JP2657172B2 - 水車発電機の軸振れ測定方法及び測定装置 - Google Patents

水車発電機の軸振れ測定方法及び測定装置

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JP2657172B2
JP2657172B2 JP18903093A JP18903093A JP2657172B2 JP 2657172 B2 JP2657172 B2 JP 2657172B2 JP 18903093 A JP18903093 A JP 18903093A JP 18903093 A JP18903093 A JP 18903093A JP 2657172 B2 JP2657172 B2 JP 2657172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水車発電機のオーバー
ホール等分解点検後の据付工事における組立工程で、
電機(軸)、中間軸及び水車(軸)からなる据付機器
(以下、被測対象機)の各軸振れ測定(振れ見測定)を
おこなう水車発電機の軸振れ測定方法及び測定装置に係
り、詳しくは、被測対象機の回転軸方向に測定ケ所を設
定し、回転軸をゆるやかに回転させながら変位センサ
び位置決めセンサにより軸の振れ巾を非接触測定し、こ
の測定値に基づくデータ処理をコンピュータによりおこ
ない各測定結果を表示・参照しながら据付調整及び
認をおこなうとともに、測定プロセスの標準化を実現
能とする水車発電機の軸振れ測定方法及び測定装置に関
する。なお、軸振れ調整及び確認と振れ見、軸振れ測定
と振れ見測定は、以下同義に使用する。
【0002】
【従来の技術】水車発電機のオーバーホール等分解点検
後の据付工事における組立工程で、スラストメタルに対
するシャフト直角度及びシャフト自体の軸方向の曲がり
を調整するために、振れ見は重要なチェック項目となっ
ており、水力発電所における各据付段階の機器据付手
法、検査項目及びその許容値については、センタリング
測定及びシャフトアライメント測定とともに振れ見測定
を抱摂する水力発電所機器据付検査基準が提案されてい
る。〔電気協同研究会:電気協同研究,第37巻,第6
号(1982)〕
【0003】従来の軸振れ測定は、各測定ケ所にダイヤ
ルゲージを取り付け、軸をゆるやかに回転させて、4〜
等配した軸周り位置で、合図とともにダイヤルゲージ
の指示値を読み取り、手計算で調整代を算出するもので
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法では多数の人手を要し、ダイヤルゲージの読み値に
に個人差が介在する等の問題があり、相当の熟練を要す
るものであった。また、得られたデータから手計算で調
整箇所での調整量(移動距離)を算出していたので、測
定回数(点)が多い程時間がかかり、読み違い等のトラ
ブルが発生することもあった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、上記課題を解消し、水車発電機の据付時
に、被測対象機の回転軸方向に測定ケ所を設定し、回転
軸をゆるやかに回転させながら変位センサ及び位置決め
センサにより軸の振れ巾を非接触測定し、この測定値に
基づくデータ処理をコンピュータによりおこない各測
定結果を表示・参照しながら据付調整及び確認をおこな
うとともに、測定プロセスの標準化を実現可能とする
車発電機の軸振れ測定方法及び測定装置を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水車発電機の据付時の軸振れ調整及び確認
をおこなうために、各測定手順の実行とデータ処理をコ
ンピュータにより支援し自動化した水車発電機の軸振れ
測定方法であって、水車発電機の据付時の組立工程とと
もに実行する水平調整測定及び各軸振れ調整測定と機器
連結後の回転軸の全体姿勢を調整・確認する総合振れ見
測定を連続的に実行し、測定ケ所における被測対象機の
軸の振れ巾を非接触測定し、採取した測定値をデータ処
理することにより理想的な軸線に合致させるための修正
値(移動調整量;ベクトル量)を算出・表示して、軸振
れ調整に係る測定プロセスを自動化するものである。こ
こで、前記水平調整測定又は各軸振れ調整測定は、選択
可能な機器別ないしは部材間でおこなわれる。
【0007】そして、総合振れ見測定により作成される
総合振れ見記録(試験成績書)において、水車発電機の
据付状態を示す概略形状(模擬図)、測定ケ所、測定
点、測定値及び修正値のベクトル表示及び軸の傾きグラ
フを表示又は出力する。なお、ファイル終了処理は当該
測定結果のデータ更新を含みこれを格納するものであ
る。
【0008】また、水車発電機の据付時の軸振れ調整及
び確認をおこなうために、各測定手順の実行とデータ処
理をコンピュータにより支援し自動化した水車発電機の
軸振れ測定装置であって、被測対象機の回転軸方向に機
器別ないしは取付部材間で少なくとも2点の測定ケ所を
設け、その回転部と固定部について理想的な軸線からの
ギャップを非接触測定するための複数の変位センサと、
前記測定ケ所のそれぞれにおいて、軸周りに4〜8等配
した測定点の位置を非接触測定するための位置決めセン
サと、変位センサと位置決めセンサからの検出信号を受
信してデータ送信するためのユ ニットボックスと、前記
ユニットボックスからの測定データを受信・集録して少
なくとも軸振れ調整に係る振れ巾の測定値をベクトル演
算して修正値を導出するデータ処理をおこなうためのコ
ンピュータ本体と、各前記コンピュータ本体に付設され
処理後の測定結果をデータ更新を含み保存するための外
部記憶手段と、被測対象機の概略図形と測定ケ所を表示
するとともに前記修正値をベクトル表示し、かつまた、
総合的な測定結果を試験成績書として一覧表示するため
の表示・出力手段を具備したことを特徴とするものであ
る。 ここで、水平調整及び確認のために、別途ダイヤル
ゲージ又はシクネスゲージを配置し、この測定データも
本装置に入力し、処理できるようにしている。
【0009】
【作用】被測対象機の回転軸方向に機器別ないしは取付
部材間で設定される少なくとも2点の測定ケ所は、上部
発電機軸受部(スラストメタル及び上部メタルケー
ス)、下部発電機軸受部(下部メタルケース)、中間軸
受部及び水車軸受部(水車メタルケース)とされ、これ
各部に変位センサを取り付け、水平調整測定及び
軸振れ調整測定とこれにつづく振れ確認及び総合振れ見
測定をおこなう。基本的な測定手順は、据付け基準とな
るスラストメタルの水平調整(下部メタル基準)をおこ
なった後、各部での軸振れ測定を実行し、再度スラスト
メタルの水平調整(水車メタル基準)をおこない、最後
に機器連結後の回転軸の全体姿勢を調整・確認する総合
振れ見測定をおこない、総合振れ見測定記録(試験成績
書)を表示・出力するものである。
【0010】各軸振れ調整測定は、被測対象機の回転軸
方向に機器別ないしは取付部材間で少なくとも2点の測
定ケ所を設け、その回転部と固定部について理想的な軸
線からのギャップを非接触測定するための複数の変位セ
ンサと、前記測定ケ所のそれぞれにおいて、軸表面に、
軸周りに4〜8等配した測定点の位置に対応するマー
ングを施して該軸を回転させ、これを検出することによ
り測定点の位置を認識する位置決めセンサとを配設し、
変位センサと位置決めセンサからの各信号を検出する。
したがって、総合振れ見測定時には、各測定ケ所、軸周
りの各測定点において同時的に多点で測定を実行するこ
とになる。
【0011】変位センサからの検出信号は、アンプユニ
ットで増幅されユニットボックスを介して測定データと
してコンピュータ本体へ送出される。コンピュータ本体
側では、この測定データに基づきデータ処理し、各軸
理想的な軸線へ合致させるたの修正値(移動量)を
クトル表示する。そして、最終的に水車発電機の据付状
態を示す概略形状(模擬図)、測定ケ所、測定点、測定
値及び修正値のベクトル表示及び軸の傾きグラフを一覧
可能な総合振れ見記録(試験成績書)を作成し、画面表
示又はプリント出力する。
【0012】また、水平調整測定は、下部メタル基準又
は水車メタル基準によるスラストメタルの調整スラスト
調整)であって、別手段のシクネスゲージ又はダイヤル
ゲージにより測定を実行するものとされ、測定データは
コンピュータ本体に手入力される。なお、このデータ処
理については各軸振れ調整測定のデータと同様に処理さ
れる。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して以下
説明する。 (実施例1) 図1は、本発明の振れ見測定方法の一実施例である測定
手順を示すフロー図である。
【0014】振れ見測定では、まず処理選択画面をメニ
ュー表示する。ここでは、図2に示すように、以下
(a)〜(j)の処理項目を表示するものである。 (a)データクリア (b)データファイル読み込み (c)条件設定 (d)水平調整 (e)振れ調整 (f)総合振れ見記録 (g)振れ確認 (h)データ保存 (i)補助機能 (j)終了
【0015】次に、本発明の測定手順(1)〜(5)に
ついて個々に処理内容を説明する。なお、各手順は簡略
表現している。
【0016】(1)条件設定 この手順は、任意設定可能な測定内容及び測定条件に関
する初期設定をすることである。処理内容は、この処理
に先立つデータクリア(a)において初期化状態におか
れた書誌的な固定項目〔発電所,号機,測定年月日,測
定者,一測定ケ所測定点,測定点の測定回数,発電機型
式等〕に対し、今回測定対象の測定内容及び測定条件に
関するデータをメニュー画面上で入力する処理である。
この例を図3に示す。ここで、(a)は固定項目の入力
例、(b)は各測定ケ所間の寸法設定を含む測定条件
入力例である。
【0017】なお、上記処理選択中、データファイル読
み込み(b)は、データファイル保存(g)で保存した
データの読み込み(読み出し)である。(この説明は省
略する。)
【0018】(2)水平調整測定 この手順は、別手段のダイヤルゲージ又はシクネスゲー
により採取した読み値(実測値)を手入力するデータ
入力処理を含むものである。
【0019】ここで、処理操作は、メニュー画面上でお
こない、被測対象機の概略図形(模擬図)と測定データ
表とを表示し、これを参照しながら対応するデータ入力
欄に測定値を手入力するものである。(図示省略)な
お、1回分の読み値(測定値)は数個のデータを採取し
たその平均値であり、この入力データは、各軸振れ調整
測定のデータと同様に処理される。
【0020】(3)各軸振れ調整測定 各軸振れ調整測定は、動的法による非接触測定であっ
て、決められた測定回数以上被測定対象機をゆるやかに
回転させ、1回の測定で数個のセンサ出力をデータ採取
しその平均値を算出してコンピュータ本体に送出するも
のである。
【0021】なお、この水平調整測定及び各軸振れ調整
測定は、データ処理を共通とし、被測対象機によって拘
束に近い状態とする測定ケ所を違えて、回転軸方向に機
器別又は取付部材間の少なくとも2点を選択して実行さ
れる。以下に水平調整測定(イ,ホ)と、軸振れ調整測
定(ロ,ハ,ニ)を個々に説明する。ここで、拘束に近
い状態とは、測定のために回転させる軸が測定ケ所の位
置(上部メタルケース)において大きく偏心しないよう
に理想的な(真の)軸線上に極力近づけておかれた状態
をいい、測定の労力を人為的に低減しようとするもので
ある。もちろん、拘束に近い状態になかったからといっ
て、測定が困難になるというわけではない。
【0022】(イ)水平調整(下部メタル基準) この処理内容は、発電機軸単独で下部メタルケース(概
略図形の符号B)を基準(面)として、上部メタルケー
ス(概略図形の符号A)の直下に位置するスラストメタ
ルの水平調整をおこなうための測定〔後述〕とデータ処
理であり、測定データ表を画面表示し、該当欄に測定値
を手入力する。(入力画面は図示省略データ処理後の
測定結果の表示は、測定ケ所(A,B)の位置関係の概
略図形、測定値及びベクトル合成値、並びにびスラスト
メタル修正値(Δh)である。この出力例を図4に示
す。
【0023】ここで、上部メタルケースと下部メタルケ
ースの各測定ケ所(A,B)では、測定点を軸周り4等
配、6等配又は8等配位置に設定し、シクネスゲージ又
はダイヤルゲージにより対向する軸表面から測定点まで
の距離の差を実測する。そして、測定値を手入力しデー
タ処理するとともに、ベクトル合成値とスラストメタル
の移動調整量(上げ下げ方向・距離)を算出し、スラス
トメタル修正値(Δh)をベクトル表示する。なお、修
正後再測定をおこない、上記修正値が許容範囲内になる
まで測定を繰り返す。
【0024】(ロ)振れ調整(発電機軸) この処理内容は、上部メタルケースを拘束に近い状態と
して発電機軸単独で振れ調整をおこなうための測定であ
り、測定実行又は測定データ参照の選択実行処理であ
る。
【0025】測定では、先に設定した測定ケ所間寸法、
修正ケ所直径の設定及び測定点の確認処理(画面上YES/
NO)をおこなうと、測定データ表を画面表示し、該当欄
にカーソルをおき測定実行を指示する。そして測定点毎
に測定データを取り込み表示する。(図示省略)
【0026】ここで、測定結果の表現は上記水平調整
(下部メタル基準)の場合と同様であり、上部メタルケ
ース及び下部メタルケースの位置を測定ケ所(A,B)
として、そこでの測定点を軸周り4等配、6等配又は8
等配位置に設定し、対向する測定点から軸表面までの距
離の差(各位置での振れ値:各実測値)、ベクトル合成
値及びスラストメタル修正値(Δh)を算出し、これに
あわせてベクトル表示するものである。この出力例を
に示す。
【0027】また、測定データ参照処理では、保存され
た一測定ケ所での全測定データの数値データの表示とベ
クトル図を表示し、古いデータとの比較・検討を可能と
するとともに、修正データを手入力して再度データ処理
を指示することができる。(図示省略)
【0028】なお、測定データは、指定された測定回数
までの実測値をデータとし、一測定点の測定回数を超え
て測定データを取り込んだ場合は、最大偏差値とデータ
内平均値との差の絶対値の範囲内の数値を有効データと
し、この範囲外の実測値は異常値とみなして無効とする
とともに、範囲内であった場合は、実測値データ内の平
均値に対して最大偏差値の実測データと入替えられる。
(実測データの処理は各測定手順について共通とされ
る。)
【0029】(ハ)振れ調整(中間軸) この処理内容は、中間軸の振れ調整をおこなうための測
定である。ただし、この測定は、水車発電機が中間軸を
有しないときは画面上に表示しない。(実行することを
要しない。)
【0030】ここで、測定の仕方は選択可能な中間軸測
定1〜中間軸測定3に分岐する。中間軸測定1は、発電
機軸の下部メタルケース(B)を拘束に近い状態におき
中間軸の振れを測定し、二ケ所測定(B,D)の実測
値、この合成値及び中間軸上部カップリングの修正値
(Δh1 )を算出・表示する。この出力例を図7に示
す。
【0031】中間軸測定2は、上記(ロ)の発電機軸測
定における最終振れ値を中間軸測定点位置に延長した場
合の振れ値と、上記中間軸測定1における振れ値を合成
その合成値を表示して、この段階までの軸の振れ巾
が許容範囲であるかを検討する。この出力例を図8に示
す。
【0032】中間軸測定3は、上部メタルケース(A)
拘束に近い状態におき中間軸の振れを測定し、二ケ所
測定(A,D)の実測値、この合成値及びスラストメタ
ルの修正値(Δh)を算出・表示する。この出力例を
に示す。なお、発電機軸の振れ調整によっては、測定
3のみ実行するものであって構わない。
【0033】(ニ)振れ調整(水車軸) この処理内容は、水車軸の振れ調整をおこなうための測
定である。ここで、測定の仕方は選択可能な水車軸測定
1〜水車軸測定5に分岐する。水車軸測定1は、中間メ
タルケース(D)を拘束に近い状態におき水車軸の振れ
を測定し、二ケ所測定(D,F)の実測値、この合成値
及び水車軸カップリングの修正値(Δh2 )を算出・表
示する。この出力例を図10に示す。
【0034】水車軸測定2は、上記中間軸測定1におけ
る最終振れ値を水車軸測定点位置に延長した場合の振れ
値と、上記水車軸測定1における振れ値を合成しその
合成値を表示して、この段階までの軸の振れ巾が許容範
囲であるかを検討する。(図示省略)
【0035】水車軸測定3は、下部メタルケース(B)
を拘束に近い状態におき水車軸の振れを測定し、二ケ所
測定(B,F)の実測値、この合成値及び中間軸上部カ
ップリングの修正値(Δh1 )を算出・表示する。この
出力例を図11に示す。
【0036】水車軸測定4は、上記中間軸測定3におけ
る最終振れ値を水車軸測定点位置に延長した場合の振れ
値と、上記水車軸測定3における振れ値を合成しその
合成値を表示して、この段階までの軸の振れ巾が許容範
囲であるかを検討する。(図示省略)
【0037】水車軸測定5は、上部メタルケース(A)
を拘束に近い状態におき水車軸の振れを測定し、二ケ所
測定(A,F)の実測値、この合成値及びスラストメタ
ルの修正値(Δh)を算出・表示する。この出力例を
12に示す。
【0038】なお、発電機軸及び中間軸の振れ調整
(ロ,ハ)に精度が出ている場合は、測定5のみを実行
するものであってよく、発電機軸の振れ調整(ロ)に精
度が出ている場合は、測定3〜5を実行するものであっ
て構わない。
【0039】(ホ)水平調整(水車メタル基準) この処理内容は、水車軸振れ調整(ニ)後、水車メタル
ケース(F) を基準として、再度、上部メタルケース
(A)の直下に位置するスラストメタルの水平調整をお
こなうための測定実行と採取した実測値の入力処理であ
り、操作は、図4とともに上述した(イ)水平調整(下
部メタル基準)と同様とされる。この測定結果は、図5
に出力例を示すように、スラストメタルから水車メタル
ケースまでの全体の位置関係の概略図形の表示並びに
部メタルケースと水車メタルケースの二測定ケ所(A,
F)間での測定値(a,b)、この合成値及びスラスト
メタル修正値(Δh)の算出表示である。したがって、
この手順は各振れ調整測定後すなわち連結後の機器を通
して(測定ケ所間隔の全長にわたり)、再度スラストメ
タルの調整・確認(スラスト調整)をしようとするもの
である。
【0040】なお、中間軸無しの発電機型については、
上記(ロ)振れ調整(発電機軸)及び(ニ)振れ調整
(水車軸)の水車軸測定1,2,3を実行すれば足り
る。
【0041】また、水平調整測定及び各軸振れ調整測定
では、測定ケ所間で測定手段(工具)の組合せ(実測用
の機器組合せ)が選択できるものである。また、何れか
の測定手段(工具)を選択し、上記以外の測定ケ所にお
ける測定値を参考値として入力でき、かつ、実測値とあ
わせて結果表示できる。発電機軸の下部メタルケースを
測定ケ所(B)とする場合における渦電流センサによる
参考測定の出力例を図13に示す。
【0042】参考までに実測用の機器組合せを以下に示
しておく。 1.シクネスゲージとダイヤルゲージ 2.シクネスゲージと渦電流センサ 3.ダイヤルゲージとダイヤルゲージ 4.ダイヤルゲージと渦電流センサ 5.渦電流センサ渦電流センサ 6.渦電流センサとダイヤルゲージ
【0043】さらにまた、ここで処理選択メニューにも
どり、振れ確認を選択すると、中間軸有りの場合、
(ニ)振れ調整(水車軸)の水車軸測定5のデータ表を
呼出し、そこで測定手段(工具)及び測定ケ所を選択入
力すると、それぞれの位置で修正値を表示できる。すな
わち、発電機軸上部付近を選択するとスラストメタル修
正値を算出表示し、発電機軸下部付近を選択すると中間
軸上部カップリング修正値を算出表示し、中間軸下部付
近を選択すると水車軸カップリング修正値を算出表示す
るというふうに、設定変更して種々の位置(測定ケ所
間)での振れ確認ができる。
【0044】(4)総合振れ見測定及び総合振れ見測定
記録の表示・出力 この手順は、水車発電機の型式別に測定ケ所を決め、
周りの各測定点(通常は軸周り8等配位置)からデータ
を採り、連結後の機器の全体姿勢に対して軸振れを測定
することである。処理内容は、寸法入力及び測定実行又
は測定データ参照であり、各操作は上述した水平調整測
及び各軸振れ調整測定の場合と同様である。
【0045】また、上記各測定データ及び補正・換算デ
ータの集計と、これに基づく振れ見測定記録の表示・出
力であって、被測対象機の概略形状、測定ケ所、軸周り
測定点、各ベクトル表示及び傾きグラフ等を図形編集
し、測定結果(成績)に関し画面表示又帳票出力するこ
とである。処理内容は、先の総合振れ見測定(実測値)
に基づきデータ処理した結果の表示又は印刷である。こ
の帳票出力例を図14に示す。
【0046】(5)終了処理 この手順は、上記各手順により作成した当該測定に関す
るデータファイルの処理であって、保存、更新又は削除
についての終了処理をすることである。ここでの処理
は、データ保存(h)、補助機能(i)及び終了(j)
の各処理である。(説明を省略する。)
【0047】(実施例2)図15 は、本発明の測定装置の一実施例を示す機器構成概
要図である。ここで、1が変位センサ(渦電流セン
サ)、1aが測定部、1bがアンプユニット、2が位置決め
センサ、3がユニットボックス、4がコンピュータ本
体、5が外部記憶手段(拡張ユニット)、6がプリンタ
及び11が測定手段である。
【0048】図示するように、水車発電機の据付時の振
れ見測定に関する各測定手順の実行をコンピュータ処理
によって支援するようにした測定装置であって、構成概
要は変位センサ(1)を含む複数の測定手段(11)と、
位置決めセンサ(2)と、ユニットボックス(3)と、
コンピュータ本体(4)と、該コンピュータ本体(4)
に付設する外部記憶手段(5)及びプリンタ(6)を具
備したものとされる。ここで、変位センサ(1)は、好
適には渦電流センサであって、測定部(1a)とアンプユ
ニット(1b)からなるものである。また、水平調整測定
に使用される別手段のダイヤルゲージ又はシクネスゲー
ジについては、測定データの入力のみを要請すれば足り
る。
【0049】そこで、総合振れ見測定について説明す
る。複数の測定ケ所の各部に渦電流センサを取り付け
る。このとき、測定部(センサヘッド)はメタルケース
等にマグネット固定され、支持棒の先端に軸表面から約
10mm以内に取り付けられる。また、別途位置決めセン
サを取り付け、測定時に動作させて対象測定点における
測定の実行(実測値の読み取り)を指示する。したがっ
て、総合振れ見測定時には、各測定ケ所、軸周りの各
定点において同時的に多点測定を実行することにな
る。
【0050】渦電流センサ(1)からの検出信号はアン
プユニット(1b)で増幅されユニットボックス(3)を
介して測定データとしてコンピュータ本体(4)へ送出
する。コンピュータ本体(4)側では、この測定データ
に基づき各軸(軸受) の修正値(移動量)等所望の表示
項目についてデータ処理し、その結果を図形編集し、画
面表示又はプリントアウトする。コンピュータ本体
(4)は、好適にはラップトップ型のパーソナルコンピ
ュータであって、該コンピュータ本体(4)に拡張ユニ
ット(5)及びプリンタ(6)を付設している。また、
ケーブル類は、信号ケーブル(図中破線)及び電源ケー
ブル(図中実線)である。
【0051】測定操作は、上述した渦電流センサ(1)
及び位置決めセンサ(2)等を配置完了後、電源投入
し、コンピュータ(4)を立ちあげ、所定の設定処理を
済ませた後、測定データ表を表示させ待機し、次いで
電流センサ(1)及び位置決めセンサ(2)のモード設
定を確認して軸を回転させ測定に入る。
【0052】そして、渦電流センサ(1)及び位置決め
センサ(2)からの検出信号はアンプユニット(1b)及
びユニットボックス(3)を介して測定データとしてコ
ンピュータ本体(4)へ自動送出される。コンピュータ
本体(4)側では、この測定データに基づき総合振れ見
記録(試験成績書)の作成内容における所望の表示項目
〔被測対象機の概略形状、測定ケ所、測定点及び傾きグ
ラフ等〕についてデータ処理し、その結果を画面表示又
はプリントアウトする。
【0053】なお、各軸振れ調整測定における測定操作
は上記と概略同様であり、測定自体は機器の組立工程と
ともに、すなわち先述した軸振れ調整(ロ,ハ,ニ)に
ついてそれぞれ独立してなされる。また、図形出力につ
いては、共通して被測対象機の概略形状、測定ケ所、測
定点及び回転軸(水平調整にあっては基準部材であるス
ラストメタル)の移動調整量を示す修正値(分ベクトル
表示)等である。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、測定機器及びデータ処理装置を導入して従来のマニ
ュアル作業部分を転換・機械化し実測から評価までを自
動化したので、測定精度の向上、測定時間の短縮及び据
付状態の即時的な検討等従来の測定成績を大幅に向上す
ることができるとともに、経験の浅い作業者においても
巧拙なく確実に実施できる。しかも、立軸又は横軸水車
発電機のいずれについても適用可能で、一連の測定プロ
セス及び据付作業を標準化することができる。
【0055】また、データ処理装置はパーソナルコンピ
ュータを使用するので、測定データの保存、更新、報告
書の作成等運用上種々の利便性を有するものである。
【0056】さらに、測定装置一式はコンパクトに収納
でき、移動性の点においても手軽であるので、現場測定
をおこなう上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振れ見測定方法の一実施例である測定
手順を示すフロー図である。
【図2】処理選択メニューの画面表示例を示す説明図で
ある。
【図3】条件設定における画面表示例及び設定入力例を
示す説明図であり、(a)が固定項目、(b)が各測定
ケ所間の寸法設定を含む軸振れ条件の入力例である。
【図4】水平調整(下部メタル基準)における測定結果
を示す説明図である。
【図5】水平調整(水車メタル基準)における測定結果
を示す説明図である。
【図6】振れ調整(発電機軸)における測定結果を示す
説明図である。
【図7】振れ調整(中間軸)における中間軸測定1の測
定結果を示す説明図である。
【図8】振れ調整(中間軸)における中間軸測定2の測
定結果を示す説明図である。
【図9】振れ調整(中間軸)における中間軸測定3の測
定結果を示す説明図である。
【図10】振れ調整(水車軸)における水車軸測定1の
測定結果を示す説明図である。
【図11】振れ調整(水車軸)における水車軸測定3の
測定結果を示す説明図である。
【図12】振れ調整(水車軸)における水車軸測定5の
測定結果を示す説明図である。
【図13】測定点Aにおける参考測定の出力例を示す説
明図である。
【図14】総合振れ見測定における総合振れ見記録(試
験成績書)の一例を示す説明図である。
【図15】本発明の測定装置の一実施例を示す機器構成
概要図である。
【符号の説明】
1 変位センサ(渦電流センサ) 1a 測定部 1b アンプユニット 2 位置決めセンサ 3 ユニットボックス 4 コンピュータ本体 5 外部記憶手段(拡張ユニット) 6 プリンタ 11 測定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01B 21/00 G06F 15/74 330D (72)発明者 堀田 悌二 大阪府大阪市北区本庄東2丁目9番18号 関電興業株式会社内 審査官 新井 重雄 (56)参考文献 特開 昭63−73129(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水車発電機の据付時の軸振れ調整及び確
    認をおこなうために、各測定手順の実行とデータ処理を
    コンピュータにより支援し自動化した水車発電機の軸振
    れ測定方法であって、 以下の測定手順を包含することを特徴とする水車発電機
    の軸振れ測定方法。 (1)被測対象機の概略図形を画面表示するとともに、
    初期化状態におかれた書誌的な固定項目に対して測定条
    件を設定する。 (2)据付基準となるスラストメタルの水平調整をする
    ために下部メタルケース基準及び水車メタルケース基準
    による水平調整測定を実行し、該測定データを入力し
    て演算処理し、この結果を表示する。 (3)被測対象機の回転軸方向に少なくとも2点を測定
    ケ所として設定し、その回転部と固定部について理想的
    な軸線からのギャップを非接触測定するための各軸振れ
    調整測定を実行し、該測定データを演算処理し、この結
    果を表示する。 (4)水平調整測定及び各軸振れ調整測定の結果を確認
    するための総合振れ見測定を実行し、該測定データを演
    算処理し、この結果を表示する。 (5)上記各手順により作成した測定結果をデータファ
    イルに格納・更新するためのファイル終了処理を実行す
    る。
  2. 【請求項2】 水平調整測定又は各軸振れ調整測定が、
    選択可能な以下の機器別ないしは取付部材間の水平調整
    又は軸振れ調整をおこなうものである請求項1記載の水
    車発電機の軸振れ測定方法。 (イ)下部メタルケースを基準とするスラストメタルの
    水平調整。 (ロ)発電機軸単独の軸振れ調整。 (ハ)中間軸についての軸振れ調整。 (ニ)水車軸についての軸振れ調整。 (ホ)水車メタル部を基準とするスラストメタルの水平
    再調整。
  3. 【請求項3】 水車発電機の据付時の軸振れ調整及び確
    認をおこなうために、各測定手順の実行とデータ処理を
    コンピュータにより支援し自動化した水車発電機の軸振
    れ測定装置であって、 被測対象機の回転軸方向に機器別ないしは取付部材間で
    少なくとも2点の測定ケ所を設け、その回転部と固定部
    について理想的な軸線からのギャップを非接触測定する
    ための複数の変位センサと、 前記測定ケ所のそれぞれにおいて、軸周りに4〜8等配
    した測定点の位置を非接触測定するための位置決めセン
    サと、 変位センサと位置決めセンサからの検出信号を受信して
    データ送信するためのユニットボックスと、 前記ユニットボックスからの測定データを受信・集録し
    て少なくとも軸振れ調整に係る振れ巾の測定値をベクト
    ル演算して修正値を導出するデータ処理をおこなうため
    のコンピュータ本体と、 前記コンピュータ本体に付設され処理後の測定結果をデ
    ータ更新を含み保存するための外部記憶手段と、 被測対象機の概略図形と測定ケ所を表示するとともに前
    記修正値をベクトル表示し、かつまた、総合的な測定結
    果を試験成績書として一覧表示するための表示・出力手
    段を具備する ことを特徴とする水車発電機の軸振れ測定
    装置。
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