JPH07262523A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH07262523A
JPH07262523A JP7669494A JP7669494A JPH07262523A JP H07262523 A JPH07262523 A JP H07262523A JP 7669494 A JP7669494 A JP 7669494A JP 7669494 A JP7669494 A JP 7669494A JP H07262523 A JPH07262523 A JP H07262523A
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JP7669494A
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English (en)
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Masakatsu Senda
正勝 千田
Osamu Ishii
修 石井
Tomoyuki Toshima
知之 戸島
Yasuhiro Koshimoto
泰弘 越本
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドにおいて、再生出力の低さ、SN
比、感度、信号検出精度の低さ、部品構成の複雑さを解
消した磁気ヘッドを提供すること。 【構成】 磁気ヘッドにおいて、検出導線2の両端に一
対もしくは二対以上の電極1a,1a′,1b,1b′
を設け、この検出導線2の表面には、この検出導線の周
りを一周するように磁性体3が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野では、記憶装置の小型・
大容量化の要請に伴い、記録密度の向上が望まれてい
る。従来のリング型インダクティブ磁気ヘッド(薄膜
型)を図9に示す(西川正明:磁気記録の理論,朝倉書
店)。記録過程では、巻線コイル15に電流を流して磁
性体コア14a,14bを磁化し、ギャップ17から漏
れる磁界によって磁気媒体18を磁化して信号を記録す
る。一方、再生過程では、磁気媒体18から発生する媒
体磁界によって磁性体コア14a,14bを磁化し、巻
線コイル15に誘導される起電力によって信号を再生す
る。記録密度が向上すると、磁気媒体から発生する媒体
磁界強度は減少する。リング型インダクティブ磁気ヘッ
ドでは、これに伴い再生出力が急減し再生が困難となる
問題が生ずる。弱い媒体磁界強度に対しても再生を可能
とする磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果型ヘッド(MR
ヘッド)が提案されている。図10にMRヘッドを示
す。MRヘッドでは、磁気媒体からの媒体磁界強度に応
じて抵抗が変化する現象に基づいて記録信号を再生す
る。
【0003】従来、MRヘッドとしては、強磁性体の異
方性磁気抵抗効果(MR効果)を利用したものが多く使
用されてきた。MR効果による抵抗Rの変化は次式で表
される。 R=R0 +△Rcos 2 θ ・・・(1) ここで、R0 は磁化方向が電流方向と垂直になった場合
の抵抗、△Rは磁化方向が電流方向と平行になった場合
の抵抗とR0 との差、θは磁化方向と電流方向との間の
角度である。MRヘッドのSN比は△R/R0 (MR
比)で表される。従来、MRヘッドに用いられてきた代
表的な強磁性体であるNiFe,NiCo,NiCu合
金におけるMR比はいずれも数%程度(室温)と低く、
また△Rそのものも小さな値でしたなかった。従って、
これらを用いたMRヘッドでは、トラック幅が数μmに
なると、十分なSN比、感度を実現することが困難であ
った。
【0004】最近、Fe/Cr多層膜において、MR比
が50%となる現象が発見されたが(巨大MR効果:M.
N. Baibich et al., Phys. Rev. Lett., 61, 2472, '8
8 )、動作温度が4.2Kと極低温であり、また20k
Oeといった強磁界印加が必要であるため、実用には向
かない。さらに抵抗の外部磁界依存性に大きなヒステリ
シスが現われるため、信号検出精度が低いという欠点も
ある。(1)式から明らかなように、MR効果は磁界反
転に対して対称であるため、外部磁界の極性を検出する
ためには、直流バイアス磁界を磁気抵抗素子に印加し動
作点を移動させ、非対称性を持たす必要がある。従来の
MRヘッドでは、そのため図10に示すように直流バイ
アス用導体ラインを新たに設置する必要があった。しか
しこの方法では、構成部品数が増え、部品設計上、部品
作製上、複雑さを伴うという欠点があった。以上、従来
のリング型インダクティブ磁気ヘッドでは記録密度を向
上させると再生出力が急減するという欠点が、MRヘッ
ドではSN比、感度、信号検出精度が低く、また部品構
成が複雑という欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の磁気ヘッドにおいて問題であった、再生出力の低さ、
SN比、感度、信号検出精度の低さ、および部品構成の
複雑さを解決した、磁気ヘッドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は (1)両端に一対の電極を有する検出導線と、前記検出
導線の表面に直接、前記検出導線の周りを一周するよう
に配設された少なくとも1個以上の磁性体とで構成さ
れ、前記磁性体にはその一部にギャップが設けられてい
ることを特徴とする磁気ヘッド。 (2)両端に二対の電極を有する検出導線と、前記検出
導線の表面に直接、前記検出導線の周りを一周するよう
に配設された少なくとも1個以上の磁性体とで構成さ
れ、前記磁性体にはその一部にギャップが設けられてい
ることを特徴とする磁気ヘッド。 (3)両端に一対の電極を有する検出導線と、前記検出
導線の表面に非磁性絶縁体を介して、前記検出導線の周
りを一周するように配設された少なくとも1個以上の磁
性体とで構成され、前記磁性体にはその一部にギャップ
が設けられていることを特徴とする磁気ヘッド。 (4)両端に二対の電極を有する検出導線と、前記検出
導線の表面に非磁性絶縁体を介して、前記検出導線の周
りを一周するように配設された少なくとも1個以上の磁
性体とで構成され、前記磁性体にはその一部にギャップ
が設けられていることを特徴とする磁気ヘッド。 (5)前記検出導線の両端の第1の電極の対は高周波発
振器に接続され、第1の電極の対は検波器に接続され、
前記高周波発振器により前記検出導線に高周波電流を供
給した時、媒体磁界を反映した前記磁性体の磁化状態に
応じて前記検波器を通して出力される信号出力が変化す
ることに基づいて、前記媒体磁界を検出することを特徴
とする請求項1または3記載の磁気ヘッド。 (6)前記検出導線の両端に第1および第2の電極が設
けられ、前記の第1の電極の対は高周波発振器に接続さ
れ、前記第2の電極の対は検波器に接続され、前記高周
波発振器により前記検出導線に高周波電流を供給した
時、媒体磁界を反映した前記磁性体の磁化状態に応じて
前記検波器を通して出力される信号出力が変化すること
に基づいて、前記媒体磁界を検出することを特徴とする
請求項2または4記載の磁気ヘッド。 (7)前記ギャップが前記検出導線と非磁性絶縁体のう
ち少なくとも一つの部材により形成されることを特徴と
する請求項1または2または3または4記載の磁気ヘッ
ド。 (8)前記磁性体は、磁性層と非磁性絶縁層とを交互に
積層した多層構造からなることを特徴とする請求項1ま
たは2または3または4記載の磁気ヘッド。を発明の要
旨とする。
【0007】
【作用】本発明の磁気ヘッドによれば、高周波において
インピーダンスが大きな外部磁界依存性を示す現象を利
用して再生を行うため、高再生出力、高SN比、高感
度、高信号検出精度が得られる。またそれに加え、ギャ
ップにより隔てられた磁性体に流れ込む媒体磁界の差分
により媒体信号を検出するため、磁性体の体積を大きく
設定でき上記現象を顕著なものとできること、閉磁路構
造を成し磁束漏れが少ないこと、および検出導線が磁気
媒体に近接していることにより、いっそうの高再生出
力、高SN比、高感度化が可能となる。さらに、媒体磁
界の変化を反映するインピーダンス変化を四端子法によ
り電圧変換するため、広帯域性となり、高周波信号磁界
の再生が可能となる。また、検出導線が直流バイアス用
導体ラインを兼ねるため、単純な部品構成により、外部
磁界の極性を検出できる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の磁気ヘッドの実施例の正面図
を示す図で、図2は断面図を示す図である。図におい
て、1a,1bは夫々電極であって、検出導線2の両端
から二対の電極1a,1a′,1b,1b′が設けられ
ている。3は磁性体で、前記の検出導線2の周りを一周
するように配置されている。
【0009】図2は本発明の磁気ヘッドの異なる実施例
を示すものであって、図において、2,2a,2bは夫
々検出導線、3a,3bは夫々磁性体、4は非磁性絶縁
体、5はギャップを示す。 (a)図において、検出導線2aと2bから構成され、
これら検出導線2a,2bの周りを一周するように、該
検出導線の表面に直接、磁性体3a,3bが配されてい
る。この磁性体はその一部にギャップ5を有しており、
ギャップ5は検出導線2bにより形成されている。 (b)図において、検出導線2の周りを一周するよう
に、該検出導線の表面に直接、磁性体3a,3bが配さ
れている。この磁性体はその一部にギャップ5を有して
おり、ギャップ5は検出導線2により形成されている。 (c)図において、検出導線2aと2bから構成され、
これら検出導線2a,2bの周りを一周するように、該
検出導線の表面に非磁性絶縁体4を介して、磁性体3
a,3bが配されている。この磁性体はその一部にギャ
ップ5を有しており、ギャップ5は検出導線2bと非磁
性絶縁体4により形成されている。 (d)図において、検出導線2の周りを一周するよう
に、該検出導線の表面に非磁性絶縁体4を介して、磁性
体3a,3bが配されている。この磁性体はその一部に
ギャップ5を有しており、ギャップ5は検出導線2と非
磁性絶縁体4により形成されている。 (e)図において、検出導線2の周りを一周するよう
に、該検出導線の表面に非磁性絶縁体4を介して、磁性
体3a,3bが配されている。この磁性体はその一部に
ギャップ5を有しており、ギャップ5は非磁性絶縁体4
により形成されている。 (f)図において、検出導線2の周りを一周するよう
に、該検出導線の表面に直接、磁性体3a,3bが配さ
れている。この磁性体はその一部にギャップ5を有して
おり、ギャップ5は非磁性絶縁体4により形成されてい
る。
【0010】図3は他の実施例を示すもので、(a)は
電極1が一対、磁性体3が一個の例、(b)は電極1が
一対、磁性体3が複数個の例、(c)は電極1が二対、
磁性体3が複数個の例である。図1、図3(c)では電
極が二対となるため、構成がやや複雑となるが、大きな
MR比(SN比)が得られる。電極が一対のものは、電
極が二対のものに比べてMR比が若干劣るが、構造が簡
単で作りやすい。なお、磁性体の数は、特性上あまり差
異は少ない。
【0011】次に本発明の磁気ヘッドの作用について説
明する。図1において、磁気ヘッドの回路も併せ示され
ているが、符号6は高周波発振器、7は検波器、8は信
号出力、9は磁気媒体、11は媒体磁界である。電極1
a,1a′の両端に高周波発振器6が接続され、電極1
b,1b′の両端には検波器7が接続されている。なお
電極が一対の場合は、その両端に高周波発振器6と検波
器7とが接続される。
【0012】以下に記録再生方法を示す。記録過程で
は、本発明の磁気ヘッドの検出導線2に信号電流を流し
て磁性体3を磁化し、ギャップ5から漏れる磁界によっ
て磁気媒体を記録磁化する。次に、再生方法を図1,図
4を用いて説明する。本発明では、媒体磁界の変化を磁
性体3の比透磁率変化によってインピーダンス変化に変
換し、これを四端子法で電圧に変換し再生する。高周波
発振器6から電極1を通して周波数fの高周波電流を検
出導線2に供給すると、高周波電流から発生する高周波
磁界が磁性体3で反射,吸収され、検出導線2のインピ
ーダンスZ(f)は、 Z(f)=Z0 (f)+△Zmag (f) ・・・(2) となる。ここで、Z0 (f)は検出導線2のみに由来す
るインピーダンス、△Zmag (f)は磁性体3での反
射,吸収に由来するインピーダンスの増加分である。Z
0 (f)は周波数が数GHz以下では周波数に依存せず
ほとんど一定値である。一方、△Zmag (f)は磁性体
3の比透磁率μr (f)(:μr ′(f)−jμr
(f)と、 △Zmag (f)∝f×μr (f) ・・・(3) の関係にある。
【0013】媒体磁界11は、図4に示すように、ギャ
ップ5により隔てられた磁性体3aおよび磁性体3b
(図2参照)に流れ込むが、両者の差分のみが検出導線
2の周りを一周するような経路で流れ、磁性体3a,3
bを媒体磁化10の方向を反映して磁化させる。(3)
式においてμr (f)は磁性体3a,3bの磁化状態に
応じて大きさが変化するため、記録信号(あるいは媒体
磁化10、あるいは媒体磁界11)は検出導線2のZ
(f)変化、従って電極1b,1b′間の電圧変化とな
って再生される。すなわち、再生信号は、高周波発振器
6からの高周波信号をキャリアとするAM変調のかたち
で電極1b,1b′間に現われる。これを検波器7で検
波し、信号出力8として取り出す。極性検出機能を持た
すには、検出導線2に直流バイアス電流を供給し、直流
バイアス電流から生ずる直流バイアス磁界を利用する。
この際、検出導線2が直流バイアス用導体ラインを兼ね
るため、部品構成が単純となる。以上が、本発明の磁気
ヘッドにおける再生過程である。
【0014】本発明の磁気ヘッドにおけるSN比は電極
1a,1a′間の電圧変化比、
【数1】 で表される。ここで、V(0)は外部磁界零時の電圧、
V(H)は磁性体3が飽和時の電圧、△VはV(0)と
V(H)との差である。Z0 (f)は小さく、△Zmag
(f)は高周波域で大きくなるため、SN比は大きな値
となる。特に本発明では、以下に示す理由により、SN
比をいっそう大きくできる。△Zmag (f)は磁性体3
の体積(あるいは厚さ)にほぼ比例する。図4において
磁気ヘッドの空間分解能(線記録密度)はギャップ5長
にのみ依存し、磁性体3a,3bの厚さには依らないた
め、磁性体3a,3bの厚さを△Zmag (f)値が十分
大きくなるよう任意に厚く設定できる。また、Z
0 (f)は検出導線2の断面積にほぼ反比例する。図2
(a),(c),(e),(f)の構造では、ギャップ
5長を小さくしたまま、検出導線2の厚さを任意に厚く
設定できるため、空間分解能(線記録密度)を低下させ
ることなくZ0 (f)値を下げることができる。上記の
理由により本発明の磁気ヘッドでは、△Zmag (f)値
を大きく、Z0 (f)値を小さくできるため、SN比は
いっそう高くなる。なお、磁性体3としては、弱磁界で
飽和し、ヒステリシスの小さな材料を選ぶことができる
ため、感度、信号検出精度も高くなる。
【0015】さらに、本発明では、媒体磁界11、磁性
体3a,3bが閉磁路を成すため磁束漏れが少ないこ
と、図2(a),(b),(c),(d)では、検出導
線2が磁気媒体9に面して露出し検出導線2と磁気媒体
9が近接していることにより、いっそうの高感度化が図
られている。高SN比を得るには、上記のように磁性体
3の厚さを厚くすることが有利であるが、高周波では表
皮効果により磁性体の有効体積が減少し、厚くした割に
は高いSN比が得られなくなる。表皮効果を回避する方
法として、磁性体3の断面構造を、図5に示す磁性層1
2と非磁性絶縁層13とを交互に積層した多層構造とす
ることが効果的である。この際、磁性層12の層厚を表
皮深さより薄く、また非磁性絶縁層13の層厚を磁性層
12間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上に設定すること
が効果的である。ここに表皮深さδは、高周波電磁波
が、磁性体に浸入し得る表面からの深さであり、磁性体
の電気抵抗ρm ,周波数f,静的比透磁率μr
(0),真空の透磁率μ0 を用いて、 δ=〔2ρm /(2πf・μr ′(0)・μ0 )〕1/2 ・・・(5) で表される。
【0016】媒体磁界11に対する感度を向上させるに
は、磁性体3の形状を図1に示すように媒体磁界11と
平行方向が長辺となる短冊状とし、反磁界の影響を回避
することが効果的である。図6にNiFe膜における、
反磁界係数の磁性体形状依存性の実験結果を示す。膜厚
は3μm、幅を5μmとし、長さとの関係を示した。図
から長さが200μm以上で反磁界の影響をほとんど無
視できることがわかる。
【0017】以下に具体例を示す。図1,図2(a)の
タイプとし、磁性体には図5の多層構造を採用した。磁
性層12にはNiFeを使用し、層厚は表皮深さより十
分薄い50nmとした。非磁性絶縁層13にはSiO2
を使用し、層厚は磁性層12間の電気的絶縁を保ち得る
厚さである50nmとした。磁性体3a,3b各々の膜
厚は3μmとし、反磁界の影響を回避できるよう磁性体
3の幅は5μm、長さは200μmとした。磁性体3
a,3bには幅方向が容易軸となる一軸異方性磁界3〜
5Oeを付与した。検出導線2a,2bにはCuを使用
し、検出導線2aの幅は5μm、厚さは0.7μm、長
さは10μm、検出導線2bの幅は8μm、厚さは0.
3μm、長さは10μmとし、ギャップ5長は0.3μ
mとした。成膜はイオンビームスパッタ法により、加工
はフォトリソグラフ法により行い、一軸異方性磁界は磁
界中成膜により付与した。測定は全て室温で行った。
【0018】図7に、電圧変化比△V/V(0)の周波
数特性を示す。△V/V(0)は数百MHzから100
0MHz付近で、60〜70%の大きな値となる。この
周波数帯域で△V/V(0)が大きくなるのは、この周
波数帯域が磁性体3に用いたNiFeの磁気共鳴周波数
600〜1000MHzに一致するためである。800
MHzでの信号出力電圧Vの外部磁界依存性を図8に示
す。信号出力電圧はNiFeの一軸異方性磁界である3
〜5Oe前後で大きく減少し、10Oeでほぼ一定値と
なる。このように、高SN比、高感度を得るためには、
高周波発振器6から供給する高周波電流の周波数を、磁
性体3の磁気共鳴周波数付近とすることが効果的とわか
る。なお、本発明では、再生信号は高周波発振器6の信
号をキャリアとしたAM変調のかたちで再生される。こ
の場合、再生信号を安定に検出するには、キャリア周波
数を中心に再生信号周波数の2倍以上の広帯域性を持つ
ことが要求される。図7において△V/V(0)>60
%の帯域を見た場合、500〜1000MHzの500
MHz程度の非常に広い帯域を持つことから本発明の磁
気ヘッドでは、250MHz程度の高周波信号に対して
も、安定に再生が可能であることがわかる。
【0019】なお、上記磁気ヘッドを薄膜により形成す
る場合、その成膜法としては、イオンビームスパッタ法
以外に、RFスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、蒸
着法などの方法が挙げられ、いずれも同様の効果を得る
ことができる。磁性体3,3a,3bおよび磁性層12
としては、Fe,Co,Niをベースとした磁性材料
を、また非磁性絶縁体4および非磁性絶縁層13として
は、SiO2 ,AlN,Al2 3 ,BN,TiN,S
iC,ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリエチ
レンテレフタレート(PET),ポリイミド,カプト
ン,フォトレジストなどを、検出導線2,2a,2bと
しては、Cu,Al,Ag,Au,Pt,Sn,Cr,
Zn,Inなどを使用でき、いずれも同様の効果を得る
ことができる。
【0020】以上の結果から明らかなように、本発明の
磁気ヘッドでは、従来の磁気ヘッドに比べ、再生出力、
SN比、感度、信号検出精度が高く、また部品構成が単
純化するという改善があった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ヘッ
ドによれば、磁性体膜厚を厚く設定でき、高周波におけ
るインピーダンスの大きな外部磁界依存性をより効果的
に利用することができること、閉磁路構造を成し磁束漏
れが少ないこと、および検出導線が磁気媒体に近接して
いることにより、従来磁気ヘッドに比較し、再生出力、
SN比、感度がいずれも非常に高くなり、磁気記録の高
記録密度化に対し、優れた有用性を発揮できる。また、
インピーダンス変化を四端子法により電圧変換するた
め、広帯域性となり、高周波信号に対しても安定に再生
が可能となり、磁気記録の高記録密度化に対し、いっそ
う優れた有用性を発揮できる。また、極性検出機能を持
たせた場合、検出導線が直流バイアス用導体ラインを兼
ね部品構成が単純化するため、構成部品点数の削減、構
成の簡易化による製造コストの低減、製作工程の削減を
図ることができ、量産性および経済性に優れる。さら
に、従来の巨大MR効果と比較した場合、室温での動
作、直流バイアス磁界印加量の低減、低磁界応答が可能
であり、再生に際し特殊な周囲環境を設定する必要がな
く、さらにヒステリシスが小さく高精度な検出が可能で
あり、検出系の構成が単純で感度が高い、高信頼性を有
するなど数々の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの実施例の正面図を示す図
である。
【図2】本発明の磁気ヘッドの実施例の断面図を示す図
で、(a)〜(f)は夫々異なる実施例を示す。
【図3】本発明の磁気ヘッドの磁性体の別の実施例を示
すもので、(a)〜(c)は夫々異なる実施例を示す。
【図4】本発明における再生原理を示す図である。
【図5】本発明の磁気ヘッドの磁性体3の断面構造の実
施例を示す図である。
【図6】反磁界係数の磁性体形状依存性を示す図であ
る。
【図7】電圧変化比の周波数特性を示す図である。
【図8】信号出力電圧の外部磁界依存性を示す図であ
る。
【図9】従来のリング型インダクティブ磁気ヘッド(薄
膜型)を示す図で、(a)は巻線コイルと磁性体コアと
の関係を示し、(b)は(a)図におけるB−B′線に
沿う断面図を示す。
【図10】従来の磁気抵抗効果型ヘッドを示す図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1a′,1b,1b′電極 2,2a,2b 検出導線 3,3a,3b 磁性体 4 非磁性絶縁体 5 ギャップ 6 高周波発振器 7 検波器 8 信号出力 9 磁気媒体 10 媒体磁化 11 媒体磁界 12 磁性層 13 非磁性絶縁層 14a,14b 磁性体コア 14c 磁性体コア結合部 15 巻線コイル 15b 巻線コイル用電極 16 非磁性絶縁体 17 ギャップ 18 磁気媒体 19 磁気抵抗素子 19a 磁気抵抗素子用リード線 20 磁気媒体 21 直流バイアス用導体ライン 21a 直流バイアス用リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越本 泰弘 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に一対の電極を有する検出導線と、
    前記検出導線の表面に直接、前記検出導線の周りを一周
    するように配設された少なくとも1個以上の磁性体とで
    構成され、前記磁性体にはその一部にギャップが設けら
    れていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 両端に二対の電極を有する検出導線と、
    前記検出導線の表面に直接、前記検出導線の周りを一周
    するように配設された少なくとも1個以上の磁性体とで
    構成され、前記磁性体にはその一部にギャップが設けら
    れていることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 両端に一対の電極を有する検出導線と、
    前記検出導線の表面に非磁性絶縁体を介して、前記検出
    導線の周りを一周するように配設された少なくとも1個
    以上の磁性体とで構成され、前記磁性体にはその一部に
    ギャップが設けられていることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 両端に二対の電極を有する検出導線と、
    前記検出導線の表面に非磁性絶縁体を介して、前記検出
    導線の周りを一周するように配設された少なくとも1個
    以上の磁性体とで構成され、前記磁性体にはその一部に
    ギャップが設けられていることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記検出導線の両端の第1の電極の対は
    高周波発振器に接続され、第1の電極の対は検波器に接
    続され、前記高周波発振器により前記検出導線に高周波
    電流を供給した時、媒体磁界を反映した前記磁性体の磁
    化状態に応じて前記検波器を通して出力される信号出力
    が変化することに基づいて、前記媒体磁界を検出するこ
    とを特徴とする請求項1または3記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記検出導線の両端に第1および第2の
    電極が設けられ、前記の第1の電極の対は高周波発振器
    に接続され、前記第2の電極の対は検波器に接続され、
    前記高周波発振器により前記検出導線に高周波電流を供
    給した時、媒体磁界を反映した前記磁性体の磁化状態に
    応じて前記検波器を通して出力される信号出力が変化す
    ることに基づいて、前記媒体磁界を検出することを特徴
    とする請求項2または4記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ギャップが前記検出導線と非磁性絶
    縁体のうち少なくとも一つの部材により形成されること
    を特徴とする請求項1または2または3または4記載の
    磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁性体は、磁性層と非磁性絶縁層と
    を交互に積層した多層構造からなることを特徴とする請
    求項1または2または3または4記載の磁気ヘッド。
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US08/593,387 US5811971A (en) 1993-08-25 1996-01-29 Magnetic sensor and magnetic field sensing method using said magnetic sensor based on impedance changes of a high frequency excited conductor
US08/593,386 US5734267A (en) 1993-08-25 1996-01-29 Magnetic head, magnetic recording method using the magnetic head, and magnetic field sensing method using the magnetic head based on impedance changes of a high frequency excited conductor
US08/631,402 US5705926A (en) 1993-08-25 1996-04-12 Magnetic sensor and magnetic field sensing method of using same based on impedance changes of a high frequency supplied conductor

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100433202B1 (ko) * 2000-08-07 2004-05-24 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 실드형 자기 헤드 및 자기 재생 장치
CZ299885B6 (cs) * 2007-03-23 2008-12-17 Ceské vysoké ucení technické v Praze Fakulta elektrotechnická Feromagnetická sonda

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