JPH1090380A - 磁気検出素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気検出素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1090380A
JPH1090380A JP8244860A JP24486096A JPH1090380A JP H1090380 A JPH1090380 A JP H1090380A JP 8244860 A JP8244860 A JP 8244860A JP 24486096 A JP24486096 A JP 24486096A JP H1090380 A JPH1090380 A JP H1090380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
film
layer
sensing element
magnetic sensing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8244860A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3210933B2 (ja
Inventor
Akihiro Isomura
明宏 磯村
Kenichi Arai
賢一 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
Priority to JP24486096A priority Critical patent/JP3210933B2/ja
Priority to US08/929,558 priority patent/US6069475A/en
Priority to CN97121378A priority patent/CN1110794C/zh
Priority to EP99115496A priority patent/EP0965851B1/en
Priority to MYPI97004323A priority patent/MY130911A/en
Priority to TW086113435A priority patent/TW344799B/zh
Priority to DE69705095T priority patent/DE69705095T2/de
Priority to DE69714613T priority patent/DE69714613T2/de
Priority to SG9906444A priority patent/SG89311A1/en
Priority to EP97116192A priority patent/EP0831335B1/en
Priority to SG9703445A priority patent/SG82576A1/en
Publication of JPH1090380A publication Critical patent/JPH1090380A/ja
Priority to HK98104084A priority patent/HK1004822A1/xx
Priority to US09/484,315 priority patent/US6255813B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3210933B2 publication Critical patent/JP3210933B2/ja
Priority to CN02132192A priority patent/CN1432998A/zh
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn
    • H01F10/3281Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn only by use of asymmetry of the magnetic film pair itself, i.e. so-called pseudospin valve [PSV] structure, e.g. NiFe/Cu/Co

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高感度の検出素子を実現でき,渦電流損
失が低減でき,高周波帯域での磁気特性が改善され,大
きなインピ一ダンス変化率を有する磁気検出素子を提供
すること。 【解決手段】 磁性層10と導体層20とを備えた磁気
検出素子において,前記磁性層10は,80−87at
%Co−10〜17at%Nb−1〜6at%ZrのC
o−Nb−Zr薄膜を含む。この磁気検出素子を製造す
るには,第1の磁性膜11上に第1の絶縁膜31を形成
し,前記絶縁膜31上に導体層20を形成し,前記導体
層20を両端部を残して覆うように,第2の絶縁膜32
で覆い,前記第2の絶縁膜32を前記第1の磁性膜11
と閉磁路を構成するように,第2の磁性膜12で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外部磁気に応じたイ
ンピーダンスを呈する磁気検出素子に関するもので,特
に各種磁気ヘッド,磁気センサ一として有用な磁気検出
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,電予機器の小型・高性能化が急速
に進み,特にコンピューター関連機器ではハードディス
クの小型・大容量化に伴って従来の磁束密度の変化を用
いたヘッドに代わり,磁気抵抗効果を利用したヘッド
(MRヘッド)が読みとりに使用されつつある。しか
し,さらなる記録密度の増大にはこのMRヘッドでも十
分ではなく,外部磁界の変化に対してさらに電気特性の
変化の大きいヘッド用の素子が望まれている。
【0003】また,地磁気の測定,脳内磁界の測定等,
微小磁界の測定・検出を行なう場合にもMRヘッドでは
十分ではない。
【0004】このような点に鑑みて,軟磁性線に高周波
電流を通電し,外部磁界の変動に応じた軟磁性線の抵
抗,及びインダクタンスの変化,すなわちインピーダン
スの変化として捕らえる磁気検出素子(「磁気インピー
ダンス素子」ともいわれる。)が提案されている(特開
平6−176930,特開平7−248365,電気学
会論文誌E116巻1号p7(1996)など)。この
ような磁気検出素子は,外部磁界の変化に伴うインピー
ダンスの変化が大きく,センサー,ヘッドとして優れた
特徴を持つているが,磁界変化に伴うインピーダンスの
変化率(すなわち磁界感度)は10%/Oeの程度にと
どまるという欠点がある。
【0005】このような欠点を改善するために,トラン
ジスタと軟磁性線を組み合わせて発振回路を構成し,L
C共振を利用することによって検出感度を向上させよう
とすることが提案されている(日本応用磁気学会誌,第
19巻,469(1995)など)。しかし,この提案
による磁気検出素子は,能動部品を必要とするばかりで
なく,いくつかの抵抗器,コンデンサー,ダイオードな
どを必要とする。したがって,素子自体のコストアップ
は避けられないという欠点がある。
【0006】他方で,アモルファス金属磁性単層膜を磁
気検出素子として用いることが検討されている(内山
ほか,電気学会論文誌,115−A,949(199
5))。このような磁気検出素子では,磁性膜に直接通
電を行うことにより外部磁界によりインピーダンスが変
化する小型の磁気センサを実現できる。しかしながらア
モルファス金属磁性膜はCu,Al,Agなど,導体線
路として−般に用いられる金属に比べ,電気抵抗が大き
いため,励磁が効率よく行えず,かつインピーダンス変
化率が小さくなるという欠点を有する。
【0007】また,Cu膜を内包したストライプ状のパ
ーマロイスパッタ膜を磁気インピーダンス素子として用
いることが提案されている(千田他,電気学会マグネテ
ィックス研究会資料,MAG−95−126,91(1
995)。さらに,−軸異方性を付与されたCoSiB
膜の間にCu導電体層を挟んだ構造の磁気検出素子も提
案されている(森川他,日本応用磁気学会誌,20,5
53(1996))。これらの磁気検出素子では,その
インピーダンスの変化率が−50〜+120%程度を呈
するようなす外部印加磁界の変化範囲があるが,磁界感
度は−5〜+10%/Oe程度に留まり,また,磁気異
方性を制御しにくいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた磁気検出素
子の等価回路は図1のような2端子回路となり,もっぱ
ら磁界の変化分をZ=R+jωL(ωは素子に流す交流
電流の角周波数)の形のインピーダンスの変化として検
出している。このような磁気検出素子では数MHz程度
の周波数帯域においては比透磁率がほとんど1に近いた
め,外部磁界に対するインダクタンス分Lの変化は小さ
い。しかし,外部磁界が異方性磁界の大きさと同じにな
るとき比透磁率が最大をとるという性質を利用して,外
部磁界の変化に対するインピーダンス変化分を大きくで
きる。ところが,数10〜数100MHz程度の周波数
帯域では表皮効果の影響,及び渦電流損失の増大のため
に,素子自体のインピーダンスが増大し,相対的に外部
磁界の変化に対するインピーダンス変化分が小さくなる
という欠点がある。
【0009】さらに,従来提案されてきた上記の軟磁性
線,または軟磁性薄膜を用いた磁気検出素子では接地導
体を持たないため,素子周辺に存在する他の回路要素や
配線等との間に種々の浮遊容量が発生するために動作が
不安定になりがちてあるという欠点がある。
【0010】さらには通電電流により発生される電界が
素子外部に存在する導体,あるいは誘電体のために乱さ
れやすく,動作が不安定になりがちであるという欠点が
ある。
【0011】そこで,本発明の第1の技術的課題は,磁
性金属層,または磁性金属線に導体金属の役割を兼用さ
せるような構造の検出素子に比べ,直流電気抵抗を低減
させることができるため,より高感度の検出素子を実現
できる磁気検出素子及びその製造方法を提供することに
ある。
【0012】また,本発明の第2の技術的課題は,渦電
流損失が低減でき,高周波帯域での磁気特性が改善され
る磁気検出素子及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0013】更に,本発明の第3の技術的課題は,大き
なインピ一ダンス変化率を有する磁気検出素子及びその
製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,ガラスセ
ラミック絶縁層を介しつつ,導電体層を内包し,かつC
oNbZr膜,及びガラスセラミックス層と積層構造を
持たせたCoNbZrは磁気異方性を制御しやすく,か
つ磁歪が零近傍の膜を容易に得られることから,この種
の磁気検出素子として用いた場合,上記問題点の解決が
図れることを見出した。この磁気異方性の制御について
は,回転磁界中熱処理,あるいは静磁界中熱処理を施す
ことによって膜面内で等方的な異方性をもたせたり,あ
るいは一軸異方性をもたせることが容易にできる。
【0015】本発明によれば,磁性層とこれに隣接した
導電層とを備えた磁気検出素子において,前記磁性層
は,80−87at%Co−10〜17at%Nb−1
〜6at%ZrのCo−Nb−Zr薄膜を含むことを特
徴とする磁気検出素子が得られる。
【0016】また,本発明によれば,前記磁気検出素子
において導体層を含み,前記導体層は,Cu,Ag,A
l,Auの内の少なくとも一種から実質的になり,前記
Co−Nb−Zr薄膜と,前記導体層とは,絶縁層を介
して互いに絶縁されていることを特徴とする磁気検出素
子が得られる。
【0017】また,本発明によれば,前記いずれかの磁
気検出素子において,前記磁性層は,前記Co−Nb−
Zr薄膜を複数絶縁膜を介して積層したものであること
を特徴とする磁気検出素子が得られる。
【0018】また,本発明によれば,前記いずれかの磁
気検出素子において,前記磁性層に,前記絶縁層を積層
してなり,前記絶縁層及び前記絶縁膜は,SiO2 ,S
34 ,Al2 3 ,AlNのうち少なくとも一種か
らなることを特徴とする磁気検出素子が得られる。
【0019】また,本発明によれば,導体層の周囲を絶
縁層を介して磁性層にて覆った磁気検出素子であって,
前記磁性層は,80−87at%Co−10〜17at
%Nb−1〜6at%ZrのCo−Nb−Zr薄膜を含
むことを特徴とする磁気検出素子が得られる。
【0020】また,本発明によれば,前記磁気検出素子
において,前記磁性層は,前記Co−Nb−Zr薄膜を
複数絶縁膜を介して積層したものであることを特徴とす
る磁気検出素子が得られる。
【0021】また,本発明によれば,前記いずれかの磁
気検出素子において,前記導体層は,Cu,Ag,A
l,Auの内の少なくとも一種から実質的になり,前記
絶縁層及び絶縁膜は,SiO2 ,Si3 4 ,Al2
3 ,AlNのうち少なくとも一種から実質的になること
を特徴とする磁気検出素子が得られる。
【0022】また,本発明によれば,第1の磁性膜上に
第1の絶縁膜を形成し,前記絶縁膜上に導体層を形成
し,前記導体層を両端部を残して覆うように,第2の絶
縁膜で覆い,前記第2の絶縁膜を前記第1の磁性膜と閉
磁路を構成するように,第2の磁性膜で覆うことを含
み,前記第1及び第2の磁性膜は,80−87at%C
o−10〜17at%Nb−1〜6at%ZrのCo−
Nb−Zr薄膜を含むことを特徴とする磁気検出素子の
製造方法が得られる。
【0023】また,本発明によれば,前記磁気検出素子
の製造方法において,前記磁性層は,前記Co−Nb−
Zr薄膜を複数の第3の絶縁膜を介して積層したもので
あることを特徴とする磁気検出素子の製造方法が得られ
る。
【0024】さらに,本発明によれば,前記磁気検出素
子の製造方法において,前記第1乃至第3の絶縁膜は,
夫々SiO2 ,Si3 4 ,Al2 3 ,AlNのうち
少なくとも一種からなり,前記導体層はCu,Ag,A
lの内の少なくとも一種から実質的になることを特徴と
する磁気検出素子の製造方法が得られる。
【0025】ここで,本発明の組成の限定理由について
述べる。Co−Nb−Zr薄膜の組成について,Coは
87at%を越えると飽和磁化が大きくなる反面,磁歪
が大きくなり,軟磁気特性が劣化することから外部磁界
の変動に伴うインピーダンス変化率が小さくなり,さら
には非晶質の膜が得られにくくなるという弊害がある。
80at%を下回ると飽和磁化が小さくなり,外部磁界
の変動に伴うインピーダンス変化率が小さくなる。Zr
はCo−Nb−Zr膜を非晶質化する効果があり,概ね
1at%以上であることが必要である。しかし,6at
%を越えると磁歪が大きくなり,軟磁気特性の劣化を招
くので好ましくない。Nb量については10〜16at
%のときに零磁歪となるので最も好ましく,10at%
を下回ると正の磁歪が大きくなり,軟磁気特性の劣化,
すなわちインピーダンス変化率劣化を招き,16at%
を越えると飽和磁化の低下を招くので好ましくない。
【0026】このように,本発明においては,薄膜技術
を用いているため,微細加工が容易にできる点において
は,他の薄膜磁気検出素子と同様,線材を用いた磁気検
出素子よりも優れている。
【0027】さらには,本発明においては,導電体層と
磁性体層とが電気的に絶縁されているため,渦電流損失
を低減することができるため,高周波帯域での特性に優
れる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0029】図1は本発明の実施の形態による磁気検出
素子を示す斜視図である。また,図2は図1の磁気検出
素子の横断面図,図3は図1の磁気検出素子の縦断面図
である。図1乃至図3を参照すると,磁気検出素子1
は,ガラス基板2上に形成された外郭をなす厚さ1μm
のCo−Nb−Zr膜からなる磁性層10と,中心部に
設けられた厚さ1μmのCu膜からなる導体層20と,
磁性層10及び導体層20との間に介在する厚さ0.5
μmのSiO2 膜からなる絶縁層30とから構成されて
いる。磁性層10は,ガラス基板2上の第1の磁性膜1
1と,上方に形成された第2の磁性膜からなる。絶縁層
30は導体層20と第1の磁性膜11との間に介在する
第1の絶縁層31と,導体層20と第2の磁性膜12と
の間に介在する第2の絶縁膜32とからなり,第1の絶
縁膜31と第2の絶縁膜32とは,両側部分において,
密着している。
【0030】次に本発明の実施の形態による磁気検出素
子の製造の具体例について説明する。
【0031】(本発明試料1〜10,及び比較試料1〜
5)図4は本発明の実施の形態による磁気検出素子の製
造工程を順に示す図である。図4を参照して,高周波マ
グネトロンスパッタリング等により図1乃至図3に示す
構造の磁気検出素子を厚さ1mmのガラス基板上に作製
した。作製手順は次の通りである。なお,Co−Nb−
Zr膜の製膜にあたっては種々の組成のCo−Nb−Z
r薄膜を得るために数種類の組成のCo−Nb−Zr合
金ターゲット,ならびにNbペレット,Zrペレットを
用いた。Co−Nb−Zr膜の組成はすべてEPMAで
分析した。
【0032】まず,図4(a)に示すような,縦横が1
0mm×20mmのガラス基板2上に,マスクを施し,
図4(b)に示すように,幅4mm,長さ14mm,厚
さ1μmCo−Nb−Zr膜の第1の磁性膜11をスパ
ッタにより製膜した。
【0033】次に,図4(c)に示すように,マスクを
用いて,幅3mm,長さ16mm,厚さ0.5μmのS
iO2 膜の第1の絶縁膜31をRFマグネトロンスパッ
タリングにより製膜した。更に,図4(d)に示すよう
に,第1の絶縁膜31上に,第1の絶縁膜31の両端よ
りもさらに長さ方向に延在して,幅2mm,長さ20m
mで,厚さ1μmのCu膜からなる導体層20を製膜し
た。次に,図4(e)に示すように,導体層20の中央
部を覆い,第1の絶縁膜31と重なるように,幅3m
m,長さ16mm,厚さ0.5μmのSiO2 膜からな
る第2の絶縁膜32を製膜した。続いて,図4(f)に
示すように,第2の絶縁膜を覆うように,幅4mm,長
さ14mm,厚さ1μmのCo−Nb−Zr膜からなる
第2の磁性膜12を製膜し,磁気検出素子を得た。試作
した磁気検出素子1の大きさはCo−Nb−Zr膜の長
手方向で14mm,幅が4mm,電極Cuの長手方向で
20mm,幅で2mmである。この素子を5.0×10-6
Torr以下,Hex=500Oeの真空・回転磁界中で
400℃,2時間熱処理し,製膜中に導入された異方性
を緩和した後,同条件の真空・静磁界中で熱処理し,素
子の幅方向一軸磁気異方性を導入した。
【0034】次いで,この素子の導体層20の両端部を
端子として,10MHzの通電電流を流したときのイン
ピーダンスのバイアス磁界依存性を測定した。また,イ
ンダクタンス変化率,ならびにEPMAによる組成分析
の結果を下記表1に示す。下記表1の試料1の場合のバ
イアス磁界依存性のグラフを一例として図5に示す。下
記表1でNo.1〜10の試料は本発明の請求範囲内の
組成である。また,No.11〜15の試料は本発明の
範囲外の組成で比較例である。
【0035】(比較試料6)比較試料6として,厚さ1
mmのガラス基板上に膜厚2μm,長手方向14mm,
幅4mmのCo−Nb−Zr膜のみを製膜した。さらに
本発明試料1〜10と同様の方法で磁場中熱処理を施
し,磁気検出素子とした。この素子に10MHzの電流
を直接流したときのインピーダンスのバイアス磁界依存
性を測定したところ,インピーダンス変化率は30%/
7Oe,磁界感度は4.3%/Oeであった。また,膜
組成は83.8at%Co−13.3at%Nb−2.
9at%Zrであった。この場合と,本発明試料2とを
比較すれば,図1の構造のように磁性層とは別に導体層
を持つ磁気検出素子の優位性は明らかである。
【0036】(比較試料7)比較試料7として図1乃至
図3に示した構造の磁気検出素子のSiO2 膜からなる
絶縁層30を除き,ガラス基板上にCuの導体層20,
Co−Nb−Zr膜からなる磁性層10のみを製膜した
磁気検出素子を得た。さらに,本発明試料1〜10と同
様の方法で磁場中熱処理を施した。この試料に本発明試
料1〜10と同様に,10MHzの通電電流を流したと
きのインピーダンスの磁界依存性を調べたところ,イン
ピーダンス変化率は,50%/9Oe,磁界感度は約6
%/Oeであった。また,膜組成は83.3at%Co
−13.8at%Nb−2.9at%Zrであった。こ
の場合と本発明試料3とを比較すれば,図1乃至図3の
構造のように磁性層と導体層との間に絶縁体層を持つ磁
気検出素子の優位性は明らかである。
【0037】(比較試料8)比較試料8として,図1乃
至図3に示した構造の磁気検出素子のCo−Nb−Zr
からなる磁性層に代え,磁性層としてパーマロイを製膜
したものの磁気インピーダンス特性を調べた。本発明試
料1〜10と同様,10MHzの通電電流を流したときの
インピーダンスの磁界依存性を測定したところ,インピ
ーダンス変化率は45%/90e,磁界感度は5%/O
eであった。
【0038】(本発明試料11)第2の実施の形態とし
て,図1乃至図3に示す構造を有する磁気検出素子で,
本発明試料1のCo−Nb−Zr単層膜である第1の磁
性膜11及び第2の磁性膜12に代え,図6に示すよう
に,厚さ0.1μmのSiO2 からなる第3の絶縁膜3
3を間に挟みながら厚さ0.25μmのCo−Nb−Z
r膜からなる第3の磁性膜13を4層積層した第1の磁
性膜14及び第2の磁性膜からなる磁性層を備えた磁気
インピーダンス素子を得た。さらに,本発明試料1〜1
0と同様の方法で磁場中熱処理を施した。この導体層2
0に40MHzの通電電流を流したときのインピーダン
ス,インダクタンス,抵抗の磁界依存性を測定したとこ
ろ,図6に示すようなインピーダンス,インダクタン
ス,抵抗の変化が見られた。このときのインビーダンス
変化率は12%/8Oe,磁界感度は15%/Oe,膜
組成は84at%Co−12.8st%Nb−3.2a
t%Zrであった。後に述する比較試料9と比べると高
周波域での特性に優れていることがわかる。
【0039】(比較試料9)本発明試料1に記載の磁気
検出素子に,本発明試料11と同様,40MHzの通電
電流を流したときのインピーダンス磁界依存性を測定し
たところ,インピーダンス変化率は80%/8Oe,磁
界感度は10%/Oeであった。
【0040】(本発明試料12)図1に示す構造の磁気
検出素子で,SiO2 絶縁層に代え,Si3 4 を絶縁
層として同様の素子を得た。さらに,本発明試料1〜1
0と同様の方法で磁場中熱処理を施し,10MHzの通
電電流を流したときのインピーダンス変化率を調べたと
ころ,110%/6.5Oe,磁界感度は16.9/O
eであった。
【0041】(本発明試料13)図1に示す構造の磁気
検出素子で,SiO2 絶縁層に代え,Al2 3 膜を絶
縁層として同様の素子を得た。さらに,本発明試料1〜
10と同様の方法で磁場中熱処理を施し,10MHzの
通電電流を流したときのインピーダンス変化率を調べた
ところ,113%/6.7Oe,磁界感度は16.9%
/Oeであった。
【0042】(本発明試料14)図1に示す構造の磁気
検出素子で,SiO2 の絶縁層30に代え,AlN膜を
絶縁層として用いて同様の構造の素子を得た。さらに,
本発明試料1〜10と同様の方法で磁場中熱処理を施
し,10MHzの通電電流を流したときのインピーダンス
変化率を調べたところ,103%/6.3Oe,磁界感
度は16.3%/Oeであった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明において
は,導体金属層を内包したCo−Nb−Zrアモルファ
ス金属磁性薄膜を磁気検出素子として,用いることによ
り,従来見られたような磁性金属層,または磁性金属線
に導体金属の役割を兼用させるような構造の検出素子に
比べ,直流電気抵抗を低減させることができるため,よ
り高感度の検出素子を実現できる。
【0045】また,本発明においては,導体金属層とC
o−Nb−Zrアモルファス金属磁性薄膜との間にガラ
スセラミック絶縁層を持たせることにより,アモルフア
ス金属磁性薄膜にはバイアス磁界印加のための直流は流
れないので,渦電流損失が低減でき,絶縁層を持たない
場合よりも高周波帯域での磁気特性が改善される。
【0046】また,本発明においては,Co−Nb−Z
r層を単層膜ではなく,ガラスセラミック層を介した積
層構造にすることにより,なお一層の高周波帯域化が可
能である。
【0047】さらには,本発明においては,アモルファ
スCo−Nb−Zr磁性金属層の組成を適切にすること
により,従来用いられてきたパーマロイ薄膜,Co−S
i−B薄膜などを用いた場合よりも大きなインピ一ダン
ス変化率を有する磁気検出素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による磁気検出素子を示す
斜視図である。
【図2】図1の磁気検出素子の横断面図である。
【図3】図1の磁気検出素子の縦断面図である。
【図4】(a)〜(f)は図1の磁気検出素子の製造工
程を示す平面図である。
【図5】図1の磁気検出素子のインピーダンスの磁界依
存性を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態による磁気検出素子を
示す断面図である。
【図7】図6の磁気検出素子(本発明試料11)のZ,
L,Rのバイアス磁場依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気検出素子 2 ガラス基板 10 磁性層 11,14 第1の磁性膜 12 第2の磁性膜 13 第3の磁性膜 20 導体層 30 絶縁層 31 第1の絶縁膜 32 第2の絶縁膜 33 第3の絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 43/10 H01L 43/10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層とこれに隣接した導電層とを備え
    た磁気検出素子において,前記磁性層は,80−87a
    t%Co−10〜17at%Nb−1〜6at%Zrの
    Co−Nb−Zr薄膜を含むことを特徴とする磁気検出
    素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気検出素子において導
    体層を含み,前記導体層は,Cu,Ag,Al,Auの
    内の少なくとも一種から実質的になり,前記Co−Nb
    −Zr薄膜と,前記導体層とは,絶縁層を介して互いに
    絶縁されていることを特徴とする磁気検出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気検出素子にお
    いて,前記磁性層は,前記Co−Nb−Zr薄膜を複数
    絶縁膜を介して積層したものであることを特徴とする磁
    気検出素子。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の磁気検出素子にお
    いて,前記磁性層に,前記絶縁層を積層してなり,前記
    絶縁層及び前記絶縁膜は,SiO2 ,Si34 ,Al
    2 3 ,AlNのうち少なくとも一種からなることを特
    徴とする磁気検出素子。
  5. 【請求項5】 導体層の周囲を絶縁層を介して磁性層に
    て覆った磁気検出素子であって,前記磁性層は,80−
    87at%Co−10〜17at%Nb−1〜6at%
    ZrのCo−Nb−Zr薄膜を含むことを特徴とする磁
    気検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気検出素子において,
    前記磁性層は,前記Co−Nb−Zr薄膜を複数絶縁膜
    を介して積層したものであることを特徴とする磁気検出
    素子。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の磁気検出素子にお
    いて,前記導体層は,Cu,Ag,Alの内の少なくと
    も一種から実質的になり,前記絶縁層及び絶縁膜は,S
    iO2 ,Si3 4 ,Al2 3 ,AlNのうち少なく
    とも一種から実質的になることを特徴とする磁気検出素
    子。
  8. 【請求項8】 第1の磁性膜上に第1の絶縁膜を形成
    し,前記絶縁膜上に導体層を形成し,前記導体層を両端
    部を残して覆うように,第2の絶縁膜で覆い,前記第2
    の絶縁膜を前記第1の磁性膜と閉磁路を構成するよう
    に,第2の磁性膜で覆うことを含み,前記第1及び第2
    の磁性膜は,80−87at%Co−10〜17at%
    Nb−1〜6at%ZrのCo−Nb−Zr薄膜を含む
    ことを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の磁気検出素子の製造方法
    において,前記磁性層は,前記Co−Nb−Zr薄膜を
    複数の第3の絶縁膜を介して積層したものであることを
    特徴とする磁気検出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の磁気検出素子の
    製造方法において,前記第1乃至第3の絶縁膜は,夫々
    SiO2 ,Si3 4 ,Al2 3 ,AlNのうち少な
    くとも一種からなり,前記導体層はCu,Ag,Al,
    Auの内の少なくとも一種から実質的になることを特徴
    とする磁気検出素子の製造方法。
JP24486096A 1996-09-17 1996-09-17 磁気検出素子及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3210933B2 (ja)

Priority Applications (14)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24486096A JP3210933B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 磁気検出素子及びその製造方法
US08/929,558 US6069475A (en) 1996-09-17 1997-09-15 Magnetic sensor utilizing impedance variation of a soft magnetic element in dependence upon a magnetic field strength and a method of manufacturing the same
CN97121378A CN1110794C (zh) 1996-09-17 1997-09-16 利用依赖磁场强度的软磁元件的阻抗变化的磁传感器及其制造方法
SG9703445A SG82576A1 (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magnetic sensor utilizing impedance variation of a soft magnetic element in dependence upon a magnetic field strength and a method of manufacturing the same
TW086113435A TW344799B (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magnetic sensor utilizing impedance variation of a soft magnetic element in dependence upon a magnetic field strength and a method of manufacturing the same
DE69705095T DE69705095T2 (de) 1996-09-17 1997-09-17 Magneto-Impedanz-Sensor
DE69714613T DE69714613T2 (de) 1996-09-17 1997-09-17 Magneto-Impedanz-Sensor
SG9906444A SG89311A1 (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magnetic sensor utilizing impedance variation of a soft magnetic element in dependence upon a magnetic field strength and a method of manufacturing the same
EP99115496A EP0965851B1 (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magneto-Impedance sensor
MYPI97004323A MY130911A (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magneto-impedance sensor
EP97116192A EP0831335B1 (en) 1996-09-17 1997-09-17 Magneto-Impedance Sensor
HK98104084A HK1004822A1 (en) 1996-09-17 1998-05-12 Magneto-impedance sensor
US09/484,315 US6255813B1 (en) 1996-09-17 2000-01-18 Magnetic sensor comprising a soft magnetic thin film element
CN02132192A CN1432998A (zh) 1996-09-17 2002-08-26 利用软磁元件的阻抗随场强变化的磁传感器及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24486096A JP3210933B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 磁気検出素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1090380A true JPH1090380A (ja) 1998-04-10
JP3210933B2 JP3210933B2 (ja) 2001-09-25

Family

ID=17125074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24486096A Expired - Lifetime JP3210933B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 磁気検出素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3210933B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002270919A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 積層型磁界検出素子
WO2019065244A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 昭和電工株式会社 磁気センサの製造方法及び磁気センサ集合体

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008197089A (ja) 2007-01-17 2008-08-28 Fujikura Ltd 磁気センサ素子及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002270919A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 積層型磁界検出素子
WO2019065244A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 昭和電工株式会社 磁気センサの製造方法及び磁気センサ集合体
JP2019067869A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 昭和電工株式会社 磁気センサの製造方法及び磁気センサ集合体
TWI702596B (zh) * 2017-09-29 2020-08-21 日商昭和電工股份有限公司 磁強計之製造方法及磁強計集合體
US11346895B2 (en) 2017-09-29 2022-05-31 Showa Denko K.K. Method of manufacturing magnetic sensor and magnetic sensor assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP3210933B2 (ja) 2001-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6255813B1 (en) Magnetic sensor comprising a soft magnetic thin film element
US4489357A (en) Magnetic sensor having multilayered flux conductors
US20100045285A1 (en) Magnetic sensor element and manufacturing method thereof
JP4695325B2 (ja) 磁気検出素子とその製造方法及び該素子を用いた携帯機器
US6239594B1 (en) Mageto-impedance effect element
US20220308128A1 (en) Magnetic sensor
JP3210933B2 (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JPH0223681A (ja) 磁気抵抗効果素子
JPH06288844A (ja) 力学量センサ
JP3139372B2 (ja) 磁気センサ
JP2001221838A (ja) 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
JPS61258323A (ja) 磁気抵抗効果ヘツド
JP3936137B2 (ja) 磁気インピーダンス効果素子
JPH04252411A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH0836717A (ja) 磁気抵抗効果ヘッド
JP3385501B2 (ja) 磁気検出素子
JP2001358378A (ja) 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
JP3218272B2 (ja) 磁気検出素子
JP4474835B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP3602988B2 (ja) 磁気インピーダンス効果素子
KR100481497B1 (ko) 자계세기에따른연성자기엘리먼트의임피던스변화를이용하는자기센서및그제조방법
JP2001119081A (ja) 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
JPH0289206A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3161667B2 (ja) 磁界検出センサ
JPH08330645A (ja) 磁気検出素子

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010502

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 9