JPH1090333A - 機器特性の試験装置および試験方法 - Google Patents

機器特性の試験装置および試験方法

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JPH1090333A
JPH1090333A JP24744496A JP24744496A JPH1090333A JP H1090333 A JPH1090333 A JP H1090333A JP 24744496 A JP24744496 A JP 24744496A JP 24744496 A JP24744496 A JP 24744496A JP H1090333 A JPH1090333 A JP H1090333A
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signal
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Takehiko Ishii
武彦 石井
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過渡応答特性のある機器の特性試験において、
制御対象の動特性データの自動解析と、整定範囲に応じ
たグラフ表示の自動設定を行なう。 【解決手段】動特性試験時、パソコン2の動特性試験処
理手段222は、信号変換器4を介して、AVR1の入
力端子9から測定値を取り込む。時系列の測定値はメモ
リ23に格納される。測定時間に達すると、所定の注目
信号について整定時間を求め、その整定時間内の測定値
を解析して最大値や立上り時間等の特性値を算出する。
時間軸・レンジ設定処理手段241は、整定時間をフル
スパン表示するためタイミング等の条件を自動設定し
て、注目信号のグラフ表示と特性値の併記を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機器の試験装置に係
り、特に過渡応答特性のある機器の現地試験に好適な試
験方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力用AVR、タービン制御装置、ボイ
ラシステム制御装置、モータ制御装置などの試験、特に
現地での立ち上げ試験や保守点検には、データ収録編集
専用の簡易型データ処理装置が使用されているが、試験
器の操作は依然として手動で行なわれている。
【0003】たとえば電力用AVRの現地試験では、静
特性試験と動特性試験用の試験器を準備し、静特性試験
では手作業で試験信号を入力してからAVRの制御回路
の出力を測定するのに出力値が安定してから計測するも
ので、AVRへのP・CT二次模擬信号入力まで自動化
した閉ループによる自動化ツールは無い。また、動特性
試験もデータ収録のみの機能のものであり、自動解析を
収録中に行なうものが無く計測後に各信号レベルを校正
して検証していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点に鑑み、本発明者は先に機器の現地試験を試験項
目に応じた試験信号の発生から計測データの出力処理ま
でを自動化し、作業効率の向上と省力化を実現する試験
方式を提案している(特願平7−252671号)。こ
の提案によるデータ処理では、試験期間中に蓄積された
全データからオフライン処理によってデータの解析を行
ない、その解析結果に適した表示範囲やレンジを予め条
件設定して必要な表示を行なっている。
【0005】本発明の課題は、上記先願による機器の自
動試験方法のデータ処理をさらに改良し、特に動特性試
験におけるデータの解析と表示範囲やレンジの最適化を
自動化し、オンラインのデータ解析と試験結果の見易い
表示を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、過渡応答を
有する機器の出力信号を計測し、その特性解析と表示処
理を行なう機器特性の試験において、対象機器の出力端
子から計測信号のデータを所定周期で取り込み、その時
系列データから前記計測信号の整定範囲を求め、該整定
範囲内のデータに対して最大値または最小値、立上り時
間、遅れ時間、行過ぎ時間、時定数等の特性値の少なく
とも1つを解析し、前記計測信号の時間推移を示すグラ
フ上に前記特性値を併記して表示することにより達成さ
れる。
【0007】あるいは、対象機器の出力端子から計測信
号のデータを所定周期で取り込み、その時系列データか
ら前記計測信号の整定範囲を求め、該整定範囲内のデー
タに対して最大値(または最小値)や立上り時間等の特
性値を解析し、前記計測信号の時間推移を前記整定範囲
をフルスパンとしてグラフ表示することにより達成され
る。
【0008】前記整定範囲は、試験開始直後からその状
態変化を維持する基準信号と、対象とする計測信号との
比較によって求めることを特徴とする。また、前記整定
範囲は、測定時間の終了後に又は測定の開始と共に算出
を始め、後者の場合は前記整定範囲が求まった時点で前
記データの取り込みを終了することを特徴とする。
【0009】前記フルスパンのグラフは、予め画面上に
設定されている所定ドット数のグラフ表示範囲とグラフ
の所定の分割数N(整数)による時間目盛線(タイミン
グ線)に基づき、該時間目盛線間のタイミングtを数2
により設定して、表示することを特徴とする。
【0010】
【数2】MIN(t・(N+α)) > Ts ここで、Ts:整定時間、α:1,2,..の整数であ
る。
【0011】なお、前記タイミングtは1.0,2.
0,5.0,...などの標準値から選択され、これに
よる時間軸上の端数は前記αによって吸収することを特
徴とする。
【0012】さらに、過渡応答を有する機器の複数の出
力信号を計測し、その特性解析と表示処理を行なう機器
特性の試験において、対象機器の複数の出力端子から計
測信号のデータを所定周期で取り込み、所定の計測信号
の時系列データから当該試験項目の整定範囲を求め、該
整定範囲内のデータに対して最大値(または最小値)や
立上り時間等の特性値を解析し、各計測信号の時間推移
をグラフ表示する場合に、前記整定範囲における表示デ
ータの重なりの有無を検出し、重なりのある場合に当該
計測信号の表示位置を修正することにより達成される。
【0013】上記した本発明の方法を適用する装置は、
過渡応答を有する機器の出力信号を信号変換装置を介し
て計測し、その特性解析と表示処理を行なう計算機装置
を備えた機器特性の試験において、動特性試験時に試験
項目を選択し、対象機器の出力端子から計測信号のデー
タを所定周期で取り込み、その時系列データから前記計
測信号の整定範囲を求め、該整定範囲内のデータに対し
て最大値または最小値、立上り時間、遅れ時間、行過ぎ
時間、時定数等の特性値のうち、少なくとも1つを解析
する動特性試験処理手段と、前記計測信号の時間推移を
示すグラフ表示を行なう表示処理手段を、前記計算機装
置に設けたことにより構成される。
【0014】あるいは、前記整定範囲を時間軸のフルス
パンとして前記計測信号をグラフ表示する表示処理手段
を、前記計算機装置に設けたことにより構成される。こ
こで、前記計測装置はポータブルのノート型パソコンな
どによって構成され、電力用AVR等の現地試験に適用
可能に構成されることを特徴とする。
【0015】本発明の構成によれば、取り込み信号値の
整定の確認を含む、機器の特性試験の全課程を自動化で
きるので、現地試験の工数と作業時間を大幅に低減でき
る。また、試験結果の判定がリアルタイムに行なえるの
で、試験の不具合時に再試験が直ちに実行できる。
【0016】また、同一描画範囲にサンプル数に応じた
グラフ表示が可能になり、整定範囲に拡大したフルスパ
ン表示の場合には、単なる部分拡大と異なり表示時間の
短縮に応じたドット当たりのサンプル数が分散されるの
で、細部の詳細が表示でき微妙な変化の識別が容易とな
る。さらに、整定範囲内での重複表示を検出すると、表
示条件の設定値を自動修正して重複を解消するので、作
業員の手間が省けるとともに信号間の識別が容易なグラ
フ表示を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による機器特性の試験装置
の一実施形態を、電力用AVRの自動試験装置の実施例
によって説明する。
【0018】図2は、AVRを含む電力系統安定化シス
テムの周知の構成を示す。同期発電機10の系統投入に
際し、発電機10が定格回転数になると界磁遮断器30
を投入し、初励磁用バッテリーで界磁回路20を励磁
し、発電機電圧が定格の80%に到達するとAVR1に
よる制御に切り替わる。AVR1はPTによる発電機電
圧信号や、CTによる発電機電流信号等を取り込み、各
制御回路を通じて発電機電圧を一定にするように励磁電
流を制御する。例えば、自動系電圧検出回路14は、特
性試験で調整された電圧設定器90Rの設定値に、発電
機電圧が安定するように自動制御する。
【0019】図1は、一実施形態によるAVRの試験装
置の構成を示す。AVR1は現地の実機で、立ち上げや
定検作業時に特性試験が行なわれる。AVR1は複数の
回路からなるAVR制御回路部1’と、静特性試験の入
力信号を取り込むテストターミナル9、各制御回路から
の試験信号を出力するCK1、CK2、...などの出
力端子8を備えている。なお、図示を省略しているが、
動特性試験時に系統のPTやCT等から入力を取り込む
入力端子も備えている。
【0020】AVRの特性試験には、表1に示す種々の
試験項目を含む静特性試験及び動特性試験がある。
【0021】
【表1】
【0022】静特性試験はAVRを系統から切り離し、
PT二次信号やCT二次信号を模擬した試験信号によ
り、主として制御回路毎の試験を行い、試験条件を確定
する。動特性試験はAVRを系統に接続し、発電機の起
動/停止などを含む種々の運転条件に応じた試験を行
う。試験項目に応じた試験信号の発生を試験信号発生装
置3に指示するとともに、AVR1の出力端子8から試
験出力信号を信号変換器4を介して取り込み、試験結果
の判定や表示などを行う。
【0023】このため、計算機装置(CPU)2は、信
号変換装置4へ指示して信号のサンプリングや表示装置
5からのコマンドを取り込む入力処理手段21、サンプ
リング信号の特性値の解析や合否判定等を行う特性試験
処理手段22、試験条件や測定値などを記憶する試験デ
ータ記憶手段23、信号発生装置3への指示や表示装置
5やプリンタ6への出力処理を行う出力処理手段24を
有している。
【0024】試験信号発生装置3は、CPU2からの試
験項目に応じた指示を取り込む入力処理端子31、PT
二次電圧出力部32、CT二次電流出力部33などを備
え、試験信号を発生してAVR1のテストターミナル9
に印加する。
【0025】上記の構成によって、静特性試験を行う場
合は、テストターミナル9からPT二次信号やCT二次
信号などをAVR制御回路部1’に入力し、図示してい
ない調整つまみによって回路毎に設定された試験条件
(ループゲインやバイアス等)に基づく、試験対象回路
の出力信号を出力端子8に出力する。もし、出力信号の
判定結果が不合格となれば、AVR制御回路1’の試験
条件の設定値を変更し、合格するまで試験を繰り返す。
【0026】動特性試験を行う場合は、図2のシステム
から発電機電圧や電流などを直接取り込んで、試験対象
回路の出力信号を対応する出力端子に出力させ、試験項
目に応じてサンプリングする。動特性試験においてはシ
ステムからの入力信号の監視が必要であり、入力信号を
そのまま出力する出力端子8もある。
【0027】本実施例の計算機装置(CPU)2は、ノ
ート型パソコンであり、特性試験処理手段22には静特
性試験処理手段221、動特性試験処理手段222及び
それらに共通の試験条件演算手段223の機能を有して
いる。また、出力処理手段24には、表示グラフの横軸
(時間軸)の設定や、縦軸の信号のレンジ、バイアス等
の設定あるいは表示信号の重なり是正などを行なう時間
軸・レンジ設定処理手段241、特性試験結果の編集処
理手段242を有している。
【0028】CRT5のメニュ−画面における静特性試
験、動特性試験、帳票編集などから、静特性試験を選択
すると、表1の静特性試験項目が表示される。例えば、
自動系電圧検出特性を選択すると、自動系電圧検出特性
試験用画面が表示され、スタートキーによって静特性試
験処理手段221が起動される。
【0029】静特性試験処理手段221は、試験信号発
生装置3に指令してPT二次電圧を140Vまで出力さ
せ、AVRのPT・CT二次回路9に入力する。また、
AVR1の制御回路(オペアンプ、AO等)8の出力
を、絶縁信号変換器41とA/Dコンバ−タ42を介し
て取り込む。このとき、パソコンの2の指令からAVR
のPT二次回路への入力、さらにはAVRの制御回路8
の出力値が安定するまでのループ安定時間を計算し、安
定後にサンプリングを開始する。A/Dコンバ−タ42
のサンプリング周期は1〜50msecで、サンプリン
グデータは専用バッファに格納される。
【0030】その後、サンプリングデータはメモリ23
の測定値エリア233に書き込みされ(A/Dコンバー
タの専用バッファを用いずに直接、書き込みしてもよ
い)、サンプリング信号のデータが所定回数連続して同
じ値が書き込まれたかチエックする。つまり、AVR制
御回路8の演算回路はオペアンプで構成され、積分回路
などでのタイムラグを有しているため、出力値が安定し
たことを確認した上で整定値を採用する。
【0031】この整定値による測定値は、メモリ23の
試験条件設定値エリア231から参照される静特性試験
項目毎のレンジ・倍率等により補正して、あらかじめ設
定した基準値(設計値)と比較して合否を判定する。な
お、サンプリング値を一時記憶メモリに格納し、合格の
場合にのみ試験項目別に測定値エリア233に格納する
ようにしてもよい。一方、不合格の場合には、その試験
項目に関する試験条件(ゲイン、バイアス、ゼロ点等)
の再設定を待って、上記した一連の処理を繰返すことに
なる。
【0032】次に、動特性試験とそのオンライン特性解
析を説明する。さらに、動特性試験の一例を用い、本実
施形態における試験結果の表示編集処理を詳細に説明す
る。
【0033】図3に、動特性試験の処理フロー図を示
す。動特性試験処理手段222は動特性試験が選択され
て起動される。メニュー画面から試験項目、例えば自動
系電圧確立試験が選定されると(S101)、自動系電
圧確立試験用の操作キーや測定値のグラフを表示する画
面に切り替わる。
【0034】この画面上で、試験条件(測定時間、サン
プリング周期など)の設定や確認を行ない、スタートキ
ーを押すと(S102)、信号変換器4に取り込み指令
が出力され、AVR制御回路の出力端子8から対象試験
回路の出力信号のサンプリングと測定値の記憶が行なわ
れ(S103)、各信号の測定値は時間軸に沿った横ス
クロールで画面表示される(S104)。なお、画面の
表示は、必要時に出力処理手段24が起動される。
【0035】図4に、自動系電圧確立試験における表示
画面の一例を示す。画面上に試験項目名や試験条件の表
示エリア、操作キーボタンの表示エリア、測定値のグラ
フ表示エリアなどが設けられている。この試験項目で、
グラフ表示される信号は発電機電圧、界磁電圧・電流、
界磁遮断器信号(41投入信号)、APPS入力等であ
る。さらに、1ないし複数の波形Noを「解析表示」ボ
タンで選択して、後述する特性解析や特性値の編集表示
の自動化を可能にしている。
【0036】ところで、画面全体における測定値の表示
グラフの範囲は、信号名称や操作コマンド等の表示範囲
を確保し、且つ、画面の1ドット当たりのデータ数を整
数化できる条件とから求められる。ちなみに、グラフ表
示範囲は600ドットの画面でH=480ドット、80
0ドットの画面でH=560ドットが適値である。さら
に、表示グラフの時間軸を時間目盛線(タイミング線)
でN分割する場合、1分割当たりのドット数が整数とな
るように選ぶ。本実施例では、サンプリングデータ数B
と表示グラフのドット数Hの場合に、表示の見易さから
1分割当たりのドット数Kを40とし、数3によって算
出された分割数Nが設定される。
【0037】
【数3】N=H/K なお、見易さの上からはK=50でもよいが、整数分割
の必要からK=40が選択されている。この結果、表示
グラフの時間軸が480ドットの場合は分割数N=1
2、560ドットの場合はN=14となる。以下では、
表示グラフの時間軸が480ドット、時間軸の分割数が
N=12として表示する例を説明する。
【0038】さて、ステップS105で、設定されてい
るサンプリング時間に到達すると、測定値のサンプリン
グが打ち切られ、「解析表示」で選択(S102)され
た信号を対象に、その測定値から整定範囲が求められる
(S106)。本例では、自動系電圧確立試験の信号の
うち、解析の対象信号として図4の波形No1の発電機
電圧が選択される。また、解析の基準信号として、整定
範囲内で信号状態が一定となる波形No4の界磁遮断器
投入信号が設定されている。解析対象に複数の信号が設
定されている場合は、以下の処理が繰り返されることに
なる。
【0039】図5に、整定範囲の決定方法の一例を示
す。同図(a)に示すように、発電機電圧を対象信号
B、界磁遮断器投入信号を基準信号Aに、解析表示ボタ
ンのクリックで指定されている。界磁遮断器投入信号
は、自動系電圧確立試験の開始信号であり、試験中はオ
ン(ON)状態が維持される。
【0040】まず、基準信号Aの測定値を時系列に読み
出し、過渡状態から安定状態(定常)になった時刻を算
出する。即ち、図5(b)の測定値で、信号Aは時刻X
0で2.0、時刻X1で4.0となり、以後は4.0の
値を継続している。従って、X0から順次、基準信号の
差分を調べ、差分値が所定回数連続して同じ(許容誤差
内で)であれば、基準信号AのX1が安定時点で、本試
験項目の過渡応答開始時点Z1となる。次に、基準信号
Aと対象信号Bの差分をZ1(X1)から調べ、例えば
X10から所定回数連続して同じとなれば、X10が信
号Bの安定到達時点であり、過渡応答終了時点Z2とな
る。この結果、発電機電圧の整定時間は、Ts=Z2−
Z1として算出される。
【0041】次に、対象信号の整定範囲における測定値
の時系列について、ここでは発電機電圧の測定値から、
その最大値、最小値、立上り時間、遅れ時間、行過ぎ時
間、時定数などを求め、整定時間Tsを含むこれら特性
値は解析値エリア234に格納される(S107)。対
象信号が複数指定されている場合は、特性値は信号毎に
記憶される。
【0042】次に、メニュー画面から帳票編集が選択さ
れると(s108)、特性試験結果の表示や印字の出力
処理を行なう(S109)。この処理は、出力処理手段
24によって行なわれる。上記した「解析表示」が指定
されている場合、指定された信号について整定範囲に拡
大したグラフ表示が行なわれ、さらに解析した特性値が
併記される。なお、メニュー画面による選択を介さず
に、図4の画面上で選択された信号の波形Noに応じ
て、本処理を行なうようにしてもよい。
【0043】ステップS109の出力処理では、まず、
時間軸・レンジ設定処理手段241によって、対象信号
の整定範囲を画面のグラフ表示エリア一杯に拡大表示す
る。このとき、時間軸の分割数Nは図5の全体図と同じ
とし、1分割の時間目盛(タイミング)tを上記の数2
によって計算する。
【0044】この場合、タイミングtは1.0,2.
0,5.0,...などのように、予め定められた標準
値から選択する。ちなみに、グラフ表示画面が480ド
ット、サンプリング周期0.05秒の場合、分割数N=
12として、整定時間と時間目盛の関係は表2のように
なる。
【0045】
【表2】
【0046】数2で、α≧1とすると、タイミングtに
上記の標準値を用いた場合の端数の吸収や整定範囲の前
後を示す余裕エリアを設けることができる。例えば、α
=1で前後に余裕エリアを設けた場合、余裕エリア時間
Cは数4により算出される。
【0047】
【数4】MIN(t・(N+α))=2C 図6(a)に、整定時間に拡大した対象信号のグラフ表
示の一例を示す。本例の整定時間に対応した拡大表示に
よれば、全体表示(図4)の部分拡大と異なり、表示時
間の短縮によってドット数当たりのデータ数が分散する
ので、より測定データの変化に忠実なグラフとなり、細
部の詳細な識別が可能になる。また、その時間分割(こ
こでは、N=12)を全体表示の場合と同じにして、時
間目盛に所定の標準値を採用できるので、目視の観測が
容易になる。さらに、余裕エリアを設けることで、時間
目盛に標準値を用いた場合の時間軸の端数の吸収が可能
になるのみならず、整定範囲の前後に若干のグラフを追
加でき、整定範囲の推移が一目瞭然に表示できる。
【0048】本出力処理(ステップS109)では、次
に、特性試験結果の編集処理手段242によって、対象
信号のグラフ表示とその特性値を表示する。特性値の配
置と引出線や矢線などの表示は周知の方法による。図6
(b)は発電機電圧の例で、立上り時間T1は発電機電
圧の0〜90%の時間、遅れ時間T2は10〜50%の
時間、行過ぎ時間T3は0〜最大値までの時間である。
【0049】次に、出力処理手段によるグラフの重複表
示の補正方法を説明する。このグラフ表示の補正は、整
定範囲の測定値を対象にし、図7に示すように、発電機
電圧の信号A、発電機電流の信号Bの応答特性の例で説
明する。
【0050】図7(a)で、2信号がそれぞれA0、B
0から出発して、整定時間Ts内の時間TwのA1、B
1で重複を生じている。このため、整定範囲における信
号A、Bの重なりを検出すると、AをA’に、BをB’
にシフトして重複表示を解消し、両信号を明瞭に識別表
示する。
【0051】同図(b)に、変更前と変更後の2信号の
試験条件(設定値)を示す。信号Aは0〜150Vのレ
ンジ入力値を0〜1とし、信号Bは0〜5Aのレンジ入
力値を0〜1として、測定範囲のデータを正規化してい
る。さらに、グラフ表示の縦軸(Y軸)のフル画面を0
〜100%とするとき、その10〜50%(スパン40
%)の範囲に信号Aの0〜150Vの測定値を表示す
る。また、信号Bは25〜45%(スパン20%)の範
囲に0〜5Aの測定値を表示する。
【0052】例えば、信号Aの測定値が112.5V、
信号Bの測定値が3.75Aの場合、両者は共にフル画
面の40%の位置に表示されて重なる。この重複が一定
時間(サンプリング回数/表示ドット回数)以上継続す
る場合に、重複表示と判定して補正指令による位置補正
が行なわれる。
【0053】図7(b)の変更後の試験条件(設定値)
はその一例を示し、信号Aは0〜40%(スパン40
%)の範囲に0〜150Vの測定値を、信号Bは23〜
43%(スパン20%)の範囲に0〜5Aの測定値を表
示するように変更されている。ここで、信号Bのシフト
量である2%は、信号Bのスパン(20%)の1/10
である。即ち、信号Bは変更前の25〜45%から0側
に2%だけシフトされている。なお、スパンの最も大き
い信号Aが0側にシフトできない場合は、信号Bを上側
にシフトする。
【0054】図8に、重複表示の補正処理フローを示
す。同図は、動特性解析処理のステップS107(図
3)後について示している。まず、試験項目における最
長の整定時間の範囲を算出する(S201)。次に、上
記した試験条件の設定値にしたがい、測定値から変換さ
れる各表示信号の画面上の座標を比較し(S202)、
座標の重なり(しきい値内)が所定回数、連続する信号
間での、重複表示の有無を検出する(S203)。この
結果、ステップS204で重複表示が有ると判定された
場合、重複表示を回避する位置補正が行なわれる(S2
05)。位置補正後は再びステップS201に戻って、
補正された各信号の座標位置を比較し、重複表示の検出
を行なう。この結果、重複表示がない場合又は解消され
た場合に、本処理を終了する。
【0055】本実施例によれば、試験信号の発生の指
示、整定の確認、表示処理を含む、AVRの特性試験の
全課程を自動化できるので、現地試験の工数や作業時間
を大幅に低減できる。また、試験結果は算出された整定
時間に従って、必要な範囲の測定値からの特性解析とフ
ルスパン表示が行なわれるので、精度が高く見易いグラ
フ表示が可能になる。しかも、ほぼ、リアルタイムに試
験結果を取得できる。
【0056】本発明の試験方法を適用したAVRの自動
試験装置によれば、AVRの静特性・動特性試験の自動
化で、試験時間が従来の16HRから11HR、特に動
特性試験デ−タの整理時間は従来の5HRから2時間と
なり、作業時間の38%の低減を実現している。
【0057】以上に説明した実施形態は種々の変形が可
能である。例えば、図3の動特性試験の処理で、予め設
定された測定時間までのサンプリングを行なうことな
く、測定値のサンプリング中に所定信号に注目した整定
範囲の決定処理を並行して行ない、整定範囲が確定した
時点で直ちに特性解析とフルスパン表示を行なうように
してもよい。また、AVRのみならずタービン制御やボ
イラ制御、あるいはモータ制御など、過渡応答特性を有
する広範な機器の特性試験、特に現地試験に適用して効
果がある。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、過渡応答のある機器の
特性試験において、その測定値からオンラインに整定範
囲を決定し、その範囲の測定値に限定した特性解析とグ
ラフ表示を行なうので、現地試験での自動化が可能にな
り、作業時間が大幅に短縮できる。
【0059】また、試験結果の表示処理(帳票編集)に
おいて、整定範囲に応じた時間軸目盛(タイミング)を
自動設定したフルスパン表示が可能になるので、精度が
高く見易いグラフ表示を速やかに取得できる。
【0060】さらに、複数の信号のグラフ表示で、整定
範囲内における重複表示を検出して、その重複の自動解
消を行なうので、作業員の手間を要せずに識別容易なグ
ラフ表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるAVR特性試験装置
の構成図。
【図2】AVRを含む電力系統安定化システムの構成
図。
【図3】本発明の一実施形態による動特性試験の処理フ
ロ−図。
【図4】自動系電圧確立試験のグラフ表示と操作キーを
示す画面の説明図。
【図5】対象信号と基準信号の比較による整定時間の決
定方法を示す説明図。
【図6】整定時間を基にした時間軸のフルスパン表示及
び特性値を併記したグラフ表示を示す説明図。
【図7】グラフ表示における重複表示の解消と、解消前
後の試験条件を示す説明図。
【図8】重複表示の補正処理を示すフロー図。
【符号の説明】
1…AVR(自動電圧調整器)、2…計算機装置(ノー
ト型パソコン)、3…試験信号発生装置、4…信号変換
装置、42…A/Dコンバータ、5…表示装置、6…プ
リンタ、21…入力処理手段、22…特性試験処理手
段、23…試験データ記憶手段(メモリ)、24…出力
処理手段、221…静特性試験処理手段、222…動特
性試験処理手段、223…試験条件演算手段、231…
試験条件設定値エリア、232…基準値エリア、233
…測定値記憶エリア、234…解析値エリア、241…
時間軸・レンジ設定処理手段、242…特性試験結果の
編集処理手段。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過渡応答を有する機器の出力信号を信号
    変換装置を介して計測し、その特性解析と表示処理を行
    なう計算機装置を備えた機器特性の試験装置において、 動特性試験時に、対象機器の出力端子から計測信号のデ
    ータを所定周期で取り込み、その時系列データから前記
    計測信号の整定範囲を求め、該整定範囲内のデータに対
    して最大値または最小値、立上り時間、遅れ時間、行過
    ぎ時間、時定数等の特性値のうち、少なくとも1つを解
    析する動特性試験処理手段と、 前記計測信号の時間推移を示すグラフ上に前記特性値を
    併記して表示する表示処理手段を、前記計算機装置に設
    けたことを特徴とする機器特性の試験装置。
  2. 【請求項2】 過渡応答を有する機器の出力信号を信号
    変換装置を介して計測し、その特性解析と表示処理を行
    なう計算機装置を備えた機器特性の試験装置において、 動特性試験時に、対象機器の出力端子から計測信号のデ
    ータを所定周期で取り込み、その時系列データから前記
    計測信号の整定範囲を求め、該整定範囲内のデータに対
    して最大値(または最小値)や立上り時間等の特性値を
    解析する動特性試験処理手段と、 前記整定範囲を時間軸のフルスパンとして前記計測信号
    をグラフ表示する表示処理手段を、前記計算機装置に設
    けたことを特徴とする機器特性の試験装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記計測装置はポータブルのパソコンによって構成さ
    れ、電力用AVR等の現地試験に適用可能に構成される
    ことを特徴とする機器特性の試験装置。
  4. 【請求項4】 過渡応答を有する機器の出力信号を計測
    し、その特性解析と表示処理を行なう機器特性の試験方
    法において、 対象機器の出力端子から計測信号のデータを所定周期で
    取り込み、その時系列データから前記計測信号の整定範
    囲を求め、該整定範囲内のデータに対して最大値(また
    は最小値)や立上り時間等の特性値を解析し、 前記計測信号の時間推移を前記整定範囲をフルスパンと
    してグラフ表示することを特徴とする機器特性の試験方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記整定範囲は、試験開始直後からその状態変化を維持
    する基準信号と、対象とする計測信号との比較によって
    求めることを特徴とする機器特性の試験方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記整定範囲は、測定時間の終了後に又は測定の開始と
    共に算出を始め、後者の場合は前記整定範囲が求まった
    時点で前記データの取り込みを終了することを特徴とす
    る機器特性の試験方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記フルスパンのグラフは、予め画面上に設定される所
    定ドット数のグラフ表示範囲とグラフの所定の分割数N
    (整数)による時間目盛線(タイミング線)に基づき、
    該時間目盛線間のタイミングtを数1により設定して、
    表示することを特徴とする機器特性の試験方法。 【数1】MIN(t・(N+α)) > Ts ここで、Ts:整定時間、α:1,2,..の整数であ
    る。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記タイミングtは1.0,2.0,5.0,...な
    どの標準値から選択され、これによる時間軸上の端数は
    前記αによって吸収することを特徴とする機器特性の試
    験方法。
  9. 【請求項9】 過渡応答を有する機器の複数の出力信号
    を計測し、その特性解析と表示処理を行なう機器特性の
    試験方法において、 対象機器の複数の出力端子から計測信号のデータを所定
    周期で取り込み、所定の計測信号の時系列データから当
    該試験項目の整定範囲を求め、該整定範囲内のデータに
    対して最大値(または最小値)や立上り時間等の特性値
    を解析し、 各計測信号の時間推移をグラフ表示する場合に、前記整
    定範囲における表示データの重なりの有無を検出し、重
    なりのある場合に当該計測信号の表示位置を修正するこ
    とを特徴とする機器特性の試験方法。
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