JPH1088881A - 鎌 錠 - Google Patents

鎌 錠

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JPH1088881A
JPH1088881A JP24076496A JP24076496A JPH1088881A JP H1088881 A JPH1088881 A JP H1088881A JP 24076496 A JP24076496 A JP 24076496A JP 24076496 A JP24076496 A JP 24076496A JP H1088881 A JPH1088881 A JP H1088881A
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JP
Japan
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sickle
lock
plate
opening
transmission
Prior art date
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Pending
Application number
JP24076496A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuharu Toda
光治 戸田
Isao Nakao
功 中尾
Satoshi Oka
智 岡
Morihisa Takato
盛久 高藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
U Shin Showa Ltd
Original Assignee
Showa Lock Co Ltd
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Publication date
Application filed by Showa Lock Co Ltd filed Critical Showa Lock Co Ltd
Priority to JP24076496A priority Critical patent/JPH1088881A/ja
Publication of JPH1088881A publication Critical patent/JPH1088881A/ja
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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カマにより手等を傷つけることを防止し、施
錠した鎌錠を室内側でロックすることができ、室内用と
しての使用に耐え得る鎌錠を提供する。 【解決手段】 鎌金21には錠ケース22の長溝25に
支持される移動支点としての軸ピン21cが形成され
る。鎌金21は軸ピン21cを長溝25に摺動させるこ
とにより進退移動自在となり、軸ピン21cを回動支点
として回動自在となる。鎌金21の退行移動及び回動に
抗する鎌スプリング23が設けられる。解錠手段は、カ
マ21aがストライクとの係合を解除するように鎌金2
1を押圧して回動させるカマ操作ピース46と、手操作
により鎌金21の回動を促す開閉操作機構部60と、開
閉操作機構部60による鎌金の回動を促す動作を受けて
カマ操作ピース46に押圧動作をさせるように伝達し得
る伝達機構部40とからなる。伝達機構部40は、伝達
又は非伝達のいずれかに選択操作可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錠ケースに鎌金を
有する錠とこの錠の解錠手段とをアウトサイド引手及び
インサイド引手からなる収容器に内蔵した施錠本体と、
上記鎌金の先端に形成されたカマに係合し得るストライ
クを有する受金具とからなる鎌錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、室内等には、溝やレールに沿
って戸を水平方向に動かして開閉する引戸が設けられて
いる。この引戸には、例えば片引戸、両引戸等がある。
【0003】そして、これら片引戸、両引戸等には、施
錠のため及び引戸を勢い良く閉じたときの反発防止等の
ために、その引戸の出合いになる框に彫り込んで取り付
ける鎌錠が使用されることがある。
【0004】一方、屋外にて使用される鎌錠として、従
来から、例えば実公昭61−22120号公報に開示さ
れるアコーデオン式門扉用錠がある。この種の鎌錠は、
図33に示すように、アコーデオン式門扉301に設け
られた施錠本体302に回転自在の鎌金303を有して
いる。そして、この鎌金303を門柱304側に設けら
れた受け座305に引っ掛けることにより、施錠が可能
となる。
【0005】上記の鎌金303は先端が湾曲状態に形成
されているので、アコーデオン式門扉301を勢い良く
閉じると、鎌金303が受け座305に当接したときに
自動的に回転することによって施錠することも可能であ
る。
【0006】上記の施錠された鎌金303を解錠するた
めには、図34に示すように、アコーデオン式門扉30
1の回転レバー306を回転操作することにより、鎌金
303が回転して解錠し得るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の屋外で使用される鎌錠では、構造的に、室内の扉に
使用するためには、不十分であるという問題点を有して
いる。
【0008】すなわち、例えば、アコーデオン式門扉3
01が開いているときにも、鎌金303が突出状態で露
出している。したがって、この引戸錠を室内扉に使用し
た場合に、突出部分が手等に引っ掛かり、手等を傷つけ
るという問題点を有している。
【0009】また、例えばトイレ等の鎌錠として使用す
る場合には、室内側からの解錠ロック機構が必須とな
る。
【0010】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、カマが手等に引っ掛かっ
ても手等を傷つけることを防止すると共に、施錠した鎌
錠を室外側から解錠できないように室内側でロックする
ことができ、ひいては室内用としての使用に耐え得る鎌
錠を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の鎌
錠は、上記課題を解決するために、錠ケースに鎌金を有
する錠とこの錠の解錠手段とをアウトサイド引手及びイ
ンサイド引手からなる収容器に内蔵した施錠本体と、上
記鎌金の先端に形成されたカマに係合し得るストライク
を有する受金具とからなる鎌錠において、上記鎌金には
錠ケースの支持部に支持される移動支点としての被支持
部が形成され、鎌金は、この被支持部を錠ケースの支持
部に摺動させることにより進退移動自在となりかつこの
被支持部を回動支点として回動自在となるように設けら
れる一方、上記鎌金の退行移動及び回動に抗するように
付勢するスプリングが鎌金の後部に当接して設けられ、
上記解錠手段は、カマがストライクとの係合を解除する
ように鎌金を押圧して回動させる押圧部材と、手操作に
て解錠開始操作をすることにより鎌金の回動を促す開閉
操作手段と、上記開閉操作手段による鎌金の回動を促す
動作を受けて上記押圧部材に押圧動作をさせるように伝
達し得る伝達手段とからなり、上記伝達手段は、伝達又
は非伝達のいずれかに選択操作可能となっていることを
特徴としている。
【0012】上記の発明によれば、引戸を開けた状態に
おいては、施錠本体における錠の鎌金の先端にあるカマ
は、錠ケースの先端から突出している。この状態から、
引戸を閉じると、カマの先端が受金具のストライクに当
接する。このとき、鎌金には錠ケースの支持部に支持さ
れる移動支点としての被支持部が形成され、鎌金は、こ
の被支持部を錠ケースの支持部に摺動させることにより
進退移動自在となりかつこの被支持部を回動支点として
回動自在となるように設けられるので、カマの先端がス
トライクに摺動するときに、鎌金が回動し、やがてカマ
がストライクに係止される。これによって、施錠状態と
なる。
【0013】次いで、この施錠状態の鎌錠を解錠すると
きには、施錠本体の解錠手段は、カマがストライクとの
係合を解除するように鎌金を押圧して回動させる押圧部
材と、手操作にて解錠開始操作をすることにより鎌金の
回動を促す開閉操作手段と、上記開閉操作手段による鎌
金の回動を促す動作を受けて上記押圧部材に押圧動作を
させるように伝達し得る伝達手段とからなっており、か
つ伝達手段は、伝達又は非伝達のいずれかに選択操作可
能となっているので、伝達手段を伝達側に選択操作して
おくことにより、解錠することができる。
【0014】すなわち、施錠状態の鎌錠を解錠するとき
には、伝達手段を伝達側に選択操作した状態で開閉操作
手段にて手操作により解錠開始操作をすることによっ
て、伝達手段が、この開閉操作手段による鎌金の回動を
促す動作を受けて押圧部材に対して鎌金を押圧して回動
させるように伝達する。これにより、鎌金が回動し、カ
マとストライクとの係合が解除され、この状態で引戸を
開扉動作することによって完全に解錠することができ
る。
【0015】なお、鎌金の後部には鎌金の回動に抗する
ように付勢するスプリングが鎌金に当接して設けられて
いるので、上記解錠手段の操作を解除することにより、
鎌金がスプリングにより解錠のための回動方向とは逆向
きに回動し、その結果、鎌金は最初の施錠可能状態に戻
る。
【0016】ここで、伝達手段を伝達側に選択操作した
状態では、開閉操作手段はアウトサイド引手側及びイン
サイド引手側のいずれの側からも手操作により解錠開始
操作をすることができるものとなっている。
【0017】しかし、室内用の引戸においては、施錠し
た鎌錠に対して室外側からの解錠を規制したい場合が多
い。
【0018】そこで、施錠した鎌錠を室外側から解錠で
きないように室内側でロックする場合には、伝達手段を
非伝達側に選択操作する。これにより、開閉操作手段に
て手操作により解錠開始操作をしても、伝達手段は、こ
の開閉操作手段による鎌金の回動を促す動作を押圧部材
に伝達しない。したがって、鎌金が回動することはな
く、カマとストライクとの係合が解除されることはな
い。この結果、室外側から解錠できないように室内側で
ロックすることができる。
【0019】一方、上述したように、引戸を開けた状態
においては、鎌金の先端にあるカマは、錠ケースの先端
から突出している。したがって、誤って手がこのカマに
触れ、手を傷つけるおそれがある。
【0020】しかし、本発明においては、鎌金には錠ケ
ースの支持部に支持される移動支点としての被支持部が
形成され、鎌金は、この被支持部を錠ケースの支持部に
摺動させることにより進退移動自在となるように設けら
れるので、手がカマに当たったときに、鎌金が退行移動
して手のショックを和らげる。したがって、手が傷付く
のを防止することができる。
【0021】さらに、上記のスプリングは、鎌金の退行
移動に抗するように付勢しているので、手のカマへの当
接を解除することにより、鎌金は元通りカマを錠ケース
の先端から突出した状態に戻る。
【0022】このように、本発明の鎌錠では、施錠した
場合には伝達手段の選択操作により室外側から解錠でき
ないように室内側でロックすることができる。また、カ
マが突出状態で露出していてもこのカマは手に触れると
退行移動するので、カマが手等に引っ掛かっても手等を
傷つけるのを防止できる。したがって、室内用としての
使用に耐え得る鎌錠を提供することができる。
【0023】請求項2に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1記載の鎌錠において、上記の
開閉操作手段は、外部から押圧操作し得るアウト押し板
及びイン押し板と、これらアウト押し板とイン押し板と
の間に挟装される伸縮部とが一体に形成されてアウトサ
イド引手及びインサイド引手の内部上側においてアウト
とインとの方向間で摺動自在に収容されると共に、この
伸縮部は縮動作を介して鎌金の回動を促す動作を伝達手
段に伝えるようになっていることを特徴としている。
【0024】上記の発明によれば、開閉操作手段にてア
ウトサイド引手側又はインサイド引手側から手操作によ
り解錠開始操作をするときには、アウト押し板又はイン
押し板を外部から押圧することにより、アウト押し板と
イン押し板との間に挟装される伸縮部を縮動作させ、こ
れによって、鎌金の回動を促す動作を伝達手段に伝える
ことができる。
【0025】ここで、アウト押し板、イン押し板及び伸
縮部は一体に形成されてアウトサイド引手及びインサイ
ド引手の内部上側においてアウトとインとの方向間で摺
動自在に収容されている。すなわち、アウト押し板及び
イン押し板は、アウトサイド引手及びインサイド引手の
内部上側において、例えばピンやネジ等にては取り付け
られていないフリーの状態となっている。このため、室
外側又は室内側からのいずれからも手を入れて押圧操作
することができる。そして、このときには、アウト押し
板又はイン押し板は、反対側に寄せられるので、アウト
サイド引手又はインサイド引手における手の引っ掛かり
部分が大きくなる。
【0026】したがって、アウト押し板又はイン押し板
を押すという解錠動作をしながらアウトサイド引手又は
インサイド引手における手の引っ掛かり部分を大きくす
ることができるので、容易に引戸を開扉することができ
操作性も良くなる。
【0027】請求項3に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1又は2記載の鎌錠において、
上記の開閉操作手段には手操作にて解錠開始操作をする
ことにより鎌金の回動を促すべく下方に突出する突出部
材が設けられる一方、上記伝達手段は、水平方向に伝達
位置と非伝達位置との間で移動することができる水平部
材と、この水平部材の端部に連結されかつインサイド引
手の外側からこの水平部材を移動して伝達位置と非伝達
位置とに切り換え得る操作部材と、上記水平部材に穿設
された保持孔に上下移動自在に遊嵌されかつその一部に
縦孔を有する上下移動部材と、上記突出部材の下方への
突出により当接されて押し下げられかつこの押し下げに
よりその下面に形成された下方突起部にて上記の上下移
動部材に当接して押し下げ得る受け部材と、この受け部
材を上方へ付勢するバネとからなり、上記上下移動部材
の下側には、上端にてこの上下移動部材に当接しかつ下
端にて鎌金に当接する上記押圧部材が上下移動自在に設
けられると共に、上記操作部材にて水平部材を伝達位置
に移動させたときには上記受け部材の下方突起部は上下
移動部材の当接面上に位置する一方、上記操作部材にて
水平部材を非伝達位置に移動させたときには上記受け部
材の下方突起部は上下移動部材の縦孔上に位置するよう
に設定されていることを特徴としている。
【0028】上記の発明によれば、伝達手段は、水平方
向に伝達位置と非伝達位置との間で移動することができ
る水平部材を備えているので、この水平部材の端部に連
結される操作部材により、インサイド引手の外側からこ
の水平部材を移動して伝達位置と非伝達位置とに切り換
えることができる。
【0029】また、この水平部材には保持孔が穿設され
ており、この保持孔には、その一部に縦孔を有する上下
移動部材が上下移動自在に遊嵌されて保持されている。
さらに、水平部材の上側には、開閉操作手段の突出部材
における下方への突出により当接されて押し下げられか
つこの押し下げによりその下面に形成された下方突起部
にて上記の上下移動部材に当接し得る受け部材が設けら
れている。
【0030】また、上下移動部材の下側には、上端にて
この上下移動部材に当接しかつ下端にて鎌金に当接する
押圧部材が上下移動自在に設けられる。
【0031】さらに、操作部材にて水平部材を伝達位置
に移動させたときには受け部材の下方突起部は上下移動
部材の当接面上に位置する一方、上記操作部材にて水平
部材を非伝達位置に移動させたときには上記受け部材の
下方突起部は上下移動部材の縦孔上に位置するように設
定されている。
【0032】したがって、水平部材を伝達位置に移動さ
せたときには、手操作にて開閉操作手段の解錠開始操作
をすることにより、鎌金の回動を促すための突出部材が
下方に突出する。これにより、突出部材が受け部材に当
接すると共に、受け部材の下面に形成された下方突起部
が上下移動部材に当接して押し下げる。これに伴い、上
下移動部材は押圧部材を押し下げる。この結果、押圧部
材の下端は鎌金に当接しているので、鎌金が回動して解
錠できることになる。
【0033】一方、水平部材を非伝達位置に移動させた
ときには、手操作にて開閉操作手段の解錠開始操作をす
ることにより、鎌金の回動を促すための突出部材が下方
に突出し、これにより、突出部材が受け部材に当接して
受け部材を押し下げる。
【0034】しかし、水平部材を非伝達位置に移動させ
たときには、受け部材の下方突起部は上下移動部材の縦
孔上に位置している。したがって、下方突起部は上下移
動部材の縦孔に入り込み、その結果、下方突起部は上下
移動部材に当接せず押し下げないことになる。このた
め、押圧部材も下方に押圧されないので、鎌金が回動す
ることはなく解錠されることもない。
【0035】なお、このように水平部材を非伝達位置に
移動させたときに、受け部材を上方に付勢しない場合に
は、重力による落下により、受け部材の下方突起部が上
下移動部材の縦孔に入り込んだままの状態となり、水平
部材を伝達位置に移動できないことになる。しかし、上
記の受け部材には、上方に付勢するバネが設けられてい
るので、開閉操作手段の解錠開始操作を解除することに
より、受け部材が上下移動部材の上方位置に移動するの
で、水平部材を押圧して伝達位置に移動させることがで
きる。したがって、具体的な開閉操作手段を提供するこ
とができる。
【0036】請求項4に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、錠ケースに鎌金を有する錠とこの錠の
解錠手段とをアウトサイド引手及びインサイド引手から
なる収容器に内蔵した施錠本体と、上記鎌金の先端に形
成されたカマに係合し得るストライクを有する受金具と
からなる鎌錠において、上記鎌金には錠ケースの支持部
に支持される移動支点としての被支持部が形成され、鎌
金は、この被支持部を錠ケースの支持部に摺動させるこ
とにより進退移動自在となりかつこの被支持部を回動支
点として回動自在となるように設けられる一方、上記鎌
金の退行移動及び回動に抗するように付勢するスプリン
グが鎌金の後部に当接して設けられ、上記解錠手段は、
カマがストライクとの係合を解除するように鎌金を押圧
して回動させる押圧部材と、手操作にて解錠開始操作を
することにより鎌金の回動を促す開閉操作手段と、上記
開閉操作手段による鎌金の回動を促す動作を受けて上記
押圧部材に押圧動作をさせるように伝達し得る伝達手段
とからなり、上記伝達手段は、伝達又は非伝達のいずれ
かに選択操作可能となっていると共に、上記の開閉操作
手段は、アウトサイド引手とインサイド引手との間を仕
切る仕切り板と、この仕切り板のアウトサイド引手側及
びインサイド引手側の両側においてそれぞれ仕切り板の
端部で軸支されて回動自在に設けられたアウト引板及び
イン引板と、これらアウト引板及びイン引板の各下端部
に形成されかつその先端下方に下方突起を有するアウト
アーム及びインアームとからなり、上記伝達手段は、水
平方向に伝達位置と非伝達位置との間で移動することが
できる水平部材と、この水平部材の端部に連結されかつ
インサイド引手の外側からこの水平部材を移動して伝達
位置と非伝達位置とに切り換え得る操作部材と、上記水
平部材に穿設された保持孔に上下移動自在に遊嵌されか
つその一部に縦孔を有する上下移動部材と、上部が略円
錐台に形成されかつ上記アウト引板又はイン引板の手操
作による回動によりアウトアームの下方突起又はインア
ーム下方突起の摺動によって押し下げられかつこの押し
下げによりその下面に形成された下方突起部にて上記の
上下移動部材に当接して押し下げ得る受け部材と、この
受け部材を上方へ付勢するバネとからなり、上記上下移
動部材の下側には、上端にてこの上下移動部材に当接し
かつ下端にて鎌金に当接する上記押圧部材が上下移動自
在に設けられると共に、上記操作部材にて水平部材を伝
達位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起部
は上下移動部材の当接面上に位置する一方、上記操作部
材にて水平部材を非伝達位置に移動させたときには上記
受け部材の下方突起部は上下移動部材の縦孔上に位置す
るように設定されていることを特徴としている。
【0037】上記の発明によれば、上記の開閉操作手段
は、アウトサイド引手とインサイド引手との間を仕切る
仕切り板と、この仕切り板のアウトサイド引手側及びイ
ンサイド引手側の両側においてそれぞれ仕切り板の端部
で軸支されて回動自在に設けられたアウト引板及びイン
引板と、これらアウト引板及びイン引板の各下端部に形
成されかつその先端下方に下方突起を有するアウトアー
ム及びインアームとからなっている。
【0038】また、伝達手段の受け部材は、上部が略円
錐台に形成されたものとなっている。したがって、上記
アウト引板又はイン引板を手操作にて回動すると、アウ
トアームの下方突起又はインアーム下方突起も回動し、
そのときにこのアウトアームの下方突起又はインアーム
の下方突起が略円錐台に形成された受け部材に摺動す
る。そして、アウトアームの下方突起又はインアームの
下方突起が略円錐台の傾斜面を摺動するに伴って、受け
部材が押し下げられる。
【0039】その後の動作は、前記請求項3と同様に、
伝達手段の水平部材を伝達位置に移動させたときには、
受け部材の押し下げによりその下面に形成された下方突
起部にて上記の上下移動部材に当接して押し下げる。こ
れに伴い、上下移動部材は押圧部材を押し下げる。この
結果、押圧部材の下端は鎌金に当接しているので、鎌金
が回動して解錠できることになる。
【0040】一方、水平部材を非伝達位置に移動させた
ときには、受け部材の下方突起部は上下移動部材に当接
せず押し下げないことになるので、押圧部材も下方に押
圧されない。このため、鎌金が回動することはなく解錠
されることもない。
【0041】このように、本発明では、アウト引板又は
イン引板を手操作で回動する動作が受け部材を押し下げ
て直接解錠する動作となると共に、その回動方向が殆ど
引戸の開扉方向に等しくなる。したがって、いわゆるワ
ンタッチで解錠動作と開扉動作とを同時に行うことがで
きる。
【0042】請求項5に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1、2、3又は4記載の鎌錠に
おいて、上記伝達手段は、室内側から非伝達側に選択操
作されたのものが、非常用として、室外側からも伝達側
に操作可能となっていることを特徴としている。
【0043】上記発明によれば、室内側から伝達手段を
非伝達側にして外側からの解錠動作をロックした状態に
なっている場合に、非常時においては、室外側からも伝
達側に操作できる。したがって、非常時において利便性
の高い鎌錠を提供することができる。
【0044】請求項6に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項3又は4記載の鎌錠において、
上記伝達手段における水平部材には、この水平部材が伝
達位置であるか又は非伝達位置であるかをアウトサイド
引手の外側に向けて表示するための表示ピースがアウト
サイド引手側の端部に取替え可能に延設されると共に、
アウトサイド引手にはこの表示ピースが貫入し得るスリ
ットが設けられていることを特徴としている。
【0045】上記発明によれば、伝達手段における水平
部材には、この水平部材が伝達位置であるか又は非伝達
位置であるかをアウトサイド引手の外側に向けて表示す
るための表示ピースが設けられている。この表示ピース
は、アウトサイド引手に形成されたスリットに貫入され
るので、その突出の程度により、アウトサイド引手の外
側から水平部材が伝達位置であるか又は非伝達位置であ
るかを容易に確認することができる。
【0046】また、表示ピースは、水平部材におけるア
ウトサイド引手側の端部に取替え可能に延設されてい
る。したがって、引戸の扉厚さに応じた表示ピースに容
易に取り替えることができる。
【0047】請求項7に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1ないし6のいずれかに記載の
鎌錠において、上記鎌金のカマは下向きに形成されると
共に、上記鎌金の被支持部は水平方向両側に突出する軸
ピンからなる一方、上記錠ケースには、上記軸ピンを遊
嵌しかつ摺動案内すべく鎌金の進退移動方向に沿う長溝
が支持部として形成されていると共に、上記鎌金の被支
持部よりも先端側下端には凹部が形成され、この凹部に
おけるカマ側の端部はカマ側に向かって下向きとなる傾
斜部を有する一方、上記錠ケースには、この錠ケースに
支持されかつ上記鎌金の退行移動時に鎌金の下端に形成
された凹部が摺動される摺動案内部材が設けられ、上記
鎌金の退行移動時に鎌金の凹部における傾斜部が上記摺
動案内部材に摺動することにより、鎌金が回動して鎌金
のカマが錠ケース内に収容されるように形成されている
ことを特徴としている。
【0048】上記の発明によれば、鎌金のカマは下向き
に形成される。また、鎌金の被支持部は水平方向両側に
突出する軸ピンからなり、錠ケースには、軸ピンを遊嵌
しかつ摺動案内すべく鎌金の進退移動方向に沿う長溝が
支持部として形成されている。
【0049】したがって、鎌金の軸ピンは、錠ケースに
おける鎌金の進退移動方向に沿う長溝に遊嵌されかつ摺
動案内されるので、移動支点となる。この構成により鎌
金は、容易に進退移動できることになる。
【0050】一方、前記請求項1ないし6の構成の鎌錠
では、鎌金のカマが錠ケースの先端から突出して設けら
れており、この鎌金を進退移動自在かつ回動自在に設け
るためには、錠ケースを大きく形成しておかないと、鎌
金が没入移動するときにカマが錠ケースの先端に引っ掛
かり没入できない場合がある。
【0051】しかし、本発明の鎌錠では、鎌金の被支持
部よりも先端側下端には凹部が形成され、この凹部にお
けるカマ側の端部はカマ側に向かって下向きとなる傾斜
部を有している。また、錠ケースには、この錠ケースに
支持されかつ上記鎌金の退行移動時に鎌金の下端に形成
された凹部が摺動される摺動案内部材が設けられる。そ
して、鎌金の退行移動時に鎌金の凹部における傾斜部が
上記摺動案内部材に摺動することにより、鎌金が回動し
て鎌金のカマが錠ケース内に収容されるように形成され
ている。
【0052】したがって、カマの突出状態においては、
錠ケースに設けられた摺動案内部材が鎌金における凹部
に嵌まり込んでいる。この状態から、鎌金を没入移動さ
せると、鎌金は凹部から傾斜部の順に摺動案内部材を摺
動する。このため、摺動案内部材が傾斜部を通過すると
きに、鎌金が傾斜角の範囲内で回動する。
【0053】この結果、鎌金が没入移動する際には、鎌
金が回動しながら没入するので、カマが錠ケースの先端
に引っ掛かるのを防止することができる。
【0054】これにより、錠ケースを大きく形成するこ
となく、鎌金を自在に進退移動できるので、鎌錠をコン
パクトに形成することが可能になる。
【0055】請求項8に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1ないし7のいずれかに記載の
鎌錠において、上記の解錠手段は、開閉操作手段と伝達
手段と押圧部材とがそれぞれ別体に設けられると共にそ
れぞれが左右対称形に形成され、かつ収容器に対して取
外し自在となっている一方、上記錠も収容器に対して左
右向きのいずれにも取り付け可能となっていることを特
徴としている。
【0056】すなわち、引戸には右開き又は左開きがあ
るが、鎌錠の解錠手段等が左右対称でない場合には、上
記右開き用の鎌錠と左開き用の鎌錠とをそれぞれ用意し
ておかなければならない。
【0057】しかし、本発明の鎌錠では、解錠手段は、
開閉操作手段と伝達手段と押圧部材とがそれぞれ別体に
設けられると共にそれぞれが左右対称形に形成される。
また、これらは収容器に対して取外し自在となってい
る。さらに、錠も収容器に対して左右向きのいずれにも
取り付け可能となっている。
【0058】したがって、一種類の開閉操作部材等を作
製しておけば、左勝手又は右勝手のいずれの鎌錠にも対
応することができる。また、これら開閉操作部材等は、
収容器に対して取外し自在となっているので、現場施工
においても左勝手又は右勝手の取り換えを容易に行うこ
とができる。
【0059】また、収納器はアウトサイド引手とインサ
イド引手との二分割になっており、この中に開閉操作手
段、伝達手段及び押圧部材からなる解錠手段と錠とが内
蔵される。そして、これらはそれぞれが別体のものから
構成される。したがって、引戸に施錠本体を取り付ける
ときには、引戸の出会面の孔から錠を挿入した後、解錠
手段を取り付けた例えばインサイド引手とアウトサイド
引手とを引戸の彫り込み部に両側から挿入することによ
り、施錠本体を容易に取り付けることができる。
【0060】この結果、利便性・経済性の高い鎌錠を提
供することができる。
【0061】請求項9に係る発明の鎌錠は、上記課題を
解決するために、請求項1ないし8のいずれかに記載の
鎌錠において、上記の錠は鎌金を円筒状の錠ケースに内
蔵したものからなり、かつこの錠ケースは、カマ側のケ
ース表面から、引戸の框部を挟んで設けられた取付板へ
ビスを通して固定することにより引戸に取り付けられる
ことを特徴としている。
【0062】上記の発明によれば、錠は鎌金を円筒状の
錠ケースに内蔵したものからなっているので、施工に際
して、施錠本体の錠ケースを収容するスペースを形成す
べく、引戸に孔を穿設する場合において、汎用されてい
るドリルにて穿孔するだけで足り、直方体の孔を穿設す
る場合のノミ等による穿孔作業を省略することができ
る。この結果、鎌錠の取り付け時における作業性の向上
を図ることができる。
【0063】一方、錠を引戸に固定するに際して、従来
では、ケース表面から木ネジを通して直接この引戸の框
部に木ネジを固定していた。しかし、最近の引戸の框部
又は引戸の材料には強度的に弱いものがあるので、取り
付け強度が不十分となり、経年変化により、取り付け部
分が緩んでくるおそれがあった。
【0064】しかし、本発明では、錠ケースは、カマ側
のケース表面から、引戸の框部を挟んで設けられた取付
板へビスを通して固定することにより引戸に取り付けら
れる。
【0065】このため、錠ケースは、引戸の框部を錠ケ
ースのケース表面と取付板とによって挟持することによ
り支持される。
【0066】したがって、引戸の框部が弱い材料であっ
ても、錠を引戸に確実に強く取り付けることができ、ま
た耐久性も得られる。
【0067】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0068】本実施の形態の鎌錠1は、図2に示すよう
に、室内の引戸2に取り付けた施錠本体3と、引戸2の
対向位置に設けられた例えば柱4に彫り込まれた受金具
5とから構成されている。
【0069】上記引戸2は、例えば、いわゆるフラッシ
ュ戸等の木製戸にてなっており、図示しない溝やレール
に沿って水平方向に動かすことにより開閉自在となって
いる。なお、上記受金具5は、本実施の形態では、柱4
に設けられているが、必ずしもこれに限らず、例えば、
対向するもう一つの引戸に取り付けることも可能であ
る。ただし、このようにもう一つの引戸に取り付けて両
開きとする場合においても、両引戸を閉じたときに両者
が突き合わせとなるものを対象としており、引き違い戸
には使用されない。
【0070】上記の施錠本体3は、図3に示すように、
例えばプラスチックにて形成された容器状のアウトサイ
ド引手6とインサイド引手7とを有しており、本実施の
形態では、いずれも同一幅に形成されている。これらア
ウトサイド引手6とインサイド引手7は、収容器として
の機能を果たしている。なお、これらアウトサイド引手
6及びインサイド引手7は、金属製にて構成することも
可能である。
【0071】上記アウトサイド引手6及びインサイド引
手7の下部には錠20が収容され、その上側に、この錠
20の鎌金21を開閉するための解錠手段の1つとして
の後述する押圧部材を備えた伝達機構部40、さらにそ
の上には錠20の鎌金21を開閉するための解錠手段の
1つとしての開閉操作手段である開閉操作機構部60が
収容されるようになっている。
【0072】上記のアウトサイド引手6は、図4(a)
(b)(c)に示すように、略直方体になっており、美
観を考慮して上端部及び下端部がそれぞれ断面半円形と
なっている。したがって、上下端部の形状は、必ずしも
断面半円形に限らず、断面直線状、断面半楕円状又はそ
の他の装飾形状であっても良い。また、全体形状につい
ても、略直方体に限らず、他の装飾的形状であっても良
い。
【0073】このアウトサイド引手6は、上記錠20及
び開閉操作機構部60等を収容した後、インサイド引手
7にて施蓋され、図5に示すように、上下の引手取付ネ
ジ8・8にて取り付けられるようになっている。
【0074】インサイド引手7の上部には、開閉操作機
構部60のイン押し板61を露出すべく、インサイド開
口部9が形成されると共に、図4(a)(b)(c)に
示すように、アウトサイド引手6にもアウトサイド開口
部10が形成されており、開閉操作機構部60のアウト
押し板62が露出するようになっている。
【0075】上記開閉操作機構部60のイン押し板61
及びアウト押し板62は、図2にも示すように、柱4側
が少し窪んでおり、これによって、インサイド開口部9
の柱側開口端9a又は裏面のアウトサイド開口部10の
柱側開口端10aに手を当てて、引戸2を閉じることが
可能となっている。
【0076】また、図4(a)に示すように、アウトサ
イド引手6のアウトサイド開口部10の下側には、後述
する伝達機構部40の水平板が突出し得るようにスリッ
ト12が穿設されている。なお、その下方には装飾のた
めに溝13が形成されている。また、図5に示すよう
に、インサイド引手7のインサイド開口部9の下側に
は、後述する伝達機構部40のロック操作プレート45
を取り付けるための取付け開口部14が穿設されてい
る。
【0077】一方、図4(a)(c)に示すように、ア
ウトサイド引手6及びインサイド引手7の右側面には、
錠用開口部15が形成されており、この錠用開口部15
を通して錠20が突出状態で嵌合されている。
【0078】ここで、図6に示すように、上記アウトサ
イド引手6及びインサイド引手7を合わせたときに下部
に形成される錠用開口部15は、裏面にも同一形状に形
成されており、錠20が、アウトサイド引手6及びイン
サイド引手7からなる収容器に対して左右向きのいずれ
にも取り付け可能となっている。また、前記開閉操作機
構部60のイン押し板61及びアウト押し板62は左右
対称形となっており、かつ錠開口15も裏表に同一対照
形状のものが穿設されたものとなっている。さらに、後
述するように、伝達手段及び押圧部材もそれぞれが左右
対称形に形成されている。
【0079】したがって、これによって、右開き又は左
開きの引戸2のいずれにおいても、現場での施工にて、
開閉操作機構部60を裏返してインサイドとアウトサイ
ドとを入れ換え、かつ錠20における左右の突出方向を
入れ換えることにより、容易に対応可能となっている。
【0080】次に、上記錠20について説明する。錠2
0は、図7(a)(b)(c)に示すように、例えば、
錠前機構を円筒状の錠ケース22に内蔵したチューブラ
式のものからなっている。これによって、この錠20を
引戸2に取り付ける際に、引戸2の側面方向に対しては
ドリルにて穿設するだけで良いので、施工の簡素化を図
ることができる。
【0081】なお、本実施の形態では、このように、錠
20をチューブラ式にて形成しているが、必ずしもこれ
に限らず、錠20をチューブラ式でないもので形成する
ことも可能である。
【0082】上記の錠ケース22は、例えば真鍮等の金
属からなっており、図7(a)に示すように、縦割りに
二分割し得るようになっていると共に、この錠ケース2
2の内部には、図8(a)(b)に示すように、略L字
状板からなる鎌金21と、鎌金21の後端に当接しかつ
鎌金21を進出方向に付勢するコイルスプリングからな
るスプリングとしての鎌スプリング23と、摺動案内部
材としての案内ピン24とが設けられている。
【0083】上記の鎌金21は、例えばステンレスにて
なり、その先端に下向きのカマ21aが形成されてい
る。
【0084】このカマ21aは、図8(a)に示すよう
に、側面方向の断面が略円形に形成されている。このた
め、引戸2を閉じる際に、カマ21aが受金具5のスト
ライクに当接したときに、カマ21aの先端がストライ
クの下端を摺動することにより、容易にカマ21aが上
方移動してストライクに係止され、これによって施錠し
得るものとなっている。
【0085】また、カマ21aは、図4(a)(b)
(c)に示すように、正面方向及び平面方向の断面も略
円形となっている。これは、ステンレス板の周りに略半
球状の樹脂を接合させて突起がないように形成すること
により、カマ21aの先端に手等が触れたときに手等が
容易に傷つくのを防止するため、及び見た目においても
危険を感じさせないものとするためである。
【0086】一方、鎌金21におけるカマ21aの後方
は、ステンレス板が露出されたものとなっている。鎌金
21の略中央位置には軸ピン用孔21bが穿設されてお
り、この軸ピン用孔21bには、鎌金21の両側に水平
に突出する軸ピン21cが挿入されている。そして、こ
の軸ピン21cの両側の端部は、錠ケース22の両側面
に形成された鎌金21の進退移動方向に沿う長溝25・
25に遊嵌されるようになっている。
【0087】したがって、軸ピン21cが長溝25・2
5に支持されかつ長溝25・25に沿って摺動案内され
て移動することにより、鎌金21は進退移動自在となる
と共に、鎌金21はこの軸ピン21cを中心軸として回
動することができるようになっている。この結果、上記
軸ピン21cは、錠ケースの支持部としての長溝25・
25に支持される移動支点としての被支持部として機能
すると共に、鎌金21を回動自在にする回動支点として
の機能を有している。
【0088】一方、鎌金21の後端側には、一端が錠ケ
ース22の後端壁に当接し他端が鎌金21の後端に当接
する鎌スプリング23が設けられている。したがって、
この鎌スプリング23は、鎌金21が退行移動するとき
に、この退行移動に抗するように付勢する。なお、この
鎌スプリング23は、カマ21aの先端に手等が触れた
場合に、容易に鎌金21が退行移動し得る程度の弱い付
勢力を付与し、かつカマ21aがストライクに当接した
場合には、回動してカマ21aがストライクに容易に係
止される程度の弾性力を有するものとなっている。
【0089】また、鎌スプリング23は、鎌金21の後
端幅と略同じ径を有したものからなっている。したがっ
て、鎌金21が退行移動する際に、鎌金21に回動力等
の偏心荷重が作用した場合には、鎌スプリング23は鎌
金21に対して上部及び下部とも均等に付勢力を作用し
ようとするので、結果的にこの鎌スプリング23は、こ
の鎌金21の回動に抗するように鎌金21を付勢する。
【0090】このように、本実施の形態では、この鎌ス
プリング23は、鎌金21の退行移動及び回動に抗する
ように付勢するようになっている。
【0091】一方、上記鎌金21には、軸ピン21cよ
りも先端側下端に凹部21dが形成されており、この凹
部21dにおけるカマ21a側の端部はカマ側に向かっ
て下向きとなる傾斜部21eとして形成されている。
【0092】また、錠ケース22には、この錠ケース2
2に支持されかつこの凹部21dに摺動して鎌金21の
回動を案内する案内ピン24が設けられている。
【0093】したがって、鎌金21が退行移動するとき
に案内ピン24が鎌金21の凹部21dの傾斜部21e
に摺動することにより、鎌金21が回動する。そして、
鎌金21のカマ21aが錠ケース22内に収容されるよ
うになっている。
【0094】すなわち、鎌金21に凹部21dが形成さ
れていない場合には、図8(a)に示すように、カマ2
1aが錠ケース22のリング状のケース表面としてのフ
ロント26に引っ掛かるので、鎌金21は錠ケース22
内に収容できないことになる。
【0095】これを防止するために、本実施の形態で
は、鎌金21に傾斜部21eを有する凹部21dを形成
し、鎌金21の退行移動の際にこの凹部21dの傾斜部
21eに案内ピン24を摺動させることにより、鎌金2
1が軸ピン21cを中心に回動する。すなわち、案内ピ
ン24が鎌金21の回動を案内させる。
【0096】この結果、図8(b)に示すように、鎌金
21のカマ21aがフロント26の内径内に収まるよう
になるので、鎌金21は容易に退行移動できることにな
る。
【0097】一方、上記の構成を有する錠20を引戸2
に固定するときには、図7(a)(b)(c)に示すよ
うに、フロント26から、引戸2の框部を挟んで設けら
れた取付板28へビスとしての錠取付ビス29・29を
通して錠ケース22を引戸2に固定する。
【0098】これにより、引戸2の框部が弱い材料であ
っても、錠20を引戸2に確実に強く取り付けることが
でき、また耐久性も得られる。
【0099】次に、図2に示すように、上記カマ21a
が対向する柱4には、上記のカマ21aに係合する受金
具5が設けられている。
【0100】この受金具5は、図9(a)(b)(c)
に示すように、ストライク押さえ31とストライク32
と取り付けボックス33との3要素にて構成され、表面
からこの順序に配設されている。そして、これら3要素
は、図2に示すように、上下にて受金具ビス34・34
を通すことにより固定されている。
【0101】ここで、本実施の形態の受金具5は、詳細
には、ストライク32は、断面軽Z形状、つまりZの縦
部とこの縦部の両端部から折曲して伸びる各水平部とが
互いに垂直となる形状に形成されており、このストライ
ク32は、取り付けボックス33内で上下に移動し得る
スライドボックス35に取り付けられている。
【0102】そして、渦巻き状カム36を外側からドラ
イバーにて回動することによりスライドボックス35を
移動させ、これにより、ストライク32を上下移動させ
ると共に、調整ビス37を外側からドライバーにて回動
することにより、図9(c)に二点鎖線で示すように、
ストライク32を前後移動し得るようになっている。
【0103】これにより、取り付け時にストライク32
を上下移動又は前後移動して位置調整ができると共に、
経年変化に伴い引戸2にがたつきが生じたときにも位置
調整し得るものとなっている。なお、本実施の形態で
は、このようにストライク32を上下及び前後に調整し
得るものを使用しているが、必ずしもこれに限らず、通
常の調整機構のない受金具でも使用することが可能であ
る。
【0104】この受金具5にて鎌錠1を施錠するときに
は、図2に示すように、引戸2の閉扉動作を行うことに
より、施錠本体3における鎌金21のカマ21aが、こ
のストライク32に当接したときにカマ21aに形成さ
れた先端の曲面に沿って摺動する。これによって、カマ
21aが上方移動し、やがて完全に引戸2を閉じたとき
に、カマ21aがストライク32によって係止され、施
錠することができるようになっている。
【0105】次に、本実施の形態における鎌錠1の解錠
機構について説明する。この施錠された状態からカマ2
1aを解錠するための構造として、図8(a)に示すよ
うに、錠ケース22の後部上面、すなわちカマ21aが
フロント26から突出している状態における軸ピン21
cよりも少し後方には、解錠用開口27が形成されてい
る。そして、図1に示すように、開閉操作機構部60に
より後述する伝達手段としての伝達機構部40を介して
押圧部材としてのカマ操作ピース46をこの解錠用開口
27に通して下方移動させ、カマ操作ピース46を鎌金
21の後部に当接させて押し下げることにより、鎌金2
1を軸ピン21cを中心に回動させてストライク32に
係止されたカマ21aを係止解除させるようになってい
る。
【0106】上記の開閉操作機構部60は、図3に示す
ように、例えばいわゆる伸縮戸の一要素の構造を有して
いる。すなわち、開閉操作機構部60は、図10(a)
(b)に示すように、アウトサイド引手6及びインサイ
ド引手7の内部上側において外側に飛び出さないように
収容されるアウト押し板62とイン押し板61と、これ
らアウト押し板62及びイン押し板61との間に挟装さ
れる伸縮部63とからなっている。
【0107】上記伸縮部63は、X型に形成した押し板
操作棒64・64と、これら押し板操作棒64・64の
下端部にヒンジにて連結され、かつ同様にX型にて伸縮
自在となるように形成される突出部材としてのカマ操作
棒65・65と、押し板操作棒64・64の略中央に設
けられる押し板スプリング66とから構成されている。
【0108】上記押し板操作棒64・64の下端部は、
アウト押し板62又はイン押し板61に支持される連結
ピン67にてヒンジ結合される一方、X型の中心におい
ては、押し板ジョイントピン68にて連結されるように
なっている。この押し板ジョイントピン68の両端部に
は、抜け止め輪68a・68aが設けられている。
【0109】また、押し板操作棒64・64の上端部
は、図11(a)(b)に示すように、断面L字状に形
成されたL字状連結部64a・64aとなっていると共
に、アウト押し板62又はイン押し板61には、これら
L字状連結部64a・64aを遊嵌するための逆L字状
受部62a・61aが形成されている。したがって、ア
ウト押し板62又はイン押し板61のいずれかを押圧す
ると、図12(a)(b)に示すように、L字状連結部
64aと逆L字状受部62aとが互いにより深く挿入さ
れた状態で連結されるものとなっている。
【0110】また、同様に、カマ操作棒65・65にお
けるX型の中心においては、操作棒ジョイントピン69
が設けられている。そして、カマ操作棒65・65の下
端部はアウト押し板62又はイン押し板61に摺動する
のみの自由端となっている。
【0111】したがって、アウト押し板62又はイン押
し板61を押圧して圧縮させたときには、図12(a)
に示すように、カマ操作棒65・65の下端はアウト押
し板62又はイン押し板61の各下端よりも突出するよ
うになる。
【0112】なお、このようにアウト押し板62又はイ
ン押し板61を押圧して圧縮させたときには、押し板ジ
ョイントピン68に絡ませて設けた略くの字状の押し板
スプリング66により、アウト押し板62又はイン押し
板61が、図11(b)に示す最初の状態となるように
付勢される。
【0113】一方、カマ操作棒65・65の下側には、
図10(a)(b)に示すように、伝達機構部40が設
けられている。この伝達機構部40は、上記カマ操作棒
65・65の下方への突出動作をカマ操作ピース46に
伝達して鎌金21を回動動作させるものであるが、本実
施の形態では、特に、その突出動作を伝達又は非伝達の
いずれかに切り換え操作し得るものとなっている。
【0114】すなわち、伝達機構部40は、図13
(a)(b)に示すように、上面及び下面が開口となっ
た長方体の筐体として形成されたカマ操作ケース41
と、このカマ操作ケース41内の上部において上下移動
自在に設けられた受け部材としてのカマ操作棒受け42
と、カマ操作棒受け42の下側においてこのカマ操作棒
受け42に当接して上下移動自在に設けられた上下移動
部材としてのロックピース43と、このロックピース4
3を側方から遊嵌状態に囲みかつカマ操作ケース41の
側面に貫通される水平部材としてのロック選択板44
と、このロック選択板44を水平移動させるための操作
部材としてのロック操作プレート45と、カマ操作ケー
ス41内でロックピース43の下側に設けられる上下移
動自在の上述のカマ操作ピース46と、このカマ操作ピ
ース46を上方へ押し上げるように付勢するバネとして
の受け付勢バネ47・47とを備えている。
【0115】上記カマ操作ケース41は、図14(a)
(b)(c)に示すように、上カマ操作ケース41aと
下カマ操作ケース41bとの上下2つに分離可能となっ
ており、上カマ操作ケース41aの両側面に形成された
嵌合爪41c・41cを下カマ操作ケース41bの各嵌
合凹部に挿入することによって、両者を合体し得るよう
になっている。
【0116】また、上記上カマ操作ケース41aの正面
側及び背面側、つまり前記引戸2の外側向きの面及び内
側向きの面には、図13(b)に示すように、ロック選
択板44を水平方向に移動自在に保持するように穿設さ
れたロック選択板開口41d・41eがスリット状に形
成されている。
【0117】上記ロック選択板44は、図15(a)
(b)(c)に示すように、帯板状に形成された表示ピ
ース部44aと略長方形の枠板状に形成された枠体部4
4bとロック操作プレート45を取り付けるためのヒン
ジ部44cとからなっている。
【0118】上記表示ピース部44aは、図14(c)
に二点鎖線で示すように、ロック操作プレート45の上
部をカマ操作ケース41側に押圧することにより、カマ
操作ケース41の反対側に突出し、これによって、図2
に示すように、アウトサイド引手6のスリット12から
突出するものであり、その突出状態が良くわかるように
例えば赤色に着色されている。したがって、この表示ピ
ース部44aは、扉の厚さに応じて突出状態を換える必
要がある。
【0119】そこで、本実施の形態では、図15(a)
(b)(c)に示すように、この表示ピース部44a
は、枠体部44bの側面に形成した表示ピース取り付け
部44dに穿設したピン挿入孔44e・44eに、この
表示ピース部44aの側面に形成した取り付けピン44
f・44fを圧入することにより取り付けられるものと
なっている。これによって、扉の厚さに応じて表示ピー
ス部44aの長さを変化させることが可能となってい
る。
【0120】また、上記の枠体部44bは、表示ピース
部44aよりも少し厚く形成されており、その枠内側
は、断面略長方形の空間からなる保持孔44gとなって
いる。
【0121】そして、この保持孔44gの四隅には隅付
け部44h…が形成されると共に、表示ピース取り付け
部44d側の中央には、断面円弧状凹部44iが形成さ
れている。
【0122】この枠体部44bの内側の保持孔44gに
は、図16(a)(b)に示す断面コの字状のロックピ
ース43が下方向に移動可能に遊嵌されるようになって
いる。
【0123】すなわち、ロックピース43は、枠体部4
4bの内側の四隅に形成された隅付け部44h…に当接
することにより、これ以上上側には移動することができ
ないものとなっている。また、ロックピース43の上端
四隅には切欠部43a…が形成されており、これら切欠
部43a…は上記枠体部44bの保持孔44gの四隅に
形成された隅付け部44h…に当接したときにロックピ
ース43の下端面とロック選択板44の下端面とが同一
平面上になるようになっている。
【0124】また、上記のロックピース43には、断面
長方形の縦孔43bが形成されており、この縦孔43b
には後述するカマ操作棒受け42の下方突起部42aが
挿入されるようになっている。
【0125】上記のヒンジ部44cには、図13(b)
に示すように、ロック操作プレート45がピン44jに
て回動自在に取り付けられるようになっている。
【0126】上記のロック操作プレート45は、断面く
の字状に形成されており、上部にて上記ヒンジ部44c
に回動自在に連結されるようになっている。ロック操作
プレート45の中部には回動中心となるように円弧部4
5aが形成されており、この円弧部45aを、図3及び
図10(a)に示すように、インサイド引手7に形成さ
れた断面円形の突起軸7a・7aに押し込んで外嵌させ
ることにより、ロック操作プレート45がこの突起軸7
a・7aを中心軸として回動し得るようになっている。
【0127】また、ロック操作プレート45の下部に
は、図13(a)(b)に示すように、下端が開口され
奥部が閉塞された深穴45bを有するバネ保持部45c
が形成されている。さらに、この深穴45bには図示し
ないコイルスプリングが収容されると共に、図10
(a)に示すように、その先端に金属球45dが設けら
れるようになっている。
【0128】そして、インサイド引手7における金属球
45dの対向位置には、ボール溝が2箇所に形成されて
おり、ロック操作プレート45を回動して解錠可能位置
と解錠規制位置とに固定するようになっている。すなわ
ち、金属球45dはコイルスプリングにて付勢されてい
るので、同図(a)に示すように、ロック操作プレート
45の下部をインサイド引手7の内部側に押圧すること
によって実線で示す解錠可能位置にロック操作プレート
45を軽く固定する一方、ロック操作プレート45の上
部をインサイド引手7の内部側に押圧することによって
二点鎖線で示す解錠規制位置にロック操作プレート45
を軽く固定し得るようになっている。
【0129】次に、上記のカマ操作棒受け42は、図1
3(b)に示すように、下側に突出する下方突起部42
aを有している。そして、ロック操作プレート45の上
部が鉛直に立設しているときには、カマ操作棒受け42
の下方突起部42aがロックピース43に当接している
ので、このロックピース43を押圧して下方移動させ、
さらにこのロックピース43に当接するカマ操作ピース
46を押し下げることが可能となっている。
【0130】一方、図14(c)に二点鎖線で示すよう
に、ロック操作プレート45の上部をカマ操作ケース4
1側に押圧した場合には、図13(b)に示すロック選
択板44が左方向つまりロック操作プレート45とは反
対側に移動するので、ロックピース43も左方向に移動
する。この結果、カマ操作棒受け42の下方突起部42
aは、ロックピース43の縦孔43bの上方に位置する
ことになる。なお、このとき、図13(a)に示すよう
に、このカマ操作棒受け42は、カマ操作ケース41の
内底部に設けられた受け付勢バネ47・47によって上
側向きに付勢されているので下方移動はしないが、カマ
操作棒受け42がカマ操作棒65の下方移動により押圧
されたときには、下方移動する。そして、このときに
は、カマ操作棒受け42の下方突起部42aは、ロック
ピース43の縦孔43bに挿入される。
【0131】したがって、このときには、下方突起部4
2aはロックピース43に当接せず、かつカマ操作ピー
ス46にも接触しない。したがって、この状態において
は、開閉操作機構部60にて解錠操作をしても、カマ操
作ピース46にはその動作が伝達されないことになる。
このため、外側から引戸2を開けようとして開閉操作機
構部60を押圧操作しても解錠操作できない状態、つま
り解錠がロックされた状態となる。
【0132】また、この状態から、図14(c)に示す
ように、ロック操作プレート45の下側を押圧すること
によって、ロック操作プレート45の上部が鉛直状態に
立設し、このときに、ロック選択板44は図13(b)
に示す位置になるので、下方突起部42aがロックピー
ス43に当接してカマ操作ピース46に下方動作を伝達
をし得る最初の状態となる。
【0133】この結果、上記のロック選択板44は、開
閉操作機構部60による鎌金21の回動を促す動作を受
けてカマ操作ピース46に伝達する際に、伝達又は非伝
達のいずれかに切り換え操作し得るものとなっている。
【0134】上記の構成を有する鎌錠1の機能を施錠・
解錠動作及び解錠ロックを含めて説明する。まず、引戸
2が開いている時には、図2に示すように、施錠本体3
に設けられたカマ21aは、引戸2から突出した状態と
なっている。そして、このとき、例えば、誤ってカマ2
1aに手が触れた場合には、図8(a)(b)に示すよ
うに、鎌金21は鎌スプリング23にて弱い付勢力が進
出方向に与えられているだけであるので、鎌金21は容
易に没入移動する。
【0135】この鎌金21の没入移動に際して、そのま
ま直動して没入移動したのでは、カマ21aがフロント
26に引っ掛かる。しかし、鎌金21には軸ピン21c
よりも先端側下端に、カマ側に向かって下向きとなる傾
斜部21eを有する凹部21dが形成されており、錠ケ
ース22には案内ピン24が設けられているので、鎌金
21が没入移動する際に、案内ピン24が鎌金21にお
ける凹部21dを摺動し、この凹部21dにおけるカマ
21a側の端部の傾斜部21eに案内されることによっ
て、鎌金21が反時計回りに回動する。この結果、カマ
21aがフロント26に引っ掛かることがなくなり、図
8(b)に示すように、鎌金21は錠ケース22の内
部、つまりフロント26よりもカマ21aが内部に納ま
るように容易に没入移動することができる。
【0136】次に、施錠するときの動作について説明す
る。まず、引戸2を開けているときには、鎌金21は、
図4(a)(b)に示すように、カマ21aがフロント
26の下側に位置するようになっている。この状態か
ら、引戸2を閉じるべく、図2に示すように、例えばア
ウトサイド引手6における柱側開口端10aに手を当て
て押圧すると、やがて、カマ21aが受金具5のストラ
イク32の下端に衝突する。このとき、カマ21aの先
端の曲線部がストライク32の下端を摺動し、カマ21
aが上方移動する。そして、引戸2を完全に閉じること
により、図17に示すように、カマ21aがストライク
32に係止され、これによって、施錠される。
【0137】次に、この施錠状態の鎌錠1を解錠すると
きには、図10(a)に示すように、開閉操作機構部6
0におけるアウト押し板62又はイン押し板61のいず
れかを押圧する。例えば、イン押し板61を押圧した場
合には、伸縮部63におけるX型に形成した押し板操作
棒64・64が、図12(a)に示すように、直線的に
なる。このとき、押し板操作棒64・64の下部に取り
付けたカマ操作棒65・65の下端がアウト押し板62
及びイン押し板61の下端よりも下方に突出移動する。
これによって、図10(a)(b)に示すように、カマ
操作棒65・65の下端が伝達機構部40のカマ操作棒
受け42に当接して、このカマ操作棒受け42を押し下
げる。
【0138】次いで、図13(a)(b)に示すよう
に、カマ操作棒受け42は当接するロックピース43を
押し下げ、ロックピース43は当接するカマ操作ピース
46を押し下げる。
【0139】このカマ操作ピース46の下端は、図1に
示すように、鎌金21の後部上端に当接しているので、
カマ操作ピース46を下方移動することにより、鎌金2
1が軸ピン21cを中心として反時計回りに回動し、こ
れによって、鎌金21の先端のカマ21aが反時計回り
に回動し、前記ストライク32との係合が外れる。
【0140】そして、このときインサイド引手7の前記
柱側開口端9aとは反対側の開口端に手を当てて引っ張
ることにより(図5参照)、引戸2を開扉することがで
きる。
【0141】一方、図12に示す鎌錠1の施錠状態にお
いては、引戸2の外側又は内側のいずれからも、上述し
たように、開閉操作機構部60のアウト押し板62又は
イン押し板61を押圧することによって、解錠すること
ができる。
【0142】しかし、引戸2が例えばトイレ用等の扉で
あるときには、外側からの解錠を規制する必要がある。
【0143】このような場合には、本実施の形態におい
ては、図5に示すインサイド引手7の下部に設けられた
ロック操作プレート45の上部をインサイド引手7の内
部側に押圧する。これによって、図10(a)に二点鎖
線で示すように、ロック操作プレート45が解錠規制位
置となり、ロック選択板44をアウト押し板62側に移
動させた状態となる。
【0144】これによって、図13(b)に示すロック
選択板44の左側移動、つまりロック操作プレート45
とは反対側への移動により、ロックピース43も左側に
寄るので、カマ操作棒受け42の下方突起部42aの直
下にはロックピース43の縦孔43bが位置することに
なる。
【0145】したがって、図10(a)に示すように、
アウト押し板62を押圧してカマ操作棒65・65を突
出移動させても、図13(b)に示すカマ操作棒受け4
2の下方突起部42aは、ロックピース43の縦孔43
bに挿入される。したがって、下方突起部42aはロッ
クピース43及びカマ操作ピース46のいずれにも当接
しないので、カマ操作ピース46を押し下げることがな
い。
【0146】すわなち、外側からアウト押し板62を押
圧して解錠しようとしても、解錠がロックされた状態と
なり、鎌錠1は施錠状態を維持しているので、引戸2を
開けることができない。
【0147】また、上記において、引戸2の内側から解
錠するときには、ロック操作プレート45の下側を押圧
することにより、ロック操作プレート45はロック選択
板44を引き寄せてカマ操作棒受け42の下方突起部4
2aをロックピース43に当接させた解錠可能位置とな
る。したがって、図10(a)(b)に示すように、上
述の解錠動作で説明したように、イン押し板61を押圧
することにより、カマ操作棒65・65が突出し、カマ
操作棒受け42、カマ操作棒受け42の下方突起部42
a、ロックピース43及びカマ操作ピース46を介して
鎌金21を回動させることにより解錠することができ
る。
【0148】なお、上記のロック操作プレート45の解
錠規制位置において、すなわち外側から解錠できない状
態において、例えば非常時や緊急時には解錠可能とし得
ることが望ましい。
【0149】本実施の形態では、このような場合にも対
処可能となっている。すなわち、図14(c)に示すよ
うに、ロック操作プレート45の上部を押圧して解錠規
制位置にするとカマ操作ケース41におけるロック操作
プレート45の反対側にロック選択板44の表示ピース
部44aが突出する。この突出した表示ピース部44a
は、図2に示すアウトサイド引手6のスリット12にお
いて、アウトサイド引手6の表面と同一平面上に突出す
るようになる。したがって、例えば、コイン等で表示ピ
ース部44aを押圧することによって、ロック操作プレ
ート45を元の解錠可能位置にすることができる。この
結果、アウト押し板62を押圧することにより、カマ操
作棒65・65、カマ操作棒受け42、カマ操作棒受け
42の下方突起部42a、ロックピース43及びカマ操
作ピース46を介して鎌金21を回動させることにより
解錠することができる。
【0150】このように、本実施の形態の鎌錠1は、引
戸2を開けた状態においては、施錠本体3における錠2
0の鎌金21の先端にあるカマ21aは、錠ケース22
の先端から突出している。この状態から、引戸2を閉じ
ると、カマ21aの先端が受金具5のストライク32に
当接する。このとき、鎌金21には錠ケース22の長溝
25・25に支持される移動支点としての軸ピン21c
が形成され、鎌金21は、この軸ピン21cを錠ケース
22の長溝25・25に摺動させることにより進退移動
自在となりかつこの軸ピン21cを回動支点として回動
自在となるように設けられるので、カマ21aの先端が
ストライク32に摺動するときに、鎌金21が回動し、
やがてカマ21aがストライク32に係止される。これ
によって、施錠状態となる。
【0151】次いで、この施錠状態の鎌錠1を解錠する
ときには、施錠本体3の解錠手段は、カマ21aがスト
ライク32との係合を解除するように鎌金21を押圧し
て回動させるカマ操作ピース46と、手操作にて解錠開
始操作をすることによりカマ操作ピース46に鎌金21
の回動を促す開閉操作機構部60と、この開閉操作機構
部60による鎌金21の回動を促す動作を受けてカマ操
作ピース46に押圧動作をさせるように伝達し得る伝達
機構部40とからなっており、かつ伝達機構部40は、
伝達又は非伝達のいずれかに選択操作可能となってい
る。そして、伝達機構部40を伝達側に選択操作してお
くことにより、解錠することができる。
【0152】すなわち、施錠状態の鎌錠1を解錠すると
きには、伝達機構部40を伝達側に選択操作した状態で
開閉操作機構部60にて手操作により解錠開始操作をす
ることによって、伝達機構部40が、この開閉操作機構
部60による鎌金21の回動を促す動作を受けてカマ操
作ピース46に対して鎌金21を押圧して回動させるよ
うに伝達する。これにより、鎌金21が回動し、カマ2
1aとストライク32との係合が解除され、この状態で
引戸2を開扉動作することによって完全に解錠すること
ができる。
【0153】なお、鎌金21の後部には鎌金21の回動
に抗するように付勢する鎌スプリング23が鎌金21に
当接して設けられているので、解錠手段の操作を解除す
ることにより、鎌金21が鎌スプリング23により解錠
のための回動方向とは逆向きに回動し、その結果、鎌金
21は最初の施錠可能状態に戻る。
【0154】ここで、伝達機構部40を伝達側に選択操
作した状態では、開閉操作機構部60はアウトサイド引
手6側及びインサイド引手7側のいずれの側からも手操
作により解錠開始操作をすることができるものとなって
いる。
【0155】しかし、室内用の引戸2においては、施錠
した鎌錠1に対して室外側からの解錠を規制したい場合
が多い。
【0156】そこで、施錠した鎌錠1を室外側から解錠
できないように室内側でロックする場合には、伝達機構
部40を非伝達側に選択操作する。これにより、開閉操
作機構部60にて手操作により解錠開始操作をしても、
伝達機構部40はこの開閉操作機構部60による鎌金2
1の回動を促す動作をカマ操作ピース46に伝達しな
い。したがって、鎌金21が回動することはなく、カマ
21aとストライク32との係合が解除されることはな
い。この結果、室外側から解錠できないように室内側で
ロックすることができる。
【0157】一方、上述したように、引戸2を開けた状
態においては、鎌金21の先端にあるカマ21aは、錠
ケース22の先端から突出している。したがって、誤っ
て手がこのカマ21aに触れ、手を傷つけるおそれがあ
る。
【0158】しかし、本実施の形態においては、鎌金2
1には錠ケース22の長溝25・25に支持される移動
支点としての軸ピン21cが形成され、鎌金21はこの
軸ピン21cを錠ケース22の長溝25・25に摺動さ
せることにより進退移動自在となるように設けられるの
で、手がカマ21aに当たったときに、鎌金21が退行
移動して手のショックを和らげる。したがって、手が傷
付くのを防止することができる。
【0159】さらに、鎌スプリング23は、鎌金21の
退行移動に抗するように付勢しているので、手のカマ2
1aへの当接を解除することにより、鎌金21は元通り
カマ21aを錠ケース22の先端から突出した状態に戻
る。
【0160】このように、本実施の形態の鎌錠1では、
施錠した場合には伝達機構部40の選択操作により室外
側から解錠できないように室内側でロックすることがで
きる。また、カマ21aが突出状態で露出していてもこ
のカマ21aは手に触れると退行移動するので、カマ2
1aが手等に引っ掛かっても手等を傷つけるのを防止で
きる。したがって、室内用としての使用に耐え得る鎌錠
1を提供することができる。
【0161】また、本実施の形態の鎌錠1は、開閉操作
機構部60にてアウトサイド引手6側又はインサイド引
手7側から手操作により解錠開始操作をするときには、
アウト押し板62又はイン押し板61を外部から押圧す
ることにより、アウト押し板62とイン押し板61との
間に挟装される伸縮部63を縮動作させ、これによっ
て、鎌金21の回動を促す動作を伝達機構部40に伝え
ることができる。
【0162】ここで、アウト押し板62、イン押し板6
1及び伸縮部63は一体に形成されてアウトサイド引手
6及びインサイド引手7の内部上側においてアウトとイ
ンとの方向間で摺動自在に収容されている。すなわち、
アウト押し板62及びイン押し板61は、アウトサイド
引手6及びインサイド引手7の内部上側において、例え
ばピンやネジ等にては取り付けられていないフリーの状
態となっている。このため、室外側又は室内側からのい
ずれからも手を入れて押圧操作することができる。そし
て、このときには、アウト押し板62又はイン押し板6
1は、反対側に寄せられるので、アウトサイド引手6又
はインサイド引手7における手の引っ掛かり部分が大き
くなる。
【0163】したがって、アウト押し板62又はイン押
し板61を押すという解錠動作をしながらアウトサイド
引手6又はインサイド引手7における手の引っ掛かり部
分を大きくすることができるので、容易に引戸2を開扉
することができ操作性も良くなる。
【0164】また、本実施の形態の鎌錠1は、伝達機構
部40は、水平方向に伝達位置と非伝達位置との間で移
動することができるロック選択板44を備えているの
で、このロック選択板44の端部に連結されるロック操
作プレート45により、インサイド引手7の外側からこ
のロック選択板44を水平移動して伝達位置と非伝達位
置とに切り換えることができる。
【0165】また、このロック選択板44には保持孔4
4gが穿設されており、この保持孔44gには、その一
部に縦孔43bを有するロックピース43が上下移動自
在に遊嵌されて保持されている。さらに、ロック選択板
44の上側には、開閉操作機構部60のカマ操作棒65
・65における下方への突出により当接されて押し下げ
られかつこの押し下げによりその下面に形成された下方
突起部42aにて上記のロックピース43に当接し得る
カマ操作棒受け42が設けられている。
【0166】また、ロックピース43の下側には、上端
にてこのロックピース43に当接しかつ下端にて鎌金2
1に当接するカマ操作ピース46が上下移動自在に設け
られる。
【0167】さらに、ロック操作プレート45にてロッ
ク選択板44を伝達位置に移動させたときにはカマ操作
棒受け42の下方突起部42aは上下移動部材の当接面
上に位置する一方、上記操作部材にて水平部材を非伝達
位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起部4
2aはロックピース43の縦孔43b上に位置するよう
に設定されている。
【0168】したがって、ロック選択板44を伝達位置
に移動させたときには、手操作にて開閉操作機構部60
の解錠開始操作をすることにより、鎌金の回動を促すた
めのカマ操作棒65・65が下方に突出する。これによ
り、カマ操作棒65・65がカマ操作棒受け42に当接
すると共に、カマ操作棒受け42の下面に形成された下
方突起部42aがロックピース43に当接してロックピ
ース43を押し下げる。これに伴い、ロックピース43
はカマ操作ピース46は押圧部材を押し下げる。この結
果、カマ操作ピース46の下端は鎌金21に当接してい
るので、鎌金21が回動して解錠できることになる。
【0169】一方、ロック選択板44を非伝達位置に移
動させたときには、手操作にて開閉操作機構部60の解
錠開始操作をすることにより、鎌金21に回動を促すた
めのカマ操作棒65・65が下方に突出し、これによ
り、カマ操作棒65・65がカマ操作棒受け42に当接
してカマ操作棒受け42を押し下げる。
【0170】しかし、ロック選択板44を非伝達位置に
移動させたときには、カマ操作棒受け42の下方突起部
42aはロックピース43の縦孔43b上に位置してい
る。
【0171】したがって、下方突起部42aはロックピ
ース43の縦孔43bに入り込み、その結果、下方突起
部42aはロックピース43に当接せずロックピース4
3を押し下げないことになる。このため、カマ操作ピー
ス46も下方に押圧されないので、鎌金21が回動する
ことはなく解錠されることもない。
【0172】なお、このようにロック選択板44を非伝
達位置に移動させたときに、カマ操作棒受け42を上方
に付勢しない場合には、重力による落下により、カマ操
作棒受け42の下方突起部42aがロックピース43の
縦孔43bに入り込んだままの状態となり、ロック選択
板44を伝達位置に移動できないことになる。しかし、
カマ操作棒受け42には、上方に付勢する受け付勢バネ
47・47が設けられているので、開閉操作機構部60
の解錠開始操作を解除することにより、カマ操作棒受け
42がロックピース43の上方位置に移動するので、ロ
ック選択板44を水平に押圧して伝達位置に移動させる
ことができる。したがって、具体的な開閉操作機構部6
0を提供することができる。
【0173】また、本実施の形態の鎌金21では、室内
側から伝達機構部40を非伝達側にして外側からの解錠
動作をロックした状態になっている場合に、非常時等に
おいては、室外側からも伝達側に操作できる。したがっ
て、非常時等において利便性の高い鎌錠1を提供するこ
とができる。
【0174】また、本実施の形態の鎌錠1では、伝達機
構部40におけるロック選択板44には、このロック選
択板44が伝達位置であるか又は非伝達位置であるかを
アウトサイド引手6の外側に向けて表示するための表示
ピース部44aが設けられている。この表示ピース部4
4aは、アウトサイド引手6に形成されたスリット12
に貫入されるので、その突出の程度により、アウトサイ
ド引手6の外側からロック選択板44が伝達位置である
か又は非伝達位置であるかを容易に確認することができ
る。
【0175】また、表示ピース部44aは、ロック選択
板44におけるアウトサイド引手6側の端部に取替え可
能に延設されている。したがって、引戸2扉厚さに応じ
た表示ピース部44aに容易に取り替えることができ
る。
【0176】また本実施の形態の鎌錠1では、鎌金21
のカマ21aはは下向きに形成される。また、鎌金21
の被支持部は水平方向両側に突出する軸ピン21cから
なり、錠ケース22には、軸ピン21cを遊嵌しかつ摺
動案内すべく鎌金21の進退移動方向に沿う長溝25・
25が支持部として形成されている。
【0177】したがって、鎌金21の軸ピン21cは、
錠ケース22における鎌金21の進退移動方向に沿う長
溝25・25に遊嵌されかつ摺動案内されるので、移動
支点となる。この構成により鎌金21は容易に進退移動
できることになる。
【0178】ところで、本実施の形態の鎌錠1は、鎌錠
1のカマ21aが錠ケース22の先端から突出して設け
られており、この鎌金21を進退移動自在かつ回動自在
に設けるためには、一般的には、錠ケース22を大きく
形成しておかないと、鎌金21が没入移動するときにカ
マ21aが錠ケース22の先端に引っ掛かり没入できな
いというおそれがある。
【0179】しかし、本実施の形態の鎌錠1では、鎌金
21の軸ピン21cよりも先端側下端には凹部21dが
形成され、この凹部21dにおけるカマ21a側の端部
はカマ21a側に向かって下向きとなる傾斜部21eを
有している。また、錠ケース22には、この錠ケース2
2に支持されかつ鎌金21の退行移動時に鎌金21の下
端に形成された凹部21dが摺動される案内ピン24が
設けられる。そして、鎌金21の退行移動時に鎌金21
の凹部21dに傾斜部21eが案内ピン24に摺動する
ことにより、鎌金21が回動して鎌金21のカマ21a
が錠ケース22内に収容されるように形成されている。
【0180】したがって、カマ21aの突出状態におい
ては、錠ケース22に設けられた案内ピン24が鎌金2
1における凹部21dに嵌まり込んでいる。この状態か
ら、鎌金21を没入移動させると、鎌金21は凹部21
dから傾斜部21eの順に案内ピン24を摺動する。こ
のため、案内ピン24が傾斜部21eを通過するとき
に、鎌金21が傾斜角の範囲内で回動する。
【0181】この結果、鎌金21が没入移動する際に
は、鎌金21が回動しながら没入するので、カマ21a
が錠ケース22の先端に引っ掛かるのを防止することが
できる。
【0182】したがって、錠ケース22を大きく形成す
ることなく、鎌金21を自在に進退移動できるので、鎌
錠1をコンパクトに形成することが可能になる。
【0183】一方、引戸2には右開き又は左開きがある
が、鎌錠1の解錠手段等が左右対称でない場合には、上
記右開き用の鎌錠1と左開き用の鎌錠1とをそれぞれ用
意しておかなければならない。
【0184】しかし、本実施の形態の鎌錠1では、解錠
手段は、開閉操作機構部60とカマ操作ピース46を内
蔵する伝達機構部40とがそれぞれ別体に設けられると
共にそれぞれが左右対称形に形成される。また、これら
はアウトサイド引手6及びインサイド引手7からなる収
容器に対して取外し自在となっている。さらに、錠20
も収容器に対して左右向きのいずれにも取り付け可能と
なっている。
【0185】したがって、一種類の開閉操作機構部60
等を作製しておけば、左勝手又は右勝手のいずれの鎌錠
1にも対応することができる。また、これら開閉操作機
構部60等は、収容器に対して取外し自在となっている
ので、現場施工においても左勝手又は右勝手の取り換え
を容易に行うことができる。
【0186】また、収納器はアウトサイド引手6とイン
サイド引手7との二分割になっており、この中に開閉操
作機構部60、伝達機構部40及びカマ操作ピース46
からなる解錠手段と錠20とが内蔵される。そして、こ
れらはそれぞれが別体のものから構成される。したがっ
て、引戸2に施錠本体3を取り付けるときには、引戸2
の出会面の孔から錠20を挿入した後、解錠手段を取り
付けたインサイド引手7とアウトサイド引手6とを引戸
2の彫り込み部に両側から挿入することにより、施錠本
体3を容易に取り付けることができる。この結果、利便
性・経済性の高い鎌錠を提供することができる。
【0187】また、本実施の形態の鎌錠1では、錠20
は、鎌金21を円筒状の錠ケース22に内蔵したものか
らなっている。このため、施工に際して、施錠本体3の
錠ケース22を収容するスペースを形成すべく、引戸2
に孔を穿設する場合において、汎用されているドリルに
て穿孔するだけで足り、直方体の孔を穿設する場合のノ
ミや、NCマシン等の複雑で効果な機械による穿孔作業
を省略することができる。この結果、鎌錠1の取り付け
時における作業性の向上を図ることができる。
【0188】一方、錠20を引戸2に固定するに際し
て、従来では、フロント26から木ネジを通して直接こ
の引戸2の框部に木ネジを固定していた。しかし、最近
の引戸2の框部又は引戸2の材料には強度的に弱いもの
があるので、取り付け強度が不十分となり、経年変化に
より、取り付け部分が緩んでくるおそれがあった。
【0189】しかし、本実施の形態では、錠ケース22
は、カマ21a側のフロント26から、錠取付ビス29
・29を通して固定することにより引戸2に取り付けら
れる。
【0190】このため、錠ケース22は、引戸2の框部
を錠ケース22のフロント26と取付板28とによって
挟持することにより支持固定される。
【0191】したがって、引戸2の框部が弱い材料であ
っても、錠20を引戸2に確実に強く取り付けることが
でき、また耐久性も得られる。
【0192】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図18及び図19に基づいて説明すれば、以下
の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態
1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材につい
ては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0193】実施の形態1の鎌錠1においては、錠20
は鎌金21のカマ21aが下向きのものであったが、必
ずしもこれに限らず、例えば鎌金21のカマ21aが上
向きのものでもよい。
【0194】このときには、図18に示すように、鎌錠
70は、上向きのカマ71aを有する鎌金71の後部に
は、錠ケース72の壁に支持される移動支点である被支
持部としてのバネ受け73が設けられる。上記の鎌金7
1は、このバネ受け73を錠ケース72の壁に沿わせる
ことにより進退移動自在に設けられ、かつこのバネ受け
73を回動支点として回動自在に設けられている。ま
た、鎌金71の後端部には、鎌金71の退行移動及び回
動に抗するように付勢するスプリング74が鎌金71の
バネ受け73に当接して設けられている。
【0195】また、鎌金71の下端は、カマ71a側に
向かって上向きとなる傾斜71bを有して形成される一
方、鎌金71の上端には、錠ケース72内において、カ
マ71a側に向かって凹部71cとこの凹部71cに続
く傾斜71dを有する凸部71eが順に形成されてい
る。さらに、錠ケース72の内壁上部には、鎌金71の
上端における凹部71cに摺動する固定ピン75が設け
られている。
【0196】そして、鎌錠70の上には、伝達機構部4
0が設けられており、この伝達機構部40の下端からは
カマ操作ピース46が突出して鎌金71に当接してい
る。
【0197】また、伝達機構部40の上側には、開閉操
作機構部60が設けられている。
【0198】上記構成の鎌錠70では、鎌金71はバネ
受け73を回動支点として回動自在となっているので、
カマ71aの先端が垂下状態に設けられたストライク7
6の下端に摺動するときに、鎌金71が回動し、やがて
カマ71aがストライク76に係止される。これによっ
て、施錠状態となる。
【0199】次いで、この施錠状態の鎌錠70を解錠す
るときには、図19に示すように、施錠本体3の開閉操
作機構部60の図示しないアウト押し板62又はイン押
し板61を押圧することにより、伸縮部63、カマ操作
棒65・65、伝達機構部40を介してカマ操作ピース
46が下方移動し、このカマ操作ピース46の先端が鎌
金71を押圧し、これによって、鎌金71が回動する。
この結果、カマ71aとストライク76との係合が外
れ、この状態で、引戸2を開扉動作することによって、
解錠することができる。
【0200】〔実施の形態3〕本発明の他の実施の形態
について図20ないし図24に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形
態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能
を有する部材については、同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0201】前記実施の形態1における伸縮部63は、
前記図11(a)(b)に示すように、X型の押し板操
作棒64・64の上端部が、断面L字状に形成されたL
字状連結部64a・64aとなっていると共に、アウト
押し板62又はイン押し板61には、これらL字状連結
部64a・64aを遊嵌するための逆L字状受部62a
・61aが形成されていた。そして、アウト押し板62
又はイン押し板61のいずれかを押圧すると、前記図1
2(a)(b)に示すように、L字状連結部64aと逆
L字状受部62aとが互いにより深く挿入された状態で
連結されるものとなっている。そして、押圧されたX型
の押し板操作棒64・64を元の状態に復帰させるため
に、押し板ジョイントピン68に絡ませて設けた略くの
字状の押し板スプリング66が設けられている。
【0202】しかし、同様の機能を有するために、伸縮
部63は必ずしも上記の構成を採る必要はなく、本発明
の範囲内で変更することが可能である。
【0203】例えば、伸縮部80として、図20(a)
(b)に示すように、押し板操作棒64・64の上端部
に、アウト押し板62又はイン押し板61に支持され連
結ピン81・81にてヒンジ結合するための連結部62
b・61bを形成し、押し板操作棒64・64の上端部
には、上記連結ピン81・81を通すための長孔82・
82を穿設しておく。また、アウト押し板62とイン押
し板61の間における伸縮部63の上部には、押し板ス
プリング83を挟装しておく。
【0204】これによって、押し板操作棒64・64の
上端は移動端となっているので、アウト押し板62又は
イン押し板61を押圧したときに、自由にアウト押し板
62又はイン押し板61を圧縮し得るようになる。ま
た、押し板スプリング83によって、押圧状態の伸縮部
80を最初の状態に復元させることができる。
【0205】一方、上記伸縮部63や伸縮部80では、
X型の押し板操作棒64・64を使用していたが、伸縮
のためには必ずしもこれは必要でなく、例えば、図21
に示すように、押し板操作棒64・64を省略した伸縮
部90とすることが可能である。なお、このときには、
アウト押し板62とイン押し板61の間には、上部及び
下部に押し板スプリング91・91を挟装しておく必要
がある。
【0206】さらに、前記伸縮部63では、前記図4
(b)に示すように、イン押し板61とアウト押し板6
2とが平行に対峙したものからなっているが、必ずしも
これに限らず、例えば、図22に示すように、アウト押
し板102及びイン押し板101におけるカマ21a側
の各端部同士がヒンジ結合されてくの字状に形成される
と共に、アウト押し板102及びイン押し板101の他
端部同士の間にスプリング103が介装されているもの
であっても良い。
【0207】さらに、開閉操作手段である他の開閉操作
機構部110として、例えば、図23に示すように、ア
ウト押し板とイン押し板とを兼ねる1つの押し板111
の一端を回動可能に設けることも可能である。
【0208】この場合には、前記カマ操作棒65・65
に代わるものとして、例えば、図24に示すように、押
し板111の下端側に断面M状の回動部材112を取り
付けることが可能であり、これによっても前記開閉操作
機構部60と同様の機能を果たすことができるものとな
る。
【0209】〔実施の形態4〕本発明の他の実施の形態
について図25ないし図32に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形
態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同一の機
能を有する部材については、同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0210】本実施の形態の開閉操作手段としての開閉
操作機構部200は、図25(a)(b)に示すよう
に、アウトサイド引手206とインサイド引手207と
の中間位置に一枚の仕切り板210を有しており、かつ
この仕切り板210の両側、つまりアウトサイド引手2
06側及びインサイド引手207側には、アウト引板2
30及びイン引板240が鉛直方向の軸部231a・2
41aを中心として回動自在に設けられている。
【0211】そして、アウト引板230及びイン引板2
40の下端部にはそれぞれアウトアーム232及びイン
アーム242が形成されており、また、これらアウトア
ーム232及びインアーム242の先端には、下方に突
出する下方突起233・243がそれぞれ形成されてい
る。
【0212】一方、本実施の形態の伝達手段としての伝
達機構部250は、受け部材としてのカマ操作棒受け2
52が略円錐台の形状をしている。
【0213】したがって、アウト引板230又はイン引
板240を回動することにより、アウトアーム232の
下方突起233又はインアーム242の下方突起243
がこのカマ操作棒受け252の傾斜面に摺動し、これに
よって、このカマ操作棒受け252が押し下げられる構
造となっている。
【0214】上記各部材の構造を詳細に説明する。ま
ず、開閉操作機構部200の仕切り板210は、図26
(a)(b)(c)(d)に示すように、一枚の立て板
211と、この立て板211の上端に水平に設けられる
上板212と、この立て板211の下端に水平に設けら
れる2個の下板213・214と、これら下板213・
214の少し上側で水平に設けられる当接板215とか
らなっている。
【0215】上記立て板211の下部、つまり下板21
3・214と当接板215との間は切欠部216となっ
ている。
【0216】また、上板212の端部には中心線から対
称に2個の上挿入穴217a・217bが穿設されてい
る一方、この上板212の鉛直方向の真下にある下板2
13にも、上記2個の挿入穴217a・217bの鉛直
直下に2個の下挿入穴218a・218bが穿設されて
いる。
【0217】さらに、上板212の中心線上には、上方
に突出するバネ取付け突起219が設けられると共に二
条の立設板221・222が設けられている。
【0218】次に、アウト引板230は、図27(a)
(b)(c)に示すように、縦板部231と、この縦板
部231の下端部に形成されたアウトアーム232及び
その先端にて下方に突出する下方突起233とを有して
いる。
【0219】上記の縦板部231の断面形状は、図28
に示すように、一端部に少し大きい円形状からなる軸部
231aを有し、全体として略湾曲状となっている。
【0220】また、図27(a)(b)(c)に示すよ
うに、軸部231aの上端には上方への挿入突起234
が形成されており、この挿入突起234が前記仕切り板
210の上板212における上挿入穴217aに遊嵌状
態に挿入されるようになっている。
【0221】一方、上記縦板部231における軸部23
1aの下端は、アウトアーム232よりも突出して形成
されている。また、図29に示すように、この軸部23
1aの下端には遊嵌凹部235が穿設されており、この
遊嵌凹部235にはスプリング236を奥にして回転軸
部材237が挿入されるようになっている。さらに、こ
の回転軸部材237は、前記仕切り板210の下板21
3における下挿入穴218aに遊嵌状態に挿入されるよ
うになっている。
【0222】したがって、アウト引板230を仕切り板
210に取り付けるときには、先にアウト引板230の
上端の挿入突起234を上板212の上挿入穴217a
に挿入した後、アウト引板230の下端の回転軸部材2
37を手で少し引っ込ませてこの回転軸部材237を下
板213の下挿入穴218aに挿入することにより、ア
ウト引板230を回動自在に取り付け可能となってい
る。
【0223】一方、上記のアウト引板230のアウトア
ーム232は、図27(a)(b)(c)に示すよう
に、縦板部231に対して斜めに突出するように形成さ
れている。このアウトアーム232の長さは、図30
(a)(b)(c)に示すイン引板240と比較して分
かるように、イン引板240のインアーム242の長さ
よりも長いものとなっている。また、図27(a)
(b)に示すように、アウト引板230の下方突起23
3は、上記縦板部231における軸部231aの下端よ
りもさらに下方に突出して形成されており、かつ、図3
0(a)(b)に示すイン引板240のインアーム24
2の先端から突出する下方突起243よりも長いものと
なっている。
【0224】ただし、イン引板240の縦板部241に
おける軸部241aの下端は、インアーム242の下端
と同一平面上となっている。すなわち、アウト引板23
0及びイン引板240の高さは、いずれも同じとなって
いる。
【0225】この結果、図25(a)(b)に示すよう
に、アウト引板230及びイン引板240を仕切り板2
10に取り付けた場合には、仕切り板210の当接板2
15と下板213・214との間つまり仕切り板210
の切欠部216において、アウトアーム232がインア
ーム242よりも上に位置することにより、各アーム2
32・242の回動時に互いにすれ違うようになってい
る。
【0226】そして、図31に示すように、アウト引板
230の縦板部231はアウトサイド引手206側に位
置すると共に、アウト引板230のアウトアーム232
は、仕切り板210の下側で仕切り板210を横切って
いる。
【0227】また、イン引板240の縦板部24はイン
サイド引手207側に位置すると共に、イン引板240
のインアーム242は、仕切り板210の下側でかつア
ウトアーム232の下側で仕切り板210を横切ってい
る。
【0228】一方、図27(a)(b)及び図30
(a)(b)に示すように、アウト引板230及びイン
引板240における各縦板部231・241の上端に
は、すなわち軸部231a・241aとは離れた位置に
は、それぞれ上方に突出するバネ係止突起238・24
8が形成されている。これらバネ係止突起238・24
8は、図25(a)(b)に示すように、仕切り板21
0の上板212の側面から上方に突出するようになって
いる。そして、これらバネ係止突起238・248は、
上板212の中心線上で上方に突出して形成されたバネ
取付け突起219に取り付けられたくの字状バネ223
によって、それぞれ同図の矢印方向に付勢されている。
なお、このバネ係止突起238・248は、上板212
の立設板221に当接することにより、その回動が規制
されるようになっている。
【0229】次に、上記の伝達機構部250におけるカ
マ操作棒受け252は、図32に示すように、頂部が略
円錐台となっている。なお、その他の伝達機構部250
の構造は、図13(a)(b)に示す伝達機構部40の
構造と全く同一であるので説明を省略する。
【0230】ただし、本実施の形態においては、図25
(a)(b)に示すように、アウトサイド引手206及
びインサイド引手207の中に開閉操作機構部200を
装着した場合に、外側から開閉操作機構部200の上下
端が見えるのを防止すべく、アウトサイド引手206及
びインサイド引手207の図示しない開口窓は小さめの
ものとなっている。
【0231】上記の構成を有する開閉操作機構部200
にて例えば外側から解錠するときには、図31に示すよ
うに、アウトサイド引手206におけるアウト引板23
0の縦板部231を矢印A方向に押圧することにより、
アウト引板230が矢印B方向に回動する。これによっ
て、アウトアーム232の下方突起233が矢印C方向
に回動し、このときに、図25(b)に示すように、こ
の下方突起233が伝達機構部250の円錐台のカマ操
作棒受け252に摺動して、このカマ操作棒受け252
を押し下げる。これによって、伝達機構部250のカマ
操作ピース46が下方移動し、前記図1に示すように、
このカマ操作ピース46が鎌金21の後部に当接して鎌
金21を押し下げることにより、鎌金21を回動させて
ストライク32に係止されたカマ21aを係止解除させ
ることができる。
【0232】このように、本実施の形態の鎌錠は、開閉
操作機構部200がアウトサイド引手206とインサイ
ド引手207との間を仕切る仕切り板210と、この仕
切り板210のアウトサイド引手206側及びインサイ
ド引手207側の両側においてそれぞれ仕切り板210
の端部で軸支されて回動自在に設けられたアウト引板2
30及びイン引板240と、これらアウト引板230及
びイン引板240の各下端部に形成されかつその先端下
方に各下方突起233・243を有するアウトアーム2
32及びインアーム242とからなっている。
【0233】また、伝達機構部40のカマ操作棒受け2
52は、上部が略円錐台に形成されたものとなってい
る。したがって、上記アウト引板230又はイン引板2
40を手操作にて回動すると、アウトアーム232の下
方突起233又はインアーム242の下方突起243も
回動し、そのときにこのアウトアーム232の下方突起
233又はインアーム242の下方突起243が略円錐
台に形成されたカマ操作棒受け252に摺動する。そし
て、アウトアーム232の下方突起233又はインアー
ム242の下方突起243が略円錐台の傾斜面を摺動す
るに伴って、カマ操作棒受け252が押し下げられる。
【0234】その後の動作は、前記実施の形態1に示す
鎌錠1と同様に、伝達機構部250のロック選択板44
を伝達位置に移動させたときには、カマ操作棒受け25
2の押し下げによりその下面に形成された下方突起部4
2aにてロックピース43に当接して押し下げる。これ
に伴い、ロックピース43はカマ操作ピース46を押し
下げる。この結果、カマ操作ピース46の下端は鎌金2
1に当接しているので、鎌金21が回動して解錠できる
ことになる。
【0235】一方、ロック選択板44を非伝達位置に移
動させたときには、カマ操作棒受け252の下方突起部
42aは、ロックピース43に当接せず押し下げないこ
とになるので、カマ操作ピース46も下方に押圧されな
い。このため、鎌金21が回動することはなく解錠され
ることもない。
【0236】このように、本実施の形態では、アウト引
板230又はイン引板240を手操作で回動する動作が
カマ操作棒受け252を押し下げて直接解錠する動作と
なると共に、その回動方向が殆ど引戸2の開扉方向に等
しくなる。したがって、いわゆるワンタッチで解錠動作
と開扉動作とを同時に行うことができる。
【0237】なお、その他の構造、例えば、伝達機構部
250は、非常用として室外側からも伝達側に操作可能
となっている、表示ピース部44aが設けられている、
鎌金1の構造、及び左勝手又は右勝手の取り換え可能な
構造についての効果は前記実施の形態1と同じである。
【0238】
【発明の効果】請求項1に係る発明の鎌錠は、以上のよ
うに、鎌金には錠ケースの支持部に支持される移動支点
としての被支持部が形成され、鎌金は、この被支持部を
錠ケースの支持部に摺動させることにより進退移動自在
となりかつこの被支持部を回動支点として回動自在とな
るように設けられる一方、上記鎌金の退行移動及び回動
に抗するように付勢するスプリングが鎌金の後部に当接
して設けられ、上記解錠手段は、カマがストライクとの
係合を解除するように鎌金を押圧して回動させる押圧部
材と、手操作にて解錠開始操作をすることにより鎌金の
回動を促す開閉操作手段と、上記開閉操作手段による鎌
金の回動を促す動作を受けて上記押圧部材に押圧動作を
させるように伝達し得る伝達手段とからなり、上記伝達
手段は、伝達又は非伝達のいずれかに選択操作可能とな
っているものである。
【0239】それゆえ、カマの先端がストライクに摺動
するときに、鎌金が回動し、やがてカマがストライクに
係止される。これによって、施錠状態となる。
【0240】また、鎌錠を解錠するときには、伝達手段
を伝達側に選択操作した状態で開閉操作手段にて手操作
により解錠開始操作をすることによって、伝達手段が、
この開閉操作手段による鎌金の回動を促す動作を受けて
押圧部材に対して鎌金を押圧して回動させるように伝達
する。これにより、鎌金が回動し、カマとストライクと
の係合が解除され、この状態で引戸を開扉動作すること
によって完全に解錠することができる。
【0241】なお、解錠手段の操作を解除することによ
り、鎌金がスプリングにより解錠のための回動方向とは
逆向きに回動し、その結果、鎌金は最初の施錠可能状態
に戻る。
【0242】また、施錠した鎌錠を室外側から解錠でき
ないように室内側でロックする場合には、伝達手段を非
伝達側に選択操作することにより、開閉操作手段にて手
操作により解錠開始操作をしても、伝達手段は、この開
閉操作手段による鎌金の回動を促す動作を押圧部材に伝
達しない。したがって、鎌金が回動することはなく、カ
マとストライクとの係合が解除されることはない。この
結果、室外側から解錠できないように室内側でロックす
ることができる。
【0243】また、鎌金には錠ケースの支持部に支持さ
れる移動支点としての被支持部が形成され、鎌金は、こ
の被支持部を錠ケースの支持部に摺動させることにより
進退移動自在となるように設けられるので、手がカマに
当たったときに、鎌金が退行移動して手のショックを和
らげる。したがって、手が傷付くのを防止することがで
きる。
【0244】このように、本発明の鎌錠では、施錠した
場合には伝達手段の選択操作により室外側から解錠でき
ないように室内側でロックすることができる。また、カ
マが突出状態で露出していてもこのカマは手に触れると
退行移動するので、カマが手等に引っ掛かっても手等を
傷つけるのを防止できる。したがって、室内用としての
使用に耐え得る鎌錠を提供することができるという効果
を奏する。
【0245】請求項2に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1記載の鎌錠において、上記の開閉操作手段
は、外部から押圧操作し得るアウト押し板及びイン押し
板と、これらアウト押し板とイン押し板との間に挟装さ
れる伸縮部とが一体に形成されてアウトサイド引手及び
インサイド引手の内部上側においてアウトとインとの方
向間で摺動自在に収容されると共に、この伸縮部は縮動
作を介して鎌金の回動を促す動作を伝達手段に伝えるよ
うになっているものである。
【0246】それゆえ、アウト押し板又はイン押し板を
外部から押圧することにより、アウト押し板とイン押し
板との間に挟装される伸縮部を縮動作させ、これによっ
て、鎌金の回動を促す動作を伝達手段に伝えることがで
きる。
【0247】また、アウト押し板又はイン押し板を押す
という解錠動作をしながらアウトサイド引手又はインサ
イド引手における手の引っ掛かり部分を大きくすること
ができるので、容易に引戸を開扉することができ操作性
も良くなるという効果を奏する。
【0248】請求項3に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1又は2記載の鎌錠において、上記の開閉操
作手段には手操作にて解錠開始操作をすることにより鎌
金の回動を促すべく下方に突出する突出部材が設けられ
る一方、上記伝達手段は、水平方向に伝達位置と非伝達
位置との間で移動することができる水平部材と、この水
平部材の端部に連結されかつインサイド引手の外側から
この水平部材を移動して伝達位置と非伝達位置とに切り
換え得る操作部材と、上記水平部材に穿設された保持孔
に上下移動自在に遊嵌されかつその一部に縦孔を有する
上下移動部材と、上記突出部材の下方への突出により当
接されて押し下げられかつこの押し下げによりその下面
に形成された下方突起部にて上記の上下移動部材に当接
して押し下げ得る受け部材と、この受け部材を上方へ付
勢するバネとからなり、上記上下移動部材の下側には、
上端にてこの上下移動部材に当接しかつ下端にて鎌金に
当接する上記押圧部材が上下移動自在に設けられると共
に、上記操作部材にて水平部材を伝達位置に移動させた
ときには上記受け部材の下方突起部は上下移動部材の当
接面上に位置する一方、上記操作部材にて水平部材を非
伝達位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起
部は上下移動部材の縦孔上に位置するように設定されて
いるものである。
【0249】それゆえ、水平部材を伝達位置に移動させ
たときには、手操作にて開閉操作手段の解錠開始操作を
することにより、鎌金の回動を促すための突出部材が下
方に突出する。これにより、突出部材が受け部材に当接
すると共に、受け部材の下面に形成された下方突起部が
上下移動部材に当接して押し下げる。これに伴い、上下
移動部材は押圧部材を押し下げる。この結果、押圧部材
の下端は鎌金に当接しているので、鎌金が回動して解錠
できることになる。
【0250】一方、水平部材を非伝達位置に移動させた
ときには、受け部材の下方突起部は上下移動部材の縦孔
上に位置しているので、下方突起部は上下移動部材の縦
孔に入り込み、その結果、下方突起部は上下移動部材に
当接せず押し下げないことになる。このため、押圧部材
も下方に押圧されないので、鎌金が回動することはなく
解錠されることもない。
【0251】したがって、具体的な開閉操作手段を提供
することができるという効果を奏する。
【0252】請求項4に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、鎌金には錠ケースの支持部に支持される移動支点と
しての被支持部が形成され、鎌金は、この被支持部を錠
ケースの支持部に摺動させることにより進退移動自在と
なりかつこの被支持部を回動支点として回動自在となる
ように設けられる一方、上記鎌金の退行移動及び回動に
抗するように付勢するスプリングが鎌金の後部に当接し
て設けられ、上記解錠手段は、カマがストライクとの係
合を解除するように鎌金を押圧して回動させる押圧部材
と、手操作にて解錠開始操作をすることにより鎌金の回
動を促す開閉操作手段と、上記開閉操作手段による鎌金
の回動を促す動作を受けて上記押圧部材に押圧動作をさ
せるように伝達し得る伝達手段とからなり、上記伝達手
段は、伝達又は非伝達のいずれかに選択操作可能となっ
ていると共に、上記の開閉操作手段は、アウトサイド引
手とインサイド引手との間を仕切る仕切り板と、この仕
切り板のアウトサイド引手側及びインサイド引手側の両
側においてそれぞれ仕切り板の端部で軸支されて回動自
在に設けられたアウト引板及びイン引板と、これらアウ
ト引板及びイン引板の各下端部に形成されかつその先端
下方に下方突起を有するアウトアーム及びインアームと
からなり、上記伝達手段は、水平方向に伝達位置と非伝
達位置との間で移動することができる水平部材と、この
水平部材の端部に連結されかつインサイド引手の外側か
らこの水平部材を移動して伝達位置と非伝達位置とに切
り換え得る操作部材と、上記水平部材に穿設された保持
孔に上下移動自在に遊嵌されかつその一部に縦孔を有す
る上下移動部材と、上部が略円錐台に形成されかつ上記
アウト引板又はイン引板の手操作による回動によりアウ
トアームの下方突起又はインアーム下方突起の摺動によ
って押し下げられかつこの押し下げによりその下面に形
成された下方突起部にて上記の上下移動部材に当接して
押し下げ得る受け部材と、この受け部材を上方へ付勢す
るバネとからなり、上記上下移動部材の下側には、上端
にてこの上下移動部材に当接しかつ下端にて鎌金に当接
する上記押圧部材が上下移動自在に設けられると共に、
上記操作部材にて水平部材を伝達位置に移動させたとき
には上記受け部材の下方突起部は上下移動部材の当接面
上に位置する一方、上記操作部材にて水平部材を非伝達
位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起部は
上下移動部材の縦孔上に位置するように設定されている
ものである。
【0253】それゆえ、上記アウト引板又はイン引板を
手操作にて回動すると、アウトアームの下方突起又はイ
ンアーム下方突起も回動し、そのときにこのアウトアー
ムの下方突起又はインアームの下方突起が略円錐台に形
成された受け部材に摺動する。そして、アウトアームの
下方突起又はインアームの下方突起が略円錐台の傾斜面
を摺動するに伴って、受け部材が押し下げられ、その結
果、鎌金が回動して解錠できることになる。
【0254】このように、本発明では、アウト引板又は
イン引板を手操作で回動する動作が受け部材を押し下げ
て直接解錠する動作となると共に、その回動方向が殆ど
引戸の開扉方向に等しくなる。したがって、いわゆるワ
ンタッチで解錠動作と開扉動作とを同時に行うことがで
きるという効果を奏する。
【0255】請求項5に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1、2、3又は4記載の鎌錠において、上記
伝達手段は、室内側から非伝達側に選択操作されたのも
のが、非常用として、室外側からも伝達側に操作可能と
なっているものである。
【0256】それゆえ、室内側から伝達手段を非伝達側
にして外側からの解錠動作をロックした状態になってい
る場合に、非常時においては、室外側からも伝達側に選
択操作できる。したがって、非常時において利便性の高
い鎌錠を提供することができるという効果を奏する。
【0257】請求項6に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項3又は4記載の鎌錠において、上記伝達手段
における水平部材には、この水平部材が伝達位置である
か又は非伝達位置であるかをアウトサイド引手の外側に
向けて表示するための表示ピースがアウトサイド引手側
の端部に取替え可能に延設されると共に、アウトサイド
引手にはこの表示ピースが貫入し得るスリットが設けら
れているものである。
【0258】それゆえ、表示ピースは、アウトサイド引
手に形成されたスリットに貫入されるので、その突出の
程度により、アウトサイド引手の外側から水平部材が伝
達位置であるか又は非伝達位置であるかを容易に確認す
ることができる。
【0259】また、表示ピースは、水平部材におけるア
ウトサイド引手側の端部に取替え可能に延設されてい
る。したがって、引戸の扉厚さに応じた表示ピースに容
易に取り替えることができるという効果を奏する。
【0260】請求項7に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1ないし6のいずれかに記載の鎌錠におい
て、上記鎌金のカマは下向きに形成されると共に、上記
鎌金の被支持部は水平方向両側に突出する軸ピンからな
る一方、上記錠ケースには、上記軸ピンを遊嵌しかつ摺
動案内すべく鎌金の進退移動方向に沿う長溝が支持部と
して形成されていると共に、上記鎌金の被支持部よりも
先端側下端には凹部が形成され、この凹部におけるカマ
側の端部はカマ側に向かって下向きとなる傾斜部を有す
る一方、上記錠ケースには、この錠ケースに支持されか
つ上記鎌金の退行移動時に鎌金の下端に形成された凹部
が摺動される摺動案内部材が設けられ、上記鎌金の退行
移動時に鎌金の凹部における傾斜部が上記摺動案内部材
に摺動することにより、鎌金が回動して鎌金のカマが錠
ケース内に収容されるように形成されているものであ
る。
【0261】それゆえ、鎌金の軸ピンは、錠ケースにお
ける鎌金の進退移動方向に沿う長溝に遊嵌されかつ摺動
案内されるので、移動支点となる。この構成により鎌金
は、容易に進退移動できることになるという効果を奏す
る。
【0262】また、カマの突出状態においては、錠ケー
スに設けられた摺動案内部材が鎌金における凹部に嵌ま
り込んでいる。この状態から、鎌金を没入移動させる
と、鎌金は凹部から傾斜部の順に摺動案内部材を摺動す
る。このため、摺動案内部材が傾斜部を通過するとき
に、鎌金が傾斜角の範囲内で回動する。
【0263】この結果、鎌金が没入移動する際には、鎌
金が回動しながら没入するので、カマが錠ケースの先端
に引っ掛かるのを防止することができる。
【0264】したがって、錠ケースを大きく形成するこ
となく、鎌金を自在に進退移動できるので、鎌錠をコン
パクトに形成することが可能になるという効果を奏す
る。
【0265】請求項8に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1ないし7のいずれかに記載の鎌錠におい
て、上記の解錠手段は、開閉操作手段と伝達手段と押圧
部材とがそれぞれ別体に設けられると共にそれぞれが左
右対称形に形成され、かつ収容器に対して取外し自在と
なっている一方、上記錠も収容器に対して左右向きのい
ずれにも取り付け可能となっているものである。
【0266】それゆえ、一種類の開閉操作部材等を作製
しておけば、左勝手又は右勝手のいずれの鎌錠にも対応
することができる。また、これら開閉操作部材等は、収
容器に対して取外し自在となっているので、現場施工に
おいても左勝手又は右勝手の取り換えを容易に行うこと
ができる。
【0267】また、引戸に施錠本体を取り付けるときに
は、引戸の出会面の孔から錠を挿入した後、解錠手段を
取り付けた例えばインサイド引手とアウトサイド引手と
を引戸の彫り込み部に両側から挿入することにより、施
錠本体を容易に取り付けることができる。
【0268】この結果、利便性・経済性の高い鎌錠を提
供することができるという効果を奏する。
【0269】請求項9に係る発明の鎌錠は、以上のよう
に、請求項1ないし8のいずれかに記載の鎌錠におい
て、上記の錠は鎌金を円筒状の錠ケースに内蔵したもの
からなり、かつこの錠ケースは、カマ側のケース表面か
ら、引戸の框部を挟んで設けられた取付板へビスを通し
て固定することにより引戸に取り付けられるものであ
る。
【0270】それゆえ、施工に際して、施錠本体の錠ケ
ースを収容するスペースを形成すべく、引戸に孔を穿設
する場合において、汎用されているドリルにて穿孔する
だけで足り、直方体の孔を穿設する場合のノミ等による
穿孔作業を省略することができる。この結果、鎌錠の取
り付け時における作業性の向上を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0271】さらに、錠ケースは、引戸の框部を錠ケー
スのケース表面と取付板とによって挟持することにより
支持される。したがって、引戸の框部が弱い材料であっ
ても、錠を引戸に確実に強く取り付けることができ、ま
た耐久性も得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施の形態の鎌錠を示す構造
図である。
【図2】上記鎌錠における施錠本体及び受金具の取り付
け状態を示す斜視図である。
【図3】上記鎌錠の施錠本体を示す分解斜視図である。
【図4】上記施錠本体の構造を示すものであり、(a)
は正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図である。
【図5】上記施錠本体の構造を示す背面図である。
【図6】上記施錠本体における錠を除いた状態の右側面
図である。
【図7】上記施錠本体における錠の構造を示すものであ
り、(a)左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面
図である。
【図8】上記施錠本体における錠を示す構造図であり、
(a)はカマが突出している状態を示すもの、(b)は
カマが錠ケースに没入している状態を示すものである。
【図9】上記鎌錠における受金具の構造を示すものであ
り、(a)は左側面図、(b)はストライク押さえを除
いた状態の左側面図、(c)は断面図である。
【図10】上記施錠本体における開閉操作機構部、伝達
機構部及びカマ操作ピースの構造を示すものであり、
(a)は断面図、(b)はアウト押し板を除いて示す正
面図である。
【図11】上記施錠本体における開閉操作機構部の構造
を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図で
ある。
【図12】上記施錠本体における開閉操作機構部の構造
を示すものであり、(a)はイン押し板を押圧した状態
の側面図、(b)は背面図である。
【図13】上記施錠本体における伝達機構部及びカマ操
作ピースの構造を示すものであり、(a)は(b)のX
−X線断面図、(b)は一部を破断して示す断面図であ
る。
【図14】上記施錠本体における伝達機構部及びカマ操
作ピースの構造を示すものであり、(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図15】上記伝達機構部におけるロック選択板の構造
を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図、
(c)は側面図である。
【図16】上記伝達機構部におけるロック選択板に遊嵌
されるロックピースの構造を示すものであり、(a)は
平面図、(b)は側面図である。
【図17】上記鎌錠の施錠状態を示す断面図である。
【図18】本発明における他の実施の形態の鎌錠の施錠
状態を示す断面図である。
【図19】上記他の実施の形態の鎌錠の解錠状態を示す
断面図である。
【図20】上記鎌錠における他の開閉操作機構部を示す
ものであり、(a)は正面図、(b)は右側面図であ
る。
【図21】上記鎌錠におけるさらに他の開閉操作機構部
を示すものであり、(a)は正面図、(b)は右側面図
である。
【図22】上記鎌錠におけるさらに他の開閉操作機構部
を示す平面図である。
【図23】上記鎌錠におけるさらに他の開閉操作機構部
を示す平面図である。
【図24】上記開閉操作機構部を示す側面図である。
【図25】上記鎌錠におけるさらに他の開閉操作機構部
を備えた施錠本体の構造を示すものであり、(a)は平
面図、(b)はアウトサイド引手を除いた状態の正面図
である。
【図26】上記他の開閉操作機構部における仕切り板の
構造を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面
図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。
【図27】上記他の開閉操作機構部におけるアウト引板
の構造を示すものであり、(a)は左側面図、(b)
は、正面図、(c)は底面図である。
【図28】上記他の開閉操作機構部におけるアウト引板
の縦板部を示すものであり、上記図27(b)のX−X
線断面図である。
【図29】上記他の開閉操作機構部におけるアウト引板
の下端部の構造を一部破断して示す要部拡大断面図であ
る。
【図30】上記他の開閉操作機構部におけるイン引板の
構造を示すものであり、(a)は正面図、(b)は右側
面図、(c)は底面図である。
【図31】上記図25におけるY−Y線断面図である。
【図32】上記他の開閉操作機構部と共に設けられる伝
達機構部のカマ操作棒受けの構造を示すものであり、
(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図33】従来の鎌錠の内部構造を示す断面図である。
【図34】上記の鎌錠を解錠するための外観構造を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 鎌錠 2 引戸 3 施錠本体 5 受金具 6 アウトサイド引手(収容器) 7 インサイド引手(収容器) 12 スリット 20 錠 21 鎌金 21a カマ 21c 軸ピン(被支持部、回動支点) 21d 凹部 21e 傾斜部 22 錠ケース 23 鎌スプリング(スプリング) 24 案内ピン(摺動案内部材) 25 長溝(支持部) 26 フロント(ケース表面) 29 錠取付ビス(ビス) 32 ストライク 40 伝達機構部(伝達手段) 42 カマ操作棒受け(受け部材) 42a 下方突起部 43 ロックピース(上下移動部材) 43b 縦孔 44 ロック選択板(水平部材) 44a 表示ピース部 44g 保持孔 45 ロック操作プレート(操作部材) 46 カマ操作ピース(押圧部材) 47 受け付勢バネ(バネ) 60 開閉操作機構部(開閉操作手段、解錠手段) 65 カマ操作棒(突出部材)
フロントページの続き (72)発明者 高藤 盛久 大阪府大阪市淀川区野中南2丁目11番50号 昭和ロック株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】錠ケースに鎌金を有する錠とこの錠の解錠
    手段とをアウトサイド引手及びインサイド引手からなる
    収容器に内蔵した施錠本体と、上記鎌金の先端に形成さ
    れたカマに係合し得るストライクを有する受金具とから
    なる鎌錠において、 上記鎌金には錠ケースの支持部に支持される移動支点と
    しての被支持部が形成され、鎌金は、この被支持部を錠
    ケースの支持部に摺動させることにより進退移動自在と
    なりかつこの被支持部を回動支点として回動自在となる
    ように設けられる一方、 上記鎌金の退行移動及び回動に抗するように付勢するス
    プリングが鎌金の後部に当接して設けられ、 上記解錠手段は、カマがストライクとの係合を解除する
    ように鎌金を押圧して回動させる押圧部材と、手操作に
    て解錠開始操作をすることにより鎌金の回動を促す開閉
    操作手段と、上記開閉操作手段による鎌金の回動を促す
    動作を受けて上記押圧部材に押圧動作をさせるように伝
    達し得る伝達手段とからなり、 上記伝達手段は、伝達又は非伝達のいずれかに選択操作
    可能となっていることを特徴とする鎌錠。
  2. 【請求項2】上記の開閉操作手段は、外部から押圧操作
    し得るアウト押し板及びイン押し板と、これらアウト押
    し板とイン押し板との間に挟装される伸縮部とが一体に
    形成されてアウトサイド引手及びインサイド引手の内部
    上側においてアウトとインとの方向間で摺動自在に収容
    されると共に、この伸縮部は縮動作を介して鎌金の回動
    を促す動作を伝達手段に伝えるようになっていることを
    特徴とする請求項1記載の鎌錠。
  3. 【請求項3】上記の開閉操作手段には手操作にて解錠開
    始操作をすることにより鎌金の回動を促すべく下方に突
    出する突出部材が設けられる一方、 上記伝達手段は、水平方向に伝達位置と非伝達位置との
    間で移動することができる水平部材と、この水平部材の
    端部に連結されかつインサイド引手の外側からこの水平
    部材を移動して伝達位置と非伝達位置とに切り換え得る
    操作部材と、上記水平部材に穿設された保持孔に上下移
    動自在に遊嵌されかつその一部に縦孔を有する上下移動
    部材と、上記突出部材の下方への突出により当接されて
    押し下げられかつこの押し下げによりその下面に形成さ
    れた下方突起部にて上記の上下移動部材に当接して押し
    下げ得る受け部材と、この受け部材を上方へ付勢するバ
    ネとからなり、 上記上下移動部材の下側には、上端にてこの上下移動部
    材に当接しかつ下端にて鎌金に当接する上記押圧部材が
    上下移動自在に設けられると共に、 上記操作部材にて水平部材を伝達位置に移動させたとき
    には上記受け部材の下方突起部は上下移動部材の当接面
    上に位置する一方、上記操作部材にて水平部材を非伝達
    位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起部は
    上下移動部材の縦孔上に位置するように設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の鎌錠。
  4. 【請求項4】錠ケースに鎌金を有する錠とこの錠の解錠
    手段とをアウトサイド引手及びインサイド引手からなる
    収容器に内蔵した施錠本体と、上記鎌金の先端に形成さ
    れたカマに係合し得るストライクを有する受金具とから
    なる鎌錠において、 上記鎌金には錠ケースの支持部に支持される移動支点と
    しての被支持部が形成され、鎌金は、この被支持部を錠
    ケースの支持部に摺動させることにより進退移動自在と
    なりかつこの被支持部を回動支点として回動自在となる
    ように設けられる一方、 上記鎌金の退行移動及び回動に抗するように付勢するス
    プリングが鎌金の後部に当接して設けられ、 上記解錠手段は、カマがストライクとの係合を解除する
    ように鎌金を押圧して回動させる押圧部材と、手操作に
    て解錠開始操作をすることにより鎌金の回動を促す開閉
    操作手段と、上記開閉操作手段による鎌金の回動を促す
    動作を受けて上記押圧部材に押圧動作をさせるように伝
    達し得る伝達手段とからなり、 上記伝達手段は、伝達又は非伝達のいずれかに選択操作
    可能となっていると共に、 上記の開閉操作手段は、アウトサイド引手とインサイド
    引手との間を仕切る仕切り板と、この仕切り板のアウト
    サイド引手側及びインサイド引手側の両側においてそれ
    ぞれ仕切り板の端部で軸支されて回動自在に設けられた
    アウト引板及びイン引板と、これらアウト引板及びイン
    引板の各下端部に形成されかつその先端下方に下方突起
    を有するアウトアーム及びインアームとからなり、 上記伝達手段は、水平方向に伝達位置と非伝達位置との
    間で移動することができる水平部材と、この水平部材の
    端部に連結されかつインサイド引手の外側からこの水平
    部材を移動して伝達位置と非伝達位置とに切り換え得る
    操作部材と、上記水平部材に穿設された保持孔に上下移
    動自在に遊嵌されかつその一部に縦孔を有する上下移動
    部材と、上部が略円錐台に形成されかつ上記アウト引板
    又はイン引板の手操作による回動によりアウトアームの
    下方突起又はインアーム下方突起の摺動によって押し下
    げられかつこの押し下げによりその下面に形成された下
    方突起部にて上記の上下移動部材に当接して押し下げ得
    る受け部材と、この受け部材を上方へ付勢するバネとか
    らなり、 上記上下移動部材の下側には、上端にてこの上下移動部
    材に当接しかつ下端にて鎌金に当接する上記押圧部材が
    上下移動自在に設けられると共に、 上記操作部材にて水平部材を伝達位置に移動させたとき
    には上記受け部材の下方突起部は上下移動部材の当接面
    上に位置する一方、上記操作部材にて水平部材を非伝達
    位置に移動させたときには上記受け部材の下方突起部は
    上下移動部材の縦孔上に位置するように設定されている
    ことを特徴とする鎌錠。
  5. 【請求項5】上記伝達手段は、室内側から非伝達側に選
    択操作されたのものが、非常用として、室外側からも伝
    達側に操作可能となっていることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載の鎌錠。
  6. 【請求項6】上記伝達手段における水平部材には、この
    水平部材が伝達位置であるか又は非伝達位置であるかを
    アウトサイド引手の外側に向けて表示するための表示ピ
    ースがアウトサイド引手側の端部に取替え可能に延設さ
    れると共に、アウトサイド引手にはこの表示ピースが貫
    入し得るスリットが設けられていることを特徴とする請
    求項3又は4記載の鎌錠。
  7. 【請求項7】上記鎌金のカマは下向きに形成されると共
    に、上記鎌金の被支持部は水平方向両側に突出する軸ピ
    ンからなる一方、 上記錠ケースには、上記軸ピンを遊嵌しかつ摺動案内す
    べく鎌金の進退移動方向に沿う長溝が支持部として形成
    されていると共に、 上記鎌金の被支持部よりも先端側下端には凹部が形成さ
    れ、この凹部におけるカマ側の端部はカマ側に向かって
    下向きとなる傾斜部を有する一方、 上記錠ケースには、この錠ケースに支持されかつ上記鎌
    金の退行移動時に鎌金の下端に形成された凹部が摺動さ
    れる摺動案内部材が設けられ、 上記鎌金の退行移動時に鎌金の凹部における傾斜部が上
    記摺動案内部材に摺動することにより、鎌金が回動して
    鎌金のカマが錠ケース内に収容されるように形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の鎌錠。
  8. 【請求項8】上記の解錠手段は、開閉操作手段と伝達手
    段と押圧部材とがそれぞれ別体に設けられると共にそれ
    ぞれが左右対称形に形成され、かつ収容器に対して取外
    し自在となっている一方、 上記錠も収容器に対して左右向きのいずれにも取り付け
    可能となっていることを特徴とする請求項1ないし7の
    いずれかに記載の鎌錠。
  9. 【請求項9】上記の錠は鎌金を円筒状の錠ケースに内蔵
    したものからなり、かつこの錠ケースは、カマ側のケー
    ス表面から、引戸の框部を挟んで設けられた取付板へビ
    スを通して固定することにより引戸に取り付けられるこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鎌
    錠。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003500A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社日乃本錠前 引戸用錠前

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JP2016003500A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社日乃本錠前 引戸用錠前

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