JP3203547B2 - 磁気検出素子 - Google Patents

磁気検出素子

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JP3203547B2
JP3203547B2 JP24507196A JP24507196A JP3203547B2 JP 3203547 B2 JP3203547 B2 JP 3203547B2 JP 24507196 A JP24507196 A JP 24507196A JP 24507196 A JP24507196 A JP 24507196A JP 3203547 B2 JP3203547 B2 JP 3203547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外部磁気に応じたイ
ンピーダンスを呈する磁気検出素子に関するもので、特
に各種磁気ヘッド、磁気センサ一として有用な磁気検出
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電予機器の小型・高性能化が急速
に進み、特にコンピューター関連機器ではハードディス
クの小型・大容量化に伴って従来の磁束密度の変化を用
いたヘッドに代わり、磁気抵抗効果を利用したヘッド
(MRヘッド)が読みとりに使用されつつある。しか
し、さらなる記録密度の増大にはこのMRヘッドでも十
分ではなく、外部磁界の変化に対してさらに電気特性の
変化の大きいヘッド用の素子が望まれている。
【0003】また、地磁気の測定、脳内磁界の測定等、
微小磁界の測定・検出を行なう場合にもMRヘッドでは
十分ではない。
【0004】このような点に鑑みて、軟磁性線に高周波
電流を通電し、外部磁界の変動に応じた軟磁性線の抵
抗、及びインダクタンスの変化、すなわちインピーダン
スの変化として捕らえる磁気検出素子(「磁気インピー
ダンス素子」ともいわれる。)が提案されている(特開
平6−176930、特開平7−248365、電気学
会論文誌E116巻1号p7(1996)など)。この
磁気検出素子を、以下において、従来例1と呼ぶ。この
従来例1の磁気検出素子はは、外部磁界の変化に伴うイ
ンピーダンスの変化が大きく、センサー、ヘッドとして
優れた特徴を持つている。
【0005】従来例1の磁気検出回路に対して、軟磁性
線にトランジスタとコンデンサを組み合わせて発振回路
を構成し、LC共振を利用することによって検出感度を
向上させようとすることが提案されている(日本応用磁
気学会誌、第19巻、469(1995)など)。この
提案による磁気検出素子を従来例2と呼ぶ。
【0006】また、アモルファス金属磁性単層膜を磁気
検出素子として用いることが検討されている(内山他、
電気学会論文誌、115−A、949(1995))。
このような磁気検出素子では、磁性膜に直接通電を行う
ことにより外部磁界によりインピーダンスが変化する小
型の磁気センサを実現できる。以下、この磁気検出素子
を従来例3と呼ぶ。
【0007】さらに、Cu膜を内包したストライプ状の
パーマロイスパッタ膜を磁気インピーダンス素子として
用いることが提案されている(千田他、電気学会マグネ
ティックス研究会資料、MAG−95−126,91
(1995)。この提案の磁気検出素子を従来例4と呼
ぶ。
【0008】さらにまた、−軸異方性を付与されたCo
SiB膜の間にCu導電体層を挟んだ構造の磁気検出素
子も提案されている(森川他、日本応用磁気学会誌、2
0、553(1996))。この提案の磁気検出素子を
従来例5と呼ぶ。
【0009】上に述べたような軟磁性体を用いた従来例
1〜5の磁気検出素子の等価回路は、図9(a)に示す
ような2端子回路となり、もっぱら磁界の変化分をZ=
R+jωL(ωは素子に流す交流電流の角周波数)の形
のインピーダンスの変化として検出している。
【0010】すなわち、RならびにLの値は外部磁界に
よって変化する。これを説明すると、以下の通りであ
る。
【0011】素子に高周波電流を通電することで周回磁
界が発生する。素子に加わる外部磁界Hexが0の場含
は磁性体は容易軸方向に励磁され、磁壁移勤による磁化
過程ををたどる。したがって、通電電流の周波数(f)
が数MHz以上の周波数帯域では比透磁率はほとんど1
に近く、インダクタンスLは導体層による空芯分だけで
決まる小さな値となる。一方、外部磁界Hexを印加し
た場合には、磁化は励磁方向から傾きを持ち、磁化回転
による磁化過程をたどるため、磁性体の比透磁率は上昇
し、Hex=Hk(Hkは異方性磁界である)で最大値
をとる。さらに、Hex>Hkでは外部磁界Hexの方
向に磁化が固定されるため比透磁率は再び減少する。こ
のため、インダクタンスLは外部磁界Hexの大きさに
応じて変化し、Hex=Hk付近で最大値をとる。
【0012】一方、抵抗Rは印加電流の周波数fが数M
Hzの帯域ではほぼ導体の直流抵抗で決まる値である。
しかしながら、10MHz程度以上の帯域では渦電流損
失、表皮効果の影響により増大する。これらのうち表皮
効果は下記に示す数式(1)で表される表皮深さδで決
まる値である。
【0013】
【数1】
【0014】数式(1)において、ρは抵抗率、fは周
波数、μは透磁率である。数式(1)により表皮効果が
膜厚に対して無視できなくなるような高い周波数fで
は、透磁率μが外部磁界Hexにより増大すると表皮深
さが小さくなり電気抵抗は増大する。このため表皮深さ
δを考慮しなければならないような高周波域では電気抵
抗も外部磁界Hexに対して変化する。
【0015】このような磁気検出素子では数MHz程度
の周波数帯域においては比透磁率がほとんど1に近いた
め、外部磁界に対するインダクタンス分Lの変化は小さ
い。しかし、外部磁界が異方性磁界の大きさと同じにな
るとき比透磁率が最大をとるという性質を利用して、外
部磁界の変化に対するインピーダンス変化分を大きくで
きる。
【0016】かくして、軟磁性体を用いた磁気検出素子
は、外部磁界の変化をインピーダンスの変化として検出
することができるわけである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した軟
磁性体を用いた磁気検出素子では、数10〜数100M
Hz程度の周波数帯域では表皮効果の影響、及び渦電流
損失の増大のために、素子自体のインピーダンスが増大
し、相対的に外部磁界の変化に対するインピーダンス変
化分が小さくなるという欠点がある。
【0018】さらに、従来例1〜5の磁気検出素子で
は、図9(b)の等価回路に示すように、素子周辺に存
在する他の回路要素や配線等との間に種々の浮遊容量C
が発生し、動作が不安定になりがちであるという欠点が
ある。
【0019】さらには、通電電流により発生される電界
が素子外部に存在する導体、あるいは誘電体のために乱
されやすく、動作が不安定になりがちであるという欠点
がある。
【0020】さらに、従来例1の磁気検出素子は、磁界
変化に伴うインピーダンスの変化率(すなわち磁界感
度)は10%/Oeの程度にとどまるという欠点があ
る。
【0021】また、従来例2の磁気検出素子は、トラン
ジスタのような能動部品を必要とするばかりでなく、い
くつかのコンデンサーを初め、抵抗器やダイオードなど
を必要とする。したがって、素子自体のコストアップは
避けられないという欠点がある。
【0022】従来例3においては、アモルファス金属磁
性膜はCu、Al、Agなど、導体線路として−般に用
いられる金属に比べ、電気抵抗が大きいため、励磁が効
率よく行えず、かつインピーダンス変化率が小さくなる
という欠点を有する。
【0023】また、従来例4及び5の磁気検出素子で
は、そのインピーダンスの変化率が−50〜+120%
程度を呈するような外部磁界の強度範囲があるが、磁界
感度は−5〜+10%/Oe程度に留まり、また、磁気
異方性を制御しにくいという欠点がある。さらに、薄膜
技術を利用するためにスパッタリング装置などのような
大がかりな装置を必要とし、製造コストを低く抑えるこ
とは難しい。
【0024】そこで、本発明は、上記した従来の欠点を
解決することを課題とし、素子周辺に存在する導体や誘
電体による外乱を受けにくく、安定して動作し、磁気感
度が高く、しかも、製造も簡単で低コストの磁気検出素
子を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、棒状の
軟磁性線と接地導体を絶縁層を介して配置し、該軟磁性
線の一端と該接地導体を短絡導体にて短絡して、該軟磁
性線の他端と接地導体を外部接続端子とする2端子素子
からなり、磁界の変化を該2端子素子のインピーダンス
の変化に変換して検出することを特微とする磁気検出素
子が得られる。
【0026】上記の軟磁性線は、軟磁性線内部に導体線
を有する同軸型に形成されており、該導体線が前記接地
導体に接続された構成とすることができる。
【0027】前記同軸型の軟磁性線の外部軟磁性部と内
部導体線との間に、絶縁層を介在させてもよい。
【0028】また、前記接地導体は、前記絶縁層の面に
形成された導体膜として構成してもよい。あるいは、前
記接地導体を導体線とし、前記絶縁層の面に貼付けても
よい。
【0029】上記の本発明の磁気検出素子において、磁
界の変化に伴うンピーダンス変化とLC共振周波数近傍
のインピーダンス変化とを組み合わせることによりイン
ピーダンス変化率を増大させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の一実施
の形態による磁気検出素子は、導電性の軟磁性線1と、
裏面に接地導体2を有し上面に軟磁性線1を支持する支
持板としての絶縁体3と、該絶縁体3の上面から側面に
渡って部分的に形成され前記軟磁性線1の一端と前記接
地導体2の一端とを接続する導体部4とからなってい
る。
【0031】この磁気検出素子では、軟磁性線1の図中
右上の端部と、これに対応する接地導体2の端部とを入
力端子とする2端子素子としている。して、この2端子
素子は、図2に示すような等価回路をもっている。図2
で、Cは接地導体2と軟磁性線1との間に発生する容量
分である。この等価回路の抵抗R、リアクタンスX、イ
ンピーダンスZ、及び共振周波数foは、それぞれ,下
記の式(2)〜(5)のように表される。
【0032】
【数2】
【0033】図9、あるいは図2のような等価回路をも
つ素子では、素子のインピーダンスが外部磁界の変化に
より変化するが、図2のような等価回路をもつ素子では
共振周波数fo近傍でインピーダンスが急激に変化する
ことから、共振周波数fo近傍におけるインピーダンス
の変化は、共振周波数foよりもはるかに低い周波数帯
におけるよりも大きくなる。したがって、本発明の磁気
検出素子は、外部磁界が加わることによってインピーダ
ンスが変化するが、それによってまた素子の共振周波数
が変化することから、通電する電流の周波数を最適化す
れば外部磁界の変動を非常に大きなインピーダンス変化
率として検出することができる。すなわち、磁界感度を
あげることができる。
【0034】さらに、この実施の形態において、接地導
体2を有することにより、従来のように浮遊容量の発生
を抑えることができると共に、軟磁性線の一端から素子
に通電する電流により発生する電気力線は該接地導体2
と通電電流を流す導体部4との間に集中するので外乱を
受けにくくなり、接地導体2をもたない従来の検出素子
よりも動作を安定化させることができる。従って、前記
した従来例2の磁気検出素子のLC共振による共振周波
数より低い周波数帯域で動作させた場合についても安定
に磁界検出を行わせることが可能である。
【0035】この実施の形態の磁気検出素子の実施例を
下記に示す。
【0036】(実施例1)軟磁性線1として、直径50
μm、長さ5mmのパーマロイ線を用い、両面に厚さ3
5mmのCu箔をもつ総厚140mmのポリイミドフィ
ルムを用いて、図1のような磁気検出素子を作製した。
すなわち、絶縁体1としてのポリイミドフィルム上のC
u箔のうち、片面のCu箔を接地導体とし、多面のCu
箔のー部を除去して導体部4を残して反対面の接地導体
2用のCu箔と短絡しておき、さらに前記パーマロイ線
の一端を前記導体部4としてのCu箔部に半田付けす
る。
【0037】このようにして得た磁気検出素子のパーマ
ロイ線の残りの一端と接地電極間に10MHzの高周波
電流を通電し、かつパーマロイ線の長手方向に外部磁界
Hexを印加したときの外部磁界の大きさに対するイン
ピーダンスの変化を調べたところ、Hex=0Oeのと
きを基準としたインピーダンス変化率は、Hex=3O
eのとき最大となり、38%/Oeであった。
【0038】図3を参照して、第2の実施の形態による
磁気検出素子は、軟磁性線1と、接地導体線5とを平行
にして、絶縁体フィルム6の両面にそれぞれ貼付け、軟
磁性線1と接地導体5との対応する端部同志を短絡導体
線7で接続したもので、軟磁性線1と接地導体5の他端
を外部接続端子とする2端子素子としたものである。
【0039】この磁気検出素子は、軟磁性線1、接地導
体線5、短絡導体線7及び絶縁体フィルム6が、図1の
磁気検出素子の軟磁性線1、接地導体2、絶縁体3及び
導体部4にそれぞれ対応する。したがって、この磁気検
出素子の等価回路も、図2で表され、その動作の概要も
図1のものと同様である。
【0040】この実施例を下記に示す。
【0041】(実施例2)軟磁性線1として直径50μ
m、長さ5mmのパーマロイ線と、接地導体線5として
直径50μm、長さ5mmのCu線を、絶縁体フィルム
6としての厚さ70μmのポリイミドフィルムの両面
に、それぞれ、貼り付け、それぞれのー端を短絡導体線
7で短絡し、磁気検出素子とした。この素子のパーマロ
イ線の残りの一端とCu線の残りの一端との間に10M
Hzの高周波電流を通電し、かつパーマロイ線の長手方
向に外部磁界Hexを印加したときの外部磁界に対する
インピーダンスの変化を調べたところ、Hex=3Oe
のときインピーダンス変化率は最大となり、29%/O
eであった。
【0042】(比較例1)直径50μm、長さ5mmの
パーマロイ線の両端に10MHzの高周波電流を通電
し、かつパーマロイ線の長手方向に外部磁界Hexを印
加したときの外部磁界に対するインピーダンスの変化を
調べたところ、Hex=30eのときの変化率は8%/
Oeにとどまった。
【0043】図4を参照して、第3の実施の形態による
磁気検出素子は、図1の磁気検出素子における軟磁性線
の代りに軟磁性チューブ8に導体線9を通したものを用
いたものである。導体線9の一端は導体部4にハンダ付
け等で接続されている。
【0044】この磁気検出素子も、図2の等価回路で表
される2端子素子を構成することは明らかであろう。
【0045】この実施の形態に従う実施例を下記に示
す。
【0046】(実施例3)軟磁性チューブ8としての外
径200μmのパーマロイチューブに、導体線9として
の直径100μmのCu線を通して略同軸形状とした。
これを、簡単のために以下、同軸軟磁性線と呼ぶことに
する。この同軸軟磁性線を、実施例1で用いたのと同じ
Cu膜を両面に有する総厚140mmのポリイミドフィ
ルムとを用い、実施例1の方法と同様にして図4のよう
な磁気検出素子を作製した。こうして得た磁気検出素子
の同軸軟磁性線の導体線の一端と接地導体の一端間に1
MHzの高周波電流を通電し、かつパーマロイチューブ
の長手方向に外部磁界Hexを印加したときの外部磁界
に対するインピーダンスの変化を調べたところ、Hex
=40eのときインピーダンス変化率は最大となり、2
1%/Oeであった。
【0047】図5の磁気検出素子は、図4の変形例で、
図2の場合と同様に、接地導体2の代わりに接地導体線
5、導体部4の代わりに短絡導体線7を用い、同軸軟磁
性線(8、9)と接地導体線5を絶縁体フィルム6の両
面に、それぞれ、貼付けたものである。
【0048】この磁気検出素子の実施例を以下に示す。
【0049】(実施例4)外径200μmのパーマロイ
チューブと直径100μmのCu線とからなる同軸軟磁
性線と、実施例2で用いたのと同じCu線、及びポリイ
ミドフィルムとを用いて、図5のような磁気検出素子を
作製した。この磁気検出素子の同軸軟磁性線のCu線の
一端と接地導体線の一端間に1MHzの高周波電流を通
電し、かつパーマロイチューブの長手方向に外部磁界H
exを印加したときのインピーダンスの外部磁界の大き
さに対する変化を調ベたところ、Hex=4Oeのとき
インピーダンス変化率は最大となり、16%/Oeであ
った。
【0050】(比較例2)図5に示す構造の素子の接地
導体線5を省き、それ以外は実施例4と同じとし、同軸
軟磁性線の導体線の両端に1MHzの通電電流を流した
ときのインピーダンスの磁界依存性を測定した。インピ
ーダンス変化率はHex=4Oeのとき最大となった
が、6%/Oeにとどまった。
【0051】図6の磁気検出素子は、図4の変形例で、
同軸軟磁性線を構成する軟磁性チューブ8と導体線9と
の間に絶縁層10を介在させたものである。
【0052】この磁気検出素子の実施例を下記に示す。
【0053】(実施例5)導体線5としての直径0.5
mmのCu線に絶縁層10としてのビニール被覆を施
し、さらにその外側を軟磁性チューブ8としての厚さ5
0μmのパーマロイ箔で覆って、同軸軟磁性線を作製す
る。次に実施例1と同様に、Cu箔付きのポリイミドフ
ィルムを使用して図6に示す構造の磁気検出素子を作製
した。こうして得た磁気検出素子の同軸軟磁性材線の導
体線9の一端と接地導体の一端間に10MHzの高周波
電流を通電し、かつパーマロイチューブの長手方向に外
部磁界Hexを印加したときのインピーダンスの外部磁
界に対する変化を調べたところ、Hex=3Oeのとき
インピーダンス変化率は最大となり、48%/Oeであ
った。
【0054】図7の実施例は、図5あるいは図6の変形
例で、図5における同軸軟磁性線を構成する軟磁性チュ
ーブ8と導体線9との間に,図6と同様に絶縁層10を
介在させたものである。
【0055】この磁気検出素子の実施例を下記に示す。
【0056】(実施例6)実施例5で用いた同軸軟磁性
線と、実施例2で用いたのと同じCu線、及びポリイミ
ドフィルムとを用いて、図7のような磁気検出素子を作
製した。この磁気検出素子の同軸軟磁性線の導体線9の
一端と接地導体線の一端との間に10MHzの高周波電
流を通電し、かつパーマロイチューブの長手方向に外部
磁界Hexを印加したときのインピーダンスの外部磁界
の大きさに対する変化を調べたところ、Hex=3Oe
のときインピーダンス変化率は最大となり、31%/O
eであった。
【0057】(比較例3)比較例3として、図7に示し
た構造の素子の接地導体線5を省き、前記の絶縁層10
を有する同軸軟磁性線のみからなる部材を磁気検出素子
として、その両端に10MHzの通電電流を流してイン
ピーダンスの磁界依存性を測定した。インピーダンス変
化率はHex=3Oeのとき最大となったが、8%/O
eにとどまった。
【0058】以上述べたように、本発明による素子では
接地導体を持つことにより図2のような等価回路を有す
ることになる。このような場合、LC共振を利用して外
部磁界の変動によるインピーダンスの変化をさらに大き
く取り出すことができる。これを示すために、前述の式
(2)〜(4)のインピーダンスをもつ回路で、R=3
Ω、C=200pFで一定としたときにLの値を種々変
えた場合のインピーダンスを計算で求めると、図8に示
すようになる。
【0059】なお、本発明の実施例では軟磁性材料とし
てパーマロイを選んだ場合のみを示したが、一般に軟磁
性材料として使用される金属材料のうち、Co−Fe−
Si−Biなど線材化できるようなものであればほとん
どが使用でき、同様の効果が得られることは言うまでも
ない。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように本発明の磁気検出素子
は、軟磁性線あるいはこれに導体を通した同軸軟磁性線
に、絶縁体を挟んで接地導体を設けた構成によって、周
辺の導体との間の浮遊容量の発生を抑えると共に、外乱
から防護して安定した動作を得ることができ、また、絶
縁体と導体の付加による容量を利用してLC共振周波数
を自由に設計可能とし、外部磁界によるLの変化に伴う
インピーダンスの急激な変化を利用して検出感度を従来
のものに比較して数倍から、数十倍と大幅に改善てきる
効果を有する。さらに、軟磁性体として線材を用い、こ
れに導体層を有する絶縁体、あるいは絶縁体と導体線を
付加するだけでよいので、部品点数も少なく、高価なス
パッタリング装置などの製造設備を必要とせず、低コス
トの磁気検出素子を得ることができる。従って、本発明
の磁気検出素子は、磁気センサー、磁気ヘッド等の用途
に対し、産業上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による磁気検出素子
を示す斜視図ある。
【図2】本発明の磁気検出素子の等価回路を示す図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態による磁気検出素子
を示す斜視図ある。
【図4】本発明の第3の実施の形態による磁気検出素子
を示す斜視図ある。
【図5】図4の磁気検出素子の変形例を示す斜視図あ
る。
【図6】図4の磁気検出素子の他の変形例を示す斜視図
ある。
【図7】図5の磁気検出素子の変形例を示す斜視図あ
る。
【図8】図2の等価回路におけるLoの種々の値に対す
るインピーダンスの周波数依存性を示すグラフである。
【図9】従来例の磁気検出素子の等価回路を示す図で、
(a)は浮遊容量が存在しない場合で、(b)は浮遊容
量が存在する場合である。
【符号の説明】
1 軟磁性線 2 接地導体 3 絶縁体 4 導体部 5 接地導体線 6 絶縁体フィルム 7 短絡導体線 8 軟磁性チューブ 9 導体線 10 絶縁層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の軟磁性線と接地導体を絶縁層を介
    して配置し、該軟磁性線の一端と該接地導体を短絡導体
    にて短絡して、該軟磁性線の他端と接地導体を外部接続
    端子とする2端子素子からなり、磁界の変化を該2端子
    素子のインピーダンスの変化に変換して検出することを
    特微とする磁気検出素子。
  2. 【請求項2】請求項1の磁気検出素子で、軟磁性線内部
    に導体線を有する同軸型に形成されており、該導体線が
    前記接地導体に接続されていることを特徴とする磁気検
    出素子。
  3. 【請求項3】請求項2の磁気検出素子で、前記同軸型の
    軟磁性線の外部軟磁性部と内部導体線との間に、絶縁層
    が介在していることを特徴とする磁気検出素子。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の磁気検
    出素子で、前記接地導体が前記絶縁層の面に形成された
    導体膜からなることを特徴とする磁気検出素子。
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載の磁気検
    出素子で、前記接地導体が導体線からなり、前記絶縁層
    の面に貼付けられていることを特徴とする磁気検出素
    子。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかに記載の磁気検
    出素子で、磁界の変化に伴うンピーダンス変化とLC共
    振周波数近傍のインピーダンス変化とを組み合わせるこ
    とによりインピーダンス変化率を増大させたことを特徴
    とする磁気検出素子。
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