JP2878738B2 - 記録再生兼用薄膜磁気ヘッド - Google Patents

記録再生兼用薄膜磁気ヘッド

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JP2878738B2 JP31138389A JP31138389A JP2878738B2 JP 2878738 B2 JP2878738 B2 JP 2878738B2 JP 31138389 A JP31138389 A JP 31138389A JP 31138389 A JP31138389 A JP 31138389A JP 2878738 B2 JP2878738 B2 JP 2878738B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は磁気ヘッドに係り、特に記録密度の向上ある
いは狭トラック化に適し、高感度・高SN比の信号記録再
生を可能にするとともに作製の容易な記録再生兼用の薄
膜磁気ヘッドに関する。
(従来の技術) 近年の磁気記録の高密度化に伴って、トラック幅が10
μm以下の薄膜磁気ヘッドの実現が要求されるようにな
って来た。一般に、トラック幅が狭くなければ出力が低
下する。この低下分は媒体の保磁力を大きくすること
と、コイル巻数を増やすことで補うことができるが、従
来の誘導型の薄膜磁気ヘッドの場合、ヘッド効率を下げ
ずに巻数を増やすには、従来よりコイルピッチをつめる
必要があり、コイル線幅の減少に伴うコイル抵抗の増加
をコイル厚さを増やすことで対処しなければならない。
このため、より繊細な薄膜加工技術が必要となり、薄膜
磁気ヘッドが高価なものになってしまう。また、コイル
の巻数を増せば出力は増加するが、それに伴いヘッドの
インピーダンスノイズも増加するため、再生信号のSN比
の問題から巻数の増加には限度があった。
一方、記録は従来のリング状の薄膜磁気ヘッドを使用
し、再生にはこの磁気コアを共用するかあるいは別の磁
気コアを利用し、磁気コアの磁気抵抗効果を利用して高
感度の信号再生をする方法と、アクティブヘッドの原理
として知られるように記録媒体からの信号磁界に応じた
磁極の高周波透磁率の鋭敏な変化を電圧変化に変換して
信号を高感度に再生する方法が提案されている(特開昭
57-36407号公報)。これらの場合、コイル巻数を増やさ
なくても記録時の電流を増やせば十分記録でき、再生時
には、コイルを用いずに記録媒体からの信号磁界(洩れ
磁界)に対応した出力を検出できる。そこで、この方式
による作製が容易な記録再生兼用の薄膜磁気ヘッドの実
現が待ち望まれている。
(発明が解決しようとする課題) このように従来の誘導型の薄膜磁気ヘッドは、コイル
巻数の増加に限度があり、今後の狭トラック化に対して
十分な再生出力が得られないとう欠点を有していた。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、高
い記録密度で記録された信号を高感度にしかも高SN比を
もって記録再生でき、しかも作製の容易な記録再生兼用
薄膜磁気ヘッドを提供することである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の記録再生兼用薄膜磁気ヘッドは第一に、基板
上に形成された下磁極および該下磁極上に磁気ギャップ
を介して設けられた上磁極からなり、これら下磁極およ
び上磁極の少なくとも一方は、磁気ギャップからリアギ
ャップの方向に基板と略平行に第1の磁性膜、絶縁性の
第2の磁性膜および第3の磁性膜が磁気的に結合した状
態で形成されてなるリング状の薄膜磁気コアと、第2の
磁性膜の両面に形成された第1および第2の電極膜と、
薄膜磁気コアと磁気的に結合され、記録時に記録電流が
供給される薄膜コイルと、第2の磁性膜と第1および第
2の電極膜により形成されるキャパシタンス素子に並列
に接続され、該キャパシタンス素子とともに共振回路を
構成するインダクタンス素子と、共振回路に高周波信号
を供給する手段と、磁気記録媒体からの信号磁束による
第2の磁性膜の高周波透磁率の変化に応じた該共振回路
の高周波出力電圧の変化を検出する信号検波回路とを具
備することを特徴とする。
本発明の記録再生兼用薄膜磁気ヘッドは第二に、基板
上に形成された下磁極および該下磁極上に磁気ギャップ
を介して設けられた上磁極からなるリング状の薄膜磁気
コアと、薄膜磁気コアと磁気的に結合され、記録時に記
録電流が供給される薄膜コイルと、下磁極および上磁極
の少なくとも一方の磁極の磁気記録媒体に対向する先端
部のトラック幅方向両端に接続された薄膜リード線と、
この薄膜リード線と共に共振回路を構成するキャパシタ
ンス素子と、共振回路に高周波信号を供給する手段と、
磁気記録媒体からの信号磁束による少なくとも一方の磁
極の先端部の高周波透磁率の変化に応じた該共振回路の
高周波出力電圧の変化を検出する信号検波回路とを具備
することを特徴とする。
(作用) 本発明においては、共通のリング状薄膜磁気コアを記
録・再生に兼用するため、ヘッドの作製が容易になる。
また、磁気コアと磁気的に結合する磁性膜を下磁極お
よび上磁極の少なくとも一方の上またはこれらの磁極の
一部として形成し、この磁性膜を磁気記録媒体からの信
号磁界による鋭敏な高周波透磁率変化を示す素子として
利用するか、あるいは下磁極および上磁極の少なくとも
一方の磁極の先端部の磁気記録媒体からの信号磁界によ
る鋭敏な高周波透磁率変化を利用して再生を行なうこと
により、従来の誘導型薄膜磁気ヘッドと比べて高感度・
高SN比の信号再生をすることができる。
この結果、高密度化あるいは狭いトラック化への対応
がし易くなり、しかも信号再生には誘導原理を用いない
ため、大きな再生出力を得るようにリング状薄膜磁気コ
アに結合する記録用の薄膜コイルの巻線数を大きくする
必要がなく、ヘッドの小形化が容易になるとともに、記
録と再生の効率が大幅に向上する。
さらに、再生時に高周波透磁率の変化を示す磁性膜に
は高周波電流を流すわけであるが、これら磁性膜と薄膜
磁気コアとを電気的に絶縁して構成すれば、ヘッドの効
率を犠牲にすることがなく、しかも高周波電流が薄膜磁
気コアあるいはヘッドから磁気記録媒体に漏電すること
がないため、不必要なノイズを発生することもない。
(実施例) 第1図は本発明の第1の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドの断面図である。基板1上に下磁極2、磁
気ギャップ3、絶縁層4、1ターン以上の薄膜コイル5
および上磁極6が順次形成されている。下磁極2および
上磁極6によって、薄膜磁気コアが形成されている。上
磁極6の基板1に対して略平行な部分の上面に、非磁性
絶縁層7を介して磁気抵抗効果を有する磁性膜8が形成
されている。磁性膜8の上には非磁性絶縁層9を介して
永久磁石膜(または薄膜コイル)10が形成され、この永
久磁石膜(または薄膜コイル)10によって磁性膜8にバ
イアス磁界を印加できるように構成されている。
磁気記録媒体(図示せず)への信号記録は、薄膜コイ
ル5へ記録電流を流すことによって行われる。一方、磁
気記録媒体に記録された信号の再生は、磁性膜8により
信号磁界を検出することにより行なわれる。なお、薄膜
コイル5は記録時のみならず再生時に磁性膜8にバイア
ス磁界を印加するためのバイアス用コイルとしても利用
することができる。
この記録再生兼用薄膜磁気ヘッドは、従来の単一誘導
形薄膜磁気ヘッドよりも高感度にして高SN比の信号再生
ができるため、高密度・高SN比の記録再生に適してい
る。しかも、再生には本質的に高感度が期待できる磁気
抵抗効果を利用するため、誘導型のものと異なり、薄膜
コイル5の巻線数を特別大きくする必要がなく、信号記
録に十分なだけの数にすればよい。これにより、ヘッド
の小形化が容易になるとともに、記録再生効率が向上す
る。一方、下磁極2および上磁極6によって構成される
薄膜磁気コア全体は記録・再生兼用であるから、ヘッド
の製造工程は従来の誘導型薄膜磁気ヘッドと比べて特別
複雑になることもない。
なお、本実施例の磁気ヘッドで最大の再生感度を得る
ためには、上磁極6および磁性膜8が重なり合う位置で
の両者の厚みと、これら厚みの比を適切に組み合わせる
ことによって、磁性膜8に鎖交する磁気記録媒体からの
信号磁束の量と、信号磁束による磁化回転量の積を最大
にすることによって得ることができる。非磁性絶縁層9
および永久磁石膜(または薄膜コイル)10の形成、また
は薄膜コイル5をバイアス磁界印加用に使用すること
は、必要に応じて省略しても差し支えない。また、非磁
性絶縁層7、磁性膜8、非磁性絶縁層9および永久磁石
膜(または薄膜コイル)10は本実施例では上磁極6の上
に形成されているが、これらを上磁極6と下磁極2の両
方の上面、あるいは下磁極2の上面だけに形成してもよ
い。
第2図は第1図の実施例を変形した本発明の第2の実
施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドを示す断面図で
あり、第1図の実施例との違いは磁気抵抗効果を有する
磁性膜8が非磁性絶縁層7を介して下磁極2の上に形成
されている点であり、第1図の実施例と同様の効果を有
する。
第3図は本発明の第3の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドの断面図であり、基板1上に下磁極2、磁
気ギャップ3、絶縁層4、1ターン以上の薄膜コイル
5、上磁極が順次形成されている基本構造は第1図およ
び第2図の実施例と同様である。本実施例では、金属性
の第1の磁性膜11、絶縁性の第2の磁性膜12および金属
性の第3の磁性膜13がこの順に磁気ギャップ3からリア
ギャップの方向にこれらの一部分が重なりあって十分に
磁気抵抗が低くなるように接合形成されることによって
上磁極が構成されている。絶縁性の磁性膜12の上面に磁
性膜8が形成され、磁性膜8の上面にこれにバイアス磁
界を印加するための永久磁石膜(または薄膜コイル)10
が非磁性絶縁層9を介して形成されている。
この実施例の記録再生兼用薄膜磁気ヘッドにおいて
も、第1および第2の実施例と同様に磁性膜8および絶
縁性磁性膜12の膜厚と、これらの比を適切に設定するこ
とにより、従来の誘導型薄膜磁気ヘッドよりも高感度・
高SN比をもって信号の再生をすることができるほか、先
の実施例と同様の効果を得ることができる。
第4図は本発明の第4の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドを示す斜視図であり、第1図の実施例にお
ける磁気抵抗効果を有する磁性膜8を、磁界によって高
周波透磁率が鋭敏に変化する素子として利用するもので
ある。この磁性膜8のトラック幅方向の両端には、薄膜
リード線20-1,20-2が電気的に接続され、磁性膜8と薄
膜リード線20-1,20-2がインダクタンス素子を構成して
いる。このインダクタンス素子は、キャパシタンス素子
15とともに高周波共振回路を構成し、この高周波共振回
路に高周波信号供給源17と信号検波回路16が接続されて
いる。
本実施例における磁気記録媒体への信号記録は以上の
実施例と同様になされる。一方、磁気記録媒体に記録さ
れた信号の再生は、信号磁束が磁性膜8に流入すること
による磁性膜8の高周波透磁率の鋭敏な変化により、高
周波信号供給源17からヘッドを励振する高周波信号を共
振回路に供給することによって該共振回路より発生する
高周波出力電圧が急峻に変化し、この変化を信号検波回
路16で検波することによって行なわれる。
本実施例によれば、従来の誘導型薄膜磁気ヘッドに比
較しては勿論、第1図〜第3図の実施例よりも更に高感
度・高SN比で再生ができる他、第1図〜第3図に示す実
施例と同様の効果を得ることができる。なお、必要に応
じて磁性膜8の上にこれにバイアス磁界を印加するため
の永久磁石膜かバイアス印加用の薄膜コイルを配置形成
しても差し支えない。
第5図は第4図に示す実施例を変形した本発明の第5
の実施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドを示す斜視
図であり、高周波透磁率が鋭敏に変化する磁性膜8が下
磁極2の上に非磁性絶縁層7を介して形成されている。
本実施例の記録再生兼用薄膜磁気ヘッドは、第4図に示
す実施例と同様の効果を有する。なお、必要に応じて磁
性膜8の上に、これにバイアス磁界を印加するための永
久磁石膜かバイアス印加用の薄膜コイルを配置形成して
も一向に差し支えない。
第6図は第3図に示す実施例を変形した本発明の第6
の実施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドを示す斜視
図であり、上磁極の一部を成す絶縁性磁性膜12の上に、
信号磁界によって高周波透磁率が鋭敏に変化する磁性膜
8を形成したものである。本実施例は、第4図および第
5図の実施例と同様の効果を有する。
第7図は第2図に示す実施例を変形した本発明の第7
の実施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドを示す斜視
図であり、下磁極2の上に非磁性の絶縁層7を介して信
号磁界によって高周波透磁率が鋭敏に変化する磁性膜8
が形成され、さらに磁性膜8の上に非磁性絶縁層18を介
して薄膜コイル19が形成されている。磁性膜8と薄膜コ
イル19はインダクタンス素子を形成し、このインダクタ
ンス素子はキャパシタンス素子15とともに高周波共振回
路を構成する。その他の構成は第4図〜第6図に示す実
施例と同様であり、作用効果もそれらの実施例と同様で
ある。
第8図は本発明の第8の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドを示す断面図であり、基板1上に下磁極
2、磁気ギャップ3、絶縁層4、1ターン以上の薄膜コ
イル5、上磁極および保護層22が順次形成されている。
上磁極は磁気ギャップ3からリアギャップの方向に基板
1と略平行に、金属性の第1の磁性膜6−1、絶縁性の
第2の磁性膜6−2、そして金属性の第3の磁性膜6−
3が、これらの順に磁気的に良好な結合ができるように
基板1の面に対して略垂直な面で互いに接して構成され
ている。第2の磁性膜6−2の基板1と垂直方向の両面
には導電性の良好な電極膜21-1,21-2が形成され、これ
ら電極膜21-1,21-2は第1の磁性膜6−1と第3の磁性
膜6−3さらに薄膜コイル5とは電気的に導通しないよ
うに形成され、第2の磁性膜6−2とこれら電極膜21-
1,21-2がキャパシタンス素子を形成している。このキャ
パシタンス素子にインダクタンス素子22が並列に接続さ
れて共振回路が構成され、この共振回路に高周波信号供
給源17と信号検波回路16が接続されている。
磁気記録媒体への信号記録は、以上の実施例と同様、
薄膜コイル5に記録電流を流すことによってなされる。
一方、記録された信号の再生は高周波信号供給源17から
共振回路に高周波を供給し、且つ磁気記録媒体上の記録
磁化からの信号磁束により共振回路に結合する第2の磁
性膜6−2の鋭敏な高周波透磁率の変化に応じた、共振
回路からの高周波出力電圧の変化を信号検波回路16によ
り検波することで行われる。この場合、信号再生時に高
い再生感度を得るために、必要に応じて薄膜コイル5を
第2の磁性膜6−2に適切なバイアス磁界を印加するた
めのコイルとして使用する。従って、再生は従来の誘導
型薄膜磁気ヘッドと比較して極めて高感度・高SN比をも
って行うことができるため、高密度化・狭トラック化に
適している。しかも、この再生には誘導原理を利用しな
いため、高出力を得る目的で薄膜コイル5の巻線数を増
やす必要がなく、ヘッドの小形化が容易である。その結
果、記録と再生の効率向上が図られ、さらにはリング状
の磁気コアを記録と再生に兼用するため構造が簡単で、
作製も容易であるという利点を持つ。
第9図は第8図に示す実施例を変形した本発明の第9
の実施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドであり、上
磁極を成す第1の磁性膜6−1、第2の磁性膜6−2そ
して第3の磁性6−3が、この順に磁気ギャップ3から
リアギャップの方向に基板1と略平行にそれぞれの一部
を重ねて接続され、しかもこれらが磁気的に良好な結合
ができるように基板1の面に対して略垂直な面でそれぞ
れが接して構成されている。その他の構成と作用効果は
第8図の実施例と同様である。
第10図は第8図に示す実施例を変形した本発明の第10
の実施例に係る記録再生兼用薄膜磁気ヘッドであり、下
磁極を成す第1の磁性膜2−1、絶縁性の第2の磁性膜
2−2そして第3の磁性膜2−3がこの順に磁気ギャッ
プ3からリアギャップの方向に基板1と略平行にそれぞ
れの一部を重ねて接続され、しかもこれらが磁気的に良
好な結合ができるように基板1の面に対して略垂直な面
でそれぞれが接している。その他の構成と作用効果は第
8図の実施例と同様である。
第11図は本発明の第11の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドを示す斜視図であり、基板1上に下磁極
2、磁気ギャップ3、絶縁層4、薄膜コイル5、上磁極
6が薄膜プロセスによって順次形成されている。下磁極
2の磁気ギャップ領域のトラック幅方向両端には、薄膜
リード線24-1および24-2がこの両端に電気的に導通する
ように接続され、これら薄膜リード線24-1,24-2はキャ
パシタンス素子23と共に高周波共振回路を構成してい
る。この共振回路には、高周波信号供給源17と信号検波
回路16が接続されている。
磁気記録媒体への信号記録は以上の実施例と同様、薄
膜コイル5に記録電流を流すことによって行なわれる。
一方、記録された信号の信号再生はヘッドが磁気記録媒
体から信号磁束を拾うことによる、下磁極2の磁気ギャ
ップ領域の高周波特性の変化により高周波信号供給源17
により励起された共振回路に生じる高周波出力電圧の変
化を、信号検波回路16で検出することで高感度になされ
る。このように同一の薄膜磁気コアで記録と再生を行う
ことができるため、ヘッドの作製が容易であるばかり
か、信号の再生は従来の誘導型薄膜磁気ヘッドよりも高
感度・高SN比をもって行なうことができる。なお、薄膜
リード線24-1,24-2は上磁極6の磁気ギャップ領域に接
続しても良く、しかも上磁極6と下磁極2の任意の位置
の両端に接続しても一向に差し支えない。
第12図は本発明の第12の実施例に係る記録再生兼用薄
膜磁気ヘッドを示したものであり、薄膜リード線24-1,2
4-2が第11図の実施例と同様に下磁極2の磁気ギャップ
3の領域のトラック幅方向両端に接続されると共に、下
磁極2の磁気ギャップ3の領域のトラック幅方向の幅
が、磁気ギャップ3の領域で下磁極2と重なる上磁極6
のトラック幅方向の幅よりも広くされ、磁気ギャップ3
の領域において下磁極2の上磁極6と重ならない部分25
-1,25-2に、薄膜リード線24-1,24-2がそれぞれ電気的に
接続された構造を有する。その他の構造は第11図の実施
例と全く同様である。
本実施例によれば、薄膜リード線24-1,24-2の接続を
第11図の実施例よりも容易に実現することができるのみ
ならず、下磁極2の磁気ギャップ3の領域での磁気的な
安定性を増すことが容易となるなどの利点がある。
[発明の効果] 本発明によれば、従来の誘導型薄膜磁気ヘッドよりも
高感度・高SN比の信号再生が可能になるため、より高密
度で狭トラックの記録再生が可能となる。
また、再生には誘導原理を用いないためリング状の磁
気コアに鎖交する薄膜コイルの巻線数を大きくする必要
もなく、ヘッドの小形化が容易になり、その結果として
記録・再生の効率が向上し、しかも磁気コア全体を記録
と再生に兼用するために、従来の誘導型薄膜磁気ヘッド
と同様に特に繁雑な製造工程を必要としない。
さらには、信号の再生に用いる信号磁界によって高周
波透磁率が鋭敏に変化する材料からなる磁性膜は、薄膜
磁気コアに対して絶縁されて形成されるため、これらの
磁性膜に流す高周波電流が薄膜磁気コアあるいは磁気記
録媒体に漏電することがなく、不必要なノイズの発生を
伴わない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第12図はそれぞれ本発明の実施例に係る記録再
生兼用薄膜磁気ヘッドの構成を示す図である。 1……基板、2……下磁極、3……磁気ギャップ、4…
…絶縁層、5……薄膜コイル、6……上磁極、7……非
磁性絶縁層、8……磁性膜、9……非磁性絶縁層、10…
…永久磁石膜またはバイアス用薄膜コイル、11……金属
性の第1の磁性膜、12……絶縁性の第2の磁性膜、13…
…金属性の第3の磁性膜、15……キャパシタンス素子、
16……信号検波回路、17……高周波信号供給源、18……
非磁性絶縁層、19……薄膜コイル、20-1,20-2……薄膜
リード線、21-1,21-2……電極膜、22……保護層、23…
…インダクタンス素子、24-1,24-2……薄膜リード線、2
5-1,25-2……リード線の接続部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、この基板上に形成された下磁極お
    よび該下磁極上に磁気ギャップを介して設けられた上磁
    極からなり、これら下磁極および上磁極の少なくとも一
    方は、前記磁気ギャップからリアギャップの方向に前記
    基板と略平行に第1の磁性膜、絶縁性の第2の磁性膜お
    よび第3の磁性膜が磁気的に結合した状態で形成されて
    なるリング状の薄膜磁気コアと、 前記第2の磁性膜の両面に形成された第1および第2の
    電極膜と、 前記薄膜磁気コアに磁気的に結合され、記録時に記録電
    流が供給される薄膜コイルと、 前記第2の磁性膜と前記第1および第2の電極膜により
    形成されるキャパシタンス素子に並列に接続され、該キ
    ャパシタンス素子とともに共振回路を構成するインダク
    タンス素子と、 前記共振回路に高周波信号を供給する手段と、 磁気記録媒体からの信号磁束による前記第2の磁性膜の
    高周波透磁率の変化に応じた該共振回路の高周波出力電
    圧の変化を検出する信号検波回路 とを具備することを特徴とする記録再生兼用薄膜磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】基板と、 この基板上に形成された下磁極および該下磁極上に磁気
    ギャップを介して設けられた上磁極からなるリング状の
    薄膜磁気コアと、 前記薄膜磁気コアに磁気的に結合され、記録時に記録電
    流が供給される薄膜コイルと、 前記下磁極および前記上磁極の少なくとも一方の磁極の
    磁気記録媒体に対向する先端部のトラック幅方向両端に
    接続された薄膜リード線と、 この薄膜リード線と共に共振回路を構成するキャパシタ
    ンス素子と、 前記共振回路に高周波信号を供給する手段と、 磁気記録媒体からの信号磁束による前記少なくとも一方
    の磁極の前記先端部の高周波透磁率の変化に応じた該共
    振回路の高周波出力電圧の変化を検出する信号検波回路 とを具備することを特徴とする記録再生兼用薄膜磁気ヘ
    ッド。
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JPH03171410A (ja) 1991-07-24

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