JPH0723548A - 水車発電機のセンタリング測定方法及び測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ピアノ線センタリング方式による水車発電機の
据付時に、センサ測定とそれに基づく所要量の自動算出
を含む測定手法を導入し、各測定の実行とデータ処理を
自動化するともに測定プロセスの標準化を可能とする。 【構成】水車発電機のセンタリング測定方法であって、
据付機器（固定部及び取付物）とピアノ線との距離をセ
ンサ測定し、実測データに基づきピアノ線と機器の据付
中心位置に関する評価すべき移動量（方向・距離）等を
算出・表示し、測定手順に沿った実行測定とデータ処理
を自動化するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水車発電機のオーバー
ホール等据付け工事における組立工程をピアノ線センタ
リング方式により施工する際に、センサ測定とそれに基
づく所要量の自動算出を含む測定手法を導入し、この表
示内容を参照しながら据付調整・確認をおこなうととも
に、測定プロセスの標準化を可能とする水車発電機のセ
ンタリング測定方法及び測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】水車発電機のオーバーホール等据付工事
における組立工程で、回転部と固定部のギャップを均一
にするために、センタリングは重要なチェック項目とな
っており、大型機については、さらに軸倒れの有無に関
するシャフトアライメントの検証が実施されている。な
お、水力発電所における各据付段階の機器据付手法、検
査項目及びその許容値については、上記センタリング測
定及びシャフトアライメント測定を抱摂する水力発電所
機器据付検査基準が提案されている。〔電気協同研究
会：電気協同研究，第３７巻，第６号（１９８２）〕

【０００３】従来のセンタリング測定は、インサイドマ
イクロメータの先端が中心位置に垂下したピアノ線に接
触し、電気回路が構成されたことをレシーバで感知し、
固定部とピアノ線の距離を測定し、固定部の移動距離を
算出するものであった。

【０００４】また、シャフトアライメント測定は、ピア
ノ線を軸周りに山側、川側、川上側及び川下側の４ケ所
に取付け、シャフト表面からピアノ線までの距離を数回
測定し、これをシャフト上下４〜５ケ所の測定ケ所でお
こない、次にシャフトを１８０度回転させて同様の測定
をおこなうものである。従来のシャフトアライメント測
定では、シャフト表面からピアノ線までの距離の測定
は、マイクロヘッドの先端がピアノ線に触れたことを目
視で確認するか、センタリングの場合と同様にレシーバ
で確認するかして、その時の指示値を読んでいた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれにおいてもマイクロメータでの測定方法やレシーバ
で感知する音のレベルに個人差が介在する等の問題があ
り、相当の熟練を要するものであった。また、得られた
データから手計算で移動距離を算出していたので、測定
回数が多い程時間がかかり、読み違い等のトラブルが発
生することもあった。

【０００６】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、上記課題を解消し、ピアノ線センタリング
方式による水車発電機の据付時に、センサ測定とそれに
基づく所要量の自動算出を含む測定手法を導入し、この
表示内容を参照しながら据付調整・確認をおこなうとと
もに測定プロセスの標準化を可能とした水車発電機のセ
ンタリング測定方法及び測定装置を提供することを目的
とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水車発電機のセンタリング測定方法であっ
て、据付機器（固定部及び取付物）とピアノ線との距離
をセンサ測定し、実測データに基づきピアノ線と機器の
据付中心位置に関する評価すべき移動量（方向・距離）
等を算出・表示し、測定手順に沿った実行測定とデータ
処理を自動化するものである。

【０００８】ここで、ピアノ線位置測定における測定結
果の表示が、ピアノ線位置と固定物の据付中心位置の相
対的なズレの実測から、その実測表示と、固定物中心を
据付中心位置とみて、これを座標原点とするピアノ線移
動量の表示とをそれぞれ平面直交座標軸上の二軸方向へ
の分ベクトルで表示するものであり、各部センタリング
測定におけるピアノ線位置と取付物の据付中心位置の相
対的なズレの実測から、その実測表示と、先のピアノ線
位置測定において処理された据付中心位置（固定物中
心）を座標原点として、先の据付中心位置（固定物中
心）に取付物中心を一致させるための取付物の移動量の
表示とをそれぞれ平面直交座標軸上の二軸方向への分ベ
クトルで表示するものであり、センタリング及びレベル
測定記録の表示・出力が、被測定物の概略形状、測定ケ
所、測定点及び前記ベクトル表示等を図形編集して試験
成績書を作成し画面表示又は帳票出力するものである。

【０００９】また、ピアノ線位置測定及び各部センタリ
ング測定の手順を、シャフト表面からピアノ線までの距
離を機器測定してシャフトの直結状態及び鉛直度を算出
・表示するシャフトアライメント測定の手順に代替する
ことによって、水車発電機のシャフトアライメント測定
方法に転換してもよい。

【００１０】一方、据付時のセンタリング又はシャフト
アライメントの各測定手順の実行をコンピュータ処理に
よって支援するようにした測定装置であって、ピアノ線
に対向するセンサからなる測定部、該測定部に取付けら
れ一端を測定点に当接させて使用する固定測定棒及び変
位計を有する外径測定器と、該外径測定器と接続される
コンピュータ本体と、該コンピュータ本体に付設する外
部記憶手段及びプリンタを具備してなり、セットアップ
時に各測定のための機能実現手段を選択的に構成するよ
うにしたものである。

【００１１】ここで、センタリング測定のためには、ピ
アノ線位置測定手段と、各部センタリング測定手段と、
測定条件の設定及び測定ケ所に対応する各取付物のレベ
ル測定記録等の入力手段と、前記各実測データ及び補正
・換算データを集計するための演算手段と、センタリン
グ及びレベル測定記録の編集を含むこれらの表示・出力
手段を構成するものであり、シャフトアライメント測定
のためには、測定点の定義・設定を含む測定条件を設定
するための入力手段と、シャフトアライメント測定手段
と、実測データ及び補正・換算データを集計するための
演算手段と、シャフトアライメント測定記録の編集を含
むこれらの表示・出力手段を構成するものである。

【００１２】

【作用】固定部又は取付物の対象測定点に、外径測定器
のセンサに取付けた固定測定棒を当接し、センサのエッ
ジ先端とピアノ線がセンサの測定領域に含まれるように
固定測定棒の長さを伸縮調整して測定部を上下に動か
す。

【００１３】外径測定器は、センサの検出信号を変位計
に受信し、測定データとして通信線を介してコンピュー
タ本体へ送出する。コンピュータ本体側では、この測定
データに基づき固定部又は取付物の移動方向及び移動距
離等所望の表示項目についてデータ処理し、その結果を
図形編集し、画面表示又はプリントアウトする。

【００１４】このとき図形編集は、センタリング測定に
あっては被測定物の概略形状、測定ケ所、測定点及び座
標点移動を示す分ベクトル表示等であり、シャフトアラ
イメント測定にあっては被測定物の概略形状、測定ケ
所、測定点及び傾きグラフ等である。

【００１５】なお、シャフトアライメント測定に関して
は、実測に先立って対象測定点の定義及び設定手順（山
側、川側、川上側及び川下側並びに０度測定及び１８０
度測定）が含まれる。

【００１６】

【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して以下
説明する。 （実施例１）図１は、本発明のセンタリング測定方法の
一実施例である測定手順を示すフロー図である。

【００１７】センタリング測定では、まず処理選択画面
をメニュー表示する。ここでは、図２に示すように、以
下（ａ）〜（ｋ）の処理項目を表示するものである。 （ａ）データクリア （ｂ）データファイル読み込み （ｃ）条件設定 （ｄ）ピアノ線位置測定 （ｅ）各部センタリング測定 （ｆ）レベル記録 （ｇ）帳票出力 （ｈ）データ保存 （ｉ）補助機能（データファイル削除，フロッピーフォ
ーマット） （ｊ）終了

【００１８】次に、本発明の測定手順（１）〜（７）に
ついて個々に処理内容を説明する。なお、各手順は簡略
表現している。

【００１９】（１）条件設定 この手順は、測定内容及び測定条件に関する初期設定及
び任意設定をすることである。処理内容は、図３に示す
とおり、この処理に先立つデータクリア（ａ）において
初期化状態におかれた固定項目〔発電所，号機，測定年
月日，測定者，一測定ケ所測定点，測定点の測定回数，
発電機型式等〕に対し、今回測定対象の測定内容及び測
定条件に関するデータをメニュー画面上で入力する処理
である。なお、処理選択中、データファイル読み込み
（ｂ）は、データファイル保存（ｈ）で保存したデータ
の読み込み（読み出し）である。（この説明は省略す
る。）

【００２０】（２）ピアノ線位置測定 この手順は、ピアノ線位置の調整及び確認をするための
ピアノ線位置測定の実行とその結果表示であって、固定
部の対象測定点とピアノ線位置との距離を測定し、この
結果を平面直交座標上にベクトル表示するするとともに
数値データを表示することである。

【００２１】処理内容は、図４及び図５に示すとおり、
メニュー画面に図形表示された固定物の概略形状とこれ
に対応する測定ケ所名（欄）、選択した測定ケ所の位置
決め及びその測定ケ所記号の入力と、これにつづく測定
実行又は測定値入力の選択実行処理である。この実行処
理は、測定データ表を画面表示し、先に設定した測定点
の該当欄にカーソルをおき、実行指示する。そして測定
点毎に測定データが取込み表示される。また測定値入力
処理では、保存された一測定ケ所での全測定データの数
値表示とベクトル図を表示し、古いデータとの比較・検
討し、かつ、新たな測定値（修正値）を再入力できる。

【００２２】なお、測定データは、指定された測定回数
まで実測値をデータとし、一測定点の測定回数を超えて
測定データを取り込んだ場合は、それまでの最大偏差値
とデータ内平均値の差の絶対値をデータ有効範囲とし、
この範囲外の実測値は異常値とみなして無効とするとと
もに、範囲内であった場合は、実測値データ内の平均値
に対して最大偏差値の実測データと入替えられる。（実
測データの取扱いについては以下各部センタリング測定
について同様、さらにシャフトアライメント測定につい
て同様である。）

【００２３】ピアノ線位置測定結果のベクトル表示例を
図６に示す。ここで、ベクトル表示は実測ベクトルとピ
アノ線移動ベクトルである。

【００２４】実測ベクトルは、ピアノ線位置と固定物の
中心の相対的なズレを固定物の中心を据付中心位置とみ
て平面直交座標の原点から直交する（ＸＹ）二軸方向の
分ベクトルで表示したもので、４等配（図中、１−３−
５−７位置又は２−４−６−８位置）された固定物の対
象測定点の対向する２点（図示に則せば１−５及び３−
７基準方向）からピアノ線位置までの実測距離の差（ズ
レ）がベクトルの大きさであり、座標原点からズレ方向
に矢線をとっている。（あわせて数値表示する。以下ベ
クトル表示では常にベクトル量が座標内に数値表示され
る。）このとき、ピアノ線の実位置は２点間の線上（基
準方向の線上）にはない場合が殆どであり、上記原点か
らのベクトル表示は座標軸上に近似された表現である。
また、図中の実測ベクトルに示すように、測定点２−６
及び４−８基準方向の実測データは参考値として表示で
きる。

【００２５】ピアノ線移動ベクトルは、先の実測ベクト
ルに基づきピアノ線位置と固定物の中心（据付中心位
置）を一致させるための移動量をベクトル量として表示
するものである。ここでも固定物の据付中心位置を座標
原点としているのでピアノ線の移動量とみるのである
が、上述したとおり測定はピアノ線位置と固定物の据付
中心位置の相対的なズレを求めているので、ピアノ線位
置を座標原点として仮想しても実体は同じである。

【００２６】（３）各部センタリング測定 この手順は、取付物の位置調整及び確認をするための各
部センタリング測定とその結果表示であって、取付物の
対象測定点とピアノ線位置との距離を測定し、上記ピア
ノ線位置測定に基づき据付中心位置に補正後の取付物の
移動量を平面直交座標上にベクトル表示することであ
る。

【００２７】処理内容は、図７に示すメニュー画面に図
形表示された取付物の概略形状とこれに対応する測定ケ
所名（欄）の入力及び選択した測定ケ所記号の入力をす
る処理と、これにつづく測定実行又は測定データ参照の
選択実行処理である。この実行処理及び測定データ参照
処理は、上述したピアノ線位置測定（２）と同様の手順
である。

【００２８】各部センタリング測定結果のベクトル表示
例を図８に示す。ここで、ベクトル表示は実測ベクトル
と中心ベクトルと合成ベクトルである。

【００２９】実測ベクトルは、ピアノ線位置と取付物の
中心の相対的なズレを取付物の中心を据付中心位置とみ
て平面直交座標の原点から直交する（ＸＹ）二軸方向の
分ベクトルで表示したもので、４等配（図中、１−３−
５−７位置又は２−４−６−８位置）された取付物の対
象測定点の対向する２点（図示に則せば１−５及び３−
７）からピアノ線位置までの実測距離の差（ズレ）がベ
クトルの大きさである。このとき、測定点２−６及び４
−８基準方向の実測データは参考値として表示できるの
はピアノ線位置測定の場合と同様である。

【００３０】中心ベクトルは、この実測ベクトルと先の
ピアノ線移動ベクトルを合成し、ピアノ線位置測定にお
ける固定物中心を据付中心位置とみて取付物と据付中心
位置との位置関係を表すように補正したものである。

【００３１】合成ベクトルは、この中心ベクトルに基づ
き据付中心位置と取付物の中心を一致させるための取付
物の移動量のベクトル表示である。

【００３２】（４）レベル測定記録 この手順は、レベル記録用紙から上記測定ケ所に対応す
る各取付物の水レベル又は角レベルによるレベルデータ
値を手入力することである。処理内容は、図９に示すメ
ニュー画面に図形表示された取付物の概略形状とこれに
対応する測定ケ所名（欄）の入力及び選択した測定ケ所
記号の入力と、つづく測定データ表のレベル記録欄への
数値入力である。

【００３３】（５）データ集計及び（６）センタリング
及びレベル測定記録の表示・出力 この手順は、上記各実測データ及び補正・換算データの
集計と、これに基づくセンタリング及びレベル測定記録
の表示・出力であって、被測定物の概略形状、測定ケ
所、測定点及び上記ベクトル表示等を図形編集し、実行
完了した測定結果（試験成績）に関し画面表示又帳票出
力することである。この帳票出力例を図10に示す。

【００３４】（６）終了処理 この手順は、上記各手順により作成した当該測定に関す
るデータファイルの処理であって、保存、更新又は削除
についての終了処理をすることである。ここでの処理
は、データ保存（ｈ）、補助機能（データファイル削
除，フロッピーフォーマット）（ｉ）及び終了（ｊ）の
各処理である。

【００３５】（実施例２）本センタリング測定方法は、
シャフトアライメント測定方法に容易に転換できるもの
であり、その実施例を以下に説明する。（フロー図は省
略する。）

【００３６】シャフトアライメント測定では、まず処理
選択画面をメニュー表示する。ここでは、センタリング
の場合と同様に、以下（ａ）〜（ｋ）の処理項目を表示
するものである。（このメニュー画面の図示は省略す
る。） （ａ）データクリア （ｂ）データファイル読み込み （ｃ）条件設定 （ｄ）シャフトアライメント測定 （ｅ）帳票出力 （ｆ）データ保存 （ｇ）補助機能（データファイル削除，フロッピーフォ
ーマット） （ｈ）終了 以下、測定手順について個々に処理内容を説明する。な
お、各手順には番号を付して簡略表現している。

【００３７】（１）条件設定 この手順は、測定内容及び測定条件に関する初期設定及
び任意設定をすることである。処理内容は、この処理に
先立つデータクリア（ａ）において初期化状態におかれ
た固定項目〔発電所，号機，測定年月日，測定者，一測
定ケ所測定点，測定点の測定回数，発電機型式等〕に対
し、今回測定対象の測定内容及び測定条件に関するデー
タをメニュー画面上で入力する処理である。なお、処理
選択中、データファイル読み込み（ｂ）は、データファ
イル保存（ｈ）で保存したデータの読み込み（読み出
し）である。（この説明は省略する。）

【００３８】（２）測定点の定義及び設定 この手順は、軸周り４等配又は８等配位置に対象測定点
の候補を設定し、このうちの１点を任意の４等配位置に
垂下したピアノ線の１本に対応させて他の３点（自動設
定される）とともに測定点を定義・設定し、かつ、この
４点（測定点）をシャフト位置から見た場合の環境上の
位置関係の表現である山側、川側、川上側及び川下側の
名称に対応させ、４点をその名称とともに定義・設定す
ることであり、さらに、当該測定が０度測定又は０度測
定位置関係を１８０度回転した１８０度測定であるのか
を選択することである。

【００３９】この測定処理メニューにおける測定点の定
義及び設定に係る一部画面入力例を図11に示す。処理内
容は、メニュー画面に図形表示されたシャフトアライメ
ントの概略形状及び測定ケ所間寸法、測定点指定、山側
指定及び川上側指定の設定入力と０度測定又は１８０度
測定の測定選択である。例えば設定入力が０度測定につ
いて定義される場合は、４等配位置の１点を測定点とし
て指定すると、他の３点が自動設定される。そして、こ
のうちの２点についてシャフトに対する環境上の位置関
係として山側及び川上側がそれぞれ指定されると、０度
測定における測定点の定義・設定が完了する。１８０度
測定についても同様である。

【００４０】（３）シャフトアライメント測定 この手順は、シャフト位置の調整及び確認をするための
シャフトアライメント測定とその結果表示であって、シ
ャフト表面からピアノ線までの距離を測定し、上記０度
測定又は１８０度測定に基づきシャフト径を同径とみな
す補正を加え、測定ケ所における測定点でのシャフト方
向の比較値及び倒れ量を算出するとともに数値データを
表示することである。

【００４１】処理内容は、上記測定点の定義及び設定に
つづく測定実行又は測定値入力の選択実行処理である。
この測定実行処理では、取付物の対象測定点とピアノ線
位置との距離を測定する。この測定実行処理では、測定
データ表を画面表示し、先に設定した測定点の該当欄に
カーソルをおき、実行指示する。そして測定点毎に測定
データが取込み表示される。また測定値入力処理では、
保存された一測定ケ所での実測定データ、補正量、比較
値及び補正値の各数値データの表示と測定点の図形表示
をするとともに、古いデータとの比較・検討して新たな
測定値（修正値）を手入力できる。

【００４２】（４）データ集計及び（５）シャフトアラ
イメント測定記録 この手順は、上記各実測データ及び補正・換算データの
集計と、これに基づくシャフトアライメント測定記録の
表示・出力であって、被測定物の概略形状、測定ケ所、
測定点及び傾きグラフ等の図形編集並びに１ｍあたりの
倒れ量の算出結果を表示し、実行完了した測定結果（試
験成績）を画面表示又は帳票出力することである。この
帳票出力例を図12に示す。

【００４３】（６）終了処理 この手順は、上記各手順により作成した当該測定に関す
るデータファイルの処理であって、保存、更新又は削除
についての終了処理をすることである。処理内容は、デ
ータファイル保存（ｈ）、データファイル削除（ｉ）、
フロッピーフォーマット（ｊ）及び終了（ｋ）の各処理
であり、先述したセンタリング測定の場合と同様であ
る。

【００４４】（実施例３）図13は、本発明の測定装置の
一実施例を示す機器構成概要図である。ここで、１が外
径測定器、1aがセンサ、1bが固定測定棒、1cが変位計
（レーザ変位計）、２がコンピュータ本体、３が外部記
憶手段（拡張ユニット）及び４がプリンタである。

【００４５】図示するように、水車発電機の据付時のセ
ンタリング及びシャフトアライメントの各測定手順の実
行をコンピュータ処理によって支援するようにした測定
装置であって、構成概要は外径測定器（１）とコンピュ
ータ本体（２）と該コンピュータ本体（２）に付設する
外部記憶手段（３）及びプリンタ（４）を具備したもの
とされる。

【００４６】そしてセットアップ時に、センタリング測
定のためには、ピアノ線位置測定手段（11）と、各部セ
ンタリング測定手段（12）と、測定条件の設定及び測定
ケ所に対応する各取付物のレベル測定記録等の入力手段
（13）と、前記各実測データ及び補正・換算データを集
計するための演算手段（21）と、センタリング及びレベ
ル測定記録の編集を含むこれらの表示・出力手段（41）
を機能実現手段として構成する。このブロック図を図14
に示す。

【００４７】また、シャフトアライメント測定のために
は、測定点の定義・設定を含む測定条件を設定するため
の入力手段（13）と、シャフトアライメント測定手段
（14）と、実測データ及び補正・換算データを集計する
ための演算手段（21）と、シャフトアライメント測定記
録の編集を含むこれらの表示・出力手段（41）を構成す
ることかできる。

【００４８】外径測定器（１）は、好適にはレーザ外径
測定器であって、その測定部がピアノ線に対向するセン
サ（1a）であり、該測定部にアタッチメントを介して取
付けられ、一端に保持用磁石付き金具を設け測定点に当
接させて使用する固定測定棒（1b）とレーザ変位計（1
c）を有するものである。該外径測定器（１）と接続さ
れるコンピュータ本体（２）は、好適にはラップトップ
型のパーソナルコンピュータであって、該コンピュータ
本体（２）に拡張ユニット（３）及びプリンタ（４）を
付設している。また、ケーブル類は、通信ケーブル（RS
232C) 及び電源ケーブルである。

【００４９】まず、コンピュータを立ちあげ、上述した
所定の設定処理を済ませた後、測定データ表を表示させ
待機し、次いでレーザ変位計のモード設定を確認して実
測操作に入る。固定部又は取付物の対象測定点に、外径
測定器の固定測定棒を当接し、センサのエッジ先端とピ
アノ線がセンサの測定領域に含まれるように固定測定棒
の長さを伸縮調整して測定部を上下に動かせて測定をお
こなう。そして、検出信号を変位計を介して測定データ
としてコンピュータ本体へ送出する。コンピュータ本体
側では、この測定データに基づき固定部又は取付物の移
動方向及び移動距離等所望の表示項目についてデータ処
理し、その結果を図形編集し、画面表示又はプリントア
ウトする。

【００５０】このとき図形編集は、センタリング測定に
あっては被測定物の概略形状、測定ケ所、測定点及び各
ベクトル表示等であり、シャフトアライメント測定にあ
っては被測定物の概略形状、測定ケ所、測定点及び傾き
グラフ等である。

【００５１】なお、シャフトアライメント測定に関して
は、実測に先立って対象測定点の定義及び設定手順（山
側、川側、川上側及び川下側並びに０度測定及び１８０
度測定）が含まれる。

【００５２】

【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、測定機器及びデータ処理装置を導入して従来のマニ
ュアル作業部分を転換・機械化し実測から評価までを自
動化したので、測定精度の向上、測定時間の短縮及び据
付状態の即時的な検討等従来の測定成績を大幅に向上す
ることができるとともに、経験の浅い作業者においても
巧拙なく確実に実施できる。しかも、立軸センタリング
又は横軸センタリングのいずれについても適用可能で、
これら水車発電機の据付工事における一連の測定プロセ
ス及び据付作業を標準化することができる。

【００５３】すなわち、これらを列挙すると以下のとお
りである。 （１）各測定に個人差が介入することがない。 （２）ピアノ線を据付物中心に正確に垂下する必要がな
い。 （３）ピアノ線移動をシミュレートできる。 （４）既知（過去の実績）のデータを再入力でき、現在
測定との比較対照が容易である。 （５）試験成績書で合成ベクトル等を帳票出力可能なの
で、各機器据付後の全体評価が即座に把握できる。

【００５４】また、データ処理装置はパーソナルコンピ
ュータを使用するので、測定データの保存、更新、報告
書の作成等運用上種々の利便性を有するものである。

【００５５】さらに、測定装置一式はコンパクトに収納
でき、移動性の点においても手軽であるので、現場測定
をおこなう上で極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセンタリング測定方法の一実施例であ
る測定手順を示すフロー図である。

【図２】センタリング測定における処理選択メニューの
画面表示例を示す説明図である。

【図３】センタリング測定における条件設定メニューの
画面表示例を示す説明図である。

【図４】センタリング測定におけるピアノ線位置測定メ
ニューの画面表示例を示す説明図である。

【図５】同じくピアノ線位置測定の実行画面を示す説明
図である。

【図６】同じくピアノ線位置測定結果のベクトル表示例
を示す説明図である。

【図７】センタリング測定における各部センタリング測
定メニューの画面表示例を示す説明図である。

【図８】同じく各部センタリング測定結果のベクトル表
示例を示す説明図である。

【図９】センタリング測定におけるレベル記録入力画面
の表示例を示す説明図であり、（ａ）が水レベルによる
場合、（ｂ）が角レベルによる場合である。

【図10】センタリング測定における帳票出力例を示す説
明図である。

【図11】シャフトアライメント測定の測定処理メニュー
における測定点の定義及び設定に係る一部画面入力例を
示す説明図である。

【図12】シャフトアライメント測定における帳票出力例
を示す説明図である。

【図13】本発明の測定装置の一実施例を示す機器構成概
要図である。

【図14】センタリング測定のための実施例ブロック図で
ある。

【符号の説明】

１ 外径測定器 1a センサ 1b 固定測定棒 1c 変位計（レーザ変位計） ２ コンピュータ本体 ３ 外部記憶手段（拡張ユニット） ４ プリンタ 11 ピアノ線位置測定手段 12 各部センタリング測定手段 13 測定条件・レベル記録等入力手段 14 シャフトアライメント測定手段 21 演算手段 41 表示・出力手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 晃 大阪府大阪市北区本庄東２丁目９番18号 関電興業株式会社内 (72)発明者 堀田 悌二 大阪府大阪市北区本庄東２丁目９番18号 関電興業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピアノ線センタリング方式による水車発
   電機の据付時のセンタリング測定方法において、各測定
   の実行とデータ処理を自動化した測定方法であって、以
   下の測定手順； （１）測定条件を設定する。 （２）ピアノ線位置の調整及び確認をするためのピアノ
   線位置測定を実行し測定結果を表示する。 （３）取付物の位置調整及び確認をするための各部セン
   タリング測定を実行し測定結果を表示する。 （４）測定ケ所に対応する各取付物のレベル測定記録を
   入力する。 （５）上記各実測データ及び補正・変換データを集計す
   る。 （６）センタリング及びレベル測定記録を表示・出力す
   る。 （７）上記各手順により作成した当該測定に関するデー
   タファイルの終了処理を実行する。 を包含し、かつ、上記（２）における測定結果の表示
   が、ピアノ線位置と固定物の据付中心位置の相対的なズ
   レの実測から、これらを一致させるためのピアノ線移動
   量を平面直交座標軸上の二軸方向への分ベクトルで表示
   するものであり、 上記（３）の測定結果の表示が、各部センタリング測定
   におけるピアノ線位置と取付物の据付中心位置の相対的
   なズレの実測と前記ピアノ線位置測定の結果から、先の
   据付中心位置に取付物中心を一致させるための取付物の
   移動量を平面直交座標軸上の二軸方向への分ベクトルで
   表示するものであり、 上記（６）における測定記録の表示・出力が、被測定物
   の概略形状、測定ケ所、測定点及び前記ベクトル表示等
   を図形編集して試験成績書を作成し画面表示又は帳票出
   力するものであることを特徴とする水車発電機のセンタ
   リング測定方法。
2. 【請求項２】 ピアノ線センタリング方式による水車発
   電機の据付用測定装置において、 据付時のセンタリング又はシャフトアライメントの各測
   定手順の実行をコンピュータ処理によって支援するよう
   にした測定装置であって、 ピアノ線に対向するセンサからなる測定部、該測定部に
   取付けられ一端を測定点に当接させて使用する固定測定
   棒及び変位計を有する外径測定器と、該外径測定器と接
   続されるコンピュータ本体と、該コンピュータ本体に付
   設する外部記憶手段及びプリンタを具備してなり、セッ
   トアップ時にセンタリング測定又はシャフトアライメン
   ト測定のための機能実現手段を選択的に構成することを
   特徴とする水車発電機のセンタリング測定装置。