JP3385501B2 - 磁気検出素子 - Google Patents

磁気検出素子

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JP3385501B2 JP24672796A JP24672796A JP3385501B2 JP 3385501 B2 JP3385501 B2 JP 3385501B2 JP 24672796 A JP24672796 A JP 24672796A JP 24672796 A JP24672796 A JP 24672796A JP 3385501 B2 JP3385501 B2 JP 3385501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外部磁気に応じたイ
ンピーダンスを呈する磁気検出素子に関するもので、特
に各種磁気ヘッド、磁気センサ一として有用な磁気検出
素子およびこれを用いた磁気検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型・高性能化が急速
に進み、特にコンピューター関連機器ではハードディス
クの小型・大容量化に伴って従来の磁束密度の変化を用
いたヘッドに代わり、磁気抵抗効果を利用したヘッド
(MRヘッド)が読みとりに使用されつつある。しか
し、さらなる記録密度の増大にはこのMRヘッドでも十
分ではなく、外部磁界の変化に対してさらに電気特性の
変化の大きいヘッド用の素子が望まれている。
【0003】また、地磁気の測定、脳内磁界の測定等、
微小磁界の測定・検出を行なう場合にもMRヘッドでは
十分ではない。
【0004】このような点に鑑みて、軟磁性線に高周波
電流を通電し、外部磁界の変動に応じた軟磁性線の抵
抗、及びインダクタンスの変化、すなわちインピーダン
スの変化として捕らえる磁気検出素子(「磁気インピー
ダンス素子」ともいわれる。)が提案されている(特開
平6−176930、特開平7−248365、電気学
会論文誌E116巻1号p7(1996)など)。この
ような磁気検出素子は、外部磁界の変化に伴うインピー
ダンスの変化が大きく、センサー、ヘッドとして優れた
特徴を持つているが、磁界変化に伴うインピーダンスの
変化率(すなわち検出磁界感度)は10%/Oe程度に
とどまり、微細加工を行うには量産性に欠けるという欠
点がある。
【0005】このような欠点を改善するために、トラン
ジスタと軟磁性線を組み合わせて発振回路を構成し、L
C共振を利用することによって検出感度を向上させよう
とすることが提案されている(日本応用磁気学会誌、第
19巻、469(1995)など)。しかし、この提案
による磁気検出素子は、能動部品を必要とするばかりで
なく、いくつかの抵抗器、コンデンサー、ダイオードな
どを必要とする。したがって、素子自体のコストアップ
は避けられないという欠点がある。
【0006】他方で、アモルファス金属磁性単層膜を磁
気検出素子として用いることが検討されている(内山
他、電気学会論文誌、115−A、949(199
5))。このような磁気検出素子では、磁性膜に直接通
電を行うことにより外部磁界によりインピーダンスが変
化する小型の磁気センサを実現できる。しかしながらア
モルファス金属磁性膜はCu、Al、Agなど、導体線
路として−般に用いられる金属に比べ、電気抵抗が大き
いため、励磁が効率よく行えず、かつインピーダンス変
化率が小さくなるという欠点を有しており、磁界感度は
8%/Oeにとどまっている。しかもこの小型の磁気セ
ンサにおいてはコルピッツ型発振回路を併用したものが
提案されているが部品点数が大きいという欠点に加え、
磁界感度も248%/Oeにとどまり期待する程得られ
ない。
【0007】また、Cu膜を内包したストライプ状のパ
ーマロイスパッタ膜を磁気インピーダンス素子として用
いることが提案されている(千田他、電気学会マグネテ
ィックス研究会資料、MAG−95−126,91(1
995)。さらに、−軸異方性を付与されたCoSiB
膜の間にCu導電体層を挟んだ構造の磁気検出素子も提
案されている(森川他、日本応用磁気学会誌、20、5
53(1996))。これらの磁気検出素子では、その
インピーダンスの変化率が−50〜+120%程度を呈
するようなす外部印加磁界の変化範囲があるが、磁界感
度は−5〜+10%/Oe程度に留まり、また、磁気異
方性を制御しにくいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、軟磁性薄膜
を用いた磁気検出素子では、検出磁界感度が期待できな
いという欠点がある。
【0009】上に述べた磁気検出素子の等価回路は図1
のような2端子回路となり、もっぱら磁界の変化分をZ
=R+jωL(ωは素子に流す交流電流の角周波数)の
形のインピーダンスの変化として検出している。このよ
うな磁気検出素子では数MHz程度の周波数帯域におい
ては比透磁率がほとんど1に近いため、外部磁界に対す
るインダクタンス分Lの変化は小さい。しかし、外部磁
界が異方性磁界の大きさと同じになるとき比透磁率が最
大をとるという性質を利用して、外部磁界の変化に対す
るインピーダンス変化分を大きくできる。ところが、数
10〜数100MHz程度の周波数帯域では表皮効果の
影響、及び渦電流損失の増大のために、素子自体のイン
ピーダンスが増大し、相対的に外部磁界の変化に対する
インピーダンス変化分が小さくなるという欠点がある。
【0010】さらに、従来提案されてきた上記の軟磁性
線、または軟磁性薄膜を用いた磁気検出素子では接地導
体を持たないため、素子周辺に存在する他の回路要素や
配線等との間に種々の浮遊容量(図12(b))が発生
する。この浮遊容量は値を予測できず、素子自体のイン
ピーダンス変化を積極的に利用できない。このために動
作が不安定になりがちであるという欠点がある。
【0011】さらには通電電流により発生する電界が、
素子外部に存在する導体、あるいは誘電体のために乱さ
れやすく、動作が不安定になりがちであるという欠点が
ある。
【0012】そこで、本発明の技術的課題は、検出磁界
感度を期待できるだけでなく、相対的に外部磁界の変化
に対するインピーダンス変化分が小さくて、動作を安定
にすることができる磁気検出素子を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、予め定
められた方向に沿って上・下両面を持つ誘電体板状部材
と、この誘電体板状部材の上面の一部に所定の幅を持っ
て前記予め定められた方向に伸びるように積層され両端
が電流を流すための入・出力端である軟磁性薄膜とを備
え、この軟磁性薄膜の入・出力両端間に電流を流す一
方、前記軟磁性薄膜が前記予め定められた方向に交差す
る方向の外部磁界を受けたときに、磁気インピーダンス
効果によって生じるインピーダンスの変化を検出する磁
気検出素子であって、前記誘電体板状部材の下面に接地
導体層を更に積層したことを特微とする磁気検出素子が
得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
形態による磁気検出素子9は、予め定められた方向に沿
って上下両面を持つ誘電体板状部材(ガラス基板)11
と、この誘電体板状部材11の上面の一部に所定の幅を
持って前記予め定められた方向に伸びるように積層され
両端が電流を流すための入出力端13−1および13−
2である線状軟磁性薄膜13とを備える。この線状軟磁
性薄膜13の入出力端13−1および13−2間に電流
を流す。一方、線状軟磁性薄膜13が予め定められた方
向に交差する方向の磁界を受けたときに生じる電流の変
化をインピーダンスの変化として検出するものである。
磁気検出素子9は、誘電体板状部材13の下面に接地導
体層15を積層することにより、容量を積極的に構成し
たものである。
【0015】この線状軟磁性薄膜13は、入出力端13
−1および13−2を備え、2端子素子を構成する。こ
の2端子素子は、図2に示すような等価回路をもってい
る。図2で、Cは接地導体層13と線状軟磁性薄膜13
との間に積極的に構成した容量分である。この等価回路
の抵抗R、リアクタンスX、およびインピーダンスZ
は,それぞれ,下記数1中の式(1)〜(3)のように
表され、
【数1】 式(4)のような共振周波数をもつ。
【0016】図11、あるいは図2のような等価回路を
もつ素子では、素子のインピーダンスが外部磁界の変化
により変化するが、図2のような等価回路をもつ素子で
は共振周波数近傍でインピーダンスが急激に変化するこ
とから、共振周波数近傍でインピーダンスの変化を観測
することによって共振周波数よりもはるかに低周波側で
の観測よりも大きな出力変化が得ることができる。
【0017】さらに、この実施の形態の素子は、積極的
に構成した容量分Cを持つので、接地導体2をもたない
従来の検出素子よりも動作を安定化させることができ
る。従って、前記した従来の磁気検出素子のLC共振に
よる共振周波数より低い周波数帯域で動作させた場合に
ついても安定に磁界検出を行わせることが可能である。
【0018】図7および図8を参照して、評価試験用測
定系のAl製治具容器内に試作した各素子を配し、ネッ
トワークアナライザ(Net Work Analys
erHP社 8752A)のSMA雄コネクタとAl製
治具容器のSMA雌コネクタ同士を接続して、インピー
ダンス測定を行った結果を以下述べる。
【0019】(実施例1)高周波マグネトロンスパッタ
リングにより図1に示す構造の磁気検出素子9の製造方
法を説明する。
【0020】(1) 厚さ200μm、幅10mm、長さ2
0mmのガラス基板11を準備する。
【0021】(2) ガラス基板11の上面の一部に厚さ4
μm、幅4mm、長さ14mmのCo−Nb−Zrから
なる線状軟磁性薄膜13を積層する。
【0022】(3) ガラス基板11の下面に厚さ1μm、
幅10mm、長さ20mmのCuからなる接地導体層1
5を積層する。
【0023】なお、線状軟磁性薄膜13の組成は、EP
MAにより、83.7at%Co−2.8at%Zr−
13.5at%Nbであった。
【0024】この磁気検出素子9を5.0×10−5
orr以下、Hex=500Oeの真空・回転磁界中で
400℃、2時間熱加熱し、製膜中に導入された異方性
を緩和した後、同条件の真空・靜磁界中で熱処理し、磁
気検出素子の幅方向−軸方向磁気異方性を導入した。次
いで、この磁気検出素子9に40MHzの通電電流を流
したところ、図9に示すようなインピーダンスのバイア
ス磁界依存性を示した。インピーダンス変化率は、18
8%/7.6Oe、平均の磁界感度は、24.7%/O
eであった。最大磁界感度は、Hex=7Oeのとき
に、65.8%/Oeが得られた。
【0025】(比較例1)比較例1の素子として、ガラ
ス基板11の下面に接地導体層15を持たないものを試
作した。ガラス基板11の上面にCo−Nb−Zrから
なる線状軟磁性薄膜13を製膜する工程は、実施例1の
磁気検出素子9の製造時と同時に行った。また、線状軟
磁性薄膜13の製膜後、実施例1の磁気検出素子9の製
造時と同時に熱処理を行った。線状軟磁性薄膜13の組
成は、EPMAにより、83.6at%Co−2.7a
t%Zr−13.7at%Nbであった。この比較例1
の素子に40MHzの通電電流を流したところ、図9に
示すようなインピーダンスのバイアス磁界依存性を示し
た。インピーダンス変化率は、37%/8.6Oe、平
均の磁界感度は、4.3%/Oeであった。最大磁界感
度は、Hex=70Oeのときに、9.5%/Oeが得
られた。
【0026】(実施例2)マグネトロンスパッタリング
により図3に示す構造の磁気検出素子17を参考にし
て、実施例1と異なる点を詳細に説明する。
【0027】(1) 厚さ200μm、幅10mm、長さ2
0mmのガラス基板11を準備する。
【0028】(2) ガラス基板11の上面の一部に厚さ4
μm、幅4mm、長さ14mmのCo−Nb−Zrから
なる線状軟磁性薄膜13の下部分を積層する。
【0029】(3) 線状軟磁性薄膜13の下部分の中央線
上に厚さ1μm、幅2mm、長さ20mmのCu膜19
を製膜する。
【0030】(4) 線状軟磁性薄膜13の下部分およびC
u膜19の上面の一部に最大の厚さ4μm、幅4mm、
長さ14mmのCo−Nb−Zrからなる線状軟磁性薄
膜13の上部分を積層する。
【0031】(5) 最後に、ガラス基板11の下面に厚さ
1μm、幅10mm、長さ20mmのCuからなる接地
導体層15を積層する。
【0032】なお、線状軟磁性薄膜13の組成は、EP
MAにより、83.4at%Co−3.0at%Zr−
13.6at%Nbであった。
【0033】この磁気検出素子17を実施例1と同様の
方法で、磁気検出素子の幅方向−軸方向磁気異方性を導
入した。次いで、この磁気検出素子17に80MHzの
通電電流を流したところ、インピーダンス変化率は、8
5%/8.1Oe、平均の磁界感度は、10.7%/O
eであった。最大磁界感度は、Hex=7Oeのとき
に、25.1%/Oeが得られた。
【0034】(比較例2)比較例2の素子として、ガラ
ス基板11の下面の接地導体層15を省き、それ以外は
実施例2と全く同じものを試作した。ガラス基板11の
上面にCo−Nb−Zrからなる線状軟磁性薄膜13お
よびCu膜19のみを製膜したものを得た。
【0035】また、実施例2の磁気検出素子17と同じ
条件で熱処理し、磁気異方性を付与した後、80MHz
の通電電流を流したときのインピーダンスの磁界依存性
を測定した。インピーダンス変化率は、50%/9O
e、平均の磁界感度は、約6%/Oeであった。最大磁
界感度は、Hex=7Oeのときに、12.3%/Oe
が得られた。
【0036】(実施例3)マグネトロンスパッタリング
により図4および図5に示す構造の磁気検出素子21の
製造方法を説明する。
【0037】(1) 厚さ200μm、幅10mm、長さ2
0mmのガラス基板11を準備する。
【0038】(2) ガラス基板11の上面の一部に厚さ4
μm、幅4mm、長さ14mmのCo−Nb−Zrから
なる線状軟磁性薄膜23−1を積層する。
【0039】(3) 線状軟磁性薄膜23−1上に厚さ0.
5μm、幅3mm、長さ18mmのSiO膜31を形
成する。
【0040】(4) SiO膜31上に厚さ1μm、幅2
mm、長さ20mmのCu膜19を製膜する。
【0041】(5) SiO膜31およびCu膜19の上
に厚さ0.5μm、幅3mm、長さ18mmのSiO
膜32を形成する。
【0042】(6) 線状軟磁性薄膜23−1およびSiO
膜32の上に厚さ4μm、幅4mm、長さ14mmの
線状軟磁性薄膜23−2を形成する。
【0043】(7) 最後に、ガラス基板11の下面に厚さ
1μm、幅10mm、長さ20mmのCuからなる接地
導体層15を積層する。
【0044】なお、線状軟磁性薄膜23−1、23−2
の組成は、EPMAにより、84.1at%Co−2.
7at%Zr−13.2at%Nbであった。
【0045】この磁気検出素子21を実施例1と同様の
方法で、磁気検出素子の幅方向−軸方向磁気異方性を導
入した。次いで、この磁気検出素子21に120MHz
の通電電流を流したところ、インピーダンス変化率は、
35%/8.0Oe、平均の磁界感度は、43.8%/
Oeであった。Hex=7Oeのときに、磁界に対する
インピーダンスの変化を表す曲線は最大の傾きを示し、
205%/Oeが得られた。
【0046】(比較例3)比較例3の素子として、図4
および図5の構造でガラス基板11の下面の接地導体層
15を省き、それ以外は実施例3と全く同じものを試作
した。また、実施例3の磁気検出素子21と同じ条件で
熱処理し、磁気異方性を付与した後、120MHzの通
電電流を流したときのインピーダンスのバイアス磁界依
存性を測定した。インピーダンス変化率は、120%/
8.2Oe、平均の磁界感度は、約14.6%/Oeで
あった。最大磁界感度は、Hex=7Oeのときに、2
3%/Oeが得られた。
【0047】(実施例4) 図4および図5に示す構造の磁気検出素子21であっ
て、AlN中間層で4層積層構造を持つもの(図6)を
説明する。図6は、図5の軟磁性薄膜23−1の代わり
に絶縁層33と軟磁性薄膜35−1、35−2、35−
3、35−4との積層構造に置き換えた実施例4の磁気
検出素子21の部分断面図で、上部の軟磁性薄膜は省略
されている。
【0048】(1) 厚さ200μm、幅10mm、長さ2
0mmのガラス基板11を準備する。
【0049】(2) ガラス基板11の上面の一部に厚さ1
μm、幅4mm、長さ14mmのCo−Nb−Zrから
なる線状軟磁性薄膜35−1を積層する。
【0050】(3) 線状軟磁性薄膜35−1上に厚さ0.
1μm、幅4mm、長さ18mmのAlN膜33を形成
する。
【0051】(4) 上記およびの工程を繰り返し,4
層のCo−Nb−Zr35−1、35−2、35−3、
35−4、および3層のAlN膜33を形成する。
【0052】(5) Co−Nb−Zr35−1、35−
2、35−3、35−4および3層のAlN膜33の上
方側面上に厚さ0.5μm、幅3mm、長さ18mmの
AlN膜31を製膜する。
【0053】(6) AlN膜31の上に厚さ1μm、幅2
mm、長さ20mmのCu膜19を形成する。
【0054】(7) AlN膜31およびCu膜19の上に
厚さ0.5μm、幅3mm、長さ18mmのAlN膜3
2を形成する。
【0055】(8) AlN膜32の上に厚さ1μm、幅2
mm、長さ20mmのCu膜19を形成する(図6には
以下の形成層は簡略のため示していない。)。
【0056】(9) AlN膜32およびCu膜19の上に
厚さ0.5μm、幅3mm、長さ18mmのAlN膜を
形成する。
【0057】(10)上記のAlN膜および〜で得た
Co−Nb−Zr35−1、35−2、35−3、35
−4積層膜の上に別の4層のCo−Nb−Zr膜と3層
のAlN膜を形成する。
【0058】最後に、ガラス基板11の下面に厚さ1μ
m、幅10mm、長さ20mmのCuからなる接地導体
層15を積層する。
【0059】なお、線状軟磁性薄膜35−1、35−
2、35−3、35−4積層膜の組成は、EPMAによ
り、83.5at%Co−3.1at%Zr−13.4
at%Nbであった。
【0060】この磁気検出素子21を実施例1と同様の
方法で、磁気検出素子の幅方向−軸方向磁気異方性を導
入した。次いで、この磁気検出素子21に120MHz
の通電電流を流したところ、インピーダンス変化率は、
212%/8.0Oe、平均の磁界感度は、26.5%
/Oeであった。Hex=7Oeのときに、最大磁性感
度は、128%/Oeが得られた。
【0061】(比較例4)比較例4の素子として、図4
〜図6の構造でガラス基板11の下面の接地導体層15
を省き、それ以外は実施例3と全く同じものを試作し
た。また、実施例3の磁気検出素子21と同じ条件で熱
処理し、磁気異方性を付与した後、120MHzの通電
電流を流したときのインピーダンスのバイアス磁界依存
性を測定した。インピーダンス変化率は、83%/8.
5Oe、平均の磁界感度は、約9.8%/Oeであっ
た。最大磁界感度は、Hex=7Oeのときに、22.
5%/Oeが得られた。
【0062】(実施例5)図4および図5に示す構造の
実施例3のCo−Nb−Zrからなる線状軟磁性薄膜3
5−1の代わりにパーマロイを用いた磁気検出素子21
を説明する。
【0063】この磁気検出素子21は真空中5.0×1
−6Torr以下、Hex=500Oeの真空・静磁
界中で500℃、2時間熱加熱し、素子の幅方向−軸磁
気異方性を導入した。その後、40MHzの通電電流を
流したところ、図8に示すようなインピーダンス、イン
ダクタンス、抵抗の磁界依存性を示した。このときのイ
ンピーダンス変化率は、72%/40Oe、平均の磁界
感度は、18.0%/Oeであった。最大磁界感度は、
Hex=2.5Oeのときに、43%/Oeが得られ
た。
【0064】(比較例5)比較例5の素子として、実施
例5に記載の磁気検出素子21で接地導体層15を省い
たものを試作した。また、実施例5と同様、40MHz
の通電電流を流したときのインピーダンス磁界依存性を
測定した。インピーダンス変化率は、35%/4.1O
e、平均の磁界感度は、約8.5%/Oeであった。最
大磁界感度は、Hex=2.5Oeのときに、16%/
Oeが得られた。
【0065】(本発明の実施例の効果)以上、説明した
ように、軟磁性薄膜を用いた外部磁界変化をインピーダ
ンス変化として検出する本発明の実施例の磁気検出素子
では、容量を積極的に持たせるように接地導体層(接地
電極)を形成したので、動作が安定すること、図2の等
価回路を持たしてLC共振に伴うインピーダンスの急激
な変化を利用できることの2つ利点があり、上述した従
来の欠点を容易に解消できる。
【0066】接地導体層(接地電極)の厚みを制御すれ
ば、図2の等価回路のCの値を設計段階で、ある値に設
定できるという効果もある。ここで図示されたR、な
らびにLの値は外部磁界によって変化する。すなわ
ち、磁気検出素子に電流を通電することで導体の回りに
周回磁界が発生する。外部バイアス磁界が0の場合は磁
性体は容易軸方向に励磁され、磁壁移動による磁化過程
を辿るため、磁性体の比誘電率は上昇し、Hex=Hk
(Hkは異方性磁界である)で最大値を取る。更に、H
ex>Hkでは外部バイアス方向に磁化が固定されるた
め比誘電率は減少する。このため、インダクタンスL
はHk付近で最大値を取る。
【0067】抵抗Rは、数MHz帯域ではほぼ導体の
直流抵抗で決まる値であるが、数10MHz以上の帯域
では、渦電流損失、表皮効果の影響により増大する。こ
れらの影響のうち表皮効果は数式(5)で表される値δ
で決まる値である。なお、数式(5)でρは抵抗率、f
は周波数、μは透磁率である。式(5)により、表皮効
果が膜厚に対して無視できなくなる高周波では透磁率が
外部磁界により増大すると、表皮深さが小さくなり電気
抵抗は増大する。このため表皮深さを考慮しなければな
らないような高周波域では電気抵抗も外部磁界に対して
変化する。以上が、容量分を考慮しない場合の磁界の変
化に伴うインピーダンス変化である。
【0068】これに対し、本発明の実施例の磁気検出素
子では、容量分を考慮しない場合の磁界の変化に伴うイ
ンピーダンス変化に、接地導体層を形成して積極的に構
成したLC共振等価回路の共振周波数近傍のインピーダ
ンス変化を組み合わせたので、電界は電流が流れる導体
と接地導体との間に集中し、外乱の影響を受けにくくな
る。
【0069】また、図2の等価回路を持たしてLC共振
に伴うインピーダンスの急激な変化を利用できる。すな
わち、式(1)〜(3)のインピーダンスを持つ回路
で、R=3Ω、C=200pFで一定としたときにLの
値を様々変えた場合のインピーダンスを求めると図10
に示すような計算値が得られる。既に述べた様に、本発
明の実施例の磁気検出素子では、外部磁界によって磁性
層の透磁率が変動するので、図10に示したLの変動は
実際には外部磁界によってなされる。例えば、通電電流
が70MHzであったとき、外部磁界の印加によって透
磁率が増加し、Lが20nHから50nHになったとす
れば回路のインピーダンスは12Ωから80Ωに変化
し、600%以上の変化率を示すことがわかる。実際に
は、表皮効果の影響のために電気抵抗が周波数により変
動するのでそれほど単純ではないが、図11に示された
実施例3の磁気検出素子のインピーダンスの周波数依存
性から明かなように、実際値でもインピーダンスの周波
数依存性の傾向は、概ね図10に示したものと同じであ
る。図11で、実施例の磁気検出素子に磁界を印加した
ときにインピーダンスが変化することにより磁気検出素
子の共振周波数が変化することから、通電する電流の周
波数を最適化すれば、外部磁界の変動を非常に大きなイ
ンピーダンス変化率として検出できる。
【0070】尚、実施例3および4ではアモルファスC
o−Nb−Zr、実施例5ではパーマロイを用いたが軟
磁性効果に優れた材料であれば良い。Cu膜の導体とし
ては、Al、Ag、Auなど一般に低抵抗の電極金属で
あれば良く、絶縁膜としてはSiO、AlN以外にも
Al、Siなどの絶縁性に優れた化合物で
あれば有効である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気検出
素子では、容量を積極的に持たせるように接地導体層を
形成したので、検出磁界感度を期待できるだけでなく、
相対的に外部磁界の変化に対するインピーダンス変化分
が小さく動作の安定した容量を積極的に持たせた磁気検
出素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による磁気検出素子の斜視
図で、実施例1の磁気検出素子9の斜視図である。
【図2】図1の等価回路図である。
【図3】実施例2の磁気検出素子17の斜視図である。
【図4】実施例3の磁気検出素子21の斜視図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】図5の軟磁性薄膜23−1の代わりに絶縁層3
3と軟磁性薄膜35−1、35−2、35−3、35−
4との積層構造に置き換えた実施例4の磁気検出素子2
1の部分断面図である。
【図7】ネットワークアナライザ(Net Work
Analyser HP社 8752A)による評価試
験用測定系を示す図である。
【図8】図7のインピーダンス測定回路を示す図であ
る。
【図9】インピーダンスZ、抵抗R、インダクタンスL
のバイアス磁界依存性を示す図である。
【図10】実施例1に係る図2の等価回路のLが種々
の値をとるときのインピーダンスの周波数依存性を示す
図である。
【図11】実施例3のインピーダンスZ、抵抗R、イン
ダクタンスLの周波数依存性を示す図である。
【図12】(a)従来の磁気インピーダンス型検出素子
の等価回路図で、浮遊容量を無視できる場合のものであ
る。(b)従来の磁気インピーダンス型検出素子の等価
回路図で、浮遊容量を無視できない場合のものである。
【符号の説明】
9 実施例1の磁気検出素子 11 誘電体板状部材(ガラス基板) 13 線状軟磁性薄膜 13−1、13−2 入出力端 15 接地導体層 17 実施例2の磁気検出素子 19 Cu膜 21 実施例3〜5の磁気検出素子 23−1、23−2 線状軟磁性薄膜 31 絶縁膜(実施例3ではSiO膜、実施例4で
はAlN膜) 32 絶縁膜(実施例3ではSiO膜、実施例4で
はAlN膜) 33 AlN膜 35−1、35−2、35−3、35−4 軟磁性薄
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 賢一 宮城県仙台市泉区山の寺二丁目28番9号 (56)参考文献 特開 平9−270321(JP,A) 特開 平8−8473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた方向に沿って上・下両面
    を持つ誘電体板状部材と、この誘電体板状部材の上面の
    一部に所定の幅を持って前記予め定められた方向に伸び
    るように積層され両端が電流を流すための入・出力端で
    ある軟磁性薄膜とを備え、この軟磁性薄膜の入・出力両
    端間に電流を流す一方、前記軟磁性薄膜が前記予め定め
    られた方向に交差する方向の外部磁界を受けたときに
    磁気インピーダンス効果によって生じるインピーダンス
    の変化を検出する磁気検出素子であって、前記誘電体板
    状部材の下面に接地導体層を更に積層したことを特微と
    する磁気検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気検出素子であっ
    て、前記接地導体層がCu、Ag、Au、Al、または
    これらの少なくとも一種を主成分とする合金を含むこと
    を特徴とする磁気検出素子。
  3. 【請求項3】 Cu、Ag、Au、Al、またはこれら
    のうち少なくとも一種を主成分とする合金を含み所定の
    幅を持って予め定められた方向に伸びる第1の導体層
    と、前記予め定められた方向に沿ってこの第1の導体層
    の外周を覆うSiO、Si、AlNのうち少な
    くとも一種を含む絶縁層と、前記予め定められた方向に
    沿ってこの絶縁層を覆う軟磁性薄膜と、この軟磁性薄膜
    が積層される一面と、この積層された一面に対向する他
    の一面を持つ誘電体板状部材を備え、該誘電体板状部材
    他の一面に接地導体からなる第2の導体層を更に積層
    したことを特徴とする磁気検出素子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のいずれかに記載の磁気
    検出素子を用いた磁気検出回路であって、前記軟磁性薄
    膜の入・出力両端間に電流を流す一方、前記軟磁性薄膜
    が前記予め定められた方向に交差する方向の外部磁界を
    受けたときに、RLC共振等価回路の共振点近傍のイン
    ピーダンス変化率の大きい点で測定することによって、
    前記外部磁界の磁気検出をすることを特徴とする磁気検
    出回路。
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