JP2001119081A - 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法

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JP2001119081A JP2000164042A JP2000164042A JP2001119081A JP 2001119081 A JP2001119081 A JP 2001119081A JP 2000164042 A JP2000164042 A JP 2000164042A JP 2000164042 A JP2000164042 A JP 2000164042A JP 2001119081 A JP2001119081 A JP 2001119081A
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Akira Nakabayashi
亮 中林
Yutaka Naito
豊 内藤
Takashi Hatauchi
隆史 畑内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気インピーダンス効果素子の感磁部の形状
をワイヤーから薄膜あるいは薄帯に変更すると、磁界検
出感度は、感磁部をワイヤーで形成したときに比べて、
十数分の一に低下してしまっていた。 【解決手段】磁気インピーダンス効果素子Mの感磁部2
を薄膜あるいは薄帯として形成するときに、感磁部2の
素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lを
0.1以下にすることにより、磁気インピーダンス効果
素子の磁界検出感度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界センサとして
利用できる磁気インピーダンス効果素子に係り、特に、
バイアス磁界を小さくしても、良好な磁界検出感度を有
する磁気インピーダンス効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器、計測機器、制御機器な
どの急速な発展に伴って、従来の磁束検出型のものより
更に小型、高感度且つ高速応答性(高周波動作)の磁界
センサが求められ、磁気インピーダンス効果(Magn
eto−Impedance−Effect)を有する
素子(磁気インピーダンス効果素子)が注目されるよう
になってきている。
【0003】ワイヤ状に形成された軟磁性材料からなる
感磁部に微少高周波電流を通電すると、前記感磁部の両
端にインピーダンスによる出力電圧が発生する。微少高
周波電流を通電した軟磁性材料からなる感磁部に、外部
磁界を印加すると感磁部のインピーダンスが敏感に変化
して、出力電圧が変化することを、磁気インピーダンス
効果という。
【0004】磁気インピーダンス効果素子とは、磁気イ
ンピーダンス効果を利用して外部磁界の大きさ又は方向
を検出することができる素子のことである。
【0005】外部磁界の印加による軟磁性材料からなる
感磁部のインピーダンスの変化は、磁性材料に交流電流
を通電したときに、交流電流がその表面近くを流れよう
とする「表皮効果」が、外部磁界によって変化するため
であることが知られている。
【0006】具体的には、磁気インピーダンス効果と
は、図22に示す閉回路において、ワイヤ状の感磁部M
iに電源EacからMHz帯域の交流電流Iacを印加
している状態で、感磁部Miの素子長さ方向に外部磁界
Hexが印加されると、感磁部Mi両端に素材固有のイ
ンピーダンスによる出力電圧Emiが発生し、出力電圧
Emiの振幅が外部磁界Hexの強度に対応して数10
%の範囲で変化する、すなわちインピーダンス変化を起
こす現象をいう。
【0007】また、磁気インピーダンス効果素子は、
8.0×10-4A/m程度の高分解能を有する微弱磁界
センサが得られるという特性や、数MHz以上の励磁が
可能であるために数百MHzの高周波励磁を振幅変調の
キャリアとして自由に使用でき、磁界センサとして使用
するときに、遮断周波数を10MHz以上に設定するこ
とが容易であるという特性や、消費電力を10mW以下
にすることができるという特性を持つ。
【0008】磁気インピーダンス効果素子の感磁部に
は、当初アモルファスワイヤーが用いられていた。しか
し、アモルファスワイヤーは材料としての生産性には優
れているが、磁界センサへの応用には、不適当な特性を
多く有する。
【0009】たとえば、記録波長が数μm以下の記録媒
体に対して数十μm以下の円形の先端では、先端部にお
ける形状的損失により磁束を素子に吸収できないこと、
また、交流電流を流すための配線材を接続するための電
極部の形成が困難であること、数十μmの径のワイヤー
は、曲がりやすく、素子の位置合わせが困難であるこ
と、または、壊れやすいことといった問題点があった。
【0010】そこで、磁気インピーダンス効果素子の感
磁部を、軟磁性薄膜や軟磁性薄帯で構成することによ
り、前記感磁部を任意の厚さや幅、長さで形成すること
を可能にし、上記の問題点を解決することが提案されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁気インピー
ダンス効果素子の感磁部の形状をワイヤーから薄膜ある
いは薄帯に変更すると、磁区構造などの磁気特性が変化
し、磁気インピーダンス効果特性も変化する。
【0012】例えば、磁気インピーダンス効果素子の感
磁部を軟磁性薄膜として形成したときの、磁界検出感度
は、感磁部をワイヤーで形成したときに比べて、十数分
の1に低下する。
【0013】また、従来の磁気インピーダンス効果素子
は、感磁部に比較的大きなバイアス磁界を与えることが
必要であった。
【0014】図23は、従来の磁気インピーダンス効果
素子の磁気インピーダンス効果特性を示すグラフであ
る。
【0015】従来の磁気インピーダンス効果素子を用い
て図22の回路を構成した。感磁部Miに駆動交流電源
Eacから駆動交流電流Iacを与えた状態で、外部磁
界Hexを、磁気インピーダンス効果素子Miの素子長
手方向に印加する。印加した外部磁界Hexの大きさを
変化させつつ、出力電圧Emiを測定すると図23のよ
うなグラフが得られる。
【0016】図23の磁気インピーダンス効果特性を示
すグラフは、外部磁界Hexの大きさがHp+あるいは
Hp-であるときの出力電圧Emiの値を示す点を頂点
とする双峰形状をなしている。また、Hp+とHp-の絶
対値の大きさは、ほとんど等しい。
【0017】図23をみると、外部磁界Hexの大きさ
がHp+、あるいはHp-に近づくにつれて、出力電圧E
miの変化率が大きくなっている。すなわち、外部磁界
Hexの検出感度は、外部磁界Hexの大きさがHp+
あるいはHp-付近にあるときに良好になる。一方、外
部磁界Hexの大きさが0付近であるときの、出力電圧
Emiの変化率は小さく、外部磁界Hexの検出感度が
低い。
【0018】したがって、磁気インピーダンス効果素子
を磁気センサとして用いるときには、外部磁界Hex=
0付近における外部磁界Hexの検出感度を良好にする
ために、感磁部Miの素子長手方向に、例えば、大きさ
B1あるいは、HB2のバイアス磁界を印加して、磁気イ
ンピーダンス効果特性を示すグラフを、外部磁界Hex
の軸方向にシフトさせ、出力電圧の変化率が大きい部分
が、外部磁界Hex=0の軸上に来るようにしていた。
【0019】感磁部Miにバイアス磁界を印加する方法
としては、図24のように、感磁部Miの周囲にコイル
Cを適宜巻き数だけ巻回し、このコイルCに直流電流I
dcを流すことにより、バイアス磁界HBを発生させ
て、感磁部Miの素子長手方向に印加していた。
【0020】従来の磁気インピーダンス効果素子では、
前述のHp+またはHp-の大きさが、おおよそ、400
〜480(A/m)程度であった。このとき、外部磁界
Hex=0付近における外部磁界Hexの検出感度を良
好にするために、感磁部Miの素子長手方向に印加する
バイアス磁界HBの大きさは、例えば、HB1=480〜
560(A/m)であった。このように、バイアス磁界
Bの大きさが、480〜560(A/m)も必要であ
ると、コイルCの巻回数も増えて、工程が複雑になる。
感磁部Miの大きさは、長さ数mm、幅数百μmと微少
であり、このような微少な感磁部の周囲にコイルCを巻
回する工程は特に複雑である。
【0021】また、コイルCの巻回数が増えると、磁気
インピーダンス効果素子が大型化するという問題も生じ
る。したがって、磁気インピーダンス効果素子を磁気ヘ
ッドや微弱磁界検出器に適用する際に必要な小型化の障
害となる。
【0022】さらに、バイアス磁界HBを発生させるた
めにコイルCにあたえる直流電流Idcも大きくする必
要があり、磁気インピーダンス効果素子の省電力化の障
害となっていた。
【0023】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、磁気インピーダンス効果素子の感磁部を
薄膜あるいは薄帯として形成した場合でも、磁界検出感
度が良好であり、印加するバイアス磁界の大きさを小さ
くでき、小型化および省電力化の容易な磁気インピーダ
ンス効果素子およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気インピー
ダンス効果を有する軟磁性薄膜または薄帯を有する感磁
部と、前記感磁部に駆動交流電流を与えるための電極部
を有する磁気インピーダンス効果素子において、駆動交
流電流が与えられている前記感磁部の素子長手方向に外
部磁界を印加したときに、前記感磁部の両端からの出力
電圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が40
0(A/m)以下であることを特徴とするものである。
【0025】本発明では、駆動交流電流が与えられてい
る前記感磁部の素子長手方向に外部磁界を印加したとき
に、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記
外部磁界の大きさの絶対値を小さくすることができる。
【0026】前述したように、駆動交流電流が与えられ
ている前記感磁部の素子長手方向に前記外部磁界を印加
し、この外部磁界の大きさを変化させたときの、前記感
磁部からの出力電圧の変化率は、出力電圧が最大値とな
る付近で最も大きくなる。従って、前記感磁部からの出
力電圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が小
さくなっていくと、前記外部磁界の大きさが0付近であ
るときの、出力電圧の変化率が大きくなる。したがっ
て、感磁部に与えるバイアス磁界の大きさを小さくする
ことができる。
【0027】特に、前記感磁部の両端からの出力電圧を
最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が400(A
/m)以下になると、磁気インピーダンス効果素子の周
辺に、或いは磁気インピーダンス効果素子に重ねて、形
成された磁性材料からなる磁性体から発生する磁界を、
バイアス磁界として用いることが可能になる。
【0028】また、バイアス磁界を前記感磁部の周囲に
巻回するコイルによって与える場合でも、前記コイルの
巻回数が少なくなり、感磁部を製造する際の工程を簡略
化することができるようになる。
【0029】また、磁気インピーダンス効果素子を磁気
ヘッドや微弱磁界検出器に適用する際に必要な小型化も
容易になる。
【0030】さらに、前記バイアス磁界を発生させるた
めに前記コイルに与える直流電流も小さくすることがで
きるので、磁気インピーダンス効果素子の省電力化も容
易になる。
【0031】なお、上記感磁部は、通常、略長方形状も
しくは直線状に形成されるが、U字型や、つづら折れ状
に形成してもよい。このときの素子長手方向とは、前記
感磁部の中のもっとも長い直線部分の延長方向であり、
駆動交流電流によって発生する磁界の励磁方向に対して
垂直な方向に一致する。
【0032】また、前記感磁部の両端からの出力電圧を
最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が320(A
/m)以下であることが好ましく、より好ましくは、前
記感磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記外部磁
界の大きさの絶対値が160(A/m)以下であること
である。
【0033】なお、前記感磁部の両端からの出力電圧を
最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が上述した範
囲にある磁気インピーダンス効果素子において、前記感
磁部を構成する軟磁性薄膜または薄帯は単磁区構造或い
は多磁区構造を有し、各磁区において磁気モーメントの
素子長手方向の成分と素子幅方向の成分を比較したとき
に、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積
と、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積が
等しいものであること、または、前記素子長手方向の成
分の方が大きい磁区の総面積が、前記素子幅方向の成分
の方が大きい磁区の総面積より大きいものであることが
好ましい。
【0034】さらに、前記感磁部の両端からの出力電圧
を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が上述した
範囲にある磁気インピーダンス効果素子において、前記
感磁部の素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W
/Lが、0.1以下であることが好ましい。
【0035】なお、前記感磁部がU字型、つづら折れ状
に形成される場合には、前記感磁部の素子長手方向を向
いた部位の長さの総和が素子長さLとなる。このときの
素子長手方向とは、前記感磁部の中のもっとも長い直線
部分の延長方向であり、駆動交流電流によって発生する
磁界の励磁方向に対して垂直な方向に一致する。
【0036】また、本発明は、磁気インピーダンス効果
を有する軟磁性薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記
感磁部に駆動交流電流を与えるための電極部を有する磁
気インピーダンス効果素子において、前記感磁部を構成
する軟磁性薄膜または薄帯は、単磁区構造或いは多磁区
構造を有し、各磁区において磁気モーメントの素子長手
方向の成分と素子幅方向の成分を比較したときに、前記
素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積と、前記
素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積が等しいこ
とを特徴とするものである。
【0037】本発明のように、前記軟磁性薄膜または薄
帯が、単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各磁区にお
いて磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅方向
の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分の方
が大きい磁区の総面積と、前記素子幅方向の成分の方が
大きい磁区の総面積が等しくなっていると、前記軟磁性
薄膜または薄帯の、全体としての磁気異方性の方向がほ
ぼ等方的な状態になる。
【0038】つまり、前記軟磁性薄膜または薄帯の磁気
モーメントがある方向に固定されにくくなり、前記軟磁
性薄膜または薄帯を有する前記感磁部が交流電流によっ
て励磁されたときに、軟磁性薄膜または薄帯の磁気モー
メントの方向を変化させやすくなる。すなわち、軟磁性
薄膜または薄帯の素子幅方向の透磁率μが増加し、前記
外部磁界を印加しないときに、軟磁性薄膜または薄帯の
素子幅方向の透磁率μが最大値をとる。軟磁性薄膜また
は薄帯の素子幅方向の透磁率μが最大値をとるとき、軟
磁性薄膜または薄帯のインピーダンスの大きさZが最大
となり、前記感磁部の両端からの出力電圧も最大にな
る。すなわち、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大
にさせる外部磁界の大きさの絶対値が0に近くなる。
【0039】あるいは、本発明は、磁気インピーダンス
効果を有する軟磁性薄膜または薄帯を有する感磁部と、
前記感磁部に駆動交流電流を与えるための電極部を有す
る磁気インピーダンス効果素子において、前記感磁部を
構成する軟磁性薄膜または薄帯は、単磁区構造或いは多
磁区構造を有し、各磁区において磁気モーメントの素子
長手方向の成分と素子幅方向の成分を比較したときに、
前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積が、
前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積より大
きいことを特徴とするものである。
【0040】前記軟磁性薄膜または薄帯の各磁区におい
て、磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅方向
の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分の方
が大きい磁区の総面積が、前記素子幅方向の成分の方が
大きい磁区の総面積より大きい場合においても、前記感
磁部を構成する軟磁性薄膜または薄帯の磁気異方性の方
向を全体として等方的な状態に近い状態にすることがで
き、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積
と、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積
とが、等しい磁区構造の感磁部を有する磁気インピーダ
ンス効果素子と同等の磁界検出感度を得ることができ
る。
【0041】また、前記感磁部を構成する軟磁性薄膜ま
たは薄帯の磁気異方性の方向が全体として等方的な状態
に近い状態であると、前記感磁部の素子長手方向にわず
かに外部磁界を印加するだけで、前記軟磁性薄膜または
薄帯の磁気異方性の方向を全体としてほぼ等方的な状態
にさせることができ、前記感磁部の素子幅方向の透磁率
μを最大にさせることができ、さらに前記感磁部の両端
からの出力電圧を最大にさせることができる。すなわ
ち、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大にさせる外
部磁界の大きさの絶対値を小さくさせることができる。
【0042】なお、上記感磁部は、通常、略長方形状も
しくは直線状に形成されるが、U字型や、つづら折れ状
に形成してもよい。このときの素子長手方向とは、前記
感磁部の中のもっとも長い直線部分の延長方向であり、
駆動交流電流によって発生する磁界の励磁方向に対して
垂直な方向に一致する。
【0043】なお、上述した磁区構造の軟磁性薄膜また
は薄帯を有する磁気インピーダンス効果素子において、
駆動交流電流が与えられている前記感磁部の素子長手方
向に外部磁界を印加したときに、前記感磁部の両端から
の出力電圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値
が400(A/m)以下であることが好ましい。
【0044】さらに、上述した磁区構造の軟磁性薄膜ま
たは薄帯を有する磁気インピーダンス効果素子におい
て、前記感磁部の素子幅Wと素子長さLの比(アスペク
ト比)W/Lが、0.1以下であることが好ましい。
【0045】また、本発明は、磁気インピーダンス効果
を有する軟磁性薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記
感磁部に、駆動交流電流を与えるための電極部を有する
磁気インピーダンス効果素子において、前記感磁部の素
子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lが、
0.1以下であることを特徴とするものである。
【0046】本発明の発明者は、磁気インピーダンス効
果素子の感磁部を形成するときに、前記感磁部の素子幅
Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lを小さくし
ていくと、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出感度
が向上することを見出した。特に、前記アスペクト比
が、0.1以下になると、磁気インピーダンス効果素子
の磁界検出感度が著しく向上することを見出した。
【0047】前記感磁部は高周波数の交流電流によって
励磁されるので、表皮効果が強く現れる。このとき、前
記感磁部の素子幅W、素子長さL、比抵抗ρ、励磁周波
数ω、素子幅方向の透磁率μと前記感磁部のインピーダ
ンスの大きさ|Z|との間には、次の(数1)によって
示される関係がある。
【0048】
【数1】
【0049】(数1)から、前記感磁部の素子幅W、素
子長さL、比抵抗ρ、励磁周波数ωを一定としたとき、
前記感磁部のインピーダンスの大きさ|Z|は、素子幅
方向の透磁率μの1/2乗に比例することがわかる。素
子長手方向に交流電流が与えられ、素子幅方向に励磁さ
れている前記感磁部の素子長手方向に、外部磁界が印加
されると、前記感磁部の素子幅方向の透磁率μが変化
し、前記感磁部のインピーダンスの大きさ|Z|が変化
する。この、前記感磁部のインピーダンスの大きさ|Z
|の変化を測定することにより、前記感磁部に印加され
た前記外部磁界を検知する。
【0050】アスペクト比W/Lが小さくなると、素子
幅方向の透磁率μの変化に対するインピーダンスの大き
さ|Z|の変化率が大きくなる。すなわち、前記感磁部
の両端から引き出される出力電圧の大きさの変化が大き
くなり、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出感度が
向上する。
【0051】また、本発明では、前記感磁部の素子幅W
と素子長さLの比(アスペクト比)W/Lが、0.05
以下であることが好ましく、より好ましくは、前記感磁
部の素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/L
が、0.03以下であることである。
【0052】なお、前記感磁部がU字型、つづら折れ状
に形成される場合には、前記感磁部の素子長手方向を向
いた部位の長さの総和が素子長さLとなる。このときの
素子長手方向とは、前記感磁部の中のもっとも長い直線
部分の延長方向であり、駆動交流電流によって発生する
磁界の励磁方向に対して垂直な方向に一致する。
【0053】なお、上述したアスペクト比の感磁部を有
する磁気インピーダンス効果素子において、前記感磁部
を構成する軟磁性薄膜または薄帯は、単磁区構造或いは
多磁区構造を有し、各磁区において磁気モーメントの素
子長手方向の成分と素子幅方向の成分を比較したとき
に、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積
と、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積が
等しいものであること、または、前記素子長手方向の成
分の方が大きい磁区の総面積が、前記素子幅方向の成分
の方が大きい磁区の総面積より大きいものであることが
好ましい。
【0054】さらに、上述したアスペクト比の感磁部を
有する磁気インピーダンス効果素子において、駆動交流
電流が与えられている前記感磁部の素子長手方向に外部
磁界を印加したときに、前記感磁部の両端からの出力電
圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が400
(A/m)以下であることが好ましい。
【0055】また、本発明の磁気インピーダンス効果素
子が、前記感磁部の素子長手方向と平行な方向にバイア
ス磁界を印加する磁性体を有するものであると、製造工
程を簡略化でき、小型化が容易で、かつ消費電力を少な
くすることができるので好ましい。
【0056】前記磁気インピーダンス素子の感磁部は、
軟磁気特性を備えた強磁性体の薄膜または薄帯を有する
ことが必要である。また、1MHz〜数百MHzの高周
波領域において透磁率μが高くなくてはならない。さら
に、外部磁界(放送電波の磁界成分)によって軟磁性薄
膜に応力がかかって磁気特性が劣化しないように、磁歪
定数λが小さいことが好ましい。
【0057】前記軟磁性薄膜が、このような性質を備え
た薄膜磁性体として形成されるために、前記軟磁性薄膜
が以下に示すような微結晶軟磁性合金薄膜として形成さ
れることが好ましい。
【0058】1.組成式が、Fehijで表され、ア
モルファス構造を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜。
【0059】ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Wと希土類元素から選ばれる1種あるいは2
種以上の元素であり、h、i、jはat%で、45≦h
≦70、5≦i≦30、10≦j≦40、h+i+j=
100の関係を満足するもの。
【0060】Feは大きい飽和磁束密度Bsを得るため
のものであり、MはOと化合し、比抵抗ρを大きくする
ためのものである。h、i、jが上記範囲であると、飽
和磁束密度Bs、比抵抗ρ、透磁率μが大きい軟磁性合
金を得ることができ、h、i、jが上記範囲を外れる
と、軟磁気特性が劣化する。
【0061】なお、上記組成において元素Mが希土類元
素から選ばれる1種あるいは2種以上の元素である場合
には、h、jはat%で50≦h≦70、10≦j≦3
0であることがより好ましい。
【0062】2.組成式が、(Co1-ccxyzw
で表される微結晶軟磁性合金薄膜。ただし、元素Tは、
Fe、Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素
であり、元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Si,P,C,W,B,Al,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元
素であり、Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,O
s,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種あるいは2種以
上の元素であり、組成比は、cが、0≦c≦0.7、
x,y,z,wはat%で、3≦y≦30、0≦z≦2
0、7≦w≦40、20≦y+z+w≦60の関係を満
足し、残部がxであるもの。
【0063】なお、軟磁性合金は、元素Mの酸化物を多
量に含むアモルファス相に、Coと元素Tを主体とする
微結晶相が混在し、さらに微結晶相は、元素Mの酸化物
を含んだ構造を有するものであるとより好ましい。
【0064】3.組成式が、T100-d-e-f-gdef
gで表され、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc
−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結
晶軟磁性合金薄膜。
【0065】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Xは、S
i、Alのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素で
あり、元素Mは、Ti、Zr、Hf,V,Nb,Ta,
Mo,Wから選ばれる1種または2種以上の元素であ
り、元素Zは、C、Nのうちどちらか一方あるいは両方
を含む元素であり、Qは、Cr,Re,Ru,Rh,N
i,Pd,Pt,Auから選ばれる1種または2種以上
の元素であり、d、e、f、gはat%で、0≦d≦2
5、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0066】d、e、f、gが上記範囲内にあれば、透
磁率μが大きく、保磁力Hcも低く、磁歪定数λも小さ
い軟磁性合金薄膜を得ることができる。
【0067】4.組成式が、T100-p-q-e-f-gSipAl
qefgで表され、bcc−Fe、bcc−FeC
o、bcc−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体
とした微結晶軟磁性合金薄膜。
【0068】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、T
i、Zr、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
る1種または2種以上の元素であり、元素Zは、C、N
のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Q
は、Cr,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Au
から選ばれる1種または2種以上の元素であり、p、
q、e、f、gはat%で、8≦p≦15、0≦q≦1
0、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0069】p、q、e、f、gが上記範囲内にあれ
ば、透磁率μが大きく、保磁力Hcも低く、磁歪定数λ
も小さい軟磁性合金を得ることができる。
【0070】また、前記感磁部が、以下に示すような非
晶質軟磁性合金薄膜または薄帯として形成されていても
よい。
【0071】5.組成式が、(Fe1-aCoa100-x-y
(Si1-bbxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜ま
たは薄帯。
【0072】ただし、MはCr、Ruのうちいずれか一
方、あるいは両方を含む元素であり、組成比を表すa、
bは0.05≦a≦0.1、0.2≦b≦0.8であ
り、x、yはat%で10≦x≦35、0≦y≦7の関
係を満足するもの。
【0073】前記(Fe1-aCoa100-x-y(Si1-b
bxy系の軟磁性合金薄膜又は薄帯では、aが0.0
5≦a≦0.1の範囲を越えると、磁歪が大きくなるの
で好ましくない。また、bが0.2≦b≦0.8の範囲
を越えると、非晶質化が困難になり好ましくない。さら
に、xが10≦x≦35の範囲を越えると非晶質化が困
難になり好ましくない。また、x>35であると磁気特
性が劣化するので好ましくない。
【0074】6.組成式が、ColTamHfnで表さ
れ、アモルファス構造を主体にした非晶質軟磁性合金薄
膜。
【0075】ただし、l、m、nはat%で、70≦l
≦90、5≦m≦21、6.6≦n≦15、1≦m/n
≦2.5の関係を満足するもの。
【0076】前記ColTamHfn系の軟磁性合金薄膜
においては、飽和磁束密度BsはCoの含有量に依存し
ており、高い飽和磁束密度Bsを得るには、70≦lで
あることが必要である。しかし、l>90であると、比
抵抗ρが低くなるので好ましくない。
【0077】TaおよびHfは軟磁気特性を得るための
元素であり、5≦m≦21、6.6≦n≦15とするこ
とにより、飽和磁束密度Bsが大きく、比抵抗ρも大き
い軟磁性材料を得ることができる。また、Hfは、Co
−Ta系において発生する負の磁歪定数λを解消するた
めの元素でもある。磁歪定数λは、Taの含有量とHf
の含有量の比に依存し、1≦m/n≦2.5の範囲内で
あると、磁歪定数λを良好に解消することができる。
【0078】7.組成式が、CoaZrbNbcで表され
るアモルファス構造を主体とした非晶質軟磁性合金薄
膜。
【0079】ただし、a、b、cはat%で、78≦a
≦91、0.5≦b/c≦0.8の関係を満足するも
の。
【0080】飽和磁束密度BsはCoの濃度に依存し、
Bsを大きくするためには、78≦a≦91にする必要
がある。a>91であると、耐食性が低下すると共にア
モルファス構造になりにくくなり、結晶化し始めるので
好ましくない。また、a<78であると、Coどうしが
隣接する割合が減り、軟磁気特性を示しにくくなるので
好ましくない。透磁率μも、Coの濃度に依存し、78
≦a≦91の範囲で高い値を示す。
【0081】また、本発明の磁気インピーダンス効果素
子の製造方法は、(a)非磁性材料からなる基板上に、
軟磁性薄膜を一定方向の静磁場中で成膜する工程と、
(b)前記軟磁性薄膜を、前記(a)の工程において静
磁場がかけられた方向が素子幅方向となるように、ま
た、磁気インピーダンス効果素子の形成後、前記磁気イ
ンピーダンス効果素子の感磁部の素子長手方向に、駆動
交流電流を与えつつ外部磁界を印加したときに、前記感
磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記外部磁界の
大きさの絶対値が400(A/m)以下になるように、
素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lを設
定してパターン形成する工程と、を有することを特徴と
するものである。
【0082】本発明の製造方法では、(a)の工程にお
いて、静磁場中で前記感磁部を形成し、その後(b)の
工程で、前記感磁部をパターン形成することにより、前
記感磁部の素子長手方向に発生する形状磁気異方性と素
子幅方向の磁気異方性とをほぼ拮抗させることができ
る。
【0083】前記感磁部の両端からの出力電圧を最大と
する前記外部磁界の大きさの絶対値が400(A/m)
以下になるように、前記感磁部を構成する軟磁性薄膜の
アスペクト比を設定すると、前記感磁部にバイアス磁界
を与えるための前記感磁部の周囲に巻回するコイルの巻
回数も少なくなり、磁気インピーダンス効果素子を製造
する際の工程を簡略化することができるようになる。ま
た、磁気インピーダンス効果素子を磁気ヘッドや微弱磁
界検出器に適用する際に必要な小型化も容易になる。さ
らに、前記バイアス磁界を発生させるために前記コイル
に与える直流電流も小さくすることができるので、磁気
インピーダンス効果素子の省電力化も容易になる。
【0084】また、前記感磁部の両端からの出力電圧を
最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が400(A
/m)以下であれば、磁気インピーダンス効果素子の周
辺に、或いは磁気インピーダンス効果素子に重ねて、形
成された磁性材料からなる磁性体から発生する磁界を、
バイアス磁界として用いることが可能になる。
【0085】また、前記(b)の工程の後に、(c)前
記(b)の工程でパターン形成された軟磁性薄膜を、こ
の感磁部の素子幅方向の静磁場中、回転磁場中、または
無磁場中で熱処理する工程を有すると、前記感磁部の素
子長手方向に発生する形状磁気異方性と素子幅方向の磁
気異方性とをほぼ拮抗させることが容易になるので好ま
しい。
【0086】また、本発明の磁気インピーダンス効果素
子の製造方法は、(d)非磁性材料からなる基板上に、
軟磁性薄膜を一定方向の静磁場中で成膜する工程と、
(e)前記(d)の工程で形成された軟磁性薄膜を、前
記軟磁性薄膜に対する方向が前記(d)の工程において
かけられた静磁場の方向と同じである静磁場中、回転磁
場中、または無磁場中で熱処理する工程と、(f)前記
軟磁性薄膜を、前記(d)および/または(e)の工程
においてかけられた静磁場の方向が素子幅方向となるよ
うに、また、磁気インピーダンス効果素子の形成後、前
記磁気インピーダンス効果素子の感磁部の素子長手方向
に、駆動交流電流を与えつつ外部磁界を印加したとき
に、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記
外部磁界の大きさの絶対値が400(A/m)以下にな
るように、素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)
W/Lを設定して、パターン形成する工程と、を有する
ことを特徴とするものである。
【0087】先述した製造方法では、前記軟磁性薄膜の
成膜を静磁場中で行い、パターン形成した後に、前記軟
磁性薄膜を静磁場中、回転磁場中、または無磁場中で熱
処理していたが、本発明のように、前記軟磁性薄膜の成
膜を静磁場中で行った直後に、前記軟磁性薄膜を静磁場
中、回転磁場中、または無磁場中で熱処理し、その後前
記軟磁性薄膜をパターン形成するようにしても、前記軟
磁性薄膜の素子長手方向に発生する形状磁気異方性と素
子幅方向の磁気異方性とをほぼ拮抗させることを容易に
することができる。
【0088】このように、本発明の前記(a)または
(d)の工程における静磁場中成膜、及び(c)または
(e)の工程における静磁場中、回転磁場中、または無
磁場中での熱処理は、前記軟磁性薄膜の素子長手方向に
発生する形状磁気異方性と素子幅方向の磁気異方性とを
ほぼ拮抗させ、前記感磁部の磁気異方性の方向を全体と
してほぼ等方的な状態にさせるために行われる。
【0089】すなわち、本発明では、前記磁場中成膜及
び熱処理工程は、アスペクト比W/Lを小さくさせたと
きにおいても、素子幅方向の透磁率μを高く維持するた
めに行われるのであり、単に軟磁性薄膜の素子幅方向に
磁気異方性を持たせるためだけのものではない。
【0090】なお、前記(a)または前記(d)の工程
において、前記静磁場強度を800(A/m)以上に設
定することが好ましい。また、前記静磁場強度を480
0(A/m)以上に設定することがより好ましい。
【0091】また、前記(b)または前記(f)の工程
において、前記感磁部のアスペクト比を、0.1以下に
なるように形成することが好ましい。
【0092】素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト
比)W/Lが0.1以下である感磁部を形成することに
より、磁界検出感度が向上した磁気インピーダンス効果
素子を製造することができる。
【0093】あるいは、本発明の磁気インピーダンス効
果素子の製造方法は、(g)軟磁性材料の溶融合金を冷
却ロール上に射出させて接触急冷することにより軟磁性
薄帯を形成する工程と、(h)前記(g)の工程によっ
て形成された軟磁性薄帯を切断し、磁気インピーダンス
効果素子の形成後、前記磁気インピーダンス効果素子の
感磁部の素子長手方向に、駆動交流電流を与えつつ外部
磁界を印加したときに、前記感磁部の両端からの出力電
圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値が400
(A/m)以下になるように、素子幅Wと素子長さLの
比(アスペクト比)W/Lを設定して、パターン形成す
る工程と、(i)前記(h)の工程によって形成された
軟磁性薄帯を基板上に、接着する工程と、(j)前記軟
磁性薄帯を、素子幅方向の静磁場中で熱処理する工程
と、を有することを特徴とするものである。
【0094】このように、前記感磁部を、軟磁性材料の
溶融合金から形成された軟磁性薄帯を用いて形成しても
よい。
【0095】また、前記(h)の工程において、前記軟
磁性薄帯のアスペクト比を0.1以下に設定することが
好ましい。
【0096】磁気インピーダンス効果素子の感磁部を、
1MHz〜数百MHzの高周波領域における透磁率μが
高く、磁歪定数λが小さい軟磁気特性を備えた強磁性体
の薄膜として形成するために、前記(a)または前記
(d)の工程において、前記軟磁性薄膜を以下に示すよ
うな微結晶軟磁性合金薄膜として形成することが好まし
い。
【0097】1.組成式が、Fehijで表され、ア
モルファス構造を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜。
【0098】ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Wと希土類元素から選ばれる1種あるいは2
種以上の元素であり、h、i、jはat%で、45≦h
≦70、5≦i≦30、10≦j≦40、h+i+j=
100の関係を満足するもの。
【0099】2.組成式が、(Co1-ccxyzw
で表される微結晶軟磁性合金薄膜。ただし、元素Tは、
Fe、Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素
であり、元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Si,P,C,W,B,Al,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元
素であり、Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,O
s,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種あるいは2種以
上の元素であり、組成比は、cが、0≦c≦0.7、
x,y,z,wはat%で、3≦y≦30、0≦z≦2
0、7≦w≦40、20≦y+z+w≦60の関係を満
足し、残部がxであるもの。
【0100】なお、軟磁性合金は、元素Mの酸化物を多
量に含むアモルファス相に、Coと元素Tを主体とする
微結晶相が混在し、さらに微結晶相は、元素Mの酸化物
を含んだ構造を有するものであるとより好ましい。
【0101】3.組成式が、T100-d-e-f-gdef
gで表され、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc
−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結
晶軟磁性合金薄膜。
【0102】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Xは、S
i、Alのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素で
あり、元素Mは、Ti、Zr、Hf,V,Nb,Ta,
Mo,Wから選ばれる1種または2種以上の元素であ
り、元素Zは、C、Nのうちどちらか一方あるいは両方
を含む元素であり、Qは、Cr,Re,Ru,Rh,N
i,Pd,Pt,Auから選ばれる1種または2種以上
の元素であり、d、e、f、gはat%で、0≦d≦2
5、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0103】4.組成式が、T100-p-q-e-f-gSipAl
qefgで表され、bcc−Fe、bcc−FeC
o、bcc−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体
とした微結晶軟磁性合金薄膜。
【0104】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、T
i、Zr、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
る1種または2種以上の元素であり、元素Zは、C、N
のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Q
は、Cr,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Au
から選ばれる1種または2種以上の元素であり、p、
q、e、f、gはat%で、8≦p≦15、0≦q≦1
0、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0105】あるいは、前記(a)、前記(d)または
前記(g)の工程において、前記軟磁性薄膜または前記
軟磁性薄帯を以下に示すような非晶質軟磁性合金薄膜ま
たは薄帯として形成してもよい。
【0106】5.組成式が、(Fe1-aCoa100-x-y
(Si1-bbxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜ま
たは薄帯。
【0107】ただし、MはCr、Ruのうちいずれか一
方、あるいは両方を含む元素であり、組成比を表すa、
bは0.05≦a≦0.1、0.2≦b≦0.8であ
り、x、yはat%で10≦x≦35、0≦y≦7の関
係を満足するもの。
【0108】6.組成式が、ColTamHfnで表さ
れ、アモルファス構造を主体にした非晶質軟磁性合金薄
膜。
【0109】ただし、l、m、nはat%で、70≦l
≦90、5≦m≦21、6.6≦n≦15、1≦m/n
≦2.5の関係を満足するもの。
【0110】7.組成式が、CoaZrbNbcで表され
るアモルファス構造を主体とした非晶質軟磁性合金薄
膜。
【0111】ただし、a、b、cはat%で、78≦a
≦91、0.5≦b/c≦0.8の関係を満足するも
の。
【0112】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を示
す磁気インピーダンス効果素子の斜視図である。図1の
磁気インピーダンス効果素子Mは、アルミナチタンカー
バイドなどの非磁性材料からなる基板1上に、軟磁性材
料をスパッタ法や蒸着法などによって、薄膜形成するこ
とにより形成された感磁部2、および感磁部2の素子長
手方向(X方向)の両端部にCuなどの導電性材料によ
り形成された電極部3,3によって構成されている。感
磁部2は、略長方形状または線状にパターン形成されて
いる。または、感磁部2は、U字型やつづら折れ状に形
成されてもよい。
【0113】感磁部2は、例えば、組成式がFe71.4
5.8Si13.1Hf3.34.5Ru1.9(at%)で表され
る、bcc−Feの結晶粒を主体とし、bcc−Feの
周囲にHfCの結晶粒が存在する結晶粒径5〜30nm
の微結晶軟磁性合金薄膜である。
【0114】この組成以外のT―X―M―Z―Q系(元
素Tは、Fe、Coのうちどちらか一方あるいは両方を
含む元素であり、元素Xは、Si、Alの内どちらか一
方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、Ti、Z
r、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる1種
または2種以上の元素であり、元素Zは、C、Nのうち
どちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Qは、C
r,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選
ばれる1種または2種以上の元素)の微結晶軟磁性合金
薄膜や、Co−T−M−X―O系(元素Tは、Fe、N
iのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、
元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Si,P,C,W,B,Al,Ga,Geと希土
類元素から選ばれる1種または2種以上の元素であり、
Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,Os,Ir,P
t,Pdから選ばれる1種あるいは2種以上の元素)の
組成を有し、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc
−Co等からなる結晶粒径10〜30nmの結晶相とM
の酸化物を含む非晶質相からなり、非晶質相が組織全体
の50%以上を占めている微結晶軟磁性合金薄膜や、F
e―M―O系(Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Wと希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上
の元素)の組成を有し、bcc−Feを主体とする結晶
粒径10〜30nmの結晶相とMの酸化物を含む非晶質
相からなり、非晶質相が組織全体の50%以上を占めて
いる微結晶軟磁性合金薄膜として、感磁部2が形成され
ていてもよい。
【0115】あるいは、Fe−Co−Si−B―M系
(Mは、Cr,Ruのうちいずれか一方あるいは両方を
含む元素)の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co―Ta―H
f系の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co−Zr−Nb系の
非晶質軟磁性合金薄膜として、感磁部2が形成されてい
てもよい。
【0116】磁気インピーダンス効果素子Mに電極部
3,3から素子長手方向(X方向)に駆動交流電流を与
え、感磁部2を素子幅方向(Y方向)に励磁する。この
状態で、外部磁界Hexが素子長手方向に印加される
と、感磁部2のインピーダンスが変化する。感磁部2の
インピーダンス変化を、電極部3,3間の電圧の変化と
して取り出す。ここで、素子長手方向は、駆動交流電流
によって発生する磁界の励磁方向に対して垂直な方向に
一致する。
【0117】また、感磁部2がU字型やつづら折れ形状
で形成されているときは、感磁部の中のもっとも長い直
線部分の延長方向が素子長手方向となり、この方向が駆
動交流電流によって発生する磁界の励磁方向に対して垂
直な方向に一致する。
【0118】本発明の磁気インピーダンス効果素子Mで
は、感磁部2の素子幅Wと素子長さLの比W/L(アス
ペクト比)が、0.1以下に設定されている。
【0119】なお、感磁部がU字型、つづら折れ状に形
成される場合には、前記感磁部の素子長手方向を向いた
部位の長さの総和が素子長さLとなる。
【0120】本実施の形態では、感磁部2は、素子幅W
を0.10mm、素子長さLを6mmとして形成されて
いる。このとき、磁気インピーダンス効果素子Mの感磁
部2のアスペクト比は、W/L=0.017である。
【0121】なお、磁気インピーダンス効果素子Mの感
磁部2を軟磁性薄膜で構成することができると、一枚の
基板上に同時に多数の感磁部2を薄膜形成することがで
きるので、素子の生産性が飛躍的に向上するという効果
も得られる。ただし、感磁部2を単ロール法などによっ
て形成された薄帯によって形成してもよい。
【0122】図2は、磁気インピーダンス効果素子の感
磁部のアスペクト比と、磁界検出感度の関係を示すグラ
フである。図2のグラフでは、感磁部の素子長さLを4
mmまたは6mmに固定し、素子幅Wを変えることによ
り感磁部のアスペクト比W/Lを変化させた。図2から
明らかなように、感磁部のアスペクト比W/Lが0.1
以下になると、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出
感度が向上することがわかる。特に、感磁部の素子長さ
Lが6mmのときには、感磁部のアスペクト比W/Lが
約0.08以下になると、さらに、急激に磁気インピー
ダンス効果素子の磁界検出感度が向上することがわか
る。
【0123】図1に示された本実施の形態の磁気インピ
ーダンス効果素子Mは、素子長さ6mm、アスペクト比
が0.017であったので、図2のグラフから、約2.
5(mV・m/A)(約200(mV/Oe))もの高
感度を有していることがわかる。
【0124】図3は、磁気インピーダンス効果素子の感
磁部のアスペクト比(W/L)と、感磁部の両端からの
出力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対値(H
p)との関係を示すグラフである。
【0125】図3のグラフから、磁気インピーダンス効
果素子の感磁部のアスペクト比(W/L)を小さくする
と、感磁部の両端からの出力電圧を最大とする外部磁界
の大きさの絶対値(Hp)も小さくなることがわかる。
図3のグラフでは、感磁部の素子長さを4mmまたは6
mmに固定し、素子幅を変えることにより感磁部のアス
ペクト比を変化させている。
【0126】例えば、感磁部の素子長さが6mmのと
き、アスペクト比(W/L)を約0.1以下にすると、
感磁部の両端からの出力電圧を最大とする外部磁界の大
きさの絶対値(Hp)の値は、320(A/m)(4
(Oe))以下になる。また、感磁部の素子長さが4m
mのときも、アスペクト比(W/L)を約0.1以下に
すると、出力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対
値(Hp)が、320(A/m)(4(Oe))以下に
なる。
【0127】また、感磁部の素子長さが6mmのとき、
アスペクト比(W/L)を約0.05以下にすると、出
力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対値(Hp)
が160(A/m)(2(Oe))以下になる。
【0128】図1に示された本実施の形態の磁気インピ
ーダンス効果素子Mの感磁部2は、素子長さ6mm、ア
スペクト比が0.017であるので、図3のグラフか
ら、出力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対値
が、おおよそ0〜24(A/m)(0.3(Oe))の
範囲にあることがわかる。
【0129】図4は、本実施の形態の磁気インピーダン
ス効果素子の磁気インピーダンス効果特性を説明するた
めの概念図である。
【0130】本実施の形態の磁気インピーダンス効果素
子Mの電極部3から感磁部2の両端部に駆動交流電流を
与えた状態で、外部磁界Hexを、磁気インピーダンス
効果素子Mの素子長手方向に印加する。印加した外部磁
界Hexの大きさを変化させつつ、出力電圧Emiを測
定すると図4のようなグラフが得られる。
【0131】図4の磁気インピーダンス効果特性を示す
概念図は、外部磁界Hexの大きさがHp+あるいはH
-であるときの出力電圧Emiの値を示す点を頂点と
する双峰形状をなしている。また、Hp+とHp-の絶対
値の大きさはほとんど等しくおおよそ0〜24(A/
m)(0.3(Oe))である。
【0132】図4をみると、外部磁界Hexの大きさが
Hp+またはHp-に近づくにつれて、出力電圧Emiの
変化率が大きくなっている。すなわち、外部磁界Hex
の検出感度は、外部磁界Hexの大きさがHp+または
Hp-付近にあるときに良好になる。
【0133】Hp+またはHp-の大きさの絶対値がおお
よそ0〜24(A/m)(0.3(Oe))であると
き、外部磁界Hex=0付近における外部磁界Hexの
検出感度を良好にするために、感磁部2の素子長手方向
に印加するバイアス磁界の大きさは、例えば、HB=0
〜80(A/m)(1(Oe))であれば充分である。
なお、後述する実施例において、磁気インピーダンス効
果素子の、実測値に基づいた磁気インピーダンス効果特
性のグラフについて説明する。
【0134】なお、Hp+またはHp-の大きさの絶対値
が400(A/m)(5(Oe))以下、好ましくは3
20(A/m)(4(Oe))以下、より好ましくは1
60(A/m)(2Oe)以下であれば、感磁部2の素
子長手方向に印加するバイアス磁界の大きさを400
(A/m)(5(Oe))以下、好ましくは320(A
/m)(4(Oe))以下、より好ましくは160(A
/m)(2Oe)以下にできる。
【0135】感磁部2の素子長手方向に印加する必要な
バイアス磁界の大きさを、400(A/m)以下にする
ことができると、感磁部2の周辺に形成された硬磁性材
料や、或いは感磁部2に重ねて形成された硬磁性材料や
反強磁性材料からなる磁性膜から発生する磁界を、バイ
アス磁界として用いることが可能になる。
【0136】また、感磁部2の素子長手方向に印加する
バイアス磁界の大きさを400(A/m)(5(O
e))以下、好ましくは320(A/m)(4(O
e))以下、より好ましくは160(A/m)(2O
e)以下にできると、感磁部2にバイアス磁界を与える
ために、感磁部2の周囲に巻回するコイルの巻回数も少
なくなり、磁気インピーダンス効果素子を製造する際の
工程を簡略化することができるようになる。また、磁気
インピーダンス効果素子Mを磁気ヘッドや微弱磁界検出
器に適用する際に必要な小型化も容易になる。さらに、
バイアス磁界を発生させるためにコイルに与える直流電
流も小さくすることができるので、磁気インピーダンス
効果素子Mの省電力化も容易になる。
【0137】上述した、磁気インピーダンス効果素子の
感磁部の素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W
/Lを小さくしていくと、磁気インピーダンス効果素子
の磁界検出感度が向上するという効果が得られるのは以
下の理由による。
【0138】前記感磁部は高周波数の交流電流によって
励磁されるので、表皮効果が強く現れる。このとき、前
記感磁部の素子幅W、素子長さL、比抵抗ρ、励磁周波
数ω、素子幅方向の透磁率μと前記感磁部のインピーダ
ンスの大きさ|Z|との間には、次の(数2)によって
示される関係がある。
【0139】
【数2】
【0140】(数2)から、前記感磁部の素子幅W、素
子長さL、比抵抗ρ、励磁周波数ωを一定としたとき、
前記感磁部のインピーダンスの大きさ|Z|は、素子幅
方向の透磁率μの1/2乗に比例することがわかる。
【0141】素子長手方向に交流電流が与えられ、素子
幅方向に励磁されている前記感磁部の素子長手方向に、
外部磁界が印加されると、前記感磁部の素子幅方向の透
磁率μが変化し、前記感磁部のインピーダンスの大きさ
|Z|が変化する。前記感磁部のインピーダンスの大き
さ|Z|の変化を測定することにより、前記感磁部に印
加された外部磁界を検知する。
【0142】アスペクト比W/Lが小さくなると、素子
幅方向の透磁率μの変化に対するインピーダンスの大き
さ|Z|の変化率が大きくなる。すなわち、前記感磁部
の両端から引き出される出力電圧の大きさの変化が大き
くなり、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出感度が
向上する。
【0143】また、本発明において、駆動交流電流が与
えられている感磁部2に外部磁界Hexを印加したとき
に、感磁部2からの出力電圧Emiを最大とする外部磁
界Hexの大きさの絶対値Hpが小さくなっていくとい
う効果が得られるのは、前記感磁部が素子長手方向に磁
気モーメントが配向している磁区と、素子幅方向に磁気
モーメントが配向している磁区とが混在している磁区構
造を有することに起因する。
【0144】図5は、従来の磁気インピーダンス効果素
子の感磁部の磁区構造を示す概念平面図である。
【0145】図5に示された従来の磁気インピーダンス
効果素子の感磁部4は、静磁場中で形成され、あるい
は、異方性の強い軟磁性材料を用いて形成されることに
より、素子幅方向の磁気異方性を持たされている。した
がって、素子幅方向に磁気モーメントが配向している磁
区4aが形成されている。なお、図5の感磁部4の素子
幅をW1とする。
【0146】一方、形状磁気異方性により感磁部4の素
子長手方向に磁気モーメントが配向している磁区4bが
形成される。
【0147】従来の磁気インピーダンス効果素子のよう
に、感磁部4のアスペクト比が大きいと、素子長手方向
に磁気モーメントが配向している磁区4bの総面積が、
素子幅方向に磁気モーメントが配向している磁区4aの
総面積よりも、著しく狭くなる。
【0148】図6は、本発明の磁気インピーダンス効果
素子Mの感磁部2の磁区構造を示す平面概念図である。
【0149】例えば、感磁部Mの素子幅をW1より小さ
いW2にすることによって、感磁部のアスペクト比を
0.1より小さくする。
【0150】本実施の形態では、感磁部2となる軟磁性
薄膜が多磁区構造を有している。図6において、磁区2
bは、磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅方
向の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分の
方が大きい磁区であり、磁区2aは、前記素子幅方向の
成分の方が大きい磁区である。図6において、磁区2b
の総面積は、図5の磁区4bの総面積とほとんど変わら
ず、磁区2aの総面積は、図5の磁区4aの総面積より
減少し、磁区2aと磁区2bの総面積の値が等しくなっ
ている。すると、感磁部2の全体としての磁気異方性の
方向がほぼ等方的な状態になる。
【0151】素子長手方向の成分の方が大きい磁区であ
る磁区2bの総面積と、前記素子幅方向の成分の方が大
きい磁区である磁区2aの総面積が拮抗すると、すなわ
ち、素子幅方向と素子長手方向の磁気異方性エネルギー
がつり合うと、感磁部2は、磁気異方性の方向が全体と
してほぼ等方的な状態になる。つまり、感磁部2の磁気
モーメントはある方向に固定されにくくなり、交流電流
によって励磁されたときに磁気モーメントの方向を変化
させやすくなっている。すなわち、感磁部2の素子幅方
向の透磁率μは増加している。
【0152】感磁部2の素子幅方向の透磁率μが最大値
をとるとき、感磁部2のインピーダンスの大きさZが最
大となり、感磁部2の両端からの出力電圧も最大にな
る。
【0153】本発明では、外部磁界を印加していないと
きに、感磁部2は、磁気異方性の方向が全体として等方
的な状態に近い状態にされている。
【0154】従って、感磁部2の素子長手方向に、外部
磁界Hexを印加しなくとも、或いはわずかに外部磁界
Hexを印加するだけで、感磁部2の磁気異方性の方向
を全体としてほぼ等方的な状態にさせ、感磁部2の素子
幅方向の透磁率μを最大にさせることができ、さらに感
磁部2の両端からの出力電圧Emiを最大にさせること
ができる。
【0155】すなわち、駆動交流電流が与えられている
感磁部2に外部磁界Hexを印加したときに、感磁部2
からの出力電圧Emiを最大とする外部磁界Hexの大
きさの絶対値Hpを小さくさせることができる。
【0156】なお、感磁部2が単磁区構造を有し、各磁
区において磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子
幅方向の成分が釣り合っていてもよい。
【0157】また、本発明では、図7に示されるよう
に、素子長手方向の成分の方が大きい磁区である磁区2
bの総面積が、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区
である磁区2aの総面積より大きい場合においても、感
磁部2の磁気異方性の方向を全体として等方的な状態に
近い状態にすることができ、磁区2bの総面積と磁区2
aの総面積とが拮抗している磁区構造の感磁部を有する
磁気インピーダンス効果素子と同等の磁界検出感度を得
ることができる。
【0158】また、本実施の形態の磁気インピーダンス
効果素子では、磁界検出感度を、少なくとも磁界センサ
として実用可能な範囲である0.3(mV・m/A)
(25mV/Oe)以上にすることができる。
【0159】また、感磁部2の両端からの出力電圧を最
大にさせる外部磁界の大きさの絶対値を小さくさせるこ
とができる。
【0160】図8から図10は、本発明の磁気インピー
ダンス効果素子の実施の形態として、バイアス磁界を薄
膜磁性体によって与えることのできる磁気インピーダン
ス効果素子の縦断面図である。
【0161】図8の磁気インピーダンス効果素子は、基
板11上に軟磁性薄膜である感磁部12が成膜され、感
磁部12の素子長手方向の両端部に電極13,13が形
成され、さらに、感磁部12の両端部に接触する磁性薄
膜である硬磁性体層14,14が設けられたものであ
る。硬磁性体層14,14は、CoPtなどの硬磁性材
料によって形成される。
【0162】硬磁性体層14,14によって与えること
のできるバイアス磁界の大きさは、最大で400A/m
程度であるが、本発明の磁気インピーダンス効果素子で
は、感磁部12の素子長手方向に印加する必要なバイア
ス磁界の大きさを、400(A/m)以下にすることが
できるので、図8のような硬磁性体層14,14によっ
て、感磁部12に十分なバイアス磁界をかけることがで
きる。すなわち、バイアス磁界を与えるために直流電流
が流される巻線コイルを用いなくてすむので、磁気イン
ピーダンス効果素子の小型化・低消費電力化を達成でき
る。
【0163】また、図9に示されるように、硬磁性体層
14,14が、感磁部12の素子長手方向の両端部に形
成され、硬磁性体層14,14上に電極13,13が形
成されてもよい。
【0164】あるいは、図10に示されるように、感磁
部12の上層に反強磁性層15を積層し、感磁部12と
反強磁性層15との界面に生じる交換異方性磁界によっ
て、感磁部12に必要なバイアス磁界を与えることも可
能である。
【0165】図11から図13は、図1の磁気インピー
ダンス効果素子の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【0166】図11は、アルミナチタンカーバイド、ガ
ラス、セラミック、結晶化ガラスなどの非磁性材料から
なる基板1上に、軟磁性材料を用いて感磁部2となる軟
磁性薄膜5をスパッタ法、蒸着法或いはメッキ法などに
よって成膜した状態を示す斜視図である。
【0167】軟磁性薄膜5を成膜するときに、図1の磁
気インピーダンス効果素子が完成したときに素子幅方向
となる図11の矢印方向に静磁場H1をかけ、後の工程
で、軟磁性薄膜5を略長方形にパターン形成したとき
に、素子長手方向の形状磁気異方性エネルギーと素子幅
方向の磁気異方性エネルギーがつり合うようにする。
【0168】軟磁性薄膜5は、例えば、組成式がFe
71.4Al5.8Si13.1Hf3.34.5Ru1.9で表される、
bcc−Feの結晶粒を主体とした微結晶軟磁性合金薄
膜である。
【0169】この組成以外のT―X―M―Z―Q系(元
素Tは、Fe、Coのうちどちらか一方あるいは両方を
含む元素であり、元素Xは、Si、Alの内どちらか一
方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、Ti、Z
r、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる1種
または2種以上の元素であり、元素Zは、C、Nのうち
どちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Qは、C
r,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選
ばれる1種または2種以上の元素)の微結晶軟磁性合金
薄膜や、Co−T−M−X―O系(元素Tは、Fe、N
iのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、
元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Si,P,C,W,B,Al,Ga,Geと希土
類元素から選ばれる1種または2種以上の元素であり、
Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,Os,Ir,P
t,Pdから選ばれる1種あるいは2種以上の元素)の
組成を有し、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc
−Co等からなる結晶粒径10〜30nmの結晶相とM
の酸化物を含む非晶質相からなり、非晶質相が組織全体
の50%以上を占めている微結晶軟磁性合金薄膜や、F
e―M―O系(Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Wと希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上
の元素)の組成を有し、bcc−Feを主体とする結晶
粒径10〜30nmの結晶相とMの酸化物を含む非晶質
相からなり、非晶質相が組織全体の50%以上を占めて
いる微結晶軟磁性合金薄膜として、感磁部2が形成され
ていてもよい。
【0170】あるいは、Fe−Co−Si−B−M系
(Mは、Cr,Ruのうちいずれか一方あるいは両方を
含む元素)の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co―Ta―H
f系の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co−Zr−Nb系の
非晶質軟磁性合金薄膜として、軟磁性薄膜5を形成して
もよい。
【0171】なお、本実施の形態では、軟磁性薄膜5の
成膜をRFマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。
成膜時の条件は以下の範囲である。
【0172】高周波電力:200〜400(W) Arガス圧:50(sccm) 成膜時圧力:3〜7(mTorr) 成膜時静磁場強度:800(A/m)(10以上(O
e)) 成膜速度:10〜33.5(nm/分) なお、標準条件は、高周波電力が400(W)、Arガ
ス圧が50(sccm)、成膜時圧力が7(mTor
r)、成膜時静磁場強度が60(Oe)、成膜速度が3
3.5(nm/分)である。また、基板の冷却は間接冷
却によって行った。
【0173】次に、軟磁性薄膜5をフォトリソグラフィ
ーおよびエッチングによって、図12に示されるように
パターン形成して感磁部2を形成する。このとき、感磁
部2を素子幅Wと素子長さLの比W/L(アスペクト
比)が、0.1以下になるように略長方形または線状に
パターン形成する。
【0174】または、感磁部2をU字型もしくはつづら
折れ状にパターン形成してもよい。感磁部2がU字型、
つづら折れ状に形成される場合には、感磁部2の素子長
手方向を向いた部位の長さの総和が素子長さLとなる。
感磁部2がU字型やつづら折れ形状で形成されていると
きは、感磁部2の中のもっとも長い直線部分の延長方向
が素子長手方向となり、この方向が駆動交流電流によっ
て発生する磁界の励磁方向に対して垂直な方向に一致す
る。
【0175】さらに、図11の静磁場H1の方向を、感
磁部2の素子幅方向(Y方向)にする。本実施の形態で
は、感磁部2は、素子幅Wを0.10mm、素子長さL
を6mmとして形成される。したがって、本実施の形態
の磁気インピーダンス効果素子Mの感磁部2のアスペク
ト比は、W/L=0.017である。
【0176】このとき、磁気インピーダンス効果素子M
の形成後、感磁部2の素子長手方向に、駆動交流電流を
与えつつ外部磁界を印加したときに、感磁部2の両端か
らの出力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対値
は、400(A/m)以下になる。
【0177】なお、感磁部2は、基板1上一面に形成さ
れるが、図12ではそのうち一部のみを示している。
【0178】本発明では、軟磁性薄膜5の成膜を、静磁
場H1中で行わせることにより、軟磁性薄膜5からパタ
ーン形成された感磁部2の、素子長手方向(X方向)の
形状磁気異方性エネルギーと素子幅方向(Y方向)の磁
気異方性エネルギーとをほぼつり合わせている。すなわ
ち、感磁部2の、素子長手方向(X方向)の磁気異方性
と素子幅方向(Y方向)の磁気異方性とがほぼ拮抗し、
図6に示されるように、素子長手方向の成分の方が大き
い磁区である磁区2bの総面積が、前記素子幅方向の成
分の方が大きい磁区である磁区2aの総面積に等しい磁
区構造を有するもの、あるいは、図7に示されるよう
に、素子長手方向の成分の方が大きい磁区である磁区2
bの総面積が、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区
である磁区2aの総面積より大きい磁区構造を持つもの
が得られる。
【0179】本実施の形態では、感磁部2をパターン形
成した後、さらに、感磁部2の素子幅方向に静磁場H2
をかけ、熱処理にかける。このように、軟磁性薄膜5の
磁場中成膜後、さらに、静磁場中、回転磁場中、または
無磁場中熱処理を施すことによって、感磁部2の素子長
手方向(X方向)の磁気異方性と素子幅方向(Y方向)
の磁気異方性とをほぼ拮抗させることが容易になる。
【0180】本実施の形態における静磁場中、回転磁場
中、または無磁場中熱処理の条件は、以下の範囲であ
る。
【0181】 静磁場強度:0〜80000(A/m)(1kOe) 熱処理温度:540〜675(℃) 熱処理時間:20〜30(分) 昇温レート:10〜14(℃/分) なお、標準条件は、静磁場強度が80000(A/m)
(1kOe)、熱処理温度が575(℃)、熱処理時間
が30(分)、昇温レートが13.6(℃/分)であ
る。
【0182】なお、本実施の形態では、図11のように
軟磁性薄膜5を磁場中成膜した後に、図12のように、
感磁部2をパターン形成した後で、静磁場中、回転磁場
中、または無磁場中熱処理を施しているが、軟磁性薄膜
5の磁場中成膜後、感磁部2をパターン形成する前、す
なわち、図11の状態で、軟磁性薄膜5を成膜するとき
にかけた静磁場H1の方向と同じ方向の静磁場中、回転
磁場中または無磁場中で熱処理を施し、その後、感磁部
2をパターン形成してもよい。なお、回転磁場中で熱処
理を行なうときの磁場の強度は、静磁場中で熱処理を行
なうときの磁場の強度と同じでよい。
【0183】感磁部2をパターン形成し、磁場中熱処理
を施した後に、図13のように、感磁部2の両端部に、
Cu、Ni、Ti、Crなどの導電性材料からなる電極
部3をスパッタ法、フォトリソグラフィー、およびエッ
チングによって形成する。
【0184】電極部3を形成後、基板1を切断し、図1
のような個々の磁気インピーダンス効果素子Mとする。
【0185】また、感磁部2を、軟磁性薄帯から形成す
る場合には、例えば、図14に示す液体急冷装置6を用
いる。
【0186】まず、軟磁性材料が、石英からなるノズル
8に投入され、ノズル8の周囲に設けられたヒータ10
により加熱され、溶融される。この溶融合金9をノズル
の上部から加えられた圧力により高速回転している冷却
ロールR上に射出させて接触急冷することにより、軟磁
性薄帯7を形成する。
【0187】得られた軟磁性薄帯7を切断して、素子幅
Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lが、0.1
以下になるように、略長方形の感磁部2を形成する。
【0188】次に、感磁部2を基板上に接着した後、感
磁部2を素子幅方向の静磁場中で熱処理にかける。
【0189】さらに、感磁部2の両端部に電極部3を形
成すると、図1のような磁気インピーダンス効果素子が
得られる。
【0190】本発明の磁気インピーダンス効果素子の製
造方法によって形成された感磁部2は、図6または図7
に示されたような磁区構造をもつ。
【0191】すなわち、素子長手方向に磁気モーメント
が配向している磁区2bの総面積の値と、素子幅方向に
磁気モーメントが配向している磁区2aの総面積の値が
近くなっている。すなわち、感磁部2の素子長手方向の
磁気異方性と素子幅方向の磁気異方性とがほぼ拮抗して
いる。
【0192】本実施の形態によって製造された磁気イン
ピーダンス効果素子Mは、素子長さ6mm、アスペクト
比が0.017であるので、図3のグラフから、出力電
圧を最大とする外部磁界の大きさの絶対値が、約24
(A/m)(約0.3(Oe))である。
【0193】感磁部2の両端からの出力電圧Emiを最
大とする外部磁界の大きさの絶対値(Hp)が、本実施
の形態のように、400(A/m)(5(Oe))以下
であると、感磁部にバイアス磁界を与えるために、前記
感磁部の周囲に巻回するコイルの巻回数も少なくなり、
磁気インピーダンス効果素子を製造する際の工程を簡略
化することができるようになる。また、磁気インピーダ
ンス効果素子を磁気ヘッドや微弱磁界検出器に適用する
際に必要な小型化も容易になる。さらに、前記バイアス
磁界を発生させるために前記コイルに与える直流電流も
小さくすることができるので、磁気インピーダンス効果
素子の省電力化も容易になる。
【0194】また、磁気インピーダンス効果素子の周辺
に或いは磁気インピーダンス効果素子に重ねて形成され
た磁性材料からなる磁性膜から発生する磁界を、バイア
ス磁界として用いることも可能になる。
【0195】図15から図17は、本発明の磁気インピ
ーダンス効果素子の感磁部2をカー効果偏光顕微鏡によ
って観察し、写真撮影したものの模式図である。
【0196】図15は、感磁部2を素子長手方向(X方
向)の長さL=2mm、素子幅方向(Y方向)の長さW
=100μm、すなわちアスペクト比W/L=0.05
として形成したものの磁区構造を示している。また、図
16及び図17は、感磁部2を素子長手方向の長さL=
4mm、素子幅方向の長さW=100μm、すなわちア
スペクト比W/L=0.025として形成したものの磁
区構造を示している。
【0197】図15及び図16では、素子幅方向に磁気
モーメントが配向している磁区の総面積と、素子長手方
向に磁気モーメントが配向している磁区の総面積が拮抗
している状態になっており、素子幅方向と素子長手方向
の磁気異方性エネルギーがつり合って、磁気異方性の方
向が全体としてほぼ等方的な状態になっている。
【0198】また、図17では、素子長手方向に磁気モ
ーメントが配向している磁区の総面積が、素子幅方向に
磁気モーメントが配向している磁区の総面積より大きく
なっている。しかし、素子幅方向と素子長手方向の磁気
異方性エネルギーがつり合って、磁気異方性の方向が全
体としてほぼ等方的な状態になっている。
【0199】つまり、図15から図17に示されたいず
れの感磁部2においても、磁気モーメントはある方向に
固定されにくくなり、交流電流によって励磁されたとき
に磁気モーメントの方向を変化させやすくなっている。
すなわち、感磁部2の素子幅方向の透磁率μは増加して
おり、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出感度が大
きくなっている。また、感磁部2の両端からの出力電圧
を最大にさせる外部磁界の大きさの絶対値を小さくさせ
ることができ、必要なバイアス磁界の大きさを小さくで
きる。
【0200】図18は、従来の磁気インピーダンス効果
素子の感磁部をカー効果偏光顕微鏡によって観察し、写
真撮影したものの模式図である。
【0201】図18は、感磁部を素子長手方向(X方
向)の長さL=4mm、素子幅方向(Y方向)の長さW
=500μm、すなわちアスペクト比W/L=0.12
5として形成したものの磁区構造を示している。
【0202】図18では、素子幅方向に磁気モーメント
が配向している磁区が大勢を占めており、磁気異方性の
方向が素子幅方向を向いている。
【0203】すなわち、感磁部の素子幅方向の透磁率μ
は小さく、磁気インピーダンス効果素子の磁界検出感度
は小さい。また、感磁部の両端からの出力電圧を最大に
させる外部磁界の大きさの絶対値も大きく、必要なバイ
アス磁界も大きくなる。
【0204】なお、図15から図18のいずれの感磁部
も、FeAlSiHfCRu系の組成を有し、bcc−
Feの結晶粒を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜によっ
て形成され、また感磁部の膜厚は4μmで形成されてい
る。
【0205】
【実施例】図19及び図20は、図1に示された磁気イ
ンピーダンス効果素子を用いて、磁気インピーダンス効
果特性を測定した結果を示すグラフである。
【0206】図1の磁気インピーダンス効果素子Mの電
極部3から感磁部2の両端部に駆動交流電流を与えた状
態で、外部磁界Hexを、磁気インピーダンス効果素子
Mの素子長手方向に印加する。印加した外部磁界Hex
の大きさを変化させつつ、出力電圧Emiを測定した。
【0207】図19は、感磁部をFeAlSiHfCR
u系の組成を有し、bcc−Feの結晶粒を主体とした
微結晶軟磁性合金薄膜によって形成し、感磁部2の素子
長手方向の長さを4mm、厚さを4μmとし、素子幅方
向の長さを変化させたときの結果である。
【0208】図19を見ると、感磁部2の素子幅方向の
長さが1000μm(W/L=0.25)及び500μ
m(W/L=0.125)のときは、外部磁界の大きさ
を変化させたときに出力電圧の変化がほとんどみられ
ず、磁界センサとして機能していないことが分かる。ま
た、出力電圧を最大にさせる外部磁界の大きさの絶対値
は、400(A/m)を越えている。
【0209】一方、感磁部2の素子幅方向の長さが10
0μm(W/L=0.025)のときは、外部磁界の大
きさを変化させたときに出力電圧の変化は、最大で20
0mV以上となり、高感度な磁界センサとして機能する
ことが分かる。また、出力電圧を最大にさせる外部磁界
の大きさの絶対値は、160(A/m)である。
【0210】なお、感磁部2の素子幅方向の長さが10
0μm(W/L=0.025)のとき、感磁部2を構成
する軟磁性薄膜は単磁区構造或いは多磁区構造を有して
おり、各磁区において磁気モーメントの素子長手方向の
成分と素子幅方向の成分を比較したときに、前記素子長
手方向の成分の方が大きい磁区の総面積と、前記素子幅
方向の成分の方が大きい磁区の総面積が等しいものであ
るか、または、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁
区の総面積が、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区
の総面積より大きくなっている。
【0211】図20は、感磁部2をFeAlSiHfC
Ru系の組成を有し、bcc−Feの結晶粒を主体とし
た微結晶軟磁性合金薄膜によって形成し、感磁部2の素
子長手方向の長さを6mm、厚さを4μmとし、素子幅
方向の長さを変化させたときの結果である。
【0212】図20を見ると、感磁部2の素子幅方向の
長さが1000μm(W/L=0.17)のときは、外
部磁界の大きさを変化させたときに出力電圧の変化がほ
とんどみられず、磁界センサとして機能していないこと
が分かる。また、出力電圧を最大にさせる外部磁界の大
きさの絶対値は、400(A/m)を越えている。
【0213】一方、感磁部2の素子幅方向の長さが50
0μm(W/L=0.08)のときは、外部磁界の大き
さを変化させたときに出力電圧の変化は、最大で50m
V以上となり、磁界センサとして機能できることが分か
る。また、出力電圧を最大にさせる外部磁界の大きさの
絶対値は、320(A/m)である。さらに、感磁部2
の素子幅方向の長さが100μm(W/L=0.01
7)のときは、外部磁界の大きさを変化させたときに出
力電圧の変化は、最大で600mV以上となり、非常に
高感度な磁界センサとして機能できることが分かる。ま
た、出力電圧を最大にさせる外部磁界の大きさの絶対値
は、0〜24(A/m)である。
【0214】なお、感磁部2の素子幅方向の長さが50
0μm又は100μmのとき、感磁部2を構成する軟磁
性薄膜は、単磁区構造或いは多磁区構造を有しており、
各磁区において磁気モーメントの素子長手方向の成分と
素子幅方向の成分を比較したときに、前記素子長手方向
の成分の方が大きい磁区の総面積と、前記素子幅方向の
成分の方が大きい磁区の総面積が等しいものであるか、
または、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総
面積が、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面
積より大きくなっている。
【0215】図21は、感磁部の素子長手方向の長さを
3mmに固定し、素子幅方向の長さを様々に変えた磁気
インピーダンス効果素子を用いて、感磁部のアスペクト
比と外部磁界を印加したときの出力電圧の変化量との関
係を調べた結果を示すグラフである。
【0216】図21に示される出力電圧の変化量とは、
外部磁界を320(A/m)変化させたときの電圧変化
量である。
【0217】磁気インピーダンス効果素子を磁界センサ
として使用するときには、図21のグラフにおける出力
変化量を100mV以上とすることが好ましい。したが
って、感磁部のアスペクト比(W/L)を0.004以
上にすることが好ましいことがわかる。
【0218】なお、図21において出力変化量が最大値
をとるときの、感磁部のアスペクト比は0.017であ
る。
【0219】
【発明の効果】以上詳述した本発明では、前記感磁部の
両端からの出力電圧を最大とする外部磁界の大きさの絶
対値を400(A/m)(5(Oe))以下にすること
により、前記感磁部にバイアス磁界を与えるために、前
記感磁部の周囲に巻回するコイルの巻回数を少なくする
ことができ、磁気インピーダンス効果素子を製造する際
の工程を簡略化することができる。また、磁気インピー
ダンス効果素子を磁気ヘッドや微弱磁界検出器に適用す
る際に必要な小型化も容易になる。さらに、前記バイア
ス磁界を発生させるために前記コイルに与える直流電流
も小さくすることができるので、磁気インピーダンス効
果素子の省電力化も容易になる。
【0220】さらに、必要なバイアス磁界が小さくなる
と、磁気インピーダンス効果素子の周辺に或いは磁気イ
ンピーダンス効果素子に重ねて形成された磁性材料から
なる磁性体から発生する磁界を、バイアス磁界として用
いることも可能になる。
【0221】また、前記感磁部を構成する軟磁性薄膜ま
たは薄帯は単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各磁区
において磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅
方向の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分
の方が大きい磁区の総面積と、前記素子幅方向の成分の
方が大きい磁区の総面積が等しいものであること、また
は、前記素子長手方向の成分の方が大きい磁区の総面積
が、前記素子幅方向の成分の方が大きい磁区の総面積よ
り大きいものであることにより、前記感磁部を構成する
軟磁性薄膜または薄帯の磁気異方性の方向を全体として
等方的な状態に近い状態にすることができ、前記感磁部
の両端からの出力電圧を最大にさせる外部磁界の大きさ
の絶対値を小さくさせることができる。
【0222】また、本発明によれば、磁気インピーダン
ス効果素子の感磁部を薄膜あるいは薄帯にとして形成す
るときに、前記感磁部の素子幅Wと素子長さLの比(ア
スペクト比)W/Lを0.1以下にすることにより、磁
気インピーダンス効果素子の磁界検出感度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す磁気インピーダンス
効果素子の斜視図。
【図2】磁気インピーダンス効果素子の感磁部のアスペ
クト比と、磁界検出感度の関係を示すグラフ。
【図3】磁気インピーダンス効果素子の感磁部のアスペ
クト比と、感磁部の両端からの出力電圧Emiを最大と
する外部磁界の大きさの絶対値Hpとの関係を示すグラ
フ。
【図4】本実施の形態の磁気インピーダンス効果素子の
磁気インピーダンス効果特性を示す概念図。
【図5】従来の磁気インピーダンス効果素子の感磁部の
磁区構造を示す概念平面図。
【図6】本発明の磁気インピーダンス効果素子の感磁部
の磁区構造を示す概念平面図。
【図7】本発明の磁気インピーダンス効果素子の感磁部
の磁区構造を示す概念平面図。
【図8】本発明の磁気インピーダンス効果素子の実施の
形態として、バイアス磁界を与える硬磁性体層が設けら
れた磁気インピーダンス効果素子を示す断面図。
【図9】本発明の磁気インピーダンス効果素子の実施の
形態として、バイアス磁界を与える硬磁性体層が設けら
れた磁気インピーダンス効果素子を示す断面図。
【図10】本発明の磁気インピーダンス効果素子の実施
の形態として、バイアス磁界を与える反強磁性層が設け
られた磁気インピーダンス効果素子を示す断面図。
【図11】アルミナチタンカーバイドなどの非磁性材料
からなる基板上に、軟磁性材料を用いて感磁部となる軟
磁性薄膜を成膜した状態を示す斜視図。
【図12】図11の軟磁性薄膜をフォトリソグラフィー
およびエッチングによって、パターン形成して感磁部を
形成した状態を示す斜視図。
【図13】図12の感磁部の両端に電極部を形成した状
態を示す斜視図。
【図14】軟磁性薄帯を形成するための液体急冷装置を
示す斜視図。
【図15】本発明の磁気インピーダンス効果素子の感磁
部をカー効果偏光顕微鏡によって観察し、写真撮影した
ものの模式図。
【図16】本発明の磁気インピーダンス効果素子の感磁
部をカー効果偏光顕微鏡によって観察し、写真撮影した
ものの模式図。
【図17】本発明の磁気インピーダンス効果素子の感磁
部をカー効果偏光顕微鏡によって観察し、写真撮影した
ものの模式図。
【図18】従来の磁気インピーダンス効果素子の感磁部
をカー効果偏光顕微鏡によって観察し、写真撮影したも
のの模式図。
【図19】本発明及び従来の磁気インピーダンス効果素
子の磁気インピーダンス効果特性の実測値を示すグラ
フ。
【図20】本発明及び従来の磁気インピーダンス効果素
子の磁気インピーダンス効果特性の実測値を示すグラ
フ。
【図21】磁気インピーダンス効果素子の感磁部のアス
ペクト比と出力変化量との関係を示すグラフ。
【図22】磁気インピーダンス効果素子に駆動交流電流
を与え、外部磁界を印加する方法を示す概念図。
【図23】従来の磁気インピーダンス効果素子の磁気イ
ンピーダンス効果特性を示すグラフ。
【図24】磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界
を印加する方法を示す概念図。
【符号の説明】
1 基板 2、4 感磁部 3 電極部 5 軟磁性薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/33 G11B 5/33 H01F 1/153 H01F 1/16 Z 1/16 10/06 10/06 10/14 10/14 10/16 10/16 1/14 C (72)発明者 畑内 隆史 東京都大田区雪谷大塚1番7号 アルプス 電気株式会社社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB07 AC09 AD51 BA03 5E041 AA11 AA14 AA19 CA01 HB07 HB11 NN01 NN17 5E049 AA01 AA04 AA09 AC01 BA16

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気インピーダンス効果を有する軟磁性
    薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記感磁部に駆動交
    流電流を与えるための電極部を有する磁気インピーダン
    ス効果素子において、 駆動交流電流が与えられている前記感磁部の素子長手方
    向に外部磁界を印加したときに、前記感磁部の両端から
    の出力電圧を最大とする前記外部磁界の大きさの絶対値
    が400(A/m)以下であることを特徴とする磁気イ
    ンピーダンス効果素子。
  2. 【請求項2】 前記感磁部の両端からの出力電圧を最大
    とする前記外部磁界の大きさの絶対値が320(A/
    m)以下である請求項1に記載の磁気インピーダンス効
    果素子。
  3. 【請求項3】 前記感磁部の両端からの出力電圧を最大
    とする前記外部磁界の大きさの絶対値が160(A/
    m)以下である請求項1に記載の磁気インピーダンス効
    果素子。
  4. 【請求項4】 磁気インピーダンス効果を有する軟磁性
    薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記感磁部に駆動交
    流電流を与えるための電極部を有する磁気インピーダン
    ス効果素子において、前記感磁部を構成する軟磁性薄膜
    または薄帯は、単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各
    磁区において磁気モーメントの素子長手方向の成分と素
    子幅方向の成分を比較したときに、前記素子長手方向の
    成分の方が大きい磁区の総面積と、前記素子幅方向の成
    分の方が大きい磁区の総面積が等しいことを特徴とする
    磁気インピーダンス効果素子。
  5. 【請求項5】 磁気インピーダンス効果を有する軟磁性
    薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記感磁部に駆動交
    流電流を与えるための電極部を有する磁気インピーダン
    ス効果素子において、前記感磁部を構成する軟磁性薄膜
    または薄帯は、単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各
    磁区において磁気モーメントの素子長手方向の成分と素
    子幅方向の成分を比較したときに、前記素子長手方向の
    成分の方が大きい磁区の総面積が、前記素子幅方向の成
    分の方が大きい磁区の総面積より大きいことを特徴とす
    る磁気インピーダンス効果素子。
  6. 【請求項6】 磁気インピーダンス効果を有する軟磁性
    薄膜または薄帯を有する感磁部と、前記感磁部に駆動交
    流電流を与えるための電極部を有する磁気インピーダン
    ス効果素子において、前記感磁部の素子幅Wと素子長さ
    Lの比(アスペクト比)W/Lが、0.1以下であるこ
    とを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  7. 【請求項7】 前記感磁部の素子幅Wと素子長さLの比
    (アスペクト比)W/Lが、0.05以下である請求項
    6に記載の磁気インピーダンス効果素子。
  8. 【請求項8】 前記感磁部の素子幅Wと素子長さLの比
    (アスペクト比)W/Lが、0.03以下である請求項
    6に記載の磁気インピーダンス効果素子。
  9. 【請求項9】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜または
    薄帯は単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各磁区にお
    いて磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅方向
    の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分の方
    が大きい磁区の総面積と、前記素子幅方向の成分の方が
    大きい磁区の総面積とが等しい請求項1,2,3,6,
    7,8のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果素
    子。
  10. 【請求項10】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜また
    は薄帯は単磁区構造或いは多磁区構造を有し、各磁区に
    おいて磁気モーメントの素子長手方向の成分と素子幅方
    向の成分を比較したときに、前記素子長手方向の成分の
    方が大きい磁区の総面積が、前記素子幅方向の成分の方
    が大きい磁区の総面積より大きい請求項1,2,3,
    6,7,8のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果
    素子。
  11. 【請求項11】 前記感磁部の素子幅Wと素子長さLの
    比(アスペクト比)W/Lが、0.1以下である請求項
    1ないし5のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果
    素子。
  12. 【請求項12】 駆動交流電流が与えられている前記感
    磁部の素子長手方向に外部磁界を印加したときに、前記
    感磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記外部磁界
    の大きさの絶対値が400(A/m)以下である請求項
    4ないし8のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果
    素子。
  13. 【請求項13】 前記感磁部の素子長手方向と平行な方
    向にバイアス磁界を印加する磁性体を有する請求項1な
    いし12のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果素
    子。
  14. 【請求項14】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式がFehi jで表され、アモルファス構造を主
    体とした微結晶軟磁性合金薄膜として形成されている請
    求項1ないし請求項13のいずれかに記載の磁気インピ
    ーダンス効果素子。ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、
    V、Nb、Ta、Wと希土類元素から選ばれる1種ある
    いは2種以上の元素であり、h、i、jはat%で、4
    5≦h≦70、5≦i≦30、10≦j≦40、h+i
    +j=100の関係を満足するものである。
  15. 【請求項15】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式が(Co1-ccxyzwで表される微結晶軟
    磁性合金薄膜として形成されている請求項1ないし請求
    項13のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果素
    子。ただし、元素Tは、Fe、Niのうちどちらか一方
    あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、Ti,Z
    r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Si,P,
    C,W,B,Al,Ga,Geと希土類元素から選ばれ
    る1種または2種以上の元素であり、Xは、Au,A
    g,Cu,Ru,Rh,Os,Ir,Pt,Pdから選
    ばれる1種あるいは2種以上の元素であり、組成比は、
    cが、0≦c≦0.7、x,y,z,wはat%で、3
    ≦y≦30、0≦z≦20、7≦w≦40、20≦y+
    z+w≦60の関係を満足し、残部がxである。
  16. 【請求項16】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式がT100-d-e- f-gdefgで表され、bcc
    −Fe、bcc−FeCo、bcc−Coの1種または
    2種以上の結晶粒を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜と
    して形成されている請求項1ないし請求項13のいずれ
    かに記載の磁気インピーダンス効果素子。ただし、元素
    Tは、Fe、Coのうちどちらか一方あるいは両方を含
    む元素であり、元素Xは、Si、Alのうちどちらか一
    方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、Ti、Z
    r、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる1種
    または2種以上の元素であり、元素Zは、C、Nのうち
    どちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Qは、C
    r,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選
    ばれる1種または2種以上の元素であり、d、e、f、
    gはat%で、0≦d≦25、1≦e≦10、0.5≦
    f≦15、0≦g≦10の関係を満足するものである。
  17. 【請求項17】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式がT100-p-q- e-f-gSipAlqefgで表さ
    れ、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc−Coの
    1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結晶軟磁性
    合金薄膜として形成されている請求項1ないし請求項1
    3のいずれかに記載の磁気インピーダンス効果素子。た
    だし、元素Tは、Fe、Coのうちどちらか一方あるい
    は両方を含む元素であり、元素Mは、Ti、Zr、H
    f,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる1種または
    2種以上の元素であり、元素Zは、C、Nのうちどちら
    か一方あるいは両方を含む元素であり、Qは、Cr,R
    e,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選ばれる
    1種または2種以上の元素であり、p、q、e、f、g
    はat%で、8≦p≦15、0≦q≦10、1≦e≦1
    0、0.5≦f≦15、0≦g≦10の関係を満足する
    ものである。
  18. 【請求項18】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜また
    は薄帯が、組成式が(Fe1-aCoa100-x-y(Si1-b
    bxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜または薄帯
    として形成されている請求項1ないし請求項13のいず
    れかに記載の磁気インピーダンス効果素子。ただし、M
    はCr、Ruのうちいずれか一方、あるいは両方を含む
    元素であり、組成比を表すa、bは0.05≦a≦0.
    1、0.2≦b≦0.8であり、x、yはat%で10
    ≦x≦35、0≦y≦7の関係を満足するものである。
  19. 【請求項19】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式がColTamHfnで表され、アモルファス構造
    を主体にした非晶質軟磁性合金薄膜として形成されてい
    る請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の磁気イ
    ンピーダンス効果素子。ただし、l、m、nはat%
    で、70≦l≦90、5≦m≦21、6.6≦n≦1
    5、1≦m/n≦2.5の関係を満足するものである。
  20. 【請求項20】 前記感磁部を構成する軟磁性薄膜が、
    組成式がCoaZrbNbcで表されるアモルファス構造
    を主体とした非晶質軟磁性合金薄膜として形成されてい
    る請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の磁気イ
    ンピーダンス効果素子。ただし、a、b、cはat%
    で、78≦a≦91、0.5≦b/c≦0.8の関係を
    満足するものである。
  21. 【請求項21】 (a)非磁性材料からなる基板上に、
    軟磁性薄膜を一定方向の静磁場中で成膜する工程と、 (b)前記軟磁性薄膜を、前記(a)の工程において静
    磁場がかけられた方向が素子幅方向となるように、ま
    た、磁気インピーダンス効果素子の形成後、前記磁気イ
    ンピーダンス効果素子の感磁部の素子長手方向に、駆動
    交流電流を与えつつ外部磁界を印加したときに、前記感
    磁部の両端からの出力電圧を最大とする前記外部磁界の
    大きさの絶対値が400(A/m)以下になるように、
    素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/Lを設
    定してパターン形成する工程と、を有することを特徴と
    する磁気インピーダンス効果素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記(b)の工程の後に、 (c)前記(b)の工程でパターン形成された軟磁性薄
    膜を、この感磁部の素子幅方向の静磁場中、回転磁場
    中、または無磁場中で熱処理する工程を有する請求項2
    1に記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 (d)非磁性材料からなる基板上に、
    軟磁性薄膜を一方向の静磁場中で成膜する工程と、 (e)前記(d)の工程で形成された軟磁性薄膜を、前
    記軟磁性薄膜に対する方向が前記(d)の工程において
    かけられた静磁場の方向と同じである静磁場中、回転磁
    場中、または無磁場中で熱処理する工程と、 (f)前記軟磁性薄膜を、前記(d)および/または
    (e)の工程においてかけられた静磁場の方向が素子幅
    方向となるように、また、磁気インピーダンス効果素子
    の形成後、前記磁気インピーダンス効果素子の感磁部の
    素子長手方向に、駆動交流電流を与えつつ外部磁界を印
    加したときに、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大
    とする前記外部磁界の大きさの絶対値が400(A/
    m)以下になるように、素子幅Wと素子長さLの比(ア
    スペクト比)W/Lを設定して、パターン形成する工程
    と、を有することを特徴とする磁気インピーダンス効果
    素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記静磁場の強度を800(A/m)以上に設
    定する請求項21ないし請求項23のいずれかに記載の
    磁気インピーダンス効果素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記(b)または前記(f)の工程に
    おいて、前記感磁部のアスペクト比を0.1以下に設定
    する請求項21ないし請求項24のいずれかに記載の磁
    気インピーダンス効果素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 (g)軟磁性材料の溶融合金を冷却ロ
    ール上に射出させて接触急冷することにより軟磁性薄帯
    を形成する工程と、 (h)前記(g)の工程によって形成された軟磁性薄帯
    を切断し、磁気インピーダンス効果素子の形成後、前記
    磁気インピーダンス効果素子の感磁部の素子長手方向
    に、駆動交流電流を与えつつ外部磁界を印加したとき
    に、前記感磁部の両端からの出力電圧を最大とする外部
    磁界の大きさの絶対値が400(A/m)以下になるよ
    うに、素子幅Wと素子長さLの比(アスペクト比)W/
    Lを設定して、パターン形成する工程と、 (i)前記(h)の工程によって形成された軟磁性薄帯
    を基板上に、接着する工程と、 (j)前記軟磁性薄帯を、素子幅方向の静磁場中で熱処
    理する工程と、を有することを特徴とする磁気インピー
    ダンス効果素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記(h)の工程において、前記軟磁
    性薄帯のアスペクト比を0.1以下に設定する請求項2
    6に記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式がFehijで表
    され、アモルファス構造を主体とした微結晶軟磁性合金
    薄膜として形成する請求項21ないし請求項25のいず
    れかに記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方法。
    ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W
    と希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の元素
    であり、h、i、jはat%で、45≦h≦70、5≦
    i≦30、10≦j≦40、h+i+j=100の関係
    を満足するものである。
  29. 【請求項29】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式が(Co1-ccx
    yzwで表される微結晶軟磁性合金薄膜として形成
    する請求項21ないし請求項25のいずれかに記載の磁
    気インピーダンス効果素子の製造方法。ただし、元素T
    は、Fe、Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む
    元素であり、元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,
    Ta,Cr,Mo,Si,P,C,W,B,Al,G
    a,Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上
    の元素であり、Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,
    Os,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種あるいは2種
    以上の元素であり、組成比は、cが、0≦c≦0.7、
    x,y,z,wはat%で、3≦y≦30、0≦z≦2
    0、7≦w≦40、20≦y+z+w≦60の関係を満
    足し、残部がxである。
  30. 【請求項30】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式がT100-d-e-f-gd
    efgで表され、bcc−Fe、bcc−FeC
    o、bcc−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体
    とした微結晶軟磁性合金薄膜として形成する請求項21
    ないし請求項25のいずれかに記載の磁気インピーダン
    ス効果素子の製造方法。ただし、元素Tは、Fe、Co
    のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、元
    素Xは、Si、Alのうちどちらか一方あるいは両方を
    含む元素であり、元素Mは、Ti、Zr、Hf,V,N
    b,Ta,Mo,Wから選ばれる1種または2種以上の
    元素であり、元素Zは、C、Nのうちどちらか一方ある
    いは両方を含む元素であり、Qは、Cr,Re,Ru,
    Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選ばれる1種または
    2種以上の元素であり、d、e、f、gはat%で、0
    ≦d≦25、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g
    ≦10の関係を満足するものである。
  31. 【請求項31】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式がT100-p-q-e-f-g
    SipAlqefgで表され、bcc−Fe、bcc
    −FeCo、bcc−Coの1種または2種以上の結晶
    粒を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜として形成する請
    求項21ないし請求項25のいずれかに記載の磁気イン
    ピーダンス効果素子の製造方法。ただし、元素Tは、F
    e、Coのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素で
    あり、元素Mは、Ti、Zr、Hf,V,Nb,Ta,
    Mo,Wから選ばれる1種または2種以上の元素であ
    り、元素Zは、C、Nのうちどちらか一方あるいは両方
    を含む元素であり、Qは、Cr,Re,Ru,Rh,N
    i,Pd,Pt,Auから選ばれる1種または2種以上
    の元素であり、p、q、e、f、gはat%で、8≦p
    ≦15、0≦q≦10、1≦e≦10、0.5≦f≦1
    5、0≦g≦10の関係を満足するものである。
  32. 【請求項32】 前記(a)、前記(d)または前記
    (g)の工程において、前記軟磁性薄膜または前記軟磁
    性薄帯を、組成式が(Fe1-aCoa100-x-y(Si1-b
    bxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜または薄帯
    として形成する請求項21ないし請求項27のいずれか
    に記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方法。ただ
    し、MはCr、Ruのうちいずれか一方、あるいは両方
    を含む元素であり、組成比を表すa、bは0.05≦a
    ≦0.1、0.2≦b≦0.8であり、x、yはat%
    で10≦x≦35、0≦y≦7の関係を満足するもので
    ある。
  33. 【請求項33】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式がColTamHfn
    で表され、アモルファス構造を主体にした非晶質軟磁性
    合金薄膜として形成する請求項21ないし請求項25の
    いずれかに記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方
    法。ただし、l、m、nはat%で、70≦l≦90、
    5≦m≦21、6.6≦n≦15、1≦m/n≦2.5
    の関係を満足するものである。
  34. 【請求項34】 前記(a)または前記(d)の工程に
    おいて、前記軟磁性薄膜を、組成式がCoaZrbNbc
    で表されるアモルファス構造を主体とした非晶質軟磁性
    合金薄膜として形成する請求項21ないし請求項25の
    いずれかに記載の磁気インピーダンス効果素子の製造方
    法。ただし、a、b、cはat%で、78≦a≦91、
    0.5≦b/c≦0.8の関係を満足するものである。
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