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上面の曲がり導波路を滑ら
    かに繋げて蛇行導波路とした半導体偏波回転素子であっ
    て、前記蛇行導波路に沿いかつ少なくとも界分布の染み
    出しが生じる側の半導体基板部分に溝が設けられている
    ことを特徴とする半導体偏波回転素子。
  2. 【請求項2】 前記蛇行導波路の両側に沿って前記溝が
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体偏波回転素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板の下面と前記曲がり導波
    路の表面には前記曲がり導波路の導波層の屈折率を調整
    するための電圧を印加する電極が設けられていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体偏波
    回転素子。
  4. 【請求項4】 前記蛇行導波路は両端部分がS字型導波
    路の一部で構成されその間はS字型導波路で構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    1項に記載の半導体偏波回転素子。
  5. 【請求項5】 前記曲がり導波路の曲率半径は一定であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の半導体偏波回転素
    子。
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